- 258 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:09:43 ID:SXlFlhON
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。
【今回のメイン柳生:柳生又右衛門宗矩&柳生七郎】
/ ̄ ̄\
/ ノ \\
| .(●)(●) | 柳生家の当主にして徳川将軍家剣術指南役、
. | (__人__) | 柳生又右衛門宗矩だろ。常識的に考えて…。
| `⌒´ | ) ;;;;)
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
(ヽ三/) ))
____ ( i)))
/⌒ ⌒\\
/( ●) (●)\ ) 柳生家の嫡男、柳生七郎だお!
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈 `ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
- 259 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:10:12 ID:YQ9TCIFr
- キタキター
- 262 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:11:18 ID:SXlFlhON
- 【元和二年(1616)時の柳生一族系譜】
大膳長永
:
<柳生家>
:
├─────┐
柳生永珍 中坊源専
:
├─────┐
家厳 重厳
| (七郎左衛門)
| (松吟庵)
├────────────────────────────────┐
宗厳 .妹
(新左衛門) |
(石舟斎) <幸徳井家>
├───┬───┬────┬──────┐ .|
厳勝 久斎 徳斎 宗章 宗矩 友景
(新次郎) (五郎右衛門) .(又右衛門)
| .|
| .|
├────┬────┬────┐ ├───┬───┐
純厳 利厳 妹 厳倚 七郎 .左門 又十郎
(久三郎) (兵庫助) (権右衛門)
|
新左衛門
- 263 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:12:33 ID:SXlFlhON
- 【第1部(その1~11)のあらすじ】
時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復する。
更に、家康が幕府を開き、後継たる秀忠を二代将軍とすることで、宗矩は将軍家剣術指南役となった。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。
【第2部(その12~19)のあらすじ】
石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
同時に、兵庫助も島左近の遺女・お珠を妻に迎えた。
その後、起こった戦乱の世の残照にして最後の大戦、「大坂の陣」。
冬と夏、二度にわたる戦の末、遂に豊臣家は滅亡、
幕府(徳川家)の天下が固まったことで戦乱の世は終わり、「元和厭武」が宣言される。
同時に、兵庫助は尾張徳川家の剣術指南役に仕官し、尾張柳生の礎を築いた。
そして元和二年、遂に一代の英傑、徳川家康がこの世を去り、二代将軍秀忠の治世が始まる。
そこで発生した「坂崎事件」において、幕府よりの使者を務めた宗矩は事件を見事収め、
名誉と褒美を受け取った。
その褒美の中には、後の江戸柳生家の象徴ともいえる「ニ蓋笠」の紋も含まれていたのであった…。
- 264 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:16:43 ID:SXlFlhON
- 時に元和二年(1616)、坂崎事件の解決により、宗矩の名声は上がった。
これにより、宗矩も一介の剣術指南役である事を超え、新たなる道を歩むきっかけとなるのであった。
時に宗矩、46才…。
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| .||===○===○===○===○===○
| |││││││││││││││││|| .||
| |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
___________| |││││││││││││││││|| ||____________
\/\/\/\/\/\| |││││││││││││││││|| ||\/\/\/\/\/\/
/\/\/\/\/\/| |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
""" ̄ ̄ ̄'''''''''''''''""""" ̄""" ̄ ̄''''''''''""
/ ̄ ̄\
/ ._ノ ヽ、\
| (●)(●) |
| (__人__) | ……………。
.| `⌒´ }
./ヽ }
/ ノ.ヽ . ./\
. 〈 〈| / ̄| |ニニ|
\. ∧ / :| / /
∧ /|ハ__ハ/ /
|トv' / |/ |
/ ゝ._ノ/^,.|│ |
// 」 0_ 0_ L\へ
/ V {_:_:_} {:_:_:} V :|
|_人__--=ニ人 |
|__|フ/ ̄|  ̄ カポカポ
|:::::::| /‐‐‐|
| ̄ |/::::::::/
 ̄〈ニニ/
- 265 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:18:36 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ \
|:::::: |
. |::::::::::: | …さて、皆、納得するかどうか…。
|:::::::::::::: | おそらく揉めるであろうが…。
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
/ ̄ ̄\ .|┃
/ \ .三|┃
| | .|┃
. | .| .|┃ …おりん、七郎。
| | |┃ 今、戻ったぞ。
. | } .三|┃
. ヽ } |┃○
ヽ ノ 三.|┃
/ く .|┃ ガラッ
| \ 三....|┃
| |ヽ、二⌒) .|┃
- 266 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:19:52 ID:SXlFlhON
- Л_
//;;;;`-、_
//ー-、;;;;;;;;;ヽ、
//_ ;;;;;;;;ヽ、 て
// ゙゙ー-、 ` ;;;;;;ヽ そ
___ // `-、 ` ;;;;ヽ そ
/⌒三 ⌒\ // \ `;;;;|
/( ○)三(○)// ヽ ゙、;| 父上お覚悟だお!
/:::::⌒(__人__)i⌒)、ヽ | i;|
.| |r┬-|./フヽ.`i| | l/
\ `ー"// .ノ ノ l/
( i .//
.\ .\,. // バッ!
`ヽ、 ⌒)
`"''"
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー)
. | (__人__) (まったく、またこのパターンか…。
| ` ⌒´ノ ,r'゛丶 今回は中段だな)
.l^l^ln } '‐= )
. ヽ L } '--´
ゝ ノ ノ
/ / \
- 267 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:22:18 ID:SXlFlhON
-
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ せいっ!
| ( ●)(●)
.| (__人__) /⌒l
| `⌒´ノ |`'''|
/ ⌒ヽ } | |
/ へ \ }__/ / 三 ̄ ̄ ̄\
/ / | ノ ノ スカッ 三 ─ ─ \ 甘いですおっ!
( _ ノ | \´ _ 三 (●) (●) \.
| \_,, -‐ ''"  ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ 三 (__人__) |
.| __ ノ 三 ` ⌒´ /
ヽ _,, -‐ ''" ̄ ̄ ̄ ̄ 三 / ̄ ̄
\ , '´ . 三 /
\ ( 三 / ヒュッ!
\ \ 三 /
- 268 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:22:36 ID:YQ9TCIFr
- おお、避けたwwww
- 269 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:25:09 ID:SXlFlhON
- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
/ \ / て
| ( ○)(○) そ (なんだとっ!?)
. .| U (__人__)
_____∧,、 | |r┬-| ____
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`'` | ι .`ー'´}  ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
.キッ! /\ ./ \ (やったお!かわせたお!)
___∧,、 /(●) (●) \____
 ̄ ̄ ̄`'` | (__人__) .| ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___
三≡≡≡≡/::::::::::::::::\三三三三===
三三三三/:::::─三三─\
/:::::::::(○)三(○)\三三三二二≡=
/::::::.:::::::::: (__人__) ::::::::\ /l
三三|::::::::::::::::::::::::::`::⌒´:::::::::::::::| .// 父上、隙ありだお!
\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::///
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://三三二≡≡=
三=/:::::::::::;::::::::::::::::::::::::::::::://
|:::::::::::::|:::::::::::::::::::::::://三三三二二≡≡
\::::::::: ̄ ̄ ̄( ̄/
三三|`ー―‐、;_;_;_;/:::::::::三三≡≡
- 270 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:27:28 ID:SXlFlhON
- 甘いわ!
/ ̄ ̄\ // // ////
/ノ( ゝ 、_,ノヽ ___,--、
| ⌒(( ○)(○) ( ) ) ) ) )
. | (__人__) /⌒l | ⌒`i
| ` ⌒´ノ |`'''| | '、 |
/ ⌒ヽ } | | / /
/ へ \ }__/ / / |
/ / | ノ ._/ |
( _ ノ | . ⌒ヽ_/ } Hit!
| _____\ ノ
i / ̄ `ー-'' _
\_/ / _/⌒ ⌒\_
_ノ / /:●))(__人__)((● \ ぐぇあ
( / | |r┬-| |
|_ノ'' \ `ー'┃ /
/ ̄ ̄\ もーいっかい!
/ \ / \
| (●)(●) | 2Hit!
. | (__人__) .i,r-v'ヽ、ノ ̄ ̄ ̄\
| ` ⌒´ r‐く ヽ'\ノ ヽ、_ .\
. ヽ .ノ \ \.)))) .(( ◎))゚o
ヽ イ \ ヽ い)__人__)' | ぐはぁっ!?
/ .| \_ Y )ノノ ノ .ノ . /
| ,ゝ、 マ_ノー彡'´ `⌒´ <
| .. .'rー=≦'"
/ ̄ ̄\
/ \ そしてトドメファイナル!
| ノ( |
. | ⌒ | 、 ____ , 3Hit!
| | `/、,:/,';;}: ;\ /
. | } \ /、,:',. -‐‐-、 ; ,\ ,. /┃・・
. ヽ } /` ;ヽ|:::: :: |ノ ,'\ ┣━ ━━┓・・
ヽニニニニノ 、_ ‐ ― | ',`冫|::::: :: : |イ'; 、| --┃ ┃
/::::::::::::::::::::: ̄`ーニニ==i=┬r===| ,. -―- 、|`;、'(⌒). ━━┛ ┃┃┃
ヽ:::::::::::::::::::::::ーt-.._:::::::::_,. -┴一″ ( ) /i ヽ ━┛
ヽ::::::::::::::::::::::::i  ̄ l___ノ // `ー,,-一' ノノ ヽ___i
- 271 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:27:42 ID:YQ9TCIFr
- 大人げねえwwww
- 273 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:29:49 ID:s5g0lTWU
- 微笑ましい親子だことw
- 272 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:29:03 ID:SXlFlhON
- ._______
./ / # ;,; ヽ
: /ノ ;;# ,;.;:: \ :
/ -==、 '==- ..:::::| い、いつもよりひどい目にあったお…
| :::::: (__人__) :::::.::::| :
.: ! #;;:.. l | .::::::/
ヽ.;;;//;;.;`ー‐'ォ ..;;#:::/
>;;;;::. . ..;,.;-\
/ ̄ ̄ ̄ \
/ :::::\:::/\
/ 。<一>:::::<ー>。 やっと一撃を避けられたのに…。
| .:::。゚~(__人__)~゚j まだまだ父上には及ばないお…。
\、 ゜ ` ⌒´,;/゜
/ ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
- 275 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:31:22 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、ヽ
| (●)(●) | …七郎、たかが一撃避けたところで油断してはならぬ。
| (__人__) | 攻める時は二度、三度、四度と、相手を打ちのめすまで叩くものだ。
| ` ⌒´ ノ このこと、忘れるでないぞ。
ヽ ._ .}
ヽ_/ } ノ
/、 〈 く
ハ ヽ Y`ー.、i
{ ヽ_ゾノ-‐1
`¨´┬' . |
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ わ、わかりましたお。
/ o゚((●)) ((●))゚o \ 肝に銘じておきますお。
| (__人__)' |
\ `⌒´ /
- 276 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:31:57 ID:wjtfK64R
- スパルタですなぁwww
- 277 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:32:28 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ _ノヽ_
| (-)(-)
. | u (__人__) (しかし…最初の一撃をかわせるようになるとはな。
| `⌒'ノ しかも、打ち込み自体もかなり鋭くなってきておる)
| ∩_ノ)
. ./ |_ノ
. | \_/ ノ. ヽ
\ / _| |
|\ / _/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒)
| (__人__) (わずか10歳でこれとは、我が息子ながら、大したものよ。
. | ノ …そろそろ頃合かの…)
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
- 278 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:34:32 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | …まあ、よい。
. | (__人__) | これより、家中の皆に伝えねばならぬことがある。
| ` ⌒´ ノ
. | } 七郎、あとでお前も参れ。
. ヽ } お前にも聞かせねばならぬ話があるからの。
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ お話…?
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ わかりましたお!
| |r┬-| | あとで助九郎たちと一緒に行きますお!
\ `ー'´ /
- 280 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:37:05 ID:SXlFlhON
- その後、宗矩は家中の主だった者を集めると、口を開いた。
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、、、,,,,
,、-ー'''''''''"~ ~'-、
,,、-'"" , '" r''" ,、 '''iiiiiiii,,,,,;;;;;;;;;;;;;、、、 ヽ
) ( ( (Y イii"イ"iiiiiiiiii """" ,,,,、,,,, ヽ
r' ミ((iii、,ii,,ii,,,,、、|iiiiiiii",、'"";;;;;;;;、z',彡三ミ ヽ
り ミヽ,、-'"~~ "ヽ|:''"ノ"" " ;;; 了ミ ヽ
{ ミ |(:::::::: ii| :::::::: :::: ;;;; ミ 〉
'y ≧入:::::::: ~::、ヽ;;::::::::::''"/:::...... ;;;;;; ミミ リ
/ ''"彡乙:;、ー '''""''ヽ;; ;;;:::''":''"ノ:::::::'''ー-:::: ミ、 ヽ
j ''",、-'r"::,,,,,_____t::ノ ;、,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;、、::: iiミ' ヽ 殿、我らを集めてのお話とは、
t、、ツ"'イ:::"シ;z-ミ;;テ-;;、;;Yュヌ);;;;;r;玉ヲ三ミミミ~'、ミ \ ) 一体何事でございますかな?
/rイ|彡ii シ,," ̄ ̄::::'"{ァ ~リヽ:::::::::::... フア:::" |ミ ミi| 'i
i|'ii| |ヽィii ""::::::::::::: 〉 、,j :|i:::::"""" tt jレ)リリ リ
ヽ、tヽ't、t:::: ::::::(,,,( ),,,):::::::::: )),,;;iヒノ/ t
、 ノ:::ヽマ'';;;:::::::::::'' '''",ゝ::~'''''"''"、、,,;;;;、::..../ "|、,,/、 、リ
''/ :;;/~'ー'i''''::::::: ,、'",, ,"iiiェ、;;ii、_ミミミヽ、:::::: i::: リ, t
レ ,i i :::: iiii"ii,、-''~"""~''''マヽiiiリ:::::: |::: ノ/ 〉
、, | i. | :::::'"tii'":イ;;;;;;;::::::;;;;;;、,,~')iiij::::: リ::: ヽii|/-、
;;;~'、,ゝ| t、 ::::::::::::::;;、 '"::::::~'-、;;'' ::" ノ::::: リ t:::
;;;r'"三| ~'' 、 ''''':::" :::::::::: ,、 '"::::: ヽ:: t:::
;;j 三ミ| :::::::::::~' 、 '':::::::::''" /、::::::::::::::: リリノ;;
;|:: ミミリ :::::::::::::;、 '":ヽ '''''''" , r"::: j::::::::::::::::::: ,r'三
;;i;;三::ヽ, :::::/::::::::::::::~''' """"""::::::::: ノ:::::::::::::::::::;;;、-'ー''''
,,,,,,,,, 、、、、 --ーー''''''""::::::
木村助九郎
/ ̄ ̄\
/ ノ \\
| .(●)(●) | うむ、お前たちに伝えなければならないことがあるだろ。
. | (__人__) | 家の大事的に考えて…。
| `⌒´ | ) ;;;;)
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
- 281 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:39:02 ID:SXlFlhON
- ,ィ''''''''" ̄ ゙゙'' 、
,r''~ w"www''''""ナヽ
,r"ミr''"''''' ー'""" アシ''゙、
イ ''}´ ゙' 、ィ、__ t゙'iiミ}
イ, ノリ r"""リ{~ヽ ̄''''}{ミ ゙'l 家の大事…と言われますと?
( lイ  ̄:::-(,,、lヽ ̄ノ:| jヽ)
( ィt:|ツ r''ヽ;ノ'、, 'ィ::'|/l,}リ
ノ.{゙=:| /:/ ,、― -、;j '': |シ )
{ 〉i::|. ゙'" ミ,、-、;}, l 从 )
,,,{ ;l| :`'' 、 'ー'' ,、-' ::::〉"ヽ
,,r⌒ヽ| :::::::`'ー ''"'ー'´::: /
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) |
| (__人__) | まず、今後、我が柳生家の家紋はこれになる。
| `⌒´ |
| |
\ /
/ \
「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| トン
(,,) .,__ィョ_ __._.ュ、__, (,,)
/| ..4;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;ltゝ、 |\
/ | >'l厂''ゞtl十'´ .| \
/ |__________| \
,__ , _ 、 _, .._ 、
_....j|lllll_|lllll_|lョ__ _j|lll|l|llll|:ョ 、
__uョllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll亡uョllllllllllllllllllllllllョllllllllllllllllョョu_
_ullllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllF]lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllョ_
,,,ョlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll〔ョlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllL_
 ̄ ̄ ̄’ ̄ ̄lll ̄ ̄”'lテ ̄"匸 二 ̄""'lllll_ ̄lllll"、lllll" ̄_]ll厂゙゙"ア''llllllll'、
゙゙ゞlll_ _____llll′"lllllL_ `゙lllllj リlr 'lllll!_ョll厂 __llll广
__;]lllllテllll′ ゙゙''lllllョj ]lllllョェ__,三ニ_jllll广′
ulll广 ゙lllll ´~~~~`lllll~~゙lllllニ
~~ ゙゙
ニ蓋笠(拡大図)
- 284 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:42:33 ID:SXlFlhON
- ___ ━┓
/ ―\ ┏┛
/ノ (●)\ ・
. | (●) ⌒)\ 父上、なんですかお、これ?
. | (__ノ ̄ |
\ /
\ _ノ
/´ `\
| |
| |
マ-i,、-、r''" ;;;;;;ノYi )''" し
::::、 ii、 t;;; :::::;;;;i':::::U ::::::::
::::::ヽ ヽ,,~ヽー、;; ::::::( ::::::::r
::U::: `' 、ヽ、、 t;;;|ヽ;;;ヽ○ノ;;;
::::::::::;;、、、;;;;≧ミ=、,n,|ヽ;}ii |;;;;;
Z:r"タ"'",=、''''ー、~'ー、ノノ|,i;ー と、殿!
三>'=='="チ=ー':`'"、;;;;;ン これは…坂崎家の!?
U " ::::::::::::::;;;;;;'''"ヽ|;;j彡"
、::: ::::::::::::::,イ:::;;;;;;;~'-、,j;;jー''":
:、 ', U ::::::::::::::U::;;;;;;;;;;;、 リ;;;| :"
:::t ':, ::::::::::::::::::::''"(⌒ /;;ヽ
:::::t ヽ ::::::::(j: ::::ヽ`'(;;;;;;;)''"
::::::::t U::::::::: _,,,、;;_゙' 、;;;;;;;、ノ
::::::::::', :::::::: イ'r、、"'''ー―ー-''"
::::::::::::ヽ ::::::: ij('ブ `""`´´"´
::::::::::::::ヽ u ......~'''""~~ ̄ ̄ ̄
:::::::::::::::::ヽ :::::J::::::::::::r;;;;;;;;;;;;ヽ
|.| ::::::::::::::::::::::ヽ::::::::;;;;;::::;;;;;
U :::::::::: :::::::::::::ヽ
村田与三
- 286 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:44:15 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ\ ) ;;;;)
| ( ─) (─)/;;/ うむ、坂崎家の御家紋「ニ蓋笠」よ。
. | (__人__) l;;, …上様より、褒美として拝領したのだ。
| ∩ ノ)━・'
. | / ノ´ } 今後、この紋を我が柳生家の家紋として使う。
. ヽ / / }
ヽ/ / ノ
/ ヽ
/ ̄ ̄\
/ ノ \\
| .(●)(●) | そして、もう一つ伝える。
. | (__人__) .| 坂崎出羽守殿の遺児、平四郎殿。
| `⌒´ | ) ;;;;) それに、その家臣二名を我が柳生家で引き取ることと相成った。
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/ …平四郎殿には二百石の扶持を。
ヽ ノ .l;;,´ また、家臣のうち、近藤源左衛門にも同じく二百石を与えるものとする。
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
- 287 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:47:01 ID:SXlFlhON
- 、-'|;;;;;;;;;/ ―=-、i,,,(/''|;;;;ii;// ::: / ''"::::~'t;ヽヽ;;/,、-'"
::::(|;;;;;;;/ u. i从,,二;;;;;、';;、/'"ii||| :: :::::::::::::::::;;;;);;;/'i'r―――- 、
~''、|;;;;;/ ::::::::: '、""''''ー、,ヽヽ~'、ミ ::: ::::::::::;;;;''"/;;ノノノ;;;; ̄~i''i'ァ /
::::::t;;/ ::::::::::::: `'-、 (:・:)~'' 、;;,,,, :::: ,,r'''~::ノr"ノノ /;;;;;;i;;;;;Uノノ
、,_ y' :::::::::::::::::::::::: ~'''ー--jヽ;;;;≧z'"" ノ"彡彡" リ;;;;;;;;();;_;;;;;_
;t''/ :::::::::::::::''''"''::::::::::i、;;;;ミミ三'''_∠彡、;;;;マニ;ノ;;;;、;;;;////_ に、二百!!
リ:/ U :::::::::::::::''" ~'-、ヽ /~''ー'z;;",,,,>";;;;;;;;ミニ="" ""/ / 殿、それは一体…!?
ir' u ::::::::'''" r'~~ヽ, y /::::::~'''ー'",/;;;;;;;;;;;;;;~'''ー-、、,/ / 柳生家の家禄は三千石ですぞ!
t " :::::t~ヽ、 :::::::/、:::::::::''" ノ;;;;;;;(、ー---- 、, ) ̄
:ヽ ,'"i' 、;:::: :::::ヽ:ヽ ノ'"::::: /;;;r、;;;ミ ;;;;ヽ ノ
:::ヽ / ~ー、'-、;; :::::)::ー'":::::::::: , ';りi;;;;) ~ヽ;)ノノ
:::::ヽ :}、"~~~ヽ;;~''ー"'ニ=ーァ"::''"/;;ノノノノヽ, ノ'
:::::: ヽ :::t、 :::::"''~~ );;;/'", '";;;;;;(" 、 ヽ,
::: ヽ :::ヽ::`'、'''-、 __、ノ;/ /;;;;;;;;;;;;;;;;`' ー--- 、,ヽ
t" ::ヽ ::`' 、、,,~''' ー--'' /;;;;人;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;~' 、
t :::::ヽ ~ ''ー-"、:::::''" ,、'";r'7 ~ '''' - 、;;,, ヽ;リ
tt :::::::ヽ .....:::::::::::: //;;/ / ・ ⌒ー ~);;) ノ'i
tヽ:::::::::::~' 、 ::::::::'''"/r'"ノ / > ,,,、-''" |
i |:::::::::::::::::::~~ ''''''"/-'",ノ `、 |
庄田喜左衛門
r" ,,、 -- (、、、,,
(ヽ(ニゝ" ~'' - 、
/i (、ヽ 、 、、、ミミ ヽ
/、ヽー ソリ |ii|j|、||iijj、ii ii、ヽ
iヽー- '"" |ii ii、 ヽ
ヽ、 'ヽー'" i! ! , ii ,、 、 i|ii |ii iii||、 t そうです!
~''7" i,y| ji |i| i| リ|!!||i t tii |iii||||iii,i, i 我ら累代の家臣ですら、二百石の者などおりませぬ!
// 、{ijj_、(i、_i、|,,i(ヽtヽ__ヽ、t!! 'iii|i jji ,i
// i,,i ii ;;r',r-tzテty/::;t三モラニ) tヽ、i|ii ヽ, i そもそも、何故反逆者の遺児を
i | 、リ | ;;;i " ̄;;;''"| ""'''':::::::-、、 iヽ、 |ヽヽ t. 殿が引き取らねばならぬのです!?
ヽー リ / リiii;;;t '" i,',,,,、,, u | i |ヽヽt
i| / / iijji;;t ヽ''ノ' リ |i iiiヽヽヽ
リ//リ jjiii i;;;t ,、、、、,, u. / |,||ii ii:::ヽヽヽ,,、
リiiii リ /リi| |;;;;ヽ `j;;;;;;;;; ` /i | |i.|i||.iii::,、-''"
リjjj ソ リ |i i;;;i;;;;t r"、 " ,、 '"リ | |i |i,ir'" ,、-''"
リjjソ/ ./ |ii i;;;;;i;;;;;t `;;; ,、-" ,,| | ,,|i |i ''""""
リ/ii/ ./| | iii t;;rt;;;" ̄~ン-''' ~,,| |/ノ リ
リ/|i /iii| | r''~、~'''''''"~;;;;;;;;'""-'| リ、/ / ,,,,,、
リ i| Y ||ii t >、;;;;>);;;;;;;;;;,、-(''y| |~''り===ー'''"ー'"
i| | |,,-ー'~t"、、ヽr- ー '' ~""ヽ| | / ヽ(ヽ'"~~ ,,,,、-'
,,|-''i|. iりY~,j~⌒ヽ〈;;;;;;;"";;;;;;;;;;;;;| |~'/~ニ~二二二二;;;;;;
,、-'" ,|-"i i ,,从;;;;ヽ''"";;;;;;;;;;;;、-''""| |t/、、 ~~
出渕孫兵衛
- 288 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:47:34 ID:f31vlRmh
- 濃いなーwwww
- 289 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:49:06 ID:SXlFlhON
- 今回は僕たちが解説役をします。
どっちがどう喋ってるかは…気にしないでくださいね?
さて、この時の柳生家の家臣たちの石高については
|: |'´∧ヽ::::::/:::::::\_ .へ. //:::ヽ::\ 詳細な記録は無いのですけど、、
|: |::/三三三ミ.ヽ:::::::ヽ r‐':::∧V::::/:/ヽ::::\:ヽ 記録によると、三千石程度の旗本の場合、
|: |/〃 | | ̄ヽ i:::::::::i /::::::/三三三三ミl::::::ハ::ハ 家老クラスの家臣であっても、百石がせいぜいだったそうです。
|: | ゝ=1.l= ' l:::::::::| ,':::::::l〃⌒}゚{ ̄`ヽ l:::::::::i::::l
|: |二二ニニニニl:::::::::l l::::::::l ゝ=,。,== ' !::::::::l::::l そこに、二百石で
|: |レハ` ´レハ l:::::::::| |::::::::|,≠z==,≠.=l:::::::::l::::l しかも、それが幕府への反逆者の遺児と家臣、となれば
|: |トzリ トz.リl:::::::::| |::::::::l ト-リ ト-リ`l:::::::::|::::l 累代の家臣たちにとっては、家紋のこともあわせて、
|: |  ̄ '  ̄`l:::::::::ト、 _l:::::::::lゝン , ゝン |:::::::::ト、l 寝耳に水といっていい出来事だったでしょうね。
|: | r-、 |:::::::::lw\ ∠ l:::::::::| r-、 l::::::::ム \
|: |\ `¨ ィ:i:::::::::l`"^~`"~´゙l::::::::l\ ゝ-' .イ:::::::/-ゝw、ゝ 二百石という石高だけを見ると
|: |rf ` -‐ //:::/::/ リ::::::| l:::>、 __ '´/}:::::/:/l:l 一見、大したことないように見えますが、
|: | ヽ. //ィ/l:/ ゝ:トl. ソ| //ィ:/i//l' 三千石の旗本に過ぎない柳生家にとっては、
|: |. \ { l/'l/' _`l__/ l / l/> 、___ 到底無視できない数値だったと言えるんです。
|: |ヽ. \ ' lヽll`丶、 / { l ' // , >、
|: | ヽ ヽ/ 'll llヽ / , | ヽ / // // 故に、宗矩がこれを話した際の家中の衝撃は、
|: | ヽ / ll ll '{ | l / _// /// 相当なものがあったと思います。
- 290 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:52:49 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/ …お前たちの驚きや不満、もっともじゃ。
. | (__人__) l;;,´ だがの、わしはそれをせねばならぬ理由があるのじゃ。
| `∩_ノ)━・' それを、今から説明しよう。
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
/ ̄ ̄\
/:::::::\ /\
|:::::::::(●)(●)| 坂崎殿は上様に逆らい、処断された。
. |:::::::::::(__人__)| この江戸市中で兵を挙げるなどもっての他じゃ。
|::::::::::::` ⌒´ | まず、これは当然。
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: } …だがの、この一件のそもそもの原因は、
ヽ:::::::::: ノ 畏れ多いが、上様と千姫様にこそ責がある…!
/ヽ三\´
.|:::::::::::::::: \
,ィ''''''''" ̄ ゙゙'' 、
,r''~ w"www''''""ナヽ て
,r"ミr''"''''' ー'""" アシ''゙、 そ
イ ''}´u ゙' 、ィ、__ t゙'iiミ}
イ, ノリ r"""リ{~ヽ ̄''''}{ミ ゙'l と、殿!
( lイ  ̄:::-(,,、lヽ ̄ノ:| jヽ) それは…!
( ィt:|ツu. r''ヽ;ノ'、, 'ィ::'|/l,}リ
ノ.{゙=:| /:/ ,、― -、;j '': |シ )
{ 〉i::|. ゙'" ミ,、-、;}, l 从 )
,,,{ ;l| :`'' 、 'ー'' ,、-' ::::〉"ヽ
,,r⌒ヽ| :::::::`'ー ''"'ー'´::: /
- 292 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:55:03 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\ いいのじゃ。
/ \ …そもそも、坂崎殿がこの度、兵を挙げしは武士の面目故。
|:::::: | その面目を潰したのは、ひとえに上様と千姫様よ。
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: | せめて一言でいい。
. |:::::::::::::: } 本多家との婚儀の前に、内々の通達と詫びがあれば、
. ヽ:::::::::::::: } 坂崎殿とてあそこまではせなんだろうに…。
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ_\
| (●)(●) だが、現に坂崎殿は兵を挙げてしまわれた。
. | (__人__) こうなれば、もはや将軍家が詫びを入れるなど不可能じゃ。
| ` ⌒´ノ ) ;;;;)
. | } .) ;;;;) 如何に豊臣が滅び、天下を覆すほどの勢力は無いとは言え、
. ヽ } /;;/ 兵を以って騒ぎを起こそうとする者はいくらでもいよう。
ヽ ノ .l;;,´ 元和堰武の精神を理解せぬ者どもも今だ多い…。
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
- 294 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:57:27 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ \ / \
| (●)(●) | …だからこそ、幕府の断固たる意思を見せるためには、
. | (__人__) | なんとしても坂崎家を処断せねばならなんだ。
| |::::::| | 断じて、詫びなど入れるわけにはいかなかったのじゃ!
| l;;;;;;l }
ヽ `ー' }
ヽ ノ
/ く l!| !
