2009年10月15日

やる夫で学ぶ柳生一族 その28

<<その27 | まとめ | 外伝その3・前編1>>

67 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:30:16.28 ID:/WkTHtU0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)】

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |    柳生家の当主にして徳川将軍家剣術指南役、
. |  (__人__)  |      従五位下・柳生但馬守宗矩だろ。常識的に考えて…。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/




69 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:33:08.35 ID:RnB9naIo
お、キタキター

71 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:34:44.05 ID:/WkTHtU0
【寛永九年(1632)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├─────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                     妹
  (新左衛門)                                                    .|
   (石舟斎)                        【江戸柳生】                  <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                        |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                       友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                     .|
    |                            (但馬守)                       |
    |   【尾張柳生】                   |                         |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬────┐         |
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳      友矩     宗冬      .友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛).    (左門)   .(主膳)
           |                   (幼名:七郎)        (幼名:又十郎)
           |
           ├─────┬────┐
          .清厳      利方     .新六
        .(新左衛門)  .(茂左衛門)

72 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:36:06.65 ID:/WkTHtU0
【第1部(その1~11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復する。
更に、家康が幕府を開き、後継たる秀忠を二代将軍とすることで、宗矩は将軍家剣術指南役となった。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その世において、柳生家は二つに分かれる。
将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」である。
宗矩は「坂崎事件」を見事解決するなど、一剣術指南役の枠を超えた才を発揮し、
また、三代将軍家光の指南役ともなることで、柳生の権威を確立させた。
同じ頃、兵庫助は「直立たる身」の工夫を編み出し、尾張藩主・徳川義利へ新陰流正統四世を相伝する。
そして時は寛永に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を成し遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25~27)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の沢庵和尚が紫衣事件の件で罪に問われたため、
その赦免のために奔走したものの、その努力も空しく、沢庵は配流となってしまう。
それから三年の時が過ぎた寛永九年(1632)の一月、
大御所・秀忠の逝去で幕を明けたこの年より、三代将軍・家光の親政が始まった。

 そして、この国における最高権力者となった家光は、
宗矩に対し、「己の剣の腕を上げろ」と要求する。
それは家光が将軍である限り不可能はなずのことであった。
だが、ここで宗矩が沢庵の配流さえ赦されれば成し遂げてみせると言い切ったことで、
沢庵の配流が解かれる事になった。

 果たして宗矩は如何なる手を打つのであろうか…?

73 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:37:20.03 ID:/WkTHtU0
 寛永九年(1632)七月十七日、宗矩や天海たちの尽力により、
大御所秀忠の逝去に伴う大赦の際、沢庵和尚は流罪を赦された。

      /;;;;;;;;;;;;;;_..-';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ
      ,';;;;;;;;;;;;;;'´;;;;;;;____,,..........................___ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
     |!;;;;;;;;;;;;;/‐'""´           `゙''ー 、;;;;;;;;;;;;亅
     「;;;;;;;;;;;│ -----..__    -__..--一ー 、│;;;;;;;丿
     │;;;;'、;;ノ  ニ..___   ゙〕}  !l  ___....-ー‐..1;;;;;/
     ┤;;〕|;;丿  ..┬'テ三 丿   l ニ三'1‐ュ-┘'、│
      l''''lソ′    ̄"`´〒   |'、  " ̄    '1メ-、
    ‐ィ┤,'         `   ′       1 ,,,T     和尚、何卒ご無事で…。
     !(〕1                     ユ !11    
     |! 1卜        ナ    __'、       ノ''、卜  
     │1│        ゙'ゞニニテ ̄      _ノ ノ 丿
     ヘノ l′       .._ ∟-、、      ヾ|! ゙ /
      ヘ│      ..l{リに三E┐      ,' 丿
        1       -ニ'―‐'ワ       卜'´
        '、       "‐'' ̄        ノ
         ゝ                 ,,/′
         |!゙ゝ、__            ..t|"|
        ニl  `'lニゝ、___      _....''ワ’ '、
______,,..r‐""ゝ   `┐   ̄ ̄ ̄ ̄´ _r   ノサゝl'llIぅコ 、
‐''⊃'''´ /  ゝ ヽ、  ′         / │  ゙ゝ ゙`'"''、
            松本理左衛門定好
         .(まつもと りざえもん さだよし)


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',      くっくっく…この俺を解き放つなど、
 , '   / / //ヽ、. 。ゝ イ 。ノ| |      幕府の連中も怖いもの知らずよ…。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|       また難癖をつけてくるなら、
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ     再びKOUBENしてくれるわ!!
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、     「おお!さすが沢庵和尚だー!」
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、  「和尚は流罪なんか全然恐れてねー!」
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉
         沢庵宗彭
       (たくあん そうほう)

74 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:39:26.94 ID:/WkTHtU0
                               
                ,. '"´三二二三`ヽ     
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ    
              /   /    夢     ', ヽ   
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ 
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ
            /    /     ,,   ,,      ',    \ \、_ハノ
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   ヽ\).',..、
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V .  / 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V ヽ,)  
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ) )    では貴様ら!
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\ `ヽ   .
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i _)  . またの再会を待つがいいわー!
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | .l,)   
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | | /-、
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  .,ソ/ヘ '"
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |  /  //7/ヘ /l ト、 |\
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |        /   V | l ヽ|
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! ! 
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | ! 
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/  

 こうして沢庵は、配流先の出羽上山を出ることとなったのである。

75 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:41:10.40 ID:/WkTHtU0
 そして、上山を出た後、同じく流されていた玉室と合流した沢庵は
七月二十七日、江戸へ到着した。


   O  人
   o 人 人  .____
    ||人 人 人 |広徳寺|
   人 人 人 人 | ̄ ̄ ̄
  /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|\
   |  □□  .|
   |  □□  .|
─卜|  □□  .|
  ヒ|       |
    ̄|| ̄ ̄|| ̄\      λ λ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     (広徳寺に入る二僧の図)

 そして、以前、上府した時と同じく、神田広徳寺へ入ったという。

 尤もこれは、京に戻るのではなく、江戸への上府であることも含めて、
まだこの段階では完全に赦免されたわけではなく、
幕府の監視下にあるということでもあった。

76 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:43:11.58 ID:/WkTHtU0
                 .rニYニヽ          , -----一 、
   |レ               //_夢_ j |         / お....世 く i
   !!_           イ t` !_,` } |        ,'  礼 話 っ .i
   ゙- '´ ,、       /j ト ‐=' レj        l  参 に....く |
      -''´   ,r'´ ̄`゙} |二二j l|rニ二ト、    |  り. な っ |
           〉─7-'´l|jト、`}-イl;|`--l一〈   .|  を っ .く .|
     __ii__    |   レ ルリ-ト、|州リ   |  .|   `|  し.... た .: .|
     イi    j  j ,,  ヽヽ |/     |  ',   l  て 連   |
      `  , イ  ハ ヒ、 ト、 |     j   ',  |  く.. 中   |
        ノ  }  / }、 ヽ} ヽヽ|    ノ ',  |  |  れ に...  |
      /   イ  } {ニ二ニニ}´7二ニニ}  ',  |   |  る      |
    //  / l  | ',ニ二ニニi |ニ二Y   ', |   |  わ     |
.  //  /   l  } ヾニ二ニi |ニ二イ   ', ',  |  :      i
/ /    l    レミj   {ニ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{    {三i .ヽ !     ノ
 / i   /    } ヶ / `丶、 _, -'´ |    } ヽ  ` -----一 '
ん-ト、        |_彡 j 二ト、 }-|    |   ヽj-''
   ヽ/    /    {    / |    |     l
    ヽ   /    レ、   |  |    レ-、  /
     `-- ´--、__  j ヽ  j  |  ./', |  `丶{
             ̄|  ', / ̄| /  ij
             ',   〉{   |./   l|
              ',__,r' }  .|k   j
               ',   |   |`丶、r'
               ',  |  |   j

 その後、江戸に着いてからすぐの沢庵の動向は明確ではないが、
おそらく、世話になった天海僧正や堀直寄、また上府中であった上山城主・土岐頼行などに
礼を言いに行っていたのではないかと思われる。

77 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:45:23.25 ID:/WkTHtU0
 そして、江戸へついて数日後…

                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |   
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |    さて、但馬の奴は元気にしておるかな?
         /   .l ゙l \           !           l゙    例のモノも用意できたし、早くあの大福ツラを
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !    拝んでやりたいものよ…!
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         !     くっくっく…!
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./
        ',   .,'  `'、   `''" ̄ ̄ .,!      /
        !  .i',    ゙'y.     .._.. !     /
        |  ./ ヽ    ゙',゙'---ッ'"  !     /
        | /  ..l.   ..l, /    .l    ./
        l ,i',    l    .li′   .!    ./
        // \  .!    !    l   ./
       〃   ヽ. !   !    :!  . /
       l′    ヽ|   .l    | ./
       .゛          !     ! /
                      l′

 沢庵和尚は、宗矩の屋敷へも向かったという。

79 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:47:50.80 ID:/WkTHtU0
 だが…

  ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
   ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
   ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
    ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
      vymyvwymyvymyvy     ザッ
ザッ    n_n,n_n、n_n,n_n、n_n,n_n、
      ∩_∩^-^∩_∩^-^∩_∩^-        但馬様に仕官の斡旋をお願いするクマー
  ザッ   ∩__∩ ∩__∩ ∩__∩ ∩__∩
         ∩_ ∩__∩ ∩__∩ _∩ ∩_    ザッ
     ∩___∩    ∩___∩ ∩___∩ ∩___∩  但馬様に挨拶に行くクマー
     | ノ      ヽ   | ノ      ヽ | ノ      ヽノ      ヽ  
     /  ●   ● | /  ●   ● |  ●   ● | ●   ● |
    |    ( _●_)  ミ |    ( _●_)  ミ  ( _●_)  ミ  ( _●_) ミ
    彡、   |∪|  、` 彡、   |∪|  、`\ |∪|  、`\ |∪| 、`\   新陰流に入門するんだクマー
   / __  ヽノ / / __  ヽノ /´>  ) ヽノ  / ノ //ヽノ /´>  )
   (___)   / (___)   / (_/_)   / (_/    / (_/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\  て 
    / / / / u  夢  | ヽ  そ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    …なんだこのクマ混み、もとい人混みは!
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   但馬の奴にこれほど客が来ておるのか?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

80 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 21:49:28.16 ID:xewaQXY0
ムネリンもお偉いさんになったからなあ

81 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:49:47.64 ID:/WkTHtU0
そして柳生屋敷前…

                    (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
                    //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
   二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
   //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//_|   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
 ○====○====○====○===.|   |││││││││││││││││||  .||===○===○===○===○===○
                  |   |││││││││││││││││||  .||
                  |   |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
                  |   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
  ___________|   |││││││││││││││││||   ||____________
  \/\/\/\/\/\|   |││││││││││││││││||   ||\/\/\/\/\/\/
  /\/\/\/\/\/|   |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

82 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:51:26.22 ID:/WkTHtU0
                 くまー
                r -、,, - 、
            __    ヽ/    ヽ__
  くまー     ,"- `ヽ, / ●     l )   まだ順番待ちだクマー
         /  ● \__ (● ● i"
        __/   ●)      ̄ )"__ "`;     
      .(_i  ●    ' __, '"  ̄`'(___/.i⌒i   いつになったらクマの番だクマ?
        丶_ ,i⌒i,,_(_/    ● i ̄ ̄ )_|__
      __, '"   ̄ ヽ! ● ●)  ミ~ ̄_● ヽ)      腹減ったクマー
くまー   (_/     ● i    ∪  / ⊂{●  | くまー
       l ●( _●) (  ̄)-    /   -'  i    
     /ヽ、   |∪l   T      i     ● '")
               くまー

              ,,, -'''"""""""''-- ,__
            /    /,, __     `ヽ、
           /  ///      ..   ... ヽ
          / ,、i i  / /// /      'ヽ
         / i,,/ ``、ヽl i i  /  ノ ノ ノ /  ヽ
         /( i'   ..::::::``ii, , //ノノ/,; ',,,  ノノ   l
          iヽ/  ..::: :::     ) )    彡 彡'  |
         ;ミ!   :: ..: ::   /ノ    彡 _,, '  .ノ     今しばらく待つがいい。
        ;ミi(((ii,、 : : :::: /.      彡 _,, ' .ノ     我が殿、但馬守様はお忙しいのだ…!
__,,, --------;ミlヽi_\((  O .:      彡  ノノ.ノ
::::::::::::::::::::::::::::::`| ''\u`、ミi、' i、_,,,,, -'''))) ヽン / ノ       あくまで待てぬと言うのなら、
_________::::::::::::::::::|    ̄~/ ミ `、ーu-';_,;;;;''' ),ノ) ノ、       この新陰流・鳳凰剣を見舞ってくれるぞ!
    |:::::::::::::::::| .......:: / '~ :::ヽ ̄~~~  /__ノー'---、__
  .  !:::::::::::::: l| .: , ./、  、 :.     ..:;;/、  `::    ヽ
     i:::/ ̄'i | ::.ヽ ヽ ー'''' :     .::;i~ :: ::. ::
:..    ヽ :  ,i |  .~''- ,,,,___    ,;/`::..   :::__,, ----=
:::::::...   ヽ : i ::| .:"'' ..,,,     /i`:::::: .::::::./
\::::::...   \| :::|   :::     ,, -''"::: \ :::::::/
;;;;;;\:::::......  \:: `''- ,,_,, -''" .:_;;--''" \/;;;;,/   ::::::
;;;;;;;;;;;;\::::::...   ヽ、 :::::::::::: , -''"     ,::ヽ、/   :::::::
;:;;;;;;;;;;;;;;;;`'- ;,,__    `---<'~.........:::::::;;;'''ノ;;;;;;;;;;)::  :::::::::::
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''- ,,_______,,`-''''''''''''''//ノ);;;;;;/ ::::::::::::::::::
             村田与三久次
          (むらた よぞう ひさつぐ)

83 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:54:07.06 ID:/WkTHtU0
   |:::::::::::::::::::::
   |i__∩:::::::::::
   | ,,.ノ ヽ、,,ヽ:::::::::::
   | ●  ● |::::::::::::::::
   | (_●_)  ミ      十字に裂かれるとか嫌クマ。
   |  |∪|   ノ:::::::::::::: こうなったら気長に待つクマよ…
   |  ヽノ   i::::::::::::::::
   ミヽ_  /::::::::::
   | ヾ   /::::::::::::::::::::


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',      ううむ…
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     随分待たねばならぬようだな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      赦免されてすぐの身で、
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ     長々と出歩くのもマズかろうし、
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\     仕方ない、今日は帰るか…。
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 こうして、この日、沢庵は宗矩に会わずに引き上げたという。

85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 21:56:08.20 ID:iw6t8Wco
和尚って沢庵の名前を出して押しとおる人柄ではないのね

86 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:56:21.23 ID:/WkTHtU0
 そして、その日の夜…

 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//   
/     
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. | u   (__人__)  l;;,´  …ふう。
  |     `∩_ノ)━・'  今日もこれで客は終わりか…。
.  |     |_ノ     
 /ヽ    |  |_       沢庵殿も江戸へ着いたらしいというに、
 |  \_/ ノ ヽ    これでは会いに向かう時間すら取れぬ…。
 \     /_|  |
 | \ /  _/

