- 30 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:02:23 ID:GIsVuTRs
- _, -―  ̄ ̄ ̄ ̄`ー-、
> /{ ヽ、 \ やっと再開だよ、ゆの!
/イ/ / j{/{∧ ヽ l\ ヽ V^ヽヽ 今度は私も出番があるな!
. {/7 {/ lll \{\| lllヽハ| lい
{/Y ||| ||| } } } __ -――――- _
〃7 ////r───‐‐、/// /∧/ _>'´: : : : : : : : : : : : : : : : :丶、 長かったですねぇ~。
{!八 │ ∨ーァ∠.ノ フ: : :/: /メ、: : }: : }メ、u: :\ \
 ̄厂,不v不厂厂入< ∠/イ /レ' lll \|\| lll\: :}ヽ〉 : \
{fノ{_>介<{ fノヘ リ ノ 7∨ ||| ||| ∨\/: : : \
/7< ハ > /∨ / : { /// r───、///: : :/\ :\: ヽ
./ { {・ ̄ ̄・∨ ヘ  ̄Z:人_ | |∠厶: : ,: : : : : l:厂
∧ 〉}・ ・ヘ 人 }/∨マ¬ァr‐zーァ弋 / :/レ/Vヽ{
〈 `ー| | 弋¨ _〉 `´/{_>介く__/ 入´ヽ/
(^>〈_j______Zこ_) ∧<ハ_ >Y ヘ
`´ / }! {! \ ノ | {・ ̄ ・ \ \
- 31 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:03:56 ID:GIsVuTRs
- 寛永十一年(1634)閏七月、三代将軍家光は、
「御世替えの御上洛」として、30万を越える史上最大規模の上洛を果たした後も、
しばらく京に滞在していた。
_,..-──- 、、
,、-'"´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:``ヽ、
,r'´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、
/::::,r'゙ァー-ー'ア"リijk´ ̄``""´``i::::::::i
,!::::::! ,!トゝ、 u l:::::::|
|::::::! ,!ヾ、,,_ ゙i:::::!
|::,::l ,ィニニニ二r'´ ゞ二ニニニゝ、 ,!:::j
,rゝ;l. ´ ,ィ=≡'´レ '`ヾ==-、 .! !^i うう…忙しいぜ…。
.i r、i;i ' ´:; ` ` リイ^!
| ソii j l!ヽ l
i ,!( ,! `ゝt''´ | j!,!
`、. `i _,,_ __ ,!レ'/
\! ィ-‐ーー-ゝ ,!,イ
i、 ー一 / i/
|`、 / 'i
| \ ; ,イ |
| \ ___,__, ィ´/ |
_,! / l、_
,,、-‐ ''"´ i ; ! !  ̄``''ー- 、
l ; ,' ,' ! ;
三代将軍:徳川家光
悪化していた幕府と朝廷の関係修繕や、
京をはじめとした畿内の民衆に施しを行い、自らの勢威を知らしめるなど、
幕府の頂点に立つものとして、京でやらなければならないことが多々あったからである。
- 32 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:06:09 ID:GIsVuTRs
- ,ゝ:;:l´ i::::::::::::::::::::::::::::::::::i
'´ /l ( ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::l
! | ヽー‐-‐ `i:::::::;;::::::::::::::::::l 単なる物見遊山ならよかったんだけどねえ。
:: ;;; ,, l .u !:/´`ヽ:::::::::::::| 見てよホラ、この仕事の山…。
:::;;;;ヽ l ミ=-‐' ,' l::::::::::::/
ヾ::::::) l i ー-‐'ヾ:::::::く 年寄りには堪えるよ。
ノ;::ノ 「 ' 〉;;;,-‐L
ヾ::) ヽ-┬┬ ' > ./く \
゙・━ ゝ┴┴ ' ,/ ヽ、
ヽ__,,,..-‐ '´ / | ヽ-‐ '´
年寄:土井大炊頭利勝
.(どい おおいのかみ としかつ)
__,..__
_,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
/./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
/.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
. /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
|ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
. ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::! とはいえ、ここでの仕事を終わらせれば、
`!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1 ようやく大御所様が亡くなられて以来の
l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::! ゴタゴタにも、一区切りつきます。
. l;;;l;l" , ` |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::!
|;;;;l;{ / !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1 ここが踏ん張りどころですよ、大炊殿。
|;;;il人 `ヽ ノ;;;ill:l l |;;;;l.l;;l:::|
'" ̄¨ゝ マ三> ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::|
. ヽ " ,.ィ / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
` -< / ,/ミミゝ;:!,.
_,=≡/ 人 /´ /ムホfヲ苑盆z、
_,xl盆fホ/ /` /∧ /  ̄`ヽホミz、_
,xタ壬シ'¨く_ ヽ.//タ ゝv´ / f ´ }
年寄:酒井讃岐守忠勝
(さかい さぬきのかみ ただかつ)
そして、この上洛中は、土井利勝、酒井忠勝などの重鎮をはじめ、
主だった幕閣の大半、そして、諸大名たちも全て京に集まっていた。
普段、江戸にある幕府の政治機能が、一時的に京に移ってきたようなものである。
(現代に例えれば、総理・閣僚・衆参両議員・都道府県知事・地方議員・霞ヶ関官僚の大半が移動したようなもの)
その結果、上洛中とはいえ…いや、むしろ、上洛中だからこそ、
幕閣や諸大名たちの動きは、活発になっていたのであった。
- 33 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:09:20 ID:GIsVuTRs
- そして、宗矩もまた、幕府惣目付として、
京に於いても自らの勤めを果たしていたのである。
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (●)(●) /;;/
. | (__人__) l;;,´ …して、福間殿。
| `∩_ノ)━・' 本日は何用であるのかな?
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
|\ /_| |
| \ / _/
,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l は…実は、我が主、長門守様(毛利秀就)が
l 〈 、 ィ^ |:::::::::| すぐにでも御相談したいということで、
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i 但馬守様の御意を得たく…。
/ ( | i ェァ イソ u |ヾ/|`ヽ.
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、
,ィ´`ヾ ∧ {7‐‐‐‐‐ ヽ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ヾ、ュュュ ノノ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l
∧ l ヘ l` .l|ヾ=─- ィ二`ヽ ∧ lヽ 、 l
毛利家家臣:福間彦右衛門尉就辰
(ふくま ひこえもんのじょう なりたつ)
- 34 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:11:22 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(●)(●) .| 長門守様が?