/ \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
,ィ''''''''" ̄ ゙゙'' 、
(むつかしくていってることが ,r''~ w"www''''""ナヽ
よくわかんねーお… ,r"ミr''"''''' ー'""" アシ''゙、
助九郎、わかるかお?) イ ''}´u ゙' 、ィ、__ t゙'iiミ}
.イ, ノリ r"""リ{~ヽ ̄''''}{ミ ゙'l
(若、黙ってお聞きくだされ…) ( lイ  ̄:::-(,,、lヽ ̄ノ:| jヽ)
__ .( ィt:|ツu. r''ヽ;ノ'、, 'ィ::'|/l,}リ
/ ___`ヽ ノ.{゙=:| /:/ ,、― -、;j '': |シ )
/ ノ ●) | ┏┓ { 〉i::|. ゙'" ミ,、-、;}, l 从 )
| (●, ,⊃ノ .┏┛ ,,,{ ;l| :`'' 、 'ー'' ,、-' ::::〉"ヽ
ゝ `´ ヘ .・ ,r⌒ヽ| :::::::`'ー ''"'ー'´::: /
- 295 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 22:58:24 ID:/soKmwW/
- まあ10歳児に聞かせる話じゃねーよなwwww
- 296 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 22:59:07 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(-)(●) | しかし…上様とて木石ではない。
. | (__人__) | 上様とてわかっておられるのだ。
| `⌒´ | ) ;;;;) 自らの不手際がこの事態を招いたことをな。
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/ できることなら、情けも与えたかろう。
ヽ ノ .l;;,´ だがしかし、それはできぬのじゃ。
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/ だから、わしが上様に代わってするのじゃ。
. | (__人__) l;;,´ 上様の使いであり、坂崎殿を死に関わったわしがの。
| `∩_ノ)━・'
. | |_ノ これで上様のご心労が和らぐなら、
/ヽ | |_ それもまた奉公の道…我が柳生家の務めであろう。
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
- 297 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:01:39 ID:847Oilu+
- ベジー忠がそんなことを考えるとは思えない私…
- 298 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:02:03 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\ それにの…わしはこの後、
/:::::::⌒ ⌒\ 津和野城引取りの使者に立たねばならぬ。
|:::::::::(●)(●)|
. |:::::::::::(__人__)| 「窮鼠、猫を噛む」という諺もある。
|::::::::::::` ⌒´ | 坂崎家の家臣達が、主君の仇を奉じて
. |:::::::::::::: } 城に立て篭もるようなことがあってはならぬ。
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ …そのためにも、この措置は必要なのじゃ。
/ヽ三\´ 家は潰すが、お前達(家臣)までも処断されるわけではないと、
|:::::::::::::::: \ 知らしめるためにもの…。
/ ̄ ̄\ お前たちには苦労をかけることになろう。不満とてあろう。
/ \ それは重々わかっておる。
|:::::: | だがしかし、これも家のため、天下のためと思い、
. |::::::::::: | どうかこらえてくれ。
|:::::::::::::: |
. |:::::::::::::: } …頼む。
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ 「殿…」
/:::::::::::: く ,ふ
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
- 300 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:03:54 ID:SXlFlhON
- /"レ i((レ((ヽ、、 )'",r,,,, ソ彡''" `i,
,r((( (((ヽ``\) |Y|彡>/r""''"彡ニ=-、、)
、|((入((ヽヽヽ"r")ソリヽ,ヽ,〉ヽヽ ミ ヽ ~'-、
ヽ~ZY'」(⌒ハ ハ i ヽ 7}ヽ }} 〉 ミ ''ー-'"))
t"ヽ,| 〉iヽ、,((t | ,,, ::::`| { t | リt 三 ミ'-、 . ……殿。
t彡,|〈〈 {〈ヽ、ヽ, t:::":: 〉 t、|ト{ヽ ミ三 ~'='" ))リ 殿がそこまで仰るのであれば、
、t,シti yY'i乙~' 、ヽ;;;(t'、W''';;;;ニ二~ヽ~'ヨ三ヽ ソ、,, 我ら一同、異論はござりませぬ。
(ニツi {i>ヽ;;;''';;;;;;zi''''"'''tiマ"""~~~'''ヽ i 'ヲ、= )ヽヽ
(iii|ヽ >ー''"~ ラリ ~" "''iニ,i~', {''ー、~'| rノ||,ii `|iiリ 平四郎殿、それに、元の家臣二人、
{{Yti'々r'マ (,リ'"' ,,,, ヽ ,} 〉ヽt__::{ /ニ'リi|| ヽ、 快く迎え申しましょう。
~'i,,i|〉〉 〉|-(,ヽ、-ー 、,i" ト、''-'、ー、リ、 ,/||ii 、、,t
i ti〉,| ノ ノ"::::~'、~ノ ~'ー|iミ,,,|::~||iij' ||| ソリ
ヽヽ)|)X _,,,,,,;;;、、==ァ i| i:::::リ iii|| (,,
リ 'ヽ,( ヽ `'ヽニ= '''" リ:::::|||ii |iiit ~' 、
((( :iヽ | ,,,;;;;;;;;;''"" /:::::: tii リ ''"リ
ヽ i:ヽ ''" /::::::: リノソリ i))ノ, ~'ー 、
リ, t::ヽ ヽ;;,,, /::: ::::: //| i | /tヽヽ t ヽ
((( t:::ヽ "'" ,/::::: ::::: (( ヽ,Y |:::)ヽヽ, tソリ
リ/ t:::::~'ー ''''''''''''"::::: :リ / リ:/::::リ リ ソ(
(t 、 i::::::::::::::::::::::''''" /::: リ /:)::::://ヽー'''~~~~~~~~フ''''"
,、-,,z'~)、,,i :::::::: /::::: //:ノ:::::/ |/:::::::::::::::::::::::/::::::::::
、 - ー-''",ノ"::;;r''" '| ::::::: ソ:: /://;;、-':::/::::::::::::::::::::/::::::::::::::::
狭川新左衛門
_n_00 n__00 C n
7几i |匸 ⊂ニニ⊃ __ノノ
. ̄  ̄
,ィ''''''''" ̄ ゙゙'' 、
,r''~ w"www''''""ナヽ て
,r"ミr''"''''' ー'""" アシ''゙、 そ
イ ''}´u ゙' 、ィ、__ t゙'iiミ}
イ, ノリ r"""リ{~ヽ ̄''''}{ミ ゙'l (美味しいとこ持っていかれたー!
( lイ  ̄:::-(,,、lヽi|||ノ:| jヽ) …この助九郎一生の不覚!
( ィt:|ツu. r''ヽ;ノ'、, 'ィ::'|/l,}リ
ノ.{゙=:| /:/ ,、― -、;j '': |シ ) つーか、お前、この時代、まだ仕えてないだろ!)
{ 〉i::|. ゙'" ミ,、-、;}, l 从 )
,,,{ ;l| :`'' 、 'ー'' ,、-' ::::〉"ヽ
,,r⌒ヽ| :::::::`'ー ''"'ー'´::: /
- 301 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:04:33 ID:/soKmwW/
- 助九郎が突っ込み役にwww
- 303 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:06:48 ID:P1XBpUsE
- 柳生の家臣はいくさ人ばっかりだwww
- 302 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:06:42 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒)l
. | (__人__) | …すまぬ。
| ` ⌒´ |
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
/ ̄ ̄\ ) ;;;;) あと、埋め合わせというわけではないが
/ _ノヽ_\ ) ;;;;) 坂崎家の武具一式…それに坂崎殿愛用の山姥の槍も
| (─)(─) /;;/ いただける事となった。
. | (__人__) l;;,´
| `∩_ノ)━・' それに伏見の坂崎殿の屋敷も拝領することになったでな。
. | |_ノ 京に向かう際には、そちらを使えるようになる。
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ …そちらへも人をやらねばならぬの。
\ /_| | 手入れは浄与に頼むかのう…。
| \ / _/
- 304 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:07:04 ID:IrwkWNq7
- 召抱える分て、幕府から加増ないの?
柳生家持ち出し? そら切ないわ。
- 308 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:11:30 ID:jlXOIFs1
- ああー、単純計算すると200/3000だから7%持ってかれるのか。
同じ扶持を他の部下に与えていたらあと14人しか養えない(しかも自分の取り分なしで)。
下人のことも考えたら絶望的だ。大冒険だったんだな。
- 309 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:15:30 ID:ZnKJmFem
- >>308
太閤5だと、足軽大将になった途端に小一郎と増田か伊奈を雇うから、速攻で給料0になるけどな。
- 312 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:21:44 ID:Lh4WLwsN
- 今まで3000石でやりくりしてました。
しかし 新規2名合わせて400石払う事になったので
2600石でやりくりする事になりました
- 315 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:24:43 ID:erVPDvGh
- 封建社会的に言えばまあ栄誉あることではあるんだけど。
でもやっぱババ引かされてるというか押し付けられているよな。
- 305 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:08:58 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | そしてもうひとつ。
. | (__人__) | 七郎、これはお前に関わる話じゃ。
| ` ⌒´ ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
___
/)/ノ ' ヽ、\ ?
/ .イ '(●) .(●)\ 七郎にですかお?
/,'才.ミ). (__人__) \ なんですかお?
| ≧シ' ´ ⌒` |
. \ ヽ /
- 306 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:10:36 ID:/soKmwW/
- おお?
- 307 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:11:25 ID:SXlFlhON
- ,, -‐ 、
/' ヽ
/ ̄ ̄\ ./ i
/ ._ノ ヽ、\ / ...........i お前ももう10歳。
| (●)(●) | / ..:::::::::::::::| 日々の修行も真摯にこなしておるようであるし、
| (__人__) | / ..::::::::::::::::::l 近々、お前の上様へのお目見えを申し上げる。
.| ` ⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::!
| }/ .::::::::::::::::::::/ わが柳生家の嫡男としての。
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . ./ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′ ..:::::::::::::/|
:,' / !.:::::::/:i..:..l
r 、 / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ゙、:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `、 `、 .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ \:::l. `、 ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----、
`ヽ `、 .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
_____
/ '⌒ヽ ; '⌒゙\ || ||
/ ∪ \ || ||
/ /´ `ヽ /´ `ヽ \ o o
/ ( ● l l ● ) \
/ ヽ_ _ノ ヽ_ _ノ ; \ ホ、ホントですかお!?
| ; ''"⌒'( i )'⌒"' ∪ |
| ∪ `┬─'^ー┬'′ |
\ |/⌒i⌒、| /
\ !、__,! U /
/ 、____,, \
/ ヽ
| 、 , |
- 310 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:15:57 ID:SXlFlhON
- > { お |
ご お 若 | { お. |
ざ め ! |'''ー'`'''''"`"`'ー、{ :. |
い で 了,, ,,,// ィ ,,,rr ) |
ま .と |从 lll",,," llllj '' `'ー、r- ''´
す .う /从从从iiiiiii lll从 ll ,, '、
、 ! /lll|||'''从从:::''''""/"jj }
`lrー、_,、-、|lllll|、,,, l|||l从;;;;/''"'彡シ }
(ミ'ミ ゙゙''' 、ィヽ)ヽ:: '彡:シ }
ミッ| リノノ::::::: ィ彡,,ノ,、}
{ ミ}r 、_ { "彡::::::''" ,,゙'' 、::j´、',
}::l|ー-、ヽ}_ O'"_,,、-''イ::ツ }jリ, リ
ヽ',シミ゙'、;;ヶ、ili、ィ;ィ;;乏彡ミ /ノ''/|,,,,__
'、 `""´: | ''''''::::: ̄ /イ,,/:::}
,,、- '''"ヽ ,l,, 、::::::: /リ: } | ̄
,,、-''" ヽ `'-''´ ッ:: j:: レ
'"( :ヽ ー-ー ''´::: ノ::: ヽ/
ヽ,,,,,, 、-、 ::ヽ '''''''"ツ:::: /::: /
ヽ ri::::ヽ レ' /::::: /
゙' 、 ヽ/ t::::::::'、,,_,,/:::::: /
 ̄`'' -、 ゙' 、ヽ、::::::::::::::::: ::::/ ,,
/";;;;;;、、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡三三二り
(;;(,、-'''"三;;;;;;;;;;、、、;;;;、;;;;;;;;;;;/リ/;;;;;;;;;彡;;;ヽ'';;;;;;;;''"彡 三;;;;ヽヽ
ヽ、;;;;"彡,、 ';;;;;;;;)'7;;;;/~Y~'' 、、リソ~''ヽ''ヽヽ |;)|彡;;;;;;;;"Z二二;;;;;;リ
~'ー-y//"彡";;;;;;;| i;;;;;i | |i| :::: リ リリ リリ| 彡;;;;;;;;三ミミミ;;;;>
//"/"彡三;;;;;リ t;;;;ti ヽ, 、 ii / // /;// ろ;;;;;;;;;彡;;;;;;;;ヽ<
|(tii,、'~ 彡;;;;;;;、 ヽ、t、 ヽji,, i リ"/,, /"/// 彡;;;;;;;;;''~~ヽ、);;;;;;;;
,,,r'"彡'了;;;;;;;;;r'、--、,,,,,'' ii リ r"","、、 -ーー-ゥヽ;;;;;;;、-i;;;;;;;;ミ;;;;ミ やりましたな、若!
`''ー''/;;;/;;;;;;;、;;;;t`'-、-モzチ';;t tz(;"zニ竺'ン''",, |;;;/),|L,、、;;;;; ;;;_
/;;;/彡M;;;;ii;;;;;t `~~~"":ri~'シ;;;;;;;:::""""::''" リ;/´ ,r'" ,、~'''-、、
|;;//;;;;;;//;;;;;;t、;;;t "::::ヽ | ::::::::: :: i/ ⌒t ,r'~、'" ヽ
Y/;;;/;;;川;;;;;;;ヽ;;t '""、|、,, ヽ " r"-,,rー' 、::::: ヽ
i;;;/(;;i;;;;M;;;;;;;;;;;;|:t ::::ゝ、,,、 '" /7`,, `' 、::: ヽ
ヽ| /;;ノ/;;;;;;;;;;;;;i::ヽ 、,,,、:::",,,___,,,, ,、-"、" `' 、: t
〉"、-';;;;;;;;/W;;;;i::::ヽ `~:~~"",, ̄ ,r"' `' 、 `' 、, i
" ''' ー'i";;;;;;;;A;;/, iy;;;;;i::::::ヽ ~''''''''" ,,r';t'" `' 、 ,,i::リ''-、,
,、-'",|;;;;/;;//;;レY;;|;;;;;;| :::::ヽ :::::::::: ,r"'''"ヽ `'、 、 、、 :;ノリ ヽ、
-'" t;;;i|;;i~|i;;;;;;||;;i't;;;;| :::ヽ、 ''''''''': ,,、-':::t" \ ヽ,'' ,r"i h "||
/ヽt,/t;;;;;;itt;;t"''| :::::::~~~~~:::::::::: ヽ, \ ,, 、,, ':::::: j ソ/ j、、 ,ノノ~
,/ /ヽ ' 、;;,,,ヽ、 ::: :::::::::::::::::: ,ノヽ, ,, "'':,, "'',, ,、-"ソ'/ /j ~ '''
i i ~ ~'' ::: :::::::::::::: '" " ` "" "" " "
- 311 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:19:09 ID:SXlFlhON
- ___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \ あ、ありがとうございますお!
/ ///(__人__)/// \ 早速、左門と又十郎にも教えてやりますお!
| u. `Y⌒y'´ |
\ ゙ー ′ ,/ それに…!
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
/ ̄ ̄ ̄ \
/ . \ …それに、母上も、これを聞いたら
/ _ ノ ヽ、_ \ 元気になってくれますかお…?
.| (●) (●) . |
\ (__人__) . /
/ `⌒´ ヽ
ヽ、二⌒) (⌒ニノ
- 313 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:21:54 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | …うむ、お前の晴れの門出じゃ。
. | (__人__) | きっと喜んでくれるであろう。
| ` ⌒´ ノ 知らせに行くが良い。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
,ヘ
____ / /
/\ /\ / /
/( ⌒) (⌒)\/ / は、はいですお!!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ / (ドタドタドタ)
| |r┬-| |
\ ` ー'´ /
/ \
/ \
/ /\ ヽ
/ \ ノ
U ヽ ノ
- 314 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:24:07 ID:SXlFlhON
- r" ,,、 -- (、、、,,
(ヽ(ニゝ" ~'' - 、
/i (、ヽ 、 、、、ミミ ヽ
/、ヽー ソリ |ii|j|、||iijj、ii ii、ヽ
iヽー- '"" |ii ii、 ヽ
ヽ、 'ヽー'" i! ! , ii ,、 、 i|ii |ii iii||、 t
~''7" i,y| ji |i| i| リ|!!||i t tii |iii||||iii,i, i
// 、{ijj_、(i、_i、|,,i(ヽtヽ__ヽ、t!! 'iii|i jji ,i …殿、おりん様は…。
// i,,i ii ;;r',r-tzテty/::;t三モラニ) tヽ、i|ii ヽ, i
i | 、リ | ;;;i " ̄;;;''"| ""'''':::::::-、、 iヽ、 |ヽヽ t
ヽー リ / リiii;;;t '" i,',,,,、,, | i |ヽヽt
i| / / iijji;;t ヽ''ノ' リ |i iiiヽヽヽ
リ//リ jjiii i;;;t ,、、、、,, / |,||ii ii:::ヽヽヽ,,、
リiiii リ /リi| |;;;;ヽ `j;;;;;;;;; ` /i | |i.|i||.iii::,、-''"
リjjj ソ リ |i i;;;i;;;;t r"、 " ,、 '"リ | |i |i,ir'" ,、-''"
リjjソ/ ./ |ii i;;;;;i;;;;;t `;;; ,、-" ,,| | ,,|i |i ''""""
. リ/ii/ ./| | iii t;;rt;;;" ̄~ン-''' ~,,| |/ノ リ
リ/|i /iii| | r''~、~'''''''"~;;;;;;;;'""-'| リ、/ / ,,,,,、
リ i| Y ||ii t >、;;;;>);;;;;;;;;;,、-(''y| |~''り===ー'''"ー'"
i| | |,,-ー'~t"、、ヽr- ー '' ~""ヽ| | / ヽ(ヽ'"~~ ,,,,、
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: | …わからぬ。
. |::::::::::: | 又十郎を産んで以来、体が弱っておるし、
|:::::::::::::: | なんとか元気付けられる手はないかと思うておるのだが…。
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
- 316 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:26:58 ID:SXlFlhON
- / ̄ ̄\
/ \i||i / \
| (●)(●) | なんにせよ、
. | (__人__) | わが柳生家もこれから先、更にご奉公に励まねばならぬ。
| |::::::| | お前たち、これからもよろしく頼むぞ!
| l;;;;;;l }
ヽ `ー' }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,、、、,,,,
,、-ー'''''''''"~ ~'-、
,,、-'"" , '" r''" ,、 '''iiiiiiii,,,,,;;;;;;;;;;;;;、、、 ヽ
) ( ( (Y イii"イ"iiiiiiiiii """" ,,,,、,,,, ヽ
r' ミ((iii、,ii,,ii,,,,、、|iiiiiiii",、'"";;;;;;;;、z',彡三ミ ヽ
り ミヽ,、-'"~~ "ヽ|:''"ノ"" " ;;; 了ミ ヽ
{ ミ |(:::::::: ii| :::::::: :::: ;;;; ミ 〉
'y ≧入:::::::: ~::、ヽ;;::::::::::''"/:::...... ;;;;;; ミミ リ
/ ''"彡乙:;、ー '''""''ヽ;; ;;;:::''":''"ノ:::::::'''ー-:::: ミ、 ヽ
j ''",、-'r"::,,,,,_____t::ノ ;、,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;、、::: iiミ' ヽ 「「「「「ははっ!!」」」」」
t、、ツ"'イ:::"シ;z-ミ;;テ-;;、;;Yュヌ);;;;;r;玉ヲ三ミミミ~'、ミ \ )
/rイ|彡ii シ,," ̄ ̄::::'"{ァ ~リヽ:::::::::::... フア:::" |ミ ミi| 'i (最後はワシでキメ…!
i|'ii| |ヽィii ""::::::::::::: 〉 、,j :|i:::::"""" tt jレ)リリ リ これでこそ筆頭弟子☆!!)
ヽ、tヽ't、t:::: ::::::(,,,( ),,,):::::::::: )),,;;iヒノ/ t
、 ノ:::ヽマ'';;;:::::::::::'' '''",ゝ::~'''''"''"、、,,;;;;、::..../ "|、,,/、 、リ
''/ :;;/~'ー'i''''::::::: ,、'",, ,"iiiェ、;;ii、_ミミミヽ、:::::: i::: リ, t
レ ,i i :::: iiii"ii,、-''~"""~''''マヽiiiリ:::::: |::: ノ/ 〉
、, | i. | :::::'"tii'":イ;;;;;;;::::::;;;;;;、,,~')iiij::::: リ::: ヽii|/-、
;;;~'、,ゝ| t、 ::::::::::::::;;、 '"::::::~'-、;;'' ::" ノ::::: リ t:::
;;;r'"三| ~'' 、 ''''':::" :::::::::: ,、 '"::::: ヽ:: t:::
;;j 三ミ| :::::::::::~' 、 '':::::::::''" /、::::::::::::::: リリノ;;
;|:: ミミリ :::::::::::::;、 '":ヽ '''''''" , r"::: j::::::::::::::::::: ,r'三
;;i;;三::ヽ, :::::/::::::::::::::~''' """"""::::::::: ノ:::::::::::::::::::;;;、-'ー''''
,,,,,,,,, 、、、、 --ーー''''''""::::::
- 317 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:29:18 ID:/soKmwW/
- 助九郎wwwww
- 318 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:30:36 ID:NeDUP9Fj
- 助九郎wwwww
ごつい外見に似合わずお茶目だなw
- 319 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:30:47 ID:SXlFlhON
- , .-―‐- 、 _
ヘ ,. '´ > ',´ ', さて、坂崎事件の解決に伴い、宗矩に与えられたのは、
,' `ン r ― - 、 _z_x'_ ', ';
, / ; ト-‐ 、>'´ ', `ーi ', ・坂崎家の武具一式(山姥の槍含む)
,' ,' ,! i.!,. '´ 。 γ⌒ヽ_ ゜ ',i ', ・伏見の坂崎邸
i ,' ri i|'; ⊂( ◎ ,)⊃ ',! i ・坂崎家の二蓋笠の紋
,' i, . 'i | ! i ヽ__ノ 。 i ',
i | ´〈 i! i.| o i, _⊥ノ ! ', と言われています。
| i. ', |! i| , .-‐ ' ´¨, z、 f ', ! i このうち、ニ蓋笠の紋が後に「柳生二蓋笠」と呼ばれ、
.i , ', -‐_ヽ! i f ´弋i`゛ 仆i! ,' ', .', ヽ、 江戸柳生家の象徴と言える紋になるんだけど、
i ,' i ヽ ,.'|', , .', i!、_ノi! !、ノ .! ' ', ! v-'、 反面、疑問もあるのですね。
.', i .|/ ! i | ', ! ト ‐' 、 "".,' ! '|´
L.!, ' ,.-z!Vト ', ! |、"" ー ,. 'i ,' |i! つまり、「反逆者」坂崎の家紋を何故宗矩が使ったのか、
,.'_,.zxfノ!、-'!^ !| 'i ', >‐-, -, ri´! fノ !、 ノ!| ということなんです。
,´-' ! | ´ シ!´ 「 ', '! v、 !ヽ」!、' ノ '´ !| ,'
', i! | |`.ノ 、'_ ゛ ヽ、j ヽヽ、 " これは、「友人であった坂崎への手向け」
レ' ゛ , ' - -、  ̄ ヽ、 Yi `t 「秀忠が”坂崎の武勇にあやかれ”として宗矩に与えた」など
/´ ` 、 ' , |i !, ',`i いくつかの説があるのですが、
/ 、 'V' ', ト' ヽ >>1が読んだ限りでは、
./ ' ,.´ i」 , ' >、_
/ i ,.'´ i ' _/ i::!、_ 「秀忠の坂崎に対する罪悪感を和らげるための措置」
,'、_ ', /i´ i:i i!‐v´ー、
/i /i ̄¨∧`ー-v、┤ _,. ' / >,':::',.|、_ i! というのが比較的説得力があるのでは、と思うのです。
./:::! ./:::::::! /::::::'、 /:::::',ト- '_ /_ <f !:::::ij `´y'
i::::::!,'::::::::::|/:::::::::::',/:::::::::i|i-zγ´ ヽ`i´ ̄ / というのは、前回も説明した通り、
 ̄`~~¨~>t'---┼-_._!| f `ヽ ', ', / 坂崎事件の原因には、徳川家側の不手際が
, . ' / i | __,,/ | ; ', ! | ', / かなり大きく影響していて、兵さえ挙げなければ、
,.'´ / , i 'ー-┤ ,' | レi|/ !´ 坂崎の方にこそ道理があるといえる状況だったからなんです。
, '´ ,.! , .l ,' ! | j |ト' |i
, ' / |! , l ,' !⊥' i .|i ',|
/ / /,' / l ヽ´ ノ !| .j ',
/ , i!' ,' !, ' | i ヽ ´ ,ノ .ト、 ノ ',
:, ,:' / / i .,' Y´ i | i T |i .',
" ,:'" / ,' _」 i、 ! | | ; i i| ',
,:" / ,' iヽ┴---‐i!ゝ ! i .| ; ノ ',
,:'" / ,:' ヽ !、 ' / ヽ .ト / ',
./ ,' >ト-、_,.i´ `ヽ、ノ !/ ',
/ , / i | ',
/ , / j' | ',
/ ; .i / | ',
- 321 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:32:49 ID:SXlFlhON
-
__ ヽ- ´::.::.:/::.::.::.::.::.:ヘヘ::.//ヽ
_ l::.:`-<::.::.::./.::.::.::.ヘ::.::.ヽヽX´::.::.:ハ
_ヾN、 「|::.::.「^≧ __ ..z ===ヘ:/- ヽ |::.::.::.::ハ でも、一度兵を挙げ、幕府に歯向かったからには、
__ヘ ヽ ヽ |:|::.::.:|= ´ >Y'--z、 ヘ::.::.`ヽ!ヘ:.::.::.:ハ 秀忠としても断固たる措置を取らざるを得ない…。
ヽ.ヽ\ヽY::.::.::.::| 〃`ヽ 7 ̄ヽヽ |::.::.::.::.|ノ:.::.::.::.ハ 特に、家康が亡くなって、政権基盤が微妙なところもある上、
\ヽヽ.1::.::.::.:| 《 } ハ - ノ′ |::.::.::.::.|ヽ:.::.::.::.:ハ 秀忠に軍事的才能がないことは諸大名も知っていただけに、
_, ヘ__\ヽj::.|::.::.::! ` ̄jハ<´ _,, z<|::.::.::.:|:| \::.::.:ハ 今、ここで甘い措置を取れば、
, -<::.::.::.:ヽ:: ̄ヘ::.l::.::.::|>r=≦ ̄ノ^イ'i }:l7:i::.::.:|:| `ヽl ヘ 幕府の権威自体を揺るがす危険性がある、という都合上、
/::.::.::.::.`丶、::.ヽ::.::.}::.l::.::.::|{! rしヘ` 弋ニシ |:|::.::.:|:|zーー- >ヘ 譲歩をするわけにはいかなかったんです。
/V |::.::./::.::.::.::.::-<::∧::l::.::.::ハ 弋_シ ` ̄ !:|::.::.:|:|=三´T:|
l , ::.:/::.::.::_/::.::.:У,_ハ::',::.::.:ハ ' _ |:|::.::.:|l:!´ 7::.ト;! だからこそ、秀忠には坂崎に対する罪悪感があったでしょうし、
|/::.::./::./´ノ::.::l^::/´ゝヘヽヽ::.:ヽヽ <-> , イ||::.::.|リ |ヽ| それを読み取った宗矩は、拝領のニ蓋笠を殊更に表立て、
/::.::./::.:;'::.、::.::.:L__...ヽヽ ト、::ヽ::T - _ ^ / 从l:::l jヘ また、坂崎の遺児や家臣を引き取るなどのフォローもすることで、
/::.::.:;'::.r7::. ヽ::| ̄ ̄ ̄ ̄^ヘヘ:ヽz|::.::.::! 7¨`7 / |:l _ ∠ `ヽ、 将軍家としては出来ない坂崎への詫びを代行した…という見方ですね。
//::.::j::.::Ll /ヽl , , = 、Y=-、ヾ |::.::.::|/ {/ リ/ ヘ (まあ、秀忠がそこまで人情家だったか、
,:イ::.::.:|::{::7!'::.::.::.::.| ヽ }{ 》 |::.::.::! / _,ィ. _ z =^=ヘ というとまた議論が分かれるところですが…)
,.._リ.{::.::.::l/ |::.::.::.::.::| ` =' j '=´ .|::.::.::|、/ ./ 〆 ヽ/ / ⌒ヽ
〃 lヽ/ .:|:i::.::.::.::.|>z=.._´^`__..z|::.::.::| / / ´ ハ 実際、そうでもなければ、三千石の宗矩が
./ // .: .::.::|:!::.::.::.|::!弋ハ;≦ ̄´_.- ´ ハ::.::.:k ヘ/ /´ , / } 二百石を終身の扶持として与えてまで、
,′ ∠__ィ_..ィー'1l、::.::.::|:|ゞ─'- '"⌒'/::|::.::.l:!ヽ.ヘ , イ / / .j 坂崎の遺児と家臣を引き取るのは不自然ですし。
{ // 「ヽ_{ヽ、 |lヘ::.::.|l| 、 /::.:|::.::.llヽト\ヽ' /- '´ / ハ
\´ ,ィヘ ,>ヽ、ヽ|! ヘ::.::|ll、 , - .., _ノ::i::.,イ::.::.|!^`7 >'` ≠ 、 / ハ!
