- 11 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:03:02.48 ID:eq0ZT9.0
- ... ヾミミヽ、 ,r───‐ 、
ゞヾミミヽ、_ >─ -、_
... ,r‐── -〈__〉- 、__ `>‐- ヽ
こんばんは! .. l ,..-‐-.、 `ヽ_:::::::ヽ、`ー‐、‐- \
本編に入れられなかったのをこれ幸いと ラ:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 \`ヽ::::`ヽl〉 ヽ \__
後付の解説というのをやってみるでアリマス、とか _ <´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;-=ヽ、 ヽ、`ヽ、l‐ 、_ ノノ、
>>1が言ってるけど、そんなわけで . ! \ ,ィ:.:.:.:.:..;-、:../ィァ:ォ、 `ヽヽ、 \ `ゝィ::::/ \
(その27)の解説です! ...... \ \イ:.:.:/ レ ゞソ -`ー-、_\ /:::/ \
... \ \彡ヽ__ =、 ./ミゝ `` >イ、, \
今回は、本編で語られたうち、 ,ゝ、 `ー──‐、 r 、 ` iソ `!リル`ゝ、 \
... 〈 \ ,r─、‐' ヽ_> .ノ__ ゞハルルン;ゝ、 \
1:「宗矩と諏訪部文九郎の逸話について」 . l、`ー‐イ /::::l lー`─、 /::::::::::/ _>リルラハゝ、 〉
2:「宗矩と宗冬の逸話について」 ヽ二丿/::::ノ .ト、:::::::!::´::::::::::/ ̄ヽー──'"´ `ゞリルハゝ<
3:「家光の手紙について」 ト、:::::::::::/ i \::Y ̄ヽ:ヽ、_ ヽ _, イミゞ゙
... ヽ ヽ/ i \,<´_`ー-、`ヽ、 \ _,、≪ヾミゞ゙`
それぞれ解説を入れます! _,>イリト、 ヽ `ヽ、::`! ヽ:::::ヽ ヽ≪ミヾミゞ`゙`
今回はボクと… ..... `ヽ彡イリハヽ、 ヽ、 `ヾ、 i、:::::::ヽ ヽ`゙`
``マルハ ヽ、_ `ヽ、ヽ:::::! !
ヾハヽ、 ` ー- 、_ `ヽ、l !
ヽミミ i  ̄` ー- ヽ!
. i l :.:.: l :./! :| .ハ l:.: i:. l.:.:. l
. | |.:.: | .:.| | .:| | :.| | | |.:. | |.:. │
. | |:.:. | .:.:.| | .:.:|:.:.| .:.:.l L,イ |:. /| |.:.:. |
. | |:.:. | .:.:.l ヽ_⊥上‐丁 | ハ /ソ-X!.:. l.:.: l
! .l:.:.:. }.ー‐ト7ヽ: | N∨j |:| ', / }:/ | 7 /ト‐- ,' 私が担当します。
l |:.:.:. l |:.:./ j ヽ.{ __从 リ l: / 〃 j |/リi:. /
l |:.:.:.:. | fり. _ -=≠==r` }/ ‐_,ニ、_ j / (わあ、かっこいい子だなあ…。
. ', |:.:.:. :. ヽヽ. ー'  ̄ ` ノ ´  ̄ ヾ /〃 / こういう子はきっと女の子にも
i |:.:.i :.::. \\ ;;;;;;;;;;;; .... / / / もてるんだろうなあ…)
| |:.:.|:.: ヘ ヽ ;;;;;/ /=イ_
| :l.: l.:.: {\\ ' <ィ‐´ / /
イ .:.:.:l: l.l:.:.: i 、 `ー--、 ー_- /!:.l.:.:. /./
ノ.! .:.:.:.l:.|:L:.:. ヾへ イ /:.: / /
,' :l .::.:.:.| |:.へ X ` 、 ,....": | // /
./ ,' :.:.:.:.:| !:.ヽ \ ヽ \ > 、 _ イ:.:.:.:.:. ソ /
ノ :.:.:.:.:.:リ.:..:.:\ \ \\____ _i__:.:.:.:.:/ /
- 18 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:17:34.54 ID:IE3jCc.o
- なかなか興味深い者同士の解説とは、おもしろい。
- 12 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:05:02.66 ID:eq0ZT9.0
- .. __,
.. //,,______
.. \∨ ニニニ ,, __ `
.. /:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
(綺麗な人だなあ…。 . /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
きっと男の人からモテモテなんだろうなあ。 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
いいなあ…) /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
.. /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::\;;:::::\::::::::\::\
さて、まずは1つ目、 i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::\ヽ::::::::\;::::\::::::::\`\
「宗矩と諏訪部文九郎の逸話」についてなんだけど、 |:::/|:::/:::::/i |:::| i:::i, \:::\`\\;;:\ヾ:, ;:::ヽ
まず確認なんだけど、これって史実なの? .... |:::i.|:::i::::::/| .|:::|, \ヽー-tヒX `ii´,ヽ. i;:::i 丶
i:/ .i::|::::/)--土、 /フニ7' | /ノ::| ヽi
.i| ヽ::|ヘヾf`ヒ_ン ´ ̄ ./|\| `
| i::| ヘ , /i:::i
`i. \ /|´i:|
丶 、 - / | `
_ `>.、 / -―┴-- 、
i, ̄| ̄ ̄ / - 13 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:06:09.67 ID:eq0ZT9.0
- , ' ´ ⌒V/'' 一_-、
/ / `ヽ,` 、
/ / / / i ヽヽ ヽ. \
/ i i ./ / .ハ i i i .i ヽ`、 ゙ 、 そうですねぇ…。
. l / i iイハi i i i iリi i i i ヽヽ i 結論から言えば、
l/ i i斗ェ士Iト;/ //__iリ i i ハ ',
l バ| 〈.{゚:::::i}゙ レノ/,ィメミト i i i.l.l i 「史実かどうかは不明。
l i ハ i.辷ソ " .{:::ソ〉i / .レ .| i ただあってもおかしくはない」
l i ハ ヽ::::: _ ' :::゙"/ / レノノi.l
l i i ト ヽ \ _ , イ イ ハノノ というところですね。
. l i i i 「`゙''ー゙r"T// i/ i i
l__i_, 斗‐へ ___ ィL/`ー- i_i iヽ この逸話の出典である『明良洪範』は、
/ } } <´ ∧+.ト、`ヽ } } ヽi ヽ その成立の詳細な時期は不明ですけど、
/ } } _〉 :: :∧゙ヽ 〈 } i ヽ ヽ 慶長から正徳頃(1711~1715)までの逸話を載せているので
/ V´ | , イ ハヽ、 ハ`' く '、ヽ おそらく、宗矩の死後、かなり経ってから書かれたものと
. / / ノイ/ .H ヽ ヽ,〉 ヽ ヽ \ 思われます。(著者は真田増誉という幕臣)
〈 i ムr-i^'|ウレ イへi i .〉 \
. \ ト、:::::::::::::::::::i「o]i|::::::::::::::...ノ .人 ヽ そして、他の史料、つまり
/ に_ >'i. `' -----┴┴-----イ < イ ヽ \ 『徳川実紀』『寛政重修諸家譜』『玉栄拾遺』などに
/< ̄7" i ハ |ハ こ イ i\\ \ 載っていないことを考えると、信憑性という意味では、
. / V i iハ ,iハ .i i ヽヽ ヽ 若干不足している(情報量が少ない)ところがあるのです。
/ ⌒ヽ〈 i i i .ト、 ii { ー イ iヽ ヽヽ ヽ (宗矩の兄・五郎右衛門宗章を「十郎左衛門」と書いて
| V i i 〉ヽ、 | i i .i iヽ ヽ ヽ 「宗矩の弟」としている話も載っていたりしますし)
.\ 「>、i/ \ ー ― イハ i i } i ヽ ヽヽ
【原文:近代デジタルライブラリー「明良洪範(巻之六)」】
http://kindai.ndl.go.jp/BIImgFrame.php?JP_NUM=49002525&VOL_NUM=00000&KOMA=47&ITYPE=0 - 14 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:09:02.84 ID:eq0ZT9.0
- ,.イ ,..-,. =-
(:.:i /:/_
ヽ:V:/ ´:.:.:.:.:``ヽ、
,..:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
へえ。 . /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
じゃあ、あくまで「逸話」ってこと? ./:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.ヽ:.:.:.::.:.:.:.ヽ.:.:.ヽ
!:.:.i:.:.:.l:.:.:.:i:.l:.:.ト:.:ヽ:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:!
l:.:.:.!:.:.:.l:.:.:.ハ:!、:i ヽヽ >-‐-:ヽ:.:.:ヽ:.:!
.!:.:.l:.:.:.:ト:.:.レ- ,.r=ミ、 ヽ:.:.:.トl
、:.:l:.:.:.:lX:.l,r.=ミ. '.!:::::::!.' l 〉::.:!