. | (__人__) | それは無論、構わぬが、
| `⌒´ | ) ;;;;) 随分と急な話じゃの。
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/ …訳を聞かせてもらえるか?
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ はっ…!
.r=丶 (・) _ (・) u lゝ、 委細は長門守様よりお話されると思われますが、
|/' / '― l r.〉 この度の朱印状改に関して、毛利家の一大事とも言うべき
゙‐| i====、 ,ムノ 事態が発生しており、是非、但馬守様にもお力添えを頂きたく…!
._r''''\. 'ー=' ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|
- 35 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:13:35 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(●) /;;/ 朱印状改で毛利家に一大事とな…?
. | (__人__) l;;,´
| `∩_ノ)━・' …わかった。
. | |_ノ ひとまず、今日はもう遅い。
/ヽ | |_ 今からでは長門守様も御準備が間に合わぬであろうし、
| \_/ ノ ヽ 明日の朝で対応させて頂こう。
\ /_| |
| \ / _/
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ ありがたきお言葉…!
.r=丶 ⌒ _ ⌒ lゝ、 では、早速明日の朝に伺う様、
|/' / '― l r.〉 申し伝えます。
゙‐| i====、 ,ムノ
._r''''\. 'ー=' ,/ `--、 では、拙者はこれにて…。
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|
- 36 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:16:02 ID:GIsVuTRs
- < …ガラガラ…ピシャ
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ …この御朱印改で一大事、か。
| `∩_ノ)━・' 一体何が起こっておるのやら…。
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) まあ、明日の朝、長門守様に会うてからじゃの。
. | (__人__) …まったく、せっかくの京じゃと言うに、落ち着かぬことじゃのう。
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ
.l^l^ln } `‐= )
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;)
ゝ ノ ノ .) ;;;;)
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
- 37 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:19:30 ID:GIsVuTRs
- そして翌日…
//|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:lハ
//l|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
//:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
///|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:∨
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|/|:|:|/|:|:|:|:l/Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|∧:| |:l/ |:|:|:/ Ⅵ:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:/|:|:l/_\|/ .|:|/ Ⅵ|:|:|:|:|:|
ノリ:l:|:|:|:|:|:|/ |:|/ ,-、ヽl\_, |/ ノ|:|:|:|:|:|
> イ⌒|:|:|:| l/ じ! ノ〉 乂 ー ,ニ二、 |:|:|:|:|:| 但馬守殿。
 ̄ノ八ヽ∨|:| │ ` .′ l iJ 〉,l:|:|:|:リ| この度は急な話で申し訳ない。
 ̄\\ V:| il| ` ー ´ //|:|/
\\」 , 」 / l/l/
/ ヽ ', / l/
/ Vl ──` イ l'
l l 、 /〃 l'
l│ \ /´ // /
| |、 ヽ丶-イ / // /
| | ヽヽ /`二 ´ </ /
萩藩(長州藩)藩主:毛利長門守秀就
(もうり ながとのかみ ひでなり)
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) いえいえ。
. | (__人__) 長門守様とは懇意にさせて頂いております故、
| `⌒´ノ このくらいは…して、この度、何が起こったのですかな?
. | }
. ヽ }
ヽ ノ mm
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
- 38 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:22:04 ID:GIsVuTRs
- | l | │ / 〃/ ││ |
| | | │/__/ /〃ヽ__/∨| |
| | | レ__,、 -/ ,、__ 〉l |
イ/| │/⌒ ̄/ / ヽ  ̄⌒ /八 | 実は…我が萩藩の支藩主であるところの甲斐守(毛利秀元)、
个l / ∧ // 」| それに…我が弟、日向(毛利就隆)までもが、
┼∨ ` 」 / /|| この度の御朱印改を機に、独立した藩になろうとしているのです!
┼ ト 丶〃 /ヽ|
┼ ∧ / __ _ 〃//|
┼┤l\ 〈二>-=≦-ヽ /////|
┼┤| \ ヽ  ̄, <///イ┤
/个\ ヽ 〃l //////イ‐┤
/‐┼卜\ >─ < //////イ┼┤
┼┼┼卜\ ∨//イ‐┼┤
┼┼/┼卜\___//イ‐\┼┤
┼/┼┼┼卜───イ┼┼┼\┤
/ ̄ ̄\ て
/ u \\ そ
| .u ( ○) |
. | (__人_) なんと…!
| ` ⌒ノ そのようなことが!?
| }
ヽ u }
ヽ ノ
ノ \
/´ ヽ
- 39 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:25:17 ID:GIsVuTRs
- /:l:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:l:\
/ :l:|:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l: \
:l:|:|:|:|:|:l: : : :l : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l:|:|:|:l:∧
:l:|:|:|:|:|': : : ;l:l : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:∧:|:|:|:|:l:|
:l:|:|:|:|:l : : ;l:|:|:l : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:l/‐-Ⅵ:|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: : ;l:|:|:|:|:l : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:/ , f「 Ⅵ|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: :;l:|:|:|:|:|:|:l : :l:|:|:|:|:|:|:|:/ │|| l:∧|:| ご存知の通り、
:l:|:|:|:|:| ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l :|:|:|:l:|:|:|:|′ ヽ′ ノ│|:l 私と甲斐守は不仲であり、
:l:|:|:|:|:|;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l::|: 〃Ⅵ:|:| V そのために、甲斐守は日向をそそのかして、
ヾl|:|:|:|:|:|:|:|:l( 〈⌒∨ Ⅵ u. ,. 冫 このような挙に出たのでしょう。
Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:l\_ /
≦l:|:|:|:|:|:l:∧ ∧/∧ __ ノ 私は、毛利本家の当主として、
 ̄ // ̄ | ′ 丶 ´ / このようなことを認めるわけにはいかぬのです!
ノ \ / .そのためにも、何卒但馬守殿にもお力添えを願いたく…!
/ │ > 、_ノ
| ̄\ │ /
/> 、 \___〈
∠二  ̄ヽ ___ |
/ ̄ 〃 ̄ ̄\  ̄\
// \ \
- 40 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:27:21 ID:GIsVuTRs
- //|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:lハ \ \ゝ
//l|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ \)
//:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ /.
