- 541 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:32:36.43 ID:XcrTFUY0
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。
【今回のメイン柳生:なし】
だといいんだが…。
\ / \ /
X / ̄ ̄ ̄\ X
/ ∩ ./ _ノ ヽ、 \. / ∩
/ ( ⊂) | ( ●)(● ) | / ( ⊂) ____ 今度こそ前編終了だお!
| | | (__人__) | | | /⌒ ⌒\
トニィ'| `⌒´ | トニィ'. /( ●) (● ). \
| | } | / :::⌒(__人__)⌒::::: \
\ ヽ } \ | |r┬-| |
\ ヽ ノ \\_ `ー'´ _/
ン ゝ ''''''/>ー、_ ン ゝ ''''''/>ー、_
/ イ( / / \ / イ( / / \
/ | Y | / 入 \ / | Y | / 入 \
( | :、 | / / ヽ、 l ( | :、 | / / ヽ、 l
j | : | / ィ | | j | : | / ィ | |
くV ヽヘ_ ヽ \ 仁 」 くV ヽヘ_ ヽ \ 仁 」
ー 〕 \ 〉(⌒ノ ー 〕 \ 〉(⌒ノ
- 542 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 21:34:19.87 ID:no1I/6so
- お、ハジマタ
- 544 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 21:36:19.80 ID:do.l1zMo
- 今日も楽しみですわ
- 543 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:34:47.06 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ こんばんは、やらない夫だ。
| (⌒) (⌒)
| (__人__)| 前回までで「進履橋」「殺人刀」を紹介したから、
| `⌒´ .l 今回、最後になる「活人剣(かつにんけん)」を紹介しようと思う。
| }
ヽ }
ゝ 丿
____( ̄ ̄ / ̄ ̄/´ ̄/_
i⌒ゝ、 ヽ ヽ. / / ⊂) i⌒ゝ、
i;;;;;;;;;;|__ L人  ̄ ̄`´ ̄ ノ__i;;;;;;;;;;|
____ て
/ノ ヽ、_\ そ
/( ○)}liil{(○)\ や、やらない夫!?
/ (__人__) \
| ヽ |!!il|!|!l| / |
\ |ェェェェ| / - 545 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:38:52.57 ID:XcrTFUY0
- . ひどいお!
こっちでもやらない夫が挨拶するとかないお!
γ ⌒⌒ヽ
/ ̄ ̄\ ( ( ヽ ) ノ 本編じゃ全然出番がないんだから、
わかったわかった。 ./ノ \. \ (⌒) 三 ノ 从 ゝ こっちでくらいやる夫に最初の挨拶させてくれお!
次からはそうするよ…。 ( ●)( ●) ヽ 三/ | ニ ____ (⌒)
. | (__人__) u } | | /\ / ) し / | ミ
| ` ⌒´ ノ ! 、 /(○ )::(○ )⌒\/ | ミ
. | } \./:::::::(_人_):::::::: i' |
. ヽ } | )ww) | |
ヽ ノ ヘ \ `ー" ノ
/ く 、_/っ/ \ . . \
| \--一'' \
| |ヽ、二⌒)、 \ - 546 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:41:29.59 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\ さて、それじゃ紹介に入るぞ。
/ _ノ \ まず、「活人剣」は、その構成で大別すると2つに分けられるんだ。
| ( ●)(●)
. | (__人__) ・ 本文
| ` ⌒´ノ ・ 無刀之巻
. | }
. ヽ } というわけで、まずは本文から紹介する。
ヽ ノ
/ く__,-ュ__
| ___ 三)
| |  ̄
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | 無刀之巻…。
/( ●) (●)\ ! ! あの「無刀取り」についての話かお?
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / そいつは楽しみだお!
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) / - 547 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:44:43.39 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\ ははは。
/ _ノ \ そいつは後のお楽しみだ。
| ( ⌒)(⌒)
| (__人__) さて、「活人剣」の本文だが、
. | ノ 内容としては、
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ ・技法論
(. \ / ./_ノ │ ・心法論
\ “ /___| |
. \/ ___ / この二つに大別される。
____
まーた心法なのかお…。 ... / _ノ ヽ_\
「殺人刀」でも同じ事を表現を変えて . / (ー) (ー)\
何度も繰り返していたけど、 l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \
こっちでも同じなのかお? .... ヽ L |r┬-| |
ゝ ノ `ー‐' /
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\ まあ、そう言うな。
/ _ノ \ 要はそれだけ重要だってことだ。
| ( ⌒)(⌒)
. | u (__人__) あと、こちらの心法論については、
| |r┬|} 若干違った表現も出てくるから、
| | | |} その辺を軸に話をすることになるかな。
. ヽ `ニ}
ヽ ノ
/ く \
| \ \
| |ヽ、二⌒)、 - 548 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:47:44.18 ID:XcrTFUY0
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) だが、その前に、先に技法論についてから話す。
| (●)(●)/;;/ 「活人剣」は、立ち合いにおける技法論から始まるんだ。
| (__人__)l;;,´|
| ./´ニト━・' .l まあ、この時代の伝書だから、
| .l _ニソ } 技そのものについて語るというより、
/ヽ、_ノ / あくまでそのエッセンスを伝える、という感じだが、
__/ / ノ__. 概ねは理解できるかな。
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
___
/ ⌒ ⌒\ ちなみに>>1曰く、今回も前回と同じで、
/ (⌒) (⌒)\ 説明の都合上、書いてある順通りではなく、、
/ ///(__人__)///\ 若干順を入れ替えたり、省略したりの説明になるけど、
| u. `Y⌒y'´ | そこはお許しください、とのことですお!
\ ゙ー ′ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ じゃあやらない夫、始めてくれお!
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |- 549 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:50:53.88 ID:XcrTFUY0
- | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 百様の構えあり共、唯一つに勝つ事
| ._ .|_| 右きはまる所は、手字種利剣(しゅじしゅりけん)、是也。
| |活| .|_| 百様千様にをしへなし、ならひなして、身がまへ、太刀がまへ、百手につかひなすも
| |人| .|_| 此手字種利剣一つを眼とする也。
| |剣| .|_| 敵のかまへの百様ありとも、わが身に百様あり共、手字種利剣の目付に極る也。
|.  ̄ .|_| 秘伝なる故に、本字に書あらはさずして、音をかりて手字種利剣と書く者也』
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
宗矩が「活人剣」で最初に話すのは、
この
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \ 「手字種利剣」
| (●)(●) |
. | (__人__) | になる。
| ` ⌒´ ノ
. | } 『あらゆる型を習い、使いこなすのも、
. ヽ } 全ては「手字種利剣」に集約される。
ヽ ノ それは敵の構え、己の構えがどれほど変わろうと同じである』
/ く
| \ というわけだな。
| |ヽ、二⌒) - 550 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:54:43.89 ID:XcrTFUY0
- _____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ そもそも「手字種利剣」って何のことだお?
. | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ / 「本字に書あらはさずして、音をかりて手字種利剣と書く者也」
. | /
\_ ⊂ヽ∩\ とあるけど、どういうことだお?
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
/ ̄ ̄\ まあ、正直、この「本字」というものについては
/ _ノ \ なんともいえないんだが、意味だけを簡単に言えば、
| ( ー)(ー)
. | (__人__) 『相手の手の内を読む』
| ` ⌒´ノ
. | nl^l^l ということだな。
. ヽ | ノ
ヽ ヽ く
/ ヽ \ - 555 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:07:34.15 ID:4gy9yX.o
- 「本字を…」は本来の漢字を用いず、同音の当て字を用いたとの意
本来の字で書くと「手持手裏剣」つまり太刀を持つ手に手裏剣を
隠しておいて不意打ちしろってことなんだよぉぉぉ!
#よい子は信じないでね。
#一応マジな話をすると、新陰流の分派であるタイ捨流には、
#「打ち太刀がいきなり投げつけた手裏剣を防ぐ」という型があります。 - 551 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 21:57:49.39 ID:XcrTFUY0
- ____
/ \
/ ─ ─\ …結局、またそれかお。
/ ‐=・=‐ ‐=・= \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ まあ、お前がそう言いたくなるのもわからなくはないが、
| ( ⌒)(⌒) 実は、ここから少し具体的な話になってくるんだな。
| u (__人__). そこを紹介しよう。
| ` ⌒´ノ
,| }
/ ヽ }
く く ヽ ノ
\ `' く
ヽ、 |
.| | - 552 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:01:03.36 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 有無の拍子、附(つけたり)有も無、無も有と云ふ事
| ._ .|_| 右是は、手字種利剣に付きて、有と無といふ習あり。
| |活| .|_| あらはるる時は有也、隠るる時は無也。
| |人| .|_| 此かくれあらはるる有無、即ち手字種利剣也。
| |剣| .|_| 太刀をにぎる手にあり、仏法に有無の沙汰あり。
|.  ̄ .|_| 是になぞらへていへり』
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
まず、ここで「手字種利剣」について、
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 『あらはるる時は有也、隠るる時は無也。
| ( ●)(● 此かくれあらはるる有無、即ち手字種利剣也。
| (__人__) 太刀をにぎる手にあり』
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ と説明している。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │ つまり、立ち合いにおいて、
\ “ /___| | 「太刀をにぎる手」に表れるもの/隠れるものが、
. \/ ___ / 「手字種利剣」である、というわけだな。
____
/ \ ( ;;;;( なるほど。
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) とりあえず、目に見える物らしいことは
/ (─) (─ /;;/ わかったお。
| (__人__) l;;,´|
./ ∩ ノ)━・'/ 「心を読め」みたいなことを言われたら
( \ / _ノ´.| | どうしようかと思ったお。
.\ " /__| |
\ /___ /- 553 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:02:49.18 ID:keV.i/oo
- 握る手…ああ、シグルイの異な掴みはここからか?
- 554 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:05:36.98 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『太刀をにぎる手に、有無と云ふ事あり、秘伝也。
| ._ .|_| これを種利剣と云ふ也。
| |活| .|_| 手を伏せぬれば、有かくるる也。手を仰くれば無又顕るる也。
| |人| .|_| 此の如く云へども、相伝せずば、此等の言葉しりがたき事也。
| |剣| .|_| (中略)
|.  ̄ .|_| 此種利剣の有無をみる事ちがはば、百手をつくしてつかふとも、
| |_| 勝利あるべからず。百様の兵法も、此一段に極る所也』
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) で、その続きがこれだ。
| (●)(●)/;;/ ここを読む限り、
| (__人__)l;;,´|
| ./´ニト━・' .l 『太刀をにぎる手に、有無と云ふ事あり、秘伝也。
| .l _ニソ } これを種利剣と云ふ也。
/ヽ、_ノ / 手を伏せぬれば、有かくるる也。手を仰くれば無又顕るる也』
__/ / ノ__
/ / / `ヽ. とあるから、ざっくりと言うと、
/´ ./ ,. ヽ. 「太刀を握った手の動きに注視せよ」ということらしいな。
ト、_,/. |、 ヽ つまり、手の内…文字通りの「相手の手」を見よ、ということだな。
| |/ /
____
/ \ なるほど。
/ ─ ─ \ 確かに、刀を見るより、
/ (●) (●) \ その刀を扱う手の動きを見る方が、
| (__人__) | 初動も察知しやすいのかもしれないお…。
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ でも、そうして言われると、
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 「なあんだ」という感じがするお。
/ / r─--⊃、 | 「秘伝也」というのは大げさなんじゃないかお?
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |- 558 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:13:13.61 ID:6yr4b4so
- 巨人の長嶋さんと稲尾の対決だと、
「投げる瞬間の手首の角度で内角か外角か見分けて打つ」
「どう裏かいても打たれるので↑のことに気づき、
投げる瞬間逆に投げて打ち取る」
とかいう超人的なことやってたから、そういう「動作の起こり」を読み取る、
っていうのは、結構重要なんだろうなあ。 - 561 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/27(日) 22:16:18.35 ID:SruZI3U0
- 手を見ればというけど本番になったら怖くて刀しか目に入らないだろうな。
- 565 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:21:52.65 ID:4gy9yX.o
- >>561
「勇のこと」ですな。 - 567 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:26:18.43 ID:RaUttx.0
- 新陰流には腕、手首、柄を抑える技が多い。
斬る動きを円運動と考えた時、太刀先は大きく動くけど、軸に近い手首の動きは小さい。
円運動だから太刀先に大きなエネルギーがかかっているし、大きく動くから惑わされやすい。
手首から技の発生を見て、手首を小さい力で制す、というのがメイン戦術っぽい。 - 556 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:10:04.01 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ まあ、その辺りは時代もあるんだろうな。
| ( ー)(ー) どういうものであれ、芸の重要事はできるだけ外部には隠す、
. | (__人__) というのが当時の風潮なわけだし。
| ` ⌒´ノ 千葉周作の「地擦りの星眼」の逸話とかもあるしな。
. | nl^l^l
. ヽ | ノ ましてや、柳生新陰流は御流儀だしな。
ヽ ヽ く
/ ヽ \
... ____
まあ、そんなもんかお。 ... / \
でも、それを差し引いても、 /─ ─ \
.../ (●) (●) \
『此種利剣の有無をみる事ちがはば、 ...| (__人__) |
百手をつくしてつかふとも、勝利あるべからず。 \ ⊂ ヽ∩ <
百様の兵法も、此一段に極る所也』 ... | | '、_ \ / )
... | |__\ “ /
とか、えらく重視してるお。 ...... \ ___\_/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ それは確かにそうだな。
| ( ●)(●)
. | (__人__) それだけに、この有無を見る分については、
| ` ⌒´ノ 他にも説明があってな。
. | } 若干ややこしくなるかもしれんが、一応補足しておこうか。
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |
| | - 560 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:15:13.10 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『凡夫は有を見て無を見ざる也。
| ._ .|_| 手字種利剣には、有をも見、無をもみる也。
| |活| .|_| 有もあり無もある也。
| |人| .|_| 有の時は有に付けてうち、無の時は無に付けてうち、又有をまたずして無をうち、
| |剣| .|_| 無をまたずして有をうつ程に、有も有、無も有と云ふ也。
|.  ̄ .|_| 老子経の註に、常に有常に無と云ふ事あり。
| |_| 有も常にあり、無も常にあり。かくるる時は、有即ち無となる。
| |_| あらはるる時は、無即ち有となる。
|________.|_| (中略)
└───────┘ さあれば、有無はただかくれあらはるる也。其躰は一つなり。
然れば、有も無も常なる者也。仏法には、本無本有(ほんむほんう)と云ふ也』
____ ややっこしいお…。
/ \
/ _ノ ヽ、_.\ 『手字種利剣には、有をも見、無をもみる也。
/ (●) (●) \ 有もあり無もある也』
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ / これって、
( \ / _ノ | | 「動きが有る事だけではなく、無いことも見よ」ってことかお?