` l |/ /`ヽ ヽl ヘ::.|l! ヽ  ̄ ´_ ´::./|イ/ l::.::.| // // `ヽヽ l | |
- 322 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:33:27 ID:/soKmwW/
- そらそーだよな
- 323 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:36:56 ID:SXlFlhON
- そして、何故宗矩がこんなことをしたのか、というと、
まず、「秀忠に対するアピール」というのが考えられるわけです。
既に武功を以って功績とする時代は終わったわけで、
そうである以上、別のやり方で功績を上げる必要があった…。
だからこそ、秀忠の坂崎への”後ろめたさ”を見抜いて、
その意に沿うように手を打った、ということですね。
また、津和野城の引渡しに際し、城に残った家臣達の立て篭もりなどを防ぐべく、
坂崎の遺児を引き取り、温情を見せた、という見方もあるかもしれません。
無論、直接刀を振るったわけでこそ無いけれど、
坂崎殺害の引き金を引いた者としての責任感/義理というのも
一因としてあるかもしれませんね。
ちなみに、これは宗矩と坂崎の友誼故、という話もあるのですが、
遺児と元家臣で、合わせて家禄の1/6近くを与える程の縁があるなら、
なにかしら話の一つもあるはずなんですが、
そういう話は特に史料にもありませんので、信憑性としては微妙かと思われます。
__ /
__,. :':,.イ _ _ ─
/``ーァ'´. : /-_レ'´:. i _ ─  ̄
_,. ‐ ´. : : .:/. : ; イ__(_]|_)ヽ: ヽ _ ─  ̄
_ -´. .: : :「``7: :/,ィ(jハ` 丶_ |:. _」 - =  ̄ , _,. -‐'  ̄
/.:'. .:.: . .:.:,rゝ//: :/ L:ソ_- fj、7:´: j 、ゝ`^j´
/:,'/.:..:.;. -‐'ニ=ゝニ ̄=} ̄ _ ' `'j':. :.ハ! _,、. -‐'ミ 'j
/イ,L:/ /<ソーfT「リ´ ´ ,.イ:..::.j ノ_ __,. -‐'ニ´,/´ .:: ミ ゝ._ _,. -‐
rr‐'´ {{ / _二ソ \ Vゝ ` -,.∠_/j,;/リ'´/´/'< / レ、 、ミ`
/|:| ゞー' ̄ ー-r‐ ァ\ / / / / ' _,// _, -r一' ´ ゝノ^`
/ Lゝ、_/、ヽ i ヽ/ / >、/´ ̄/ ,:' //-‐' ´ /‐ ´ /
/ ,.イ ̄`,>! V '/ /ヽ//\ / / i:{ \_ / /
{ '_}__,/ j / __ 」∠v'´ X i. l:| /´ ! /
`ー ¨´| | >/ /´ _,ゝ-、 / \ _ l:|<_ | /
ヽ /∠ 」 -'| 7´,メ「 Xァ' ̄``ー- ニ二」_,/
´ ̄ ! ,. -‐<´ jヽ j/ \
- 324 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:39:18 ID:erVPDvGh
- 別の言い方をすると、宗矩はこの処置によって、秀忠に恩を売った、とも。
- 325 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:41:22 ID:SXlFlhON
- ,. 、 ちなみに余談ですけど、
_,ノ ..、\_,..‐,:ニヘ─、 この時の二蓋笠の紋が「柳生二蓋笠」になったのは
j:. :/-‐ァr<_:.:. :.:.ヽ:.:ヽ 既に書いた通りですが、実を言えば、これは厳密には副紋で、
/.:./ (´//`ヽ `|:.:.、: i.: : ', 正紋は代々の「地楡に向雀」のままだったそうです。
i:.:/_7/`¨´ |:-‐ミ:j::.:. :! (なので尾張柳生はこの紋のまま)
!.:j  ̄>,、」r':,:'!^ヘ::.:.|
{:.:!⌒ヽ fじハ:.:.{;ノィヘゝ:| 【正紋と副紋、参照先】
/|.:.| '__ `ヾイ;//ヽY.:.! http://www2.harimaya.com/sengoku/html/yagyu_k.html
'´ ̄|:.:.ヽ し′ /‐く. jノ.;ノ
リ:.:i:.|丶,. -‐ '/⌒ヽj/\ なんにせよ、この坂崎事件の解決によって、
/|`ヽj/j ,.ィ′ /、>、_\ 宗矩の評価は上がった、というか、”変わった”ものと思われます。
/ i_/_,/ // / | ヽ  ̄
,イ _/ <「)´、ミ`^^'ー'L|、 i 即ち、それまでただの剣術指南役、新参者程度に見られていたところが、
∠/ {r'ニァ/ ミ ミヽ | 政に絡む御役目も果たせる力があるんじゃないか…?、と
.V`ヽム-ヘ ノ/ゝ,、、, ,、 ,ゝ 〉、} 周囲から一目置かれるようになったのでは、ということですね。
./ ´「{ _j^ソ´ { レヽノ ,イ ハ (仮に能力があっても、やはり実績がないと世に認められづらいものですし)
- 330 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:47:07 ID:erVPDvGh
- 剣振るうしか能のない武芸者風情と思っていたら、実は政務も取れるヤツだ、と
- 328 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:44:21 ID:s5g0lTWU
- 平和な世の限られた機会に
思い切った手で成り上がる……
流石の宗リンですね
- 326 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:43:17 ID:SXlFlhON
- さて、こうして宗矩の評価は上がったのだが、
それと前後して評価の下がったある人物がいる。
,、∧ハノ丶人/ヽ'lノi_
ノlヽノ) /ヽ' ) ノ i フ ̄i_
iV!/l .| ! /!./ !,/-‐'ノ ̄ノノ;ノ ノ_
l,|.i_ノ /',i/ ノ-'"ノ' l 'ノフミノ)彡 (
iv'ノ '、 / ',/"./ . ノ, -‐ー'ヽ`>ニ >
.i、 i、| / Y./ヽ、, '", ;;彡'"二i'⌒ヽ"、二ニゝ …久々の出番だな。
、| ` 、ヽ`ミノニヽ/" `゙ー''彡三| lミ、.i_, ゝノノ>
_iヽ‐-ヾ、,、 (,,`ヾ ミ` ` l`''ヽ `ゝ
ヽ_`_、-,'`;;| `‐-`, '" ヽノ">ヾ!` \,'"
_ヾ;;__/l,ヾ! i. /,' ./l! ヽ ' , /:.:.:.:.:.:.
___|;!'、 '、/;i ."'゚./ ` ヽ |:.:.:.:.:.:.:.:
/`、 ! \.ヽ `:::、 ,'', .', ,ノ:.:.:.:.:/
ヽ. ` .゙i/ヽ,_ /::::! !:.:.:.:.:,':.:.:.:
-‐、 \ `"'| ._) ,, ./:::::', ノ:.:.:.:./:.:.:.:
` ヽ \_.、 ;:_,," / ./:::::::: ./:.:.:.:./:.:.:.:.:
.! i / \. `" ̄ヽ_/ / :::::::::: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:
_'__.ノ. / `>.-―‐ `''、 .,/ ,-‐、:::,.':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:
.\. / //' , ̄ ̄ ヽ,__,,'/―ー''":.:.:.:ノ:.:.:.:.:.:.:.:
ヽ. // ヽ ./:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.,/:.,':.:.:.:.:.:.:.:.:.
\ ./ ' 、 ', __, ',,_:.:.:.:.:.:.:.:.:., ":.:.:/:.:.:.:.:.:/
゛ ̄ ,` 、 .'、/:.:.:.i !:.:.:., '":.:.:.:, ':.:.:.:.:.:/
,ノ:: ̄:::::/ l `/:.:.:.:.l !/:.:.:.:.:., '":.:.:.:.:.:.,'
, " ._,, '" ヾ{二ニ ,,_| -ー '":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
小野次郎右衛門忠明
もう一人の将軍家剣術指南役・小野次郎右衛門忠明である。
- 329 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:45:45 ID:SXlFlhON
- 忠明の評価が下がった顛末は、
徳川実紀(台徳院殿御実紀)によると以下の通りである(若干意訳有)
::iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii"iiiiiiii;i 'iiiiii:,i''iii 'iii 'ii;'j ,;;ii!" "'彡" ,;iiミミ
;iiiiiii'"iiiii'iiiiハiiiiiiii;,'iiiiiiiiハ 'iiiii;,i 'ii; 'ii:、 'i;;;ii"' /;, \ ,.ノ "/"
iiiiii" 'iiiiii iii 'iiiiiiハi,'iiiiiiii `:,'iiiii,i ヽ 'ii;, ,;;i'"`,r" /';, .: i ̄ /
iiii' 'iiiii;'iii 'iiiii 'i;,'iiiiiii 'ヽiiY '`ヽ `;;'".,:'" /;;, .::' .: i:../
iii' 'iiii;'ii; 'iiiii; 'i;,'iiiii; iiii; ,;;il.,:''" ./.'" ..;; .; : i:l.
iii;, 'iii;,'ii;, 'iiiii;, ';,iiii; ''ii;,,,;;;iii_,,:''" O /,;' .:;;;::,,: ;' l:l ああ…そういえば、あの時、
iiii'"\;;,,ii,,'i、'iiiii; "'ii;, ,,,,,..;;iiii"k'-ー―'''"::'" ,:' :;:' .:' ,l':l 腰抜け野郎がいたな…。
'iiiiii;;;;;,"':;;;;;;;;;;,,iii;,, 'ii;"'"""::::::::::'''" ::: ''",.:'' ,.:'''" l::l
.iii''i;ii;" "';;;;;;;;;;;;ii,;;;;ヽ、ヾ :::: ,.:'" l'::l なあ、おい、そこのお前らだ。
.iiiii;;''i,. '';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'i, \ ::::..........::::::;.. ,;il;;;,| 自分でもわかってるんだろ…見崩れ野郎。
.iiii;;;;;iiii"" .l';,,.::.. ::l ,,.; :::: ,/ ::: /i;;/' l
.iiiiiiii;;;. l_,,,.\::.. ::l'''" .::::... ,..r'ノ :: ,;;"ili;;" l
.iiiiii;;; ;;iii.l "'''lii;;,,_::::::l, i:, /x/ ::.. ,r' ili;;" \
.iiiiiiiii;; ;;iiiiii.l ::..::|\:l r'''"",,...r;;:'"x /" ,; :: /illllii;;;" ;;;iillll\
.iiiiiiiiiiiiiiiiiiii.|''""''-::::.::|.iiiii;'ヽ.,,_,,:'"-=ニ+二 X/ ,,;;'" ,;'"illlllliiii;;;;" ;;;iillllllll
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiii.l:::: ::::,,::l.iiiiiiiiiiiiiiii.'ヽ,"''ー--―''"" /iilllllllllllliii;;;;;; ;;iiiiillllllll
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii.l'''"";;::;:..::l.iiiiiiiiiiiiiiiiiiiii;,,"' ,.;'"illllllllllllllliiiiiii;;;;;;;;;;;;;;;;iiilllll
ある日、御家人の集会において、小野忠明は唐突に
「大坂の陣にて怯惰の挙動をせし者あり」と言いつのった。
- 331 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:48:24 ID:SXlFlhON
- /,;;;;;;;::;;;;;;;;;;;;;:::.. ,;;;;,. ,. ,,;;'''- ヽ、 /
. /..::;;;;;:::;;;::;;;;;;;;;;;,,,.... ,....:::::;;;;'" '::;,/';;,' ;,,. ヽ /
/'.::::::..::..:;;;;;;;;;;;;;;;;;;'.:' ,;'",,;;,___,,.;;,,;;;..,,,_;;;ノ i;;;';,, "'ヽ,....'i, <
/ .:::::;;;;:::;;;;;::;;;;;;;;;;;;'" .:;;;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii彡ii' 'ヾ;;;ミミ;,, "''l, / .
,l ..::::.:.:;;;::..::;;::;;;;;;;;;,, ,;;;;;;;:::::::'''""'';;;iiiiiii;彡;, ';iiiiiiiiiiiiiiiiii;;,'l/
l' ..::::::;;;:::....::::;;;;;;;;;;;' ..;;;;r-::::;;;;;;;;;::::..;;;;;iiiiiiiiii;;;, illlllllllll:;;;;;::::,,'l,
,l' ..::::..;;;.. :::;;;;;;;;;;;;;,.;;,,.r‐''" O "';,...::;;;...:::;;;;;;, ';;;;;,,,,_;;;;;."':;;''i, . 小野殿…。
レ'"'ヽ,.;;;.. ..,,::::::::::. :.""''ー-―'''";;;;;;;;;;;....;;::;;;;, ";''"O';,, ::; | それはどういう意味かな…?
.l';l||ll,:::ヾ:. ..::;;;;;;;;; ::::., "'' ""'''''"";;;;;;;;;;;;;;;'''";;;;;;,,,,,.,;'"'ー",,;;' l'
.//::ii"'ヾ.::: ;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;,... .,,;;'""...::;;;;::,,;;;'";;; ;;",i,";,''''''" 'l, 事と次第によっては、
l'::::::::::,;llliゝ::...::;;iiiiiii;;::"'';;;;;;;;;;;;'",,..;;;'"..;;;;;,く::.,;ii"'.:::';i';;l;;, ";, ..::'i, 御公儀に訴えることも辞さぬが…。
l .:::::::::.llll';: .::;;;;iiiiiiiiiiii;;::....;;;;;,,;'""":: ,:: ..;;;;;;;;;;;;"'--"';, ";, ";;;::.''l
ヽ,::::::::::";,,:.:::::::..llllllllllliii;;;,,.:: ..::: ' .::: ,r‐''""''‐'"'ヽ, ';,"';',;;| .
|\;;;:::::,;;. ::::::;;;;;"llllllllllli:, ::: ;;; ;; ,/":::;;;;,,;,;;,,,;;;;;;;,,;,';, ,; ;;/,l
,l'.::::..,:iiiiiiii:. ,::::::::;;;;lllllllll;::;;:;..: ,;;',;;..;r-ー'" ''''ー‐"''''ヾ';,.;;,,l'..::|
| .:::::;;...;;iill;, ...::::.:.::;;;iilllli::;;;;:::...:; ';';;,,,'""'''ヾ;;;;,,,,,,,,,,,,,,,, ,,;;'"';;i .:l'
,l' .:::::;;;:::;lllll; ..:::::::::::iiilllll:: ;;;;::::::::.. ""'''ヽ:::::::;;;;;;;;;;;;:::ン';;' .:i .::l \
| .::::::::;;::;llllll; .::::::::::;;;;iillllli;....;;;;;,,,,::.::.::.:.:;;,,,:::::::::::::::::::::;;;;;;;::'.....::i ::l \_____
,l .:::::::::';;,,;llllll; :::::::::::::;;;iiiiiiii;;:::...'';:::::;;;'"" "';;;::;;i' ::|
,| .::::::::::::;;;;iilllli; ::::::::::::;;;;;;;;iiii;;::::::....::;;;;:... ."':: ::l'
l.::::::::::::;;;;;;iiilll,, :::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;,,,,;;;;;::::.. ::; .::: ::l __,;;;;;;;;==ニ二
, | :::::::::::::::::::;lllllllii;;,,:::::::::::::::::::.....:;;;;;;;;;;;;;;;:::::::... ..:::::::.... ;;..:;;,/|;;::iill||||||||||||||||!!::::
l .::::::::::::::::::::;;;iilllllllllliii;;;;,,,,,,,,,, :::::::;;;;;;;;;;;;:::::::::...::::;;;;;;;;;;;;::.:..;;.:./:: /lllllllllllllllllllllii:::::::
中山勘解由照守
同僚がこれを聞きとがめ、大坂の陣において同役(道具奉行)であった
石川市左衛門利賢、山角又兵衛正勝、中山勘解由照守、伊東新十郎弘祐の四名が、
これに怒り、訴状を老臣へ提出した。
(この道具奉行には、神谷清正もいたそうだが、ここでは名前は上がっていない)
なお、余談ではあるが、このうち中山勘解由照守は
忠明と同じ「上田城七本槍」の一人である。
- 332 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:48:42 ID:dDSKu/UH
- これで、善鬼よりも素行が良かったんだから、どんだけ善鬼はDQNだったんだよ?
- 333 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:49:51 ID:SXlFlhON
- しかし、これが却下されたので、
今度は、神田橋を渡る途中の秀忠へ直訴するという挙に出た。
,ノ从 (") .ノ'ミ 火 ノ'、| i | ___,,,..........,,,__li
ミ、;;:;:ミ(;:;:ゞ ノ゛,,ミ 彳ゞ 木 / ,-------、\ i
il l} l ii; `|li| i i_,,,-ー~~ ̄  ̄\ `.
,,ノi|i Lノl__,,,,,-ー''"~ ~~ ~~~ \
-ー''"~ ~~ ~~ ;;;;;; ~~ \ `
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|\:::::::/ |:::::::/::/ィ ミヾ::i´ ゙ヾ::::::::::::|リ
| |::::::// ミヾ / ̄`ヽヾ-イ/
ト、|  ̄ / 三 ,ハ、 〉、::::/
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| -┴- |_ ';::::::... 彡::::::/
/ .┼羊 /: ';:::::::::. /ミ:::::;'::/ /
> 个* /::::: ';:::::/,ィ ミ/:::/ /
< / / \::::::./ ;彡'´i:!r‐'^ー--、
〉 ・ ・ /::::/ /シ′ (:::::::::;'i::::::l;::ヽ
/ |::::::i i:!....,,,;:ニニヽ、、__
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- 334 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:50:39 ID:/soKmwW/
- コワイヨー
- 335 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:53:32 ID:SXlFlhON
- / ヽ / ヽ \
/ l ヽ / | \
/ l_ , ‐、 ∨ i l | | \
,-、,/レ‐r、ヽ | /`K ,-、 <
| l``i { ヽヽ l | / , '/',` //`|_/ 今は移動中だ!
ヽl´、i '_ 。`、llィ'。´ _/ /,) /\ 後にしろ!!
/\ヽ'_i ,.,.,.⌒´)_ `_⌒ /__/l \
/ l´,.-― 、l`ー一'_冫 /l l | / (つーか顔こえーよ!)
\ ', / /`7-、二´、,.| /// | /
´ { / / ト、 |::| /// / /
ヽ、 > ー ,/ |ニ.ノ-' / / _
、/ } ',,,..' |-'´,- '´  ̄/ ヽ∧ _
/ ' \_ `´ノ7l´ / // ヽ l ヽ
/  ̄ ̄/ ノ L___/ U |
/`ー´ /l |
徳川秀忠
…が、秀忠は、移動中であるとして、これを捨て置いた。
(なお、直訴というと処罰される印象があるが、
彼ら4人は全員千石以上の旗本であったらしいことも影響してか、
この点については問題なかった様子)
- 336 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:55:29 ID:SXlFlhON
-
,、r、riTi'i川T‐、,,_ / こ い. 智 不
人 ,.ィ _r、|゙ヒl,. -──‐-- 、,l l7-、,_ /
_/ `ー'" ヽ、_ ゙i1-'" _,,. -''""´ ミ::゙ヽヘiッ、 | の わ 将 死
/ た 諦 そ / / ,r='" _,.-‐''二゙ヾ'''ヽ;:ヽシ、 /
/ \ ,.l',∠rミ、゙_,.イiミ/r‐o‐ 、ヽ:\::ヽ;゙i'1 / 私. し. 利 身
| ま め う / /;;シ;:;:;:ノ__,.ミ:ヽ;:_`====' =、:||:ヽ;:゙i| <
ノ | | ,r‐'フ ,.、゙ヽー‐-- 、`゙'-、!.:.゙y‐、 ゙i. が め 賢 の
ヽ. る て 簡 > ノ,∠,,.J'゙ー‐二゙'''ー‐ヽ'''''‐-、ミ:: `く i:| ヽ
|. / 「 /_,,. -‐''iニ匚i'ゴブ'''7ー‐t、_:.: ミ/ | !! た と
/ .か 単 | ゙i<i`Y'゙r--r‐r''Tユノノ ./::::.:/:::::|_,.イ / (※)
ヽ ヽ | i::(二''"´ ̄-‐' _,..=='''/::::::| :/i,  ̄\
/ !! に / |ー|:ー─一'''''"´ .:ノ ..:ノ.::::/--‐'i ヽ __ __/
\ _| l, ゙i, __ _,..ィ-‐''フ''" /i .:::::| レ'´ ,..--- 、ヽ/\/ (
ヽ /ヽ、/ `i'''`ー'´:::_,,.-`''"::;;/;: __/-゙ー‐'''''''''''i_ _,,,...、 //:::::ヽ ヽ |
\/ | \ __,,,. -─‐'''''"´´.:.:.:.:..:.::::::::::::::::/:........,.イ /:::::::::::ハ-‐┴''''''''''''─-、/
ノ ̄ ̄ ヽ;::.. / :::::// /:::::::/ ヽ __,.ィ、_,ノi::::./
,.-''二,ヽ、_,,.-ァ'" i ゙、::::.../ ○ / r.i__/-'''" /::!l |ヽ,r‐‐‐、`ーァ
//::r=シ'"// / /: ∨ __,/-‐'" __,./ Y__/{ ○ } Y |
/ /:::/...:〃''゙ i | / /:::: / ,、-'" ,..-'" _,..-'"!lヾ、ー‐' ノ! ゙、
石川市左衛門利賢
これに憤った4名は、七月十五日、今度はなんと、諸大名の前で訴状を提出。
(※ 言われてません)
- 337 名前:名無しのやる夫さん :09/05/03 23:56:19 ID:/soKmwW/
- アドンwwwww
- 338 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/03 23:57:54 ID:SXlFlhON
- _,r==\-ヾヽ、/∠=-、ノ
/彡=⌒`ミミ゙ヽi;!!/''彡ノ;;、_
ヽ、 _,彡'´彡;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;; /ミ‐-、;;;;;ミ、
ヾミ三'/彡'' 彡;;;;; ;;;;; ヽ ミ‐-;;;;;ミ
ノ;;;;; 彡' .ィ;;;;;;;;;;i il ヾ\ \、、ミ=彡
//iキ// /彡;;;;;; ノ;;i/;;;;;;ヾ、 \、ミ=、、
彡ミi//ノソ クノゝ/;∧;;;;ヽ、ヽ ミキッヘ
彡/ノ彡iゝ=彡 ノノ ヽミ=ヽヽ-《;;;くキノ へぇ~。
./⌒/ノ/(゙'i ゝ ‐-、ヽ''´゙ヾ=二`ヽ´ .!!、,ミヽi、ヽ そんなことがあったんだねェ~。
/ !' i リゝ!ヽ (゚_)' , ',。、`ヽ ノ / ノリノ`\
/`リリ| .i ゙ー'‐ ' ./‐イ' 'ヽ
/ ´'' i 、_ (_,, . / | i,
/, -、 ! ``ー―‐=ニヲ ./ .ノ:: ヽ
'´´ `ヽヽ ヽヽ`ニ彡/ ./ ./::: \
ノ \. ヽ二´ '´ /r-=ヘ、__
`ヽ ヽ ー‐'´ / ,/ i::
細川忠利
\ ノ L /_ / ヽ / } レ,'
|`l`ヽ ⌒ ヽ/ <´`ヽ u ∨ u i レ'
└l> ̄ !i´-) |\ `、 ヽ), />/ (…何考えてんだこの馬鹿ども…)
!´ヽ、 ヽ ( _ U !、 ヽ。ヽ/,レ,。7´/-┬―┬―
_|_/;:;:;7ヽ-ヽ、 '') ""'''`` ‐'"='-'" / ! !
| |;:;:;:{ U u ̄|| u u ,..、_ -> /`i ! !
| |;:;:;:;i\ iヽ、 i {++-`7, /| i ! !
__i ヽ;:;:;ヽ `、 i ヽ、  ̄ ̄/ =、_i_ ! !
ヽ ヽ;:;:;:\ `ヽ、i /,ゝ_/| i  ̄ヽヽ ! ! ,,
ヽ、\;:;:;:;:`ー、`ー'´ ̄/;:;ノ ノ ヽ| / ,、
 ̄ ̄ ̄ Y´/;:;:;
流石にこれでは捨て置くわけにも行かず、審議がなされることとなった。
- 339 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:01:00 ID:unjN6xXN
-
 ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄ ̄ ̄ ̄
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その後、表立ってやるものではない、と判断されたため、
関係者を厨所へ召し、話を聞くこととなった。
- 340 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:02:43 ID:unjN6xXN
- そしてこの時、忠明の申し出により、榊原家の家士が召し出され、その話を聞くこととなった。
iヽ iヽ
ゝヽ,-〈 〉
>7((._)ゝ
┌(77!>ツ、ゝ ィ!:!ト.、
メy' 'V'じ:| レゝ /イ!ojfot`ト、
ノ//.人 / レゝ 〈トト「 Fリツ〉_ その家士の言に寄れば、
/ノ .∧/>:! レゝ ィ‐ヒ-、ンフ Fラ ̄ '- 、
i./ i } /メ , レyッv' リ=百= ヘ、ゝ ゝゝヘ 『合戦中、黒馬に乗り、
{ ノ'!i_ /i :,:゛ レゝン゙レ=目≡ミン'-ゞゞ ゞ へ 猪の指物をせし者が榊原の備へ乗り込んできた』
L_.レ'!i'-|、 .:';" レゝ ヒ=貝三ミiメ ,.. ヨミ=ゝ
ヾゞ' !i_i!‐' 彡 レゝラソミ 彡-._,ン -、ヨミ
}\ ヽ,i、、 レゝ〔ミ =三:__,.壬》=ヲ\
ノ ` メ 彡 レ丿ヘ'_ラ゚=-、\( て_,__,、
_ク-ッ、 ミ|i , -.、 彡」/, -‐‐`、ゝ ミミ `ー、
_ 〕 ヽ-ィ、_ゝ舎!レノ _.」メ"ノFリy、|vヘヘ┐_ ミ ミ ヽ、
__/ ミ -={ミi| v》' 彡==ト-ミ泪 ノ,-l-ゝ`-ゝ __ヒl-、) ミヾ <゛`
/ _.. ミ -={ミ Y Y 彡=メ=-ミ$杁 7-,-メゝi_.ノ `ヾ_ ミヾ. ゝ
"┌ ' !|,ヤレト-チ>く メミ i li ii' リ ゝ` .| |ヽ ミ 〈
} _, - 、ミ !i メ、_!i ツ丶メヘ | l| ||个!i| |: | 熹 .|゚^ヽミ r‐`
'" __.〉 ミミ ! " 彡 `メ、! リ !メ リ | | |i リ r-!