///|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:/
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|/|:|:|/|:|:|:|:l/Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:|く 分 毛 毛
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|∧:| |:l/ |:|:|:/ Ⅵ:|:|:|:|:|:|:l け 利 利
|l:l:|:|:|:|:|:|:/|:|:l/_\|/u |:|/ Ⅵ|:|:|:|:|:| .ち 家 家
ノリ:l:|:|:|:|:|:|/ |:|/ ,-、ヽl\_, |/ ノ|:|:|:|:|:| ゃ の の
> イ⌒|:|:|:| l/ じ! ノ〉 乂 ー ,ニ二、 |:|:|:|:|:| 駄 所 :
 ̄ノ八ヽ∨|:| │ ` 彡′ l iJ 〉,l:|:|:|:リ| 目 領
 ̄\\ V:| J il| ` ー彡//|:|/ | な は
\\」 , 」 / l/l/ | ん
/ ヽ ', u / l/ | だ
/ Vl ∠二ニハ 〉 イ l' |
l l 、 イ厂⌒∨l /〃 l' | !!
l│ \ ハ |ノ / // / __,).
| |、 ヽ丶-イ / // / `ヽ.
| | ヽヽ /`二 ´ </ / ノ
| | ∨ / /´ // く..
/ / |/ / / ゝ
/ ̄ ̄\
/ _ノi||i\ \
| (●) (●) | 長門守様。
. | (__人__) | 少し落ち着いてくだされ。
| u `⌒´ |
. | } (…なるほど。
. ヽ } これは確かに毛利家の一大事じゃな…)
ヽ ノ
/ }
.n:n nn
nf||| | | |^!n
f|.| | ∩ ∩|..| |.|
|: :: ! } {! ::: :|
ヽ ,イ ヽ :イ
- 41 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:29:24 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ 長門守様。
| `⌒´ | ひとまず、お話はわかりました。
. | |
. ヽ / しかし、今のお話だけでは、
ヽ / それがしとしても、判断が十分でき申しませぬ。
> < 故に、これまでのことを仔細に窺いたいのですが…。
| |
| |
/:l:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:l:\
/ :l:|:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l: \
:l:|:|:|:|:|:l: : : :l : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l:|:|:|:l:∧
:l:|:|:|:|:|': : : ;l:l : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:∧:|:|:|:|:l:|
:l:|:|:|:|:l : : ;l:|:|:l : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:l/‐-Ⅵ:|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: : ;l:|:|:|:|:l : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:/ , f「 Ⅵ|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: :;l:|:|:|:|:|:|:l : :l:|:|:|:|:|:|:|:/ │|| l:∧|:|
:l:|:|:|:|:| ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l :|:|:|:l:|:|:|:|′ ヽ′ ノ│|:l …仰る通りです。
:l:|:|:|:|:|;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l::|: 〃Ⅵ:|:| V すぐにでも我が家の家老を参らせ、
ヾl|:|:|:|:|:|:|:|:l( 〈⌒∨ Ⅵ ,. 冫 この度の仔細を説明させます。
Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:l\_ /
≦l:|:|:|:|:|:l:∧ ∧/∧ __ ノ では、但馬守殿、何卒…。
 ̄ // ̄ | ′ 丶 ´ /
ノ \ /
/ │ > 、_ノ
| ̄\ │ /
/> 、 \___〈
∠二  ̄ヽ ___ |
/ ̄ 〃 ̄ ̄\  ̄\
// \ \
- 42 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:31:41 ID:GIsVuTRs
- そして、その日のうちに毛利家の家老二人が呼び出され、
彼らから、宗矩はこの度の一件について、事情を聞き出したのであった。
/{
{\__(ヽ〈:::::^ー'\ハ
〈`ー'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\{\
/:::::::::::::::::::∠::/乙:'7:::ハ::::::::::(_
∠::::::::;ィ厂ヽ:/ /∨ ヽハ::::<
. /:::::{八 / )::::::ヽ
厶:::::::ノ 〈 ∠::::::::::八
∠:::Y _ } j::::::::::、:::〉
. ノ:::;ゝ ⌒≧=ミ、:j {ヽ'´_斗=‐- 'イ:::::::::ハ{ 毛利家家老、益田参りましてございます。
フ:ル={{ 《_,(::)_ハY_<ヘ乏ニニ-、 、 /::::::::::::> 早速ながら、この度の件につきましてご説明を…。
/下Y ヽ. ...二´.イ ∧ ヘ.(::)_》 }}、 `7:::::::::;ゝ
. { 小}::ヽ  ̄ ̄ / { ^ー=== 彳 ∨:::: ∧{ ことは今月十一日早朝のことで…。
Ⅵ j/` 〃_r-ヘ 〉:-〈
. ヽ ハ. ) -’ //刃}
-}. x-='' 〕 =-、 ∨>Ⅳ
j`、 /∠三ニ=ヽ ㍉ 彡イ/
| ハ.  ̄` z ¬ニゝ ///´
-|: '. < //イ
/⌒\/ ノ| ∧ \ 〃 |
'´ >‐く ゝ _____> / |
/ ∧ \  ̄´ │
毛利家家老:益田元尭
(ますだ もとたか)
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( -)(-) (自分で呼び出したとはいえ…話が長くなりそうじゃのう)
. |. u. (__人__)
| `⌒´ノ
.l^l^ln }
. ヽ L } );;;;;;)
ゝ ノ ノ .) ;;;;)
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
- 43 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:34:27 ID:GIsVuTRs
- .... / _ - i ヽ `ヽ`ヽ、
/ l / i / .l! l ! \``ー
/ / l' l l i/l 小 ! l! ヽ ヽ
ねえ、ゆのっち。 // /! l斗千T/Tヽl ! ヽ li l! l l .ヽヽ
今回、この長門守って人は ... /' /,l 小 ∨l士ミlヽl`! 斗十ト l | l ヽ ヽ
何をそんなに慌ててたのかな? . / /イ/,イ l 〉斥j心 ヽl ,l斗、l !/! liヽ i
〈f l//rミi. ヽ《l::::::::::リ /::リ l! /イ! ,小!ヽ!
\ヽヘヒ〉ヽ `ー‐′ じ' /ィ//l // l. l! ,ヘ
`ヽ\ヽ\ \ ,r- .., ′ 升〈 イl ! ′ '' __ / /
. l小`\ヽ..ヽヽ{_ _./, </ l!i | ! ヽ ヽ / /_ 、
/ 从\ーヽ\`_, ィチヽヽヽ / l / l! l k′` /.,!