.\ “ /__| | わかるようなわからないような感じだお。
\ /___ /
まあ、確かにな。
/ ̄ ̄\ ただ、相手の動きを読むに際し、
/ _ノ \ その見抜くきっかけは多いに越した事は無いだろう。
| ( ●)(●)
. | (__人__) 冒頭で「凡夫は有を見て無を見ざる也」と
| ` ⌒´ノ 書いているが、宗矩クラスだと、
.l^l^ln } 「無い」ということも「動き」としても見る事ができた、
.ヽ L } ということなのかもな。
ゝ ノ ノ
/ / \ だからこそ、
/ / \ 「有も無も常なる者也」と書いているのかもしれん。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒)) さて、次に移ろうか。- 564 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:20:21.25 ID:T2VS4hMo
- ここで動いてないとこの軌道が出やすい、とかかな?>「無い」ことの「動き」
- 562 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:16:42.52 ID:no1I/6so
- なるほどー
- 559 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:14:20.20 ID:keV.i/oo
- 見て判断して行動までが、常人の何倍になるんだろう…すごいなww
- 563 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:19:13.30 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 是極一刀の事
| ._ .|_| 是極とは、これ至極也と云ふ儀也。一刀とは、刀にあらず。
| |活| .|_| 敵の機を見るを、一刀と秘する也。
| |人| .|_| 大事の一刀とは、敵のはたらきを見るが、無上極意の一刀也。
| |剣| .|_| 敵の機を見るを一刀と心得、はたらきに随ひて打つ太刀をば、第ニ刀と心得べし。
|.  ̄ .|_| 是を根本にして、様々につかふなり』
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
., ──‐、 この文は、所謂「後の先」への言及だな。
/ \
. .| _ノ ヽ 『是極とは、これ至極也と云ふ儀也。
| ( ●) (●) 一刀とは、刀にあらず。
| (__人__) , -―ーっ 敵の機を見るを、一刀と秘する也』
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } ゙| ̄'| まず、相手の動きを見る事を
/⌒ヽ、 ノ .|, | 最初の攻撃(アクション)と見立てるべし、というわけだ。
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫
| | / / r_____ ∬
| | / / |i ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____ 今までも何度も語られていたことだけど、
/ \ ( ;;;;( それにしても徹底してるお…。
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ 『敵の機を見るを一刀と心得、
| (__人__) l;;,´| はたらきに随ひて打つ太刀をば、第ニ刀と心得べし』
./ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| | とか、よっぽどだお。
.\ " /__| | 逆に言えば、考えなしの攻撃は論外、ということかお。
\ /___ /- 566 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:22:23.66 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『手利剣、水月、神妙剣、病気、此四、手足の動き、以上五也。
| ._ .|_| 是を五観一見と習ふ也。
| |活| .|_| 手利剣を見る、是を一見と云ふ。
| |人| .|_| 残り四つをば、心に持つ程に、観と云ふ也。
| |剣| .|_| 目に見るをば見と云ひ、心に見るをば観と云ふ。心に観念する儀也。
|.  ̄ .|_| 四観一見といはずして五観と云ふは、おしこめて五観と云ひ、
| |_| 其の内より手利剣を一見と云ふ也』
| |_|
|________.|_|
└───────┘
(⊃ ̄ ̄\ そして、こいつはさっきの文の続きでな、
(⊃ _ノ \
(⊃ ( ●)(●) 『是を根本にして、様々につかふなり。
| (__人__) 手利剣、水月、神妙剣~』
| ` ⌒´ノ
| } \ とあるから、相手の動きを読むことを第一としつつ、
/ヽ } \ その上で心がけなければならないこと、として
/ ヽ、____ノ ) 「五観一見」を挙げているわけだ。
/ . | _/
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
(ヽ三/) ))
__ ( i))) 「水月」とか「神妙剣」とか、
/⌒ ⌒\ \ 聞いた事のあるような単語だお…。
/( ●) (●)\ ) なんだかカッコいい響きだお!
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| | ちなみに、なんで
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/
| | | | __ヽ、 / 「手利剣・水月・神妙剣・病気・手足の動き」
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄ これで5つなのに、「五観一見」なんだお?- 568 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:26:38.74 ID:XcrTFUY0
それはちゃんと書いてあるだろ。
『四観一見といはずして五観と云ふは、おしこめて五観と云ひ、
其の内より手利剣を一見と云ふ也』
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 「五観」の中に手利剣も含まれているけど、
| ( ●)(●) 手利剣は「見」の要素があるから、「一見」としているんだ。
. | (__人__) つまり、二つの意味を持っている、ということなんだな。
| ` ⌒´ノ
. | } ミ ピコッ
. ヽ } ミ /\ ,☆____
ヽ ノ \ \ / \ なるほどわかったお。
/ く \. /\/ ─ ─ \ じゃあ次に進んでくれお。
| `ー一⌒) / (●) (●) \
| i´ ̄ ̄ ̄ \ | (__人__) |
\_ ` ⌒´ /
/ \- 569 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:30:18.86 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 水月、神妙剣、病気、身手足、此四の分別
| ._ .|_|
| |活| .|_| 一 水月は、立合の場の座取也。
| |人| .|_| 一 神妙剣は、身の内の座取也。
| |剣| .|_| 一 身手足は、一 敵のはたらきを見る。
|.  ̄ .|_| .一 我身のはたらき。
| |_| 一 去病は、手利剣を見む為也。
| |_|
|________.|_| 右、然れば、極る所は手利剣の有無を見る事専一也。
└───────┘ 四は大躰也』
/ ̄ ̄\ というわけで、手利剣を除く「四観」の説明になるんだが、
/ ノ \\ まあ、割とそのままだな。
| .(●)(●) | ...
. | (__人__) | .... 水月 : 相手との距離の取り方
| `⌒´ | ) ;;;;) ..... 神妙剣 : 姿勢の取り方
. | | .) ;;;;) . 身手足 : 実際の体の動き
. ヽ } /;;/ 去病 : 手利剣を見極めるための心の持ち様
ヽ ノ .l;;,´ .
. / ∩ ノ)━・' . といったところか。
( \ /|_ノ ヽ ..
. \ "" /_ノ |
\ /___/ ..
____
/ ノ \\ そう言われるとわかりやすく聞こえるお。
/ (●) (●)\ でも、
/ ∪ (__人__) \
| ` ⌒´ | 「結局は手利剣が一番重要です。
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒) この辺は大体できればよろしい」
ノ | / / / (⌒) ./ / /
/´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/ とか言っちゃうのはどうなのかお…。
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /- 572 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:39:50.77 ID:6yr4b4so
- >一 水月、神妙剣、病気、身手足、此四の分別
ここの「病気」は「去病」? 項目立てとしては「病気」? - 685 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:44:43.92 ID:ofvxu4E0
- >>572
文脈からすると「去病」のことのようです。 - 570 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:34:36.63 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ まあ、その辺りは冒頭でもあった通り、
| ( ●)(●)
| (__人__) 『敵のかまへの百様ありとも、わが身に百様あり共、
| `⌒´ノ 手字種利剣の目付に極る也』
| }
ヽ } ( ということなんだろうな。
_ヽ ノ`ヽ、_ ) ここで挙げられた四観は、
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( その「我が身の百様」のためのものなわけだし。
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 でも、一応、いくつか説明はあるんだぜ?
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| そいつも紹介しておこう。
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i ! - 571 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:37:46.27 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 水月 付 其影の事
| ._ .|_|
| |活| .|_| 右、敵と我との間に、凡そ何尺あれば、
| |人| .|_| 敵の太刀我身にあたらぬと云ふつもりありて、
| |剣| .|_| その尺をへだてて兵法をつかふ。
|.  ̄ .|_| 此尺のうちへ蹈入(ふみい)り、ぬすみこみ、敵に近付くを、
| |_| 月の水に影をさすにたとへて、水月と云ふ也。
| |_| 心の水月の場を、立ちあはぬ以前におもひまふけて立ふべし。
|________.|_| 尺の事は口伝すべし』
└───────┘
/ ̄ ̄\ まず、こいつは「水月」についてだ。
_ノ ヽ、 \ ,.:┐ 要するに、
.( ●)( ●) ..| / |
(__人__) .|./ / 「相手の太刀が当たらない距離を取りつつ、
i⌒ ´ .r-、 |/ / 太刀を入れる際、そうと気づかれないように踏み込む」
{ ヽ, ',. .,/ :/',
.ヽ .| l_/_, -‐、', この距離の取り方と、その後の踏み込みのことを、
.ヽ . | / , --'i| 月影が水に差すのに例えて、「水月」と称してるわけだ。
/ { V , --ヘ 存外に雅やかなもんだな。
| ヽ L| r= |
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | 『心の水月の場を、立ちあはぬ以前におもひまふけて立ふべし』
/( ●) (●)\ ! !
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l ってのは、立ち合う前から常々考えておけ、ということだお。
| |r┬-| | / 確かにイメージトレーニングは大切だお!
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /- 573 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:41:06.22 ID:XcrTFUY0
- ____
/_ノ ヽ_\ …でも、肝心の「相手の太刀が当たらない尺」は口伝、
/( ●)( ●)\ というのは、どうなのかお?
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ そこが書いてないのはどうかと思うお。
| ( ( |
\ `ー' /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そこはそれぞれだからなあ。
| ( ー)(ー) 彼我の体格や、刀の尺がどれくらいあるかで、
. | (__人__) 適当な尺は変わるわけだし。
| ` ⌒´ノ
. | nl^l^l ただ、その点について、
. ヽ | ノ 少し触れている箇所もあるな。
ヽ ヽ く
/ ヽ \ - 574 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:45:04.00 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 敵身方両一尺の事 相寸、無刀の用心也。
| ._ .|_| 道具、両方ともに身をはなるる事一尺なり。
| |活| .|_| 一尺にては、はづす物也。
| |人| .|_| 此尺よりちかくよるは、あやふし』
| |剣| .|_|
|.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
., ──‐、
/ \
. .| _ノ ヽ これを大雑把に言えば、
| ( ●) (●)
| (__人__) , -―ーっ 『武器から一尺(30cm)離れれば、概ね当たらない』
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } ゙| ̄'| というところかな。
/⌒ヽ、 ノ .|, | これより近付くと当たるかもしれない、というわけだな。
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' |
| | / / r_____ /
| | / / |i
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____ 一寸(3cm)の見切り、というのはよく聞くけど、
/ _ノ ヽ_\ この場合はそこそこ安全枠を取ってるお。
. / (ー) (ー)\
l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \ …まあ、実際にギリギリしか
ヽ L |r┬-| | 安全枠取ってなかったら、それを割った時、
ゝ ノ `ー‐' / エラいことになるから、ギリギリに取れとか論外だお。
/ / \ スケジュールの〆切はデッドラインのずっと手前に置かないと
/ / \ 怖くて洒落にならないお。
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ‐=・=‐‐=・= (…何の話をしてるんだよお前は)
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
.> <
| |- 575 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:47:51.47 ID:6yr4b4so
- ……デスマが待ってるんですねええわかります
- 576 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 22:50:38.43 ID:4gy9yX.o
- 片手打ちに転じて目一杯手を伸ばせば、たしかに一尺くらいは伸びそうだな…
- 577 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:50:52.47 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 敵のかまへ、太刀先、我方へむかはば、あぐる所につけてうつべし。
| ._ .|_|
| |活| .|_| 一 敵をうつとおもふて、我身をうたすべし。
| |人| .|_| 敵が我をうちさへすれば、敵をばうつた物也。
| |剣| .|_|
|.  ̄ .|_| 一 水月の場をとれ。それより心持を専にすべし。
| |_| それより心持を専にすべし。われ場をとらんとするに、
| |_| 敵すでに先づ場を取りたらば、それをわがにすべし。
|________.|_| つもりさへちがはねば、敵がよるて五尺も、わがよつて五尺も、
└───────┘ 敵と我との間の尺は同じ事也。
人が場をとりたらば、とらせてをくがよき也。
場をとるとかたまりたるはあしし。身をうきやかに持つべし』
あと、割と具体的な話としては、こんなのもあるな。
/ ̄ ̄\ ( ;;;;( 「敵がこっちに斬りかけてきたところを打て」
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ 「敵に先に打たせよ。打ってきたら、こちらが打ったも同然である」
| (__人__)l;;,´|
| ./´ニト━・' .l 「場取りより心持を固めよ。
| .l _ニソ } 相手が先に場を取っても、調整すれば事足りる。
/ヽ、_ノ / 場は取らせておけばいいのである。場取りにこだわるな」
__/ / ノ__
/ / / `ヽ. という感じかな。
/´ ./ ,. ヽ. 最後の一文に関しては、場取りについても、
ト、_,/. |、 ヽ 「こだわりを捨てよ」としているのが面白いな。
| |/ /
____
/ \ なるほど。
/ ─ ─\ しかし、三つのどれにしても、
/ (●) (●) \ 「後の先」が徹底してるもんだお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /- 578 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 22:55:14.29 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 神妙剣の事 付 座の心懸身に取り足にとる事
| ._ .|_| 右、神妙剣、至極の大事也。我が身に神妙剣とさす所あり。
| |活| .|_| わが身にありては、神妙剣の剣の字を剣の字に書きてしるべし。
| |人| .|_| 右にかまへても左にかまへても、太刀神妙剣の座をはなれぬ程に、
| |剣| .|_| 剣と云ふ字に心あり』
|.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ で、こいつは「神妙剣」についてだ。
| ( ●)(● これだけだと、どうもわかりづらいが、
| (__人__)
. | ノ 『神妙剣の座』
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ という表現で、「基本となる姿勢」について述べているようなんだな。
(. \ / ./_ノ │ で、左右どちらに構えても、太刀がそこから外れないように、
\ “ /___| | ということのようだ。
. \/ ___ /
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) 確かに、これだけだとどうもよくわからんお…。
/ (─) (─ /;;/ もうちょっと他に説明はないのかお?
| (__人__) l;;,´|
./ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /- 579 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:00:31.94 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 足ぶみも、身のあてがひも、神妙剣の座にはづれぬ様にすべし。
| ._ .|_| 立ちあはぬさきから、此心がけわするべからず。
| |活| .|_|
| |人| .|_| 一 神妙剣見る事 三段の分別
| |剣| .|_| 心にて見るを根本とす。心から見てこそ目もつくべき物なれ。
|.  ̄ .|_| 然らば、目にて見るは心の次也。
| |_| 目にて見て、その次に身足手にて見るべし。
| |_| 身足手にて見るとは、敵の神妙剣にわが身足手のはづれぬ様にするを、
|________.|_| 身足手にて見ると云ふ也。心にて見るは、目にて見む為也。
└───────┘ 目にて見るは、足手を敵の神妙剣の座にあてんと云ふ事也』
__ 他だと、例えばこの辺りがあるんだが…
/ ~\ どうも「神妙剣の座」がどういうものか、
/ ノ (●)\ 具体的に記した箇所がないようなんだな。
. | (./) ⌒)\
. | (__ノ ̄ \ ただ、読んだ限りでは、
\ | 姿勢についてのことであるのはまず間違いないと思う。
\ /
. \ ⊂ヽ∩ あと、この文では身手足(ここでは身足手だが)にも
/´ (,_ \. 触れてるんだが、これも殆ど説明が無いんだ。
/ \. \ 「姿勢」や「体の動かし方」は、実際に体で憶える事だから、
./ / |. \ソ 説明してないってことなのかもしれん。
( y' .|
このの文を読んだ限りだと、
身手足ってのは、
___ 「敵の手足の動きに対し、
/)/ノ ' ヽ、\ 相手の姿勢から外れないように自分も動け」
/ .イ '(●) .(●)\
. /,'才.ミ). (__人__) \ ということっぽいお?