87 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:58:16.04 ID:/WkTHtU0
          .、'''ー'`'''''"`"`'ー、 
        /   ,,  ,,,// ィ ,,,rr )  
        {   |从 lll",,," llllj '' `'ー、r
       { 从从´´´从从从iiiiiii lll从 ll ,
       { 从从ll|||'''从从:::''''""/"jj  }
      {、-、|lllll|、,,, l|||l从;;;;/''"'彡シ   }   
      (ミ'ミ   ゙゙''' 、ィヽ)ヽ::    '彡:シ }     殿、失礼致します。
      ミッ|      リノノ:::::::  ィ彡,,ノ,、}    沢庵和尚より使いが参りまして
      { ミ}r 、_ {  "彡::::::''" ,,゙'' 、::j´、',    殿にこの手紙をと…。
        }::l|ー-、ヽ}_ O'"_,,、-''イ::ツ }jリ, リ
        ヽ',シミ゙'、;;ヶ、ili、ィ;ィ;;乏彡ミ /ノ''/|,,,,__
         '、 `""´: | ''''''::::: ̄  /イ,,/:::}
     ,,、- '''"ヽ   ,l,,  、:::::::   /リ:   } | ̄
 ,,、-''"      ヽ  `'-''´  ッ::  j::   レ
'"(         :ヽ  ー-ー ''´:::   ノ::: ヽ/
  ヽ,,,,,, 、-、    ::ヽ  '''''''"ツ:::: /:::   /
        ヽ  ri::::ヽ   レ' /:::::  /
゙' 、      ヽ/ t::::::::'、,,_,,/::::::  /
 ̄`'' -、     ゙' 、ヽ、::::::::::::::::: ::::/      ,,

   / ̄ ̄\  て
  / ノ  \.\ そ
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |         なんと!
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)  和尚からの手紙じゃと?
.  |        |    .) ;;;;)  
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

88 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 21:59:37.49 ID:/WkTHtU0
          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     沢庵からの手紙

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( -)(-)    
   |      (__人__)    ううむ、わざわざ手紙などよこさずとも、
.   |        ノ    直接来てくれて構わぬのに…どうしたというのじゃ。
    |      ∩ ノ ⊃   
  /     ./ _ノ     さて、どれどれ…。
  (.  \ / ./_ノ │  
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /  

89 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:01:12.49 ID:/WkTHtU0
 沢庵からの手紙は以下のようなものであった。

          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

『尚尚ここ元迄参候さへ、路地人多候て、とをり申候に令迷惑候。
 一昨日罷上候儀を、元盛を以申入候つる。今日者、丹後守殿へ、そと可懸御目ため、是まで参候。
 それへも参度存候へ共、定而人多に可有御座候間、出家の見苦候間、是にひかへ申候、
 いかが被成候哉。日々御隙入候て、御くたびれと推量申候。是にはたれも無御座候而、
 かたり申候而居申候。恐々謹言。

 七月晦日(※) 沢庵
 柳生但馬守殿 人々御中』


 大意:「今日そちらに行ったんだが、やたら人が多いし、迷惑になるかもしれないので帰った。
(意訳) そっちも疲れてるだろうから、また暇になった時にでも話をしよう。すまんね」

 ※月の末日。おそらく三十日。

90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:01:44.29 ID:EEHN99oo
和尚空気読んでるなぁwwww

91 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:03:31.07 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/   なんと、今日来てくれておったのか…。
. |    (__人__)  l;;,´   水くさい。
  |     `∩_ノ)━・'
.  |     |_ノ        一声かけてくれれば、
 /ヽ    |  |_       すぐにでも通したというに。
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/


   / ̄ ̄\
  /  ノ  \\
 |  .(●)(●)  |         まあ、ともかく、
. |  (__人__)  |         そういうことなら、明日にでも
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)   .なんとか暇を作るしかないだろ。
.  |        |    .) ;;;;)   友情的に考えて…。
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

92 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:05:40.10 ID:/WkTHtU0
 そして、おそらくこの手紙を受け取ってから
ほぼ日も立たない八月頭頃、宗矩と沢庵は再会したものと思われる。
(宗矩から広徳寺へ出向いたのか、それとも自邸に招き入れたかは不明)

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)    …久しぶりじゃな、和尚。
. |     (__人__)    息災そうで何よりじゃ。
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     ふん、上山はいいところだったぞ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    温泉もあるし、調伏しがいのある山もあった。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ    こんな江戸などよりよほどよいところであるわ。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

93 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:07:40.30 ID:/WkTHtU0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ⌒)(⌒)     ははは、相変わらずじゃの。
   |      (__人__)    その分なら心配はいらぬの。
.   |        ノ
    |      ∩ ノ ⊃
  /     ./ _ノ
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    お前の方こそ、随分羽振りが良いようではないか。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   この間の客の多さを見るに、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|   お前の柳生新陰流も、前にも増して人気があるようだな。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

94 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:13:17.94 ID:/WkTHtU0
                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !   とはいえ、もう六十二の爺が未だに剣術指南役とは、
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |  年寄りの冷や水というものだろう。
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |
         /   .l ゙l \           !           l゙  まだ隠居する気はないのか?ん?
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         !
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./

 ┛┗ ̄三\
 ┓┏  _ノ 三 \
 |;;;;;;;  ( ○)(○)
. |;;;;;    (__人__)   それができるなら苦労しないだろ。
  |;;;    ` ⌒´ノ   愚息的に考えて…!
.  |;;;;        }
.  ヽ;;;       }
   ヽ;;;l    ノ
   /    く
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

95 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:14:22.12 ID:H4OktGco
もういつ逝っちゃってもおかしくねえ歳だなぁ・・・

96 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:15:10.82 ID:/WkTHtU0
        ┛┗  ̄\
      /┓┏    \    そもそも、十兵衛の奴が、もっと真っ当であれば、
      |::::::        .|  わしもこのような苦労をせずに済んだかもしれぬのじゃ…!
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |   …この際じゃ、和尚、聞いてくれい。
     .  |::::::::::::::    }   家の恥を晒すようだが、我が息子十兵衛は
     .  ヽ::::::::::::::    }    これがまったくもって…ブツブツ…グチグチ…
        ヽ::::::::::  ノ
        /:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u   夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、-ゝ  イ-ノ| |   (…虎の尾を踏んでしまったか。
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     しかしこの愚痴…余程不満が溜まっておるな)
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

97 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:15:29.82 ID:xewaQXY0
孫が居てもおかしくない齢だしな

98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:16:26.49 ID:iw6t8Wco
子供に関する愚痴ってのは、子持ちでない人間にはつらいんだぜ…ww

99 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:17:08.69 ID:/WkTHtU0
   ┛┗ ̄ ̄\
   ┓┏  \  /    …大体、柳生家は三千石直参旗本の格式の家じゃ。
   |    ( ー)(ー)   将軍家指南役の家に相応しいだけの腕前がなければならぬのは当然じゃが、
.   |     (__人__)   あれは剣の事しか考えておらぬ…!
    |     ` ⌒´ノ
   .l^l^ln      }    あれでは家を潰しかねん!
.   ヽ   L     }    まったく…ブツブツ
    ゝ  ノ   ノ
   /  /    \
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     …ならいっそ、他の奴に継がせることも
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    考えてみてはどうだ。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    確か、あと2人息子がいたであろう。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

100 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:19:18.69 ID:/WkTHtU0
 ┛┗__
 ┓┏  . \
 /. \.i||i./ .\     …主膳と左門か。
 |  (◎)(◎) .|    主膳では未熟すぎて話にならぬ。
. |  (__人__).. |    この間も、上様の御前であるにも関わらず、
  |.   `⌒´   |    不覚悟な真似を晒して…ブツブツ
.  ヽ       /   
   ヽ     ノ\ 
  /      __/ ̄`く._ __ て
  |      /〃 \   '"  \ そ
  |     ./¨\    \,_ ``ヾ} て
     . 人''" \  、__ ` 、_/ 
      〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
      ハ.  ヽ.  、__`ン
      ∧ !、_  `'_,/

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u   夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、-ゝ  イ-ノ| |   (…もしかして、
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     お前の育て方が悪いだけではないのか…?)
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:19:35.78 ID:H4OktGco
和尚wwwwww

102 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:22:11.24 ID:/WkTHtU0
          / ̄ ̄\
        / _ノ  \ \
        |  (-)(-) |      まったく、まともに勤めておるのは左門だけじゃ。
        |  (__人__)  |     今は友矩を名乗らせておるがの。
         |   ` ⌒´  ノ
   r"ヽ   |         }      上様にも気に入られ、
  (   =‐' ヽ        }      稽古のお相手はもっぱらあやつじゃ。
   ゝ-'    ヽ     ノ     _
        _/     l__   / /
   __ゝ_/         ヽノ   ノ
   \___ノ'          ノ


        / ̄ ̄\
      /       \     正直、左門に家督を継がせることも
      |::::::        |   考えねばならぬやもしれぬ…。
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |    …じゃが、如何に愚息といえど、
     .  |::::::::::::::    }    やはりできれば十兵衛に継がせてやりたくも思う…。
     .  ヽ::::::::::::::    }    剣についてだけ言えば、間違いはないし、
        ヽ::::::::::  ノ     なにより、わしの長男なのだからな…。
        /:::::::::::: く
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)

104 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:23:34.16 ID:H4OktGco
むぅ・・・

103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:23:23.59 ID:xewaQXY0
宗矩・・・

105 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:23:45.99 ID:ggXDYF.o
宗冬・・・

106 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:24:40.60 ID:/WkTHtU0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |    …そろそろ気は済んだか。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   しかし、随分と溜め込んでおったようではないか。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ⌒)(⌒)    おお、すまぬ。
. |  u  (__人__)    なかなか他人には話せぬこと故、
  |      |r┬|}    つい、長話をしてしもうた…。
  |      | | |}
.  ヽ     `ニ}    そうそう、本題がまだであったな。
   ヽ     ノ
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

108 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:26:17.41 ID:/WkTHtU0
     __
    /   \
  / \, 、/ \
  | (●) (●) |   和尚、頼んでおった
  |  (__人__)  ..|   「あれ」はできておるか…?
  l   `⌒´ u |
  .l         .|
   {        ./
   .ヽ      ノ
  /      `ヽ.

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     うむ、概ねな。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     ただ、もう少しだけまとめたいことがある。
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ    もう何日かしたら届けさせるから、待ってくれぬか。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

109 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:28:06.37 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 / _ノ  \\     ありがたい!
 |  (⌒)(⌒) |    和尚のそれこそが、我が柳生家が
. |  (__人__)  |    生き残れるかどうかの鍵なのじゃ。
  |.   `⌒´  ノ    どうか、よろしく頼む…!
.  |        }
.  ヽ       }     それでは和尚、さらばじゃ。
   ヽ     ノ     話の大半が愚痴で、すまなんだの…。
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

                 _..-''" ̄ ゙̄''---- ,,,,
                   /             `'‐、
                /                    `'、
             /                       ゙l,
               /                        !
            |       . ___、               |
              l    ., ‐'"゛    '''''''、            |
           l   . /           l           |
              ,'   /      . 、    !        !   
          /   / 、    l.夢´!   .,!       |    ふん、気にするな。
            /   ./ l     .f゙'‐.,i',   ,!       |   別の話がしたければ、またいつでも来るがいい。
         /   .l ゙l \           !           l゙    当面は、この広徳寺にいるからな。
        ./     !.ゞ \ .ヽ        l゙        !
       ./      |   .`ッ',     .,r‐/         !
      ./       .!      ゛   ./;:;:;l            |
    ./  .r    .!         ゙‐''''}            l
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./


 こうして、宗矩と沢庵の赦免後最初の会談は終わった。

110 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:30:06.53 ID:/WkTHtU0
           /: : : : :/: : : : : ://: : : : : : : : : : : : :\     私の名はティエリア・アーデ。
          ,' : : | : ': : : :///: : : _: : -―: : : : ヽ: ヽ\   この話に、解説として介入する。
             ': : : :|: :|: : : l´/: : : /: : : : : : :/ : : }: : :\
         / :l : : l: :l: : : l´ニニニ: :-: : : : :/: : :/ / : l: :     まず、この会談が実際にあったかどうかは不明だ。
         /: :l: : : :ヽl: : : |二_:―――: : ´: : /: /: : :|: :    話の内容についても、>>1の推測に過ぎない。
        /:/: l: : : : : ゝ: :l:|ヤッ≧==、―‐ァ:/: :イ : : /: :
.        / / /: l : : : : : : ヽトト弐  jトヽ=彡'_ ,r≦メ: : / l: :     だが、後の展開や、宗矩と沢庵の親密さを考えると、
      /:イ / : |: : :l: : : : : : :ゝ-  -=テ¬元ソ/: ∨:/l /    沢庵が江戸に来て然程間を空けず、
.     |:l l: |:l: :|:l: : |: : : : : : : :\---‐ ⌒i{ 彡 : : /l///     一度は会っていたであろう事は間違いない。
.     l|l l: |:l: :| l: : | : : : : : : : ヽ ヽ、 、  冫メ --彳´/´     事実、江戸に来てすぐ、沢庵が宗矩の屋敷に
.     'リ l: |:l: :| l: : ヽ: : :ヽ: : : : :vl-`、、´/: : : : :l|        訪れようとしていたのだからな。
       _∧l」 -ゝ……―- 、: :i: :lリ` ィヽ : : : : : l l'\
    /. ´  ______`" ‐<lム: l : : : : l|:|         また、話についても、「不動智神妙録」などから見て、
.   /l/  /         `  、 \>: : :/: :l.l:|        概ねこのような話が出たのではないかと思われる。
. / /  /                \ \/l //ノ'

113 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:33:19.97 ID:/WkTHtU0
 そして、宗矩と沢庵の会談と前後するある日…

      _/  /''''ー 、.     ヽ
     ..イ   /' ....=ーこ 、    \
     /}′  ,'/´ ..r= 、 ^! ' 、    ヽ       _
    :l   」〕 〈L__丿 ! ヘ    │ __,,..--‐''''"′
    |    | ゝ `"ニ_.. ''  ノ      `'ヽ、
    |     弋 `''"゙ _ ´  ''"ゝ     _/        
    l .|    `''''"´    _ ′   _ノ´   ヽ 、     へえ。
   _..ク │   ___,,,, 丶‐''"` ,,._rY'、      ヽ     じゃあこの間、柳生が来てたのか。
   弋__ ゛ 二 ___,,..=jjノ.(世.)  |      |
    ノ~~゙'i!llnコナ(世)从)yjl.'''冖'''  |      丿
    / ,,/Y ll(l  '''´ ’ ´      l ''     〃′
  ,,/ /|` 、./_|、     _ _、 _、  / ..゛  /′
../ / 丿‐ ー.. }ソヽ、  _ ニ-;=イ7 / ⊥ヘ/
'"/ 丿      ィ<ヽ_,'て辷ニナ/、..‐_ィと_、
/_ノ′     」 ̄`  '、''―'´卜  ' 〈J∀
-''´        {ぃ..、  |''Fコクl _  -/ ..jlリ 、 __
 、        |l⊥ 个 、`∪''"´ ヘl’│ ノヤ''" 、、 `
           堀丹後守直寄
      (ほり たんごのかみ なおより)