ヾト:.:.:.:l、 !(::::::j. ` ." i':.lレ'
ヽ:.:lヽ. ` ´ ._,`-r イル
二ゝ、 _ `-' /
r' ´ .\  ̄ lj )`ヽ、
.l ヽ、, -‐' ´ ヽ、》_, < .`ヽ
____ ヾ、
'´ ̄ ̄ ̄`ヾ、 .!l
____ヾ!| _
,、 -‐'==―‐- 、 ツ´ニ、ヽ`ヽ それが一概にそういうわけでもないの。
///´ /` \ ヽ\ というのは、逸話を構成する個々の物事には
/ // / i i i ヽ ', ヽ 特におかしな点がありませんから。
,' / / / ,' | l | l l | ト,
' / /./ / l | ! l l | | l '. ・ 家光の頃、品川御殿は現存した
,イ / / ,' l ハノ `ト、ハi ハ l ! :!: l l '. . ・ 旗本の馬方・諏訪部家は実在する
,' l ,イ / l | |才丁l |イ二サトl、リ :l | l ・ 家光が近習達に仕合をさせ、
. i l! | ,ィ| .l | |,r=行ヾ .ノ イ! ̄㍉/ ./ 、! ! l それを見物するのはごく普通にあった
i ! l |! | l l ト、_| `" 、ト、__ノイ / /'´| l !l ・ 宗矩は家光に近侍することが多かった
l ! l |、! ヾ ̄ 、  ̄フ /-イ ! :l !l
l! ヽト、! ド、 っ / ./ / i l !l これらを考えると、
'、 ト、|ヽ \>、_ - ア/ /ュ/ i l !l 「家光が興に乗ってこの仕合を催す」というのは、
. |! | ヽ、ミ | `Y´/'レ'/ ! l !l 可能性として実際にあってもおかしくはない、
l! | _ __ノL ! __ノ`ー--ァr- へ、 l !l というところなの。
i!/ lr -ー ‐i⌒i ´ ̄ ̄` ー、 .// ヾ !l
./ノ ...| l、_ノ /// ヾ l 他の史料に載ってないのも、
/ | /ヽ ` 、 /// ', l 話の規模として然程のことでもないから、
/ , '! /| \ | ̄「 l l 載せてないだけ、という考え方もできますし。
. / / .トー'´ l| ,' `ー、 :!/ ! l
. / / / ::!| , -、 \! | i l まあ、「剣豪・柳生但馬守」のお話として
/ {: L,ー⊂∨|/ .└-ー-/ | l l 出来過ぎな分、頭から史実と見るには微妙だけど
/ '、 i !iOi ! i ヽ - ==- ! l l 「有り得る話」として程度なら問題ないと思います。
ヽ ヽ、 _ -‐⌒ヽ、 ノ\ / l l - 15 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:12:24.25 ID:eq0ZT9.0
- ..... ____
l´:七,´‐― - 、
ヤ::l/:/ ̄ ̄ `
, -―-ヽ|/´ ̄..`..ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....' ,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
...... / : : : : : :::: : : : : : : : \:::::::::::::::、ヽ
なんだか勿体無いね。 . /::::::/::::::::::::/|:/l:::::ハマヽ;、\:\:::::ヽ',
即座に機転を利かせたりして、 . ,'::::::/:::::::::::/ |l ',::| ヽヽ|_⊥|_|、l::::l::l
如何にも名人らしい話なのに。 ... l::i::::l:::::::ハ::l,-┼-ヽl ´.ィ-c、 `lカ::l:::|
..... l::l::::レ::::l: :`,-,‐o、 ´:辷;j. ! lル'!Xl
じゃあ、2つ目の「宗矩と宗冬の逸話」は? l:::l:::ヽ::l: : l .辷;j , l /:l|
ヤ::l:|::l `. : : l'Vソ
`マl|ハヽ_、: . , - 、 _ ./リ
` ヽ!::lヽ: . `ー/ ,__,`ゝ
l/ヽ!゙、ュ :_ . ./ -',.-_'ュ_
l〈`l ´,.ィ l
l. ヤ! !- '
, -_ュ / __l .}`\,_
//´ , -―_ュ
{ { // ̄
,. - ┴`く∠、
/ / i ヽ \
/ / ! ! l´ l ! l l ヽ これも実は『明良洪範』記載なの。
/ li l,_l_l__ム/! l l | ! l というか、この二つは、同じ日に起きたこととして
l _l! l,ネZVl/ l/_ムl ! ! l 続けて載っているのよ。
l. 〈r:l. Nニツ ,世/ ,! l
,' ,∧_! l'''' ト-ャ´`ラ´ / / この本文では、宗冬のことは、
,.、 / / / l i、  ̄ ,Zニ∠_ 「飛騨守」と記載されてるのだけど、
ヽ\ n / ,/,ノ ,.-l,ヘl≧‐-ィ´ _ヽ___ 宗冬が飛騨守に任官するのは
rヽ l マヽ /// _/r┬─‐xイ | ヽ / `i ずっと後の明暦三年(1657)だから、
{ヽ! i、`_!´_/ //-:.Y:.:.:.:\_:_;>| Y ! これも宗矩の死後に書かれた話である、
,ブ' ´ ヽ /´ /:.:.:.,ハ.: : : /ヽ、l!| 、 _,フ ̄`! i という傍証にもなるわね。
-‐ニ_」 , -_-_」 ! ,l_:_;/l。!ヾハ_、:.:.>l` ヽ,/ l レ そして、この逸話も、他の史料には
´/ K厂 l ≠く:.:./ .l ! l;_:ノ  ̄ l. 〈 ,.-┴==ミ、 載っていない話なの。
/ ,/l / :lV l゚l 丿 い l'´ `!
/ l l Pl _,. -‐´ 入__ ! __ l そういう意味では、逸話自体の信憑性は、
/ 人 ,. イ^ゝ-‐ヤ`´ ´ `‐{ スFミタ 先の諏訪部文九郎の逸話と同程度と
/ ヽ.ィ´ / ,/\ ヽ.┘l _ル 思っていいんじゃないかしら。
/ / / / ,/ ,_ ,>、 ` ´ヽ - 16 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:12:30.58 ID:CUu2tDUo
- ほほぅ
- 17 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:14:44.19 ID:eq0ZT9.0
- ヾヽ!:.l ____
,..-ヾヽ!´:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
/:.:.:..:.:.:`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ
ふーん。 . l:.:/:.:.:i:.:.:.:.i:.ヽ:.:ヽ:.:.:ヽ:.ヽ:.:.:.:ヽ、
さっきの話もそうだけど、 !:.!:.:.__!、:.!:.lヽ_Lヽ-:.:.:.lヽ:ゝ:.:.,ゞ
久々に宗矩が剣士らしく剣を振るったのに、 レリ:.:..,ォ、lヽ!´,ィ=t-、ヽl:.:.:.:.:、l`
史実かどうか分からないっていうのは . ヽト、!ヒ! ヒリ_ r'´:´:`:ヽ
残念だね。 . l、 ' "",i´: : : :))ノ`!
ヽ、´` ,{: : : : : :)ヽ: :)
r'´: : :` T´ {: : : : : :) ./: :)
,!: : : : :) lー 、 {: : : : : :} l ̄ヽ、
{: : : : : } l__ ヽ: : : : :) ,! ./ ヽ
/{: : : : : } |::::: ̄::;ゝ: : ノ. ヽl! ヽ
/(: : : : : ) !::::::::::/ ` ハ ヽ、__`-、
/ ヽ: : : :} !::::::/ / ヽ ヽ ` ト、
/ ヽ ト、: : :)ヽl/ / ハ 〉 \
/ ヽ`ー' / / l!:::ヽ、_/ /
/ _ ノ / / ヾ、:::〃 /
r' , - `ヽ!_〈 / ヾ、 /
ヽ/ ヽ`ー-.、_,ォ-、,-、___, イ  ̄` ー'
l ,r‐‐-〉`ー-,〃::::;!:::::トヽ-‐'ヽ、
ヽ /:::〉/l /:::l`ー'└‐' ヾヽ ト、
// / / l | | ヽ \
/) / / ////, ! l | | | ヽ 、ヽ. \
///){ | | l l.| | l | | l || | | l. ハ そうね。
/,.=゙''"/ | l | l |ハ| lハ | | |_」 | | | l N でも、この逸話のポイントは実はそこじゃなくて、
/ i f ,.r='"-‐'つ l ルlチ幵弐 ト l リシ武| | | | ト l
./ / _,.-‐'~ト. .∨仏:::| リノ' 凸'}ll | | | | || 『(若い頃の)宗冬の評価』
/ ,i ,二ニ⊃kヘ ヽゞ ┘ __'└ 'リ | | |ノ. l|
/ ノ i./ / l `ヽ. ヽ ( ノ .イ ノ /ハリ ノ という意味でも見ることが出来る点に
,イ「ト、 ,!/ / / _∨\ ',`r 、_. イ / // ノ| あると思うの。
/ iトヾヽ_// /,イ⌒ヽヽ ヽ ヾーv'トー-<^ヽ./ ! - 19 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:17:50.82 ID:eq0ZT9.0
- ___
./:::::::/`ヽ
{:::::::::/__
ゝ .〈/:::/ ̄¨`ヽ.
,. ´ ̄ ̄ `¨` ヽ
宗冬の評価…? . /:. :.:.:.|: : : /i: : :.、.: : : :\
ええと…それはつまり、 ... /:. :. : /i.:.:.:/ .|.:.:.:.:|: : : : : :.\
//: :ヘ:/ |:.:/ L__斗: : : : : : : :ヽ
「未熟者」 .... /' /: //>r、_,,l: ト,=≦r、: | ト、: : : : : : : ',
「宗矩・十兵衛より弱い」 . //}{ //・リ レ' //・リ ∨:.|: }: : : : : : : :i
「かませ犬(伝奇的な意味で)」 .... ./' / { { / { / ト、j: l: :.|: : ト、: :|
「役立たず(伝奇的な意味で)」 / `´ `´ ´ j∧: l: :..l Ⅵ
「女装乙(柳生武芸帳的な意味で)」 { , ‐、 Vト、_l
r‐、 \ {__} <」
とかそういうこと? l { > 、 ____ <ノ「\j
{_ ',__r'7 {{ ̄} 〉‐┴「
/⌒ヽ / / }} 〃 ,ィ{{
.{ __ノ/ / 〃 | .l ヾ
\__ { / ‐┿‐┤ }}
あの、もうちょっとこう、手心を加えてあげて。
もう宗冬のライフはゼロよ?