ノ _,-、./:! ミ ミ 彡 彡彡 '`ヘメ、_ル人 》 i!:〉iリ ミ
フ __.ソ } ミ ミ 彡 彡彡ソ ッ イ員.ト\ i! ll ミ
!/ i! ミミ 彡 彡 彡 ン ヅ タ888b \._./ノ^.リ ミ
i! ミ ミ 彡 彡ミ ツ ミ 彡 彡 彡ミ ソ ミ ゞ
ノ ミ 彡彡 ゾ ッ ゙ ミ 彡 ツ 彡ミ ミ ミ彡
/ 彡彡彡ミ メ "ド ゾ 彡 彡,、、彡ミ ミ
彡 彡 彡彡 ミ ノメゥタェ, 彡 ミ ミ彡 ミ
_.ノ 彡 彡ミ ミ ミ ノフ 、、、_ 彡" 彡 ミゞ
彡 ミ ミ ,,丿ミ` 彡,リミ ミ __ 彡ミメ"i
_.彡_, -, , -ッ__ミミミ '`'`'i ( ミ , - ' ノ、 ,_| .ミ
ノノ ノ" ) 〈 { 〉 _7 .j ノ ソ ! .ミ
_/ v-' i" {. / .< メ.,__,ゝ
「___ゝ '--‐'' '`‐--" ム__,ゝ
- 341 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:05:11 ID:unjN6xXN
- ::::::::::::::::::::::::::::_,ヘ,::::::_//::::::::::::::,| |,_\r' .'ー ,i.!、\::::::::::::::::::::::::::::::::\>-.ヽ、
:::::::: ::┌--' ̄ `゙'ー'"!、/_:::::::゙''-r゛ ;::.. ...,,,,;;;;;;::::.... .....,,,;;:: / ,! ヽ,:::::::: :::::::: ::l'''''''"
::::::: ::::! !::::::: ::::::| ,, ( \ l,::::::: ::::::::/
:::::/ノ 次 !:::::: ::::::|`! \,,,,,,,,,,,,,,,,,r'─--―ー、 .ヽ ヽ,|、:::::: :: │ 我
'"|ヽ,! 郎 .|::::: ::::://,,r‐'''"゙゙゙''i,,l^/^ヽ .l、 .r'"""`ヽ.ヽ ` !|.\::::: ::| が
. | │ 右 |:::::::: :|(. | r'""ヾl!,,|,,,/ ::::l ! i .| .l ().|,ヾl:::: :l゙ 名
│ / . 衛 >:: ::: | |. ゙l i / !::l::,! `-、ヽ_,,,,r' ,./;: / .″,i .| | < .は
.| 'ヽ 門 /:: :: :: | ).! ゙i,,_`,,,-'゙./:::|::::ヽ ゛  ̄ ̄ !;;:: | .| |:: │
< ! .<: : : :::::| レ゛ ,,;;/ l:::::!:::::/ '''ー 、 ''''ヽ / | |:.:. |
.ヽ |:.:.:.:.:.:.:.|.|,,, .゙.,,i、 ,´, .! .゛, , , ,ヽ'''''''ヽ_,, .._,`='"-ー'!'' ゙̄ \_
│|__、 r-┴―-、ヽ/'i‐"::i',,,,i''.y'^Y^Y^Y^y'v`i」|::::;/ .!,,ノ.// ヽr'" ̄`v'"
| l.ヽr'" ̄ヽ' \-.lヽ::::|.|.|-.!─i--|-.i-|-i-.H|::::| | | .i __ | /
. _ | ‐'´`\、  ̄`゙゙'''''、 | ゙i `l::l.l !__!,,_,,!、,!、!,/! ,!//i::::| | | .| //\ |/
『その為、名を聞くと、その武者は”次郎右衛門”と名乗った』という。
- 342 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 00:06:28 ID:MMatAqFG
- この人ですかwwwww
- 343 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:10:27 ID:unjN6xXN
- これについで、忠明はこのように説明したという。
_ _ノ{ そ
∧ン て,
.,ヘ `ーイ ´7_
, ヘ ト=″ ソ
ノ , ヘ > 〃 あの時は、新しい馬だったんだよ。
._,ノ ,ヘ、 ミ、 ,、 ,イ 合戦の為に又助(息子)が馬を買ってきたんだが、
_,ノ ,ヘ 、へ_ゝ F ヾク ,イ i{ | 新しい馬は扱いづらいからな…。
\ _,ノ ヽヽ > 「ヽ _」 }( リ | ,イト、( ) ヾ />|
> /Y |ヾ\ i| ヾ` i! | !{`リノY´_ | 仕方がねえから俺の馬は息子にやって、
/ ヽ__ノ 、ヘ く ヾ 〃ヽ______, ≦ォタ | 俺がその馬に乗ったんだが、予想通り、暴れてな…。
// | / / ヽ _) 、、_, ̄゛〃く  ̄``l それで、榊原の陣に入っちまったんだよ。
// / _1 / `ー、  ̄´ __」 / _
/ / | ト、 ヽ ヽ,/  ̄ フ/  ̄ ̄ ̄ ヽ
/| | ヽ ` 、 _ ` _´/ , へ ̄ヽ⌒ヽ´ ̄ ̄
/ | i \ \ ´  ̄ ├ー' ヾ ヽ `ヽー
/ └ ヾ ー―― -ヽヽ 、____〈______ヽ ヽ ヽ
>、 \_ __ _,ノ ̄ } `ヽ ヽ
>― ― !二二ヾ
- 344 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:14:27 ID:unjN6xXN
- /:. :. :. :. :. :. :. :. | |、.:/:. :. /:. :. :. l:.,.へ:. \
/:. :. :. /:. :. :. :.. :. | | :.ヽ-く:. :. :. :/:. :. :.\:.ヽ 話の途中だけど、補足をしますね。
/:. :. :. /:. :. :. : : ./: | |:./:. :.∧:. :. /ム:. :. :. :. :.\ヽ. ,、, このままじゃかなりわかりづらいですし…。
/:. :. :. /:. :. :. :. :.〃:. :. :.| |/:.:.:/ ̄ ̄ |:. :. :. :. :. :. ヾ ,、 ''",、'"
/:. :. /:. :. :,、, :./ ./ . : .: | |:.:../ |:. :. :. :. :. :. :. },、 '' " ,、 ' 実は、厨所に集められてからの話が、
./:.. 〃 :. :. :. :゙', ゙ ''' /:. :. :. : | |:./ . |:. :. :. :. :. : . :j , '" 何故か忠明の馬の話になっていて、
j:. :/ l:. :. :. / ゙' ,,/:. :.: :.: :. | |ム‐-ミ、――ィ.:. :. :. :. :. :. :.! ,、' 肝心の臆惰の振る舞いをした云々については
|: / |:. :. / /:. :. :. : . : .| Nj ::トj |:. ; :. ; :. :. :. l ,、 ''ヽ 書かれていないのです。
j/ .|:. :/ /:. :. :. : .: /:.:| |ヽ- ' , :.; :. ; :. :. : /,、' \
ヽ:j /:. :. :. :. :./:.::..| | .; /: /:. /:. :. :./'゙ } そのため、これは推測になるのですが、
/:. :. :. :. :./:. :.:.:| 小、 -/:〃:./:./ :.:/ヽ メ | 何故、この馬の話になったのか、というと、
,′:. :. :. 〃 :. :. :| | > _、r、/レ、,メ,イハ:/ } / } .ハ
|:. :. :. :. /l:. :. :.:.:.| |彡 ´  ̄ ¨ ヽ. レ、 //7 ヽ三.l彡 ハ 『見崩れを批判された4名が、お前(忠明)も見崩れして、
|:. :. :. ./ .|:. :. ::.:.:| | ト、 ¨ゝj、 _ ヾ ハ 味方の陣へ逃げ込んだではないか、と言われたので、
|ハ:. // !_ 斗―‐ | l l ゝ、 j | 証人を呼び出し、自分のは見崩れではなく、
r―――  ̄ /:::::::|二二| j |! 爻 \ ̄ | 乗り慣れない新馬が暴れたのだ、と抗弁した』
ヽ /::::::: |二二|彡‐、 ヽ. li! ゞ リ\\上 _.j
ヽ、 /::::::: |二二| / ヽ \ 爻.ノ j ヽゝ というところだと思うんです。
 ̄/::::::::::: |二二|' / ', ヽ、 ノ } ハ
〈:::::::::: |二二|/l lヽ、 丶 / /ハ まあ、結局のところ、
マ::::::: |二/ | l 丶 __ ノ / 〃 l! このことについては真相は記載される事なく
マ:::::: / l l/ | | -く _ ハ 裁決だけされて、話が終わってしまってるんですけどね。
マ::: { ゝ ' l | j
マ:: l_ - | | / ヽ
- 345 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:20:00 ID:unjN6xXN
- さて、ともあれ、こうして各人の言い分を聞いた後、裁決は下された。
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
○====○====○====○===.| |│││\\||||||//│││|| .||===○===○===○===○===○
| |││││\\||||//││││|| .||
| |┴┴┴┴┴\\──//┴┴┴┴┴|| 小 ||
| |┬┬┬┬┬┬><><┬┬┬┬┬┬|| 野 ||
___________| |│││││//││\\│││││|| ||____________
\/\/\/\/\/\| |││││//|││|\\││││|| ||\/\/\/\/\/\/
/\/\/\/\/\/| |│││//||││||\\│││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
""" ̄ ̄ ̄'''''''''''''''""""" ̄""" ̄ ̄''''''''''""
結局、この一件については、
小野次郎右衛門忠明、石川市左衛門利賢、山角又兵衛正勝、
中山勘解由照守、伊東新十郎弘祐の各人は、それぞれ閉門処分を受けた。
このうち、石川は後に士籍を削られ、山角は改易になったという。
- 350 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 00:36:18 ID:+l0CoP9v
- 喧嘩両成敗の原則をとったということかな。
- 346 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:23:15 ID:unjN6xXN
- .ミ:::三::/|::| /://:::::/|:|::| |::|}:!、:|ヽヽ:!ヽ::| ≦:三::::::::/
ヽ::ーイ/ァl::「|/|:! |:::|/|:|:|! |::!リ l:! レ__,. -ヘ、、 ヾミ::::::彡ィ
>::::/::j /-- 、_l:L_!__ |:!l V|:L -‐'´ ,. -へ、> 〈ミ:::三:::彡
〉//://-- 、,,,___ Y川 {Lヽ--‐'´==、、〉 ヾミ::::::彳
ノ:;ィ/! _ 二ヾ彡l ⌒ミ!l イ__○___》_ 〈ミ::::::::ソ
ヽ彡! ッ===ミ / '⌒ `ヽ` ̄ ̄ ̄ ト、::ミ:ィ′
く::::/| U //´ `ヽ、,、 u |ミ::;-<
|/::| |//゙! |ヽ y' \ ミ/ ヘ !
l ヾ! `ー' -‐' ヽ、 \ ミ/ ィ_ || __人__人__人__人__人__人
|入| / _,. r─;‐┬ T'''T ̄l ̄l:!l 、 ;、 !〈__j l| < >
{〈_」! l | l:r| L.⊥┼ ┼┼、.」__j::!|. | ヾ! _ノ r ノ < ・・・・・・・・・・・!! >
ヽ-L! | j|:YY´l l | | | | |_y'! | lヽ ト-イ < >
ヽ__l | ヾLト-'─'一''´ ̄ ̄`゙ // |:/ jヾ i| Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
| !.! -‐'''"´ ̄ ̄ / / /|
!ヽヽ / / / |
| ヽヽ // ,' | __
! | ヾ、 | __,r''´ ,' | ,. -'´;:;:::::::::
| ! `゙''ー──= ''´ ∧ i _レ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:
ちなみに閉門になると、お役御免(役職を外される)になる。
そのため、忠明は、平時の役職である先手頭(あるいは弓持頭)と、
将軍家剣術指南役を両方外されることとなった。
(どちらにせよ、閉門を受けてるので出仕のしようもないのですが)
これが坂崎事件の発生する少し前、元和二年七月のことである。
- 347 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:27:17 ID:unjN6xXN
- さて、これが小野忠明がその評価を下げ、
将軍家指南役を外されることとなった顛末です。
|: |'´∧ヽ::::::/:::::::\_ .へ. //:::ヽ::\ ここでこれを紹介したのは、
|: |::/三三三ミ.ヽ:::::::ヽ r‐':::∧V::::/:/ヽ::::\:ヽ 柳生と小野についてのある俗説に関連するからなんです。
|: |/〃 | | ̄ヽ i:::::::::i /::::::/三三三三ミl::::::ハ::ハ つまり、
|: | ゝ=1.l= ' l:::::::::| ,':::::::l〃⌒}゚{ ̄`ヽ l:::::::::i::::l
|: |二二ニニニニl:::::::::l l::::::::l ゝ=,。,== ' !::::::::l::::l 『小野忠明は将軍家に対しても
|: |レハ` ´レハ l:::::::::| |::::::::|,≠z==,≠.=l:::::::::l::::l 稽古で手加減をしなかったので疎んじられ、
|: |トzリ トz.リl:::::::::| |::::::::l ト-リ ト-リ`l:::::::::|::::l 手加減をして相手をした柳生宗矩が重用された』
|: |  ̄ '  ̄`l:::::::::ト、 _l:::::::::lゝン , ゝン |:::::::::ト、l
|: | r-、 |:::::::::lw\ ∠ l:::::::::| r-、 l::::::::ム \ という有名な話についてですね。
|: |\ `¨ ィ:i:::::::::l`"^~`"~´゙l::::::::l\ ゝ-' .イ:::::::/-ゝw、ゝ これについて、検証を兼ねた話をしようと思います。
|: |rf ` -‐ //:::/::/ リ::::::| l:::>、 __ '´/}:::::/:/l:l
|: | ヽ. //ィ/l:/ ゝ:トl. ソ| //ィ:/i//l' まず、この話について端的に言えば、
|: |. \ { l/'l/' _`l__/ l / l/> 、___
|: |ヽ. \ ' lヽll`丶、 / { l ' // , >、 『不自然であり、おそらく後世の創作』
|: | ヽ ヽ/ 'll llヽ / , | ヽ / // //
|: | ヽ / ll ll '{ | l / _// /// と思われます。
- 348 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 00:30:04 ID:0j+xMKQA
- ほほうほうほう
- 349 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:32:05 ID:unjN6xXN
- / - _......、
/ ,..、 ゙''、、 _メ゙‐''^''、,゙l........,、
/ /″./ \. `'y-''". ___, .l、 ヽ まず、小野忠明が秀忠に付けられたのは、
| ." .,lン-ー'ニ゙‐'┴=ご´ .| l.\ .ヽ この時から20年以上前の文禄二年(1593)です。
l /.. ---ノ ゙"lと,. `''-、! ゙'r .ヽ もし、「稽古が厳しい」という理由で遠ざけられたのであれば、
/ ,lゞ.i ゙゙̄l.゙う¬'-.ヽ .,! | .ヽ 20年以上も経ってからというのは流石に不自然でしょう。
/ .i" .l_`',゙"ii、ヽ,,,,..ノ.,/ .! ゙!ミ< / . l
! ./ _____〈..../^"'ー'" .|,∠ニ;;、),! | ! そして、宗矩との比較において、という点で考えても、
/ ./ ̄ .` ゙̄''''ー ..,,, ! _.. 、、/゙/xi| ゙l 宗矩が秀忠の指南役として付けられたのは慶長六年(1601)、
! !| -リ=x,,、リン´.,.iト.|. .lヽ ゙l つまり、宗矩と忠明が二人で指南役を務め始めたのは
,! l│ ---、ヽ /.,, ゙く|″ // ,| .! .゙L ! もう15年以上も前からなのですね。
l .ノ│ ` .| (,_,,!.,!リ .T _r゙./´\"'i .,!
_.| | .. -k_ _ノ .l . / /_/\ l l゙ | これでは、仮に稽古に差があったとしても、
/ .| .|, ._, ´ .レ".,//゛ _. }.l′ | それを理由に遠ざけるのは、やはり間が空きすぎていると言えます。
rシー''''゙! .ヽ l‐'゙`'> / // ,/゙.,..‐ .|,! /
l .;; .\ .ゝ'" ,,i',゙,゙ ̄''<_/´_.. / ./ そう考えると、小野忠明の評価が下がったことは、
| i!l. 、.!`-. .._,,..-''/゛ .\ l.-彡‐´.゙!、./ 稽古云々も含めた剣術とは関係なく、
!l . l. li ! .`'ニ''''"´ i′ .l,メヽ、 ゙!、 今回の諍いに端を発していると見るのが妥当と思われます。
,.. -リ―ヽ |,|| . / ,! ...イ |''ー、, `''ー..,、 .\
./ ゛ .゙'ミ./ ./ ! ._/ / l ヽ,i′ ⌒'''''!ゝ
/ ,i′ / レ"_/゛ ./ .| ゙l,
/ !/`'-┴-i、.ゞ" ,/ ! ゙l
./ .,彡..,ン―ァ'" ! ._,..r'"´゙'''''"゙''ー'''''-..l.、 l
- 351 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 00:37:20 ID:E0bq/ncg
- >>349
小野忠明は家康に付けられた家臣なので、秀忠の一存でどうこうは出来なかった。
家康も死んではばかるものがなくなったので、積年の鬱憤が爆発した。
こういう解釈も可能ですよ。
あ、だからって私が「小野は手加減しなかったから疎まれた、宗矩は諂って重用された」
って説を支持しているわけではありませんが。
- 352 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:38:04 ID:unjN6xXN
- __ ヽ- ´::.::.:/::.::.::.::.::.:ヘヘ::.//ヽ
_ l::.:`-<::.::.::./.::.::.::.ヘ::.::.ヽヽX´::.::.:ハ
_ヾN、 「|::.::.「^≧ __ ..z ===ヘ:/- ヽ |::.::.::.::ハ
__ヘ ヽ ヽ |:|::.::.:|= ´ >Y'--z、 ヘ::.::.`ヽ!ヘ:.::.::.:ハ まず、実紀における忠明の人物評は、
ヽ.ヽ\ヽY::.::.::.::| 〃`ヽ 7 ̄ヽヽ |::.::.::.::.|ノ:.::.::.::.ハ 『世に並びなき撃剣の達者』であり
\ヽヽ.1::.::.::.:| 《 } ハ - ノ′ |::.::.::.::.|ヽ:.::.::.::.:ハ 上田城七本槍の一人である…と書いた上で、
_, ヘ__\ヽj::.|::.::.::! ` ̄jハ<´ _,, z<|::.::.::.:|:| \::.::.:ハ
, -<::.::.::.:ヽ:: ̄ヘ::.l::.::.::|>r=≦ ̄ノ^イ'i }:l7:i::.::.:|:| `ヽl ヘ 『かたがた武功に誇り、同僚を軽侮し、
/::.::.::.::.`丶、::.ヽ::.::.}::.l::.::.::|{! rしヘ` 弋ニシ |:|::.::.:|:|zーー- >ヘ 常に大言を吐きゆえに
/V |::.::./::.::.::.::.::-<::∧::l::.::.::ハ 弋_シ ` ̄ !:|::.::.:|:|=三´T:| 衆人かたむけにくまぬ者なし』
l , ::.:/::.::.::_/::.::.:У,_ハ::',::.::.:ハ ' _ |:|::.::.:|l:!´ 7::.ト;!
|/::.::./::./´ノ::.::l^::/´ゝヘヽヽ::.:ヽヽ <-> , イ||::.::.|リ |ヽ| と記述されています。
/::.::./::.:;'::.、::.::.:L__...ヽヽ ト、::ヽ::T - _ ^ / 从l:::l jヘ つまり、剣の腕や武功は認められていたものの、
/::.::.:;'::.r7::. ヽ::| ̄ ̄ ̄ ̄^ヘヘ:ヽz|::.::.::! 7¨`7 / |:l _ ∠ `ヽ、 その己の武功を自慢して他人を馬鹿にし、
//::.::j::.::Ll /ヽl , , = 、Y=-、ヾ |::.::.::|/ {/ リ/ ヘ しかも大口ばかり叩くので、皆から嫌われてた…
,:イ::.::.:|::{::7!'::.::.::.::.| ヽ }{ 》 |::.::.::! / _,ィ. _ z =^=ヘ ということですね。
,.._リ.{::.::.::l/ |::.::.::.::.::| ` =' j '=´ .|::.::.::|、/ ./ 〆 ヽ/ / ⌒ヽ
〃 lヽ/ .:|:i::.::.::.::.|>z=.._´^`__..z|::.::.::| / / ´ ハ 言ってみれば、今回の一件も、
/ // .: .::.::|:!::.::.::.|::!弋ハ;≦ ̄´_.- ´ ハ::.::.:k ヘ/ /´ , / } この普段の言動が発端であったと言えます。
.,′ ∠__ィ_..ィー'1l、::.::.::|:|ゞ─'- '"⌒'/::|::.::.l:!ヽ.ヘ , イ / / .j
{ // 「ヽ_{ヽ、 |lヘ::.::.|l| 、 /::.:|::.::.llヽト\ヽ' /- '´ / ハ
\´ ,ィヘ ,>ヽ、ヽ|! ヘ::.::|ll、 , - .., _ノ::i::.,イ::.::.|!^`7 >'` ≠ 、 / ハ!
` l |/ /`ヽ ヽl ヘ::.|l! ヽ  ̄ ´_ ´::./|イ/ l::.::.| // // `ヽヽ l | |
- 353 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:43:06 ID:unjN6xXN
- , .-―‐- 、 _
ヘ ,. '´ > ',´ ',
,' `ン r ― - 、 _z_x'_ ', '; ですが、この話について言えば、
, / ; ト-‐ 、>'´ ', `ーi ', 記述を読む限り、秀忠は忠明を庇っているのですね。
,' ,' ,! i.!,. '´ 。 γ⌒ヽ_ ゜ ',i ', 実際、そのくらい忠明への処分の甘さが目立ちます。
i ,' ri i|'; ⊂( ◎ ,)⊃ ',! i
,' i, . 'i | ! i ヽ__ノ 。 i ', ・ 訴えの拒否や取り下げが続く。
i | ´〈 i! i.| o i, _⊥ノ ! ', 諸大名の居並ぶ前での訴えでようやく審議された。
| i. ', |! i| , .-‐ ' ´¨, z、 f ', ! i
.i , ', -‐_ヽ! i f ´弋i`゛ 仆i! ,' ', .', ヽ、 ・ 家格においては忠明が一番低く、
i ,' i ヽ ,.'|', , .', i!、_ノi! !、ノ .! ' ', ! v-'、 また、周りからも嫌われているにも関わらず、
.', i .|/ ! i | ', ! ト ‐' 、 "".,' ! '|´ 忠明への処分は単なる閉門で終わっている。
L.!, ' ,.-z!Vト ', ! |、"" ー ,. 'i ,' |i! (逆に、訴えた側は士籍から外されたり、改易を受けている)
,.'_,.zxfノ!、-'!^ !| 'i ', >‐-, -, ri´! fノ !、 ノ!|
,´-' ! | ´ シ!´ 「 ', '! v、 !ヽ」!、' ノ '´ !| ,' かなり忠明側に寄った裁可であると言えます。
', i! | |`.ノ 、'_ ゛ ヽ、j ヽヽ、 " それに閉門が解けられた後、再び出仕しているようですし。
レ' ゛ , ' - -、  ̄ ヽ、 Yi `t (閉門は、刑の期間は基本100日程度という)
/´ ` 、 ' , |i !, ',`i
/ 、 'V' ', ト' ヽ ここから考えると、
./ ' ,.´ i」 , ' >、_ 秀忠は個人的には忠明を贔屓にし、庇っていたが、
/ i ,.'´ i ' _/ i::!、_ 流石に家中に不平がたまるので、処断せざるを得なかった、
,'、_ ', /i´ i:i i!‐v´ー、 というのが実情ではないかと推測できるわけです。
/i /i ̄¨∧`ー-v、┤ _,. ' / >,':::',.|、_ i!
./:::! ./:::::::! /::::::'、 /:::::',ト- '_ /_ <f !:::::ij `´y'
i::::::!,'::::::::::|/:::::::::::',/:::::::::i|i-zγ´ ヽ`i´ ̄ /
 ̄`~~¨~>t'---┼-_._!| f `ヽ ', ', /
, . ' / i | __,,/ | ; ', ! | ', /
,.'´ / , i 'ー-┤ ,' | レi|/ !´
, '´ ,.! , .l ,' ! | j |ト' |i
, ' / |! , l ,' !⊥' i .|i ',|
/ / /,' / l ヽ´ ノ !| .j ',
/ , i!' ,' !, ' | i ヽ ´ ,ノ .ト、 ノ ',
:, ,:' / / i .,' Y´ i | i T |i .',
" ,:'" / ,' _」 i、 ! | | ; i i| ',
,:" / ,' iヽ┴---‐i!ゝ ! i .| ; ノ ',
,:'" / ,:' ヽ !、 ' / ヽ .ト / ',
./ ,' >ト-、_,.i´ `ヽ、ノ !/ ',
/ , / i | ',
/ , / j' | ',
/ ; .i / | ',
- 355 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:47:36 ID:unjN6xXN
- その理由については推測になりますが、元々、若い頃から付けられた指南役である上に、
上田城七本槍の一人として活躍し、秀忠の面目をフォローしたことが一因として考えられますね。
実際、名前にしても、”忠”の一字を与えられているわけで、
ここから考えると、秀忠は忠明を遠ざけたどころか、
贔屓していたと見ることができると思われます。
(余談ではあるが、土井利勝や青山忠俊は一刀流に入門している。
側近が主君に趣味を合わせるというのはよくある話で、
この事からも、秀忠が忠明を重用していたのではないか、と推測できるかと)
…にも関わらず、柳生と小野の逸話において、
『秀忠に厳しく稽古したため、疎んじられ、遠ざけられた』
となって、逆に「贔屓されていない」となっているのは、
この逸話自体が、忠明・宗矩の死後に書かれたと思われるからなんです。
__ /
__,. :':,.イ _ _ ─
/``ーァ'´. : /-_レ'´:. i _ ─  ̄
_,. ‐ ´. : : .:/. : ; イ__(_]|_)ヽ: ヽ _ ─  ̄
_ -´. .: : :「``7: :/,ィ(jハ` 丶_ |:. _」 - =  ̄ , _,. -‐'  ̄
/.:'. .:.: . .:.:,rゝ//: :/ L:ソ_- fj、7:´: j 、ゝ`^j´
/:,'/.:..:.;. -‐'ニ=ゝニ ̄=} ̄ _ ' `'j':. :.ハ! _,、. -‐'ミ 'j
/イ,L:/ /<ソーfT「リ´ ´ ,.イ:..::.j ノ_ __,. -‐'ニ´,/´ .:: ミ ゝ._ _,. -‐
rr‐'´ {{ / _二ソ \ Vゝ ` -,.∠_/j,;/リ'´/´/'< / レ、 、ミ`
/|:| ゞー' ̄ ー-r‐ ァ\ / / / / ' _,// _, -r一' ´ ゝノ^`
/ Lゝ、_/、ヽ i ヽ/ / >、/´ ̄/ ,:' //-‐' ´ /‐ ´ /
/ ,.イ ̄`,>! V '/ /ヽ//\ / / i:{ \_ / /
{ '_}__,/ j / __ 」∠v'´ X i. l:| /´ ! /
`ー ¨´| | >/ /´ _,ゝ-、 / \ _ l:|<_ | /
ヽ /∠ 」 -'| 7´,メ「 Xァ' ̄``ー- ニ二」_,/
´ ̄ ! ,. -‐<´ jヽ j/ \
- 356 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:51:34 ID:unjN6xXN
- / - _......、 そもそも、この逸話は
/ ,..、 ゙''、、 _メ゙‐''^''、,゙l........,、 一刀流の流祖三名(一刀斎・忠明・忠也)を讃えるための
/ /″./ \. `'y-''". ___, .l、 ヽ 一刀流内での伝書「一刀流三祖伝」を論拠としており、
| ." .,lン-ー'ニ゙‐'┴=ご´ .| l.\ .ヽ 筆者は不明(※)なものの、身内の人間が書いているわけで、
l /.. ---ノ ゙"lと,. `''-、! ゙'r .ヽ その時点で、信憑性において極めて怪しいと言えます。
/ ,lゞ.i ゙゙̄l.゙う¬'-.ヽ .,! | .ヽ (忠明の仕官は宗矩を倒したから、とか書いてるくらいですし)
/ .i" .l_`',゙"ii、ヽ,,,,..ノ.,/ .! ゙!ミ< / . l
! ./ _____〈..../^"'ー'" .|,∠ニ;;、),! | ! そして、この伝書が書かれたと思われる時期(寛永以降)には、
/ ./ ̄ .` ゙̄''''ー ..,,, ! _.. 、、/゙/xi| ゙l 柳生家は大名に、小野家は八百石の旗本としての地位が
! !| -リ=x,,、リン´.,.iト.|. .lヽ ゙l ほぼ動かない形になっており、身分において
,! l│ ---、ヽ /.,, ゙く|″ // ,| .! .゙L !
l .ノ│ ` .| (,_,,!.,!リ .T _r゙./´\"'i .,! 柳生>>>越えられない壁>>>小野
_.| | .. -k_ _ノ .l . / /_/\ l l゙ |
/ .| .|, ._, ´ .レ".,//゛ _. }.l′ | だったのです。
rシー''''゙! .ヽ l‐'゙`'> / // ,/゙.,..‐ .|,! / それは、また流派の「格」の面においても同様で、
l .;; .\ .ゝ'" ,,i',゙,゙ ̄''<_/´_.. / ./ この頃には柳生が将軍家御流儀となり、
| i!l. 、.!`-. .._,,..-''/゛ .\ l.-彡‐´.゙!、./ 小野も将軍家剣術指南役でこそあるものの、
!l . l. li ! .`'ニ''''"´ i′ .l,メヽ、 ゙!、 「二番手」という地位に甘んじざるを得なかったわけです。
,.. -リ―ヽ |,|| . / ,! ...イ |''ー、, `''ー..,、 .\
./ ゛ .゙'ミ./ ./ ! ._/ / l ヽ,i′ ⌒'''''!ゝ つまり、剣においては同じ立場(将軍家指南役)であるはずが、
/ ,i′ / レ"_/゛ ./ .| ゙l, かたや大名、かたや旗本、という差がついたわけで、
/ !/`'-┴-i、.ゞ" ,/ ! ゙l そして、なまじ役職が(というか役職だけが)重なるだけに、
./ .,彡..,ン―ァ'" ! ._,..r'"´゙'''''"゙''ー'''''-..l.、 l 比較される事は多々あったと思われます。
※ 忠也派一刀流の後継者・亀井(伊藤)平右衛門忠雄という説あり
- 357 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 00:57:17 ID:vWnQ1epC
- 頑固な戦場経験者が淘汰されつつあるのはやっぱり時代の流れって奴なのかね
- 358 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 00:59:30 ID:unjN6xXN
- その屈辱の思いを、
『剣の腕前ならば小野の方が上である』
という心理学における「合理化」を行った結果が、
先の『将軍家にも手加減しない故に遠ざけられた小野忠明』という
|: |'´∧ヽ::::::/:::::::\_ .へ. //:::ヽ::\ 幻想を産んだ、というのが実情ではないかと思われます。
|: |::/三三三ミ.ヽ:::::::ヽ r‐':::∧V::::/:/ヽ::::\:ヽ
|: |/〃 | | ̄ヽ i:::::::::i /::::::/三三三三ミl::::::ハ::ハ 実際、宗矩の異例の出世による柳生家の繁栄は、
|: | ゝ=1.l= ' l:::::::::| ,':::::::l〃⌒}゚{ ̄`ヽ l:::::::::i::::l 当時の旗本たちの嫉妬の的となっていたのは間違いないでしょうし、
|: |二二ニニニニl:::::::::l l::::::::l ゝ=,。,== ' !::::::::l::::l また、この時期の”柳生新陰流”が将軍家の御留流となった故に、
|: |レハ` ´レハ l:::::::::| |::::::::|,≠z==,≠.=l:::::::::l::::l 他流試合を禁じ、その実力が見えづらくなっていただけに、
|: |トzリ トz.リl:::::::::| |::::::::l ト-リ ト-リ`l:::::::::|::::l そのような幻想が生まれやすい土壌があったと思われます。
|: |  ̄ '  ̄`l:::::::::ト、 _l:::::::::lゝン , ゝン |:::::::::ト、l
|: | r-、 |:::::::::lw\ ∠ l:::::::::| r-、 l::::::::ム \ 小野側としても、家祖の恥を晒すよりは、
|: |\ `¨ ィ:i:::::::::l`"^~`"~´゙l::::::::l\ ゝ-' .イ:::::::/-ゝw、ゝ この心地の良い幻想に乗った方がよかっただけに、
|: |rf ` -‐ //:::/::/ リ::::::| l:::>、 __ '´/}:::::/:/l:l この話が受け入れられたのではないか…ということですね。
|: | ヽ. //ィ/l:/ ゝ:トl. ソ| //ィ:/i//l'
|: |. \ { l/'l/' _`l__/ l / l/> 、___ 少々長くなりましたが、こうして小野忠明はその評価を下げ、
|: |ヽ. \ ' lヽll`丶、 / { l ' // , >、 ほぼ同時期に宗矩が坂崎事件を解決したことも相まって、
|: | ヽ ヽ/ 'll llヽ / , | ヽ / // // 相対的にその評価に差が広がったわけです。
|: | ヽ / ll ll '{ | l / _// /// (このタイミングの悪さも、差がついた一因だと思われる)
- 359 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:01:25 ID:TfZyP5PW
- まあ、幕末のころには、どっちも大して役に立ってませんでしたな。
免許皆伝者が暗殺されるとか、実質御留状態になってしまったとか。
- 360 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:04:21 ID:unjN6xXN
- さて、ここで一気に話は変わる。
秀忠統治下の世情についてである。
////////| /ヽ / ヽ
////////| | ヽ / ヽ /\
////////| | ヽ / ヽ |\ / \
////////| | ヽ / ヽ | \ / \
//////// | ヽ / | | | \ / \
/////// | ヽ / / \! | | \/ \
/////// | /\ V / ヾ、∠___|
/////// ∠ \ / _-― ̄`\
//////// | ̄ -ヽ \ / /  ̄| \
//////// | | \ \ | / / / / ハーハッハッハ!!!!