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     おう。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    随分と羽振りが良くなっておったな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    貴様の家に出向いたのと同じ日に行ったのだが、
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ    人が多くてな、会うにも難儀したわ。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

114 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:34:43.01 ID:/WkTHtU0
   >                            
  /             _─/    /`~ヽ|\  | 
. // ̄ ̄ /   X\  /   /  / ./ |  |  |
/    _ V  / (.\ \|   ヽ // / | |  |  /| /
. \   / _ /| /ヽ/⌒\\  /∠─-、/ / |/~ヽ
  \/ / | | ( (    O\ゞ//O   ヽ/ .|/ヽ |    羽振りねえ…。
    | .l | | ヽ ヽ___/   \__ノ   |  //    あいつ、あんまりいい噂は聞かないけどな。
  /  \` |                   |_´/ |  
 /    |`-|.         |         .l__  |   気に入った弟子は、腕がなくとも贔屓するとか、
/     |  |         /l          /  /  |   まめに挨拶しに来る大名衆には上様に取り成しをするとか、
      |  |         ・・         /  /  |    そんな噂があるんだ。
      |.  |      _____     /  /   |   
      |  l     /ニ二二二ニ.`7  /  /   | 
       |  \   `-、____/ /  /     |   
       |    \     --   ./  /    / 
        |     \__二___/   /   / 
       |      /|`ー─-┬─-<     /
        |    /  ヽ    /    \ /
        .|  ./    L__/       7
        |/     /  |         /

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     ほう、そうなのか。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    …で、実際、貴様から見てどうなのだ?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

115 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:35:25.50 ID:H4OktGco
色々言われてるねぇ

116 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:37:08.97 ID:/WkTHtU0
   >                            
  /             _─/    /`~ヽ|\  | 
. // ̄ ̄ /   X\  /   /  / ./ |  |  |
/    _ V  / (.\ \|   ヽ /./ / | |  |  /| /
. \   / _ /| /ヽ/⌒\\  ./∠─-、/ / |/~ヽ    …実際のところがどうかは知らねえ。
  \/ / | | ( (   -\ゞ//-   ヽ/ .|/ヽ |    ただ、細川家や鍋島家あたりと
    | .l | | ヽ ヽ___/   \__ノ   |  //     仲がいいのは間違いないな。
  /  \` |                   |_´/ |    あそこは当主が柳生に弟子入りしてるしな。
 /    |`-|.         |         .l__  | 
/     |  |         /l          /  /  |     あと、関係ないが、
      |  |         ・・         /  /  |    あいつの能狂いは有名だぜ。
      |.  |      _____     /  /   |    この間も人ん家に押し掛けて、
      |  l                /  /   |    能を薦めたりしていたそうだし…。
       |  \             /  /     |  
       |    \     --   ./  /    /     ありゃもう病気だな、病気。
        |     \__二___/   /   / 
       |      /|`ー─-┬─-<     /
        |    /  ヽ    /    \ /
        .|  ./    L__/       7
        |/     /  |         /

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / / u.  夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     ふむ、そうなのか…。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     というか、あやつの能好きは
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ    そこまで悪化しておったのか…。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\   
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:37:47.64 ID:H4OktGco
へうげ宗リン思い出しちまったwwww

118 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:38:28.77 ID:jlIFRH6o
>細川と鍋島 どっちも世渡りがうまい家だな……

119 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:39:14.90 ID:/WkTHtU0
 そして、堀直寄と別れた後…

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |     …本当にそうであるかどうかは知らぬが、
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     「そういう噂がある」ということは危険であるな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ     まあ、能の件はあやつらしいから本当かも知れぬが…。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     それに、この間の息子の愚痴の事もある。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    ここらで一筆、喝の一つも入れておいてくれるか…!
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

122 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:42:30.34 ID:/WkTHtU0
               _.. -ー'''''''―-..,,,
             /゛         `゙''ー ..,,,,,,__、    \ \、_ハノ
           ,i'゙,,....,,,、                ,,,,.....,,..二T" ヽ\).',..、
        i./    `''、                  `'';;;;;;i、 /
       ,!l 夢>   i'i|.゙l ,               `'- ヽ,)   さあ但馬よ、これが俺の
       l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、                ) )
          !l,,_  l / '´   ...}               /`ヽ    ”TYUUKOKU”だ!
        .',_/       / !                /..l_) 
           l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ              /   .l,)    これでこの書を完成にしてくれるわー!!
            l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\  _,,,,.............../ !    /-、 
            リ',、  .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ /   .,.‐',   l    .,ソ/ヘ '"
             '!|.l.  / .゛', ;;l" /   ., /  l,  .',  //  //7/ヘ /l ト、 |\
             _,.l,', ;;,'-'./ ゙./  _,,,/  !  ..l  ,ゞ゛   ___,/ _____V__ | l ヽ|
      ,./ '"   ゙''" / , ''"'''"| / .l   l   .l./
     i'"    ./ ./ /   ., '~',  .l   ! / ;',
   _..-'"゙゙フ'./ / ,/   ./',  .',  .l /;:;:;:;:;:|
 /゛  イ゛,/./ ,/   ,,-',  .l  .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;|      .、  ,
   , ',゛i!〃゛ /   ., ''.l  ',  .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-、、   ゙',ゝ、,.l,
 ,..┴-iフ" ./   ._‐{  . !  ', ._ノ'l丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|   `''' !./ -',、`′
   / /   .// l  ', .,ゞ゛  !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !     . ゙'- `'
 / . /   .,,/゙l゙ .!  .l ._ソ"    .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !
   /   ., ''l'7 !  ヽ,,,,','"|      ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
 ./  .,-{..,i,' |  ′    .l_      !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!
: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ      .',,'',、     .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
..ィ ! ', ',`'、.      _,,,',. ゙リ..,,,_   !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
 ', l  l..,ノ'´ `'-、 .,,...../   ゙'イ;:;:;:;:; ゙゙̄''゙‐' ..、;:;:;:;:;:;:;:;!
 .l .!/      `'-,, \,ノ゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
 .,','----.... ......,,,,,_、  `'く、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.!
. ゛―----........,,,,_、 .`゙''''ー-ミ;;ッ、,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.!
 ------ ....,,__ .`゙"'― ..,,、.゙/゙'''-、、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l゙
 ー''''''''''''―-..,,_ ゙゙゙̄"'''ー ,,, ./゛    `''ー ..,,,_;:;: /
             `゙'''‐    ~

 こうして、沢庵から宗矩への書状は完成したという。

124 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:44:52.60 ID:U0qs5Qso
沢庵和尚、本当に良い友達だなぁ

123 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:44:07.34 ID:/WkTHtU0
 そしてそれから数日後…

          .、'''ー'`'''''"`"`'ー、 
        /   ,,  ,,,// ィ ,,,rr )  
        {   |从 lll",,," llllj '' `'ー、r
       { 从从´´´从从从iiiiiii lll从 ll ,
       { 从从ll|||'''从从:::''''""/"jj  }
      {、-、|lllll|、,,, l|||l从;;;;/''"'彡シ   }   
      (ミ'ミ   ゙゙''' 、ィヽ)ヽ::    '彡:シ }     殿、失礼致します。
      ミッ| U     リノノ::::::: u ィ彡,,ノ,、}    沢庵和尚より使いが参りましたぞ。
      { ミ}r 、_ {  "彡::::::''" ,,゙'' 、::j´、',    
        }::l|ー-、ヽ}_ O'"_,,、-''イ::ツ }jリ, リ    ただ、少々奇天烈な者でございますが…。
        ヽ',シミ゙'、;;ヶ、ili、ィ;ィ;;乏彡ミ /ノ''/|,,,,__
         '、 `""´: | ''''''::::: ̄  /イ,,/:::}
     ,,、- '''"ヽ   ,l,,  、:::::::   /リ:   } | ̄
 ,,、-''"      ヽ  `'-''´  ッ::  j::   レ
'"(         :ヽ  ー-ー ''´:::   ノ::: ヽ/
  ヽ,,,,,, 、-、    ::ヽ  '''''''"ツ:::: /:::   /
        ヽ  ri::::ヽ   レ' /:::::  /
゙' 、      ヽ/ t::::::::'、,,_,,/::::::  /
 ̄`'' -、     ゙' 、ヽ、::::::::::::::::: ::::/      ,,

           / ̄ ̄\
         /     \ /
         |    ( ●)(●)
        . |     (__人__)    遂に来たか…!
          |     `|::::::|ノ   よし、すぐ通せ!
        .  |      l;;;;;;l}    
        .  ヽ     `ー'}    (奇天烈…なんのことだ?)
            ヽ      ノ: i |i |
         /⌒      ヽ  | || |  |
     :: / ̄ ̄ヽ ::       \ ||     |i
    :: (「    `rノ ::      \   ||i  \
     :: ヽ   ノ ::          \       \
ガタッ!  |   | r         「\   \       \
       |   | |       ノ  \   \__   \
          ヽ_ノ       /||| l   \_,       `ヽ   \
     || i  /         | ||| |    (_つ ̄と_ノ)    \
     || ||  |         | ||| |                    \

125 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:46:35.86 ID:/WkTHtU0
              ,..-'' フi''‐- 、   
             ./,' ヽ‐ -` -- ゙lゝ  
            ノ/ ''―‐ 丶―¦|    但馬守様、和尚より書状を預かって参りました。
            :〃 ´`゚ ′ 「 ゚` "|'、  こちらでございます。
            |ル  丶- ..-   │ 
            │   -=一、  〃  
             ∟ 、  ̄   _丿  
         _....-‐','n:こ-コっ::コ: :什‐-..,,_
     ,,,,-‐´   l丿 ^´‐―‐ ̄’ ゙lゝ  ``ー、
     ..'´     /丿         l''、     ヽ 
    /      /,'     ヽ     !'l       ヽ
   丿  _ ..ァ'冖'"‐ゝ、_ ./!i 、 ,,,uャ〃'ゝ、、    |
   丿   ノ广;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;^'゙┬ー/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'ゝ    |
   ゝ   │;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;│ 卜;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ゞ   !
  l 、   卜,,_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;__..ニ- 廴;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.丿   │
  !    │ `'''''''''''''''"´    `''''‐‐―''''´│   │
            沢庵よりの使者

   / ̄ ̄\
 / u _ノ  \      う、うむ。
 |    ( ○)(○)    ご苦労であった。
. |     (__人__)     確かに受け取った旨、和尚に伝えてくれい。
  | u   ` ⌒´ノ
.  |   u      }     (こいつが和尚からの使者だと…?
.  ヽ        }      和尚、なんというか、自由過ぎやしねえか…?)
   ヽ     ノ
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

127 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:47:37.85 ID:H4OktGco
ちょwwwwww

128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:48:39.89 ID:iw6t8Wco
なんというフリーダムww

132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:50:36.96 ID:ZOQjOc.o
そりゃ流されるよ、治安的にww

129 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:48:43.25 ID:/WkTHtU0
    , -─- 、._
   /      ヽ
  |   \ ./  |     …まあ、ともかく、
  |  (⌒)(⌒) |    
  |   (__人__)  |    「ついにねんがんの おしょうのしょじょうを うけとれたぞ!」
  ヽ  `⌒´  ノ    
   人_____ノ⌒ヽ   これをずっと待っておったのじゃ…!
  ( ヽ  ___ ././  
  .\ \|  .,レ゛/
    .\旨 爻ン


   / ̄ ̄\
 /    \  /
 |   ( ●)(●)     沢庵殿…!
. | u.  (__人__)     では、読ませてもらうぞ…!
  |      `⌒´ノ     この書の内容次第で、我が柳生家の将来も決まる…!
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |

130 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:49:03.99 ID:H4OktGco
ニアころしてでも(ry

131 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:50:04.50 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /    \ /
 |    ( ●)(●)   ふむ、
. |     (__人__)  『無明住地煩悩。無明とは明になしと申す文字にて…
  |     `⌒´ノ
.  |         }       __
  \      } / ̄ ̄⌒/⌒  ./
  (⌒\    /     /    /
  i\  \ ,(つ    /   ⊂)
  .|  \  y(つ    /,__⊆)

 こうして、宗矩は沢庵よりの書状を読み進めた…。

134 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:52:01.11 ID:BXZbmyU0
和尚の書状は至る所にレ○プの跡がありそうだ…

133 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:51:32.44 ID:/WkTHtU0
 そして読了後…
                              あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          ., ―――- 、           
         /     u' ヽ、        ......『和尚の書状で、禅について語られていると思ったら
         .|  ヽ_{ル{_ノ  |          . いつのまにか兵法の極意が述べられていた』
       _.| {(○{liii{(○.))u|         ....
     ./´  {  u(_人__)  .|         .... な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'    .{   `⌒´   |           .おれも何が説かれているのかわからなかった…
    ,゙  / ) {       u /ヾ、      ......
     |/_/.  {       /V:::::ヽ      .... 頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7__u'_/u'/:::::::/`ヽ     .
   /'´r ー---ァ‐ T '"´ /::::/-‐  \    . 説法だとか方便だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ .....そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }  
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...      イ  .... もっと凄まじいものの片鱗を味わったぜ…

135 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 22:52:09.81 ID:xewaQXY0
和尚sugeeeeeeeee

136 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:52:19.72 ID:H4OktGco
和尚様すげぇwwwwww

137 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:53:53.54 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /   \ /
 |    (⌒)(⌒)    …沢庵殿!
. |    (__人__)    やはりお主を見込んだわしの目に狂いはなかった…!
  |      `⌒´ノ    これを組み入れれば、「真の大将の剣」は完成する…!
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |


                /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄./
               ./                      /
              /   /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\   /  ./ ̄ ̄\
             ./   /               /  ./  /   _ノ  \
             /   /              ./   /  .|    ( >)(<)   これで、上様にも面目が立つだろ。
            ./   /              /   /    |  ///(__人__)   指南役的に考えて…!
           /   /             ./   /     .|     ` ⌒´ノ
          ./   /            /   /       |         }
          /   /           ./   /         ヽ        }
         ./   /           /    /           ヽ     ノ
        /   /           /    /              i   i
       ./   /            ,'   ./              i   i
       /   /            i   .{               i   i
      ./   /´(ヽ三/) ))     {    丶_________.ノ   .i
     /   /  ( i)))          '                    /
⊂ヽ γ    く  ./ /           \                 イ
i !l ノ ノ     |./ /             . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⊂cノ´|       |/

138 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:54:32.06 ID:H4OktGco
きめぇwwwwww