// r-ヽ、 ` `ヽl ̄二\. \. ツ / i ヽ ,(/イ
/. //〉__\丶、丶\ヽ ` 、ヽ\\ ', ! 'ィr'
/ `ヽ
/ `ー=‐
/ / / i ',
/ | /| /| | ト、i i i i
/ | /‐|─/ | i|l__| | | |
// 〈∨/ i |/|/..__|/ ,ノ | jノ `メ| i ! (今度は私が解説する方か…。
. // 〉〈 八| |/7d「` ノ ァdく | ,' j! キンチョーするなあ…)
/イ /∧V |!トイ i| | i| V|c/| ノ
| 〈/ 〉、 ト、ヒ_,リ | _j| ノく:| そうねぇ…。
ノイ \\ 、、 `  ̄,, /: | そのために、まずこの「朱印改」について
|イ /: :.ヘ、 \ u. r─-ァ /: : | あらためて説明しようと思うの。
|/}ィ父乂 \辷_ ゝ._ノ rく :∧ トゝ
〕父工ニ=‐- ァ< ,八/ `
,.く  ̄7 /⌒ 7!
/ \ // 〈{ / |
/ \/| {__トi / 弌
,.く 〉,〉__|〈 ト、
/ \ | {三ニヨ | | i
/ \ | 「 | | | |
- 44 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:36:29 ID:GIsVuTRs
- / \
…? / / / / へ \
説明ったって、前に、 . // / / / ,ハ l | l l \ ヽ
. // / /lィ7ナメ| | lハL_| | | } ,
> 「諸大名をそれぞれの領地に封じる」事を. l /|l Nイ,ィ≠zハ | \l 「`ト | |
> 認めるための儀式 ....... |/ |l |〃{::::i| V ィ仡心、|l / | |
ハ| {i:::j| {i::::::ji|》リ ノ / l!
>転封でもない限り、 / |! `ー′ 辷zり ノ /i}. |
>特に所領に変化があるわけでもない | | """ r── 、 """/ / ノ |
>、 l> 、 ゝ ノ ∠_/イ// |
ってあったでしょ? ...... / と__/> ..__ .. セ升/ /// ハ
単なる通り一遍の儀式なんじゃないの? ... { /.:,// / /l l/ /// l / |
Y:.:.:.:.:Vハ| /ゞ≠ ===/ ,/:.:7メ、 / l |
. |:.:.:.:.:.:/レ { ///:.:.:\/レリ
. l.:.:i/ \_|j! /.:.:.:.:.:.:.:\
_ _ -―…‐-
> ´: : : : /: : : : :`⌒\
/: /: : :/:/: :/: : : |: : : : : : : : ヽ
/:/:./ /:/|:./|: : / |:.i: : |: : : : : : ',
|/ ! |: i :yiミ/|: :.| ∧トi/:|: |: !: : : :
j/j八:Y゙rハ八: :V:=ミハ|: i: |: : : :| それがね…一点だけ問題があったの。
⌒>小. ヒソ ヽ| rハjノ〈∨〉: :八
< :__人'' ' 弋ソ: :〈∧〉: : ハ > 「諸大名をそれぞれの領地に封じる」
´厶ィ:\ヽ フ ''<_: :イ: : /: |\|
V<レ个r--─〃 :ノ|: :/\| っていう点にね。
_.. r '"Hヽ:::::::::::::/ |/ ヽ.
r'" レ'/^/::ヽ:::::/ i.
l /:::/ ./::::::::::Y i. /
- 45 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:40:30 ID:GIsVuTRs
- ..... __ ____
'"´ ̄ `丶、
≦二´ \
`乙イ / 1 { 〈 从 {{ !{ { \
r、_ノ '´ xタ! {{ ! j j r'下{TトN│ i| ヽ
どういうこと? んフ'′/,イ ノ弋トル{{! {{ !Vョ弌ミ、レ1 | }! ',
/,'///〃 ィ羊_竺ミ火从iノf幻Ⅵ `ミ}i |Vクii i|
{{r1{N 《{{ {刈ィi〕マハ {〔し'リ ノノ ル=ォil !
レ癶lj{ {|i WiノハfJi}リ ゞ=ぐ彡グ/⌒リ!i i|
N儿} 小 ゞ='’ """ ≦彡'辷ソ从リ
〈《{ハ "" 、 /,' ///'´
≫心、 </ /'{ ハ
ー=公,/// `フワ7宀冖'" 仏{从i{乂{癶
rゲ{ { { {リく巛``气f広V{li{ ト、」j_
{ムムヽ`ーく ゞ、 八レ小代レ' 抃ミ、
-――――- 、
'": : : : : : : : : : : : : : : : :丶
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : : : : : : : : : : : \: : : ヽ: : : : : :ヽ つまりね…
/: : : :./: : |: : : : : : : ヽ: : : :\ : : : : : : : : : : . 「諸大名をそれぞれの領地に封じる」ということは
_ _/ : : /: : l : : :l : :.|: : :{ : :.:|\:__: :ヽ: : :.<\/ 〉: ヽ 逆に言えば、
` /.: : : :| : : |: : : |: :j:l : : |\':l ̄\. :!ハ: :|: :\ く: : : ヘ
|: :/: : | : : レ'⌒l: :八: : | ヾ ヽ| |.:l: : //\>. :│ 「ここで将軍家によって所領を封じられた者は、
l: :! : : | : : |:.{ィてヘ \l __ j/: :</: : : : : :.:ト その封じられた地を治める大名になる」
l:/! : : | : : lVハi:::::ハ 〃 ̄ ` /: : : : : : : : : :.l:|
l:∧ : :lヽ :ヽ{! Vr'圦 /// /: : : : : : : : : : : リ ということでもあるってことよね?