/////////| ヽ、_ (\\_ |__/ /◯ _,.-' /
///////// | ._ ` ‐-‐' ヽ!.l|, l__/ヽ‐-‐‐'´ __,. / これからが俺の
//////////|  ̄=≡/ =i i= ヽ≡=== ̄ \
////////// | | 「 -┐ \ 本当の治世よぉ!!!!
////////// | /| , ヘ /ー \
///////////| __ヽ| ヽ / /| / /
/////////// | |‐--二二二二 =-イ / / / /|
/////////// | Y´ `、/ / / / | /\
//////////// \ | / / / / | / \
//////////////\ | / / / / | / \
///////////////ヽ !二二二二/ / / // | / \
////////////////ヽ ━== / / |/ \
/////////////////\_____/ /
////////////////
家康亡き後、秀忠はその政治的才能をフルに発揮し、
幕藩体制を確立するための措置を次々に執り行っていった。
- 362 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:05:28 ID:TfZyP5PW
- 改易取り潰し所領没収御家断絶ですね
- 361 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:05:22 ID:unjN6xXN
- ,v、ノ`ヽ、 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
iv' vi |
N レi, | お前たちにこれをやる!
| { ̄V´ ̄} | |
ヽ j, ._」レ‐、l. \_ _______
{h'、=。、jf,.。fi[(ヽl〕 )'
ー―‐゙ーl  ̄〈.`"´.|{ ,i、――‐ァ
)\ ,リ\_曰_/il, [ 」、 /
./ ヽ_/ト`:==テ=="´ l )、イ
/ /ヽ___l__/「 ̄ ,}
/  ̄ `丶、 (ヽ.OO ∩
/ ,. ‐ 、\ __ ⊂ニ、゙⊃ ⊂ .フ'ニヽ
./ ‐-.、\、 ./´ __ `ヽ、 r'.ニニ..ゝ / r'′l | OOO
r,ニ、ヽ ==i > / /  ̄.二\ ヾニニ⊃. `∪ (ノ
|.F7/.u `ー く i .r=ヽ ‐- 、`ヽ ____
,ゞf' ,,,_ r._ ヽ .i ||r|| v ‐- く .l ┌──-く
/ :l (⌒ヾニゝ`′l ,ゞ! _,r_ ヽ.l L_ 二._\ こ、これは…「朱印状」…?
、 \ :!v  ̄`) ,| / l r,===ぅ´l r= | こ! く
/\ \ヽ 「 / \ l u ゞ==ぅ l. ||f||.l._ , ヽ な、なんだこれ…俺達の領地が将軍家に…?
ヽ. \/| `ー' ./ \ \ ヽ. _ j´ .l ,ゞ| v r‐-゙ニ ー'
| | / \ `ー-1 ̄ ,|/ :| ` ̄_)
./ :| / / \ / | /、\ ヽ. j
| / / ̄ \. ` | / \ ` ー| ̄
. | ./ ./ l | ./ _/\ /|
(ヽ.OO ∩l \ | | / / ヽ |
⊂ニ、゙⊃ ⊂ .フ'ニヽ\ \| .| / / l |
r'.ニニ..ゝ / r'′l | OOO .|/ l \| |
. ヾニニ⊃ `∪ (ノ \.| |' | \ | .l
諸大名ズ
まず、元和三年(1617)、秀忠は諸大名(公家・寺社含む)に「領地朱印状」を発給した。
これは、「将軍のものである領地を、将軍の家臣たる大名へ預ける」という書状である。
これにより、大名自身が領地を持つわけではなく、
あくまで将軍よりその地の統治を任じられたもの、ということとなった。
結果、相応しくないと幕府が判断すれば、大名からその地の統治権を取り上げることができる、
ということとなり、これを下敷きに、数々の大名家が改易されることとなったのである。
- 363 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:06:55 ID:unjN6xXN
- そして、最初にこの改易の対象となったのは、
豊臣恩顧の大名家の一つ、広島藩福島家であった。
,,;;;;;" .! /j/;;;;";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
,,;;;;'" || .|.| l.!/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;//
,,;;;;;" | |.| .| .l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;/
,|ヽ;;;" ||.| | | |. .l;;;;;;; -、;;;;;;;;_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/‐‐-
,;; | `, | | | | | | _,. -‐ヲl:Y.,.、゙; !/ `i;;;;;;;;;;;;;/ヽ 福島家は改易だ!
,,;;;" l `、/ ! |j |j _,. -'"ヽ ll(,j' 'ヘ.!' ', '" /:;;;;;;;;;_/ヽ ヽ,.-" くらえギャリック砲ッ!
,;;;;" l | , -'"ヽ ヽ ヽ ll.`|,.i_,j!l!==;;,`y,.;;'''ヽヽ_,='"
;|` ,/ ,、/| | 〃_ヾ___ヽ__ヽ.__ ヾ ; _;'_`'='".;' ,:'"_==':丿
,;| .,/ | | /::::::::,ゝ::::::`y ヽi=;/_,/`´_/::::::::;丿
; \ \ | ! r:';;:::;: >::::::::,ノ_゙=-‐{´} .y' j':;_::::::::/
; \ ヽ, | | r"ヽ-'"k_'''"`y (.._,`k_,i~.{,.' ,,' `i;j"゙、
\j .| .| l`='フ"nl {.} /.7 ,-. { k.,.∠_:::::::j
.| .| ,'_,. " ..{.}」,{メ./,.'.丿 .k,__, 、= __ノ:::::ノ
.| | { ,..-;,.` .r'´ ./`-;<, `‐;ヽ;;-'ソ
. | | `‐-..,,___`-、 . `'':ヽ=Y
{j .'.' .`-" ! ./
, .' ..'.'.' .'.' ,' `''
;; .' .' .' ., 、
;;;; ,,; .' .,-、 ./ / ,;;;;;;
;;;;,, ,;;;" .\\ ./ ./ ,,;;;;;;;'
.`;;;;;;;;;" \\ / / ,;;;;;;;'
,;;;;" ヽ、` `,. ,,;;;;;;;'
. ,,;;;" ,;; / ヽ ,,;;;;;;;'
,;;;;" ,;;; / .∧ ヽ ,,;;;;;;;"
,;;;; ./ ./ | .i` 、 ..\ ,,,,;;;;;;;;"
,;;;;;;,,,,,,, ./ / | .| `,,、 \ ,,,,,,;;;;;;;;''"
,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ /;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;:\_\ ''
.,;;;;;;;;;" '''''''''''//゙''''''''''''''| |''''''''''''''''" \\
,,;;;;;;;;;'" | .| `'"
.. ,;;;;;;;;;;'" .| |
改易の理由は、武家諸法度にある
「諸国居城の修補といえども必ず之を言上すべし」という条例に叛いたため、となっている。
- 364 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:08:03 ID:unjN6xXN
- しかし、この修復については、福島家より既に届出は出されており、
また、正則より謝罪もあったため、一度は沙汰止みになったものの、
元々幕府が正式な許可を出してなかった事や、沙汰止みの条件であった
修繕部分の破却が不十分であるとして、結局、改易が断行される事となった。
__,,:::========:::,,__
...‐''゙ . ` ´ ´、 ゝ ''‐... 見るがいい!これが改易を食らった家の末路だ!
..‐´ ゙ `‐..
/ \
.................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´ ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
.......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ .' ヽ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
;;;;;;゙゙゙゙゙ / 福島家 ゙: ゙゙゙゙゙;;;;;;
゙゙゙゙゙;;;;;;;;............ ;゙ ゙; .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;............................. ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
ノi|lli; i . .;, 、 .,, ` ; 、 .; ´ ;,il||iγ
/゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li ' ; .` .; il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
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´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
総体として見た場合、坂崎家への処断と同じく、
「法令遵守の徹底」「幕府の権威の確立」「他の大名家への見せしめ」という
政治的な要素の大きい裁可であったと言える。
(一説には土井利勝・本多正純の政治闘争に巻き込まれたともいう)
- 365 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:08:17 ID:r8hqb9A4
- 土地そのものがなくなりそうな改易ですなw
- 370 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:14:42 ID:TfZyP5PW
- >>364
井伊直孝が「示しがつかん!一度尻尾を下げた犬にいつまでビビってやがるか!?」
って強行したって話もありますな。
- 366 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:09:24 ID:unjN6xXN
- 結果、元和五年(1619)、
福島家は、広島藩五十万石から信濃川中島・高井野藩四万五千石に改易される。
__,,,,.、、、 --──- .,_
/ `''ヽ、
/ ,.,.,.,.,._ \
/ { ,./ `ヽ、 ヽ
l / ヽ-- ''" ゙、 ゙、
ノ ./ i '´ ___,. -─‐-、 < l 大御所様が御健在なのであらば、申すべきこともあろうが、
( l _,,,,,,.___ l r',,. -o=,.‐‐-ゝ! i 当代様(秀忠)には申すこともなし。仰せに従おう…。
゙i レ .,-o==ヽ `ー‐''" r' i´⌒ヽ {
ヽi 、`ー''"l i ゙i } ゙i-, l .) この福島正則、元和の世で所領を失った…!
lヽ, / __ /| }' l /
{ |` 〈.,,___ ,.-<,._ ' `ニ7,._ノ / '-,
〈,l ,r'´ ゙ヽ、  ̄ `ヽ、___,.ノ
| L,,. -────--- .,ゝ ノ ゙、-、
゙、 --- / ,,. -'"-'゙i
ヽ、, _,,. -'"_,,. -'" /´ ゙i
ヽ、____ ,.-'"_,,. -'",.-'" `} `゙ヽ l- 、
゙、 ヽ,___,,. -'",. -'" 、___ノ ノ`ヽ!,.-'";;;;;;;;;`'''-
|゙'i | r‐'',.-''"-/ `''ー ' ,.-'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
福島正則
なお、この後、正則が死去した後の不手際を責められたことで、
改易後の所領も失い、福島家は三千石の旗本にまで落ちることとなる。
- 367 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:11:11 ID:unjN6xXN
- また、この後の話になるが、
田中忠政(筑後柳川32万石)、最上義俊(山形57万石)、蒲生忠郷(会津若松60万石)など
外様の大物大名も次々と改易されていった。
/ lv≡≡≡≡≡≡iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiヽ
/ |三,,..、≡≡≡≡iiiiiiiiii,+++|、iiiiiiiiiiiiiiii、ー´
`7,,.-.. l l´. `ヽ:::,-、≡;;iiiiiiiil.-- ヽiiiiiiiiiiiiiヽ. あ 大 ど ふ
´/ ..|l \,l:::l r、ヽ,;;|i,iiiii|.=- `|、iiiiiiiii山z. ろ 大 う は
/ | iミ ==' ト、 );;;|iiiiiii|≡i ヽ|ii|/\.. う .名 し .は
!!! み 止 動(-," ̄T”| |lヽ zj/;;;;;|iiiiii| | | v | ヽ .お と た .は
え ま き \|. | l _v_・l: L/= l.1ヽ> ム/;,l|l_ i ,, i. 前 も ! は
る っ が -` "ー, ,、 ヽ::;| A ヾヽヽ、 ll ,,.- /l 達 っ
ぞ て _{ | | ノ l lヽ | l 〔1 il | `”.川_.~/〉,l. が
ヽ\| | ーl | l/ム. |≡`、_, "ー--´l ー |/|::| !
__ヽ ニ ´" ``ー':::::| | "",.、~ ゞ.~ |,,.|::|
\ /⌒”ー,-、===| |:::|`"ーヽ、. ヾ゛=イ i/_/::/
\ |⌒ー-、| > | |:::`ー...,,,_ヽ `ー/:::::::::ム,
 ̄ | 〕/ ヽ ゞ::::::::::::::::::::: `"´::::::::::::/ )
´ ヽ 二二二二 ̄二二二/
そしてこの後、秀忠の治世下(元和二年~寛永九年)で数多くの大名家が改易された。
その総数は38家・438万9600石にも及んだという。
- 368 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:12:40 ID:unjN6xXN
- また、この処断は、外様大名だけに留まらなかった。
むしろ、将軍家の権威を確立するためには、
「将軍家に服従しない身内」こそが最大の障害とすら言えた。
/⌒ー 、
(⌒ へ \
 ̄ \ \
/  ̄\
/ ・・・・・`ヽ ノ・・
/ \
_/ \ / |
/ "" ""
| 0 ) ⌒ \_______ゝ / ̄ ̄ ̄ ̄
| | < ぱ ぁ ~
\ ヽ ___ \____
\ \ / /
/ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /\
松平忠輝
そのこともあって、元和二年(1616)、真っ先に処断されたのが秀忠の弟、忠輝であった。
そして、秀忠の治世において、もう一人、徳川家一門の大名が処断されている。
- 369 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:13:05 ID:unjN6xXN
- 一門の中でも、「制外の家」と呼ばれた秀忠の兄・秀康の子である松平忠直である。
,、 /l
|_,ヽ //ti|
|riヽヽ /,/゚ ゚,|
|tz,ヽ ヽ / ,/tァ,{!
|7 0ヽ ヽ / ./_ 。 |
| 「i ;ヽ ヽ , -─- 、/ /ゝ' l],|
l ニ 。 ヽ/ァ ヽー、ヽ/ ヘ ,r<!
lゝ' ri ヽヽ、_ノ! ,/_ ゝ' ゝ|
l7〔i o ヽヽ-‐' /ゝ' iユ ゚ |
〉゚ iァ ,_゚ 。\ / iク_0 lカ〈 私に相応しい待遇をよこせ!
ヽ゚丕 ti``。ー,Y ‐。'´,iコセ_/ 世が世なら、私こそが将軍なのだぞ!!
,. -弍 lヽー。、゚ |. , 。'7/ , ん‐、
__ _ _ _/ //´ ゝ! l;;;「 ̄ i  ̄,!;//'´\ 、ヽ、__ _ _ , -─ 、
/ ,r',r'/ //」 ' il| '''´ ヽ',;;l{E三ヨ},l;// `` l|l l) ヽヽ l二\ \
/ / l / il , i il| l \ , ‐‐l}/ / l|l liヽ ヽヽ ヽ
/ ./ ! l il /- ' ー─‐-ヽ、ヽ`T´/ _ム==''三> lil l∧ l| |
l / /~ il , -‐===== 、`ヽr'´,r', -‐''´ |l ノ Lニ_ 」 |
ヽニ二/ l //´ ``ヽ! // /' /
.〉、 , -‐'ヽ、! |' | /-‐ 、 /7
ヽ `ー‐,´-‐’ lノヽ、 _ 」_ | _, -'ゝ! ``ヽー‐''´ /|
/、!fj ,iti |ゝ'r、`ー- 、 -, ─'´__,ニ=-、, -‐''´ti r、 | r 、!ー'ri _ !
/ー'゚ ゚ l, |ti’ゝ' iァ 〉'´ ri´ / iク ,/ヽ l」 | ^iュ| r、V t|
松平忠直
元々、忠直は大坂の陣において殊勲第一の功を挙げたにも関わらず、
恩賞が低い事に不満を持ち、そのこともあってか、秀忠に反抗的な態度を取り続けた。
(正室である秀忠の三女・勝姫を殺害しようとしたり、参府を命ぜられたのに途中で引き上げるなど)
このことが影響し、「忠直が謀叛を起こすのではないか」などと
諸大名の間で噂が立ち始めたのである。
- 371 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:15:41 ID:unjN6xXN
- そのため、元和九年(1623)、隠居という形で、実質の改易が命ぜられた。
,,;;;;;'''' / / '", / /
,,;;;;;;'' /" / / /
,,;;;;;'' | _ ,, /
,,;;;;;;'' |/ .ヽ 、 // // 忠直!お前は隠居だ!!
,,;;;;;' |/、 '"ヾ, / /_
;;;;;;'' |/| l/─‐‐、=‐''"/''''''ヽ
;;;;;;; 冫ヽ, / /:ヽ=/:::::::::::::::ヽ
;;;;;;;; ゙ヽ、 /‐'":::/=,|:::::::::::::::::::
;;;;;;; /:::://::::::/'" | |:::、::/::::::::
;;;;;;; ,,-‐'"、/|ヽ,,-''" lヽ、ヽ:::::::::
;;;;;;; / :::::::::/  ̄|| ___/'"‐-,ニlヽ:::
;;;;;;;; | :::::::::::| llニ二二|" /ヽ/ ヽ
;;;;;;;; ,、 /|,、/"ヽ、::::::,,,-ヽ/ニ二二二| /、/ /
'';;;;;;, | l,,,| |/ |::::::::::::l''" | |ニ二,,-‐─ヽ-// /"
;;;;;;;, ヽ |l ゙‐--', ヽヽ‐'"-‐''''''''''''ヽ、〉 |
';;;;;;,, ,-‐'' ヽ、、,-‐'" l,/::::::::::::::::::::::::::| /‐-
';;;;;,,  ゙゙゙̄'''‐''" /::::::::::::::::::::::::::::::::| /_'"|
';;;;,,, /、::::::::::::::::/::::::::::::::l",-|_,/ /
';;,;;, /:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::ヽ‐' //
';;,,, /:::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::| '‐"
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';;;;, / :::::::::::::::::::::::::::/ |:::::::::::::::::::::/
';;;;;; /:::::::::::::::::::::::,,,-'" ヽ:::::::::::::::::/
;;;;; l::::::::::::::::::ヽ'" lヽ::::::::::::\
;;;' ヽ::::::::::::::::/ヽ |:::::::::::::::::::::|、
,;;' ゙、、_,/ lヽ |::::::::::::::::::::/ ゙、
,;;'' ヽ 、 ─''"/ / l、__/ |
,;;;'' / ニ‐"/ \ |-,
,;;;'' /ヽ、 / \___,,,ノノ |
,,;;;;;;;;;;;' /,,,-‐''" ヽ‐''" |
,,,''';;;;;;;;'' ヽ /
,,;;;;;;;'''',,, \ /
- 372 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:16:11 ID:2ehfmRXI
- やり方は理不尽なところもあるが、政治的には正しいというか、普通に有能なんだよな、秀忠。
このAAだと全くそう見えないがw
- 374 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:16:38 ID:unjN6xXN
- \゙''ヽ、 =/|ヽ、
三 ヽ'、 フ‐-''、▽∧
─_ )‐'' ,-‐|‐/ヽ、
─_ _,,,‐'''l二ノ/-ヽ'",,,/ |\ ─__
≡∠_ノ‐'"\// // /レlフ\ ∧
三 | ,‐''__/≡ ソ[_\ ̄ |\_ノ‐''
= ̄ -_ /ヽ/ 二\三二 }\ 」
_‐=ヽ、─- /_ノ'" _--\‐ レ' j ルi ヽ、
=-_=ノミ ゝ-/ヽ-、__ ─---- \__,,ノ、__} ノ な バ
三二= 〈=<lヘ ,-、 メ__゙ヽ、ヽ' l メ、二‐_,、 ソ ノ ・ ・
=二-ノ=/フ レミ≡/◎ ゙ヽ,ゝ、ノL ‐={'"゙ '''ヽ"/ ・ ・
くノ二=‐/|l ~)〈‐/_- ゝ '' \ ・ ・
─ ‐-=彡',-─-,‐->、;ヽノ‐メ二〉─-{ =''"ノ゙ヽ ・ バ
_ -_-- フ'"==/ /:::/ /,,"゙=、ゝヘ ゙il ≡三= ‐-、,| { ・ カ
二=‐_┌'≡ノ /|:::レ' / l_,,_ \゙tノ,-‐メ≡= レ .} l| ・
_ =、ニ彡l|::〈ヽ'レ'" ̄ Yr'.|/:::::::::\、≡=,<ノ / ・
─‐ ̄= _=ヾ,‐-┴-‐‐、 レ!./::::.:== |} ゙‐二 /‐ヽ
__ --=i \、_,ニニ、 ||l::::.:.:__ノレ二y L
_── ̄─=|三i ゙l:::| .|ゝ ヽ''「Y|l/"_ __ ̄ソ \
‐- 三|=゙l.|:::| .|フ ‐=[| |'::::::三二‐ ≠__ ==/ .,へ-、
_ __ ,i'ヘ=≡ヽl:::l ヽメ-=''l |三三=─ l. \ニ‐ // \ /
_--/__≡ヘ三\ヽ\,ニ=、ノノ三二─ |l ‐レ゙i ∨
≡ /≡三三_‐-_ヽ、 /ノ三≡= ノ ゝソ ヽ
 ̄三=≠三ソ二二==─゙"'‐" ヽ、三ニ≡ / -─ ‐ヘ ─ニ──
──三/≡/‐'''ヽ、ミ、三三三二‐ ヽ=__./ \ - ヽ .\三ニ ̄ ̄
 ̄_=_=‐' 三三二=゙ヽ、、三三二= / ̄三二≡ ゙i '' ," l"
結果、忠直自身は竹中重義預かりの身となり、捨封地五千石で豊後に配流され、
自身の松平家も越後高田二十万石に減封された。
慶安三年(1650)死去する。享年56歳。
- 375 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:18:58 ID:unjN6xXN
- そして、将軍家の権威を諸大名に対し確立するために行われたこれら処分とは別に、
もう一つの権威確立のために、秀忠はその刃を幕府内部にも向けた。
その矛先は…。
,, -‐''" ゙̄`ヽv'" ゙̄` ‐ 、_
∠´_.. -ニ_~
. /´ `ヽ、
/ \
l ∧ l、
. | /l / . |. ト、i、. ヽ、!
│ /| /.| / .|.| .l.,|_l.,ヘ l.
| __ /|/゙|/`|/、 v | /l l Wヽ|
| ./‐ヽ | ==== __ ,''===== |
.. | || ~)| | ` ‐-゚‐' ''' /:.‐゚-‐'´ | なん…だと…?
│ || 6|.| v `‐-; l もう一度、申してみよ…!
. | ヽゝレ / v .l
. /| /':\ ⊂ニニニ⊃ /
_/==| / ::\ __ /
''´ l====| / ::::\  ̄ /
::::::|====|/ ::::\ /_
::::::|====|\ :::::\/=l::::`..‐、
::::::|====| \ :::::::|===l:::::::::::::`..、
本多正純
かつての家康の側近にして、年寄の一人、
宇都宮十五万石藩主、本多上野介正純であった。
- 376 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:20:30 ID:unjN6xXN
- __」ヽ./|/レ1イィ-z_
,> <、
. ,> ,vヘ/V∨Vv'Vvヘィ, <、
. 7 、く、‐-、 , -‐,.ゝ, ゝ
. l ト!\.\.ij`ー-‐' /./ム.l はっ…。
| {___\_`j| |!´_/___} |
r'コ.|T::==。=;;ニ;;=。==::T|.lニヽ 『本多上野介正純。
!にl.! l:::::`ニ´:::j| |、::`ニ´::::ノ !|コ ! 御意に叛きしものとして、老職の役を解き、
ゞニ|:ij`,二フ´ | | `ニ二´ |ニン .宇都宮十五万石は没収とする』
/ ハ / ._ ‘‐∪‐’ _ ヽ ハ ヽ.
.-‐''7 | i {__二ニニ二__} / :| i`ー- …とのことです。
,' | l --- ./ | :!
. i. ト、 i_ ! ! ! ! ! ! / ,.| |
│ | \ 三三三三三 / | |
. | | \ 三三三 / | |
| | \ ./ | |
伊丹康勝
__ __
/ `´ -=` やられた・・・!
/ ヽ
l /ヽ ヾ` まともな理由なら、このタイミングで
| ノレナメ |j-レリ トl こんな処置はありえない・・・
│fr|.代。ラ 〈。ラレ
│ゞ|| u 7 / これは明らかに
. | /\ ⊂ニ⊃/ 俺の留守を狙った罠…!
-‐f´|/ \ /__
:::::|=| `i=|:::::::::::::: は め ら れ た ・ ・ ・ ・ ・ ・ !
:::::|=|ヽ /|=|::::::::::::::
元和八年(1622)10月、最上家への改易を伝える上使となっていた本多正純は、
その出向いた先の出羽山形にて、秀忠より「数々の罪状」を糾弾する上使が訪れた。
そしてその場で、正純は年寄の役を解かれ、
宇都宮十五万石は没収されることとなった。
- 377 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:21:50 ID:unjN6xXN
- ここで本多正純が処断された理由には複数の説があり、
その中には、秀忠の暗殺を狙って、宇都宮城に釣り天井を仕掛けた、などとした
「宇都宮釣り天井事件」という逸話もあるが、ここではその詳細は省く。
__|__
;___|∩|___;;
./::::::::::::::::::::::::::\;
;/ ┃ ┃::::::::::::::::::\
.│:::::::::┃ ┣┓╋:::::::::│;
;|:::::::::┻::::┗┛┗:::::::::│
.└────────┘; 『なんということでしょう。
.\____________/ 改築の結果、座敷は将軍家を入れた後、
|╋╋╋|| ||╋╋╋| すぐに重石をつけた天井が落とせるようになりました…!
|╋╋╋|| ||╋╋╋|
|╋╋╋|| ||╋╋╋| これはまさに匠の技──』
|╋╋╋|| ||╋╋╋|
|╋╋╋|| ||╋╋╋|
|i!ii!i!i ο|| ̄ ̄ ̄ ̄ . ||o i!i!i!i!i!|
|!i!i!i!i!i.i!i||______.||i!i!i!i!i!i!ii|
/≡≡≡≡//≡≡≡\≡≡≡\
/≡≡≡≡ //≡≡≡≡ \≡≡≡\
宇都宮釣り天井(イメージ図)
理由はどうあれ、ここで肝心なことは、
『家康の元側近にして、幕府における最高権力者の一人である本多正純ですら、
現将軍の意に沿わぬのであれば、処断される』
ということである。
- 378 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:23:22 ID:2ehfmRXI
- 巧の技www
- 381 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:26:36 ID:r8hqb9A4
- 住めねぇこれはw
- 379 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:25:35 ID:unjN6xXN
- この時、正純には改易先として出羽由利五万五千石が提示されたが、
正純がこれを辞退した為、秀忠の怒りを買い、捨扶持千石で出羽国横手へ流罪となった。
-:‐- 、, -─;z_
_. -─ゝ ′ `>
. ,> \
. ∠ -‐ , ヽ 父上の言葉は正しかった…!
∠-ァ ,.ィ ./ l ト、i_、 :l 大身の身になった故に、この様とは…!
/イ.,イ,ヘl/ v ヘ.「ヽ| \ |
l/ i=。=lニl =。==H r‐、 :| …しかし、出先で改易を命ぜられるとはな…。
ヽニニリ ヽニニノu|.|ニi.|│ 「因果は巡る」ということか…?