139 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:56:04.42 ID:/WkTHtU0
゚ | ・ +o            o。 |  *。 |
 *o ゚ |+ | ・゚   / ̄ ̄\+・  o  |*
 o○+ |  |i  / ._ノ  ヽ、\  ゚| o ○。
・+     ・ l  |  (≡)(≡) |・|*゚ + |
゚ |i    | +   |::::: (__人__) ::::| |! .   |       しかし、これほどの書に名がついておらぬのが勿体無いの…!
o。!   |! ゚o   |   |r┬-|  .} |. * ゚ |        この但馬が書の名付け主(ゴッドファーザー)に
  。*゚  l・    |   `ーlj´  } |o  ゚。・ ゚      なってくれようぞ!
 *o゚ |!     ヽ       / |*|○・ |o゚
。 | ・   o,. ‐- .._ヽ、.,__. /  !| ・ +゚ ||*|     …うむ、「諸仏不動智」について
* ゚  l| /    、  i  }  \   o.+ | ・    語られていることを以って、
 |l + ゚o i     ` -、{! /_   \  ○・ |o゚
 o○ |  | ヽ.     ヾ´    ̄  `ヽ  *。      『不動智神妙録』
・| + ゚ o }  }                ヽ O。
 O。 |  | リ、  ..:::        ..   l 。      というのはどうかな!!
 o+ |!*。| / `ー::::       , ヘ:::::..  | *
 |・   | ゚・ |/   /  :::... ..   /:::/ | ::..... { |
    _|\∧∧∧MMMM∧∧∧/|_
    >                  <
  /\  ──┐| | \     ヽ|  |ヽ  ム ヒ | |
  /  \    /      /  | ̄| ̄ 月 ヒ | |
      \ _ノ    _/   / | ノ \ ノ L_い o o


 こうして、宗矩は長年追い求めていたものを、
遂に得ることができたのであった…。

140 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:56:51.92 ID:H4OktGco
宗リンノリノリッスねww

141 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 22:58:31.24 ID:ggXDYF.o
資本主義のブタwwwwww

142 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 22:58:32.81 ID:/WkTHtU0
             _ -―……―- _
.         .  ´          ` 、
      /                \
.     /       /        、  ヽ
.      /        / //    /  ヽ ∧
    /         /'´/  /  /  . | ∨ ∧     さて、こうして宗矩は「不動智神妙録」を得た。
.    ′    .  //  /   /  | |  |   ',
    |   /  /  l'  /   // . // . /| ||     しかし、この書について、その内容を語ると
    |  ' ' | | |//   // / ィ /| /┤ ||   完全に本編の話が中断してしまうので、
    |//  | | |/ /∠、 彡 ´///∠イ l, V    .ここでは簡単な説明だけすることにする。
    l//  / | | |/代汀ヘ≧='彡ィfjアノ/ .イv |
    | l  / | ト l|`{  ̄   ´}__,_{ ̄イイ l| ,l |     まず、この「不動智神妙録」の主題は、
    | | ′| ∨ゝゝ    rソ⌒V` / イ|l|/     簡単に言えば、
    l || | ヘヘ\   ̄  - / イ /l/l/ノ
    `l|| {   ヘヽ   ,. __¬/| | |/ ノ        『禅法は、兵法の心法に通じる』
    | | |  ヘ ||ヽl> .   / |!||
    | | |   ∧∧ヘ \/  ̄l   | lヽ|         というものだ。
     ゝv∨  ∧ ヘヘ ∧  |   | | ト
     Vv V  ∧ トヽ{   |   | | /

143 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:00:09.67 ID:/WkTHtU0
          /: : : : : : : : : :ヽ : : : /ィ         . また、その内容について、
          ,.': : : : :/: / : : l: l|: : : : : :∧          再び簡単に言えば、
.        /: : : : ://: : : : /:/|: : :、:ヽ : ',        
       |: : : : : |'/:_ : ィ/ Wi: :V: l: : |       ..... 『何事にも動ぜず、こだわらぬ自由な心。
       |:|: : :l: :|r≦、/ ,. =ヘlヽ: V: : :|       .....  それこそが兵法の至極の境地であり、
       |:|: | ヽ:{ 弋tァミ. i 〃辷アトヽ: :|       .....  禅法にも通じるものである』
       `ト、\: ゝ_ rソ{ム___ .イ : l : |       .....
         |: : l`T≦  { .     /|:|: l : |.       .... ということになる。
         |l : |: |: :>、 r..ュ  . イ_.|:|: || :|       .....つまり、俗に言う
         |l : |:/  l丶 __/ | _|:|: ||: |       .....
         |l : ||\ V|     Ⅳ|:|: |li/        ..   『剣禅一如(剣禅一致)』
         lヘ リ  .>ヽ    /ト//イヽ、        .
       ,. ´ Ⅳ/|L ∧  r/ 」.l/ >ヽl ` ‐-._    ... ということだな。
      /     lヘ ∨ \`y '/  / /   ,  \   この概念…剣と禅が相通ずるものだという思想は
     ,    .l     V∧  /。    / /   |:  / ヽ  この「不動智神妙録」によって確立されたのだ。
.    / l.  :|:/ __V∧_ヽ.   / /     :|::.〃  ∧ 
   /  l:::..:||:  |_____| |   '  '    ::|::l|::   ∧ ......
.  /   : l::::||: |      || |  / /     :|:|::    ∧  

144 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:02:51.65 ID:/WkTHtU0
               __              
            ,  "´:.:.:.:.:.:.:.` ‐ 、            そして、ここで重要なのは、
           /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\         
         /:.:.:.:.:.:.:.:.:.―:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ          『剣を学ぶ事で得た境地は、禅にも通じる』
           /:.:.:.:.:.:/:.:./:.:.:.:.:|:.|:.:.:.:.:.:.∧       
          /:.:.:.:.:.:/:.:/:.:.:/:./|:.|:.:.:.:.:.:.:.:.|         ということだ。
       //:.::.:.://:.:.:/:./ ,':∧:.ヽ:.:.l.:.!      .....これが単に剣と禅だけで完結するのであれば、
       ‐='イ:l:.:.:.:.lニニ≦z ´ /:/≦ヽ|:.:ム:|        今までと然程変わりはなかっただろう。
          |:l|:|:.:.:| 戈〒ミヽ ノアfテ丈//:lノ:|       
          `lⅥ:.:.ゝ  ̄  ノ}`ゝ  ̄、//:/:.:.|         だが、当時既に「茶禅一味」といい、
         `l|ヽト:≧= ´ 、,   ̄≦イ:.:|:.|        茶の湯は禅にも通じる、といった概念が
           |:.:.|:.l:l\  -_-  ∠:.|l:.:.|:.|        既に存在していた。
          /:./:./ lヽ、__ ィ |  ヽ:.:.|:.|       
       _」:.:|:/,、 l|     V  ∨/ ̄`ヽ、   . つまり、
      /   V.〃 |ヽ.リ    / / /`>ヽ.   ∧   
.      /     Ⅵ ∨├‐ 、 r'‐/ Vl:/ /`ヽ   l∧ ..... 『禅に通じることは、他の道へも通じること』
    /     `Ⅳ ト ヽ   /  イノ' /     / |  
     ′  |: l  V∧ ヽヽ // / /      | |   ということになる。
    |    l: |   V∧ ヽV´ // /     | | ......即ち、
   ハ    |:. |   ∨ム  {。 / /      / | |   .
   〈 ヘ   |:..|    ∨ム l丶/ /     / /:  |  ... 「兵法の至極の境地に達すれば、
    ハ:..∧  ∨     \`レ' /     .:/ :l::: l |  ...  「禅」を経し、他の諸道にも通じるのでは」
   l  ::.. ヘ:. {        |O/      .::/ :::l::::l  |  ...
   |   ::. ヘ:.L       l'´|    .::/  ::/:::l   |  ... ということなのだ。
   |    \\:\      l |    .:/  ::':::::l  |    これが、この後宗矩が語る
   |    ......\::丿     | l   ::;:   :/:::::/  |   「真の大将の剣」に繋がる事になるのだ。
  /  .:::∠ニニ:.\   o |  | /   .〈:::::/:   |   

145 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:04:48.59 ID:/WkTHtU0
         ,    ´ ̄ ̄`ミ 、__
       /      __   、 \
      /       /    , ヽ ヽ
     /   /      ,  }  ',  ',
     ,   /       /  ∧  ;   ,
      i   〃      丿,   / ',  i |     まあ、それはこの後、しばらくすれば分かる。
      |   ii ノ   / イ  ム一ヤ¦ |     では、話を続けようか。
      ’  j{´__ /イ__ノイぇヮi汀、|  ′
      、 彳 /   i^Y゙H 」__tりヽ! /i      実はまだ、この「不動智神妙録」には
       ト ミー‐一 j !|` ー‐一ノ' !     続きがあるのだからな。
      i   ド: : r' ノ !└、 : : : 彳 :
      :  i>、 j ´   └、  ィ i  ′
       ,   !/’、     ノ<_」¦,
       、 {〉、V´二二`Vrl ム_i/
      r へ Vヽl´    `l_l」/ /  ̄∧
      | \ ` ├──‐┼く     ,  !
      |     「 ̄ ̄ ̄]     / ¦
      |    |j      |     v   !
      |     Ⅳ      !    |  |

146 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:07:10.94 ID:/WkTHtU0
      __  ,  
    / ~\-  
  / ノ  (●)\       ん?
. | (./)   ⌒)\     まだ続きがあるのか、どれどれ…
. |   (__ノ ̄   \
  \          |     ええと…『内々存寄候事、御諫可申入候由、
    \       /           愚案如何に存候得共、折節幸いと存じ…』
.      \  ⊂ヽ∩
      /´    (,_ \.   
       /       \. \
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|

147 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:08:51.94 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\ 
 /   _ノ  \      『…御賢息御行跡の事、親の身正しからずして子の悪しきを責むること逆なり』
 |    ( ○)(○)
. |     (__人__)     『…只今寵臣たるにより、諸大名より賂を厚くし…』
  |     (
.  |     ` ⌒´ノ     『…貴殿乱舞を好み、自身の能に奢り、諸大名衆へ押して参られ…』
.  ヽ        }      
   ヽ     ノ       『…挨拶のよき大名衆をば、御前に於いてもつよく御取なし成さるる…』
   /    く
   |     \\
    |    |ヽ、二⌒)
   l    l     \

149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:14:37.37 ID:ggXDYF.o
剣と禅の融合をたのんでいたのに、いつの間にかお説教になったデござるwwww

148 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:10:38.19 ID:/WkTHtU0
 そして読了後…

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |   ( -)(-)   …心こそ心迷はす心なれ 心に心 心ゆるすな』
. | u   (__人__)
  |      `⌒´ノ     …か。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |

150 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:14:54.97 ID:/WkTHtU0
      __,‐⌒ヽ、
      /   '─ \        …なんで俺がこないだ某家のトコ行って、
     ノ ノ-、 (○) \     能薦めてきた事とか知ってんだよ和尚!
     | 。(○)  、゚ ヽ, ヽ
     ヽ  ヽ__,,,トー'i   )     つか、
      ノ    ` ⌒''  ノ
     (           }      『息子の事でブツブツ言ってたけど、
     ヽ         /       オメーがしっかりしてないからダメなんだよ。
      ヽ     /         鏡見ろ鏡!』
    ./ー-.l`‐-‐< ̄``ヽ
   (   ⌒⌒ ̄ ̄`r:ュ〈      とかひどくね?
    ´`´ー-、_,. -‐'´/l .ト''ヽ    それちょっとあんまりじゃね?


          _______
        /          \      それに、賄賂って進物のことと間違えてるんじゃね?
      __/     u    |||i  \    あと、好き嫌いや仲のよさで贔屓をしてるとか、
    /.     u      、   . |    誰だよ、そんなこと言ってるの…。
    |.         ,(⌒(◎)ヽ    |
    l  lヽ      )>   三  /     あとで誤解を解いておかないとダメだろ。
   /    ヽ\   `(__,(◎) / /      俺の印象的に考えて…。
   |      \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  \
   |     |ヽ、二⌒)、          \

151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:16:26.60 ID:iw6t8Wco
溶けてる溶けてるww

152 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/06(日) 23:16:45.36 ID:xewaQXY0
まあ手遅れになる前に諫言してくれるのはありがたいんだけどね

153 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:18:08.00 ID:/WkTHtU0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)
.   | u   (__人__)    …とはいえ、せっかくの和尚からの忠告じゃ。
    |      `⌒´ノ   何かの役に立つやもしれぬ。
   .l^l^ln      }    .憶えておくとするかの…。
.   ヽ   L     }
    ゝ  ノ   ノ      わざわざこのように忠告を書いてくれたのも、
   /  /    \     和尚なりの思いやりであろうしの…。
  /  /       \
. /  /      |ヽ、二⌒)、
 ヽ__ノ

    __
   /  . \
 /. \.i||i./ .\
 |  (●)(●) .|    それよりも…今わしが為すべきことは、
. |  (__人__).. |   「真の大将の剣」を、今こそ完成させることじゃ。
  |   ` ⌒    |  .
.  ヽ       /    次の稽古の時こそ、わしの…柳生の命運を決する時のだ!
   ヽ     ノ\ 
  /      __/ ̄`く._ __ て
  |      /〃 \   '"  \ そ
  |     ./¨\    \,_ ``ヾ} て
     . 人''" \  、__ ` 、_/ 
      〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
      ハ.  ヽ.  、__`ン
      ∧ !、_  `'_,/

 こうして、宗矩は「不動智神妙録」を得て、
己の「真の大将の剣」確立の最終段階へ足を進めたのである。

154 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:20:30.87 ID:/WkTHtU0
             _  -――-  _            ......
         , .::.::´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::`丶、         ..... さて、ここで書いてあったことだが、
       , .::.´::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.\        ...実は沢庵はこの「不動智神妙録」の最後に、
     /::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.゙       .....宗矩個人に対する忠告を付け足したのだ。
.    ,.:'::.::.::.::l::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:       .....
    /::.::.::.::.::.:l:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:          その詳細についてはまた別途説明するとして、
.   /:.::.::.::.::.::.::.l、.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ...大雑把に言えば、
  l:.:.::.:.::.::.::.::.l:| >、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:         .
  |:.:.::.:.::.::.|:./l:|´.ィム::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:         . 「悪い噂が色々立っているので気をつけよ」
  |:l::.::.l:.::.:レくリ比チ Ⅵ:.l、::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ... 「息子の件はお前が悪い。あと能やり過ぎ」
  |:l、::.:';.:.:ム V ´  ヽ:!|:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ...
.   いヽ:.:.、:ハ l    ゙!|:.::.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:         という2点に集約される。
   ヽl `、′ `      |:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       ...
      i`ヽ'      |:.:.:.::.::.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::       . 前者については、あくまで
       'l:.:.:.`T⌒     !:.l::.::.::.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.     ...「そういう噂があるので心掛けよ」というトーンで、
        l:.:|:.:.::`i    /:/:.::.::.:.:.:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.:       .実際のところ、「事実」としては語られていない。
       l:.:!:.:.::.lゝ__ イ:/:.:.::.::.::.:.:.::.::.::.::.::.::.::__::.::ィ     ......
       |:.|l:.:.::.l、::.::.:〃l:.:.::.::.:|:.:l:.::.::.::_::.:≦__{         これに対し、後者は具体的かつ断定的で、
        ヽぃ:.:、〉ヽィ/イl:.:.::.::/!_jL:ィ彡 ´      `丶、     .柳生家や宗矩個人に対する忠告として
        ` ゙ソ  Ⅵ |j:.:.ィ´ //            \ .   かなり直球のものを投げている。
               い´///  ,   ´ ̄ ̄ ̄`  、  ヽ   
             j/ //  /           \ ',   
               /  /  /              ヽ !. .....