. | ≧シ' ´ ⌒` | まあ、確かにこれ以上となると、
. \ ヽ / 実際にその時にでもならないとわかんないお…。- 580 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします2009/09/27(日) 23:02:13.66 ID:SruZI3U0
- 基本姿勢は口伝じゃなくて実際に稽古しないと無理だよな
- 581 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:05:12.49 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 歩みの事
| ._ .|_| 歩みは、早きもあしく、遅きもあしし。
| |活| .|_| 常のごとくするすると何となき歩みよし。
| |人| .|_| 過ぎたるも及ばざるもあしし、中をとる也。
| |剣| .|_| 早きは、おどろきふためく故也。おそきは、臆して敵をおそるる故也。
|.  ̄ .|_| (中略)
| |_| 只常の心をうしなはぬ心持がせんなり』
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ノ \\
| .(●)(●) | さて、身手足ってわけでもないが、
. | (__人__) | 体の動き、という点では、こんなことが書かれているな。
| `⌒´ | ) ;;;;) 歩き方についても、いつも通りである事を重要視している。
. | | .) ;;;;) こいつは割と具体的な方だな。
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
____
/ \
/ ─ ─ \ まあ、この辺りは割とわかりやすいお。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |- 582 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:09:28.69 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 心は水の中の月に似たり、形は鏡の上の影の如し。
| ._ .|_| 右の句を兵法に取用ゐる心持は、水には月のかげをやどす物也。
| |活| .|_| 鏡には身のかげをやどす物也。人の心の物にうつる事は、月の水にうつるごとく也。
| |人| .|_| いかにもすみやかにうつる物也。
| |剣| .|_| 神妙剣の座を水にたとへ、わが心を月にたとへ、心を神妙剣の座へ移すべし。
|.  ̄ .|_| 心がうつれば、身が神妙剣の座へうつる也。
| |_| (中略)
| |_| 人の心のものにうつる事、月の水にうつるがごとくすみやかなと云ふたとえなり。
|________.|_| 意の速かなること水月鏡像の如しと云ふ経文も、月が水にうつりて、さだかにあれども、
└───────┘ 水のそこをさぐれば、月はなひと云ふ儀理にはあらず。
(中略)
か様に心のうつりゆく事を、水月鏡像にたとへて仏は説き給ふと也。
経は呉音によむ程に、水月(すいがつ)とよむと也。
(中略)
一 右の句を、又兵法の水月(すいげつ)にあてても同じ事也。
我心を月のごとく場へうつすべし。心がゆけば身がゆく程に、立あふてより、
鏡にかげのうつるごとく、場へ身をうつすべし。
心がゆけば身がゆく程に、立あふてより、鏡にかげのうつるごとく、
場へ身をうつすべし。下作に、かねて心をやらねば、身がゆかぬ也。
場にては水月、身には神妙剣也。いづれも、身足手をうつす心持は同じ事也』
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ で、こいつはさっきまでの話の複合パターンだ。
| ( ●)(●) 少しややこしいが、場取りとしての「水月(すいげつ)」とは別に、
. | (__人__)
| |vvv|ノ 「場に応じて自在に心が応じ、
. | `^^´} その心のままに身体も動く」
| }
ヽ_. l~~i ノp~~i という境地の事を、「水月(すいがつ)」と称している。
( \/ / 卜 / 字が同じだからややこしいが、読みは別、というわけだな。
|\ / .| /
| /⌒i
i⌒ 、`ヽ ´/
レ^丶、_)_`)
____
/ \
/ ─ ─\ つーか長いお。
/ ‐=・=‐ ‐=・= \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/- 583 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:13:55.73 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『一 急々にかかる事、以ての外あしき事也。
| |活| .|_| 下作によく持ちて、立あふてから、
| |人| .|_| よく見すまして後の急々懸々也。
| |剣| .|_| ふためかぬ事、簡要也』
|.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \ で、今度はまた具体的な話になる。
| (●)(●) | 大体書いてある通りだが、平たく言えば、
. | (__人__) |
| ` ⌒´ ノ 「慌てて仕掛けるな」
. | }
. ヽ } ということだな。
ヽ ノ 仕掛けるにしても、よく見てからにせよ、というわけだ。
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
____
/ \
/ ─ ─ \ まあ、こっちはすぐわかるところだお。
/ (●) (●) \ 慌ててもろくなことが無いのはその通りだお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ー‐ \- 584 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 23:17:14.35 ID:6yr4b4so
- 十兵衛両断の最後の立会いの描写って、
一応ここらへん踏まえてのっぽいかな? - 585 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:17:42.24 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 心をかへす事
| ._ .|_| 右の心持は、一太刀うつて、うつたよとおもへば、
| |活| .|_| うつたよとおもふ心がそのままそこにとどまる也。
| |人| .|_| うつた所を心がかへらぬによりて、うつかと成りて
| |剣| .|_| 二の太刀を敵にうたれて、先を入れたる事も無に成り、二の太刀を打たれて負也。
|.  ̄ .|_| 心をかへすと云ふは、一太刀うつたらば、うつた所に心ををかず、
| |_| うつてから心をひつかへして敵の色を見よ。うたれて、敵気をちがゆる物也。
| |_| うたれて、やれ口惜しや、うたれたよろおもひて、いかりも出る物也。
|________.|_| いかれば、敵きびしく成る物也。ここを油断して、敵にうたるる物也。
└───────┘ うたれた敵は、いかり猪とおもふべし。
われはうつたとおもふて心をとどめて油断する。敵はうたれて、気が出ると覚悟すべし。
又うたれたる所を敵ははや用心するを、われは前の心にてうつて、うちはづす物也。
うちはづせば、こして敵が我をうつべし。心をかへすとは、わがうつた所に心をとどめず、
心を我身へとひつとれと云ふ儀也。心をかへして、敵の気色を見よと云ふ儀也』
∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ } これまた長いお。
/⌒ ⌒\ | | でも、言ってることはわかりやすいお。
/( ●) (●)\ ! ! 一言で言えば、
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | / 「一太刀入れたくらいで油断するな」
\ ` ー'´ //
/ __ / ということだお?
(___) /
/ ̄ ̄\ ま、そういうことだな。
/ _ノ \ ただ、表現が他と比べてもやたら具体的で面白かったから
| (⌒ )(⌒) 思わず全文引用してしまったんだよ。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 『うたれて、敵気をちがゆる物也。
| } うたれて、やれ口惜しや、うたれたよろおもひて、いかりも出る物也』
ヽ ヘミ|
/,` 、` -`,--` , とか、
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__ 『うたれた敵は、いかり猪とおもふべし』
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::| とか、見てきたような表現だから、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l 実際に宗矩が立ち合って一太刀入れた時、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ 負けた側が真っ赤になってるのをまんま書いた感じだよなあ。
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、 頭から湯気が立ってそうなイメージすら浮かぶようじゃないか。
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/- 586 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 23:21:38.52 ID:keV.i/oo
- 泣いたら強くなったみたいな?
- 587 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:21:57.88 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ あと、
| ( 一)(●)
| (__人__) 『われはうつたとおもふて心をとどめて油断する。
| `⌒´ノ 敵はうたれて、気が出ると覚悟すべし』
| ,.<))/´二⊃
ヽ / / '‐、ニ⊃ というのも、結構実感篭もってる感じがするな。
ヽ、l ´ヽ〉 逆襲されて、ピンチになったことがあったりしたとかさ。
''"::l:::::::/ __人〉
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_ そういう経験から、「油断するな」という言葉が出たのかもな。
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::| - 588 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:25:33.42 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『又は、一むきに打つた所を、心をかへさずして、
| ._ .|_| 程をぬかさず二重三重にたたみかけてうつて、
| |活| .|_| かほをも敵にふらせぬはたらきも、至極の心持也。
| |人| .|_| 間に髪を容れずとは是を云ふ也。
| |剣| .|_| 一の太刀と二の太刀との間へは、髪一すぢ入るべき間もなく、
|.  ̄ .|_| はしはしはしとつづけてうつ心也。
| |_| (中略)
| |_| 延びたれば人にこまるる也。
|________.|_| 勝負文明也』
└───────┘
____ …で、さっき「一太刀打ったからって油断するな」と言ったすぐ後に、
/ ノ \\ これが来るのかお。
/ (●) (●)\
/ ∪ (__人__) \ 「とにかく打ちまくれ。それが至極の心持なり」
| ` ⌒´ |
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒) とかさっきと言ってる事が180度違うお…。
ノ | / / / (⌒) ./ / /
/´ | :::::::::::(⌒) ゝ ::::::::::/ というか、殺人刀でも似たようなこと言ってたけど、
| l | ノ / ) / 宗矩もやたらアグレッシブな時があるのはなんでだお?
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
/ ̄ ̄\ いや、こいつは、「油断するな」という
/ _ノ \ 一点に関して言えば、さっきと同じ話だぜ?
| ( ●)(● 要は、
| (__人__)
. | ノ 「敵に反撃されないようにせよ」
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ という意味では、一太刀入れた後、
(. \ / ./_ノ │ 相手の反撃に備えるのも、
\ “ /___| | そもそも相手に反撃をさせないのも、同じわけだしな。
. \/ ___ /- 591 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 23:28:47.78 ID:4gy9yX.o
- 反撃に対する最善の防御は「反撃させないこと」か…
- 589 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 23:26:44.81 ID:6yr4b4so
- 小パンチ連打でピヨらせ続けるのは確かに安全な戦法ではあるな。
- 590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 23:26:47.78 ID:do.l1zMo
- 勝った!と心で思ったとき、それは敗北へのフラグ……ってことですな。
- 593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/27(日) 23:39:05.93 ID:do.l1zMo
- 「攻撃し続ければ、いつかはくたばる」に通じるものがあるなww
- 592 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:31:16.16 ID:XcrTFUY0
- / ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/ さて、このくらいが技法論ってとこだな。
. | (__人__) l;;,´ 大体は殺人刀でも語られていたように、
| `∩_ノ)━・' 立ち合いにおける心がけに近いところがあるけど、
. | |_ノ 比較的具体的な話があるというのが違いかな。
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
____
/_ノ ヽ_\
つーか、あんまり殺人刀と変わんなかったお? /(● ) (● )\
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ |
\ /
/ ̄ ̄\ まあ、確かにな。
/ _ノ \ 実際のところ、「殺人刀」「活人剣」は、「進履橋」と違い
| ( ー)(ー) 「活人剣・治国平天下の剣」を説くための
. | (__人__) 合わせて一つの書であるだけに、
| ` ⌒´ノ 内容的にそう違いがあるわけではないからな。
.l^l^ln }
. ヽ L } さて、それはそれとして、
ゝ ノ ノ ここからは再び心法論になる。
/ / \ まずは、さっきの四観でひとつだけ
/ / \ 話に上がってなかった「去病」について
. / / |ヽ、二⌒)、 紹介するところから始まるぞ。
ヽ__ノ - 594 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:41:18.15 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 一去と云ふ心持の事
| ._ .|_| 一 空の心持の事
| |活| .|_| 一 捧心(ぼうしん)の心持の事
| |人| .|_|
| |剣| .|_| 右、一去と云ふ心は、数々を一つにさると云ふ心也。
|.  ̄ .|_| 数々とは、病の数々也。
| |_| (中略)
| |_| 凡そ病とは、心のとどまるを云ふ也。
|________.|_| 仏法に、是を着とて、以ての外きらふ也。
└───────┘ 心が一所に着しとどまれば、見る所をみはづし、思ひの他に負を取る也』
., ──‐、
/ \
. .| _ノ ヽ さて、ここでは「一去」とあるが、
| ( ●) (●) まあ、「去病」の事だな。
| (__人__) , -―ーっ
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄ すでに語られている通り、
. ン } ゙| ̄'| この兵法家伝書においては、
/⌒ヽ、 ノ .|, | 「何かにこだわる心」を「病」と称している。
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫
| | / / r_____ ∬ これを取り去るのが「一去」というわけだ。
| | / / |i ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
___
で、それはどうやるんだお? /)/ノ ' ヽ、\
あと、「空」と「捧心」は項目だけあるけど、 ./ .イ '(●) .(●)\
説明がないお? . /,'才.ミ). (__人__) \
. | ≧シ' ´ ⌒` |
. \ ヽ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まあ、ちょっと待て。
. | (__人__) まだこの話は続くんだ。
| ` ⌒´ノ 「空」も「捧心」もな。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄- 595 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:45:00.22 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『数々の病を一去して、唯一(ただひとつ)を見はづさぬ様にと也。
| ._ .|_| さて唯一とは、空を云ふ也。空とはかくしこと葉也。秘伝すべし。
| |活| .|_| 空とは、敵の心を云ふ也。
| |人| .|_| 心はかたちもなく色もなくして、空なる故也。
| |剣| .|_| 空唯一を見るとは、敵の心を見よと云ふ義也。
|.  ̄ .|_| 仏法とは、此心空をさとる事也』
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \ で、これが「空」だ。
| (●)(●) | 「相手の心を読む」ということだな。
. | (__人__) |
| ` ⌒´ ノ 手利剣は、相手の「手の内」を「見る」、というものだったが、
. | } こちらの場合、「空」、即ち「心」を「読む」ことが
. ヽ } 重要というわけだ。
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
___
なんだかえらくレベルが上がってきたお…。 / \
あと何気に /ノ \ u. \
/ (●) (●) \
「仏法とは、此心空をさとる事也」 | (__人__) u. |
\ u.` ⌒´ /
とか書いてるけど、 ノ \
これってもしかして伏線かお? /´ ヽ
. / ̄ ̄\
./ _ノ .ヽ、\ そいつは読み進めていけばわかるさ。
.| (●)(●) | ちなみに、空についての話は暫く続くんだが、
. .| (__人__) .| 概ねは手字種利剣の有無に近い話なので略す。
.| ` ⌒´ ノ
ヽ ._ .} ただ、ここで「心」=「空」としていることを
ヽ_/ } . ノ 憶えておいてくれればいい。
/、 〈 く
ハ ヽ Y`ー.、i
{ ヽ_ゾノ-‐1
`¨´┬' . |- 596 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:50:23.83 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『又捧心と云ふは、心を捧(ささぐ)るとよむ字也。
| ._ .|_| 敵の心は、太刀をにぎつたる手にささげてゐるなり。
| |活| .|_| 敵のにぎつたる拳の、いまだうごかざる所をそのままうつ也。
| |人| .|_| そのうごくかうごかぬかの所を見む為に、一去と云ふ也。
| |剣| .|_| 百病を一去して、空をみはづすなと云ふなり。
|.  ̄ .|_| 敵の心が手にある也。手にささげて居る也』
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\ ( ;;;;( そしてこいつが「捧心」だ。
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) 表現としては違うものだが、
| (●)(●)/;;/ 内容としては手利剣に近い内容だな。
| (__人__)l;;,´|
| ./´ニト━・' .l ただ、
| .l _ニソ }
/ヽ、_ノ / 『敵のにぎつたる拳の、
__/ / ノ__ いまだうごかざる所をそのままうつ也』
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ. とあるように、手利剣で言われていた「有無」のうち、
ト、_,/. |、 ヽ 「無」…即ち、動きが無いところにも機を見出すことを
| |/ / 主眼にしているようだ。
____
/ \
/ ─ ─\ 「無」を見る、というのは話に出ていたけど、
/ (●) (●) \ こっちに繋がるのかお。
| (__人__) | 続けてくれお。
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /- 597 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:54:49.48 ID:XcrTFUY0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『人の様々のわざ、きどく、皆心のわざなれば、又天地にも此心あり。
| ._ .|_| 是を天地の心と云ふ。此心がうごけば、雷電風雨をおこし、時ならぬ雲の景色、
| |活| .|_| 炎天に雪霰を飛ばし…(略)…然れば、此空は天地にありては天地のあるじ、
| |人| .|_| 人の身にありては人の身のあるじ…(略)…鉄砲をうてば鉄砲のあるじ、
| |剣| .|_| 弓を射れば弓のあるじ、馬をのれば馬のあるじ也。
|.  ̄ .|_| 此あるじに私曲あれば、馬にものられず、弓もあたらず、鉄砲もはずるべし。
| |_| 此心が座敷、位を得て、在所にすはりぬれば、よろづの道自由也。
| |_| 此心を一度見付けて、さとり明くる事大切也』
|________.|_|
└───────┘
____ ━┓
/ \ ┏┛ …こいつはどういうことだお?
/ \ ,_\. ・
/ (●)゛ (●) \ 『人の様々のわざ、きどく、皆心のわざなれば』
| ∪ (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ / こいつは、人の動きは心によるもの、と解釈したとして、
( \ / _ノ | | その後、なんなんだお?