. i l :.:.: l :./! :| .ハ l:.: i:. l.:.:. l
. | |.:.: | .:.| | .:| | :.| | | |.:. | |.:. │ …でも、まあ、そういうことね。
. | |:.:. | .:.:.| | .:.:|:.:.| .:.:.l L,イ |:. /| |.:.:. | 特に、この頃(18歳より前)の宗冬は、
. | |:.:. | .:.:.l ヽ_⊥上‐丁 | ハ /ソ-X!.:. l.:.: l 癪を患うこともあったせいか、稽古にも熱心ではなくて
! .l:.:.:. }.ー‐ト7ヽ: | N∨j |:| ', / }:/ | 7 /ト‐- ,' 本ばかり読んでいたらしいの。
l |:.:.:. l |:.:./ j ヽ.{ __从 リ l: / 〃 j |/リi:. /
l |:.:.:.:. | fり. _ -=≠==r` }/ ‐_,ニ、_ j / だから、『玉栄拾遺』でも、
. ', |:.:.:. :. ヽヽ. ー'  ̄ ` ノ ´  ̄ ヾ /〃 / 「幼少の頃は修行不足で未熟だった(大意)」と
i |:.:.i :.::. \\ ;;;;;;;; u .... / / / 書かれたりしているわけで、
| |:.:.|:.: ヘ ヽ ;;;;;/ /=イ_ そういう面からこの逸話を見ると、
| :l.: l.:.: {\\ ' <ィ‐´ / / これは「宗矩の逸話」としてだけではなく、
イ .:.:.:l: l.l:.:.: i 、 `ー--、 ー_- /!:.l.:.:. /./ 「宗冬の逸話」としても見ることができるわけです。
ノ.! .:.:.:.l:.|:L:.:. ヾへ イ /:.: / /
,' :l .::.:.:.| |:.へ X ` 、 ,....": | // / 「名人である父・宗矩に比して、未熟な不肖の倅・宗冬」
./ ,' :.:.:.:.:| !:.ヽ \ ヽ \ > 、 _ イ:.:.:.:.:. ソ /
ノ :.:.:.:.:.:リ.:..:.:\ \ \\____ _i__:.:.:.:.:/ / の逸話としてね。 - 21 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:24:03.92 ID:LvSGvawo
- フルボッコwwwwww
- 20 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:21:21.78 ID:eq0ZT9.0
- . __,
//,,______
でも、なんだか逸話でも ... \∨ ニニニ ,, __ `
酷い目にあうってのも気の毒だなあ…。 . /:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
...... /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
というか、そういう面で見ると、 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
武芸者の逸話と云うより、 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
反抗期の中高生みたいな話だね。 . /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::\;;:::::\::::::::\::\
...... i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::\ヽ::::::::\;::::\::::::::\`\
自分の境遇に不満を持って、 |:::/|:::/:::::/i |:::| i:::i, \:::\`\\;;:\ヾ:, ;:::ヽ
家業の稽古もせずに本ばかり読んで、 ..... |:::i.|:::i::::::/| .|:::|, \ヽー-tヒX `ii´,ヽ. i;:::i 丶
それでいて親に負けたら思わず愚痴るとか、. i:/ .i::|::::/)--土、 /フニ7' | /ノ::| ヽi
なんていうか、普通の若者っぽいよね、宗冬。 .i| ヽ::|ヘヾf`ヒ_ン ´ ̄ ./|\| `
...... | i::| ヘ , /i:::i
十兵衛なんかだと、子供の時の逸話でも .... `i. \ /|´i:|
...... 丶 、 - / | `
「片目をやられた際、次の攻撃に備え _ `>.、 / -―┴-- 、
咄嗟に無事な方の目を覆った」 ... i, ̄| ̄ ̄ /
...... .| | /
とかいって「如何にも剣豪」な感じなのに。 .. ) `フ , -―― L
// ̄/ ヽ `\
,,ィ===== 、
, ==ミゝメ== ,,__ ヽ
/ ,/ r '´ `´´  ̄ 丶㍉、
/ // 〃 , ヽ ヽ ヾ `ヾ、 そうね。
/ / /' 〃 イ ト', ', ヽ\\ ヾ 実際、この頃の宗冬は立場的に言えば、
! i 〃,イii ハ i ', ', ! ',ヽヽ ', 剣において自分より強い父と兄二人がいて、
! λ i/⊥山-イ 人i i'リ i ',',ヽヽ " そして将軍の側で働く者としても、
i , カ ',rtテ=ミi〃 /ソ_メ、i i !i !! ', 遥かに寵遇されている父と兄(友矩)がいるという、
i ヽi' パ:::。i 〃リ イ゚::i`〉 リ :レi i リ 常に自分より上の存在と比較される
i i ハヽ ヽ'',,´ 、 `''゚〃 /i i/ソ リ かなり劣等感を刺激されたであろう状況だったの。
! ! ハ ヽ ヽ ワ '''〃 // /ノノ
i ! i ハ、_ヾヾゝ ィ</ /〃イi ! そういう意味では、その劣等感故に
i ! !_〔  ̄Y´´ト、'´_ i i i ハ', 反抗的になったのでは、というのもおかしくないかもね。
iィ─rt' ´ >='´†ヾ=< `rt-ヘハ',
/´; i!ヾ く´ '´ `大' ' ,`>//i! ;, ヽヾ - 22 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:24:13.90 ID:eq0ZT9.0
- . , '::::::::::::::::::{ {/ / ` 、
∠'´::::::::::_::,::─-ヽ.v /..- _.......... \
. , '/:::::::/::::/:,:: :::... 、 ` 、 .... ',
//:::::::/: ::/:::/.:::::..... . \ \ ... ヘ
//::/: .:/::::::/:::::::...... .... `、 ヽ .....',
. //::/::: .::/:::::/:::::::: !..... { ..... ....!... `、 ..',
//:::,':::: .::/:::::/,'::::::::::i....... ! ...... ..|.... . ', ...i
,' }..::}::::: ::,':::::/ リ::::::/ |,..... {、`,...... i....... .. ', ',.',
| i..::!:::: :::}:::::,'/ }::::∧ |ヘ.... !ヘ!'、... !........ .. i i...!
| |..,',:::!..::::|:::::ト-|::::廴',i ',ヽ.. | __ト、 込、 .... .. i {!.|
…「ぼうふらの剣」じゃ | |.:|ト::|..::::!::::汀弐仆ミ、! ', ヾ{ ´≠,=心、}...... .. | ハ.!
凄かったのにねえ。 . ',ヘi|:、:i.::::ィ:_!{ kぇィV 仟,壬:} l〉!.... . ハ ,}/
|{:!',|::::、!}`rゝ- ´ 弋__ツ. / !.... / }/,'´
/...',..',::::{:|} ! ',゚:::: , ::::。:::::/_,y... ,' ノ
. / .............,ヾ!} i ! t. /´|::i.../´ \
/.......\ / /| ' } ゝ、, - ,./ |/|/|,'-、_ \
/ ............./\/', 、丶ヽ \ ,イ:/ i i. ` 、 \ \
. {`` 、-/ /` ......\ ャ'..:´../ // \, ヘ `、
!. .( \ト´...........、 /\__ }斗´ /ト、 ヘ ', }
',... . ヽ( \...........',/::::::r-}二二_ ,' // \ ', ',/
〉... . | `!、 \',. /: : :::} `t、_,≠´::,'´ : : : ヽ / }-/
. /,. . } } `、`、{: : ry,_ /:: : :/ . : : . ', /_z-メ,}/
⌒ヽ〉
. -―‐- . まあ、あれはホラ、
/ \ 隆慶先生の俺補正が掛かってるから、
./ ハVV∨VVlハ. `、 ☆ 期間限定のブーストですよ。
,′ / ・ ・ ', i 柳生力(やぎゅう・ちから)限定解除ですよ。
{ i i ワ i |
Vl ヽ , rゥ. 尤も、宗冬については
/\__> ,.イ// l まだこれから先、色々あったりするのですけど
/, ..:::::>‐--‐<〆/ ヽ 今は、この逸話にあるように
ノイ ..:::〈 ̄{二口二}./::::.. \
|:::::i:::〉/:| <,ノL> |::::::::::ヽ::::\_> 「この頃の宗冬は、十兵衛とは別の意味で
|:::::l:〈〈:::j 〈::::l:::::::l\:::| 宗矩の悩みの種だった」
.\ハ:::>' ∨:::l:::| iノ
/ Vノノ ということだけ
.〈 ヽ 覚えておいてもらえれば、それで構いませんわ。
`‐ァァ========ァァ'′
...........__(/____〈/__...............
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: - 23 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:26:03.47 ID:LvSGvawo
- 限定解除ww
- 26 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:30:01.52 ID:bFLpfmYo
- かわいそうすぎるww
- 24 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:27:14.23 ID:eq0ZT9.0
- //_
/.,〃 _ 二ニ=-
,...-‐:.'!:l//ー-..、
(…急に頭身変わった…!?) ... /.:.:.:.:.:.:.:.`':.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ て
今後の展開待ち、ってことだね。 ./:./:/:.:..:.:.:.:,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.ヽ そ
!:/:./:.:.〃:/l:.ハ:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.:i
…あ、そういえばひとつ気になったんだけど、... .!:i.:.l -、.l:/ l:.l .!.:l、:.!:.:.l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.!
宗冬って、よく「又十郎宗冬」って呼ばれるけど、 レハ:/ ォミ ヾーヽ!--、 !:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:l
ここじゃ「主膳」って呼ばれてるよね? . !.ヽ! ヒソ ィ= 、 !!:.:.j:.:.:.:.:.:i
l "", .ヒ ソ .リ!:.ハ:.:.:.ル'
これってどういうこと? ヽ、 , """u..,イレノレ"
.r '二)、 ヽ` _ . ' ヽ./: :``ヽ、
l  ̄┐  ̄ .! / : : : : : : :ヽ
.j .iン ., - '"〃! 〃: :/: : : : : _:.ヽ
_
〃⌒ヾ
/  ̄/ ̄ `ヽ あ、これ?