155 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:22:14.14 ID:/WkTHtU0
                                      まあ、このうち、前者については、
                                     実際にそうであったと言うより、
                                     それだけ宗矩が家光から寵遇され、
           ,.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.、        その影響力が強まっていたことの反動だろうと言える。
       ,.':::::::::/::::::/::::::::/:::∧l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
      /:/::::::::l::::::/:::::::::/:::/ l::、:::::{::::l::::::::::::|::::::::::|         「他人を責める時、
      /:/:::::::::l::::/:::::::::/.::/  ゙、:_:::::、:::、:::::::::}:::::::::::!         人間は過剰に道徳的になるものだ」
      l/!::::::::::l:/::::::://,r‐__ニ_;⊥、ヽ::ヽ::::/:::::::::::|
      |! !:::::、:::l:::_∠X´ r "バ_;メ_ノ |`ヽ`:/::::::::::::::!        というからな。
      | 、、:::ヽ:i、ゞノ`,L.l    ̄  /::::::/:::::::::::::::|        それでなくとも、比較的新参の剣術指南役が
       ヽヽ::::::ゝ _ノ  ` ー一 ´/ィ:´::::::|:::::::::::::!        三千石の身の上、諸大夫にまでなったのだ。
           ト:::T`´ヽ 、       ´ !:::::::::|:::::::::::::!        嫉妬からの陰口もかなりのものがあっただろうな。
           !::::::ヘ   ____.,      !:::::::::|:::::::::::l:|
         l:::::::::::l:.、 `ー_ ''´    ,.ィ:::::::::|!::::::::::|:|         なんにせよ、文面全体から受ける印象は、
         !:::::::::::|:!:\      , ´ |:::::l:::|l::::::::::|::|        宗矩を諌めるというよりも、
         !:::::::::::|:|::|:::ヽ.... ‐ ´   _」:::::|:::|l::l::::::l!::!        「悪い噂が立っているので気をつけよ」という
         !:::::l::::::l:l;>,..r=ヲ__,....-ィ ノ:::::l:::|j::|:::::/!:|--  ..._    好意からの忠告がメインとなっている。
         |::|:::、:::f {::::了::::::::「 //:::/::/::/::ノ.ノ     `   ある意味、宗矩と沢庵の親密さを示すものだと言える。
           !:|ゝ〉ノ |::::::|:::::::::::| |/:::/_/ ‐ ´      ,.  
       ,r ´ ヽ   } !:::::l:::::::::::! ムィ´        /       なお、後者については、原文がかなり面白いのだが、
     _/      ノ !::::<::::::::::{ イ¨- ../         /  , '    紹介すると長くなるのでこれもまた後に述べる。
   , '´ l l   r ''^i ゝ--'-- ''´´   〈_    r‐ .._ /
  /   | | ‐'   ` 冖冖''´       ` 冖´ヽ  ヽ       …さあ、話は戻るぞ。
                                     次、宗矩はいよいよ大勝負に出ることになるのだ…!

156 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:24:39.63 ID:/WkTHtU0
そして八月のある日の事…

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ    但馬よ。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ   約束通り、沢庵の奴は江戸に来たぜ。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ    …さあ、俺に教える「真の大将の剣」というのはできたのかい?
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、
          徳川家光


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)    ははっ!
       |  u  (__人__)
         |     ` ⌒´ノ     今こそ、「真の大将の剣」を
         |         }     上様にご教授致しますぞ…!
         ヽ        }     
    /  ⌒ヽ    '´(      (さあ…勝負の始まりじゃ…!)
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

161 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:32:20.71 ID:ggXDYF.o
いよいよ、その時が来た

157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:27:48.58 ID:aUY.IPco
なんということでしょう

158 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:27:51.58 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    _ノ \
       |    ( ●)(●)    まず、上様。
       |     (__人__)    上様が求めておられるものは、
         |     ` ⌒´ノ    
         |         }     「剣を自由自在に使いこなせる境地」
         ヽ        }     
    /  ⌒ヽ    '´(      でございましたな。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<    ああ。
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|   それを得るために、俺は剣を振っているんだからな。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ    …だが、お前はこの間、
.    }.iーi       ^ r'    ,'    「それを得るには剣を振るだけでは足りない」と言った…。
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\

159 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:29:53.69 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \  /    左様でございます。
       |    ( ●)(●)  そして、その境地に達する為に、
       |     (__人__)  この度、沢庵和尚の善知識より得た極意…
         |     `|::::::|ノ    
         |      .l;;;;;;l     それをこれよりご教授致します。
         ヽ     .`ー'    
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |       おお…嬉しいこと言ってくれるじゃないの。
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !       沢庵を呼んだ甲斐があったってことだな。
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′        さあ、聞かせてくれ。
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'         その極意とはどういうものなんだ?
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |

160 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:31:38.27 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)
       |     (__人__)   それは…「こだわらぬ心」でございます。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


\\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::::::::::
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |        〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、    「こだわらぬ心」…だと?
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん
   l/   """"´`    )ノ
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´

162 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:32:44.59 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)    はい。
         |     ` ⌒´ノ   上様…そもそも上様にとって、
         |         }    「剣」とはなんですかな?
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


            ___ _
         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::     それは…武士たる者に必要な
    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::    「心の据わり所」を得るためのものだ。
.    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
     〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::     だからこそ、
.    /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ:::::::    これほどこだわっているんじゃないの。
    /..             "´ 2ノ/ l:::::
.   ヽ.ニ,`           __/ :l::::
.     'ーr_‐;        .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !

163 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:34:52.62 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\      上様。
       /    \i||i/    それこそが問題だったのです。
       |    ( ○)(○)  
       |     (__人__)    上様は、腕前が上がらぬ事…
         |     `|::::::|ノ    それも、「剣術」の腕前が上がらぬ事に
         |      .l;;;;;;l     とてもこだわっておられました。
         ヽ     .`ー'    
    /  ⌒ヽ    '´(      上様が、「真の大将の剣」を得るためには、
   / ,_ \ \/\ \    そこにこだわっていてはならぬのです…!
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


\\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::  て
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、::::::::::: そ
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |     u.  〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、      なん…だと!?
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん    但馬よ、腕前にこだわってはならぬとは、
   l/   """"´`    )ノ    どういうことだ!?
=-- /        u  l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´

164 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:37:19.24 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( -)(-)
       |     (__人__)    …上様。
         |      `⌒´ノ    上様にとって、神君様のお言葉は
         |         }     如何なるものでございますか…?
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }    …無論、それは至極のものだ。
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<   そもそも俺が将軍家になれたのも、
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|   神君様が…お爺様が俺を認めてくれたからだからな。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     だが、それが、
.    }.iーi       ^ r'    ,'     今の話にどう関係あるんだ…?
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\

165 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:38:35.75 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)    ならば、神君様のお言葉のうち、
       |     (__人__)
         |     ` ⌒´ノ     「大将たるものが自ら剣を振るい、敵を倒すことなど不要である。
         |         }       大将に必要なのは生き残り、軍勢を采配する事である」
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(      このお言葉は…如何お思いになりますか?
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


     /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
     (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
     .l `'^'´ u   }::::::::::::::::::i
     ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|
      !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|   そ、それは…!
     .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::|
     ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l
       i==-    イ   ヾヘ
      , ゝ. ̄  _,.ィ  i
     , ´  ゙'ーイシ″ ,
   /   、 \ヾ   /

166 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:40:03.88 ID:/WkTHtU0
       / ̄ ̄\
     / \i||i./ \
     |  (○)(○) |    上様…神君様が剣術をお学びになられたのは、
    . |  (__人__)  |   自ら敵を斬る…そのような「匹夫の剣」を得るためではございませぬ。
      |    ||||ii|   |
      |    l;;;;;;.l   }     しかし、今、上様がこだわっておられる剣の腕こそ、
      ヽ   `ー'   }    まさに「匹夫の剣」なのでございますぞ…!
       ヽ     ノ
      /      く l!| !
     /       \ |i
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    ∑ l、E ノ <
             レY^V^ヽl


\\ /::::::::::::::::::::::::::::::┛┗
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::┓┏
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::     但馬、貴様…ッ!!
   |     u   〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、     なら、お前が今まで俺に教えてきた剣は
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん    一体なんだったんだ!
   l/   """"´`    )ノ    貴様は、何のために俺に剣を教えたんだ!
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !      言ってみろ!!
     ゙、`ー‐'     ,'       
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´

167 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:42:16.66 ID:LAfEzL.o
その反応はもっともだww

168 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:43:15.81 ID:iw6t8Wco
お、ついに上様のお怒りを!
勝負所だ

170 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:45:08.60 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /   - -
       |   ( -)(-)
       |     (__人__)    …………。
         |      `⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


   / ̄ ̄\
 /  _ノ   \
 |   ( ⌒)(⌒)l    …それは、上様が大将として、
. |    (__人__) |   諸々の軍勢を采配する為に、
  |    ` ⌒´ |   剣を学ばれる必要があったからでございます。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

       /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
       (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
       .l `'^'´     }::::::::::::::::::i
       ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|
        !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|  …軍勢を采配するために…剣を…だと?
       .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::|
       ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l
         i==-    イ   ヾヘ
        , ゝ. ̄  _,.ィ  i
       , ´  ゙'ーイシ″ ,
     /   、 \ヾ   /
     i    `  \,メ--─
     ハ.  y     /
    /   i     ミ

171 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:48:32.15 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\     はっ…。
       |    ( ●)(●)    そもそも、大将にとって、
       |     (__人__)    軍勢とはこれ即ち自らの手足でございます。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }      この手足を操り、敵と戦い、
         ヽ        }      これを打ち破る…これこそが大将の戦いでございます。
    /  ⌒ヽ    '´(      これはお分かりいただけますな?
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|  u.   ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ    それは…確かにその通りだ。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ    数万人のいい男たちを自由に扱って、
     ヾ、!      !;     ,レソ    敵とヤリあうのは、大将である将軍家の役目だ。
       `|      ^'='^     ム'′   
       ,rト、   ──   /|       だが、それと剣とがどう関係するんだ?
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

172 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:51:31.04 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /  _ノ   \
 |   ( ⌒)(⌒)l  
. |    (__人__) |   …上様。
  |    ` ⌒´ |   軍勢とは、即ち大将たる上様の手足でございます。
.  |         }  
.  ヽ        }    故に、上様ご自身の手足を用いた技…即ち、剣術は
   ヽ     ノ   大なる手足であるところの軍勢を采配するためにこそ
   /    く     修め、用いるべき技なのでございます…!
   /     ヽ

\\ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、:::::::::::
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |        〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、    なんだと…!
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん   それは本当なのか…?
   l/   """"´`    )ノ
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´

173 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:53:21.74 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \  /     上様…今まで、上様にご教授した
       |    ( ●)(●)   我が新陰流の技法…思い起こしてくだされ。
       |     (__人__)  
         |     `|::::::|ノ     『敵の動き…心を読み、
         |      .l;;;;;;l       それに合わせて敵を打つ』
         ヽ     .`ー'    
    /  ⌒ヽ    '´(      これは、たとえ一対一の立ち合いであろうと、
   / ,_ \ \/\ \    諸々の軍勢を率いての戦いであろうと、同じでございます!
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

       /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
       (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
       .l `'^'´ u   }::::::::::::::::::i   
       ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|   つ、つまり、
        !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|.   大将たる者、自らの手足を用いるように軍を操り…
       .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::|   そしてまた、軍を采配するために、
       ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l    己の手足を操る技を修める…ということか…?
         i==-    イ   ヾヘ
        , ゝ. ̄  _,.ィ  i
       , ´  ゙'ーイシ″ ,
     /   、 \ヾ   /
     i    `  \,メ--─
     ハ.  y     /
    /   i     ミ

175 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:55:59.58 ID:/WkTHtU0
   / ̄ ̄\
 /  _ノ   \
 |   ( ⌒)(⌒)l    上様…!
. |    (__人__) |   その通りでございます!
  |    ` ⌒´ | 
.  |         }    かつて神君様が剣をお学びになられたのも、
.  ヽ        }    そのためにこそなのです。
   ヽ     ノ    そうでなければ、大将たる神君様が
   /    く      .あれほど熱心に剣をお学びになられますまい…!
   /     ヽ

         _,r'´::::::::::::::::::::::::::`'、.     
        {::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.     神君様もそうだったのか…!
         ゙l'´゙《 u. __,,,ゝ:::r、:::::l    …なら但馬よ、今一度答えよ。
         ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::}    
          ゙i`"l   ̄    ソ::::ヽ    大将が…俺が修めるべき剣とはなんだ?
          ゙i. ゝ^   ,  /ヾヾヾ、  
           ヽ ゙こ´  /     ヽ、  
            ヽ、  /__,∠、    `'-、   ^
             `゙ク'゙´   `    ゙'、 ヽ
              /           〉 ヽヽ
            ィ               ヽヽ
         _,,-'´:::                 ゙i
        /    `                  }
      /         ,-ィ‐r'´´      /   l
   __r'〈      ,ノ   / ```l       /     l
-‐ ´      ‐ '' ´  /l:::    l     ー'´      l

177 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:57:26.21 ID:GLpxk5c0
ノセ上手だなあ、宗りん

176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/06(日) 23:56:27.53 ID:ZOQjOc.o
なんたる詐欺師ww

178 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/06(日) 23:58:02.24 ID:/WkTHtU0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\    ははっ。
       |    ( ●)(●)   …大将である上様がお振るいになられる剣…兵法とは、
       |     (__人__)   即ち、自らの手足の如く、諸々の軍勢を操るためのものでございます。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }     即ち、その大なる手足を自在にされんがためにこそ、
         ヽ        }     上様は剣をお学びにならねばならぬのです。
    /  ⌒ヽ    '´(     
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


       / ̄ ̄\
     / \i||i./ \     それに比べれば、
     |  (●)(●) |    一剣の勝ち負けで得られるものなど、たかが知れております。
    . |  (__人__)  |
      |    |::::::|   |     おそれながら、自ら剣をお振るいになられ、敵を倒すのと、
      |    l;;;;;;l   }    将として采配を振るわれるのとでは、
      ヽ   `ー'   }    どちらが大将に相応しい兵法でございますか!?
       ヽ     ノ
      /      く l!| !
     /       \ |i
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    ∑ l、E ノ <
             レY^V^ヽl

179 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:00:03.49 ID:ZCVdHnw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|  u.   ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ    …それは勿論采配だな。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ   俺は将軍家…即ち、大将なんだからな。
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ  
     ヾ、!      !;     ,レソ   
       `|      ^'='^     ム'′  
       ,rト、   ──   /|     
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)    左様でございます。
       |     (__人__)    それこそが大将の剣、即ち
         |     ` ⌒´ノ
         |         }      『大なる兵法』
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(      でございます。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

180 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:02:18.79 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)    これに比べれば、一剣を振るって強いの弱いの、
       |     (__人__)    勝ったの負けたのと申すは、まさしく匹夫の剣…
         |     ` ⌒´ノ    即ち「ちいさき兵法」に過ぎませぬ。
         |         }
         ヽ        }      再度申し上げますが、上様がこだわっておられたのは、
    /  ⌒ヽ    '´(     おそれながら、その「ちいさき兵法」だったのです…。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j     一剣を振るい…その強弱勝敗にこだわるのは、
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{     小人の所業、ということか…。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |

182 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:05:23.85 ID:JRONfDco
>勝ったの負けたのと申すは、まさしく匹夫の剣…
問題はここからだよな。柳生の生存に考えて

181 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:04:07.64 ID:ZCVdHnw0
                     左様でございます。
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/      思い起こしてくだされ。
       |    ( ●)(●)   神君様は剣を修められましたが、
       |     (__人__)    自ら敵を求めて立ち合うことなどございませんでした。
         |     ` ⌒´ノ
         |         }      そして逆に、自ら太刀を振るい、
         ヽ        }     立ち回れた足利将軍義輝公の最後を思い起こし下され。
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \      大将たる者に必要な剣が
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.   いずれにあるか、明白でございましょう…!