.\ “ /__| | 天にも心があるとか、わかりづらいお。
\ /___ /
/ ̄ ̄\ まあ、そいつはあくまで表現だな。
/ _ノ ヽ、_\ ここで宗矩の言っていることをまとめれば、
.| (●)(●) |
| (__人__) | 「万事、心こそ根本である」
っ `⌒´ |
/ ミ) / というわけだ。
/ ノヽ / 何事をするにせよ、その主体は空…即ち心にあり、
| |/ ヽ それが私曲、つまりよくない状態にあれば、
| | /| | | 何事も上手くいかない、としている。- 598 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/27(日) 23:58:09.85 ID:XcrTFUY0
- (⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ そして、そこから導き出した結論として、
(⊃ ( ●)(●)
| (__人__) 『此心が座敷、位を得て、在所にすはりぬれば、よろづの道自由也。
| ` ⌒´ノ 此心を一度見付けて、さとり明くる事大切也』
| } \
/ヽ } \ としている。
/ ヽ、____ノ ) つまり、あるべき心、理想的な心理状況を得たならば、
/ . | _/ あらゆることは自由自在にこなせる、
| / ̄ ̄(_) だから、その心を得ることこそが大切だ、というわけだ。
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
. ____
/ \
今までの話から見ても、 ... // \ \
とにかく「心」が重視されるのはわかるお。 / (-) (-) \
.| (__人__) |
しかし、肝心の「此心」とは何か、とか、 \ ⊂ ヽ∩ <
その「此心」を得るにはどうすればいいか、とか | | '、_ \ / )
そっちの話が出てこないお? . | |__\ “ /
\ ___\_/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) まあ待て。
. | (__人__) 実はこの後も結構色々と話が出るんだが、
| ` ⌒´ノ テンポが悪くなるから、ここで一気に結論を出すぞ。
. | }
. ヽ } それじゃ進めるぜ。
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄ - 599 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:01:51.59 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『禅とは此心を伝へたる宗旨也と承はる所也。
| ._ .|_| (中略)
| |活| .|_| 妄心は心の病なり、
| |人| .|_| 此妄心をさるを病気をさるといふ也。
| |剣| .|_| 此病気をされば、無病の心也。
|.  ̄ .|_| 即ち此無病の心を本心と云ふ。
| |_| 本心にかなはば、兵法は名人になるべし。
| |_| ありとあらゆる程の事、一つも此道理にはづるべからず』
|________.|_|
└───────┘
____
/ \ なるほど…ここで禅が出てくるのかお。
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ 今まで散々「心が重要だ」と煽っておいて、
| (__人__) | そのためにどうすればいいか、を伏せてたのは、
\ ` ⌒´ ,/ ここに繋げるためだったのかお。
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 | 「此心」を得るために禅をせよ、ということかお。
/ / r─--⊃、 |
| ヽ,.イ `二ニニうヽ. |
., ──‐、
/ \
. .| _ノ ヽ まあ、そういうことだな。
| ( ●) (●) 宗矩自身も「此心」については
| (__人__) , -―ーっ 兵法だけでは説明しきれないと割り切って、
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄ 禅に委ねた、というわけなんだ。
. ン } ゙| ̄'|
/⌒ヽ、 ノ .|, | だからこそ、それを説くことが出来る沢庵を
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫ あそこまで重視した、というわけだ。
| | / / r_____ ∬
| | / / |i ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄- 600 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:04:14.36 ID:LgeqtBQ0
____ 確かにこういう風に話をつなげられたら、
/_ノ ヽ\
/ ( ●) (●)、 「じゃあ、その禅を修めるにはどうすればいい?」
/::::::::⌒(__人__)⌒\
| |r┬-| | と、相手が思うのも当然だお。
\ `ー'´ / で、そこに「実は沢庵という僧が…」と持っていったわけだお。
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ 上手いことやってるお。
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ まったくだ。
| (⌒ )(⌒) ちなみに、実はここで本文については〆になるんだが、
| (__人__) この結論に至るまでの箇所で、
| ` ⌒´ノ いくつか面白い項目もあるから、
| } そこを抜き出して紹介した後、次に移ることにしよう。
ヽ ヘミ|
/,` 、` -`,--` ,
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ |
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__- 601 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:07:21.85 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『此こと葉、われよく心を得て、此の如く云ふにあらず。
| ._ .|_| 此の如くいふといへども、われも心のすぐにして、すぐなる心にかなふごとくに
| |活| .|_| 身の進退動静する事は成り難き事なれども、道なればしるす者也。
| |人| .|_|
| |剣| .|_| しかりといへ共、兵法には、此心まつすぐにして
|.  ̄ .|_| 身手足にかなはざればならざるわざなり。
| |_| 平生のわが身の進退は、身地にかなはざれども、
| |_| 兵法の道には、此得道なくてはならざる也』
|________.|_|
└───────┘
____ …なんだかえらく謙虚だお。
/ \
/ ─ ─ \ 『此こと葉、われよく心を得て、此の如く云ふにあらず』
/ -=・=- -=・=- \
| (__人__) U | 自分もわかっているわけではないが、とか
\ ` ⌒´ / 教える側がこんな風だと、教わる側も不安になってくるお?
/ ̄ ̄\ まあ、この辺りは、
/ _ノ \ 「此心を得るために参禅するべし」という
| ( ⌒)(⌒) 結論に至るまでの煽りだからな。
. | u (__人__)
| |r┬|} この「自分でもわかっていない(此心を得ていない)」というのは
| | | |} おそらく宗矩の本心でもあったんだろうが、
. ヽ `ニ} 「だから(これをわかっているであろう)沢庵を」と繋げるための
ヽ ノ 伏線、というわけだ。
/ く \
| \ \
| |ヽ、二⌒)、- 602 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:10:04.56 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\ あと、ここでポイントになるのは、
/ _ノ \
| ( 一)(●) 『平生のわが身の進退は、身地にかなはざれども、
| (__人__) 兵法の道には、此得道なくてはならざる也』
| `⌒´ノ
| ,.<))/´二⊃ というところだ。
ヽ / / '‐、ニ⊃ 将軍家指南役である宗矩ですら、
ヽ、l ´ヽ〉 「此心」を会得しきれているわけではない、
''"::l:::::::/ __人〉 だが、兵法の道を得るには、これを会得しなければならない。
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、 「だから稽古(or参禅)が必要だ」
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::!
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::| という話なわけだ。
まあ、そりゃ目的があれば、 ____
そこに至るための努力は必要だお。 / \
/─ ─ \
この場合、「此心」に達していないのなら、 / (●) (●) \
稽古というか、参禅が必要だ、という結論になるのは | (__人__) |
当然といえば当然だお。 \ ⊂ ヽ∩ <
それがどうかしたのかお? | | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/- 603 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:12:22.84 ID:LgeqtBQ0
うん。
/ ̄ ̄\ そして宗矩は家伝書の別の箇所で、
/ _ノ \
| ( ●)(●) 『此心をとくと見付けたる人はまれ也』
| (__人__)
| `⌒´ノ とも書いている。
| } つまり、そう簡単に「此心」を得ることはできない、
ヽ } ( としているわけだ。
_ヽ ノ`ヽ、_ )
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( こいつを転じて言えば、
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 「稽古に限りなど無い」
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉|
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | ということでもあるわけだ。
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
____
/ \ …あー、なるほど。
/ _ノ ヽ、_.\ 目標を明確にした上で
/ (●) (●) \ 稽古の必要性を説いてるわけだお。
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ / …でもこれだと、
( \ / _ノ | | 一生稽古とか、そういう話にならないかお?
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\ というか、そういう話だろう、ということさ。
_ノ ヽ、 \ ,.:┐ こいつを突き詰めれば、
.( ●)( ●) ..| / |
(__人__) .|./ / 「生涯修行」
i⌒ ´ .r-、 |/ /
{ ヽ, ',. .,/ :/', という話になる。
.ヽ .| l_/_, -‐、', 後の「武道」の礎とも言える考え方が
.ヽ . | / , --'i| ここにはあるわけだ。
/ { V , --ヘ
| ヽ L| r= | まあ、この辺りはまた後で話をしようか。
それじゃ続けるぜ。- 604 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:16:08.05 ID:r0hD0LAo
- 常在戦場から生涯修行に切り替わるわけか。
- 605 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:16:41.71 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『よろづの所作に此心はづれず、其道々の上には此心かなへども、
| ._ .|_| よの所へ通じてする事は成らざる物也。
| |活| .|_| 通じてしり、通じてなす事をば、通達の人と云ふ也。
| |人| .|_| 一能一芸の上に通ずるは、其道々の達者と云ふ也。
| |剣| .|_| 通達とはいふまじき也』
|.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ここでは、「芸」と「心」を区別している。
| ( ●)(●) 一芸に通じる…つまり、技を極めた者を「達者」とし、
. | (__人__) 「此心」を得た人を「通達の人」としているんだな。
| ` ⌒´ノ
. | } まあ、心の重要性を重ねて強調しつつ、
. ヽ } 芸を極める事は、「此心」を得ることと
ヽ ノ イコールではない、という話だ。
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
まあそりゃそうだお。 ...... ___
腕は立つけど、人間としてどうなの、というのは / ヽ、_ \
それこそいくらでもいるお。 /(● ) (● ) \
.... /:::⌒(__人__)⌒::::: \
…この時、誰の顔が思い浮かんだのか、 ..... | l^l^lnー'´ |
宗矩に聞いてみたいところだお~? . \ヽ L /
ゝ ノ
/ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒) …ははは。
. | u (__人__) まあ、それ以上はやめとけよ。
| |r┬|} さ、次いくぜ。
| | | |}
. ヽ `ニ}
ヽ ノ
/ く \
| \ \
| |ヽ、二⌒)、- 607 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:19:05.43 ID:kEC2WQYo
- ごまかしたwwww
- 608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:20:11.35 ID:r0hD0LAo
- オプ(ry
- 606 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:19:01.22 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『さる歌に、
| ._ .|_|
| |活| .|_| (妄)心こそ 妄心とてあしき心也。わが本心をまよはする也。
| |人| .|_| (本)心まよはす 本心也。此心を妄心がまよはす也。
| |剣| .|_| (妄)心なれ. 妄心をさして心なれと云ふ也。心をまよはす心也とさしていふ也。妄心也。
|.  ̄ .|_| (妄)心に 妄心也。此妄心にと云ふ也。
| |_| (本)心 本心也。心殿とよびかけて、本心よ妄心に心ゆるすなと也。
| |_| (本)心ゆるすな 本心也。妄心に本心をゆるすなといふなり。
|________.|_|
└───────┘ 右の歌、真妄をいふ也。心に本心、妄心とて二つあり。
本心を得て、本心の様になせば、一切の事すぐ也』
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ そしてこいつが最後だが、ここで挙げられている歌は、
| (__人__)l;;,´| 沢庵が宗矩に与えた「不動智神妙録」にある歌なんだ。
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } 内容については、既に述べていることと
/ヽ、_ノ / それほど変わりはないわけだが、
__/ / ノ__ 宗矩が沢庵の影響を強く受けていた、ということを示す
/ / / `ヽ. 一要素、ということでここに挙げておく。
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
____
/ ⌒ ^\ まあ、「不動智神妙録」が
/ ( ●) (●) 「兵法家伝書」よりも成立が先であろう、というネタだお。
/ ::::::⌒(_人__)⌒ヽ 次に進めるお。
| |r┬-| |
\ `ー'´ /- 609 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:21:50.28 ID:LgeqtBQ0
…てなところで、
「活人剣」の本文の紹介は終わりだ。
ここをまとめると、こうなるかな。
/ ̄ ̄\ ...
/ _ノ \. ....【技法論】
| ( ●)(●) .... 手字種利剣 : 相手の「手の内」を見ることが最重要
. | ::::::⌒(__人__) . 是極一刀・一見五観もこれに付随する。
| ` ⌒´ノ .【心法論】
. | }. 。 此心 : 「此心」を得ることが至極。
. ヽ } / ... そのために禅が必要である。
ヽ ノ ./ ..
/ lヽ介/lヽ、 ,rE)
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/____E[]ヨ___________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
∩_
〈〈〈 ヽ 大体分かったお。
____ 〈⊃ } 技法論はともかく、心法論に関しては、
/⌒ ⌒\ | |
/( ●) (●)\ ! ! 『”此心”を得れば、兵法も名人になる。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l このための心法を修めるため、参禅するべし』
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ // としたわけだお。
/ __ / …あ!これが「剣禅一致」なのかお?
(___) /- 610 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:24:00.72 ID:LgeqtBQ0
(⊃ ̄ ̄\ いや、ここではまだ、そこまでストレートに言ってない。
(⊃ _ノ \ この時点では、あくまで「此心」を得るために禅が必要、と
(⊃ ( ●)(●) 述べているに過ぎないんだ。
| (__人__)
| ` ⌒´ノ 心の動きを読むのが新陰流の重要事であり、
| } \ そのために、敵の心を読むこともそうだが、
/ヽ } \ まず己自身の心も制御できなければならない…
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ 「だから禅を修めよ」という理屈だな。
| / ̄ ̄(_)
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)
____
/ _ノ ヽ_\
うーん…。 .... / (ー) (ー)\
じゃあ、何時になったら「剣禅一致」になるんだお? . l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \
もう本文は終わってしまったお? ..... ヽ L |r┬-| |
ゝ ノ `ー‐' /
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | 安心しろ。
. | (__人__) | その話については、次からの
| ` ⌒´ ノ 「無刀之巻」で語られることになるんだ。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、- 611 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:25:58.80 ID:LgeqtBQ0
- _____
/ '⌒ヽ ; '⌒゙\ || ||
/ ∪ \ || ||
/ /´ `ヽ /´ `ヽ \ o o
/ ( ● l l ● ) \
/ ヽ_ _ノ ヽ_ _ノ ; \ 無刀之巻!
| ; ''"⌒'( i )'⌒"' ∪ |
| ∪ `┬─'^ー┬'′ | 柳生といえば、裏柳生と並ぶ名物の「無刀取り」だお!
\ |/⌒i⌒、| / ここで紹介してるのかお?
\ !、__,! U /
/ 、____,, \
/ ヽ
| 、 , |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) お前なあ…。
. | (__人__) まあ、確かに無刀取りについての話も
| ` ⌒´ノ あるにはあるんだけどな。
. | nl^l^l
. ヽ | ノ
ヽ ヽ く
/ ヽ \
____
/_,r' ' !、\ やったお!
/(≡) (≡)\ やっぱり「甲種無刀取り」とか「乙種無刀取り」とか
n/ ::::⌒(__人__)⌒::::::\ あるのかお!?
y | |r┬-| |⌒)
l \_ `ー'ォ // 「徳川家康(トクチョンカガン)」上下巻は
\ ・ ・  ̄ / 好評発売中だお!
\ / .皆で溢れるホワイティ宗矩パワァを堪能すると吉だお!
> <
〃 (::)っ ヽ
ヽ < `‐' > )
と__) (__) - 612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:27:47.15 ID:kEC2WQYo
- 宣伝乙wwww
- 614 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:29:36.19 ID:r0hD0LAo
- 無刀取り(小型限定)
無刀取り(限定解除)
無刀取り(二種大型) - 616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:32:27.50 ID:9M1CyEwo
- >>614
大型だと薙刀とか大金槌が取れるのかな? - 613 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:28:47.70 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ノ( _ノ \ んなわきゃねーだろ!!
| ⌒(( ●)(●)
.| (__人__) /⌒l
| ` ⌒´ノ |`'''|
/ ⌒ヽ } | |
/ へ \ }__/ / / ̄ ̄\ アベシッ!!
/ / | ノ ノ / ●)) ((●\’, ・
( _ ノ | \´ _ ( (_人_)’∴ ), ’
| \_,, -‐ ''"  ̄ ゙̄''―---└'´ ̄`ヽ て
.| 三三三三三三三三三 ノ (
ヽ _,, -‐ ''" ノ ヽ r'" ̄
\ , '´ し/.. | J
\ ( / |
\ \ し- '^`-J- 615 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:30:21.88 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、ヽ
| (●)(●) | ったく、伝奇と現実を混同するんじゃねえよ。
| (__人__) | 裏柳生も甲種無刀取りも実在しねえっての。
| ` ⌒´ ノ
ヽ ._ .} …まあ、あったら面白いのになあ、とか、
ヽ_/ } ノ 白もいいけど、やっぱり僕らは黒宗矩くんも好きなんです!とか
/、 〈 く .思っててもそこは言わないのがたしなみってもんだろ。
ハ ヽ Y`ー.、i
{ ヽ_ゾノ-‐1
`¨´┬' . |
このタイミングで蹴りが入るとか予想外だったお。 ____
冒頭で大丈夫だったから油断したお…。 /,:' /,';;;}: \
./_, 。ィ' li:.、ヒァ' \
でも、結局やらない夫も好きなんだお? / ⌒';,゙i, ri:.:i .::' メ、 \
| ,:' /,';;;}:.ヾ:. |
\ ' {;!゙' /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ …そりゃあ…なぁ?
| ( ⌒)(⌒)
| /// (__人__) まあ、そこについてはここまでだ。
| ` ⌒´ノ それじゃ次から「無刀之巻」について説明に入るぞ。
,| }
/ ヽ } 最初は少し量が多いから、意訳と平行で出して、
く く ヽ ノ あとでまとめて解説させてもらおうかな。
\ `' く
ヽ、 |
| |- 616 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:32:27.50 ID:9M1CyEwo
- >>615
やる夫よ、そこで「蹴ってやる」という心の働きを読み取ることが… - 617 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:33:03.18 ID:LgeqtBQ0
- 【無刀之巻】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『○無刀之巻
| ._ .|_| 無刀とて、必しも人の刀をとらずしてかなはぬと云ふ儀にあらず、
| 無 |活| .|_| 又刀取て見せて、是を名誉にせんにてもなし。
| 刀 |人| .|_| わが刀なき時、人にきられじとの無刀也。
| 之 |剣| .|_| いで取て見せるなどと云ふ事を、本意とするにあらず』
| 巻.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
(意訳:まず言っとくけど、無刀取りって絶対刀取らなきゃいけないわけじゃないよ?