__ / ハ (( ノj ) い どうも「又十郎」は幼名だったみたいで、
〃 ヽ! ! . . レ ! 成人してからの宗冬は、
{ ノ| !(こ) ヽァ に). | 「主膳宗冬」または「内膳正俊矩」と
`ーヾn ', ハ ノ│ 名乗っていたみたいなの。
/^ヽK、> __ < ノ (ただ、主膳と内膳のどちらを
. /: : : Y´ヽ: :/ イ: :| ! どの時期に名乗っていたかは不明)
ゝ: ___:ノ  ̄ ̄ ̄`!ヽヽ
ノi! ├───‐| ヽゝ○ だからここでは、その呼称に従って、
リ |: : : : : : : : | ノう/ 今後「主膳」と呼ぶことにしますね。
. ヽ|: : : : : : : : |ノル"
l_____ノ " (わーいらくちーん♪)
(_ノ (_ノ - 25 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:29:45.17 ID:eq0ZT9.0
- ... _,,.-'',r'" ̄ ゛゛''‐,,_
γ" / ヽ'-、
/ i i ヽ
/ .i i |
/__,,.,.,..i-―--- ..,,_ |
_,,.-''"::::::::::::::ヽ、 ゛゛''r''r‐r‐-.、
了解! ,.-ニニ,.:::::::::: ::_,::::::::::ニ>.,,___,,..-‐'|./ ヘ
... "7::::::r''"-ir'"く(りリト, i/ //ヾ!ヘヽ.., ヘ
それじゃ最後の一つ、 .''/_;;;::ヽ__ ¨´ (り》/i|!'|!ヽ .〉、
「家光からの手紙」についてなんだけど… " /"'イ::|ヽ , / \〉 .i' .\
本編じゃ手紙を意訳したから、 ..... "| \ `‐-- .ノ' ./ ./ ゛'‐.、
こっちでは原文を公開するよ。 _,,..-‐く ゛'‐..,__,,.-''". _,,../ /ヾ_ ノ
... / \ ト-――‐‐'" / ./::::, /
少し長いけど、意訳文もつけるから ...... /::: ,r'"” ゛'‐..,,_):::::::::> ../ /:::::::i-‐'"
大体の感じを掴んで貰えたらいいな。 . i:::::::: ,':::::彡 .二゛''‐..,,_ 〈::::::::/ /::::::: |
i::::::::::i:::::/:::::: ゛' z_/ /::/:::: |
(意訳は>>1の解釈なので、 .:,:::::::::',/ //::: / ./::/:::: ',
これ訳が違ってるよ、とかあれば .',:::::::::)彡::::::::::::::::::::::::/ ./::/::: _,,.:::ゝ
ご指摘頂けると幸いです) .', i::::::::::::::::::::::: :./''''‐- ...,,__/_,,.-''".
`、::::::::::::\ ./ / ', i
(彡/:::::::::::\ i / i ',', .|
`、 /:::::::::::::ト-" ' ' ',,, ',', | - 27 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:31:12.34 ID:eq0ZT9.0
- 『一 へいほうをなぐさみ、遊さんにつかう事なし。
但馬へいほうを一しんのすわりところ、よくゑとくし、兵法じゆうにするところを見つけたるゆへ、
此きんねんしうしんをふかく入りてけいこする事。』
意訳(余(家光)は、兵法(剣術)を慰みや遊びでやっているのではない。
お前(宗矩)が兵法を心の据わり所として、よく会得し、これを自由に使うのを見ていたので、
近年から熱心に稽古している)
『一 兵法のき、おろそかにおもひ、けいこするやうに但馬思うこともあるべきと思ひ、
此書付をつかひ見せ候事。』
,. ‐:,.=―
意訳(兵法について、余が稽古を疎かにしていると、 /: :/ ___
お前が思っているかもしれないので、 ヽ::/ /: / ̄ ̄`
これを書いて見せるのだ) __ヾv'∠____
/: : : : : : : : : : : : : : `ヽ、
/ : : : : : /: : : : : : : : : : : : : \
/: : /: :. :.}:ハ: : : :ト、: : : : : : :. :. : \
/:. : :./ : : /ノ'\Vト、:| X´i|\ : : : : :ヽゝ
jヘ/: :i_\r‐--、 r---、ヽi : :ヽハ
/: :{ヘ|/ {:::::::::::i {::::::::::::i i\:j: :j
. i: : ハ i `ー'''’ `ー‐''’ .|´ }ト、|
. |ノ从⊂⊃ _ノ\_ ⊂⊃'|
\>、 r‐、 { ノ . イ/`i
` { }ー__r‐、,<ノ´/'
`Y´:::::::::ヽ>‐、
/ ̄ ̄ ̄ヽ-’
r' ̄ ̄ ̄ ̄\
/::::::::::::::::::::::::::::::〉
ト、_/ ̄ ̄`|、_/
`´ `´ - 28 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:34:26.27 ID:eq0ZT9.0
- 『一 上下によらず、さふらいハ、一しんのすわる所をゑとくするより外の事ハなきとおもふ故に、
ふかくしうしんに思ひ、朝夕わすれず心にかくるといへども、心持いたらぬ故か、
じゆうにならざる事。』
意訳(身分の上下によらず、武士にとって心の据わり所を会得することは
大切なことだと思う故に、兵法に深く執心し、
朝夕忘れず心がけているのだが、まだ未熟なせいか、どうも自由にならない)
『一 下々の弟子の心もちとちがふべし、但馬兵法をばしんじつよりしうしんに思ふ故に、
ふだん心にたゆることなし、それによりせがれの時よりもたじま儀はいまにねんごろにすること。』
意訳(下々の弟子たちと余は違う。お前の兵法を真実大切に思っているからこそ
普段から忘れずに心がけているのだ。
だから、倅(十兵衛)がいた時よりも、お前を大切に扱っているのだ)
『一 へいほうの儀、まへにてよきとばかりほめ、しんじつ兵法をよきやうにおそへざる事、
但馬心中には、にやはざる事と思ふ。つねのものなりとも、しうしんによりおしへべきに、
これほどしうしんの所にしんじつよりよきやうにしたてず、とうざばかり教へ候事、
たじまにはには、にやわざる事とおも夫ふ事。』
意訳(兵法の稽古の時、前から「よろしゅうございます」とばかり褒め、 /
本当に兵法をちゃんと教えてくれないのは、お前らしくもない。 //_ -‐
他の者でも、熱心にやっている奴にはちゃんと教えているのに < /| ,_ ´
これほど一生懸命やっている余にちゃんと教えず、 _ -.:´ ̄:::.  ̄ ` ヽ 、
適当な教授をするのは、お前らしくないと思う) /.:,;:: ハ:::. ,:.. ::.. ヽ、
/ '7/: 〃ノ|:.l i::.. l:::. ::.. .. :;::\
〈./::/ レ' |:| i:::. l:::. |::: ::. ヽ\\
〆,\ リ-弋:. ll:::. |:: l:::.. 〈::.,ゝ
_ /( ) ( ) \ハ:::. l::: |\:. 〈
\弋~ 、_,、_, ~~ ノノV\::ト、.\i
\` 、 _ i<_ノV人ゝ;,.\
〉' >ー‐<.\
/ ̄/‐- ヽ\\
/ ̄ナー- _7 ーくつ
〈_j'__ \〈
ヽーt‐- ̄=)
`、_ri _リ|
ト-┤\___|
と._j \j - 29 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:37:55.23 ID:eq0ZT9.0
- 『一 此きんねん、しょもつ、せいしあけ候事、其上ならいを一ぺんはのこさず申上候所満足の故に、
つねづねねんごろ、しょ大夫にまでする也。されどもならひにねんの入おそへざる故に、
兵法なりがたし。此上しんじつにためを思ひ、ようにたたぬとおもはば、へいほう、
ねんの入りたるやうにおしへば、まんぞくすべし、兵法をなみにつかひてはゑきなし、
しんのすわり、わがままにせねば、やくにたたずとおもふ事、此上へいほうよくせんも、
いまのむきにておかんも但馬ふんべつしだいたるべし。思ふ所は一ツがきにてゆいきかせ候。
此うへにても、へいほう申しあけぬについてはたしましんしうのとほり、やうにもたつましきと
思ひ候。是程兵法しうしんの所を但馬よくしり、其上にてもなりしだいとおもはば、
いままでのねんごろも水になるとおもふべし。此一ツ書之通をゑとくし、ためを思ひ、
しんしつにへいほう、ねんを入申あくるにおいては、たじま儀はゆふにおよばづ、
左門其ほかの子供まて但馬はてたるのちにも、しょさいすべからず。
され共子とも、ふかくこならば、格別たるべし。
六月六日 家光(花押)
柳生但馬守』
意訳(近年、伝書や誓紙をくれ、柳生新陰流の技も全て伝授してくれたので、
それが嬉しかったから、常々目をかけ、諸大夫にまでしてやったのだ。
しかし、お前の教え方がよくないせいか、どうも兵法が上達しないのだ。
今の通り一遍の修行のままでは満足できないし、兵法の腕が上がらないのでは意味もない。
兵法をちゃんと使いこなせるようにならねば役に立たないのだ。
この先、余の兵法が上達するか、今のままかは但馬の考え次第である。
そう思ったから、こうしてお前に伝えたのだ。
これを読んだ上で、まだ兵法をちゃんと教えないのなら、お前は役立たずである。
これほど熱心に稽古している余のことを知った上で、なお今まで通りにするなら、
今まで大切にしてやったことは全てなかったことになると思え。
しかし、この書にある余の思いを知り、真実に心を込めて兵法を教えてくれるなら、
お前は言うに及ばず、左門や他の子供も、お前が死んだ後も大切にしてやるぞ。
まあ、子供の行状が悪ければ、また話は別だが。
6月6日 家光より /i /
柳生但馬守へ) -‐ {// ─ 、
/ /"`ヽ ヽ 、 ゝ
//, '/ヘ\ヽ ハ 、 ヘ
!'/_{/ノ丶丶ハヽヽ| l ハ
',小l● ● 从 N
l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ ノレ'
/⌒ヽ_ ヽ ゝ._) j ./⌒i!