       ______
    ,,..-‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` 、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  |;;;;i "'`~  "`~ `i||i" '' ゙` " |;;;;;;|
  |;;;;|       ヽ`     u  |;;;;;|
  .|;;| ,-;;;;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;;;;;;;;;;;;;ヽ |;;;;|   
 ,,ト;| ',,_==-、く    >゙-==、  |/ i    …神君様に…義輝公か。
 |i 、|   ' ̄"彡|         || |
 |'. (|       彡|          |)) |
  ! 、|      i,"(_ ,, 、,      |" i
  ヽ_|        `         .|_/
   .|゙      、,.--‐ 、,,     |
   .i ゙、    '  ̄ニ ̄     /|
   |   、      ̄ ̄    , ' |
   |  i ` 、    (    , "   |
    |      ` ー---― "|    |
   |  |          i     |

183 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:06:41.89 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( -)(-)   そして、話はここで終わりませぬ。
       |     (__人__)
         |    . `⌒´ノ    …戦乱の起こらぬこの太平の世に於いて、
         |         }    「大なる兵法」は、更に姿を変えねばならぬのです…!
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(     (さあ…ここが勝負どころじゃ…!)
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


       /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、  て
       (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、そ
       .l `'^'´ u   }::::::::::::::::::i 
       ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|    なに?
        !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|.   どういうことだ?
       .ソ   ``` i  ソ,iノノ::::::| 
       ヽ,-     !  シ_,イ、:::::l  
         i==-    イ   ヾヘ
        , ゝ. ̄  _,.ィ  i
       , ´  ゙'ーイシ″ ,
     /   、 \ヾ   /
     i    `  \,メ--─
     ハ.  y     /
    /   i     ミ

184 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:08:36.03 ID:NL.iiZwo
ここでたたみかけるのか
畳の上の仕合も並大抵ではないね

185 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:09:06.82 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \i||i/      太平の世には、太平の世に相応しい
       |    ( ○)(○)    「大なる兵法」があるのでございます。
       |     (__人__)   
         |      `⌒´ノ     即ち、諸々の軍を采配するが如く、
         |         }     諸々の臣を采配し、諸人を活かし、天下を治める事…。
         ヽ        }     
    /  ⌒ヽ    '´(       これこそが…!
   / ,_ \ \/\ \     
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.   

186 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:11:02.11 ID:ZCVdHnw0
         , --────-- 、
        /           \
       /              \
     /   ノ L     .|.  | | | | | | | |\ .|
    ./    ⌒      !、 | | | | | | |  /\
   /             _`'- | | | | | |;-'´:::: \
  |         / / ̄\\:|||||||// ̄\\
  .|        | |. ○ .|  ,|:;;;;::| |  ○ | |     これこそが「真の大将の剣」!
   |         \ \_/ /::;;;;:::\\_//     即ち、
   .|             ,/    ::|::     \   
    |            |     |     .|        『活人剣・治国平天下の剣』
    |            |     |     .|
    .|             \__/\__/|        でございます!!
    |.              トエエエエエイ  .|
    .|                   '.{| | | | | |.|  }  ./
     |                   .{| | | | | |   }  /
      丶                  .{| | | | |   }  l
      \                 、`ー一一 ' /
       .\                       /
       /ヽ                /

187 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:12:29.48 ID:O.2cWJso
大見せ場だなー、ゾクゾクするわ……

188 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:13:50.78 ID:ZCVdHnw0
\\ /::::::::::::::::::::::::::::::::::: て
  r'::::::::::::::::::::;;:;;:;;:ッ、::::::::::: そ
\ レ''''jrTf"    lミ::::::::
   |     u.  〈ミ::::::::
\ |、_ ャー‐__二ゞ ヾ::、     治国…平天下の剣だと…!?
`` ゞ:}   ̄'互.ヾ  }:j ん
   l/   """"´`    )ノ
=-- /           l  (ノ
== `弋"__,....._     !  !
     ゙、`ー‐'     ,'       \
''"´    ゙、 ̄    / ,'         \
/     ヽ__/::;' ,' ノ       `ヽ
  //      ヾ_,'∠..,,__
// //   /´

         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)   左様でございます。
       | u.   (__人__)   そして、この但馬の六十余年の生涯にかけて、
         |   u. `||||ii.|ノ   上様が修めるに相応しい「大なる兵法」は、
         |       l||i .}    この「活人剣・治国平天下の剣」しかないと申し上げます!
         ヽ     .`ー'}
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

190 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:16:10.61 ID:ZCVdHnw0
         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\          上様!
        /,//::       \        今こそ、「ちいさき兵法」へのこだわりを捨て、
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ      大将として、「大なる兵法」へお目覚め下され!
     /  /、:::::...       |ヽ_ \
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )   それが、この但馬、畢竟の願いでございます!!
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

192 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:19:42.19 ID:ZCVdHnw0

         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        
        /,//::       \        (言うべき事は全て言った……。
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ       あとはただ、上様のお心次第…!)
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━


        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{     ………。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |

189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:14:43.72 ID:5hwgQooo
ここで、「ならば学ぶのが剣である必要はないな」と突っ込む人がいたら
柳生家一巻の終わりだな。

191 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:18:32.77 ID:toq7Ho.0
何か剣理を説いてる風に見せかけて将軍を洗脳してるようにしか見えないんですがww

193 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:20:54.66 ID:ZCVdHnw0
             ___
           ,ノ' ´    ` ''ヾ、
         /            ヽ
        }f^'^^了t^'^'`'ー1  l
        |L_ ! ___ { ,..、|
         }f'tr'i  ''^'tォー` }j/i',|   …………。
          l.| ´ |    ̄  vijソ.!
         丶 └、     Fイ l′
     /    ',  ‐--‐  ,イ ケ|
   , ,/.       ヽ `''"´,/ !  ^|ー、
  / /      _,,」、'....ィ'       '|. \、_
. /./  ,. ‐'''"´    ! /   ,  _」__ヾ',
.,'.,'  /´   └ 、_ ノi   ノ  (、_  ``ヾ!
,'/ /     ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^    `
l|  !            リ    `ぅ ー=、_
| |          サ     〉
  ト             ′    ./''ー- 、,.._ 
  |  ヽl            (B     /    ヽ、
  |     !,、      !     /     ∠_
  ,イ     ヾ'     ィ 、   . /   ,,ィ'´
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

194 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:23:35.39 ID:jDHa6Bko
脱ぐなww

195 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:24:21.82 ID:ZCVdHnw0

    | | ::|                         _,r'´::::::::::::::::::::::::::`'、.
    | | ::|                        {::::::::rr-‐-‐'^i::::::::::::::i.
    | | ::|                         ゙l'´゙《   __,,,ゝ:::r、:::::l
    | | ::|                         ト=r;、 ゙"rィァ‐リメ }:::::}
    | | ::|                          ゙i`"l   ̄    ソ::::ヽ
    | | ::|                          ゙i. ゝ^   ,  /ヾヾヾ、
    | | ::|   チャッ                     ヽ ゙こ´  /     ヽ、
    | | ::|                            ヽ、  /__,∠、    `'-、
  ー==r=t==ー                                  `゙ク'゙´   `    ゙'、 ヽ
    {∠j}                                /           〉 ヽヽ
    {∠j}                              ィ               ヽヽ
    {∠j}                           _,,-'´:::                 ゙i
    {∠(ヽ                            /    `                  }
   ,イ∠>i \                         /         ,-ィ‐r'´´      /   l
  {   ̄´   ヽ_                   __r'〈      ,ノ   / ```l       /     l
   {         ` ー 、        ,、 -‐ ´      ‐ '' ´  /l:::    l     ー'´      l


         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        (……刀を抜かれたか…。
        /,//::    u  \        もはや是非もなし…父上…申し訳ござらぬ…!
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ      又右衛門…柳生家を遺し損ね申した……)
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

196 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:26:51.79 ID:ZCVdHnw0
              , '
             〆
           //
           ノ /
          /  i
          ,i  |i
         ,'  |i
         i|   |i       
        i|   .|i       
        |    .i、     
        ゝ     i、    
        .i|      ゝ    
         .i|      丶
         .i|       \
          .i|        丶
          .i|        丶丶、、,,
           i|         \ゞ`
            i|、       `\ 、、,
             ゝ       `丶`\ゞ
               \  ,.   ミ\丶 `
                 `;丶\丶  、`丶
                       \ 丶
                           \

197 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:28:04.78 ID:ZCVdHnw0
    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }   
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<
    !∩|.}. '___゙`   ./'__` f^|    …但馬よ。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄' |l.|    面を上げよ。
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\


         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)
       | u.   (__人__)   …は、ははっ…。
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }    (生きて…おる…?)
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

198 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:29:41.48 ID:ZCVdHnw0
                                      ___ _
                                  -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
                              ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                            r(:::::::::::::::::,、_ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::
                r‐、   r‐、    _,,,_ ゞ, rr~ヅ   ミ::::::::::::::::::::::::::::::
          _,,_      ヽ ヽ  ! l    / / !  フハ       ミ:::::::::::::::::::::::::::   …こだわりを捨てるというのは、
        __,,-r‐' ,r''''ヽ. _,,,,_ ヽr' ヽ !'´ !  ! ! l  l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::   なかなか難しいもんだな。
    ./´ ;  ,'    /} l、r‐、! >  l  !  ! ! l___〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::  今もこうやって、剣を振るうと楽しいんだ。
  ______!  ; ,'    / }_`l¨''__>、____l_/¨ヽ! l l _. /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ::::
//7X/ !  ,     / {XXXXXXXX!____,ノ !  !l__/..             "´ 2ノ/ l:::   …だが、大将はこれではいけない。
ヽーーi '  ,    /   ヾ''''''i'''''''''''''''''''',r'’ /i l. ヽ.ニ,`           __/ :l::   そういうことだな、但馬?
    !  ,   ,r''' _,,-"´ l   , ' /     ! i !.!   'ーr_‐;ァ       ィ    l:::
   ,/  ,   _!,,/     ヽ _    、__,ノ`:L,!」   〈..        /:{      ヽ
  /'       ;!         `ー-、` 、 ヽ    \、   `}     /:: ! i'''‐
/´       ;!            `ヽ、ヽ ヽ   `\ 丶、,、. イ::::::    ! 
       .    ;!                丶,   _,,-‐'''''''''''`ヽヽ 
      :    ;!               ',,r''´          
      :   ;!             /            


         / ̄ ̄\
       /    \ /
       |    ( ●)(●)
       | u.   (__人__)   ………。
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

199 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:31:22.41 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)   …上様。
       |     (__人__)   .剣を楽しむことと、その勝敗にこだわり、
         |     ` ⌒´ノ   心を囚われる事はまた別でございます。
         |         }
         ヽ        }     楽しむ分には、存分にお楽しみくだされ。
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


      (⊃ ̄ ̄\
    (⊃   _ノ  \       我が父石舟斎も、隠居後は
   (⊃    ( ⌒)(⌒)
    |   /// (__人__)       『兵法は 浮かまぬ石の 舟なれど
     |       `⌒´ノ        好きの道には 捨てられもせず』
     |           } \
   / ヽ         }   \    などと歌って、
 ./   .ヽ、.,__ __ノ     )  死ぬまで兵法三昧でございました。
/        .   | _/
|        / ̄ ̄(_)      上様が剣術を楽しみたいと申されるなら、
\   \ /| JJJ (      この但馬、いつまでもお付き合い致しますぞ。
  \  /  / ⊂_)

200 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:33:51.91 ID:ZCVdHnw0
       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !    そうか!
    ヽ {  |           !           |ノ  /    俺はこのまま剣術を楽しんでもいいんだな!?
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |

         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)   勿論でございます。
       |     (__人__)  
         |     ` ⌒´ノ    それに、今、申しました「真の大将の剣」は
         |         }    それこそ修めるにはまだまだ稽古が
         ヽ        }    要るのですぞ…!
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

201 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:35:04.51 ID:ZCVdHnw0
         / ̄ ̄\
       /    _ノ \
       |    ( -)(-)    そもそも、この但馬とて、知命の年過ぎて、
       |  ///.(__人__)    やっとこの道の滋味を得たのでございます。
         |     `|::::::|ノ
         |      .l;;;;;;l      今回とて沢庵和尚の導きがなければ、
         ヽ     .`ー'     とても上様にご教授できるほどは…。
    /  ⌒ヽ    '´(    
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<     なんと…。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    但馬、お前でもそうなのか。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\

202 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:36:44.49 ID:ZCVdHnw0
      (⊃ ̄ ̄\
    (⊃   _ノ  \    
   (⊃    ( ⌒)(⌒)
    |   /// (__人__)      左様でございます。
     |       `⌒´ノ      兵法修行に果てなどござりませぬよ。
     |           } \
   / ヽ         }   \
 ./   .ヽ、.,__ __ノ     )
/        .   | _/
|        / ̄ ̄(_)   
\   \ /| JJJ (    
  \  /  / ⊂_)

    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<     ふふっ、但馬ですらまだまだなのか。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    …はっはっは。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー_ ‐-‐ァ'  /
.   /}   \    二"  ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\

203 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:38:12.28 ID:ZCVdHnw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|   …但馬よ、俺は目が醒めた思いだ。
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ  俺は確かにこの国を治める大将…匹夫ではない。
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ   大将たる者は、
     ヾ、!      !;     ,レソ   ちいさき兵法にこだわってはならぬ…よくぞ言ってくれた。
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)    ははっ!
         |     ` ⌒´ノ
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

204 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:40:04.23 ID:ZCVdHnw0
     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ      但馬よ、これからもお前の剣、
  (i'"((´  __ 〈    }     頼りにさせてもらうぜ。
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }
  ヾ|!   ┴'  }|トi  }      いずれ沢庵という僧にも
    |! ,,_      {'  }     会ってみたいもんだな。
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ    さあ、今日は下がっていいぜ。
     ヽ__,.. ' /     ヽ  また次も頼むぞ!
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        
        /,//::       \       ははっ!
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ     
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:40:34.67 ID:O.2cWJso
乗り切った!