ましてや、刀取って自慢するとかも有り得ないから。
刀が無い時、斬られないためにやることが無刀取りなんだよ。
だから、無刀取りなんかわざわざ自分からやるもんじゃないよ) - 618 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:34:21.50 ID:/uxMgUko
- 技を発揮したいも、たしか病でしたっけね
- 619 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:34:27.14 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 とられじとするを、是非とらんとするにはあらず。
| ._ .|_| 取られじとするをば、とらぬも無刀也。
| 無 |活| .|_| とられじとられじとする人は、きらふ事をばわすれて、
| 刀 |人| .|_| とられまいとばかりする程に、人をきる事ばなるまじき也。
| 之 |剣| .|_| われはきられぬを勝とする也。
| 巻.  ̄ .|_| 人の刀を取るを芸とする道理にてはなし。
| |_| われ刀なき時に、人にきられまじき用の習也』
| |_|
|________.|_|
└───────┘
(意訳:別に無刀取りってったって無理に取らなくていいんだよ。
向こうが無刀取り警戒して、斬りかけてこなけりゃそれでもいいんだから。
こっちは斬られなきゃ勝ちって思えばいいんだよ。
大体、見世物じゃないんだから刀なんかわざわざ取ってどうするの?
馬鹿なの?死ぬの?
刀がない時、斬られない為の技なんだよ、コレは)- 620 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:35:18.00 ID:kEC2WQYo
- ちょwwwwwwww
- 621 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:35:37.62 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀と云ふは、人の刀を取る芸にはあらず、諸道具を自由につかわむが為也。
| ._ .|_| 刀なくして、人の刀をとりてさへ、我が刀とするならば、
| 無 |活| .|_| 何かわが手に持ちて用にたたざらん。
| 刀 |人| .|_| 扇を持ちて也共、人の刀に勝べし。
| 之 |剣| .|_| 無刀は此懸りなり。
| 巻.  ̄ .|_| 刀もたずして、 竹杖つひて行く時、人寸の長き刀をひんぬいてかかる時、
| |_| 竹杖にあしらひても人の刀を取り、もし又必ずとらず共、おさへてきられぬが勝也。
| |_| 此心持を本意とおもふべし』
|________.|_|
└───────┘
(意訳:なんか何回も言ってるけど、無刀取りってのは、別に刀取ることじゃないよ。
道具(刀も含む)を自由に使うためのものなんだよ。
わざわざ人の刀を取って使うくらいなら、
他のものがあれば、そっち使った方が早いだろ?
扇でも杖でも何だって使ってもいいから、斬られないように持ち込めばいいんだよ。
とにかく斬られなきゃいいんだよ。それが大事なの)- 623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:37:07.60 ID:aOfCTPMo
- なるほどなーwwwwwwww
- 624 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:37:11.53 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀は、とる用にてもなし、人をきらんにてもなし。
| ._ .|_| 敵から是非きらんとせば、取るべき也。
| 無 |活| .|_| 取る事をはじめより本意とはせざる也。よくつもりを心得んが為也。
| 刀 |人| .|_| 敵と我が身の間何程あれば、太刀があたらぬと云ふ事をつもりしる也。
| 之 |剣| .|_| あたらぬつもりをよくしれば、敵の打つ太刀におそれず、
| 巻.  ̄ .|_| 身にあたる時は、あたる分別のはたらきあり。
| |_| 無刀は、刀のわが身にあたらざる程にはとる事ならぬ也。
| |_| 太刀のわが身にあたる座にて取る也。
|________.|_| きられてとるべし』
└───────┘
(意訳:しつこいけど、無刀はわざわざ取らなくてもいいの。あと、斬らなくてもいいの。
相手が何が何でも斬ろうとしてきた時だけだよ、取るのは。
つーか離れてたら斬られないんだから、それでいいだろ。
わざわざ取ろうとしてどうする。
取るのは、刀が当たりそうな時だけだよ)- 625 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:38:22.09 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ ⌒ \ というわけで、
| ミィ赱、i .i_r赱 これが世に名高い柳生の「無刀取り」だ。
. | ::::::⌒ (__人__)
. | トエエエイ …さて、どう思った?
. ヽ `""´}
ヽ ノ
/ く
____
/ _ノ ヽ_\
なんていうか…しつこいお。 . / (ー) (ー)\
そこまで繰り返さなくてもいいじゃない、っていうくらい l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \
何回も同じこと言ってるお…。 ヽ L |r┬-| |
ゝ ノ `ー‐' /
つーか訳が超訳過ぎないかお? / / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;(
| ( ─)(─ ) ;;;;) まあ、確かにな。
| (__人__) /;;/ よっぽど嫌なことがあったんじゃないかと思うくらい、
. | ノ l;;,´ 細かく、しかも繰り返し書いてあるよな。
| ∩ ノ)━・'
/ / _ノ´ まあ、訳については、宗矩の心情を
(. \ / ./ │ >>1が臨場感溢れる形で代弁してみました、だそうだ。
\ “ /___| | 夢で怒られてもしらねえぞ…。
. \/ ___ /- 626 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:38:29.22 ID:r0hD0LAo
- なんか後世の伝記作家たちに向けての警句と罵声のようだww
- 627 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:40:00.55 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ つーか、宗矩は、新参の割にかなり出世してるから、
| ( ●)(●) 結構嫌味とか色々言われていたと思うんだが、
| (__人__) その中で、
| `⌒´ノ
| } 「名高い柳生の無刀取りをやってみろ」
ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ ) とか言われたりしてたんじゃないかな?
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) で、あんまりしつこく言われてたから、
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 その鬱憤がこういう風に、何回も念を押す形で
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| 発露したのかもしれないな。
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
___
/ ヽ、_ \ なるほど…。
/(● ) (● ) \ つまり、これはアレだお…
/:::⌒(__人__)⌒::::: \
| l^l^lnー'´ |
\ヽ L /
ゝ ノ
/ /- 628 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:41:38.72 ID:LgeqtBQ0
- /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、 \ \、_ハノ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\ ヽ\).',..、
.′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽrー . /
./ :.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:ト,:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ヽ,) 自分では気の利いた嫌味を言ったつもりでしょうが
{:.:.:.:.:.:.:.{≧x:kヘ.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_;_;)
':.:.:,ィ.:.:.込尤!i}∧.:ト,:.:.:.:.厶:.:.:.:.:.:.`ヽ それを言うのはあなたで100万人目なのです!
∨^Ⅵトー― ' ハ!ヘ.:.:/i!i∧:.:.:.卜_)
ヽ,ム` ' ' ∨ ムノヽ:.:.! .,ソ/ヘ '"
}.:∧、 r===ぇ /.:.:| ∨ / //7/ヘ /l ト、 |\ヘ /l ト、 |\
j/小.:ヽ、{こ二'」 ,/.:ij.:i / V | l ヽ| V | l ヽ|
|.:.:.j:} ` - ' {、.:.仆{
j/"| | ヽ{
/⌒'┤ ├'⌒ヽ (^ヽ {^ヽ
/ {f¨ ̄「 ̄¨^/ '. rヘ '. '. '. '. Y^}
/ ;ーr宀ー‐/ '. '. '. / ,// 厶/ {
-一¬ヘ '. . ′ / '¬=ー- '. ー' ¨ ´ _」
/´ .′'. '. / . ′ '. `ヽ 〉 /´}
′ / '. '. , ′ . ′ '. '. / 厶 '
/ ′ '. / / '. '. { /
! / '. ′ / '. '. ム,___j___
| ' './ .′ '. '. { ○ |
! j / / i '. ,j _rー┘
柳生宗矩、心の叫び(イメージ図) - 629 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:43:17.62 ID:LgeqtBQ0
…案外、当たらずとも
遠からずかもな…。
/ ̄ ̄\
/ \ ____
|:::::: | / \ …ってことだお?
. |::::::::::: u | / ⌒ ⌒ \
|:::::::::::::: |/ (●) (●) \
. |:::::::::::::: } | (__人__) |
. ヽ:::::::::::::: } \ ` ⌒´ _/
ヽ:::::::::: ノ | \
/:::::::::::: く | | | |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――- 631 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:44:12.40 ID:/uxMgUko
- 的確ww
- 630 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 00:43:52.33 ID:kFWSeDYo
- 1さんの最近のお気に入りは絶望先生かなww
- 632 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:45:09.39 ID:LgeqtBQ0
- ____
/ _ノ ヽ_\ …しかし、それにしたって
. / (ー) (ー)\ これが「無刀取り」とかあんまりだお。
l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \ 地味過ぎるお。
ヽ L |r┬-| |
ゝ ノ `ー‐' / wktkしていた全国の伝奇少年の期待は
/ / \ どこに行けばいいんだお?
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
そんなこと言われてもな…。
/ ̄ ̄\ 斬られないのに一番いいのは、危ない奴に近寄らないことだろ。
/ _ノ \ どれだけ腕が立っても、力があっても、
| ( ー)(ー) 届かなきゃ意味無いんだからさ。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ 宗矩自身も言ってる通り、
. | nl^l^l 「芸ではない」んだから、地味だろうがなんだろうが、
. ヽ | ノ 「斬られないため」という目的を考えると、
ヽ ヽ く ここで言われていることがベターだろ。
/ ヽ \ - 633 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:46:57.30 ID:LgeqtBQ0
- ___
/)/ノ ' ヽ、\ そうは言っても…他に何かないのかお?
/ .イ '(●) .(●)\ もうちょっと具体的な方法とか…。
. /,'才.ミ). (__人__) \
. | ≧シ' ´ ⌒` |
. \ ヽ /
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | …まあ、一応
. | (__人__) | 具体的な心がけについても語っている箇所はある。
| ` ⌒´ ノ そこも紹介しておこうか。
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒) - 634 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:48:25.73 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀は、人には刀をもたせ、我は手を道具にして仕合するつもり也。
| ._ .|_| 然れば、刀はながく、手はみじかし。
| 無 |活| .|_| 敵の身ちかくよりて、きらるる程にあらずば、成間敷也。
| 刀 |人| .|_| 敵の太刀と我手としあふ分別すべきにや。
| 之 |剣| .|_| さあれば、敵の刀はわが身より外へゆきこして、
| 巻.  ̄ .|_| われは敵の太刀の柄の下になりて、
| |_| ひらきて太刀をおさふべき心あてなるべきにや。
| |_| 時にあたつて、一様にかたまるべからず。
|________.|_| いづれにても、身によりそはずば、とられまじき也』
└───────┘
(意訳:もし、無刀取りをする羽目になったら、
手を道具として仕合うつもりでやれ。
で、手は刀と比べたら短いから、やるなら敵の懐に飛び込め。
そうすりゃ敵の太刀は外れるし、手は届くだろ?
あと、変に固まったりすんなよ?とにかく相手にくっつけ)
そうそう、こういうのが無刀取りってもんだお!
____ 距離取れとか、地味過ぎるんだお!!
/_ノ ヽ、_\
ミ ミ ミ o゚((●)) ((●))゚o ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒) :::::⌒(__人__)⌒:::\ /⌒)⌒)⌒)
| / / / |r┬-| | (⌒)/ / / //
| ::::::::::::(⌒) | | | / ゝ ::::::::::/
| .ノ | | | \ / ) /
ヽ / `ー'´ ヽ / /
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l バ
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、 ン
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒)) バ
ン- 635 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:50:25.39 ID:LgeqtBQ0
- ____
/ ─ ─\ …でも、あらためて見ると、やっぱり普通だお。
/ (●) (●)\ 真剣白刃取りとか、そういう雰囲気は全然ないお。
/ (__人__) \ これじゃボクシングのクリンチだお。
| ` ⌒´ |
\ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
.... / ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
そりゃ刀はリーチがあるからな。 ...... . ( (● ) |
懐に入られてたら、使いづらくなるだろ。 . (人__) |
そこを押さえるわけだ。 r-ヽ |
.... (三) | |
命が掛かってんだし、 .. > ノ /
白刃取りなんてやってられないだろ。 / / ヽ /
常識的に考えて…。 / / へ> <
|___ヽ \/ )
|\ /|
| \_/ |
____
/ _ノ ヽ_\ …そう言ってしまうとミもフタもないお。
. / (ー) (ー)\ まあでも確かに、その通りだお。
l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \
ヽ L |r┬-| | これで終わりかお?
ゝ ノ `ー‐' /
/ / \
/ / \ 「いや、一応最後の一文がまだある」
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒)) - 636 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:52:44.54 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 無刀は、当流に、是を専一の秘事とする也。
| ._ .|_| 身構、太刀構、場の位、遠近、うごき、はたらき、つけ、かけ、表裏、
| 無 |活| .|_| 悉皆無刀のつもりより出る故に、是簡要の眼也』
| 刀 |人| .|_|
| 之 |剣| .|_|
| 巻.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● まあ、ここまできたら意訳も何もいらないだろ。
| (__人__)
. | ノ 無刀は柳生新陰流の秘事であり、
| ∩ ノ ⊃ 立ち合い時のあらゆる物事は、
/ ./ _ノ 全て無刀のつもりでやれ、というわけだ。
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
... ____
/ ⌒ ⌒ \
お? ./( ―) ( ●) \
「新陰流」じゃなくて「柳生新陰流」と読んだかお? /::⌒(_人_)⌒::::: |
| ー .|
\ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;( まあな。
| ( ─)(─ ) ;;;;) 無刀をここまで強調するのは、
| (__人__) /;;/ 柳生新陰流…より正確に言えば江戸柳生の特徴だ。
. | ノ l;;,´
| ∩ ノ)━・' だからこそ、石舟斎の逸話も相まって、
/ / _ノ´ 柳生といえば「無刀取り」と定着したんだろうな。
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /- 637 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:54:26.91 ID:LgeqtBQ0
- ( , ---――---、
( _/lllllllllllllllllllllllllllllll`ヽ、
( /lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllヽ
( /\、llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll冫
( |:/ ヽlllllllllll,,--ーヽ--'´::::::::::|
( | `ヽ、二二_..-''''-、 |:::::::::::::| とんだところで、
( / -ニヽ、 _..-'ニヽ \::::::::::| 護身完成ってか…。
( r-‐‐‐--、 二二____ ,!‐-<
( 〔 | ̄ ̄`i --' r‐‐---、`/ /^ 冫
( i、----//~l\ヽ_____// > 〉/
( `| ̄ / ノ┐`‐--‐'´ / __ノ
( `l`l<ヽニ-'´ヽ、 ,-‐' /ト、
( \`‐‐-‐-‐-> / | \
( ,-'´ |トニ二ニニ/ __/ / | |\
( .,-'´ //|ー‐‐‐‐' / / ///\
( ヽ――'´ ///
⌒⌒○⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
____ ○
/ \。○
/ ─ ─\ なんにせよ、実際の無刀取りというのがどういうものか、
/ (●) (●) \ 技法はともかく、その心がけはよくわかったお。
| (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ / 「達人ッ!」とか「護身完成ッ!」とかいう単語が
( \ / _ノ | | 脳に浮かぶのはスルーしとくお。
.\ “ /__| |
\ /___ /
/ ̄ ̄\ ( ;;;;( (何想像してるか丸分かりだなー)
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ まあ、ある意味、
| (__人__)l;;,´| (自ら立ち合いを求める)武芸者からすれば、
| ./´ニト━・' .l 論外と言えなくもない思想だが、
| .l _ニソ } こいつはまず護身ありきの家光のための兵法だからな。
/ヽ、_ノ / むしろ、こうでないとマズいわけだ。
__/ / ノ__
/ / / `ヽ. さて、それじゃ続きになるぞ。
/´ ./ ,. ヽ. 先にも出ていた禅が、ここで本格的に顔を出してくるんだ。
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ / - 638 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:56:05.94 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 大機大用(だいきだいゆう)。用(よう)を用(ゆう)ととむべし。
| ._ .|_| 物の躰用の時、用とよむべし。
| 無 |活| .|_| 物ごとに躰用と云ふ事あり。
| 刀 |人| .|_| 躰があれば、用がある物也。
| 之 |剣| .|_| たとへば、弓は躰也、ひくぞ、いるぞ、あたるぞと云ふは弓の用也。
| 巻.  ̄ .|_| (中略)
| |_| 刀は躰也、きる、つくは用也。
| |_| 然れば、機は躰也、機から外へあらはれて、様々のはたらきあるを用と云ふ也。
|________.|_| (中略)
└───────┘ 大はほむる言葉也。
大明神、大権現、大菩薩などと云ふも、大は褒美の言葉也。
大機なる故に、大用があらはるる也。
禅僧の自由自在に身をはたらかし、何事をいふも、何事をするも、
皆道理にかなふて理に通ずる、是を大神通と云ひ、大機大用と云ふ也』
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \ ここで言う「大機大用」は、
| (●)(●) | 言ってること自体は、心があって、それに行動が従うので云々、という
. | (__人__) | 従来通りの話だが、ここで「大」の文字が付くことにより、
| ` ⌒´ ノ より大きな次元の話になる、としているわけだ。
. | }
. ヽ } そして、ここでもそのモデルケースとして、
ヽ ノ 「禅僧」…まあ、ぶっちゃけ沢庵を引き合いに出している。
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)- 639 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:57:35.45 ID:LgeqtBQ0
- ____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) …なんていうか、
/ (─) (─ /;;/ 宗矩は沢庵を信頼し切ってる感じだお。
| (__人__) l;;,´| これ、沢庵がいなかったらどうなってたんだお…?
./ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
.__
/ ~\ さあなあ…。
/ ノ (●)\ 実際のところ、この兵法家伝書の
. | (./) ⌒)\ 禅的思想の部分については、
. | (__ノ ̄ \ かなりの部分が沢庵の影響を受けているからな。
\ | もしいなかった場合、というのが想像も付かん。
\ /
. \ ⊂ヽ∩ だから、もし沢庵がいなかったら、
/´ (,_ \. この「兵法家伝書」も成立しなかったかも、という意味でも
/ \. \ やはり沢庵は宗矩を語るのに欠かせない人物だよ。
./ / |. \ソ
( y' .| - 640 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 00:59:13.84 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『数々の太刀構、表裏、偽り、諸道具のさばき、
| 無 |活| .|_| 飛びあがり飛びさがり、手にやいばをとり、足に蹴をとし、
| 刀 |人| .|_| 様々にはたらき、習の外に自在を得る事、是を大用と云ふ也。
| 之 |剣| .|_| 常々内に機を具せざれば、大用はあらはるまじき也。
| 巻.  ̄ .|_| (中略)
| |_| 此機常に内にある故に、自然の時、
| |_| きどくの早速が出で合ふ、是を大用と云ふ』
|________.|_|
└───────┘
., ──‐、
/ \ そして、ここではその大用を発するためには、
. .| _ノ ヽ 常に機を内にある状態…つまり、注意を怠らない状態を
| ( ●) (●) 常のものとすることが大事、としている。
| (__人__) , -―ーっ
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄ そうすれば、何かあった時、
. ン } ゙| ̄'| おのずと大用…この場合は適切な行動が
/⌒ヽ、 ノ .|, | 発揮されるだろう、というわけだ。
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' ∫
| | / / r_____ ∬
| | / / |i ┌‐┐
| | ( 〆⌒'──r─≒、.((| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄└‐┘ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
まあ、そりゃそうだお。 / \
それが前に出ていた「平常心」あたりと /─ ─ \
繋がるというわけかお? / (●) (●) \
| (__人__) |
\ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒) そういうことだな。
. | (__人__) 単に注意ばかりしているのでは、いつか疲れるし、隙も出る。
| ` ⌒´ノ 自然の状態でそのようにできることが至上、というわけだ。
. | nl^l^l
. ヽ | ノ
ヽ ヽ く
/ ヽ \- 641 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:02:16.08 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『此大機大用の人にあふては、習のたけをつかふ兵法は、
| ._ .|_| 手をあぐる事もならぬ物也。
| 無 |活| .|_| (中略)
| 刀 |人| .|_| 禅句に、大用現前軌則を存ぜずと云ふ。
| 之 |剣| .|_| (中略)
| 巻.  ̄ .|_| この大機大用の人は、そつとも習・法符にかかはらぬを、
| |_| 軌則を存ぜずと云ふ也。
| |_| 軌則とは、習・法符・法度の事也。
|________.|_| よろづの道に、習・法符・法度と云ふ事有る也。
└───────┘ 至極の人は、はらりとそれをはなるる也。
自由自在をする也。
法の外に自在をする、是を大機大用の人と云ふ也』
____
/ \ …なんていうか、実物が目の前にいると、
/ ─ ─ \ 例え話もやりやすい、という実例のようだお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | どう見ても沢庵です。本当に(ry
\ ` ⌒´ ,/
r、/ ヘ
|:l1 ヽ
/ ̄ ̄\ こらこら終わらせるな。
/ _ノ \ まあ、でも、確かにそうなんだがな。
| ( ⌒)(⌒)
. | (__人__) 大機大用の人物には、
| |r┬|} そこに至らない人物では到底太刀打ちできないし、
| | | |} 更に、その人物の自由自在さを強調することで、
. ヽ `ニ} 「理想像の強化」をしているわけだ。
ヽ ノ
/ く \ 目指すべき理想が具体的で素晴らしいほど
| \ \ 目指すモチベーションも上がるわけだからな。
| |ヽ、二⌒)、- 642 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:04:23.72 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一 摩拏羅(まぬら)尊者の偈に云く、心は万境に随つて転ず。
| ._ .|_| 転処実に能く幽なり。
| 無 |活| .|_|
| 刀 |人| .|_| 右の偈は、参学に秘する事也。
| 之 |剣| .|_| 兵法に此意簡要なる故に、引合ひてここに之を記す。
| 巻.  ̄ .|_| (中略)
| |_| 万境とは、兵法ならば敵の数々のはたらき也。
| |_| 其一つ一つのはたらきに、心がてんずる也。
|________.|_| たとへば、敵が太刀をふりあぐれば、其太刀に心がてんじ、
└───────┘ 右へまはせば右へ心がてんじ、左へまはせば左へてんずる、
是を心は万境に随つて転ずと云ふ也。
転処実に能く幽なりと云ふ所が兵法の眼也。
其所に心があとを残さずして、こぎ行く舟のあとのしら波と云ふごとく、
あとはきえてさきへ転じ、そつともとまらぬ処を、転処実に能く幽なりと心得べし』
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \
/( ⌒) (⌒)\ ) これは…「転(まろばし)」かお!
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\ 新陰流の極意の一つってやつだお!
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
まあ、確かにそうだが、
ここで宗矩が述べているのは、 ....
「転(まろばし)」そのものではなく、 .... / ̄ ̄\
あくまでその根本の部分… .. / ヽ、_ \
つまり、 .... . ( (● ) |
... . (人__) |
「周囲の変化に心を移し、且つ留めず、 r-ヽ |
自由自在に応ずる」 . (三) | |
... > ノ /
ということだな。 / / ヽ /
.../ / へ> <
…ちなみに、こいつについては、 .|___ヽ \/ )
後で挙げられた例文が愉快なので、 |\ /|
少し挙げておこう。 .. | \_/ |- 643 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:06:41.46 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| 『人の心も、物にうつればあらはれ見ゆる也。
| 無 |活| .|_| ちご若衆に心をうつせば、やがて人が見しるなり』
| 刀 |人| .|_| ・ ・ ・ ・
| 之 |剣| .|_|
| 巻.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\
-‐7" ヾー---┐ \
 ̄ ./゙ニ,ニF、'' \ ど う 見 て も 家 光 限 定 で す。
: ,.,. |ヽ 」9L.` \
l' """ l 本当にアッーりがとうございました。
h、,.ヘ. ;::: |
( j ) l
:.`ー-‐'´`ー-‐'′ /
≡≡ /
イ\
`ー- -‐'"´ \
: . \
/ ̄ ̄\
/ ⌒ \ …まあ、実際に宗矩が家光相手にも
| ミィ赱、i .i_r赱 これを言ったかどうかは分からんが、
. | ::::::⌒ (__人__) もし言ってたら色々な意味でナイス度胸だよなー。
. | トエエエイ
. ヽ `""´} いやあ、味わい深い(ニヤニヤ
ヽ ノ
/ く- 644 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 01:07:37.13 ID:kEC2WQYo
- アッーりがとうwwww
- 645 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:09:00.88 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『○兵法の、仏法にかなひ、禅に通ずる事多し。
| ._ .|_| 中に殊更着をきらひ、物ごとにとどまる事をきらふ。
| 無 |活| .|_| 尤も是親切の所也。とどまらぬ所を簡要とする也。
| 刀 |人| .|_| (中略)
| 之 |剣| .|_| 如何様の秘伝を得て手をつかふも、
| 巻.  ̄ .|_| 其手に心がとどまらば、兵法は負くべし。
| |_| 敵のはたらきにも、我手前にも、きつてもつひても、
| |_| 其所々にとどまらぬ心の稽古、専用也』
|________.|_|
└───────┘
そして、ここで遂に
/ ̄ ̄\ 「剣禅一致」について記した話が出るわけだ。
/ _ノ \
| ( 一)(●) 『兵法の、仏法にかなひ、禅に通ずる事多し』
| (__人__)
| `⌒´ノ 兵法上の心法と、禅は、
| ,.<))/´二⊃ 「着(執着・こだわり・心が留まること)を嫌う」
ヽ / / '‐、ニ⊃ という点に於いて同じである、というわけだな。
ヽ、l ´ヽ〉
''"::l:::::::/ __人〉 今まで、あくまで兵法のために禅を、と言っていたのが、
:::::::::|_/ヽ. /|||||゙!:゙、-、_ この段階では同列、あるいは同一のものとして語っている。
:::::::/´∨/`ー'〉゙||i l\>::::゙'ー、
:::y′.: ',ゝ、_/ヽ.||||i|::::ヽ::::::|:::! …即ち、「剣禅一致」だ。
/: ://: : : :|:::ヽ|||||:::::/::::::::i::|
____
/ \ なるほど。
/ ─ ─\ そして最後に「心の稽古に励むべし」とくるわけかお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | …確かに、ここまでくると、
./ ∩ノ ⊃ / 兵法の修行でも禅の修業でも、
( \ / _ノ | | どちらでも変わらないような感じだお。
.\ “ /__| |
\ /___ /- 646 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:11:29.13 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『一切の道理を見おはりて、皆胸にとどめず、はらりはらりとすてて、
| ._ .|_| 胸を空虚になして、平生の何となき心にて、所作をなす。
| 無 |活| .|_| 此位にいたらずば、兵法の名人とは言ひ難き也。
| 刀 |人| .|_| 兵法は我が家の事なれば、さして兵法と申す也。
| 之 |剣| .|_| 兵法一つに限るべからず、よろづの道此の如き也』
| 巻.  ̄ .|_|
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
, -、 さて、ここが「無刀之巻」の最後の部分なんだが、
, - / / 宗矩はこの最後の段で、このように述べている。
/ ̄ ̄\ / ノ/ /
/ノ,、\_ \ / / /`ヽ 前にも、平常心を以って事に当たる人を「名人」と
( ●)( ●) | { (__/} 呼んでいたが、ここで再びその言葉が出てくる。
(__人__) | { (__/} 「平常心」を得て、「名人」に至ることを至極とし、
(`⌒ ´ | / (__.ノ これを結論としたわけだな。
{ | / ,;-ー'´ そして、
{ / . / . ノ
ヾ / / ./ 『兵法一つに限るべからず、よろづの道此の如き也』
ソgヘ二ニ=7./ /
∧ii/ oィ/厂 / として、ここまでで述べた心法が、兵法に限らず、
/ .|//=≠. r'´ 万事諸道全てに通じるものであるとして、
l |。 `~/ 一気に格上げして風呂敷を畳み込んだ、というところだな。
/ |。 /- 647 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:13:23.29 ID:LgeqtBQ0
風呂敷を広げるだけ広げて、
最後に上手いことまとめられた感じだお…。
_____
/ ― \ …というか、これって
/ノ ( ●) \
. | ( ●) ⌒) | 「上様の兵法稽古はこれからだ!」 (完)
. | (__ノ ̄ /
. | / ってことなんじゃないのかお?
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\ だって、この理屈だと、
. | / \_ノ これから禅を修めなければならないわけだお?
/ ̄ ̄\
まあ、そうだな。 / ヽ、_ \
というか、それこそが (-)(- ) |
宗矩の目的だっただろうしな。 (__人__) |
( |
. { |
⊂ ヽ∩ く
| '、_ \ / )
| |_\ “ ./
ヽ、 __\_/
____ ━┓
/ \ ┏┛
/ \ ,_\. ・
/ (●)゛ (●) \ …それってどういうことだお?
| ∪ (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /- 648 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:15:17.24 ID:LgeqtBQ0
- / ̄ ̄\
/:::::::⌒ ⌒\
|:::::::::(●)(●)| …まあ、そいつについては、
. |:::::::::::(__人__)| ここで語ると終わらないから、次にするさ。
|::::::::::::` ⌒´ | さ、それじゃあ、最後の〆に入るぜ?
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
ヽ:::::::::: ノ
/ヽ三\´
|:::::::::::::::: \ - 650 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 01:16:36.62 ID:/uxMgUko
- ゴクリ…
- 651 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:16:39.30 ID:LgeqtBQ0
まず、「無刀之巻」についてだ。
こいつの内容は、まとめればこうなるな。
/ ̄ ̄\ ... 【無刀】
/ _ノ \. .... 無刀は、柳生新陰流の秘事にして、
| ( ●)(●) .... 基本ともなる心得である。
. | ::::::⌒(__人__) .
| ` ⌒´ノ . 【剣禅一致】
. | }. 。 兵法上で必須となる心法は、
. ヽ } / ... 突き詰めれば禅の心と同じである。
ヽ ノ ./ .. その行き着く先は「平常心」である。
/ lヽ介/lヽ、 ,rE)
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/____E[]ヨ___________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) こうして見返すと、つくづく心法の比重が大きいお…。
/ (─) (─ /;;/ 「殺人刀」でも、かなりの部分が心法だったし、
| (__人__) l;;,´| 全体だとどれくらいになるんだお?
./ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /- 652 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:18:25.77 ID:LgeqtBQ0
うむ。
じゃあ、通しでまとめてみようか。
【進履橋】
・新陰流についての伝書
/ ̄ ̄\ ...
/ _ノ \. .... 【殺人刀】
| ( ⌒)(⌒) .... ・序文(「活人剣」「大なる兵法」など「活人剣・治国平天下の剣」概論)
. | ::::::⌒(__人__) . ・心法論(「平常心」を目指すべき)
| ` ⌒´ノ . ・勝負論(勝負は「表裏(=略:はかりごと)」が基本である)
. | }. 。
. ヽ } / ... 【活人剣】
ヽ ノ ./ .. ・技法論(「手字種利剣」を心がけること)
/ lヽ介/lヽ、 ,rE) ・心法論(「此心(=平常心)」を得る事)
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇' ・無刀之巻(「無刀」の心得。「剣禅一致」)
| | ゚| |\/____E[]ヨ___________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
なるほど…。
これが「活人剣・治国平天下の剣」を説いた
___ 「兵法家伝書」の概要というわけかお。
/)/ノ ' ヽ、\
/ .イ '(●) .(●)\ でも、こうして見ると、
. /,'才.ミ). (__人__) \ 「殺人刀」と「活人剣」に大きな差はないお。
. | ≧シ' ´ ⌒` | むしろ、「序文」「本文」「無刀之巻」で分けた方が
. \ ヽ / バランスよかったかもしれないお?
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● ああ、そこについては、
| (__人__) 一応後書きの方で補足がしてあるな。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /- 653 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:20:14.18 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『此巻上下を、殺人刀、活人剣と名付けたる心は、
| ._ .|_| 人をころす刀、却而人をいかすつるぎ也とは、
| |活| .|_| 夫れ乱れたる世には、故なき者多く死する也。
| |人| .|_| 乱れたる世を治める為に、殺人刀を用ゐて、
| |剣| .|_| 巳に治まる時は、殺人刀即ち活人剣ならずや。
|.  ̄ .|_| ここを以て名付くる所也』
| |_|
| |_|
|________.|_|
└───────┘
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ まあ、分割したことそのものは、
(⊃ ( ●)(●) 製本上の都合とかがあったのかもしれんが、
| (__人__) 上下間の命名に関しては、
| ` ⌒´ノ 「活人剣・治国平天下の剣」の肝と言うべき
| } \
/ヽ } \ 「殺人刀・活人剣」
/ ヽ、____ノ )
/ . | _/ を題することで、この兵法(というか思想)が、
| / ̄ ̄(_) どういうものであるかを示した、ということらしいな。
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_)- 654 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:22:05.01 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) そして、こうして通しで見ると、
| (●)(●)/;;/ さっきお前も言った通り、
| (__人__)l;;,´| 序文の「活人剣」「大なる兵法」を除けば、
| ./´ニト━・' .l 兵法上の心法(「剣禅一致」含む)への言及が
| .l _ニソ } 大半を占めることがわかる。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__ これが、江戸柳生が
/ / / `ヽ.