\/:::::\ >,、 __, イァ/`'-/
. \ ′"/ヽ_・||・_/ヽ、_∧
ヽ /----||-- ゞ::: 〃 - 31 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:42:34.81 ID:ZrCSnP.o
- びっくりするほど真がかわいいんだけど
- 30 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:41:21.09 ID:eq0ZT9.0
- ... _
/´ ̄,. -‐  ̄ ‐ _
〈 ( / ` 、
y'´ `丶、` 、_ヽ
ええと…その、紹介しておいてなんだけど、 .,.イ、 ` 、 ヽ. ` 、 ` 、 \`
…これなんていう脅迫? .... { ハヽ丶 \ \ 丶 \`ヽ
... V ト、ヽ.\ 丶 丶 、 \ ヽ .._ヽ
1:「俺の剣の腕が上がらない」 . ヾヘ メ>,` ‐-i|`丶、ヽ\ ヽ 、 \ `
↓ ..... ) リノ u `'ノ、 、 ヽ、\ゝ ._\
2:「お前の教え方が悪いからだ!」 〈 ''" \,ゝ、>ヽ!  ̄
↓ ..... \ィァ _,. -‐─‐-,
3:「今回はチャンスはやるけど、 ` ‐-‐ク´ __/
俺の腕が上がらなかったらお前クビな」 . くヘィ-‐_,ニ -‐-ヘ
..... ,.ィ{人」ィ'´.;. -‐ ニハ
ってことだよね、これ。 .. /ノノ/;. ´ j !
なんという嫌三段論法…! /´/;/ / ハi|
// /.;∠ -‐ ´ ,. ' ノ!
.イ { /'´ / ノ
, ´ ̄ ̄ ̄ 丶、,.'⌒ヽ
./ ヽ⌒ヽ.
/ i /从从)
| | | .lリ …まあ、確かにとんだ災難なんですけど…
| (`l l | これについては、ある意味、宗矩の
l |`l l. |
| L_ll,n_,ノ 「自業自得」
! |`) 口
! | !lト、゙リ と言えなくもないのですわー。
!! !,! .ノ从リ l `´
ヾH|´´´ |
ιl !
´゙゙i゙゙l゙゙゙i゙゙l゙`
.ヒ!. ヒ!. - 32 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:43:33.69 ID:eq0ZT9.0
- .. ヾ:(:! _,..:':"´:.:.:.:.`ヽ、
`>:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:、:.ヽ、
./:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ、:.:.:ヽ:.ヽ、
l:.i:.:!:lヾ,ィ 、ヽ:.:.i、:.:iヽ、:.lヾ!`
「自業自得」って…どういうこと? !:ハヾl/ォ‐、 ヽ!:.:!ヽ:.:.:.:`ヽ
.リ ノ .!ソ リ -':.:.:.、ゞ``
,>、 _ リー--、_
/! /ヽ、 / i:::::l ̄`ヽ、
/ i / l´l:`lヽ l:::::l ヽ
/:/ / l l::::l !:::::i !
⌒ヽ〉
. -―‐- .
/ \ はい。
./ ハVV∨VVlハ. `、 ☆ どういうことかと言いますと、まず、この時期、
,′ / ・ ・ ', i 将軍が実戦で剣を振るうことなどまずなくて、
{ i i ワ i | 周囲も将軍が剣を学ぶ必要があると
Vl ヽ , rゥ. 考えてはいなかった…つまり、
/\__> ,.イ// l
/, ..:::::>‐--‐<〆/ ヽ 「将軍に剣術は無用」
ノイ ..:::〈 ̄{二口二}./::::.. \
|:::::i:::〉/:| <,ノL> |::::::::::ヽ::::\_> というのが当時の認識だった、というのは
|:::::l:〈〈:::j 〈::::l:::::::l\:::| 前にも書いた通りですね?
.\ハ:::>' ∨:::l:::| iノ
/ Vノノ
.〈 ヽ
`‐ァァ========ァァ'′
...........__(/____〈/__...............
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: - 33 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:44:50.79 ID:eq0ZT9.0
- ____
l´:七,´‐― - 、
ヤ::l/:/ ̄ ̄ `
, -―-ヽ|/´ ̄..`..ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....' ,
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. / : : : : : :::: : : : : : : : \:::::::::::::::、ヽ
/::::::/::::::::::::/|:/l:::::ハマヽ;、\:\:::::ヽ',
,'::::::/:::::::::::/ |l ',::| ヽヽ|_⊥|_|、l::::l::l
まあ、確かに、普通に考えたら、 l::i::::l:::::::ハ::l,-┼-ヽl ´.ィ-c、 `lカ::l:::|
戦の起こらない世の中じゃ、 ..... l::l::::レ::::l: :`,-,‐o、 ´:辷;j. ! lル'!Xl
将軍が剣術を修める必要はないよね。 l:::l:::ヽ::l: : l .辷;j , l /:l|
ヤ::l:|::l `. : : l'Vソ
`マl|ハヽ_、: . , - 、 _ ./リ
` ヽ!::lヽ: . `ー/ ,__,`ゝ
l/ヽ!゙、ュ :_ . ./ -',.-_'ュ_
l〈`l ´,.ィ l
l. ヤ! !- '
/ __l .}`\,_
, -‐七´:l /二二 ヽ/ /:::::|`ー― 、
' l::::::ヽ/ \〉 ./:::::::l . \
l /:::::::/:. //::::::::::', \
そう、実際、初代将軍たる家康自身が、
「大将は自ら戦う必要などない。
,ィ __ まず危機を避けることが肝要なのだ」
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 男◇女 ノ という主義でしたし、
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ ( その家康が石舟斎を激賞したのも、
/o O / /(((リ从 リノ)) lo ',ヽ ( 子◇ 装 } 「無刀取り」という「護身に徹した剣」が
\___/. l . ヽノ .V ∧ `⌒/7へ‐´ 家康の思想に合致したからですし。
/ ,イ l /// ///l ~T--‐彡 /./
/ ̄ ̄l. l ヽ_フ ノ'l l:::::::::::彡ー7⌒つ、 だからこそ、今回の家光の手紙には、
彡:::::::::::l ヽ / | l:::::::::::::ミ {,_.イニノ 重要なポイントがあるのです。 - 34 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:47:05.79 ID:eq0ZT9.0
- ヾ:(:! _,..:':"´:.:.:.:.`ヽ、
`>:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:、:.:.:.:、:.ヽ、
というと? ./:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:ヽ、:.:.:ヽ:.ヽ、
l:.i:.:!:lヾ,ィ 、ヽ:.:.i、:.:iヽ、:.lヾ!`
!:ハヾl/ォ‐、 ヽ!:.:!ヽ:.:.:.:`ヽ
.リ ノ .!ソ リ -':.:.:.、ゞ``
,>、 _ リー--、_
/! /ヽ、 / i:::::l ̄`ヽ、
/ i / l´l:`lヽ l:::::l ヽ
/:/ / l l::::l !:::::i !
〃´⌒ヽ
. , -―― メ/_´⌒ヽ
/ / ̄ ´ヽ ヽ この手紙の中で、家光は
. / , /// ト. ! 、 丶ヽ
l / /(((リ从 リノ)) ' 「身分の上下を問わず、武士にとって
| i l . ヽノ .V l 心の据わり所を得る(ために兵法を修める)ことは
l ,=! l /// ///l l 大切なことだ」
l ヾ! ', l ヽ_フ l l
| ヽヽヽ // と言ってるでしょう?
l ヾ≧ , __ , イ〃 つまり、家光にとって兵法…即ち剣術は、
⊂二二二`)l {ニ0ニ}、 |二二二⊃
li / └ タl」 『身分を問わず、「武士」が修めるべき術』
リヽ/ | /
( ヽノ という認識になっていた、ということですわ。
ノ>ノ
三 レレ - 35 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:48:53.31 ID:eq0ZT9.0
- . ___
./:::::::/`ヽ
{:::::::::/__
ゝ .〈/:::/ ̄¨`ヽ.
,. ´ ̄ ̄ `¨` ヽ
/:. :.:.:.|: : : /i: : :.、.: : : :\ て
/:. :. : /i.:.:.:/ .|.:.:.:.:|: : : : : :.\ そ
//: :ヘ:/ |:.:/ L__斗: : : : : : : :ヽ
/' /: //>r、_,,l: ト,=≦r、: | ト、: : : : : : : ',
//}{ //・リ レ' //・リ ∨:.|: }: : : : : : : :i
あ…! ./' / { { / { / ト、j: l: :.|: : ト、: :|
/ `´ `´ ´ j∧: l: :..l Ⅵ
{ , ‐、 Vト、_l
r‐、 \ {__} <」
l { > 、 ____ <ノ「\j
{_ ',__r'7 {{ ̄} 〉‐┴「
/⌒ヽ / / }} 〃 ,ィ{{
.{ __ノ/ / 〃 | .l ヾ
\__ { / ‐┿‐┤ }}
.レ⌒i 〃.‐─┼‐┤ i|
〃´⌒ヽ
. , -―― メ/_´⌒ヽ この思想は、明らかに家康のそれと違うますね?