206 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:43:46.42 ID:ZCVdHnw0

         /⌒`"⌒ヽ、
        /,, / ̄ ̄ ̄\        
        /,//::       \       ………
      ;/⌒'":::..        |⌒ヽ     
     /  /、:::::...       |ヽ_ \ 
   __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )  
 ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━


         / ̄ ̄\
       /    ー ー\
       |   ( -)(-)
       | u 。゜(__人__)    な、何とか生き残れたか…!
         |     ` ⌒´ノ    正直、寿命が縮んだわ…!
         |         }    
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:44:18.14 ID:TvLXreMo
よかったよかった

208 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:45:19.58 ID:NL.iiZwo
また胃にダメージを受けそうな時間だったなww
でも乗り切れてめでたい

209 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:45:20.55 ID:ZCVdHnw0
   / ̄ ̄\
 /   _ \ /
 |    ( ●)(●)    だが、ほっとばかりしていられないだろ。
. |     (__人__)    上様にあそこまで大見得を切った以上、
  |     ` ⌒´ノ    なんとしてでも、この「活人剣・治国平天下の剣」を
.  |         }    確立させねばならぬ…!
.  ヽ        }
   ヽ     ノ     
   /    く  
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

    __
   /  . \
 /. \.i||i./ .\
 |  (●)(●) .|  
. |  (__人__).. |  わしの真の戦いは、まさしくこれからじゃ…!!
  |   ` ⌒    |  .
.  ヽ       /  
   ヽ     ノ\ 
  /      __/ ̄`く._ __ て
  |      /〃 \   '"  \ そ
  |     ./¨\    \,_ ``ヾ} て
     . 人''" \  、__ ` 、_/ 
      〈 " \ __.ヽ ヾ、._,)'´
      ハ.  ヽ.  、__`ン
      ∧ !、_  `'_,/

 こうして、宗矩は家光に「真の大将の剣」…
即ち「活人剣・治国平天下の剣」を説き、家光の御意を得たのであった。

210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:47:00.92 ID:XqwCoBwo
打ち切りフラグktkr

211 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:47:21.63 ID:ZCVdHnw0
                  _ .. -―‐- .. _
                  , . .´. . . . . . . . . . . . . .丶、
             /. . . . ..: . . . . . .: . 、:..:. . . . .\          さて、この宗矩と家光の会話自体については、
             /. . . ..: ..:. . . . ..: . ..: :.. ヽ . . . . . . ヽ        直接史書などに記述があるわけではない。
              , . ..: . ..:. ..:.. . . . ..:..: ..:..: :..:. .i. . . . :. . . .゙,
          /. . ..: . ..:..:/. . ..:..:..:..:..:..:..:../:. |:..:..: . :.. :. :. ,        だが、この時期、これ近い内容の会話があったのは
           /..: ..:..:. .l:../:. ..:..:..:..:..:..:..:..:.イ:.. :|:..:..:.. .i:..:.. :..l       前後の状況を考えてもまず間違いない。
.          '..:..:..:..:..: |/:..:..:..:..:../..:..:, ゙/..: ハ:..:..:..:l:..:..:..:.|
         l..:..:..:..:..:. !:..:../:../:..:../ ゙.: ,.'  ゙、:.i:..i:..:..l:..:!        そして、ここで宗矩が編み出した「真の大将の剣」
         |..:l..:..:..:..:.i:..://__..: ゙´  ノ/ _  ヘ v:..:..:.!:..l       即ち、
         i..:l..:..:..:..:..Vィ云ミ‐-、/´-‐彡tセf刀:..:..:/:..:!
         ゙、:ぃ..:..:..:..、代_fソ`/    ´_゙=='ン:../:..:..:!          『活人剣・治国平天下の剣』
            `、 `、..:..:..:ミ ̄    l     ´- イ:..:..:.i:..!
           \ i..:.‐-. =-    !       j:..:..:..i:..!         が家光に伝えられたものと思われる。
             i..:..:八     ヽ ,      /!.:i:..:..!:.l
.               l..:..:..:.!\   ー--一   .ィ゙..:l:..!:..:.!:.{        なお、この「活人剣・治国平天下の剣」については
             j:..i..:..:l..:..:丶、   ̄   /!:l:..:.l:/:..:.!:..!       .まともに解説するとここでは収まらないので、
              ,..:.!..:..:i..:..:..:..:i_ヽ __  ´ r1:!:..:':..:..:.l:..:l        これはまた別に回させてもらう。
             ,..:..:!..:..:l..:..:..:..:!:  ̄ ̄ ̄: :l:.!:/:..:..:.:':..:.!
             /..:..:i..:...:l..:..:_,.ィ: : : : : : : : : W:..:..:..∧:..:'、        ここでは、この時期で、宗矩が家光に
              /.._」..:..:.!゙´: : : : l: : : : /: : :v:..:..:.ム:.、:..:ヽ       この「活人剣・治国平天下の剣」を説いたという事を
         ,  ゙´!::::!..:..:.!: :___: l: : : /: : : ,:..:..:..:'::::::/ ̄`` 、_    憶えておいてくれればそれでいい。
         /     {:::::l..:..l:|: : : : : `゙ : : ´ ̄/:..:..:..:!::::/        `ヽ
      /      V::l..:..|:|: : : : : : : : : : : : !:..:..:..:.l::/         ゙:,   …あと、この格好に意味はない。
       /         V..:..:!:! : : : : : : : : : : : l:..:..:..:.:k          :,  「最後くらい女装でゴー」とか>>1が言ってるだけだ。
.       ′   、   /l..:..:.lノ : : : : : : : : : : : l:..:..:..:ハヽ         l  なんということだ…!
     l     丶 //!..:..:.!、: : : : .:. : : : : : ;l:..:..:..゙:::::i:::i     /    !
     |     ∨/:l..:..:.l:::ヽ : : : :::: : : : :/:!:.l.:..l:::::::i:::l   /       !
     |     //:::l..:..:..!::::::ヘ: : : :::: : : /:::l:..!:..l::::::::Vヘ  ,′       !
     l      //::::::!..:l..:|:::::::::ハ:: ::::: : :/::::::l:.l:..:l::::::::::Vヘ ,         l
     |    ':::::::::::l..:.l..:!:::::::::::ハ::::l::../:::::::::、:!:..:l:::::::::::Vマ!       l
     l    i:::::::::::::|..:.|..l:::::::::::::::',:.i:/:::::::::::ハ:..:.i::::::::::::ヽl       l
.       l    {:::::::::::::!..:.l..:!::::::::::::::::V:::::::::::::':::::!:..:.!:::::::::::::::i      ,
.     l    '、:::::::::::、..:l..:i:::::::::::::::::::::::::::::::!::::::!:..:.l::::::::::::::ノ       /
      l    \::::::::ヽ:、.i::::::::::::::::::::::::::::ノ:::::ノ:...ノ::::::::/      /

212 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:50:12.56 ID:ZCVdHnw0
 そして時が過ぎ、月も変わって九月二日…。

    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }    但馬よ、お前にこの「五の字の指物」を
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<   許してやろうじゃないの。
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|    これからも俺のため、
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ    頑張って欲しいんだぜ?
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ⌒)(⌒)     ははっ!
       |     (__人__)    
         |     ` ⌒´ノ     (あれ以来、上様は強い弱いを
         |         }       口に出されることがなくなった…。
         ヽ        }       良いことじゃ)
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 宗矩は、使番の中でも、特に限られた者にだけ与えられる
「五の字の指物」を許された。
(この時点での宗矩の公的な役職は「使番」だった様子)

213 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:51:38.94 ID:ZCVdHnw0
                 ,.. --t'7.ノ ヽ'i i :.ヽ、ヽ、
                     |'l^'‐ミ_リ∠-ゝ'l : ::.i ヽ 丶
                     リ ,-''´   ヽ!l i | i: `!ミ`l
                 |i' |, __ ;,..ィ=ニ!i i :.i|! /.、 |   この度のはからい…どのような意図があるのか?
                 !,.i |ンt.)   ´~^!| //.ノニ)'
                 リ、 'l. ノ     !//)ノ:ンi'
                 |'.ヽゝ.`,..'... - |/'ノ ,|ヽ !
                   'l'ゝ.     ' ,./ `|
                     .ヽ___,....<__,.....-'_l:、
                   _,..-/ )ニ/ / .l i Yニ|. ヽ-、_
               __,.- '´./ .ノ!/ .| ___.i. ヽ,|, 丶 `‐.、.._
            _,..ィ‐'´   /  .i' y,‐、〈´| | ,-t||!  ヽ    `'‐.、.._
          /' /     <._  ,.j|||〉 `´ ' `T '||l!、 _,.>      :  ヽ
           /  |     _>´ ||||7'i .l'i'、 f L.r,、| ヽ、       |!  i
┌────┐.,|  |'    ノ   ||フ! ,>='ン-Y ,..., ||||   \     :   l
│.イノウエ .| !  :     '|    |'||| ,|li,__| l、./||__)||    /     :  '|
                    井上筑後守政重
               (いのうえ ちくごのかみ まさしげ)

               i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
.               N .!' / , , -;=‐‐‐<
               !_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー,.-   ふっ、この俺にもツキが廻ってきたか…?
              ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く
            _ /.i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ
        ,.-r‐r',ノ'っ'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`
        ,1,.!..iン' //.  'ーi'_,,,..  ノ  '_ゝN`
  .     / 7´  ノ       ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_
       ,iー'  ,ィ'       '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"''''ー.、
      io'iー‐ 'i       ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, '       .',
      l l   .l     ,.//〃 .,' ,.'/././././././       i
      /`7 ''''  ヽ  ノ////  !/.,'./././././ ,'         !
      !     .i r'´ /i,'.,'/  ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./        ,'
      ',     iノ-.、i.i.i.i.i  ./,'.,' ,' ,' ,' ,' ,!'        , '
      i     i';  l !l.l ! ,'.,'.,' ,' ,' ,' ,'.,ヘ,_        ,.'
      |     ,'  .!',',','i ,' ,'.,' ,' ,' ,' i r'ー'‐`=、、   ./
      ';      _,,.!i」,!r'ー'‐ー'‐' ''"`i;    `ヾ'、ノ
       ヽ,__ , ‐'´./ /              ,./
         !r',.  i,__.i            //
┌‐────┐/ r.ァ'´!i i\   __    , ィ_,'_ ,,,,.....
│ アキヤマ .|`.".´... !'-'-'‐=‐´― ''''""" ̄
            秋山修理亮正重
       (あきやま しゅりのすけ まさしげ)

 またこの時、宗矩の他にも、井上筑後守政重、秋山修理亮正重、
仙石大和守久隆(仙石久秀の息子)、新庄美作守直房、宮城甚右衛門和甫、
馬場三郎左衛門利重、曽我又左衛門古祐といった面々も同じく召し出され、
この「五の字の指物」を許されていたという。

214 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:53:02.86 ID:ZCVdHnw0
 また、この九月中…

        / ̄ ̄\
      /      \
      |   -   -   |
      |  (●)(●) |   …………。
      |  (__人__)  |
    .  ヽ  `⌒´  ノ
      ´ ヽ     ノヽ
   /´           `\ カキカキ…
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   | 9=ε-8. | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,|
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

215 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:54:39.91 ID:ZCVdHnw0
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//   
/     
   / ̄ ̄\  ( ;;;;(
 / _ノ  ヽ\ ) ;;;;)   ふー、やれやれ。
 |  ( ─) (─)/;;/   これで後少しか…。
. |   (__人__) l;;,    
  |    ∩ ノ)━・'      上様の次にこれをご教授するのが
.  |   /  ノ´ }     信濃守様(鍋島勝茂)になるとは思わなんだが、
.  ヽ  / /    }      あれほど熱心に頼まれてはのう…。
   ヽ/ /   ノ

216 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:56:02.91 ID:ZCVdHnw0
        / ̄ ̄\    
      /      \    とはいえ、鍋島家は、紀伊守殿(鍋島元茂)の縁もあって、
      |   \i||i/  .|   我が柳生家とは縁も深い家…その当主の頼みとあれば、
      |  (-)(-) |   流石に断りきれぬか…。
      |  (__人__)  |  
    .  ヽ  `⌒´  ノ    それに、あの家であれば、
      ´ ヽ     ノヽ   我が柳生の兵法を託すに足るであろうしの…。
   /´           `\
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   | '''. --  - | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,| カキカキ…

 この頃、宗矩は鍋島勝茂に頼まれ、
「活人剣・治国平天下の剣」を伝書の形で書き記したという。

217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 00:57:17.13 ID:FuvdkMko
勝茂・・・キョンか!(違)

※管理人注:「やる夫が葉隠武士になるようです俺速でやる夫を纏めるブログさんまとめ)」参照

218 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 00:57:33.56 ID:ZCVdHnw0
 そして…

   / ̄ ̄\
 / ノ  \ \
 |  (●)(●) |    信濃守様。
. |  (__人__)  |   こちらが頼まれていた我が柳生の兵法の極意を記した書…
  |   ` ⌒´  ノ   名付けて、
.  |         }
.  ヽ        }     『兵法家伝書』
   ヽ     ノ     
   /    く      でございます。
   |     \
    |    |ヽ、二⌒)

                  .__ ____         おおっ、これが!
              |ヽ /:::::::||:::::::::ヽ/|._    未だ誓紙も入れておらぬわしに、
             ).|:::ヽ:::::::::::.||:::::::::::::::|丶___  これほどの厚遇…礼を申しますぞ!
            /..|:::::::::::::__/ヽ__::::::::||())_)ノヽ ____   
    ___,,, ,,__  ((0|Iヽ武..\:::/::神 ||:::::) ..)-|/::ヽ____ヽ_/)ゝ
  .//―.|___.|.ヽ--ヾノ::::ヽ::::::/_.|._ヽ:::::::||0:/ /::::::ヽ------‐-.... \
  | |ー-..|-..|:::::::ヽヽゝ::┌--.i|::.i--┐:=::/::::::::::/....-===-.... ヾ ..ヽ
  |:::|(_(_(_.┘(O)ノ|:ヽ::ー-::|^|^|:ー-‐:i/::::::::::///....--.... \..\ ヽ
  |::|(_(_(I|_|)(O)/...._[ヽ::::|::ヽ-:::::::|:/:::::::::://// ___...\..\..\ ヽ
  \|(_(_(_|_.)ノ-┘―--―|::|::====:|:|::::::::::::/ / | |..../  .ヽ | . |  .| |
               |:::ー---―|::::::::::::| .|  | ..| |   . .| .| |..|/
              ...|:::| ゝ__ノ ヽ____/ ヽ ヽ..ヽヽ...____..././ ./ ./| 
              /:ヽヽヽ|..| ー::__|...-...:::\ \\__/./../...|
             ...| ..|:::ヾ.| |..--..../ ~~| ::::|.\..\_______/../::::/::)
              | ..|_..===.._/   .|:::::::|::::::\__________/::::::/:::::|
              ヽ_/ _○__ |     人::::|::::::::::::/::::::::::/:::::::/:::/ヽ
               ..|../ ~ ヽ |______/ /\::::::/:::::::/::_:/____..へゝ
                鍋島信濃守勝茂
           (なべしま しなののかみ かつしげ)

 こうして書かれたのが、「兵法家伝書」と呼ばれ、
後に書かれる「五輪書」と並び称される武道伝書の双璧とも言うべき書であった。

 なお、この伝書を譲り受けた時、まだ勝茂は誓紙を入れていなかった。
その意味では、この家伝書の伝授は相当な厚遇であり、
宗矩が鍋島家をかなり特別視していたと言われる一因ともなっている。

219 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:00:24.06 ID:ZCVdHnw0
 そして、更に時が過ぎ、
今度はその翌月の十月三日…。

     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }        但馬よ。
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }       今まで長年仕えてくれたお前に、
  ヾ|!   ┴'  }|トi  }       加増が全くなかったのは、
    |! ,,_      {'  }       流石に冷たい仕打ちだったじゃないの。
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ      さあ、三千石を加増してやるぜ。
     ヽ__,.. ' /     ヽ    力を抜けよ?
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