/´ ./ ,. ヽ. 『心法の江戸柳生』
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ / と称される所以だ。
____
/_ノ ヽ\ あー、そういえば、
/ ( ●) (●)、 尾張柳生が『刀法の尾張柳生』と
/::::::::⌒(__人__)⌒\ 呼ばれていたというけど、
| |r┬-| | それは江戸柳生と対比して、ということだったのかお。
\ `ー'´ /
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ まあ、こうして見ると、
\ ヽ / ヽ / そう呼ばれるのも納得だお。
\_,,ノ |、_ノ- 655 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:24:15.08 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \
| (⌒)(⌒) | …いや、長くかかったが、
| (__人__) | とにかくまとめきれてほっとしてるぜ。
| `⌒´ │
| .| それじゃあとは後書きを紹介だ。
ヽ /
ヽ ノ
_/ l__
__ゝ_/ ヽ
\___ノ' ヽ⌒)- 656 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:25:23.74 ID:LgeqtBQ0
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『兵法の本書一巻は、進履橋と名づく。大凡の目録なり。
| ._ .|_| 亡父但馬守宗厳、上泉武蔵守藤原秀綱より、直伝するところ也。
| |活| .|_| 右の目録の分、相窮むる人に於ては、右の本書一巻を写筆して之を授け、
| |人| .|_| 相伝の証と為すべき者なり。
| |剣| .|_| 今此の上下両巻は、習の外の別伝也。
|.  ̄ .|_| 亡父一生此の道を以て、寝食の間此を忘れず。
| |_| 故に此の道に於て妙理を得、平生予を左右に置き、妙を談じ玄を説く。
| |_| 聊かも聞き得ること有るときんば、拳々として胸に服く。
|________.|_| 予人と成り、手に刀柄を握つて父の業を継ぐと雖も、未だ嘗て自由ならず。
└───────┘ 漸く知命の年を過ぎ、此の道の滋味を得たり。
一件の理を得る毎に此を記す。積んで多端に渉り、窮むる所一心に帰し、
一心多事に渉り、多事一心に収まる。畢竟茲に在り。
今之を書きて両巻と為し、併せて本書共三巻、以て之を家に遺すと云ふ。
寛永九年壬申長月吉辰
上泉武蔵守 藤原 秀綱
亡父柳生但馬守 平 宗厳
的子柳生但馬守 平 宗矩』
___
…なんだか随分謙虚な感じだお。 ...... / ヽ、_ \
/(● ) (● ) \
『知命の年(50歳)を過ぎ、此の道の滋味を得たり』 /:::⌒(__人__)⌒::::: \
| l^l^lnー'´ |
とか、将軍家指南役が言っちゃっても大丈夫なのかお? \ヽ L /
ゝ ノ
/ /
まあ、これを書いた頃には、
もう耳順(60歳)を過ぎてるわけだからな。
その辺は割と正直な気持ちだったんじゃないか?
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ 俺がここで面白いと思うのは、
| ( ⌒)(⌒) 文から滲み出る石舟斎への感情だな。
| (__人__) 総体として、
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ 「親父は偉かったなー(超訳)」
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │ という素直な思慕と尊敬のトーンで統一されている。
\ “ /___| | 伝奇での印象が一気に変わって見えてくるな。
. \/ ___ / ここを読むと、なんで不仲に描かれる事が多いのか
不思議になってくるぞ。- 657 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:28:55.24 ID:LgeqtBQ0
-
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| .... 『今此三巻にしるすは、家を出でざる書也。
| |殺| . |_| しかあれど、道は秘するにあらず。
| |人| . |_| 秘するは、しらせむが為也。
| |刀| .|_| .... .しらせざれば、書無きに同じ。
|.  ̄ .|_| .... 子孫よく之を思へ』
| . .|_|
| |_| ....
|________.|_|
└───────┘
/ ̄ ̄\ あと、こいつは「殺人刀」の序文の最後にある一文だったんだが、
/ _ノ \ 全体の流れから見ると入れづらかったので省いてたんだ。
| ( ●)(●) でも、せっかくなのでここに追記しておく。
| (__人__) 内容としては、子孫向けの一文なわけだが、
| `⌒´ノ
| } 『秘するは知らせむがため』
ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ ) というのは、世阿弥が書いた
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( 「風姿花伝」の影響があるのかもしれない。
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 「風姿花伝」が公開されたのは明治に入ってからだが、
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| 概念自体は能楽者の間では広まっていただろう。
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | 能と関わりのあった宗矩は、そこから知見を得たのかもな。
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
____
/⌒ ⌒\
/( >) (<)\ 能狂いも無駄じゃなかったってわけだお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| /| | | | | |
\ (、`ー―'´, /
 ̄ ̄ ̄ - 658 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:30:16.92 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ ( ;;;;(
| ( ─)(─ ) ;;;;) …さて、これで「兵法家伝書」の紹介は全て終りだ。
| u (__人__) /;;/ 岩波文庫版のページ数にすれば、
. | ノ l;;,´ 111pに過ぎない伝書なわけだが、
| ∩ ノ)━・' こうして紹介してみると、長く掛かったなー。
/ / _ノ´
(. \ / ./ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
____
/ _ノ ヽ_\ …>>1の手際が悪かった、というのもあると思うお。
. / (ー) (ー)\ 完全にエッセンスだけ抜き出して紹介した方が
l^l^ln ⌒(__人__)⌒ \ 手っ取り早かったんじゃないかお?
ヽ L |r┬-| |
ゝ ノ `ー‐' /
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))- 659 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:31:29.92 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\ まあ、それも一手だったんだが、
/ ノ \ \ >>1の解釈が間違ってる可能性だってあるんだ。
| (●)(●) | その場合、原文を紹介しつつであれば、
. | (__人__) | 気づいた人から指摘をもらえるかもしれないだろ?
| ` ⌒´ ノ
. | } それに、>>1の目標の一つに、
. ヽ } 「兵法家伝書」の全文現代語訳があるからな。
ヽ ノ ある意味、この紹介はその為のものでもあるんだよ。
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)、
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) まあ、結局は言い訳だお。
/ (─) (─ /;;/ これの是非は、読者に判断頂くことだお。
| (__人__) l;;,´|
./ ∩ ノ)━・'/ …で、やらない夫、
( \ / _ノ´.| | この後、どうするつもりなんだお?
.\ " /__| |
\ /___ /- 660 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:33:28.85 ID:LgeqtBQ0
- / ̄ ̄\
/ ._ノ \\ _,,
| ( ●) (●) | l;l ああ、次は、今までの話を下敷きに、
. | (__人__) | _,_,|,|_,
| ` ⌒´ |, ト-=y 丶 『「活人剣・治国平天下の剣」とはなんだったのか?』
. | } ヽ `i, ̄‐^l
. ヽ } ヾ~ ` i, という点について話をしていこうと思う。
ヽ ノ _ ヽ、 ;i, これは言ってみれば、
,,_,i y,ソト,,__ ヽ、 ;i,
,/r-'"j / / ii, `ヽ、-x,,゜r ;i 「柳生宗矩という人物は如何なる存在だったのか?」
,,/'/__.L、 /ヾ、"i `ヽ `;i i,
,/ /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i `、'i iヽ、 という話にも繋がるわけだから、
_,) ヽ " ネメ、_ii"~ _Yri l, ヽ、 ある意味、このスレで一番>>1が
_,,,>t 、ヾ、 ゞ;;/ / ,¬ V⌒l やりたかったことと言える。
,y`;,,__ ,i /ii' / r-/| l l
_/^,,, ヘ l /iil / l"v' y } l
v=4⌒ヽ、 j --,,,if /iii| ,, 〈-ヘ_,、 <、 / i|
ヽ, ,, i、 _,,tv /iiiii ム、 / / ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
__,,,l ii Yi___,lk / }iiiiil ヘ __,,,,,,___/ `x'"^ ,,,,, \
^ ̄⌒ヽ ヘ、 ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、 ,/ ,,,-‐‐ `',, ヘ,、
,,,_ \ ヽ `>- liiiiiiil ¬">-- ヽ ヽ i i/ _,, / } i
"- ,, } / /iiiiiiil / l l l lK ^~' / |
\ーヾ /iiiiiiiil / i i | |i`'ヽーミ_/ /
____
/_ノ ヽ_\ わかったお。
/( ●) ( ●)\ 今回、まとめとか総論がえらく短く終わったのは、
/ ::::::⌒(__人__)⌒::::\ そっちに話を繋げるためだったのかお。
|  ̄ |
\ / …じゃあ、今回はこれで終わりかお? - 661 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:35:01.20 ID:LgeqtBQ0
ま、そういうことだな。
今日もお疲れさんだ。
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ …それじゃあ恒例の飯にしようぜ!
| ( ⌒)(⌒) 待ってたお!
. | (__人__) / ̄ ̄ ̄\ 今回は久々にお好み焼きが食べたいお!
| ` ⌒´ノ /⌒ ⌒ \
| } /(⌒) (⌒) \
. ヽ | | (__人__)/// |
_/⌒ヽ ィ \ /
i'⌒゙l | l \ / ̄  ̄ ̄)___
| |. | | ト \ / // /'./ / 〃 ⌒l.
| | ( " ̄⌒ヽ、 |_" ̄ ̄⌒ヽ、 _____/⌒\./ / し'_|;;;;;;;;;;;;|
|.  ̄ ̄ ̄ ̄|ソ,),) ̄`ヽ ̄⌒ヽ|,),)ソ .l'⌒゙l ( ゙̄^ ヾ /⌒ l\ / |⌒゙|;;;;;;;;;;;;;|
| l .| y |_ィ | .| | |──=`──‐/ /────| |;;;;;;;;;;;;;|
| | .|.| | | | | | | ノ_ / | |;;;;;;;;;;;;;|
| | |___| |__| | | | iヘ__ソ | |;;;;;;;;;;;;;|
|_______.|___(__゙)__{___゙)_|__|__|_______ ̄_______.|__|;;;;;;;;;;;;;|- 662 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:36:00.84 ID:LgeqtBQ0
/ ̄ ̄\
/ ー ‐\ そうと決まれば善は急げだ!
| ( ●) ( ●) 早く行かないと店が閉じちまうぜ!
| (__人__)
| ) ` ⌒´ノ
| }
r⌒ヽrヽ, }
/ i/ | __ ノヽ _____
./ / / ) __ . / ー ー\ …言っといてなんだけど、
./ / / // \. / ( ●) ( ●) この時間帯にお好み焼き屋って
/ ./ / ̄、⌒) / (__人__) \ 開いてるのかお…?
.ヽ、__./ / ⌒ヽ ̄ | ` ⌒´ |
r / | / \ i⌒\ / ま、とりあえず行ってみるお!
/ ノ / ⌒ヽ, _.ヽ .\/
/ / / ./ |./ー、\ \
./ // /i, ノ \^ .i
/. ./ ./ /、/ ヽ、_../ / . ヽ、__ノ
i / / / | ./ // /
i ./ ノ.^/ .ヽ、_./ ./ /
i ./ |_/ / /
i / ノ.^/
/ / |_/
(_/
【やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)「解説・兵法家伝書(活人剣)」】 完- 663 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 01:37:37.07 ID:/uxMgUko
- 乙でした
ちゃんと理屈にあってるから、わかりやすいと云うか、単純というか…達人の残した言葉って深くて面白いな - 664 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・前編3)[saga]:2009/09/28(月) 01:38:15.44 ID:LgeqtBQ0
- どもども、お疲れ様でした。
本日もお付き合いありがとうございました>皆様
というか、夜遅くまですいません…明日は月曜日なのに。
随分と長く掛かってしまいましたが、
兵法家伝書の解説というか、紹介は今回で終わりでアリマス。
次回からは、ようやく「後編」に移れるかと。
…ちなみに、当初想定していた中篇を外して、後編にしたのは、
今の調子で書いてると、下手に前・中・後に分けたら、
解説だけで今年が終わるんじゃないかという嫌な予感が湧いてきたので、
後編に一括したのでアリマス。
書く内容が減るとかそういうことはない…というか、
むしろ下手に増えていつまでも本編が始まらないというのを
避けるための措置でアリマス。
うむう。
あと、どーでもいいですが、
「真マジンガー」はどーなるんでしょうかねアレ。
今川監督らしいと言えばらしいわけなんですが、
それにしたって次の展開が五里霧中でアレをやられると、困惑するばかりで砂。
グレート編は果たして何時になるのやら。
それでは次回もよろしゅうでアリマス。
ではではー。 - 669 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 01:43:22.01 ID:r0hD0LAo
- 乙でした。
石舟斉をはるか高みに見てる感じが本当意外。
……マジンガーは、売れ行きの問題で次ないんじゃないかとか実況で言われてますた。
正直、
驚愕! 科学者を野放しにするな編 もしくは、
驚愕! ヒロインから主役からラスボスまでこなすあしゅら編
だったので続きどーでもよかです。
最近の今川は、自分の芸風焼き直しすぎてクドくて……
漫画板GRとかもうネタにする気力もわかない。 - 670 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 01:45:01.42 ID:kEC2WQYo
- 乙乙!
真マジンガーはあしゅら男爵でそれなりに満足したわwwww
1話が最終回だったしなぁwwwwww - 672 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 02:40:51.67 ID:GZA5jSM0
- 乙でした!
ここまで徹底的に「無刀取りなんて進んでやるもんじゃねぇ」と書いてあるとはwwwwww
宗矩は「無刀取りやってみろよ、無刀取り!」といろんな人から言われたんでしょうねww
無刀取り……広い意味で言うと奪刀法ですが、いろいろなパターンがあります。
(無刀取り=武器を持たない奪刀法)
入り身などで相手の太刀をかわし(または打たせず)、相手の柄を取るのは共通しています。
最初は白羽取りみたいなことをするのかと思ってましたwwwwww - 673 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 10:15:57.38 ID:bJRlsX.o
- >>672
結構講談だと白刃取りで言われるもんね>>ム頭取 - 675 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 10:27:15.43 ID:N63SagUo
- というか、白刃取りできる腕前があれば、もっと気の利いた攻撃なり守備なりできそうだしな
- 674 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 10:26:42.57 ID:fFDvAZw0
- 乙。無刀取りの話はイッパツ系芸人みたいで泣ける
ああ、小島よしお
ああ、レイザーラモンHG - 676 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 12:26:41.04 ID:mgaovZso
- 現代の達人が
相手が銃を持って襲ってきたらどうしますか?という質問に対して
そんなの逃げるに決まってるじゃないですか、としれっと答えたって話があったな - 677 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 18:17:31.98 ID:L4cHRnwo
- やっぱり、孫子の影響も感じるね
勝ち残る、と言うより生き残ると言う感じ - 678 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 18:21:56.08 ID:lY3LCdAo
- 孫子は諜報を重んじたから、それが裏柳生につながったのかなあ。(そんな人たちはいません)
- 679 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 19:17:47.67 ID:2X1TIEoo
- 参考出品。中国武術の無刀捕り「空手奪刀」
- 682 :吉良邸作者 ◆jSbj2zyy3Q2009/09/28(月) 21:09:35.16 ID:ym/E87k0
- 多分、一回か二回しか使わないでしょうけど、こちらの家光AA配役
\::.\ \ :::::::: |
〉::::::> _,.ィ ヽ \:::::j/}
/.::/ /___ / 」 }\ __ } ̄⌒::::::::,′
-‐,ァ'′_〃 `=‐、 `< | //,.x-<´ 厂 ::::::::: / オレは生まれながらの将軍!