/ / ̄ ´ヽ ヽ そして、同世代の戦国時代の武将たちにしても
. / , /// ト. ! 、 丶ヽ 剣術を重視した者は少数派だったわけですし、
l / /(((リ从 リノ)) ' そのことから考えると、
| i l . ヽノ .V l
l ,=! l /// ///l l 『武士にとって兵法(剣術)は大切なこと』
l ヾ! ', l ヽ_フ l l
| ヽヽヽ // という家光のこの認識は、明らかにおかしいの。
l ヾ≧ , __ , イ〃
li (´`)l {ニ0ニ}、 |_"____ 武士にとって剣が特別なものでなかったのと同じく、
li /l, l└ タl」/l´ `l 剣術もまた、あくまで「様々な武芸の一つ」に過ぎず、
リヽ/ l l__ ./ |_________| 武士云々というような術ではなかったのですから。
,/ L__[]っ / / - 36 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:51:05.35 ID:eq0ZT9.0
- ::::::::/ ヽ、 :: ::: ::: ::::::::::::::: 特に「二世権現」を自認するほど
:::::/ lハ ::: : :: :::::::::: ::::::::::: 家康に傾倒していた家光が、
::::l l /ノリ ::: : :: ::::::::::: ::::::::: どうしてこれほど剣術を重視して、
:::| /) / ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::: その腕前が上がらないことを
::l /イ/| . :. :. .:: : :: :: :::::::: : :::: ここまで悔しがるようになったと思います?
/ / ||/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7l:::::::::
i /_,/i!/ ◎ ◎ / l:::::::: …「誰かさん」が、
l 人 / く / /::::::: 家光をとことん剣術にハマらせて、
l / /⌒ヽ / /::::::::::: そういう価値観に染めたからじゃないでしょうか?
l /il | ) 皿 / /:::::::::::::
ll l i! `ー、\___ / n/::::::::::::::::
lヽ l |\. \ /⌒〉::::::::::::::::
... _
/´ ̄,. -‐  ̄ ‐ _
〈 ( / ` 、
y'´ `丶、` 、_ヽ
.,.イ、 ` 、 ヽ. ` 、 ` 、 \`
{ ハヽ丶 \ \ 丶 \`ヽ
V ト、ヽ.\ 丶 丶 、 \ ヽ .._ヽ
あー…わかった。 . ヾヘ メ>,` ‐-i|`丶、ヽ\ ヽ 、 \ `
だから宗矩の「自業自得」なのか。 ) リノ u `'ノ、 、 ヽ、\ゝ ._\
〈 ''" \,ゝ、>ヽ!  ̄
\ィァ _,. -‐─‐-,
` ‐-‐ク´ __/
くヘィ-‐_,ニ -‐-ヘ
,.ィ{人」ィ'´.;. -‐ ニハ
/ノノ/;. ´ j !
/´/;/ / ハi|
// /.;∠ -‐ ´ ,. ' ノ!
.イ { /'´ / ノ - 37 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:51:47.05 ID:Ro.cZmgo
- つまりガチホモを洗脳しきった点では大成功なんだけど、
惜しむらく本人が「効果ないじゃん」となると、
宗リンのはったりそのものが瓦解するという二律背反。 - 38 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:52:44.82 ID:bFLpfmYo
- なるほどなー
- 40 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 00:55:15.22 ID:ZrCSnP.o
- この時点ですでに洗脳というかすり替えというか価値観の転換に成功してたんか
やるなむねりん - 39 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:53:18.45 ID:eq0ZT9.0
- /'⌒`ヽ、 ___
ン=ヽ~イ _ `ヽ,-、 そういうことです。
〃 `´ ヽ ("R") 状況的に考えても、
./ // / 、 ヽ ゝt" 家光にこの価値観を埋め込んだのは、
/ 〃((从 リノ))ハ 、 ', .まず間違いなく宗矩でしょうね。
| l . ヽノ . l i |
| ⊂⊃ ⊂⊃ i l そのおかげで、家光は歴代将軍の中でも
! ! = リ リ 一ニを争う剣術好きの将軍になって、
ヽ ', 〃 イ , 宗矩も諸大夫に出世できたわけですけど、
,メ、 ヽ、 ___ ∠/ | . やりすぎたせいで、変な反動が出た、というのが
` 7゙} ,ゝ "7ヽ l 今回の一件なわけです。
/ミ//,、_,、 |!、 ヽ ! .
l l (・ー・) l l |
ヽ ニニ⊃⊂ニニノ ,リ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_, -‐:  ̄ ̄: : : 丶
,,.-、~: : : : : : : : : : : : : : : ::ヽ、
彡二ミ: : : : : : : : : : : : : ::////ヽ
〆/⌒: : : : : : : : : : : : : ::////// ヘ
./: : : : : : : : : : : : : : : : ://///// .ヘ
なるほどねえ…。 ..i: : : : : : : : : : : : : : : : :///////: : ::ヘ
i: : : : : : : : : : |\: : :ヘ: : : i///: ヘへ_ヘ
『気になってた娘に色々アタックして、 .... | .i!: : /|: ∧: ::| \: : :ヘ: :|ヘ: : : : :|
付き合える様になって、リア充まっしぐら! |/'|: :/ |/ \|,'"'"ヽ,: :jヽ|_ノ: : | ̄
…とか思ってたら、嫉妬が強すぎて . ', i ⊂> <つ " >、\|
途方に暮れてます」 ...... ', /ヘ
>'.‐‐⇔--‐/ /ヘ ヽ
みたいなものか。 〈γ⌒ / ⌒ / | ∧ ',
< ヽ .| ノ < ./ ', ',
…なんだか生々しいなあ。 .. |ヾヘ |/_,,..-‐'"i | i
.| >"r'" | | .|
「NiceBort」って単語が .| |∂~ .__| | |
頭に浮かぶのは気のせい? / ̄/~| .| \ "', .|, .|
ねえ気のせい? .-‐'"-‐.ソ | ', | ',|
ノ 入 | ! ヽ
~| / ∧ ヽ >‐--、
∨uux' _,.>、 / ̄\ / /
~~~ \/ - 41 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:57:30.83 ID:eq0ZT9.0
- (スルーして)
ちなみに、この家光への刷り込みに際して、
宗矩の動機として考えられるのは、
・柳生家の存続/繁栄
・太平の世での剣術(新陰流)の存続/繁栄
, -f‐_、 __ /ヽ
, -┼tァ=メンー―`、∧ | この二つだと思われます。
/ / //´ ヽ、ヾ ヽヽ
/ ,/从 !ノノリヽ ヘ', まあ、宗矩からすれば、
l ,/ . ヽリノ . ', !l 自分の家と、自分の家業ですからね。
li ! リ !l 「太平の世だからお前らイラネ」とかいわれたら
li ! ''' - '''' /' ハl .たまらないでしょうし、生き残りのためにも、
ヾハ イ 〃 .l
ヾ`ゞ _ ≦ イ〃 | ,.-、 「兵法…なかでも剣術は武士が修めるべきものでございます。
トゝ{ニOニ(ノハ | ! il l l`J 神君様もかつて新当流や新陰流を学び、
|i iく_ハ,,/ rイ ! l ilノノ また我が父石舟斎の無刀取りを激賞して云々」
_リ _!ノ ...../ /::::lリ l ハ'
<( <ニ>:::ス、_ハヘヽ とか言ったりしたんじゃないでしょうか?
'-' ̄ ̄'-' ̄ ̄"
. /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/:.;ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
/ ,.ィ:.:.,r‐y:.:.:.:.:.:フ ‐- 、/:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
.//./:.:.:! /:./r‐,-,..、 /:..:.〃:/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
!:.;イ:! lイ /ー':::::〉// /イ lヽ/!:.:.:.:l:.:.:l
あー、いかにも宗矩なら . l:./ !:.`ー、 ヽ、:ノ , = レ_ ヽ:.:.:.i:.:.i
言いそうだよねえ…。 . !:.:ハ:.ハ /-':/ .//:.:.:/:./
いや、実際どうだかは知らないけど。 ∨r- ノヽ ' `ー' ,/イ:.:.,.イ:/ _
,r'"´ ̄ \ /r、 `ヾヽ、` - _.ノ // 〃 //
./: : : :r'" ̄ \ `! lヽ‐=、´ //
. /: : : : :! 、 ヽ l「 .l_/:`ヽ、 r///´`ヽ
. !: : : : : l 、ヽ \.ヾ! > '"´ ヽ:ヽ i// _, -.、L
!: : : : : :! ヾ, -──-`.lヒ´_ ./ ヽ:ヽ く`' 〉'" 〉
ヽ : : : : l 〈 __ヾ `ヽ、l´ .l: : ! r'/l`ーf´ ̄ .l - 42 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 00:59:07.20 ID:eq0ZT9.0
- , -―‐ 、 __
, -―‐ァ=メンー―`、ヽ でも、ここで宗矩が
/ / //´ ヽ、ヾ ヽヽ 家光にこういう価値観を刷り込まなかったら、
/ ,/从 !ノノリヽ ヘ', 果たしてこの後、剣術が、
l ,/ . ヽリノ . ', !l
li !`''' `''' リ !l 「武士たる者が修めるべき術=表芸」
li ! /' ハl
ヾハ; ; . . ; ; イ 〃 .l とまで呼ばれるものになっていたかどうか
ヾ`ゞ ,_ ; ; ≦ イ〃 | ちょっと怪しいのですわ。
トゝ{ニOニ(ノハ | ! il
|i iく_ハ,,/ rイ ! l il
_リ _!ノ ...../ /::::lリ l ハ、
<( <ニ>:::ス、_ハヘヽ
'-' ̄ ̄'-' ̄ ̄" ...... __,
//,,______
\∨ ニニニ ,, __ `
/:::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ て
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ て
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
なんで? . /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::\
だって、この時期、剣術は /::::::/::::,:::::::/i::::.:::::::::::::,;::::::::::\;;:::::\::::::::\::\
様々な流派があって、 .i::::::/::::/::::::/ |:::i´i:::iヽ::::\ヽ::::::::\;::::\::::::::\`\
かなり盛り上がっていたんでしょ? |:::/|:::/:::::/i |:::| i:::i, \:::\`\\;;:\ヾ:, ;:::ヽ
......|:::i.|:::i::::::/| .|:::|, \ヽー-tヒX `ii´,ヽ. i;:::i 丶
家光一人が嫌いになったって、 i:/ .i::|::::/)--土、 /フニ7' | /ノ::| ヽi
それほど影響はなかったんじゃないかなあ。 .i| ヽ::|ヘヾf`ヒ_ン ´ ̄ ./|\| `
| i::| ヘ , u /i:::i
(…あれ?なんだか変な…ひげ?) `i. \ /|´i:|
丶 、 - / | `
_ `>.、 / -―┴-- 、
i, ̄| ̄ ̄ /
.| | /
) `フ , -―― L
// ̄/ ヽ `\ - 43 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:01:48.65 ID:eq0ZT9.0
- (…やばッ!)