         / ̄ ̄\
       /    ー ー\
       |   ( ⌒)(⌒)
       | u   (__人__)   は、ははっ。
         |     `⌒´ノ   ありがたき幸せにございまする…!
         |         }
         ヽ        }   (おかしい…いくらなんでも昇進が急過ぎる…。
    /  ⌒ヽ    '´(    これは何があるだろ、常識的に考えて…!)
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 この日、宗矩は三千石を加増され、合計六千石の身となった。
これにより柳生家は、旗本の中でも上位1%内のほぼ最上位格といっていい石高となる。

220 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:02:39.54 ID:ZCVdHnw0
                ,-、_ ./`゙':、___
                | i:、`| i ', `:、 `ヽ、
                | !.,r'ー'‐‐| i `i  ヽ
                |i',i、 -r=' | ,i i i i_  i   …秋山殿。
                !'.!l' ` ̄.!/|,' /i-',  !  私やそなた、それにあの柳生殿も加え、
                 i`___   !/ r';,ノ ./   先月、五の字の指し物を許された者が、
                 ヽ `  ' /" ',./   また今月、このような加増を…どう思う?
                    ゙ー-r‐''" ._,.-‐'i:、_
                   ,:-|‐'iニ"_,,-=:l. i`':、_
                 ,.;'" ,'  i"-‐ _.,:'  .|    ̄ `''=:、
                // ,'-:、 |-‐フー-=ニ    ,.;-'"  ヽ
              _,.-',`-i"`i ,' .`i.,.:'/   ./ ,.-, /        i
            ,r'  i-、!"'、r-'"i゙ ./   //,.:'-"       |
           ,:' / r''l__ri"r| i"'、|./   r-"-く_        .i
          /__,,,!__| |  i" 7 /.i  ,!゙-ニ_''‐、'`:、..      /
.       _,.-:;'r'゙,.',:-'  `''―:'-'-'---!-',r‐-,,,`‐:、)‐'     ,,:'
      / -'、_,'/             ` ―`゙´-     _,:',:'
       /    i                     ,.-'".,:'
.     /     |                   /  ,:'
     ヽ     `''‐‐-、_              /  /
┌‐────┐ _,,.-r‐‐''"´「`''''ー-:、____,.:'゙   /
│ イノウエ .|    |     |     |        /

     /       i   i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
.     ー- 、     i   .N .!' / , , -;=‐‐‐<
         !_,.........⊥  !_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー   フッ、上様には何かお考えがあるようだ…。
       /!     | ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く  そいつがわかるまでは…下手に動かないのが上策だぜ?
      ,ノ-┤    | i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ
      { ‐コ.   ____| 'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`
      | ´_,`T‐┬‐"   'ーi'_,,,..  ノ  '_ゝN`
  .    ヽ く. /         ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_
       ,i` . ,ィ'        '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"'ー.、
      io'iー‐ 'i       ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, '       .',
      l l   .l     ,.//〃 .,' ,.'/././././././       i
      /`7 ''''  ヽ  ノ////  !/.,'./././././ ,'         !
      !     .i r'´ /i,'.,'/  ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./        ,'
      ',     iノ-.、i.i.i.i.i  ./,'.,' ,' ,' ,' ,' ,!'        , '
      i     i';  l !l.l ! ,'.,'.,' ,' ,' ,' ,'.,ヘ,_        ,.'
      |     ,'  .!',',','i ,' ,'.,' ,' ,' ,' i r'ー'‐`=、、   ./
      ';      _,,.!i」,!r'ー'‐ー'‐' ''"`i;    `ヾ'、ノ
       ヽ,__ , ‐'´./ /              ,./
         !r',.  i,__.i            //
┌‐────┐/ r.ァ'´!i i\   __    , ィ_,'_ ,,,,.....
│ アキヤマ .|`.".´... !'-'-'‐=‐´― ''''""" ̄

 なお同日、宗矩の他に井上筑後守政重(目付)、秋山修理亮正重(目付)
そして中山勘解由照守(槍奉行)にそれぞれ二千石が加増されている。

224 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:09:25.73 ID:Ak1Y7UIo
政治は気が抜けないな。
そこを泳ぎきる才能があったのが宗矩だったというのは、
多分非常に柳生家には幸運だったんだろうなあ。
多分兵庫か十兵衛だったら
「一日じゅう剣振ってろ。話はそれからだ」
で終わる気がする。

221 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:04:39.80 ID:ZCVdHnw0
 こうして、謎の急激な昇進が続く中、
寛永九年も終わりが近づきつつある十二月十七日、「それ」は起こった…。

            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|    お前たち、今日はよく来てくれたじゃないの。
          N| "゚'` {"゚`lリ   待ってたぜ。
             ト.i   ,__''_  !
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)   ははっ…!
       | u.   (__人__)   
         |     ` ⌒´ノ   (わしだけではなく、井上殿や秋山殿、あと水野殿か。
         |         }     水野殿以外は、わしと同じように急激な昇進をした者…。
         ヽ        }     間違いない、上様には何か意図がおありになる…!)
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 宗矩の他、井上、秋山、そして大坂町奉行兼堺奉行である水野河内守守信の4名が、
召し出された。

222 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:06:06.52 ID:ZCVdHnw0
     イ`ヽ、:::::::::::::`:ヽ-、_lllllllllllllllllllll`、
__,―'´lllll|lllllllll`ヽ、:::::::::::::;;;;;;`ヽ、_lllllllllllll|
`l ‐-、_lllllllllll|、lllllllllllll`、;;;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;ll`|lllllllllll`l
`|l|ll|lll`ヽ、llllヽll'‐'´⌒`、llllllllllllll;;lllllll|ニ、lllll|
  |l|ll|lllllllli'´ ̄´     `、llllllllllllllllllll|,-、`|llll|   (…上様の意図は何だ…?)
  |l|ll|llllllll|    ,  _,.‐ |ll,、l,lllllllllll|‐ 、/lll/
  |lト、lllllllll`ー、_ ヽ`-',=iフ.|l|`l|`|l|、l/ー' /llll`l
    || ヽllト、lll`F|    ̄´. || ||ll|llノ i‐' ‐、lll|
   ll  `ヽ、`ヽ| l      l/ | |l||/ `l   |`i、
   |     `ー `し_ ー  /   |l/ /   / 人`、
          \_, -‐―   /_, -、'`< ノ llllヽ、
           ,.‐∧―-    / `l  `ヽ`ヽ、ノllllll\-、
        /llllll/llll`、___,/ |  |  `ヽ  ヽllllllllll`ヽ


         i、 ,/f´'´レ=ニ-ァ
        iv' '´, ,-‐=ー'´、
         >-‐=:ーュ、-=ニ`>  (今、ここでそれが明らかになる…!)
        ,:i=三= ,! ト,)i、ミ`ミ、
    rv‐t')</ヾ,==へノ;〈゙ レ、ミ`、
    /`tj''´i/  `ヽ;-  ,.:'_,.-‐ャ゙`
   i '´ /    `ーァ、´ ,.-',´.'`=‐ァー--、
  f`iー-|     ,.-'/7'^>'.,' :',:'.'/   ヽ
  |_|__j、  ,:/;':/ i /´.' ,:.',:' .'/      |
  /'    l ,r‐'/;./ レ',:'.; : ' : .,.:'´      !
  |     |,!、_/: ;|  /, ,: , : ; /        /
  ヽ   トi |l|.il| ///,:'.:',i ヽ、_   r'´
  |   ノ ||il:`y'//.',;.:-r' ̄`ー、ヽ、i´

223 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:08:20.72 ID:ZCVdHnw0
            __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!     …お前達を集めたのは他でもない。
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|    本日を以って、お前達を新設の役職、
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ        『惣目付』
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ     にする。
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|       その役目は、俺の手足になって、
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、     諸大名…そして年寄を監察することだ…!
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


         / ̄ ̄\   て
       /    \i||i/  そ
       |    ( ○)(○)
       | u.   (__人__)    そ、惣目付…!
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }    そして諸大名と…年寄方の監察ですと!?
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

225 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:10:53.36 ID:ZCVdHnw0
        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ     ああ…特に年寄のうち、
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j     父上の…大御所様の時からの者たちは、
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{     完全に俺の意思通りに動いているとは言い難い…。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.      手足は、己の意思通りに動かせてこそ手足であり、
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /      それでこそ自在に技が振るえる…。
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /     そうだろう、但馬?
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |

         / ̄ ̄\
       /    \i||i/
       |    ( ○)(○)
       | u.   (__人__)   ………は、ははっ。
         |   u. ` ⌒´ノ
         |         }    (これは…!)
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

226 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:12:35.87 ID:ZCVdHnw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|     但馬よ、頼むぞ。
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ     お前の柳生新陰流…「大なる兵法」のために
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ    実際に振るってくれるよな?
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ
     ヾ、!      !;     ,レソ      他の者達も頼りにしてるぜ?
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


            /⌒`"⌒ヽ、
           /,, / ̄ ̄ ̄\
          /,//::       \     …ははあっ!
         ;/⌒'":::..        |⌒ヽ
       /  /、:::::...       |ヽ_ \
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )
    ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━


 こうして宗矩は惣目付(大監察ともいう)…後の大目付の地位に就いた。
寛永九年(1632)十二月十七日、宗矩62歳のことであった…。

227 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:13:07.32 ID:/93Xmc.o
裏・柳・生!裏・柳・生!

229 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:13:58.46 ID:Ak1Y7UIo
裏柳生キター!!

228 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:13:56.56 ID:ZCVdHnw0
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|
_   |
\`ヽ、|
 \, V"
   `L,,_
    |ヽ、) ,、
   /  ヽYノ
  / r''ヽ、.|
  | `ー-ヽ|ヮ
  |    `|
  |.     |
  ヽ、   |
   / ̄ ̄\
 /  _ノ ヽ_ \
 |  (≡)(≡) l
. |   (__人__) .|
  |   ` ⌒´  |
.  |        }
.  ヽ       }
   ヽ     ノ

┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ

【やる夫で学ぶ柳生一族(その28)「宗矩、惣目付になる」】 完

230 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:14:17.43 ID:NL.iiZwo
これが大目付誕生の時か…!
62で大変だの…御同役の中でも年かさだろうに

238 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:23:13.73 ID:TvLXreMo
乙でした!
宗矩62だったのか。

231 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:15:27.99 ID:ZCVdHnw0
【今回の新規登場キャラ】
 井上筑後守政重  : 御剣怜侍(逆転裁判)
 秋山修理亮正重  : ゴドー(逆転裁判)
.
 沢庵よりの使者 .. : 資本主義の豚(デトロイトメタルシティ)

 解説役      ... : ティエリア・アーデ(機動戦士ガンダム00)

233 :やる夫で学ぶ柳生一族(その28) [sage]:2009/09/07(月) 01:17:50.41 ID:ZCVdHnw0
 どもども、お疲れ様でした。
本日も遅くまでお付き合いありがとうございました>皆様

 ようやっとここまで来れたなあ、と感慨深いところでありますが、
何気に気づいたのは、今日、このスレを始めてちょうど丸1年ということなので砂。

>1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/09/07(日) 00:15:27.50 ID:i2jNfP490
>   えー、初VIPです。
>  やる夫シリーズも色々ありますが、
>  剣豪ネタの話とかは見当たらないように見えたので、
>  ひとつやってみようかと。

 このスレを始めた時は、まさかここまでかかるとは思っていませんでした。
せいぜい全10話位で、秋くらいに終わるかな、とか思ってたのですが、
年末の段階で、「…こりゃGWまで掛かるなあ…」となり、
GWの段階で、「…9末に終わるかなあ…」となり、
今現在となると「…なんとか09年以内に終わらせたいんだがなあ…」となっている有様。
我ながら計画性がないというか、計画は立てても、ちっともその通りに行っておらず、
なんともはやでアリマス。

 で、更にアレなのですが、
今回の話の筋となった「活人剣・治国平天下の剣」については、
これでは殆ど話をできたことにならないので、次回は久々の外伝にしようかと。
やる夫とやらない夫で話を進めて、この宗矩が作り上げた思想…というか、
この時宗矩が考えていたであろうことや、その周辺の物事について、
あれこれ解説をする所存でアリマス。

 …つか、正直、これが次の1回で終われるかどうか、サッパリ確信がないので、
もしかすると、今月をその話だけで使い切るやもしれませぬ。
とはいえ、当時の状況とか、それまでの宗矩の道筋とかを踏まえた上で読むと、
この宗矩の思想というか、それを記した「兵法家伝書」が実に味わい深いシロモノになって
立ち上がってきたりするので、愉快千万なのでアリマス。
お話の方を期待されておられる方にはなんとも申し訳ないのですが、
実は当方が一番書きたかったネタはここにあるので、どうかご容赦頂ければ重畳ー。

 よろしゅうですー。

235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:21:39.73 ID:NL.iiZwo
おつでしたー

>実は当方が一番書きたかったネタはここにあるので、どうかご容赦頂ければ重畳ー。

You、やりたいようにやっちゃいなYO!
すごく楽しみだNE!

237 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:23:09.90 ID:Ak1Y7UIo
乙でしたー。
一周年おめでとごぜます。
しかしまあ、ペンは剣よりも強しというか、
世の中舌先三寸というかまあ。

243 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 02:03:45.68 ID:gX6A0kgo
お疲れ様でした!実に面白かった!
治国平天下の剣のところは手に汗握りましたよ!
次回も楽しみに待ってます~。

239 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 01:24:44.54 ID:JRONfDco
お見事、おみごとに御座いまする

246 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 12:56:24.03 ID:SbQ4VFUo
おつかれさまでしたー
ついに惣目付までキター

247 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/07(月) 19:52:34.13 ID:TgUogh2o
しかし、惣目付って宗矩だけかと思ってたら他にもいたのね。
そりゃ一人だけでは担いきれないか。

248 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/07(月) 22:15:38.55 ID:.D7vTWU0
62の爺さんに惣目付は厳しそうな気が・・・

249 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/09/08(火) 20:08:58.51 ID:79Yq0vc0
惣目付の嫡男が長い間江戸を離れてたら、隠密って噂も当然。
優秀な十兵衛を隠密として使いたいから、宗矩が隠居しないで頑張ってると普通は思う罠。

254 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/09(水) 07:56:59.26 ID:Sy1eqQwo
>249
その実態はただの糞ニート…現実は残酷だ

250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 21:52:44.64 ID:sTKxiXoo
こうして見てると勝茂と宗矩が二人でタッグ組んで
「今夜はダブル新陰流だからな…」って不逞の輩を切り[ピーーー]シーンとかが見てみたいもんだ

251 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/09/08(火) 21:56:46.90 ID:f3LoORQo
なにその柳生新陰流SPIRITS


続きはこちら

3 件のコメント:

  1. 「惣目付 柳生宗矩」ktkr

    返信削除
  2. うまいなー。読んでるこっちも一瞬説き伏せられそうになったわ
    そうだよね、別に剣じゃなくてもいいよね冷静に考えてw

    返信削除
  3. >別に剣じゃなくてもいい

    その辺はこの次の外伝で回答出てるな。
    長いけど一読の価値あるぞ。

    返信削除