. l 「 v ||_,.リ :ト、
. l I三三三三! u lー' |:::\
. ヽ == , '/::\. |::::::::l`''ー-
_,.. -‐ゝ, , , , '/::::: >|:::::::::|::::::::::
,.イ:::::::::::::::::l:ヽイ、::::: / |::::::::::|:::::::::
/::|:::::::::::::::::|::::::: | \ / |:::::::::::|::::::::
そして、その後流罪は解かれる事もなく、
寛永十四年(1637)三月十日に死去した。享年73。
(なお、本多家自体は孫の正之によって寛文四年(1664)、三千石の旗本として再興した)
- 380 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:26:32 ID:unjN6xXN
- なお、この本多正純の改易について、
本多家のライバルであった大久保忠隣の縁者・大久保彦左衛門は
「三河物語」においてこのように書いている(若干超訳ですが)
_フ ヽ 因果応報…!
フ |゛ 因果応報……ッ!
´Z,. ,ィ ,.,.,., ,r'ナノ''v'"'7 /`ソ'-ァ_ |
<´ `<〃 〃 〃 u ./ ./ u `> N 忠隣改易の後、本多佐渡(正信)は病で無残に死に、
\ \ i | / /〃´`l 〉 .| その息子、正純も改易され、配流…!
/ \ \ U ./ /〃 .| / .r'⌒'i |
/ {´\\ |i .i| ./〃 l l .|⌒i l | 忠隣は、京に上使として出向いた最中に改易されたが、
. / l. \\|! .!レ'〃 .!l. l .|⌒| | l 今回の正純も、上使に出向いた時に、同じように改易…!
\ l \ / !!l. l |⌒l l l
\ ゝ __o/ ゞo _ ノ〃 l .|_ノ / l 世間では、大久保家を讒言した報いだと言ってるが…
. )ミ三| 三=彡´ _u_ リ__ノ ゝ その通り…!きっとその通り…!!
. / / .|j --、 -‐'´,r‐、` |\ \
. ( .|j / ) /ヽ,イ] .| \ \ フフフ…因果の報い……!
ヽ ./ == /ヽ/∧! | \ \ ざまあみろ!!
_ ) ( __,、 .U_..、ィ´`>´ ,、ヘ/ | \__ \
` ‐┬‐┬ ''T''''T´ | __.ゝ'´,、へ冫 ノ .| /|::::::" '' ‐ 、 .._ \
. └‐┼┬'=,='-〒‐r‐ヾ__ゝ'´u~ .| / l:::::::::::::::::::::|::|::::::::: ̄
f . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ~U .| /. ,'::::::::::::::::::::::|::|::::::::::::::
. l U J | / /::::::::::::::::::::::::|::|:::::::::::::
l , , i l | / /:::::::::::::::::::::::::::|::|:::::::::::::
_..、-l l l ! ' ' u | / ./:::::::::::::::::::::::::::::|::|:::::::::::::
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::::::::::::::::::::::::|::|:::::ヽ \ / /:::::::::::::::::::::::::::::::::::|::|::::::::::::
大久保彦左衛門忠教
元々対立関係にあった大久保家の者の言である事を除外しても、
徳川家累代の旗本たち(特に元武功派)からすれば、
権勢を誇っていた正純への処断は、概ねこのように思われていたと見てよいと思われる。
- 385 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:29:54 ID:2ehfmRXI
- まあ、彦左衛門さんはなーw
- 382 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:28:27 ID:nYFSE1Te
- 大久保と手法が似てる…漫画版で読んだことあるあるw 仇討ちだ~とか
- 383 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:28:36 ID:unjN6xXN
- そして逆に、累代の家臣ではない者達…
即ち、宗矩を含む新参の旗本達からすれば、これは慄然とする処断だったと言える。
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ○)(○) …あの本多様ですら…!
. | U (__人__)
| |r┬-| いや、本多様だけではない。
. | ι `ー'´} 御一門たる忠直様、忠輝様ですら…。
. ヽ u }
ヽ ノ …将軍家の権威に逆らう者に未来は…ない!
/ く \
| \ \
| |ヽ、二⌒)、
/ ̄ ̄\
/ u .\ 潰させぬぞ…我が柳生家は…。
|:::::: | 父上より受け継ぎしこの柳生家は、
. |::::::::::: u | なんとしても守り抜いてみせねば…!
|::::::::::::::. |
. |:::::::::::::: } この度の事を教訓とし、
. ヽ:::::::::::::: } きっと心がけておかねばならぬ…!
ヽ:::::::::: ノ .
/:::::::::::: く ,ふ´..
――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
この時の処断の数々は、
後の宗矩の行動にも大きな影響を与えたものと思われる。
- 384 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:29:34 ID:0j+xMKQA
- ムネノリン・・・
- 386 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:32:05 ID:unjN6xXN
- またこの他、秀忠が打った政策の中に、朝廷への接近があった。
|\ヽ、 __
| ヽ、 \ ─ /__.)─ 、
\ヽ \ / __ \ _
┘ / ̄ ヽ/ /───ヽ\ \ / ̄ \
\// //__2 6__ノヽ\ │ / / / ヽ、 |
|l | |l T O R I l | | |_ | | | |
\ _|、ニ______ノノ | ̄ \ ノノ / まーワシとしては
/ フ| /ニ--、 \/ アイスコーシーさえもらえればいいんですけどね。
>‐--ニニニニニ‐ ̄l | | / /、 | \
/ | | | || | | | |. | | | / | | | \
/ \ヽ、_ノノ_ヽ、 // | | | |ヽ// ヽ、
/ / |二/二\─''" / \─''/ / |
/ / /  ̄ \ | | / / / / |
| | |‐‐、ヽ |‐_/─/ / / |
| | |\ヽ | | /── / / | |
|__| l\ニノ \\ / / | |
/ | |_/ニ─l‐‐l---ニ / / | _─/、
/、 | | |二ニ凵ニ二ノ‐‐| ̄|二ニ-ヽ─┬─ヽ、--_/\
後水尾天皇
元和六年(1620)、秀忠は五女・和子を後水尾天皇の妃として入内させた。
後にこの和子が産んだ娘が明正天皇に即位したことによって、
秀忠は武家の身でありながら、天皇家の外祖父という立場に立つことになる。
(この一件、及び後水尾帝については伝奇力が強すぎるので、
とりあえず隆慶作品(吉原御免状とか花と火の帝)を読んで頂ければ重畳ー)
- 388 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:35:19 ID:unjN6xXN
- さて、更に話は内に入る。
即ち、徳川家内部の話である。
, '":.:.:.:`' 、
, '":.:.:/:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.' ,
/:.:.:./., '"`ヽ\:.:.:.:.::.:',
./:.-‐':.:.:.:' ,__,ノ:.:.:.`:.‐-.:.:l
l:.:.:__:.:._____:.:.__:.:|
_ -― ' "__::::::::::::__::::__::::::::::__:::::::` ' ―- _
(:::::::::::::::::::::::,- ―_-_、,l lミr-__‐‐''ヽ::::l:::::::::::::::::::::::) このスキン小僧の若様めが!
` '' ―--i. / <_◎.>} l;;<◎_ゝ l'ヽ--― '' " じっくりかわいがってやる!
l ! -‐"ノ !`ヾ‐-ミ i'"| 泣いたり笑ったりできなくしてやるぞ!!
! ! ,.{ ,,_ _,,!}ヽ .!)!
`l ./ ___;;____ ! |-'
! .i .<++++++フヽ ,'/
,, /iヽ ! ` ̄ ̄ ノ//ヽ――――- 、
, -ー:.:.:.:':."´:.:.:!:.:.:',. \  ̄ ̄ // !:.:.\ーー---:.:.-ヽ
,、'":.:.,:.ー-:.:.:':.":., -‐,⌒ヽ . , '、ー -ー ' .!:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l',
.! ヽ'":.:.:.:.:.:,, -‐'‐ 、 _ノヽ/:::::)` ̄>、 .|:.:.:.:.:.:.:.`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:ヽ
r\.`、:.:.:.:,ノ `ヾ'、:.:.:`、:/ .(::::\ !:.:.:.:.:., -┘:.:.:.:.:.:.:.:.:l/:.!
/ヽ ヽ.ヽ' `, '`ヽ、 /゙ ヽ:.:.ヽ .\:::::|:.:.:.:.:.:.ヽ.-‐―‐┐:,':.:.:',
/` 、.\ / .、/ / )l, __ ノ:.:.:.:.\ .`,:,:.:.:.:.:.:.:.:/二三二l:.:l:.:.:.:.!
./\ /:.:.:.:', `' 、/ /:.、:.:.:.:.:.:.:\ i:.:.:.:.:.:./i≡i≡i≡,'/:.:.:.:.:|
/\ /:.:./:l ' 、、___ノ-ー '":.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:\ ,':.:.:.:.:./:.:,:.:.:.:--ー.,':.:.:.:.:/
/\ /:./:.:.:.:!:::: ,'ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙` 、:._:.゙/:.:.:.:.:/:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:〉
/:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:',::::::::::::/:::: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:/:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.: イi:.:.:/
青山忠俊
元和二年(1616)5月、世子となった竹千代の傳役として
酒井忠利・内藤清次・青山忠俊の3名が付けられた。
(実質的には青山忠俊だけだったともいう)
- 389 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:37:21 ID:unjN6xXN
- また、九月には60数名の少年が小姓として任命された。
この中には、竹千代が幼少の頃から仕えていた者たちもいた。
, - ─- 、_
/ `丶
rー‐<::/ ン-―ー- 、 、 \
{(こ 〆.:::/ ____ \ ヽ..::::ヽ
__/'´/ 〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.j ::ヤ¬寸
/,イ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,イ
レ/,イ ::/ :{:ハ\{ ::、::ヽ ::::::}::_|_: :::::l >::|
{/::| :!{.::ィ'f坏ト\{ヽ ,><ム:!:::::::: Kヽ:ト、 アンタたち!
|::::ヽ::i:ヽi. r'_;メ ヽ´ イ圷ハ|::::::::::|\/ヽ> この小姓団こそが、
|i:::::::トl::ハ. , r';ン´j::::::::: l: V 「将軍(S)を大物(O)にする側近(S)の団」
|i::::::::!:::: ヘ {>ーァ /:!::::::::/::/ 略してSOS団なのよ!
lN:ヽ:ヽ::',:::ヽ、ヽ _,ノ ,.ィ::/::::::/ /
ヾ /}::}八::::ヽ>.-‐か/7::/∨ 若様のためにも、全力全開で頑張りなさい!
r<¨ リ\`ヽ、\__ { 〉/イ l )}
f⌒ \ \ヽ )' \ニニ∧ | |!彡ヘ
| \ ヽム ヽ‐' .| | }ヘ,__,イ
r-ヽ  ̄ )\ Vrj/ ̄ヽ ヽ
| \ // /)ミ ー-∨ / ̄ ヽ
| (>―‐'/ /勺ヽ¨ア / }
| \三三‐'ノ ^ヽ/ /-―一 '
お福
- 390 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:39:22 ID:unjN6xXN
- __ ,.-¬- 、._
/ '´, 、 、 `ヽ、
r´ / l ヽ \ 、ヽ
/ / /l. l、 \ ヽ ', lヽ
/, l. / /´ヽ lヽ ヽ. ! ヽ. ト ヽ、
'´| V '__ヽ. ト\、_',| ',| ははは、どうなるかわかりませんが、
| l. ,| | __ \゙、ヽ.__ヽl. ト.| 精一杯お勤めいたしますよ。
lハlヘ|´ ` ヽ´ ``〉,^! | !
l\l| | //ィ N
| ハ ヽ __ /ハ/ ` _
'′lハn\ `ニ´/! ! ,イ |
_,.-' /ヽ ` - ´ ,ハ\ | |ヽ
_, - ' / | ヽェ、 ' | ヽー、 _ | ト. ヽ
,.、-‐ ´ / | / 〉 | ヽ `⌒.l ヽ',ヽヽヽ
/ ヽ 〈 ,.-|ヽ/ ヽ-/ ヽ/|、 ,〉 | l_! ヽ ゙l
稲葉正勝
/// /:::::::::} r.rー.、\ヽ
/// // /::;/llハ:::|:ヾ:::::l ヾ|
/ // / / / /:/ ヾ :リ i i \
 ̄/// //:::::/、 /:/ | :l | i }
//// /:::::/__ ヽ // _ l:::::| | | / ククク、この我輩を他の愚物と同列とは…。
l// //:::::/T;;;;ラヾ// /二__|:::::| l // …面白い女だ。
| l//:::/ `=- / /エ;;;ノ_,|::::|ヽ /
l/ /:::/ /  ̄ |:::::|l / まあ、よかろう。
▽ |:::ハ / }:::// | これからが楽しみの時間だ…。
ノ:ハ|ヽ `- __, /////l |
▽リリ| \ 二" /リ:/|▽ ▽
/{ 〈| ヽ- "/:| ヽ▽
松平長四郎信綱
竹千代の乳母であるお福と、元夫・稲葉正成との間の息子であり、
竹千代の乳兄弟でもあった稲葉正勝や、
生まれた時から竹千代のお付として任じられ、後に「知恵伊豆」と称される松平信綱も
この中に含まれていた。
この小姓団が、後の家光の年寄衆・家臣団の下地となる。
- 393 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:42:11 ID:2ehfmRXI
- ちょww
知恵伊豆お前かwww
- 391 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:41:17 ID:unjN6xXN
- なお、弟である国千代(後の忠長)は、
元和二年(1616)、甲府藩二十三万八千石を拝領し、甲府城主となる。
(元和四年(1618)ともいうが詳細不明)
// / / / ノ / /./ / //// /彡 / ,
/ / / / / / // / / / // , / /, ///,
| || | | .| | | 彡 // / // " // //,-"//
| || |, | | | / / / / ,,--'' ,,,--'''彡 , / '' ̄彡 / ,,---''' ̄''''-
.ヽ || || |、ヽ / / ,,,,--''''''' ̄'''''ミミ二二-'''' ,,--'''-/___ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,-
丶ヾ\ヽ ∨,--/ ミミ=≡ 彡彡-'',=--'''''' /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
,,ゝミミヾ___,-'''' ミ ミ 二-彡彡、 /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| |
/,-, / /''|| ヾ、、 ,,--、 ノ ミ,,--、彡彡/ヘ ,-/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ 甲府城主、か。
ノ// | ||| .ヾ、 ''ヾ-,,/'' ,,,,,,,ヽ ミミ/ /ヾ、Υ//;ヽノ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ 西の丸ではないんだな…。
/ |、ヾ| |、ヾ、 / /''/-┼- ''' /,,ヽν//;;;;;//;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
|| ||\\|、 ヾ、 / /フ / ,,,- ヾ-v''/;;;;;;;;//;/;;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
| ヽ、 |.,-、 (ヾ,,/,/"// /-";;;;;;;;;|;;|;;ノ;;ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.ヽ ヽ、 ゞ-,'=。ヾ '''ヾゝ、__ //;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;|;;;;;;;;ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
\ \\ノ , 、  ̄ .//;;;;;;;;;;;;/;;;,-ヽ,;;;;;;;\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
)/,,--, ,- ヽ ∧;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;;;;ヽ、;;;;;;\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、;;;;;;;
.ヽ"" -'" ,,、 /;;;ミ==、;;;;;;|;;;;;;;;;\;;;;;;;;;;;;\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;
ヽ /-==ゝ )| .ヽ、;;;;;;;\;;;;;;人;\;;;;;;------
,-''"\、 / ∨';;;;;;;;;;ヽ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;7|;;;;;;;;;;;;;
,,--''/;;;;;;;;;;;;;;\、 ,,/-ヽ、 //;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、;;;;;;;;;\/;;ヾ;;;;;;|ト-、;;;;;
<、三-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''''''"";;;;;;| .ヽ__ヽ|/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ;;;;;;;;|;;/;;'ミミヾヾ
-、-、,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ ヾ, ヽ\--,,---っ-、--∨;;;;;;;;;//;;;;;;;;;;ヽミミ
|'' ̄--┐==、;;;;;;;;;ヾ、''''┴ヽ,j ノ;;;;;;/ ̄'''''''---=====、、;;;;;;;
|;;;;;;;;;;;;;;ゝ--彡;;;;;;;;;\\、________,/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\;;;;
.ヽ;;;;;;;;;;"-==--、;;;;;;;;;;\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ̄。
徳川国千代(後の忠長)
- 392 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:41:41 ID:unjN6xXN
- あと、秀忠の息子については、もうひとつの話がある。
|ヽ
,ヘノ:::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ
/| /::::::::::::::::::::::::::ゝ
/::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::〉/!
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://|
|::::::::::::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|\:::::::::/ `、::::::::/ ヽ:::::::::::::::|/
ヽ:::::::::/ !::::/ !:::::::::::/
\::::::::> V __<,,=-、/ Q:「妻が怖くて、隠して作った息子に会うことができません。
ヽ「`|■■■■■■|#l) どうすればいいのでしょうか?(江戸在住:T・Hさん)」
‐ゝ、!  ̄",└≡=ナ-┘
`∧ i=`==、 ∧´
―┬─┬―i⌒/ \ー='/ ヽ⌒i―┬─┬─┬―
! ! | | |. ハ`ー'´ハ | | | ! ! !
秀忠は側室も持たず、
基本的に子供は正室たるお江世との間にできた子ばかりであった。
(それでも三男五女をもうけているので十分多い)
しかし、ある時、一度だけ手をつけた侍女が懐妊し、男子を生んでしまったため、
会うこともせず、保科家に養子に出してしまった。
- 394 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:42:30 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄ ̄ ̄\
/ : : 'ヘ
_/ ' ∪ !、 A:「…えー、お答えします…。
iべヾ : u. ‥ ,ヘ ”後で奥に来なさい(江戸在住:Eさん)”だそうです…」
l ・〉! i 二.._,.二 i !〈・ l
-―――-,.-`i-' _ヘ二・x・二ノ´_ ーイ、-、-‐
| | | l( :.  ̄i==i ̄ ¨ )| | \
_| | l、\`ー-. !三三,! -‐' ノ ノ | |_
 ̄ ―\/ゝー`二二`´二二´ -‐' \/―
| \| /
| / ̄ ̄ ̄\ / ̄ ̄\ /
_\ | \/ | /
\ ̄ \ U | / |
_\ / U。 |/ | 地 .ほ こ ・
\ ̄ | lllllllllllllllllll lllllllllllllllllll | | 獄 ん れ ・
\ | ̄| | ̄ ̄\ / ̄/ | | だ と か ・
\___| 6| U \ ●|川| ●/ / < ・ う ら ・
_____\|  ̄ ̄ ⊃ ̄ / _____ | ・ の が
\| | | | | ̄| U _____ / ̄| | | | |/ \・
/\| | | | \ \┼┼┼// | | | |/|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ \| | | \  ̄ ̄ ̄/ | | |/ |
` ‐ 、._ l
会うことのなかった理由は、秀忠が恐妻家であったとか、
あるいは逆に愛妻家であったため、とも言われているが、
ともあれ、お江世の存命中、その子と会うことはなかった。
その子は長じた後、保科正之を名乗り、兄である家光を支えることになる。
- 395 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:44:05 ID:unjN6xXN
- さて、話は柳生家に戻る。
元和二年(1616)、七郎は宗矩に伴われ、お目見えの為、秀忠に拝謁することとなった、
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | よいか七郎、
. | (__人__) | くれぐれも上様の前で無礼な振る舞いをしてはならぬぞ。
| ` ⌒´ ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
____
/⌒ ⌒\
/( >) (<)\ わかってますお!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 任せてくださいお!
| /| | | | | |
\ (、`ー―'´, /
 ̄ ̄ ̄
/ ̄三\
/;;;; _ノ 三 \
|;;;;;;; ( ○)(○)
. |;;;;; (__人__) .(…もし、小便とかしたらその場でぶっ殺すだろ。
|;;; ` ⌒´ノ 柳生家の存続的に考えて…)
. |;;;; }
. ヽ;;; }
ヽ;;;l ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
- 397 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:47:56 ID:nzS4tKj1
- 10歳の子供に分かれっても無理な話かもしれんが、
柳生家の存続とかひとっかけらも考えてなさそうだ七郎w
- 396 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:47:21 ID:unjN6xXN
- そして…
/ ⌒`"⌒`ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄ ̄\ /⌒`"⌒ヽ、
/,//:: \ /,, / ̄ ̄ ̄\
;/⌒'":::.. |⌒ヽ /,//:: \
/ /、:::::... /ヽ_ \ ;/⌒'":::.. |⌒ヽ
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ ) / /、:::::... |ヽ_ \
━━━`ー──ゝィソノー‐ヾy_ノー─" _ __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
| / \ j冫`ヽ /
| | ヽ / | 卜 | /
|| /\ ヾー' | / / 宗矩、それに七郎と言ったな。
| |/´ ∨/ ´' -,,,_ 苦しゅうない、面を上げよ。
| ||\ _ム,,,,,,,,、__──'''''´
|、_| / ,, ヽ、
) ` ´ 〉 ヽ
/,, /| , /: ! ヽ、
`~'''‐'、 /;; ! \
 ̄
- 398 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:49:20 ID:unjN6xXN
- ____
+ ./ \ /\ キリッ
/ (●) (●)\ お目通り叶い、恐悦至極に存じますお!
/ ⌒ノ(、_, )ヽ⌒ \ 柳生又右衛門宗矩が嫡男、七郎でございますお!
| `-=ニ=- |
\ `ー'´ / +
' , \、 、| u ヽ l / / ヽ, / / /
``ヽ ヽヽ! , .ヽ i/ , ' .u !/ / /
、 ヽ\ ` l_/ /`ヽ、 ヽ/ / ,. ' ´ヽ l ,'/'´ /__
、 ヽ、 ,へ、/ ,ヘ``ヽ、ヽ. ` / /,. -‐,´ _!,-、 / /'´/ うむ、お前が宗矩の子か…。
ヽ\`` l l^ヽ,', ', oヽ`、} レ/o ,' 〉"^l//'´/
\、 l l r' ', ー―‐",`ー´`ー―‐' //_',/_,. -;ァ …なんというか……まあ…その、なんだ……。
,.ゝ-\ー、 ','""""" ノ_ ゛゛゛゛` /'_j / / うん、そうだ!父親に似た面構えだな!
``,ゝ-ゝ、_', __ /-/_/
´ ̄``ー,ヘ /=''"´
,'、 `ヽ、,:' -‐- ,/ '``>、
ノ`::ー-、_\__,/_,. ::'´:::::冫二ニ77ー-
,...-、‐ニ二{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニニニ〃::::::::
:::::::::ヽニ二ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/二二ニ〃:::::::::::
- 400 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:51:26 ID:dMW0Jf5h
- 言葉選んだw
- 399 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:51:21 ID:unjN6xXN
- _.. -= ' ´  ̄ ` - .,_
,r'",,;; ,;;;; ,,;;; ,;;;;;;;;;;,,ヽ、
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ
./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ,
,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i
i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l
!, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i (…お茶が怖くなる顔だねえ…)
ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll
i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i
i l :::. ..:::: ,/
l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_
i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ
,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ,
~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i
_,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l
- '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i
土井利勝
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| 白 ..|
| |
| 饅 ..|
| |
lヽ /ノ | 頭 .|
ヽ,ヽ, - ー‐-、/、ノ .| |
/ \  ̄ ̄ ̄| ̄| ̄ ̄ ̄
/ ヽ .| |
l _____ ____ lヽ ./^ヽ |
/, , ':::::::::::::', ,':::::::::::`ヽ ヽ, ':::::::::::::ヽ 「パホォ」
/ l l、ー- 、::::::l l:::::::, -ー ァ) , /:::::::::::::::::::::l
/ヽ l l:::` ー ゜ソ. ヽr'_゜- ´:ノ / /:::::::::::::::::::::::::l
/:::::::::ヽ ',ヽ、;;;;;;ノ ヽ-ー ' ノ l::::::::::::::::::::::::::::l
/:::::::::::::::::ヽ、`- ,,_l ___ __,, ', -':::::::::::::::::::::::::::::::l
. /:::::::::::::::::::::::::::`:二ニゝー- イ--- 、::::::::::::::::::::::::::::::::ノ
l::::::::::::::::::::::::::/ ` 、:::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::/ \:::::::::l
酒井忠世
- 401 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:53:39 ID:unjN6xXN
- ____
/ \
/ ─ ─ \ (今の言葉を選ぶような言い方は気になるお。
/ -=・=- -=・=- \ つーか、なんだお、あの白黒の熊は?
| (__人__) U | あれが年寄?年寄なのかお?)
\ ` ⌒´ /
| / \ j冫`ヽ /
| | ヽ / | 卜 | /
|| /\ ヾー' | / / …そういえば七郎よ。
| |/´ ∨/ ´' -,,,_ お前については、隻眼という噂を聞いたが、
| ||\ _ム,,,,,,,,、__──'''''´ どうということもないようだな。
|、_| / ,, ヽ、
) ` ´ 〉 ヽ
/,, /| , /: ! ヽ、
`~'''‐'、 /;; ! \
 ̄
- 402 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:55:40 ID:unjN6xXN
- ___ ━┓
/ ―\ ┏┛
/ノ (●)\ ・ なんですかおそれ?
. | (●) ⌒)\
. | (__ノ ̄ | 伊達の殿様じゃあるまいし
\ / 七郎の目はバッチリ両眼ですお。
\ _ノ どこでそんな話が出たんですかお?
/´ `\
| |
| |
|ヽ
,ヘノ:::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ
/| /::::::::::::::::::::::::::ゝ
/::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::〉/!
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://|
|::::::::::::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| …ふむ、ただの噂だったようだな。
|\:::::::::/ `、::::::::/ ヽ:::::::::::::::|/ まあ、気にするな。
ヽ:::::::::/ !::::/ !:::::::::::/
\::::::::> V __<,,=-、/ ともあれ、ご苦労であった。
ヽ「`|〒=。,_;' 。=〒|#l) 下がって良いぞ。
‐ゝ、!  ̄",└≡=ナ-┘
`∧ i=`==、 ∧´ 「「ははっ!」」
―┬─┬―i⌒/ \ー='/ ヽ⌒i―┬─
! ! | | |. ハ`ー'´ハ | | | !