/ {∧ /|斗┤ /:,,__|/ヽ ト、 \、 ヽ \ \ やっている者が多いことと、
./ /::::ヽ/:::::::::::|/:::::::::::::`ヽ}/:::::\} } l ヽ ヽ ステータス…つまり「格」が高いのはまた別の話ですね。
,'::::《 )》::::::::::::::::::::::::::::::::::::《( 》: 从 | ', ',
∨:::::::: ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄::::::::::} | l l これ以前の武士の「表芸」といえば、
:::::::::::::::::::::. ::::::::::::::::::::::::::| / | | まず、「弓馬」…即ち「弓術」と「馬術」、
:::::::::::::: -───-、 ::::::::::::::::::!/l | | そして槍があって、その下に剣、というのが
/───ー┤ :::::::::::::〃 | | | 概ねのところだったのです。
/ / | / ,' ト、 | 実際、武家諸法度にも
=== 、/ /. | ヽ / / ∧ }|
 ̄` \{ | , ' / ,イ / ノ.| 「文武弓馬の道、専ら相嗜むべき事」
\\. | ' ' , //〃 厶 ′ |
\\. ! , ,' 、 、/ / | | とあるわけですし。
\\.__} ′、 イ ハ l l
ヽ ', ' ' 〃ヽ // ,' l l l だからこの頃の剣術というのは、
} }′ 、{l _}く|/ / | l l まだ「武士の表芸」と言うには「格」が低い状況にあったのです。
l├─ーく{´ ヽ / | l l これは普及度や実用性とはまったく違う次元の話なの。 - 44 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:02:42.85 ID:eq0ZT9.0
- . , '::::::::::::::::::{ {/ / ` 、
∠'´::::::::::_::,::─-ヽ.v /..- _.......... \
. , '/:::::::/::::/:,:: :::... 、 ` 、 .... ',
//:::::::/: ::/:::/.:::::..... . \ \ ... ヘ
//::/: .:/::::::/:::::::...... .... `、 ヽ .....',
. //::/::: .::/:::::/:::::::: !..... { ..... ....!... `、 ..',
//:::,':::: .::/:::::/,'::::::::::i....... ! ...... ..|.... . ', ...i
,' }..::}::::: ::,':::::/ リ::::::/ |,..... {、`,...... i....... .. ', ',.',
あー、 .. | i..::!:::: :::}:::::,'/ }::::∧ |ヘ.... !ヘ!'、... !........ .. i i...!
カレーやラーメンはみんな食べてるし美味しいけど、 | |..,',:::!..::::|:::::ト-|::::廴',i ',ヽ.. | __ト、 込、 .... .. i {!.|
じゃあ高級料理なのか?というと、 .. | |.:|ト::|..::::!::::汀弐仆ミ、! ', ヾ{ ´≠,=心、}...... .. | ハ.!
それはちょっと違う、というのと同じようなものか…。. ',ヘi|:、:i.::::ィ:_!{ kぇィV 仟,壬:} l〉!.... . ハ ,}/
|{:!',|::::、!}`rゝ- ´ 弋__ツ. / !.... / }/,'´
(…見なかったことにしよう…) /...',..',::::{:|} ! ',゚:::: , ::::。:::::/_,y... ,' ノ
. / .............,ヾ!} i ! t. u ./´|::i.../´ \
/.......\ / /| ' } ゝ、, - ,./ |/|/|,'-、_ \
/ ............./\/', 、丶ヽ \ ,イ:/ i i. ` 、 \ \
. {`` 、-/ /` ......\ ャ'..:´../ // \, ヘ `、
!. .( \ト´...........、 /\__ }斗´ /ト、 ヘ ', }
',... . ヽ( \...........',/::::::r-}二二_ ,' // \ ', ',/
〉... . | `!、 \',. /: : :::} `t、_,≠´::,'´ : : : ヽ / }-/
. /,. . } } `、`、{: : ry,_ /:: : :/ . : : . ', /_z-メ,}/
ヽ\ i i...........`t_..// ̄,-、`ー-_≠:: : / . : : . : , 斗-´/´/ ||
! `!、. i ... ..........!'/ / ` ヽ-. ,': : : : : /ー'/´ / ||
',-メ、.`ト、 ..........// / {: :/: : : : : : : / /. ,' ! - 45 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:04:26.05 ID:eq0ZT9.0
- まあそんなところですわね。
そんな剣術が、
⌒ヽ〉
. -―‐- . 「身分を問わず、武士たるものが修めるべき術」
/ \
./ ハVV∨VVlハ. `、 ☆ と言われ、
,′ / ・ ・ ', i 「武士の表芸」として扱われるようになったのは、
{ i i ワ i | 「剣術好きの将軍家」の存在が
Vl ヽ , rゥ. 大きかったのではないか、と思われるのです。
/\__> ,.イ// l
/, ..:::::>‐--‐<〆/ ヽ そういう意味では、この時期は
ノイ ..:::〈 ̄{二口二}./::::.. \ 宗矩が「太平の世の剣」、つまり
|:::::i:::〉/:| <,ノL> |::::::::::ヽ::::\_>
|:::::l:〈〈:::j 〈::::l:::::::l\:::| 「”武士の表芸”としての剣術」
.\ハ:::>' ∨:::l:::| iノ
/ Vノノ を、確立しつつあった時期だと言えます。
.〈 ヽ 実際、わざわざ宗矩の弟子を自藩に招いて、
`‐ァァ========ァァ'′ 指南役にした大名家が出てきていますし。
...........__(/____〈/__............... それだけ剣術の「格」が上がってきつつあった、というわけですね。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
,ィ __
//イ/´
{ { /_
/⌒`´ ` 、
' , _ \
,. ‐- 、 / ' ! 、 `\ ,
なるほどねえ。 / j、ノ , /{ヘ ト、ヽ,> 、ヽ '
/ ,ム' i / />、` ´ィriぃ Yヘ、 ノ
_}>¬'´ヽ} |,ハハ{( {り じ' ' ,ノハ′
{ { 、_,>'ーイ Vヘ{N、 ' ハ,ゝ!
}|_」 0 _」 、 \ { ̄ノ /"′
`¨´「 ̄ i 〈 ` ,二 イレヘ
! ! } r-〈ソ-‐彡イ,ゝ、
! ', ├-‐──‐-yヘ::.;'::.:7´ /.:.:_.\
! 、 __ //`7¨´/.:/´ `ヽ
丶._ _ 二 ニ_ヽノ/ ,゚/ /.:.::/ }
 ̄ r'´ヽ }{ { ;/ /.::.:::{ ,/ - 46 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:06:09.36 ID:eq0ZT9.0
- ::::::::/ ヽ、 :: ::: ::: :::::::::::::::
:::::/ lハ ::: : :: :::::::::: ::::::::::: で、話は戻りますけど、
::::l l /ノリ ::: : :: ::::::::::: ::::::::: だからこそ、今回の出来事は、
:::| /) / ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::: 宗矩にとって、断固乗り越えなければならない壁だったのです。
::l /イ/| . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::
/ / ||/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7l::::::::: ここで失敗したら、
i /_,/i!/ ◎ ◎ / l:::::::: 今までの苦労が全て水の泡になる危険性すら
l 人 / く / /::::::: あったわけですからね。
l / /⌒ヽ / /::::::::::: それも、柳生家ごと。
l /il | ) 皿 / /:::::::::::::
ll l i! `ー、\___ / n/::::::::::::::::
lヽ l |\. \ /⌒〉::::::::::::::::
. ,.イ ,..-,. =-
(:.:i /:/_
ヽ:V:/ ´:.:.:.:.:``ヽ、
だよねえ。 ,..:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..ヽ
家光の性格だと、そのまま剣術自体やめちゃいそうだし。 . /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
…ついでに柳生家も潰しちゃいそうだよねえ。 . ./:.:;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.ヽ:.:.:.::.:.:.:.ヽ.:.:.ヽ
. !:.:.i:.:.:.l:.:.:.:i:.l:.:.ト:.:ヽ:.:ヽ:.:.ヽ:.:.:.ヽ:.:.:!
でも、どうやって解決するのかな? l:.:.:.!:.:.:.l:.:.:.ハ:!、:i ヽヽ >-‐-:ヽ:.:.:ヽ:.:!
家光の剣術の腕自体は、もう上げようがないんでしょ? .!:.:.l:.:.:.:ト:.:.レ- ,.r=ミ、 ヽ:.:.:.トl
根本的に稽古時間が(多分才能も)足りないわけだし。 .、:.:l:.:.:.:lX:.l,r.=ミ. '.!:::::::!.' l 〉::.:!