/-ァ'":/ ,ィ" ̄テ=x\ リ 〃,x=テ ̄マ、 /::::::::::::: /‐ァ 謀反を起こす奴には、
|::::7 x个{ {:{・}:} // {:{・}:} レイ.:::::::::::::: / レッド・レッド・メテオバースト!!
|::::| ,イ¨ヘ 、 ゞ=彡/ , ミ=彡_, }ハト、 <
|/l|/ィ{ ィハ  ̄ _.. --─‐、 ハ ィ }:::::..\
/人ヽ八 /-‐──‐-ヘ 八 ノ人| ̄⌒
\_ヘ {/  ̄ ̄ `ヽ} /__/::\
\ ゝ ノ /:::\  ̄⌒
,.ィ今x、 ` ー---‐彡ィ今x ̄ ̄
〈: : : : : : 〕 >-< { : : : : 〉
_. -‐\: : : :/ ヽ: /‐- .._
秀忠AA配役
, -- 、
l : : : : ヽ
l: : : : : : l
ヽ: : : : : l
,.'―v‐ 、| / ̄ \
ゝ (__)く'‐-.'´: :{ : : : : ヽ
/ゝ_人_ノ: : : : : :ヽ: : : : :}
. /: : : :____: : : : : : :ゝ-- ′
l: : /-、 `丶、: : : :',
、: { {::::ノ , -,ヽ: :|
`ヽ`´ _、o {::::j }: /
>.ノ ゝ`ヽ `´_ノ'´
{ ´ .イ へ「
|  ̄ ゝ- イ
l l
,.ゝ h ヽ
ゝ___ノゝ__ノ
土ヽ j百 丁 ! 、(⌒'⌒)
{_ノ )/.小 貝 し } \/
※管理人注:吉良邸=「やる夫が吉良邸に討ち入りするようです(泳ぐやる夫シアターさんまとめ)」 - 683 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 21:28:11.26 ID:Qy96lyEo
- ゲェー!サンリオの白い悪魔!
- 684 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/28(月) 21:49:10.04 ID:2rTgltso
- リュウセイさんwwwwwwwwww
- 685 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:44:43.92 ID:ofvxu4E0
- どもども。
お疲れ様でアリマス。
やはり無刀取り関連は受けが良かったようで重畳ー。
当方も最初にこの下りを見た時は、「えー」とか思いつつも、
そのミもフタも無さっぷりに大いに面白がったものでアリマス。
つか、例の刀取るのをDISりまくるアレですが、
門弟の中から、
「但馬守様がすなる無刀取りといふものを、我もしてみむとてするなり」
とか言って、オリジナル無刀取り(ぼくの考えた無刀取り)をやってみた挙句、
斬死体と化すおバカが続出したので「お前ら無刀取りすんなー!!」という具合に
ブチ切れた怒りの発露だったりしたら面白愉快なのになあ、とかつらつら妄想ったり。
まーンなわきゃないのですが。
>>679
おおぅ、これは。
こっちも相手の懐に入って、あと抑える時は相手の手や柄が殆どですね。
いや、いい物を見せて頂きました。
ありがとうございます。
>>吉良邸作者さん
お疲れ様です。
おお…なんというジャリ漫魂というか、フリーダムスピリッツ溢れる家光…!
そしてもしかすると、やる夫スレの秀忠の中で最強というか最凶やもしれぬ秀忠!
ちなみにちょっとだけ柳生と赤穂浪士の吉良邸討ち入りがつながるまめ知識。
「宗矩の末子・義仙列堂(六丸)の入寂は、討ち入りの年・元禄十五年」 - 686 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:46:56.72 ID:ofvxu4E0
- あと、絶望先生ネタでもういっこ思いついたので、さっくりと。
`ー―‐r:┬┬:ァ 1 .l:::::::::::::::::::::::::::::
/:::::', .l:/‐ナ |:l:::::l::::::::ト::::::::::
別の人生も ∠::/fYv イjフ .lハ:::ハ:::::|__V::::::
あったと思うんですよ。 /ノ升.|=====l:7 Tl:::「 ∧::::
< し .リ .lハ::| ).ハ::l
> リ 八l
ヽ _ 厂 リ
l ` /
} ,.. / 斗
`ー 壬_レ七´
. ,. -<> 、 (二{
/--<. \ ヽ ヽ
/ /⌒ヽ\__ト1 )
.し' ⌒ヽ ヽ l (二{
/ r― 、 ヽ_} l /
.Τ } l /
| / / /
ノ { h /
/ >、 ノ }ヽ /
/ / l__/ / \. / - 687 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:48:51.94 ID:ofvxu4E0
- _,__,__.、r彡三三ヾi
,イ三三ミi.{二!j三三三ミl |
l l三三ア三li三三ミぇミj l
l ミZアイ三三l、三三三t,ノ、
ヽ,Y三三ア´ `゙ヾミ三ミiハ …ああ、凄いですよね。
lミl .三ア >、三lミハ .二百石の新参小身から幕府初代惣目付に。
|ミl ミ,'ー-、 / ,.-r、リ-ミ|i. しかも将軍家剣術指南役。
|ミツヾl`fオュ、 イ三j, l,.イ ,lli
|ミl、ヾ':, ゞ.サ `¨ ./ー彡'|l
.|ミミ゙ー:へ、 ,.イ三三ミli
.|ミ三三三ミォェ,,二イミ三三三ミli
|ミ三三三三ミム ヾミ三チミ三ミi
lミリ三/ ./´ ,. ,'三ミ/´ `ヾ、
,..::::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::...、 _
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ \
/::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
/::::::::::/|::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::/ 思 .だ ヽ
i::::|:::::/ |:::::::::::::l:::::l::::::::::::::::::|. う か ト、
i:::::l:::∧ヽ|::::::::::::ハ::::|l::::::::::::::::| .ん .ら l:::::\
l::r |::L{メi l|::::::::::l__l:::l_l::::::::::::::::! で /::::_::」
l:::メV`ヽ.八::::::::l _V__l:::::::::::::::ヽ す /::::::|
l::,' `ァ´ハ ヽ::::!'^ たj::::::::::::::::::::\__/::ト、:: ::|
l::! i´ `\ヽ|ヽ `¨l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|ヽ! \|
l:ハ _ `ー'′ |::|、:::::::::::::::::::::::::::::::l
l′! \> V,ム:::::::::::::::::l、:::::::l
! __,. - ´>―へ:::::::::::| \:::!
 ̄ | |:::、:::::|\::::::! `
| l:::| \|_ \!
| ,..-‐ ´ ̄# | - 688 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:49:47.78 ID:ofvxu4E0
- /:: :: :: :: :: ::|_ヽ:: |ヽ:: :: :::|、:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :::lヽ:ヽ \
|:: :: :: :: :: :::|, - ミヽト ヽ:: :: | ゝ:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: | ヾ \
|:: :: :: :: :: :::|´r .ヽヽ、 ヽ:: :l rヽ:: :: :: ::/、:: :: :: :: :::| /
|:: :: :: :: :: :::| ゝ- ' ヽ=ヾ:|l ヽ:: :: :/ ヽ:: :: :: :: :l /
ヽ:: :: :::/ヽ::| __ 丿 ヽ _ ヽ:: / 丿l丶:: :: :::l / もしかしたら
l:: :::/ lヾ , 、 ヽ/ l ヽ :: l / 政治の才能があったが故に!
|:: /l 、 l ____ / /:| ヽl /
|:/ l:: ::`l ト――― | /- ':: :: l / 剣豪としての輝かしい人生を
|:: ::ハ\. l_____.l /::l\:: :: | \ 棒に振ってしまったのではないかと!
|://:: :::> 、 ー イ\:: l \:| \
/: / lヽ _ イ l ヾ__ /
// l .l / ̄ | /
/ l _ / l /
/ イ- ‐ ´/ |  ̄ ̄/
/ l | ○ / ti /
/ l__l___/ / \ / - 689 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:50:38.59 ID:ofvxu4E0
- __
,. ィ ''" ̄;;;;;;;;;;;;¨`ヽ、
. ,.ィ'';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、
,イ;;;;;y、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`、
/;;;;;;;/ `、;;;;;;;;;;t、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
. l;;;;;;;f >へ;;;;\、;;;;;;i;;;;;;;;;;;;;;;;;;、 今でも十分成功しているじゃないですか。
{;;;;;;;ト=、. .r''´,ィ-≧、=ヾ;;;};;;_;;;;;;;;;;;;;;、
. ';;;;i;;'vt-、 "{::::::::}`! `tj ,-、`i;;;;;;;;゙,
ヽ;|、;} {::」 `ー' j__ノ,.';;;;;;;;;;゙、
` `.i ~´ (__.ノ;;;;;;;;;;;;;;;;、
`.、 ヽ_,,. --、 ,. ' {;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
. i≧、. ',,. ' l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i
l;;;;;;;;`~;;;;;;l !ェ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i
,,..-―‐-、 |;;;;;;;;;;;;;;;;リ `フ::`..、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,i
<: : : : : : : : : `..、l;;;;;;;;;;;;/:| _,,y'''''" ̄‐ヾ_;;;;;;;;;;;;,i
`、 : : : : : : : : : :`..、./==ヲニ、y''''''" ̄~フ" ~>、;;;;;|i
\
ノ
<. 剣一筋だったら
| もっと大成していたかもしれないじゃないですか!!
,,,イ
/::::/
/::::::::/______ __
/:::::::::::::::::::::::7__|::::::::::::|/:::::::::
i:::/ヽ::::::/ヽ::|7;l !:::::::::::::::::::::::::
|::i r'=/ |:|シ ',::::::::::::::::::::::::::
_|_レ' i ノ:| ',::::::::::::::::::::::::
ヽ. 、 `-イ:::| ヽ.:::::::::ハ::::::
) ヽ:| ヽ:::/ i:::::
7ー-、 ` |:| |:::::
`7::::::l i:l !::: - 690 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:51:31.21 ID:ofvxu4E0
- /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、 \ \、_ハノ
/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.\ \).',
.′.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽrー-ヽ./ 家さえ背負わずに済んだなら我々は、
:.:.:.:.:.:.:.:∧.:.:ト,:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\`ヽ 正しく「天下無双の剣豪・柳生宗矩」を
{:.:.:.:.:.:.:.{≧x:kヘ.:.:.:!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_;_;ヽ,) 見る事もできたかもしれないと!
':.:.:,ィ.:.:.込尤!i}∧.:ト,:.:.:.:.厶:.:.:.:.:.:.ヽ /-、
∨^Ⅵトー― ' ハ!ヘ.:.:/i!i∧:.:.:.卜} .,ソ/ヘ '"
ヽ,ム` ' ' ∨ ムノヽ:.:.! / //7/ヘ /l ト、 |\
}.:∧、 r===ぇ /.:.:| ∨ / V | l ヽ|
j/小.:ヽ、{こ二'」 ,/.:ij.:i
|.:.:.j:} ` - ' {、.:.仆{
j/"| | ヽ{
/⌒'┤ ├'⌒ヽ (^ヽ {^ヽ
,ィヘ /^), -―, / {f¨ ̄「 ̄¨^/ '. rヘ '. '. '. '. Y^}
. / /{ .イ丨 r'" / ;ーr宀ー‐/ '. '. '. / ,// 厶/ {
f^} { { ヘ '._」 { -一¬ヘ '. . ′ / '¬=ー- '. ー' ¨ ´ _」
} L≧ ∨ `ー-、 /´ .′'. '. / . ′ '. `ヽ 〉 /´}
ヽ.___ { .′ / '. '. , ′ . ′ '. '. / 厶 '
`¨¨ ¬-, } , ′ '. / / '. '. { /
r==ム,___j__ ! / '. ′ / '. '. ム,___j___
| ○ }丨 ' './ .′ '. '. { ○ |
└ァー、 __.ィ^ヽ! j / / i '. ,j _rー┘ - 691 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:52:46.32 ID:ofvxu4E0
- ___
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. / :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::ハ
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. l::::::::_:::::::::/::::::::::::::::斗‐ ´ |:::::::|
. |:::::/ 、`i:::ム一 ´ \ __|::::::| 「天は二物を与えない」と言いますが、
|:::::| ( `Yレ′ ,>r=-、 ` / |:::::| 実際にはニ物も三物も与えてますものね。
. |::::::ヽヽ、j ` l′ /! ,ィ斤||::ノ
. |::::::::::ゝ-ト、 ゙ー' ' l_〃|レ′
|::::::::::::::::::| ヽ /:::ハ
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` 、: ̄:::::‐-:........._
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./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.´ ̄  ̄ >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;::::::::::l
./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/l:::::::::::! 天が二物を与えないのではなくて、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ィ:::::::::::/´!:::::::::;' 世間がニ物を与えないのです!
 ̄ ̄.フ::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヘl:::::::::/,___l::::::::;'
/:::::::::::::::::::::::::;ィ::::∠,,,ィ::::::ム' ̄レ',)/
 ̄ ̄7:::::::::<´ /イ´(_/:::/ ̄ヽ'¨7::/
ム'イ1::::::`Tヽ // __ ´ ィ::/
l:::/.\', \ ' ∠ィ./ル'、
レ′ /〉 > _ イ/.王'、 _ _
/.,' .', ./ ヽ-、 -‐' ´
,'+l ∧ / o ./ 王 o
// レ' ', / ゚.o..゚/l ゚.o.゚ - 692 :1[saga]:2009/09/29(火) 01:53:39.59 ID:ofvxu4E0
- ノ
ヽ 日本人はその道一筋というのが好きなのです!
ヽ 突出した二つ目の才能は認めないのです!!
/
l::::::::::::::::::|_!::lヽ:::::::::ハ::::::::::::::::::::::::::::::::i、::! ノ 幺ク 亡 月 | ┼‐ .|] |]
!:::::::::::::::::l-‐ェ!;ト ヽ:::::l ´!:::::::::::::::::::::::::::::l ` ヽ. 小巴 三l三. ヽ_ノ / こ o o
l:::::::::::::::::「(;;;)ヽ、__、::レ'´l:::::::::/l、:::::::::::::l /
!:::::::::/l:::l__,,,rタ"゙、;!)、__!::::/ノ 〉、::::::::l \ 久々に「影武者」を読み返したら
l::::/ lヽ! _ _ l;/´ ! >、::l / 泣けてくるくらいの宗矩のやられ役っぷりに絶望した!!
ノノlヽ、_! r――‐┐ /_ノ:::| /
l::::::>、 レ,二二ェ! /i:::::::::::l  ̄ ̄|_ /ヽ、 /\ /\ /
l:::/ /::ヽ、 `ー-―-' ,ィ'::::!\:::::l (ヽ、//\/ \/ \/ \/
レ' ム-''´lヽ、 _,,./! ゙ヾ!__ヽ! ヽ´ヽ、ヽ
!  ̄ レ;'´ | (,ゝ、 \ ヽ l、
/| _,,.-/´ ;; .,,,-! ヽ、 ヽ、 | | ! l
/ 斤'"〇 /´ ,;;:''" _,l_ ヽ ヽ/ l | l
/; l、」_,,/ '' ゙;;/ ヽ、 〉 `ヽ l/
/!,r''´!/ / ';,/"゙''':;,,,,;;'' \ / ,!
/ l ,;; |l /`'';, ,, / ,;;''"゙'' l / 【「持つ男」 おわり】 - 693 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/29(火) 01:57:18.45 ID:qHkyx6wo
- 乙
斬殺者って漫画の宗矩は頭も切れて
政治謀略を張り巡らせ
剣の腕も一流というトンデモ性能だったなぁww
あと新当流に比べたら大成功してるからいいじゃないか
朴伝爺以外早死にしすぎだろww - 694 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/09/29(火) 02:00:59.11 ID:PMAO4F6o
- あまりボロのでない役だと、片恋さぶろうとかww
- 695 :1[saga]:2009/09/29(火) 02:03:12.07 ID:ofvxu4E0
- てなとこで、思いついたのでやってみた次第。
いや、絶望先生は愉快で砂。
存在は前から知ってたのですけど、宇喜多スレ読んでるうちに気になってきたので、
コミックスで読んでみたら面白いじゃないですか。
というわけで、ひとまず単行本は全部買い揃えて読み切ったり。
なんか奇面組を思い出すものがありま砂。
ギャグのテイストは全然違いますけど。
ちなみに宗矩の場合、剣一本だとどうなったか想像つかないで砂。
なんだか微妙な感じに終わってしまうかもしれませんし、
逆に、割と何とかしてしまう可能性もありそうですし。
ただまあ、剣と政治の両方を同時並行にやってしまうところが
他に無い宗矩の個性でもあるので、やっぱどっちかだけとかは難しいで砂。
ふむう。
※管理人注:「やる夫が「奸悪無限の武将」宇喜多直家に仕えるようです(構わん続けろさんまとめ)」
続きはこちら
「剣豪として名をはせたかったむねりん」ってそれまんま「魔界転生」じゃないッスか!ww
返信削除>無刀取り
返信削除こう言っちゃ何だけど、結局は
「自分が無手で、刀構えてる相手とどうしてもやり合わにゃいかんときの技」
であって、
そもそもそんな状態にならないようにすることが肝要って話なんだよなあ。