\∨ハ:\ ゞ'´ ' _ /: : /: :/: :∧: /
f゙ヽ /: : : j:∧ ∨) ∠: :./l: /イ : :/ V …例えば、それまで大藩の支藩主だった人が
| }. 厶-= ア: : ゝ イ_/^l |/ ここで「将軍家から大名として所領に封じ」られれば…
/ヽ |/^) l: /V!: :/二7 弋r< 人 ヘ その家は、「本家とは独立した藩」になれるってわけ。
__/ ヽ| l / '´ V/::::/{__/_j:_xj / /:::::::::>,
.(_ _ ヽ ノ } /7::::::// ヾル' レ' /::::::::::/^\
ヽ ヽ ノ //::::_// //| /::::::::::/ / ヽ
\ /ヘ /l ヾ_:: ヾ、_ //l | 「:::`ヽ〃 / l
- 47 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:43:10 ID:GIsVuTRs
- / / / / / /! | | | ヽ ヽ ミ=‐
〈 /〉 /l 斗─+ / |ハ │ | | l l ト、
∧ヽ //! /|/l/ l/ || | // ̄l/ヽ| | | j|
/ ヽ ∨/ |//Vxチ示ミ l| | //xチ示ミ、!\ | 从 レ'′ しかも、そういう形で独立するとなると、
イ 〉 〈 NVイf;;;ハ;;;| j/ /;;;ハf^ト、 l | | | その「封じられる所領」は、元々あった
ノ丿 ,/∧ヽ 从 |;;;しソノ |;;;;しソ ノ 川l Nノ l/ 「本家より分けられた支藩分の所領」なわけで、
イ个 〈/ ゙、〉 ハ ー─一 ー-- |lノ レヘ、| これが認められたら、その本家は、
リ川 ト、''"´゙´ ′ `゙`゙' ノリ ノイ ン
}/Vヘ \ \ -─ァ 从 r=-' 「独立された支藩の分だけ、所領が減る」
\ lVヘ、`ン、_`≧ .イ }\N
ヽ{ ∨辷=> .. _ .. <}乂 | ,. ってわけ。
,y''"゙´´__ `゙`"゙''^゙く~rヘV∨レ′ }ノ 当然、藩の表高だって減るし、
r''´ / `ヽ、 ,. ゙`ヾ,゙'';,、 その分、家の格式だって下がっちゃうわ。
,;'" / \゙''.;,、 ヾ火_ 本家からすれば、まさに「御家の一大事」なのよ。
,;イ / \ ゙^'゙^"'"ヽ`ヽ (今回の場合、独立されると毛利家は37万石が30万石になる)
{ ノ! ヽ }ヾ\()} }
ー=ァ \
__ / / ヽ
`ー‐ イ / / ハ
/ │ { ,イ | ヽ ヽ ヽ l|
ふーん…。 ..... / :/ l 7ー/ |--||! |斗 \十 | | |
そう言われると、確かに慌てるのも無理ないね。 | | | | ィ=≠z八 | z≠x | | |
| | | |∨イィ::iハ ヽ | 仡:yハ } !|/
…でもさ、そもそもなんで、 . ヽ | | |〃| !{::爿 \{ 圦::j i|V //
今回みたいな騒ぎが起きたのかな? . ∨ ヽ ヽ 弋zzン Vzzン/ 〃
\ {\> 、 / /
> 小 rっ ー=≠i{¨\
「それについては、今、 .. /7∨ > _ノ¨) < ヽヽ/ヽ
家老さんの説明があるみたいだよ」 /― / ///  ̄ ¨ヽ { } |
/ { // :/ t_} Vー、 / |
| \ { / 〈 ヽ/ :/}/ ー≠ァ
- 48 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:46:21 ID:GIsVuTRs
- rヘrヘrヘ_| \__l\_,ヘ
ゝイ ヽヘ
/ ./ノクつ/ヽr、 vL
丿 /)ハi/ ,',',',',',','∧ >
Z { ,',',',',',',',',',',', `ヽ
∠ 「 {,',',',',',',',',',丿! ハ
/ / i,',',',',',',',',',',',| rヘ
,ry { ,ィ´≧、__ .i ;ヘ、i,',',',',',',',',',',イィ ハ …正直、甲斐守様のお気持ちも分からなくはないのです。
イ レニr'" r'付マ!__j__≧_rヤ壬`ヽ,',',',ソ { 今でこそ支藩の藩主ではありますが、
ク /^弋_`┴'¨j〉r=ヘr'イV^マ!`ヽ,',','/ ト かつては先代様(毛利輝元)の養嗣子として、
∧ハ,〈 ` ̄¨’/ ∧《`¨ー-! ノニv! | 毛利本家を継がれたかも知れぬお方でございます。
lいi |∧ ,イ 〈_',',',',',',',',',',',',',',',',〉 f^`
Vゝ「 〈r、',',',',','!',',',',',',',',',',',',',イ ./ハ しかも、官位だけでいえば殿より上(正三位参議)、
ヽハ ,,,,,, (,',','´,',',',',',',',',',',',ィミ, /〈ハレ| 朝鮮陣においても武功華々しく、
`! '",ィ=ュ,_ノ,'rilili,',',',',',',',',',',',',ソ'ヘノ/ また、我が祖父・元祥(もとなが)と共に、。
i|i, ∠任士ニトュ、`i',',',',',',',','/,イ/ 関ヶ原後の毛利家の復興にも尽力され、
i| , ``ー―卞ム',',',',',','//r'"´ .御噺衆として上様の覚えもめでたく…
__ イ| il ≦´,',',',',',',',',',','/,',','´
../ `ヽニ"´/l ∧ \,',',',',',',',ノ,',',',!
\〈 `ヽ、___>',',',',',',',',',!
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( -)(-) (だから長いっての)
. | (__人__)
| u `⌒´ノ ああ、知っておる知っておる。
. | } そして、長門守様がそれに比して、色々問題がある御方と
. ヽ } 言われておることもな…。
ヽ ノ ビシッ
/ く__,-ュ__ て
| ___ 三) (
| |  ̄ ´
- 49 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:48:55 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ\ ) ;;;;)
| ( ─) (─)/;;/ …だからこそ、両者の溝を埋めるためにも、
. | (__人__) l;;, 長門守様の御息女・登佐姫と、甲斐守様の嫡男・又四郎殿の間で
| ∩ ノ)━・' 縁談も出たのであろうが…何故長門守殿は反故にされたのかのう。
. | / ノ´ }
. ヽ / / } そりゃ不仲にもなるわい。
ヽ/ / ノ
、 、_/(,ヘ、ト、
|`ー'`:: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ|\,、
ゝ:: :: :: 川::,.-ァ,-ァ:,.、:: :: :: :: :ヽ,、
/:: :: ::イヽ|!/ ´ ,' :)ノ`ヽ:: :: :(_,.