ヾト:.:.:.:l、 !(::::::j. ` ." i':.lレ'
ヽ:.:lヽ. ` ´ ._,`-r イル
二ゝ、 _ `-' /
r' ´ .\  ̄ lj )`ヽ、
.l ヽ、, -‐' ´ ヽ、》_, < .`ヽ
i `f: : : : : : :〃: : : :.\ / ! - 47 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:09:48.88 ID:eq0ZT9.0
- 〃´⌒ヽ
. , -―― メ/_´⌒ヽ
/ / ̄ ´ヽ ヽ
. / , /// ト. ! 、 丶ヽ そう。
l / /(((リ从 リノ)) ' そして、ここで宗矩が打った手こそが、
| i l . ヽノ .V l 柳生家の未来、そして、剣術に
l ,=! l /// ///l l 大きな変革をもたらすことになるのです。
l ヾ! ', l ヽ_フ l l
| ヽヽヽ // この「一手」によって剣術は、
l ヾ≧ , __ , イ〃 単なる「武芸」「武術」から、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ. 「武道」
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| | に変化したのですから。
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ そしてそれは、
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ___ 「柳生但馬守宗矩」という人物がいたからこそ
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l 起こり得た出来事だったのですよ。
__f゙// ̄ ̄ _ -' |___
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄
___`\ __ / _l - ̄ l___ / ヾヽ!:.l ____
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / .... ,..-ヾヽ!´:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、
_______l -ヾ ̄ l/ . /:.:.:..:.:.:`:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
. /:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽ
. l:.:/:.:.:i:.:.:.:.i:.ヽ:.:ヽ:.:.:ヽ:.ヽ:.:.:.:ヽ、
. !:.!:.:.__!、:.!:.lヽ_Lヽ-:.:.:.lヽ:ゝ:.:.,ゞ
. レリ:.:..,ォ、lヽ!´,ィ=t-、ヽl:.:.:.:.:、l`
.. ヽト、!ヒ! ヒリ_ r'´:´:`:ヽ
これはまた、大きく出たね…!. l、 ' "",i´: : : :))ノ`!
ヽ、´` ,{: : : : : :)ヽ: :)
r'´: : :` T´ {: : : : : :) ./: :)
,!: : : : :) lー 、 {: : : : : :} l ̄ヽ、
{: : : : : } l__ ヽ: : : : :) ,! ./ ヽ
/{: : : : : } |::::: ̄::;ゝ: : ノ. ヽl! ヽ
/(: : : : : ) !::::::::::/ ` ハ ヽ、__`-、
/ ヽ: : : :} !::::::/ / ヽ ヽ ` ト、
/ ヽ ト、: : :)ヽl/ / ハ 〉 \
/ ヽ`ー' / / l!:::ヽ、_/ /
/ _ ノ / / ヾ、:::〃 /
r' , - `ヽ!_〈 / ヾ、 /
ヽ/ ヽ`ー-.、_,ォ-、,-、___, イ  ̄` ー'
l ,r‐‐-〉`ー-,〃::::;!:::::トヽ-‐'ヽ、
ヽ /:::〉/l /:::l`ー'└‐' ヾヽ ト、 - 48 :やる夫で学ぶ柳生一族(その27) [saga]:2009/09/05(土) 01:11:33.84 ID:eq0ZT9.0
- , r'""`'' 、 ,、 , r-''''ニ==- 、
'-‐- 、 ヽ / /ヽヽ, - 、/ ´ ̄  ̄`ヽ、
, r -‐-`=‐-,`ヽ、 / ,-、l l l l'´ヽ ヽ -、 ,´ ̄
/ ,ゝl l l l l l l リ´l l ,r'´_
''/ __, -= ___ l l`l l ヽヽ ノノ、 ノノ ノノ '´´r-l
ソ´ _, r -='´ l l ヽゝ=<- ''ァ/`' ´、< ´ _l ゞ ―、 その「手」とはなんなのか。
, '´, - -―>r''' ゞ、/ , ヽ`'/ 、 、 ヽ ヽヾY
,'´ ,r'´ // l /l ,ヘ `' ノlノ`ヽ|ヽl ヽ /`/ どうやってそれを成し遂げたのか。
,r' ヾヽ l l ハl .` `''´ ・ ' lハ l l .l /フ
/ \ヽlll l l`''''"| |l kl 」 l そして、その「一手」によって何が起こったのか。
/ ,r\|l l ヽ _ノ | l ||l」 |
l / ||l l l ノ/ リ| | l また、どうして宗矩だったのか?
l / |ヾヽlヽ ノ ノリ | l ヽヽ
l ,イ l ヾl `' 、__ , ィ' ン | ,! l 、 lヽ …それらについて、次回、
l / l |,' ヽ || \/ヾ、>、 |.| l 〉ハ | リ ようやく語ることができるわけなのです。
ヾ,' l lヾ / , Lr'´rヽz^r_l;入 \l l/,リ |ノ
リ ,X, l |´`trh´ ̄ `ヾ > lK ,イ それでは皆さん、次回もよろしくお願いしますね!
ノ l | l V /l |ヽ Y
┌┐ ―‐ ┤ _l l l ヽl l _ノl
.ヽ´ ヽ「 「. ! l l´ `l l . l`l´ll
ノ /| |_| | l l l_ l l l l ヾミミヽ、 ,r───‐ 、
'┐ |ヽ`ニニ l ┌ l l ヽ XニX-x、-rtK'Fフl /リハ ゞヾミミヽ、_ >─ -、_
.| | l | | | | .Llヾ、 `ヾy )「l+チ| //_/ヾ ,r‐── -〈__〉- 、__ `>‐- ヽ
.| | ノ ノ. | |tl (´ ) `l´/ ヽL+'フ ... l ,..-‐-.、 `ヽ_:::::::ヽ、`ー‐、‐- \
'└ ´ `ー‐' ` ` | / . ラ:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 \`ヽ::::`ヽl〉 ヽ \__
ヽ' . _ <´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;-=ヽ、 ヽ、`ヽ、l‐ 、_ ノノ、
.... ! \ ,ィ:.:.:.:.:..;-、:../ィァ:ォ、 `ヽヽ、 \ `ゝィ::::/ \
\ \イ:.:.:/ レ ゞソ -`ー-、_\ /:::/ \
\ \彡ヽ__ =、 ./ミゝ `` >イ、, \
それじゃあさようなら!. ,ゝ、 `ー──‐、 r 、 ` iソ `!リル`ゝ、 \
またね! .. 〈 \ ,r─、‐' ヽ_> .ノ__ ゞハルルン;ゝ、 \
l、`ー‐イ /::::l lー`─、 /::::::::::/ _>リルラハゝ、 〉
ヽ二丿/::::ノ .ト、:::::::!::´::::::::::/ ̄ヽー──'"´ `ゞリルハゝ<
ト、:::::::::::/ i \::Y ̄ヽ:ヽ、_ ヽ _, イミゞ゙
ヽ ヽ/ i \,<´_`ー-、`ヽ、 \ _,、≪ヾミゞ゙`
_,>イリト、 ヽ `ヽ、::`! ヽ:::::ヽ ヽ≪ミヾミゞ`゙`
`ヽ彡イリハヽ、 ヽ、 `ヾ、 i、:::::::ヽ ヽ`゙`
【やる夫で学ぶ柳生一族(その27)】 後付解説・完 - 49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/05(土) 01:12:01.21 ID:TKeEI7.0
- 二人ともAAが可愛いww
- 50 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:14:45.16 ID:Ro.cZmgo
- つまり家康~家光に取り入ってたのが、
「坂田金時の子孫」とか言う人だったら、
「侍たるもの護身のためのマサカリ殺法の習得は必須でござる」とか、
服部半蔵がもうちょっとキルマニアで弁がたったら、
「侍たるもの護身のための忍法鏖殺外道剣の習得は必須でござる」とか、
もうちょっとファンキーな世の中になってた可能性もあったのか。
残念。 - 53 :1 [saga]:2009/09/05(土) 01:20:11.50 ID:eq0ZT9.0
- てなところで、今回は終了でございます。
お付き合いありがとうございました>皆様
今回のキモである家光の手紙ですが、やっぱ長いで砂。
実を言えば、これを書き足そうとすると、思いっきり話が中断してしまうので
本編の途中に入れるのは断念したのですが、
でもこんな面白愉快な手紙は公開せずにいられない、というところで、
今回は後付けになってしまった次第。
でも実際、読みやすさ的にはどうなんでしょうか喃。
あと、上では大きくぶち上げましたが、実際のところ、
「剣術の武道化」は、いずれ起こっていただろうとは思われます。
ただ、それが何年先になるのか、また、今あるものと同じものなのか、
それは謎である、という意味では、
やっぱ宗矩以外には無理だったんじゃなかろうかね、とも思ったり。
その辺の話も次、しようかと。
てなとこで、次回「その28」の投下ですが、
今んトコいつも通り、日曜(9/6)夜の21時を目処にしたく。
場所は継続でここでアリマス。
よろしゅうですー。 - 57 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:26:45.49 ID:0ik0Q8Uo
- 乙
今の形の「武道化された剣術」は、宗矩以外にはできなかったでしょうね。
ただおっしゃるとおり、宗矩がいなかったら、いずれ別の人が別の形で
「武道化された何かの武術」を造っていたと思います。
当時の武士のありようと、日本人の趣味思考(嗜好?)からいって。 - 61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 10:58:26.95 ID:jV/bYRso
- 好意的に見れば自分の家業に誇りを持っているということだけど、
中には「宗矩は上様をどうでもいい剣術ごときのオタクにした元凶」と
敵視する人もいたんだろうなあ。 - 62 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 11:17:44.37 ID:J9yDXEQo
- 勝ち組へのやっかみもあったろうしね 世渡りは大変ですな
- 56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:26:02.96 ID:Ro.cZmgo
- 乙でした。
しかし家光ってアホ殿…… - 58 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:29:13.63 ID:bFLpfmYo
- 日曜か、楽しみにしてるわ
昔名君だと思ってたんだがなぁ、家光ww - 60 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 09:01:43.12 ID:dzX4FOco
- 家光の手紙って妙に平仮名多いな
それだけでどうこう言うのもアレだがなんかやっぱ… - 59 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 02:28:46.31 ID:ykvvyfQ0
- こんな愉快な手紙を紹介してくれるとは流石は学ぶ柳生スレ
長さとテンポを考えると解説で丁度良かったと思います - 52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/05(土) 01:19:02.83 ID:LvSGvawo
- 乙乙!
本篇も楽しみにしてるぜww
続きはこちら
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