こうして、七郎のお目見えは無事に終わった。
- 404 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 01:57:33 ID:r8hqb9A4
- ほほう、隻眼ではなかったのね
- 403 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:56:32 ID:unjN6xXN
- / - _......、
/ ,..、 ゙''、、 _メ゙‐''^''、,゙l........,、
/ /″./ \. `'y-''". ___, .l、 ヽ さて、柳生七郎こと、十兵衛には、
| ." .,lン-ー'ニ゙‐'┴=ご´ .| l.\ .ヽ その生涯において、大きく言って3つの謎があります。
l /.. ---ノ ゙"lと,. `''-、! ゙'r .ヽ 即ち、
/ ,lゞ.i ゙゙̄l.゙う¬'-.ヽ .,! | .ヽ
/ .i" .l_`',゙"ii、ヽ,,,,..ノ.,/ .! ゙!ミ< / . l 「隻眼について」
! ./ _____〈..../^"'ー'" .|,∠ニ;;、),! | ! 「廻国修行/隠密について」
/ ./ ̄ .` ゙̄''''ー ..,,, ! _.. 、、/゙/xi| ゙l 「死の原因について」
! !| -リ=x,,、リン´.,.iト.|. .lヽ ゙l
,! l│ ---、ヽ /.,, ゙く|″ // ,| .! .゙L ! この3つです。
l .ノ│ ` .| (,_,,!.,!リ .T _r゙./´\"'i .,! そして、この3つのうち、「柳生十兵衛」というキャラクターの
_.| | .. -k_ _ノ .l . / /_/\ l l゙ | ビジュアル部分の象徴とも言える「隻眼」について
/ .| .|, ._, ´ .レ".,//゛ _. }.l′ | 解説をします。
rシー''''゙! .ヽ l‐'゙`'> / // ,/゙.,..‐ .|,! /
l .;; .\ .ゝ'" ,,i',゙,゙ ̄''<_/´_.. / ./ まず、結論から書きますが、
| i!l. 、.!`-. .._,,..-''/゛ .\ l.-彡‐´.゙!、./
!l . l. li ! .`'ニ''''"´ i′ .l,メヽ、 ゙!、 『おそらく隻眼は創作。
,.. -リ―ヽ |,|| . / ,! ...イ |''ー、, `''ー..,、 .\ 十兵衛の目は普通に両眼であった』
./ ゛ .゙'ミ./ ./ ! ._/ / l ヽ,i′ ⌒'''''!ゝ
/ ,i′ / レ"_/゛ ./ .| ゙l, というのが妥当なところと思われます。
/ !/`'-┴-i、.ゞ" ,/ ! ゙l 以下、その根拠について述べていきます。
./ .,彡..,ン―ァ'" ! ._,..r'"´゙'''''"゙''ー'''''-..l.、 l
- 405 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 01:58:51 ID:unjN6xXN
- /:. :. :. :. :. :. :. :. | |、.:/:. :. /:. :. :. l:.,.へ:. \
/:. :. :. /:. :. :. :.. :. | | :.ヽ-く:. :. :. :/:. :. :.\:.ヽ まず、この十兵衛の隻眼に関してなのですが、
/:. :. :. /:. :. :. : : ./: | |:./:. :.∧:. :. /ム:. :. :. :. :.\ヽ. ,、, 論拠とされているのは基本的に逸話であり、
/:. :. :. /:. :. :. :. :.〃:. :. :.| |/:.:.:/ ̄ ̄ |:. :. :. :. :. :. ヾ ,、 ''",、'" そのパターンは大別すると、以下の2つになります。
/:. :. /:. :. :,、, :./ ./ . : .: | |:.:../ |:. :. :. :. :. :. :. },、 '' " ,、 '
./:.. 〃 :. :. :. :゙', ゙ ''' /:. :. :. : | |:./ . |:. :. :. :. :. : . :j , '" 【飛礫説】
j:. :/ l:. :. :. / ゙' ,,/:. :.: :.: :. | |ム‐-ミ、――ィ.:. :. :. :. :. :. :.! ,、' 宗矩が十兵衛の腕前を試す為に、
|: / |:. :. / /:. :. :. : . : .| Nj ::トj |:. ; :. ; :. :. :. l ,、 ''ヽ 闇にまぎれて礫を放ったところ、
j/ .|:. :/ /:. :. :. : .: /:.:| |ヽ- ' , :.; :. ; :. :. : /,、' \ これが十兵衛の右目を直撃し、隻眼となった。
ヽ:j /:. :. :. :. :./:.::..| | .; /: /:. /:. :. :./'゙ }
/:. :. :. :. :./:. :.:.:| 小、 -/:〃:./:./ :.:/ヽ メ | 【太刀先説】
,′:. :. :. 〃 :. :. :| | > _、r、/レ、,メ,イハ:/ } / } .ハ 宗矩との修行中、新陰流「燕飛」の稽古で
|:. :. :. :. /l:. :. :.:.:.| |彡 ´  ̄ ¨ ヽ. レ、 //7 ヽ三.l彡 ハ その第四番目の太刀「月影」の太刀先が
|:. :. :. ./ .|:. :. ::.:.:| | ト、 ¨ゝj、 _ ヾ ハ 十兵衛の右目を突いてしまった為、隻眼となった。
|ハ:. // !_ 斗―‐ | l l ゝ、 j |
r―――  ̄ /:::::::|二二| j |! 爻 \ ̄ | 前者は、「柳荒美談」という後世の実録本が論拠であり、
ヽ /::::::: |二二|彡‐、 ヽ. li! ゞ リ\\上 _.j 後者は、尾張柳生の末裔・柳生厳長氏の「正傳・新陰流」が
ヽ、 /::::::: |二二| / ヽ \ 爻.ノ j ヽゝ 論拠になっています。
 ̄/::::::::::: |二二|' / ', ヽ、 ノ } ハ
〈:::::::::: |二二|/l lヽ、 丶 / /ハ つまり、同世代の資料で、
マ::::::: |二/ | l 丶 __ ノ / 〃 l! 十兵衛が隻眼であると記述したものはないのですね。
マ:::::: / l l/ | | -く _ ハ (「正傳・新陰流」に至っては戦後の本ですし、
マ::: { ゝ ' l | j 厳長氏も「これは推測であるが」と但書をつけている)
マ:: l_ - | | / ヽ
- 407 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:00:48 ID:unjN6xXN
- , .-―‐- 、 _
ヘ ,. '´ > ',´ ',
,' `ン r ― - 、 _z_x'_ ', ';
, / ; ト-‐ 、>'´ ', `ーi ',
,' ,' ,! i.!,. '´ 。 γ⌒ヽ_ ゜ ',i ', そして、柳生家の藩史である「玉栄拾遺」や
i ,' ri i|'; ⊂( ◎ ,)⊃ ',! i 十兵衛自身の著作の数々、それに幕府の記録にも
,' i, . 'i | ! i ヽ__ノ 。 i ', 「十兵衛が隻眼である」ということを示す記述は一切なく、
i | ´〈 i! i.| o i, _⊥ノ ! ', また、当時の十兵衛の姿を描いたという姿絵では、
| i. ', |! i| , .-‐ ' ´¨, z、 f ', ! i 両眼の容貌が描かれているのですね。
.i , ', -‐_ヽ! i f ´弋i`゛ 仆i! ,' ', .', ヽ、
i ,' i ヽ ,.'|', , .', i!、_ノi! !、ノ .! ' ', ! v-'、 特に、十兵衛ほどの剣士であれば、
.', i .|/ ! i | ', ! ト ‐' 、 "".,' ! '|´ もし、自身が隻眼なのであれば、その伝書において
L.!, ' ,.-z!Vト ', ! |、"" ー ,. 'i ,' |i! 隻眼の場合、どのようにするべきかを記す事があっても
,.'_,.zxfノ!、-'!^ !| 'i ', >‐-, -, ri´! fノ !、 ノ!| おかしくないと思われます。
,´-' ! | ´ シ!´ 「 ', '! v、 !ヽ」!、' ノ '´ !| ,' (隻眼と両眼では、当然、間合いの取り方などが異なるため)
', i! | |`.ノ 、'_ ゛ ヽ、j ヽヽ、 "
レ' ゛ , ' - -、  ̄ ヽ、 Yi `t それらがないことを考えると、
/´ ` 、 ' , |i !, ',`i 十兵衛の隻眼は後世の創作であり、
/ 、 'V' ', ト' ヽ 実際の十兵衛は両眼であったと見る方が
./ ' ,.´ i」 , ' >、_ 妥当と思われます。
/ i ,.'´ i ' _/ i::!、_
,'、_ ', /i´ i:i i!‐v´ー、 尤も、伝奇ヒーローとしてのの十兵衛が
/i /i ̄¨∧`ー-v、┤ _,. ' / >,':::',.|、_ i! 隻眼であるが故に、特徴的なキャラクター性を得て、
./:::! ./:::::::! /::::::'、 /:::::',ト- '_ /_ <f !:::::ij `´y' 広く知名度を得たのもまた事実なのですけどね。
i::::::!,'::::::::::|/:::::::::::',/:::::::::i|i-zγ´ ヽ`i´ ̄ / (武蔵の二刀、小次郎の物干竿、新撰組の羽織と
 ̄`~~¨~>t'---┼-_._!| f `ヽ ', ', / 同じようなもんで砂)
, . ' / i | __,,/ | ; ', ! | ', / 隻眼説の初出は当然不明ですが、
,.'´ / , i 'ー-┤ ,' | レi|/ !´ おそらく講談話が元になっているものかと。
, '´ ,.! , .l ,' ! | j |ト' |i
, ' / |! , l ,' !⊥' i .|i ',| …というわけで、
/ / /,' / l ヽ´ ノ !| .j ', 『当スレにおいては、十兵衛は両眼なのでよろしゅうー』
/ , i!' ,' !, ' | i ヽ ´ ,ノ .ト、 ノ ', だそうです。よろしくお願いしますね。
:, ,:' / / i .,' Y´ i | i T |i .',
" ,:'" / ,' _」 i、 ! | | ; i i| ',
,:" / ,' iヽ┴---‐i!ゝ ! i .| ; ノ ',
,:'" / ,:' ヽ !、 ' / ヽ .ト / ',
./ ,' >ト-、_,.i´ `ヽ、ノ !/ ',
/ , / i | ',
- 406 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:00:06 ID:nYFSE1Te
- 谷口ジローが描いた漫画も両眼だったな~と
- 409 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:03:42 ID:nzS4tKj1
- まあ我らが徹も潰す目を巻ごとに間違えたりしてるし、問題ナッスィングですよw
あとたぶん、片目で奥行きを視覚で測れなかったら、新陰流は特にきつすぎるので、
その手当てを本人が書き残してないはずがないと思ふ。
- 408 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:02:27 ID:unjN6xXN
- そして時は過ぎ、今度は元和四年(1618)…。
||! |! |!l // /// /,/ /,//j ヽヽ ヽヽ ヽ ヽ
l|! |! |!l_ノ/ /// /ノ /ノ/ノ } ハ ',ハ ', ',
ヤrl!斗宀≪=彡ィrf七云三三ミ 、__,〟, _ _ j/ ル} }l} } !
,ィf 「/ ,' /rぅヽ<ル!レ¨Y] イ^fミY´^「` ヽ:r=!乏三辷えトル'}}! /} リ
; {{ ) } } !,j {{{ ` ー'゚一' " // ]:「´{r{^_勹 /〉ノ/ル'
| Ⅶノノ ノノ! ヾヽ、_____.ノ/ l:| ` ー‐' ///うヽミ=- 私が陰陽頭に…ですか?
ヽ._、、メ≧─く巛| `'ー―― '´ , , ヾ:、___ノ,イ}}〉〕} }}^ヽ
/'/ '//'//⌒ヽ Y! `‐" `ー一i ト、トミ.__刀
; {{)) }ルト、 =¬ /| |/r/,.r‐く
ヤ 爪廴ノムリ ゙ヽ ー- /[|| |レ'/}Y:ハハ
ヽ.廴_从丈___彡" ::\ ,イ[||||弋{ノ}川リ;
__ / ::::::ヽ ,.イ㏍㏍ト廴廴.z彡'
/: : : : : ヽ`≧=/ニニニニニIニニ \ ,r个ー一七弍辷≦_
:\ : : : : :`ー‐ァ' | | ` ー ´ニニニニf´:/: : : : : :`ヽ
幸徳井友景
/ ― 、/ ̄1
. / / ̄\_/| |
/ 厶、 |/ ̄ ̄ ヽ ー- 、
. / / >' \
/ / / / \
. / /「ヾ / ィヘ \ ヽ __
‐一 / | \ j ル'__ヽ 、 )/l| そうだ。
―一' 、 ! \∨ ノ ノ /_ヱ{ ぅ≡c}>=}ハy r j ! やり慣れない造暦で予報を外し、世間を混乱させ、
\∨{ ハ,〉匕√レ \竺/ )ノ レ/7/ √乙こ>、_ 私は疲れた…。
 ̄ \ ト { ∨「 _ _ _ } Y/ / `テ=' ¬
\ | ヽ`ー1j 川‐ tァ┐-r tテ┐ソノ/ / __/ / 元々、造暦はお前に任せていたのだ。
_ レハTァrヘ `ー‐' | ー‐'∠-,/ / (( ) / この際、私は辞任し、お前に後を任せようと思う。
\  ̄ ヽ \! | ! ┘ 厂´/ / √ /
\ \トい \ ∠.二) / / / / , fヘ
\ ヽー― ヘヽ\__ >、 /ーァ' / // { f允
 ̄\\ \ } >ー 二ィ7二_< / // ヾ久ヘ
\\ \ ヽ 寸万</ /ー '_/ \弌、
土御門泰重
- 412 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:08:58 ID:DEcU98hf
- ザムザ・・・
- 411 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:05:25 ID:unjN6xXN
- _,. -―- 、
「 ̄X x X\ ♪
|X ,. X x \
| ∠r┬≦≧ミ、i ヽ
| X f /7ト、 _rト小 X } ))
| ノ//l| | ||x / う~ん…わかりました!
| x ∨  ̄`Y^Y ̄`Y / せっかくですから、お引き受けいたしましょう!
\ {ハ _ ノ 、 __ ノx./ ノノ お任せください!!
/ ̄ヽ」 、__,. /< ♪
_ >‐//Y\ | |_, イX_」
/ i | | i ∨ / .| |  ̄ \ (…ううむ…大丈夫かこやつで…)
r┤ | | | ` ̄ ̄´ l | ヽ
」 l |. | | | | /
. / l | ⊥L _____|_| / i
/ __ .| / Q___ Q | i __|
/ / >‐ ´ ̄ \┐ l l / ̄ \
. / / / 、\ _) |ハ{ _ /
ヽ .| { ‐、 \ \ ) | 〉´ ┐ヽ_/
. | ヽ-ァ‐ ´ ` ー`´o 。 ,ノ-<// /
`ー‐ ´〈 (_) 。 / / ´/ i /
} O ゝ'二´ |'
{ ____ _ __//ヽ二´ /
. _ r<二_____//_>)ー'
| }`┬――-----------―┬'- _)
 ̄`Y T ´ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
、_ _」 ヽ
` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ - '
それまでの陰陽頭であった安倍氏宗家の当主、土御門泰重が
度々の不手際による失意から辞意を表明、その後継として友景が陰陽頭となることになった。
- 413 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:11:27 ID:unjN6xXN
- (ヽ三/) ))
( i)))
/ ̄ ̄\ \
/ _ノ \ )
| ( >)(<)
. | ///(__人__) 柳生に連なる血筋から陰陽頭が出るとは…!
| ` ⌒´ノ 大出世だろ、家系的に考えて…!
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
⊂ヽ γ く
i !l ノ ノ |
⊂cノ´| |
この後、幸徳井家は友種・友傳と、三代に渡り陰陽頭を輩出する。
(なお、友景は陰陽博士として、江戸の市街作成についても参与したともいうが、詳細不明)
- 414 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:14:13 ID:unjN6xXN
- しかし、禍福はあざなえる縄の如し、という言葉の通り、
柳生家にも慶事ばかりが続いたわけではなかった。
元和四年(1618)、九月二十四日…。
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ 母上!母上!
/ o゚((●)) ((●))゚o \ しっかりなさってくださいお!!
| (__人__)' |
\ `⌒´ /
,, ,、-ー'⌒゙ 'ー、
/彡シ三ミヽ)))ヽ、
,、/从///ミ从从从ノ''ー、
ィ(彡''"//;;;;;;;;;;;;、- ll||-、;;彡)
ミ;rー"//;イ彡' u ,,,从l__';;;ミ=)
、、シ::;;/|;;;|从,、-'" ,,>≧' 、;;;ラ 七郎…母がいなくなっても…
ヽ彡从ii从ミゝ=ァ:: {ィ均; ''i;;;( 毎日稽古に励むのですよ…。
イヲ从;;;リリ'ィr均'ノ: ゙''´u lリ'
,ツ==;;;;イ::::|||i ,;;ッ |゙ お前は、柳生家の嫡男なのですから…!
"{;;;ャi々{::::: u. ,;.、 l,, ,,
`'、' 、',,,'、、:: ' ''´ ,';;;;r(''ー、 「母上!!」
'、;|、;;;;;ヽ'::、、 , ,, ,,,,/r '`j ノ ヽヽ''ー
`'ー、tヽ;;ヽ::::::::::;;;;/// ::;;;イ
/ノ::::::::ヽ::::;;/ l /"::::::::::;;;/::::''"
l i イ::::::::::::::::ヽ//ノ/ :::::::::;;;/::''"
おりん(宗矩の正室)
- 415 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:16:49 ID:unjN6xXN
- __
/ \
/ \, 、/ \
| (>) (<) | おりん…わしは…。
| (__人__) ..| わしは…!
l `⌒´ u |
.l .|
{ ./
.ヽ ノ
/ `ヽ.
,,,、-'''"""'';;z''"::''":::::;;`''ー、
/ ーz''":::::::ニミミソ''":::::;;;;、、、、、::::::;;`'' 、
、(`'''''"::::::::::::::::::::}}/::::::"::::::::"'''ー、;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ
,>ァ:::::::::::;;;:::::::::::::Y::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;ヽ;;;;;;ヽ;;;;;',
,r彡"::::::;r''":::::::::::;;;(:::::;;;;:::::::::::::::::::::;;ヽ;;;;ヽ;;;;;;ヽ;;'、
/::"::ノ:::ii":::::::::::::::;;r-、r'''''' 、ヽ、:::::::::::;;;;;ヽ从ヽ;;;;;ヽ|
(イ//:::::彡::::::::|:::t(_____))::|:;;;:::::;;;;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ;;;;;ヽ
〉:::/::::::/:::::::|:::i::}::|l ,,,,,o ,,,,,, ノ|イ|;;;::::;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;ヽ;;;;', あなた…そのような顔をなさらないでください…。
(:::イ::::::::::::::::j::|リリノ――――tイii|l::|;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;y 柳生家には、七郎も、左門も、又十郎もいるのです…。
ヽ||::i::::::::;;ノノ'__u u、 ``'ー、;;从;;;;;ヽ;;;;;;;ヽ;;;;;;', 私がいなくとも大丈夫…。
、,ノノ{::"'〈 '" ミヽ `~~~~~~`'':ヽ::~''ー、ヽ;;;;;;ヽ;;;}
ー ''''t::::;;', ー'''""'ン ヽ:'==ミ、;;;::::',t::;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;リリ 特に、七郎は剣の腕もあなた譲りの子…。
ヽ::::l u. ::/ ||||i'':::::::};;リ~'iー、;;;;ヽ;/ きっと、柳生家を背負う子になれます…。
、,,,ノ1:l 、 u . :::::::リ/)"リ;;;;;~';;/
')', ''マ u ::::::::/ /;;;;;;/" 今まで…ありがとうございました…………。
-ー '、 、ー- 、,, :::::::: 'リ~;;;;;;;;;;|;;|
ヽ, `'_''''" :::::/ |イ;;;;;;;;;;;ヽミ
ヽ ,,、 '"ノ: i〉人从从;i
,仝ー- ≦--―― ''' "~'''ー、i||}カ
- 416 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:19:19 ID:r8hqb9A4
- リンも退場か…
- 417 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:19:34 ID:nzS4tKj1
- 義仙は母親違うのか。
- 418 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:20:23 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
/ \i||i/
| 。( ○)(○)。
. | 。゚~(__人__)~゚ おりんっ!?
| `|::::::|ノ しっかりせい…!!
. | l;;;;;;l}
. ヽ `ー'} ……おりんッッ!!
ヽ ノ
/ く
_____
/ ノ' ^ヽ_\
. ゚ / 。;'⌒) (⌒ヽ\° 母上!ははうえー!!
. / o'゚~(___人___)~o°\゜ いやだお!いやだお!!
. | ゚ |/⌒ヽ| ゚ |
\ ` ⌒ ´ /
宗矩の正室、おりん死す。
死因は不明だが、おそらく又十郎(後の宗冬)産後の肥立ちが悪かったのではないかと言われている。
享年は不明だが、仮に慶長三年頃に十代半ばで嫁いだとすれば、
三十代前半の若さで亡くなったということになる。
宗矩との夫婦仲がどうであったかは不明だが、
宗矩が後室を迎えなかったことなどを考えると、それなりに良好であったと思われる。
(お藤については、身分などを考えると妾と見る方が妥当なため)
- 419 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:23:09 ID:unjN6xXN
- …そして時は過ぎ、元和五年(1619)、五月。
\ /
X
/ ∩
/ ( ⊂) ____
| |. /⌒ ⌒\
トニィ' /( ●) (● ) \ 今日から初出仕だお!
| / :::⌒(__人__)⌒::::: \ 西の丸は初めてだから楽しみだお!
\ | |r┬-| |
\\_ `ー'´ _/
ン ゝ ''''''/>ー、_
/ イ( / / \
/ | Y | / 入 \
( | :、 | / / ヽ、 l
j | : | / ィ | |
くV ヽヘ_ ヽ \ 仁 」
ー 〕 \ 〉(⌒ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) あまり調子に乗るな。
. | (__人__) 初日なんだ、ピシッとせい。
| ` ⌒´ノ
. | } ミ ピコッ
. ヽ } ミ /\ ,☆____
ヽ ノ \ \ / \
/ く \. /\/ ─ ─ \
| `ー一⌒) / (●) (●) \ わかりましたお。
| i´ ̄ ̄ ̄ \ | (__人__) |
\_ ` ⌒´ /
/ \
七郎は、宗矩に伴われ、竹千代の小姓として城へ上がる事となった。
時に七郎、13歳…。
- 420 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:25:07 ID:unjN6xXN
- ____
/ \
/ ─ ─\ そういえば父上、竹千代様ってどんな方なんですかお?
/ (●) (●) \ 七郎はまだお顔も見たことがないんですお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | ああ、そういえばお前は
. | (__人__) | まだお目見えしたこと無かったんだっけな…。
| ` ⌒´ ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
- 421 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:26:55 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
/ \
|:::::: |
. |::::::::::: | …まあ、なんというか…大物だな。
|:::::::::::::: | うん。大物だ。
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
|:::::::::::::::: \
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
____
/ \
/ ─ ─ \ (…その微妙な口ごもりが気になるお)
/ -=・=- -=・=- \
| (__人__) U | 「アンタ達、やっと来たわね!」
\ ` ⌒´ /
- 422 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:28:51 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (⌒)(⌒) |
. | (__人__) | これはお福様。
| ` ⌒´ ノ お待たせ致しました。
. | } 宗矩、七郎を連れて参じましてございます。
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
/' /::::::::::::::::/:/ |::::::::!:::::::::!ヽ::::::::::::::ヽ、::::::::| |::::::::::|\:::::!:::::::::|、`
ゝ |::::::::::::::://~‐--、_ v::::::| |::::::::! \:::::::::::::! !::::::|~~|::::::/ ̄ヽ:::|::::::::|\、/
/~/ ´|::::::::::::::!/ ~Y、::!、.!:::::::! \:::::::! !::::/ |:::/ |::::|::::::::::|、 ヽ
::::ゝ、_.|:::::::::::::| /´~ ̄`ヽ、! \::ヽ \:| !/ ̄~|/ヽ |::!:::::::::|ヽ/´ヽヽ
/ /、|::::::::::::| イ、 /〇。:::::::1\ \ヽ イO。::::::::::! \ .|イ:::::::::|〃ヽ もう、待ちくたびれたわよ!
/:/ ∧::::::::::| \ !:::::::::::::::! |::::::::::::::::/ |/ | |:::::::::| ヽ ヽ っていうか、これがアンタの息子ね!
./:::/ /::|\::::::| ヽ:::::'! ::::::::::´ ! |:::::::::|、 ! ! 似てるわね!やっぱり親子だわ!
::::/ /::::||!::::\::| ヽ~ ̄´ , ~ ̄~` /!:::::::/ }
::/ !:::::ヽ|:::::::::\ ,--――――--、 /!:::::::// 白饅頭そっくり!
ヽ !:::::::::::::!:::::从、 |/´:::::::::::::::::`\| /-/::::/
::::ヽ!::::::::::::::::!、:::::::ヽ | | ノ/::::::/
. |::::!:::::ヽ:::::::::\::::::::\ ヽ / / /::::/
|:::ヽ::::::ヽ::::::::::\::::::::::\ \ / ////::/
|::::\::::::\:::::::::::\::::::::::"''‐ 、_ -'"
ノ L____
⌒ \ / \
/ (○) (○)\ こ、この紅顔の美少年に向かって白饅頭とは何事だお!
/ (__人__) \ つーかお前誰だお!?
| |::::::| |
\ l;;;;;;l /l!| !
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
- 423 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:29:35 ID:MMatAqFG
- 寝言は寝ていえよ白饅頭wwwww
- 424 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:31:24 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) |
. | (__人__) |
| ` ⌒´ ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
,,_,i y,ソト,,__
,/r-'"j / / ii, `
,,/'/__.L、 /ヾ、"i `ヽ
( ゙》____ ) ゝ
ゝ / \( ヽ、, 三 ニ =―
一二三 /) ─ ―__ノ `ヽ 三 ニ =―
―= (])(○) ( (コ__〉__> ヽ 二=―
―= (]) (__人__)(コ__〉__> 〉 ニ =―
―= (]) ` ⌒´ (コ__〉__> ,.' 三 ニ =―
一二三 \ `――'―--'" 三 ニ =―
 ̄ゞ ヽ ̄ ̄
゚ * 。;ソ、 ゚ * 。
イ从ゝ ,,r――,,,,,;;;;;;;; -っ
/ 乂,,,,,;;;;;;;; """"ヽ ミ
〃 ,,,,,;;;;;;;; `'彡
- 425 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:31:41 ID:MMatAqFG
- ムネノリン容赦ねえwwww
- 427 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:33:28 ID:0j+xMKQA
- 七朗ぉぉぉぉぉぉぉ!
- 426 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:33:18 ID:unjN6xXN
- ___
/ \ ___
/ノし u; \ ;/(>)^ ヽ\; ひ、ひどいですお父上…!
| ⌒ ) ;/ (_ (<) \; 流石に今のは危なかったですお…!
| 、 );/ /rェヾ__)⌒::: ヾ; つか、コイツ誰ですかお…?
| ^ | i `⌒´-'´ u; ノ;;
| | \ヽ 、 , /; 七郎ッ!!
| ;j |/ \-^^n ∠ ヾ、 このお方は竹千代様の乳母、お福殿じゃ!
\ / ! 、 / ̄~ノ __/ i; 無礼な口は許さぬぞ!!
/ ⌒ヽ ヽ二) /(⌒ ノ
/ r、 \ / ./  ̄ ̄ ̄/
/ ̄ ̄\
/ \
| | とりあえず、もう一発ッ!!
. | | ___
| | / \
. | } 、,:' /,';;;}: ; , \ ヘブッ!?
. ヽ }` : ;ヽ ,.、_ノ ,; ' ‐ \
ヽニニニニノ ,`冫<____〉イ'; 、 |
/;:::::::::::::::::::: ̄`ー- ,/::::| // (⌒)
/::/:::::::::::::::::::::/‐-//_::::::ノ // /i ヽ
::::イ::::::::::::::::::::::/ //  ̄ / ヽ___i
- 429 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:34:30 ID:2ehfmRXI
- 何だかこの、普通の親子喧嘩にすごく和むんだ……
- 430 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:36:32 ID:KYTJxGLe
- >>429
首が取れるほどねじるののドコが普通なんだ…
- 428 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:34:16 ID:unjN6xXN
- /⌒`"⌒ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄\
/,//:: \ …失礼致しましたお福様。
;/⌒'":::.. |⌒ヽ 何卒お許しを…!!
/ /、:::::... |ヽ_ \
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
_,. - ―― - . .、
/´..... : : :___ : :\
/::.::.::.::./ ´ ___ `ヽ: :ヽ
/::.::.:/::./ イ´: :: : : : : : `ヽ|:ヽ: !
/::.::ィ/、:_!: :/:./: |::_::_-‐_ヘノ:l:l
!::./ ,ト..十:T:ハ: |: : : l::..:.. l: : :|: :ト〉 …まあ、いいけどね。
|::`メ|::.::.|:..,|:| l lヽ: : ト、:: |: :|:レ| (さっき…首取れてなかった?)
|::.:/| |::.:..|:廾ト、 ヽ \:| ,.斗l-:l:.,1:!
l.::.L|{1::.:.l:.ト十::テ ー ' イォ:卞l/イ |:| それより、もう竹千代様はお待ちよ。
|:.|:l:Lト!:.:.ト{  ̄ ,  ̄`|:.|:Lj:l 付いてきなさい!
!:|:l::.::.:l::..ト、 , -、 イ::l:..:イ:!
lム|:.|::.:ト:..l |\ ´ ̄` /7:/、/ノ′ 「はっ」
/|: 「lト::.:|.ヽ:! ` ーァ ´}: : j/ : |「ト.
ハl: l:::l ヽ!: : :ト_- ― <|: :/: : : !!| l
i ヽ:.l:::l : : : : l _, ----l: : : : : :l:|| |
| ト:ヾヽ : : : l_ノ  ̄ `| : : : : :l:l:l !
! { ヽヾヽ : : l l : : : : /'/ {
- 431 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:38:15 ID:unjN6xXN
- そして…
____
/― ― \
/(●) (●) \ お約束通りの全裸待機ですお。
/ (__人__) \ これでインパクト抜群ですお。
| ` ⌒´ |
\ / …父上のツッコミがないのがなんか怖いお。
/ \
| ・ ・ )
. | | / /
| | / / |
| | / / |
(YYYヾ Y (YYYヽ |
(___ノ-'-('___)_ノ
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: |
. |::::::::::: | (…まあ、ある意味、竹千代様相手なら
|:::::::::::::: | オッケーかもしれないだろ、趣味的に考えて…)
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)
- 433 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:39:58 ID:m1aSCY/9
- ムネノリンが突っ込まないだと・・・?
- 434 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:40:55 ID:unjN6xXN
- || |
. n | バン!!
fヽ | l _ |
__\`┘ V´/. |
`ー-、 て {
fニニ -、 -‐イ)ヽ. , ‐--‐ 、
`rf彡く.: .\ /::/===ヽ\
、 :|l \: : : : \ 夊l::/ト、ヘ\ルヘ心
:.\ || \ : : : : . \ </l:fセユ` ´ヒユハ\> 宗矩!七郎!
\ || \ : : : : \ |::::::|:l r==ォ |:l):::| 竹千代様の御成りよ!!
\ || ミ |: \: : : : . X_j_;ヘ:ゝ.`__´ィ´リ'::/!
\|| |. \.: : : : . \\\ート{_:;//:ノ ,r'^/〈 「「ははっ!!」」
| \: : : : . : \\ヾ>レぐ >=、Y
| \: : :ヽ: : :\\ヘ _jヽ, / ヽ
| \: : : : ..: :\ヽ: H:7‐< : : :/
| ヽj: : : : : : :ゝ V/: :| : ヽ: :/
| |: : : __に{}こ}:k;__;/
| ゙ヾtf´-┴ /ムヽィ'
| r'´ , / l Xヽ
| / / 〈_/ :Ll
| / / l
| / ∧ :... .::ヘ
| / /::::::', ..:::. \
| ヽ⌒7ヽ __ /::::: :::l__ -┬=≦>
| ヽ/ { :::: :/ |::::::Vl
- 435 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:43:05 ID:unjN6xXN
- _,,.、、、、、.,,_
/.:::::::::::::::::::..`ヽ、
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
| ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j
|::::::::::::::::::::::( |.! ;{ 宗矩、それに、七郎と言ったな。
.|::::::::::::::::::rリ`l,〉 j}゙ 顔を上げていいぞ。
}:::::::::::::::ノ゙ l /.
,xァ''ー'゙'` '、 /
/ ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
''^ーァ 、_____  ̄ /
`>'、, '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
/ / ヽ
,' , / ゙、
l / __ !
l, l く,_ 、 |
/ ⌒`"⌒`ヽ、 ははっ
/,, / ̄ ̄ ̄ ̄\ /⌒`"⌒ヽ、
/,//:: \ /,, / ̄ ̄ ̄\ ははっ!