イ:: :: :/ ' ( ,' : : : : :)ハ:: :: ::\
ノ:: ::: :ト' u ,' : : : : : : ノ:ィ:: :: ::|
7:: :: / u ', : : : : : : : : |:: :: ::ト,
イ:: :: { ,.-=、 ; : : : : : : : :ノィ:: :: :ヽ
/:: :: ト`_,.- _≧=、/! /`' ': :,.===-: : :/:: :: ::(` そ、それはそうなのですが、
イ:: ,./`|! - ミ|!_,_;≧,'"==、 /:: :: ::ミ_, .殿には、殿なりのお考えもあったかと…。
人:: { `===彡/ /巛 - ヾ=、イ:: :: ::|`ヾ 登佐姫様の嫁ぎ先は、
| {,`|::ミ, ; : : : ====='"`ヾ:: :: ::|! 松平越後守様(忠直の嫡男、光長)の元ですし…。
| Y|!` /、 r': : :i : : : : : : : : : : :|!:: ,.-、
ヽ |! ` ゝ: := : : : : : : : : : :::彡 ,-, |
`ーヘ ,,,,,,,,,,,, `,: :,,,: : : : : : : : : : : :/} ヾ /
ハ ,.-──-、, ''''''、: : : : : : : /,.-' /
| | `ー、 三三ミ、 |!: : : : : /_/
,. | | 、-' : : : : : : : : : : : イ
,.--、__/ / ! ' , : : : : : : : :/:::|
`ヽ、/ 人 ` ,: : : : /:::::::::|
,.-'"´|! `ー 、____ノ:::::::::::|
- 51 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:51:19 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) …表立って言えたものではないが、
. | (__人__) 言ってみれば、この一件は、不出来な主君と、
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ 実績・人望のある年長の分家当主の仲違いということじゃな。
.l^l^ln } `‐= )
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;) しかも、原因は概ね長門守様の方にあるというのが
ゝ ノ ノ .) ;;;;) またなんとも…。
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
、 、_/(,ヘ、ト、
|`ー'`:: :: :: :: :: :: :: :: :: ヽ|\,、
ゝ:: :: :: 川::,.-ァ,-ァ:,.、:: :: :: :: :ヽ,、
/:: :: ::イヽ|!/ ´ ,' :)ノ`ヽ:: :: :(_,.
イ:: :: :/ ' ( U ,' : : : : :)ハ:: :: ::\
ノ:: ::: :ト' u ,' : : : : : : ノ:ィ:: :: ::|
7:: :: / u ', : : : : : : : : |:: :: ::ト,
イ:: :: { ,.-=、 ; : : : : : : : :ノィ:: :: :ヽ
/:: :: ト`_,.- _≧=、/! /`' ': :,.===-: : :/:: :: ::(`
イ:: ,./`|! - ミ|!_,_;≧,'"==、 /:: :: ::ミ_,
人:: { `===彡/ /巛 - ヾ=、イ:: :: ::|`ヾ …返す言葉もござりませぬ。
| {,`|::ミ, ; : : : ====='"`ヾ:: :: ::|!
| Y|!` U /、 r': : :i : : : : : : : : : : :|!:: ,.-、
ヽ |! u ` ゝ: := : : : : : : : : : :::彡 ,-, |
`ーヘ ,,,,,,,,,,,, `,: :,,,: : : : : : : : : : : :/} ヾ /
ハ ,.-──-、, ''''''、: : : : : : : /,.-' /
| | `ー、 三三ミ、 |!: : : : : /_/
,. | | 、-' : : : : : : : : : : : イ
,.--、__/ / ! ' , : : : : : : : :/:::|
`ヽ、/ 人 ` ,: : : : /:::::::::|
,.-'"´|! `ー 、____ノ:::::::::::|
- 53 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:53:43 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ - - \
| (-)(-) |
| (__人__) | …まあ、それはよい。
| ` ⌒´ ノ この際、肝心なのは、甲斐守様が
r"ヽ | } どのような手を打たれたか、ということじゃからの。
( =‐' ヽ }
ゝ-' ヽ ノ _ そこはどうなのじゃ?
_/ l__ / /
__ゝ_/ ヽノ ノ
\___ノ' ノ
rヘrヘrヘ_| \__l\_,ヘ
ゝイ ヽヘ
/ ./ノクつ/ヽr、 vL
丿 /)ハi/ ,',',',',',','∧ >
Z { ,',',',',',',',',',',', `ヽ
∠ 「 {,',',',',',',',',',丿! ハ
/ / i,',',',',',',',',',',',| rヘ
,ry { ,ィ´≧、__ .i ;ヘ、i,',',',',',',',',',',イィ ハ
イ レニr'" r'付マ!__j__≧_rヤ壬`ヽ,',',',ソ { はっ…。
ク /^弋_`┴'¨j〉r=ヘr'イV^マ!`ヽ,',','/ ト 甲斐守様、ならびに日向守様は、
∧ハ,〈 ` ̄¨’/ ∧《`¨ー-! ノニv! | 永井信濃守様を通じ、上様より独立した御朱印を頂こうと
lいi |∧ ,イ 〈_',',',',',',',',',',',',',',',',〉 f^` お考えなされておられるようで…。
Vゝ「 〈r、',',',',','!',',',',',',',',',',',',',イ ./ハ
ヽハ ,,,,,, (,',','´,',',',',',',',',',',',ィミ, /〈ハレ|
`! '",ィ=ュ,_ノ,'rilili,',',',',',',',',',',',',ソ'ヘノ/ 「信濃守様か…今回の朱印改奉行ではないか。
i|i, ∠任士ニトュ、`i',',',',',',',','/,イ/ .これは…確かに一筋縄ではいかぬのう」
i| , ``ー―卞ム',',',',',','//r'"´
__ イ| il ≦´,',',',',',',',',',','/,',','´
../ `ヽニ"´/l ∧ \,',',',',',',',ノ,',',',!
\〈 `ヽ、___>',',',',',',',',',!
- 54 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:55:51 ID:GIsVuTRs
- /{
{\__(ヽ〈:::::^ー'\ハ
〈`ー'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\{\
/:::::::::::::::::::∠::/乙:'7:::ハ::::::::::(_
∠::::::::;ィ厂ヽ:/ /∨ ヽハ::::<
. /:::::{八 / )::::::ヽ
厶:::::::ノ 〈 ∠::::::::::八 .