;/⌒'":::.. |⌒ヽ /,//:: \
/ /、:::::... /ヽ_ \ ;/⌒'":::.. |⌒ヽ
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ ) / /、:::::... |ヽ_ \
━━━`ー──ゝィソノー‐ヾy_ノー─" _ __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
- 436 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:43:32 ID:unjN6xXN
- _ -───- _
, '´ `ヽ
/ \
/ ヽ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ
' 「 ´ {ハi′ } l
| | | |
| ! | |
| │ 〈 !
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ 俺が竹千代だ。
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! 今日はよく来てくれたじゃないの。
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ'
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / |
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐- 、,_
徳川竹千代(後の家光)
____
/⌒三 ⌒\
/( ○)三(○)\ (………………)
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
なお、元和五年(1619)当時、竹千代は16歳。
13歳の七郎とは3歳差であった。
- 438 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:44:57 ID:nYFSE1Te
- じゃないのw 口調wwww
- 439 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:45:53 ID:P3Wqy3xb
- やはり、暴れん棒将軍、あなたでしたか…!
- 437 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:44:40 ID:m1aSCY/9
- \(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
- 440 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:45:55 ID:JhIvXnua
- 貞操的な意味でオワタなw
- 441 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:46:56 ID:unjN6xXN
- ___
,ノ' ´ ` ''ヾ、
/ ヽ
}f^'^^了t^'^'`'ー1 l
|L_ ! ___ { ,..、|
}f'tr'i ''^'tォー` }j/i',| おっ、七郎。全裸なのは
l.| ´ |  ̄ vijソ.! 俺と裸の付き合いがしたいってことか?
丶 └、 Fイ l′ 話がわかるじゃないの。
/ ', ‐--‐ ,イ ケ|
, ,/. ヽ `''"´,/ ! ^|ー、
/ / _,,」、'....ィ' '|. \、_
. /./ ,. ‐'''"´ ! / , _」__ヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ ノi ノ (、_ ``ヾ!
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl (B / ヽ、
| !,、 ! / ∠_
,イ ヾ' ィ 、 . / ,,ィ'´
゙、 :::/::::::|::::::
`ヽ、 ゙、 ./ .| ,-、、
/ ̄ ̄\
/ ー ‐\
| ( ●) ( ●)___
| (__人__)´ ー ー\ ワーオ父上
| `i i´ノ( ●) ( ●) 全裸を放置してたのはこういうことだったんですね。
| . `⌒ } (__人__) ヽ とりあえず七郎は海より深く反省しましたので
ヽ .} `i i´ | 何卒お助けくださいお。
ヽ ノ、_ `⌒_/
/⌒ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ⌒ `i 「自業自得だろ、常識的に考えて…」
/ r―――――――‐‐'
l ( ̄レワ / |
| \ \/ / |
| | \_/ |
- 442 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:48:58 ID:SscdXd8C
- アッーーーーー!
- 443 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:49:01 ID:CoKdi/Fd
- さっそくかよw
- 444 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:50:33 ID:unjN6xXN
- 〃 i,
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
! :l ,リ|} |. }
. {. | ′ | }
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ<
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| さあ、七郎、や ら な い か。
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.|
. ヽ.ヽ {:. lリ
. }.iーi ^ r' ,'
!| ヽ. ー===- /
. /} \ ー‐ ,イ
__/ ∥ . ヽ、_!__/:::|\
____
/ \
/ ─ ─ \ いやいや竹千代様。
/ (●) (●) \ 七郎は今日お城にあがったばかりの若輩なので
| (__人__) | 本日はこれにて失礼させて頂きたいですお。
\ ` ⌒´ ,/
r、 r、/ ヘ なお、明日からは
ヽヾ 三 |:l1 ヽ 柳生庄に戻ってニート三昧の予定です。
\>ヽ/ |` } | | 本当に(yr
ヘ lノ `'ソ | |
/´ / |. |
\. ィ | |
| | |
- 446 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:52:14 ID:MMatAqFG
- いきなり引きこもるなwwww
- 447 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:52:25 ID:JgJ6SVqw
- これが致仕の真実か……ゴクリ
- 448 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:52:30 ID:unjN6xXN
- / (●) ヽヽ
/ (⌒ (●)/
/  ̄ヽ__) / そんなこと、俺が許すわけないだろ
/ ____/ 柳生家の存続的に考えて…
/ ;/(○)三(○)
/ ;/ノし (__人__) ヽ;
/ ;| ^ `⌒″ ui ち、父上、
i ; | ;j |; む、息子の後ろの無事がどうなってもいいのですかお…!?
ヽ \ n⌒) /;
| \ (⌒ヽ/ ./ ノ `i
| \  ̄_/ ̄ ̄ ノヽ. グッ
| ;/ ̄  ̄ ̄ ̄ |
,, - ―- 、
,. '" _,,. -…; ヽ
(i'"((´ __ 〈 } ははは、俺はノンケだって食っちまうが、
|__ r=_ニニ`ヽfハ } 子供相手の趣味はないんでな。
ヾ|! ┴’ }|トi }
|! ,,_ {' } 俺が言ってるのは剣の相手さ。
「´r__ァ ./ 彡ハ、 柳生の嫡男なんだ、相当やるんだろ?
ヽ ‐' / "'ヽ
ヽ__,.. ' / ヽ
/⌒`  ̄ ` ヽ\_
/ i ヽ \
- 449 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:53:26 ID:MMatAqFG
- 意外とマトモそうでwwww
- 450 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:53:56 ID:TRWCmw2A
- やる夫の弟のAAが予想できるな。
- 451 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:54:04 ID:P3Wqy3xb
- 荒山版か隆慶版か…それによってどちらが痔になるか決まるわけですね。
- 452 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:54:08 ID:unjN6xXN
- ___ ━┓
/ ―\ ┏┛
/ノ (●)\ ・ まあ、そっちならわかりましたお。
. | (●) ⌒)\ …でも、剣のお相手なら、ご指南役とされた方が
. | (__ノ ̄ | いいんじゃないですかお?
\ / 七郎もまだ未熟者だから、変にお相手すると
\ _ノ 竹千代様のためにならないですお。
/´ `\
| |
| |
_,r'´::::::::::::::::::::::::::`'、.
{::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.
゙l'´゙《 __,,,ゝ:::r、:::::l 俺にはまだ剣の指南役はいないのさ。
ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::} だから、お前に相手を頼んでいるんじゃないの。
゙i`"l  ̄ ソ::::ヽ 今いる相手だけじゃ飽きちまったんでな。
゙i. ゝ^ , /ヾヾヾ、
ヽ ゙こ´ / ヽ、
ヽ、 /__,∠、 `'-、
`゙ク'゙´ ` ゙'、 ヽ
/ 〉 ヽヽ
ィ ヽヽ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー)
. | (__人__) …………………。
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln }
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
- 453 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 02:55:02 ID:KYTJxGLe
- 稽古中にはビレッジ・ピープルのマッチョメンが流れていそうだ…
- 454 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:55:45 ID:unjN6xXN
- __.... --w-―- ..,,._
はいはい、今日はこれで終わり! ..-'"´ / ゙''-、
竹千代様は服を着なさい! / / _..-――― -.._ \
あと、七郎は明日から出てくること! _/_ l.// ___ \ \_... -―--.、
i  ̄ > ./_..- ''´ l ', \゙''‐、', ヽ<"´、 .l
わかったわね! /i_<,,..-/ /'' / l i ヽ、 ヽ、.ヽ._' .ハ,,_
..-‐、 _..-//< / // / l .ハ ,lヽ i..-‐ ', '.,__/-', '.,-、
l ヽ r .// / .ハ_./ /-‐-┤/_'il ヽ .i .\/ l l, l l ̄''-= l_ \
l ', // /./ l / /. l /l ', l__ ゙'- \'./ _.==、l ',.' ', l l l.l''lヽヽヽ
', ヽ // /./l l/ /l l.l. l //o''‐、 '' lo:::::l //.v l l l ll .l',i ',\',
丶、 丶 l // l i../ / ,l .l丶',.'' ',::::::l ',::::::l/ l i l lハ .l.l .l l./ ヽi
_ ,,..._ \ ヽ ' l.l .l l ハ l l .l l', ゞ-‐' ,  ̄´ / / l l.l. i,_.l l l
./ ' ‐ 、 \ \ .l l .l l ', lヽl ハ l-、 r--‐''"i / / /l ll.i l l l
ヽ、 ゙ー――――'"ヽ ゙ ''‐.、 ̄ヽヽ',,,,.....,l .ヽ', ヽ.._ i l /./i ./ / /l l/
\_ \_./ l '-, 'ヽ.l '- .._`''-‐' _.-' l./.l / / l / l /
 ̄` ''――‐r- . -―/ ./― lヽ .l .l_''_" /ll_.l l / ', l l l l .l
l / ' ./ ヽ、.l l .', l..__`‐-' //l v ヽ.// / .l
_.- ' / l ..__i ',ハ.ヽ ', ''-='' l // ./ l
_..- ' ./ /i / l / ',-、ヽヽ、 ヽ l .// / i.、
..-‐ ' /l /---‐i l l/ / ヽ 'ヽ、''-,' 、ヽ、r ',',l //./ / ヽ
l / l / __ ./ // / ヽ、_゙_'-_..'_- .\ l// /..._ /‐ '' ',
゙‐---‐'" l /-==/--― ''"´ /./_./
./ / ヽ、_ ... -‐ ''"´
/ ./
`゙''"
,, - ―- 、
,. '" _,,. -…; ヽ
(i'"((´ __ 〈 }
|__ r=_ニニ`ヽfハ } お福がそう言うんじゃ仕方ないな。
ヾ|! ┴’ }|トi } 楽しみはまたにするか。
|! ,,_ {' }
「´r__ァ ./ 彡ハ、
ヽ ‐' / "'ヽ
ヽ__,.. ' / ヽ
/⌒`  ̄ ` ヽ\_
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \ わかりましたお。
/ (●) (●) \ あと、明日からは全裸待機は絶対しませんお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´. /
/ \
- 455 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:57:08 ID:unjN6xXN
- そして、その晩…。
____
/ _ノ ヽ_\ 父上…。
. /u.(ー) (ー)\ 今日は猛烈に疲れましたお。
l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \ 七郎は、明日から無事にやっていけるかどうか
ヽ L |r┬-| | 不安になってきましたお…下半身的な意味で。
ゝ ノ `ー‐' /
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ\ ) ;;;;)
| ( ─) (─)/;;/ 初めての御役目なんて、そんなもんだろ。
. | (__人__) l;;, むしろ、その年で次代の将軍家たる竹千代様の
| ∩ ノ)━・' 小姓となれたことを誇りと思うがいい。
. | / ノ´ }
. ヽ / / } …して、お前の目から見て、どのように映った?
ヽ/ / ノ
/ \
- 456 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 02:59:29 ID:unjN6xXN
- ____
/ \
/ ─ ─\ なんというか大変な変た…お方ですお。
/ u. (-) (-) \ あと、剣術指南が付いていないというのが不思議ですお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / 父上か、小野次郎右衛門殿が
( \ / _ノ | | お相手をしていたんじゃなかったんですかお?
.\ “ /__| |
\ /___ /
./ ̄ ̄\
./ ノ \\
| .(-)(●) | …まだ竹千代様の剣術指南役は決まっておらぬ。
. | (__人__) | まあ、どうなるかは…上様のお心次第じゃ。
| `⌒´ |
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
- 458 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:03:28 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
/ \
|:::::: | 故に、誠心こめてお仕えするのだぞ。
. |::::::::::: | 場合によっては、また全裸待機な。
|:::::::::::::: | ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, ..
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
____
/ .u \
/ ((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒. :::: (__人__) l_j :::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| | | / ゝ :::::::::::/
| ノ | | | \ / ) /
ヽ / └ー.┘ ヽ / /
さて、こうして
七郎は竹千代の小姓としての城勤めが始まったのである。
- 457 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:02:35 ID:KYTJxGLe
- 息子の痔の薬代で指南役になれるのなら安いモンですよね!
- 459 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:06:55 ID:unjN6xXN
- そして時は流れる。
それから2年が経った元和七年(1621)、七月のこと…
/ ̄ ̄\
/ \ /\
| ( ●)(●)
| (__人__) 上様。
| ` ⌒´ノ 宗矩、参りました。
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
| / \ j冫`ヽ /
| | ヽ / | 卜 | /
|| /\ ヾー' | / / うむ、お前を呼んだのは他でもない。
| |/´ ∨/ ´' -,,,_ お前に伝えることがあってな。
| ||\ _ム,,,,,,,,、__──'''''´
|、_| / ,, ヽ、 「はっ」
) ` ´ 〉 ヽ
/,, /| , /: ! ヽ、
`~'''‐'、 /;; ! \
 ̄
- 460 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:08:34 ID:unjN6xXN
- ' , \、 、| ヽ l / / ヽ, / / /
``ヽ ヽヽ! , ヽ i/ , ' !/ / /
、 ヽ\ ` l_/ /`ヽ、 ヽ/ / ,. ' ´ヽ l ,'/'´ /__
、 ヽ、 ,へ、/ ,ヘ``ヽ、ヽ. ` / /,. -‐,´ _!,-、 / /'´/ 宗矩、お前を俺の指南役から外す。
ヽ\`` l l^ヽ,', ', oヽ`、} レ/o ,' 〉"^l//'´/ 今日でお役御免だ。
\、 l l r' ', ー―‐",`ー´`ー―‐' //_',/_,. -;ァ
,.ゝ-\ー、 ','""""" ノ_ ゛゛゛゛` /'_j / /
``,ゝ-ゝ、_', __ /-/_/
´ ̄``ー,ヘ /=''"´
,'、 `ヽ、,:' -‐- ,/ '``>、
ノ`::ー-、_\__,/_,. ::'´:::::冫二ニ77ー-
,...-、‐ニ二{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニニニ〃::::::::
:::::::::ヽニ二ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/二二ニ〃:::::::::::
/ ̄ ̄\
/ \ /\
| ( ○)(○)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
- 461 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:12:45 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
.;/ \i||i/;
| ( ○)(○)
| u. (__人__) う、上様…?
.;| u. ` ⌒´ノ; 今…なんと………?
| }
ヽ }; (そ、それがしが…お役御免…!?
/ ⌒ヽ '´( どこだ?どこで手落ちがあった…?
/ ,_ \ \/\ \; 手は…打つ手は、何がある…!?)
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
/ ヽ / ヽ \
/ l ヽ / | \
/ l_ , ‐、 ∨ i l | | \
,-、,/レ‐r、ヽ | /`K ,-、 < 同じことを言わすな!
| l``i { ヽヽ l | / , '/',` //`|_/ お前は今日でお役御免だ!!
ヽl´、i '_ 。`、llィ'。´ _/ /,) /\
/\ヽ'_i ,.,.,.⌒´)_ `_⌒ /__/l \ そして…!!
/ l´,.-― 、l`ー一'_冫 /l l | /
\ ', / /`7-、二´、,.| /// | /
´ { / / ト、 |::| /// / /
ヽ、 > ー ,/ |ニ.ノ-' / / _
、/ } ',,,..' |-'´,- '´  ̄/ ヽ∧ ____
/ ' \_ `´ノ7l´ / // ヽ l ヽ
/  ̄ ̄/ ノ L___/ U |
/`ー´ /l |
- 462 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:14:23 ID:unjN6xXN
- ////////| /ヽ / ヽ
////////| | ヽ / ヽ /\
////////| | ヽ / ヽ |\ / \
////////| | ヽ / ヽ | \ / \
//////// | ヽ / | | | \ / \
/////// | ヽ / / \! | | \/ \
/////// | /\ V / ヾ、∠___|
/////// ∠ \ / _-― ̄`\
//////// | ̄ -ヽ \ / /  ̄| \ 明日からは、
//////// | | \ \ | / / / /
/////////| ヽ、_ (\\_ |__/ /◯ _,.-' / 家光の剣術指南となれ!!
///////// | ._ ` ‐-‐' ヽ!.l|, l__/ヽ‐-‐‐'´ __,. /
//////////|  ̄=≡/ =i i= ヽ≡=== ̄ \ わかったな!!
////////// | | 「 -┐ \
////////// | /| , ヘ /ー \ ハーッハッハッハ!!
///////////| __ヽ| ヽ / /| / /
/////////// | |‐--二二二二 =-イ / / / /|
/////////// | Y´ `、/ / / / | /\
//////////// \ | / / / / | / \
//////////////\ | / / / / | / \
///////////////ヽ !二二二二/ / / // | / \
////////////////ヽ ━== / / |/ \
/////////////////\_____/ /
////////////////
- 464 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:15:37 ID:2ehfmRXI
- ベジ忠様ww
いい主従してんなあww
- 465 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:17:24 ID:ByujETlD
- 心臓に悪い伝え方だなw
- 463 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:15:34 ID:JgJ6SVqw
- タチの悪い「良い知らせと悪い知らせがある」だなwww
- 466 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:17:46 ID:unjN6xXN
- / ̄ ̄\
/ \i||i/ て
| ( ○)(○) そ
| u. (__人__) …しょ
| u. ` ⌒´ノ
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
/⌒`"⌒ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄\ 承知致しました!
/,//:: \ この宗矩、家光様のご指南役の任、
;/⌒'":::.. |⌒ヽ 謹んでお受け致しまする!!
/ /、:::::... |ヽ_ \ (…そうだった…!あの時もそうだった…!!)
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
| / \ j冫`ヽ /
.| | ヽ / | 卜 | / うむ、頼んだぞ、宗矩…。
|| /\ ヾー' | / / かつて、父上がお前を俺に付けたのと同じく、
| |/´ ∨/ ´' -,,,_ 俺もまた、家光にお前を付ける…。
| ||\ _ム,,,,,,,,、__──'''''´ お前の「大将の剣」を、家光にもしかと修めさせるのだ。
|、_| / ,, ヽ、 …よいな!
) ` ´ 〉 ヽ
/,, /| , /: ! ヽ、 「…ははあっ!」
`~'''‐'、 /;; ! \
 ̄
こうして、宗矩は家光の剣術指南役を命ぜられた。
時に宗矩、51歳。
(※元和六年(1620)九月に竹千代は元服し、家光と名を変えている)
- 467 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:19:17 ID:unjN6xXN
- そして…
/ ̄ ̄\
/ \ /\
| ( ●)(●) 家光様。
| (__人__) これより家光様のご指南役を務めます
| ` ⌒´ノ 柳生又右衛門宗矩でございます。
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
〃 i,
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
! :l ,リ|} |. }
. {. | ′ | }
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ< おお、宗矩か。
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| やっと俺に剣術指南役がついたんだな。
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.|
. ヽ.ヽ {:. lリ …待ちくたびれたじゃないの。
. }.iーi ^ r' ,'
!| ヽ. ー===- /
. /} \ ー‐ ,イ
__/ ∥ . ヽ、_!__/:::|\
- 468 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:20:00 ID:unjN6xXN
- ___
,ノ' ´ ` ''ヾ、
/ ヽ
}f^'^^了t^'^'`'ー1 l
|L_ ! ___ { ,..、|
}f'tr'i ''^'tォー` }j/i',| さて、宗矩。
l.| ´ |  ̄ vijソ.! さっそくだが、や ら な い か。
丶 └、 Fイ l′
/ ', ‐--‐ ,イ ケ|
, ,/. ヽ `''"´,/ ! ^|ー、
/ / _,,」、'....ィ' '|. \、_
. /./ ,. ‐'''"´ ! / , _」__ヾ',
.,'.,' /´ └ 、_ ノi ノ (、_ ``ヾ!
,'/ / ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^ `
l| ! リ `ぅ ー=、_
| | サ 〉
ト ′ ./''ー- 、,.._
| ヽl (B / ヽ、
| !,、 ! / ∠_
,イ ヾ' ィ 、 . / ,,ィ'´
゙、 :::/::::::|::::::
`ヽ、 ゙、 ./ .| ,-、、
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒) そうですな。
. | u (__人__) 「新陰流の稽古」を始めましょうかの。
| |r┬|}
| | | |} 新 陰 流 の!
. ヽ `ニ}
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
- 470 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:21:56 ID:MMatAqFG
- ドッチの意味でのやらないかだwwwww
- 469 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:21:51 ID:unjN6xXN
-
…さあ、家光様!
/ ̄ ̄\ しないをお取りくだされ!
/ \ / まずは打ち込みから!
| ( ●)(●) _
. | (__人__) //
| ` ⌒´ノ // 「おう!」
. | } //
. ヽ } // .
ヽ ノ //
/ く //
| \ //
| |ヽ、二⌒)ゝ .
こうして、宗矩とその生涯の主君とも言うべき存在、家光との縁が始まった。
柳生家の、そして宗矩の躍進はここから始まるのである。
- 471 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:22:45 ID:unjN6xXN
- \ヽ, ,、
`''|/ノ
.| \ヽ, ,、
_ | `''|/ノ
\`ヽ、| .|
\, V" _ |
`L,,_ \`ヽ、|
|ヽ、) ,、 \, V"
/ ヽYノ `L,,_
/ r''ヽ、.| |ヽ、) ,、
| `ー-ヽ|ヮ / ヽYノ
| `| / r''ヽ、.|
|. | | `ー-ヽ|ヮ
ヽ、 | | `|
/ ̄ ̄\ |. |
/ _ノ ヽ_ \ ヽ、 |
| (≡)(≡) l ヽ____ノ
. | (__人__) .| /_ノ ' ヽ_\
| ` ⌒´ | /(≡) (≡)\
. | } /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
. ヽ } | |r┬-| |
ヽ ノ \ `ー'´ /
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
【やる夫で学ぶ柳生一族(その20):「宗矩・七郎、家光との出会いの巻」】 完
- 472 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:23:10 ID:unjN6xXN
- 【その20:新規キャラ一覧】
中山勘解由照守 : ボスコーン(ベルセルク)
石川市左衛門利賢 : アドン(ベルセルク)
伊丹康勝 .: 遠藤勇次(賭博破戒録カイジ)
後水尾天皇 ...: 鳥山明(自画像)
青山忠俊 .: ハートマン軍曹(フルメタルジャケット)
稲葉正勝 .: 古泉一樹(涼宮ハルヒの憂鬱)
松平長四郎信綱 : 脳噛ネウロ(魔人探偵脳噛ネウロ)
土御門泰重 ...: ザムザ(ドラゴンクエスト・ダイの大冒険)
徳川家光(竹千代) : 阿部高和(くそみそテクニック)
解説役 .: ドリィ&グラァ(うたわれるもの)
- 477 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:25:01 ID:ttvWrl4K
- 乙っした~
まだまだムネノリンにターンですなw
- 478 名前:やる夫で学ぶ柳生一族(その20) :09/05/04 03:25:37 ID:unjN6xXN
-
どもども、お疲れ様でした。
今回は開始も遅かったのに加えて、途中で調整しながらの投下だったので、
いつもよりも更に時間が掛かってしまいましたが、
おそくまでのお付き合い、ありがとうございました。
明日が休みじゃなかったら無理でした喃…。
さて、今回でやっと七郎こと十兵衛(というかやる夫)が
メインキャラとして出せるようになったので重畳ー。
そして、前から散々ネタ振りはしてたのでバレバレではありましたが、
家光は阿部さんでございます。
もうそのまんまですね。はい。
あと、小野忠明については、今回調べてみたら、
割とフォローするのが厳しい話ばっか出てきて、途方に暮れました。
「頑固で融通の効かない面もあるけど、普段は愛嬌のある人物」
「剛直さゆえに上の受けは悪いけど、同僚や庶民には人気があった」
とかいう評が割とちょこちょこあったので、
まーそんなもんかなー、とか思ったら、実紀とかでボロクソ書かれててどーしたもんかと。
むしろ、ここまで来ると、小野忠明の人格を褒めてる史料がないかどうか気になってきま砂。
とりあえず、上記の人物評って何が論拠なのか知りたいところ。
(「一刀流三祖伝」は前述の通り、さっぱりアテにならんですし喃…)
まー、そんな塩梅でございます。
ちなみに来週は土日に会社の合宿研修があるので、本編の更新はまず無理かと。
なので、もしやるとしたら、また歴史伝奇の方をやると思われです。
何にしようかしらん?
- 480 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 03:26:51 ID:KYTJxGLe
- 乙であります。
相変わらず素敵な人選で楽しいですぜ。、
- 481 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 07:40:42 ID:NsEc1nrk
- 乙でした
家光は史実でも男のほうがいい!だからな
- 482 名前:名無しのやる夫さん :09/05/04 08:10:15 ID:BhWwzSia
- 家光を男の娘にすれば見た目的には問題なしだったような気がw
- 5 名前:名無しのやる夫さん :09/05/05 00:21:45 ID:5Ig2YgTx
- 1乙
日本武術神妙記とかでも宗矩の噛ませ扱いっぷりってすごい多いから
当時はそれだけ羨望の的だったんだろうね
- 8 名前:名無しのやる夫さん :09/05/05 13:12:07 ID:9nfbg92y
- >>5
格闘漫画で空手とか昔のグレイシーとかが主人公のかませになるのと同じですね
- 9 名前:1 :09/05/05 16:25:33 ID:Z3i/Id8O
- >>5
ざっと見た感じだと、宗矩を引き合いに出してるのは、
武蔵(宗矩より井目も強し)、忠明(真剣の宗矩相手に薪で墨だらけに)、
兵庫助(真の正統はこっち)、名人越後(柳生側が試合を断ってきた)ってとこで砂。
多分探したら他にも出てくると思いますが。
あと、当の宗矩は、特に誰かを引き合いに出してるわけではないという
この非対象性が、ある意味特徴的かなと。
(ギリギリで乗馬試合の逸話くらいですか喃)
>>8
板垣理論に基づくところのムエタイかませ犬説で砂。
なんていうか、流派がわかった時点で死亡フラグというか、敗北フラグというか。
まあ、板垣先生を引き合いに出すまでもない感じですけど。
- 10 名前:名無しのやる夫さん :09/05/05 19:13:58 ID:otPLHZq9
- 乙です。 ところで、前スレでもちらっと出てくる大久保彦左衛門って、
本当に武功派なのかな?
大久保一族の出身で、本多親子に権力闘争で敗北したから負け惜しみで文句言ってるだけの
頑固ジジイに思えるんだけど。
- 11 名前:名無しのやる夫さん :09/05/05 19:58:20 ID:+YkCIErQ
- >>10
その認識で間違ってない。
自分の嫌いな人間はエピ捏造してでも貶め、自分を含む仲間たちはもっと
優遇されてしかるべきと主張してその為なら主君を貶めるエピを捏造する
ことも辞さない。
そしてそんなエピを書き散らした文書をご丁寧「門外不出」と銘打っておき
ながら世間に流布しまくる。
とにかく「オレらにもっといい目見させろ」と駄々捏ねまくり、その為なら
嫌いな幕閣に全力で嫌がらせ、それが彦左衛門というジジイです。
- 12 名前:名無しのやる夫さん :09/05/05 21:02:59 ID:Of0W7hQP
- そういうしつこさに三河独特の百姓じみた陰湿さがある、とか家康嫌いの司馬遼なら書くんでしょうな
- 13 名前:名無しのやる夫さん :09/05/05 21:06:55 ID:yYS642TI
- 軍歴がまんま徳川一喜一憂みたいな人だから自負は強烈でしょうな
「わしが育てた」AA略
- 15 名前:名無しのやる夫さん :09/05/06 10:45:43 ID:7nnTU4eo
- つーか大久保彦左衛門は、きちんと武功のある人間だぞ。
武功があるからこそ、その生きていた時代から既に一風変わった感じの人気があったわけで。
確かに自意識(と言うか一族意識)は過剰だが。
- 16 名前:名無しのやる夫さん :09/05/06 22:05:53 ID:QYjLBfE3
- >>15
別に武功が無いとは言っていない。
ただ、その武功(と失敗)に対して、家康や幕閣は万石以上(大名級)の扶持を
与えるほどではないと評価したのに対して、本人は
「んなこたねーだろ、外様大名とかとっとと取り潰してオレらに領地よこせ!」
と不平満々&武功の過大評価していたってだけで。
- 17 名前:1 :09/05/07 13:35:03 ID:v+6dEdLm
- 大久保彦左衛門については、当人の言動はともかく、
要点としての「代々の忠義/戦場働きが報われてない」というのは
当時の武功派が持っていた不満を代弁したものだったでしょうしね、
(>>16のご指摘にあるように、それが妥当だったかどうかはともかく)
「三河物語」が支持されてたのは、そういうところが大きかったのかもで砂。
…まあ、このスレの彦左衛門が黒沢さんになったせいで
余計にそういう不満というか、鬱屈した部分が
強まって見える部分もあったかもですが。
本多正信がアカギなので、思わず忠隣を鷲津にしたのがマズかったですか喃。
つか、なんとなく、忠明と宗矩の対立構造は、
形を変えた「武功派vs文治派」だったのかもなあ、と思ったり。
あとの出世があったから余計にそういう見方されたのかしらん、と。
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大久保家は、徳川24将に二人エントリーさせている武の名家。しかも、彦左衛門(忠世・忠佐)の家は実は分家で、本家筋は当主の戦傷による再起不能で衰退したんじゃなかったか?織田と組んで天下取りに走る以前から、松平家を支えてきた武士の犠牲がなければ徳川家もあり得ないわけで…自分一代の貢献者だけに報いているような印象を受ければ、文句の一つも言いたくなるのでは>彦左衛門
返信削除ついでに言うと、本多正信は乞食坊主をしていた前後、大久保家で居候していたから、それを知っている彦左衛門の鬱憤もひとしおだったと思われ。
>柳生に連なる血筋から陰陽頭が出るとは…!
返信削除>大出世だろ、家系的に考えて…!
幸徳井は安倍・賀茂の陰陽系ダブルネームの家柄だから
陰陽頭に抜擢されるのは割と妥当な線だったりするんだけどな