∠:::Y _ } j::::::::::、:::〉
. ノ:::;ゝ ⌒≧=ミ、:j {ヽ'´_斗=‐- 'イ:::::::::ハ{ 但馬守様、一筋縄でいかぬのは重々承知でございます。
フ:ル={{ 《_,(::)_ハY_<ヘ乏ニニ-、 、 /::::::::::::> .その上で、何卒、我が毛利本家にお力添えを…!
/下Y ヽ. ...二´.イ ∧ ヘ.(::)_》 }}、 `7:::::::::;ゝ.
. { 小}::ヽ  ̄ ̄ / { ^ー=== 彳 ∨:::: ∧{
Ⅵ j/` 〃_r-ヘ 〉:-〈
. ヽ ハ. ) -’ //刃}
-}. x-='' 〕 =-、 ∨>Ⅳ
j`、 /∠三ニ=ヽ ㍉ 彡イ/
| ハ.  ̄` z ¬ニゝ ///´
-|: '. < //イ
/⌒\/ ノ| ∧ \ 〃 |
'´ >‐く ゝ _____> / |
/ ∧ \  ̄´ │
/ ̄ ̄\
/ \
|:::::: | ………。
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: | ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, ..
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
- 55 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 22:58:44 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
| (__人__) …わかった。
| `⌒´ノ この度の一件、わしからも年寄の方々に話を通しておこう。
| } 悪いようにならぬよう取り計らうつもりじゃ。
ヽ } (
_ヽ ノ`ヽ、_ ) では、下がるがいい。
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 「あ、ありがたき幸せに存じまする!」
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉|
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
- 56 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:02:33 ID:GIsVuTRs
- そして、益田退出後…
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ ………。
| `∩_ノ)━・'
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
_,. ----- 、
/:::::::::::::::::::::::::ヽ
/:f`ヾ,,/' ̄):::::::::::ヽ
{:::ト、 __,ヘ{:::::::::::::::::ヽ
゙i:トta゙ ィ=tデ;:::;r‐、::::::::ヽ 父上。
ll`¨:i  ̄´l::::{b゙ノ:::::::::::ヽ 毛利家の御家老は、なんと…?
l:', L i:::トi゙´::::::::::::::::::ヽ
l:::', ー- ll:::l l::::::::::::::::::::::::::ヽ
ll:::lヽ--イ :ll::::',l::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ll::::l ヾ‐'"´',i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. ',::::',f´j__,.-'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',_,.-'゙
∨='7/:::::::::::::::::::::::::::::::::::_:r'"二´='"´
/-'/:::::::::::::::::::: :: :: ::(__ ゝ-‐,"彡
. //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノノ ̄´:::::∧
/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::(二二、ー─''")::: ::
. //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::) r彡-'': :: ::
レ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://:::::::::::::::::::
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_,.-‐ニ´彡::::::::::::::::::::::::
{:::::::::::::::::::::::::::( ̄´r‐'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. }:::::::::::::::::r‐二-‐'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
宗矩次男:柳生左門友矩
.(やぎゅう さもん とものり)
- 57 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:05:08 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ …ああ、甲斐守様が、日向守様をまきこみ、
| ( ー)(●) 毛利家よりの独立を狙っておられるので、
. | (__人__) これを阻止して欲しい、との陳情じゃ。
| `⌒´ノ ..わし以外にも大炊頭様、讃岐守様をはじめ、片っ端から廻っているようじゃな。
.l^l^ln }
. ヽ L } );;;;;;)
ゝ ノ ノ .) ;;;;)
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
_,. ------- 、
/::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.〈::f `ヾ;;/ ̄ `):::::::::::::',
〉ヽ::、 _;;;ヘ {:::::::::::::::::', 父上はどうなさるのですか?
,'::| ゞta゙ ィ=tテア;::::;r‐、::::l
.,'::::! `¨:i  ̄´ l::::{b゙ノ::::':,
.,':::::::', 〈 ll:::トi:::::::::::::,
i:::::::::::、 _ ,!:::l:::::::::::::::::、
i::::::::::::::ヽ ̄ _,.ィ' |:::j::::::::::::::::::::\
__l:::_::::::::::ヾ---'"´=-----‐‐‐‐-、
/:::::::::::::::::::::::::://\ 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::l=l /=/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
- 58 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:07:25 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ\ ) ;;;;)
| ( ─) (─)/;;/ ………。
. | (__人__) l;;,
| ∩ ノ)━・'
. | / ノ´ }
. ヽ / / }
ヽ/ / ノ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) …甲斐守様の気持ちも分からぬではないが、
. | (__人__) わしはあくまで幕閣じゃ。
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ
.l^l^ln } `‐= ) ここでこの独立を認めれば、
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;) 防長一円にいらぬ火種を蒔きかねぬし、
ゝ ノ ノ .) ;;;;) 他の藩にも悪影響を及ぼしかねん。
/ / \ ./;;/ 認められぬよ。
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
,,.ィ''' ~~゙゙ ''''' - 、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;: へ ::;:::::`i
/:::::::::::::::::::::::;:- 、:::::::/ \/
/::::::::::::::::::::::::/ {ヽソ::::::|--- 、 |
./::::::::::::::::::::::::::::l 。`/::::::r'゙''x;;;:::::\_,. l なるほど…。
:::::::::::::::::::::::::::::::::`t'´::::::| ~””“` {
::::::::::::::::::::::::::::::::::::i゙::::::::| _,|
:::::::::::::::::::::::::::::::::;イ::::::::::| __,.'´
::::::::::::::::::::::::::::::/=!:::::::::::| i´
:::::::::::::::::::::::::::/=、,|::::::::::::lェ,,,___,l
::::::::::::::::::::::::/=、,ヾ!:::::::::::|
:::::::::::::::::::::/:::::::::::::|::::::::::::|
- 59 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:10:32 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ …しかし、このわしが、
| `∩_ノ)━・' また毛利家の事情に関わる事になるとはのう…。
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
_,. ----- 、
/:::::::::::::::::::::::::ヽ
/:f`ヾ,,/' ̄):::::::::::ヽ
{:::ト、 __,ヘ{:::::::::::::::::ヽ
゙i:トta゙ ィ=tデ;:::;r‐、::::::::ヽ 父上は、前にも毛利家の問題に
ll`¨:i  ̄´l::::{b゙ノ:::::::::::ヽ 関わった事があったのですか?
l:', L i:::トi゙´::::::::::::::::::ヽ
l:::', ー- ll:::l l::::::::::::::::::::::::::ヽ
ll:::lヽ--イ :ll::::',l::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
ll::::l ヾ‐'"´',i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
. ',::::',f´j__,.-'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',_,.-'゙
∨='7/:::::::::::::::::::::::::::::::::::_:r'"二´='"´
/-'/:::::::::::::::::::: :: :: ::(__ ゝ-‐,"彡
. //:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノノ ̄´:::::∧
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(●)(●) |
. | (__人__) | うむ…あれは大坂の陣の後、
| `⌒´ | ) ;;;;) わしがまだ使番だった頃のことじゃ…。
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
- 60 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:12:36 ID:GIsVuTRs
- =回想開始=
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ 佐野殿…重ねて問いますが、
| `⌒´ | この度の豊臣方への参陣は、
. | | あくまで自身の決断であり、
. ヽ / 毛利家は関係ない…ということなのですな?
ヽ /
> <
| |
| |
柳生又右衛門宗矩
(当時・使番。三千石)
_, -‐一"^´ ̄二ニ=ノ:
, ´ 、``下、:
,.-‐'´ ` 、 `ヽ、 ヽ、
:/ /ヘ、\ \ \ ヽi
/ /|iト、\ \ ヽ、 \`ヽ:
/,r',' リ、ヘ !\ \ \ \ ` 、!
/ / ヘ!,斗ャ、 \_ \_\ ヽ て:/
.! ,/=‐、 ,イ! ,.=弍ヘ、ヾ、_ヽ_ \ ヽマ ああ、俺は、
/ i,´fハ ,イ 仟心 X \\ \ \ ヾ/ 俺個人が豊臣家に恩義を感じたから
リ i. ゞソ 、_ゞン" K ` 、 `ヽ、.\! 豊臣方に付いただけだぜ?
i ! (、 |i `Λ ヽ ヽ!_
.| 八 、_ __, リ |ン\ \_ \ 入 毛利家は関係ない。
レ': :ヽ `ー='´ ノヘ|i 、 、ヽ、マ‐`ー これは、勝永にも言えることだけどな。
\ ` , |!: !ヽ `マヘ|
ヽ、_, , '´ ノi;/ ヽi `
ヾ! _/: :∧:
ヽ _ノ:.:.:.:.: :__,ゝ、
∨: :. :/ ̄___\_.
_リ-ィ´ノ ̄//. .,r‐-、ヽ、
佐野道可(内藤元盛)
(さのどうか/ないとうもともり)
慶長二十年(1615)、大坂の陣の後、豊臣方の残党狩りが苛烈を極めた事は以前にも述べた。
そして、その中に、毛利家の元家臣・佐野道可こと内藤元盛という人物がおり、
この取調べに、当時の宗矩が当たっていたのである。
- 61 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:14:15 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) 御子息二人にも話を聞きましたが、
. | (__人__) 確かにそのようですのう。
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ
.l^l^ln } `‐= ) …佐野殿。
. ヽ L } ゝ-´ 御子息二人は、口を極めてそなたを罵り、
ゝ ノ ノ 無縁であると言っていたが、何故そこまで不仲になったのですかな?
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)
ヽ__ノ
,.-‐∠
,.-‐=ニ二^`ニ=、
/,,、\ ヽ、`ヽ、\气、
/,イ \;仆,斗‐、:ヾ、 卞、|
|;;;{! _ .メfヲフヾ、ヽ!,、 ㍉! ヽ、 …なに、親子といえど、所詮は他人ってことさ。
i ;i|fリ゙, '"´ ヽrf )!=‐-込, 俺とてあんな息子ども、知ったことではない。
| ;;i!´ヾ_, Y´|ヾ=-‐、!
∨ム、` イヾ、 ,、ヾマ さあ、もういいだろ?
∨;心、_,. '´ |∨卞、jヾY
ヽリi| !rヘリ/
`リ=ュ、_,ィ彡、‐´ 「…そうですな」
_,. -‐='´、_ `ー'´ _`ヽ、.._
,ィ仔ュ、 ヽ弍 ` ´ _fオ\`ヽ、
/シ´ / /⌒ヽ. `;´ ( r┐) Yヽ、}
レ' iィッ、ゝTィノ .: ヽ;Y´く;ツ `!
宗矩は、内藤本人への尋問の他、その子息二人も呼び出して尋問を加えたが、
それぞれの話は全て、
「この度の豊臣方への参陣は、あくまでも元盛個人の勝手な行動であり、
内藤家は勿論、主家である毛利家には一切無関係である」
という形に終始し、そこから外れることはなかったという。
- 62 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:15:01 ID:7oXE9RhQ
- あー、この人討ち死にじゃなくて戦後捕まったのか・・・
本人にとっても不本意だったろうなぁ・・・。
- 63 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:16:34 ID:GIsVuTRs
- かくして、彼らの言葉通り、この内藤元盛の一件については、
「あくまで元盛個人の独断」ということになり、山城国・鷲巣寺にて元盛は切腹となった。
:,: :(::)
/⌒''⌒) :,,゜ ' ,,,,,,,
(:::::::::::::::!' (::::::)
ヽ::::::::';''' ''`` 。
τ'::/ .;:
)/
。 ' 、 ;: 。
`'''`~''・ ' `
f''`⌒( ,,,, !:(',,,,、 ::,,,,,、...
,!,,,、( /::τ ノ:::::::::::::::::) 。 !::::::::::`! 、
:.、 !:::( ノ::`! o (::::::::::::::::::τ (:::,,;,;,、; 。
゜ (/ ⌒・ . ・、;::::::::::::;;.;`` ''
,,、.. // ノ' //'''`'`'` ` ..,,.. _,,,.、 ・ ,, ...:・..
π /;::::::::(,.,.(;;;::::( ,,., ・っ ;,;;( ):::::;. c::── '`'''::::::::::;''
):::::::::::::::::::::::::::/ '''''` ` '` ⌒ ` !.:::τ'' ``
τ !::::::::::::::::::::::::::::)/,,,,, γ :'`'``:!
(::::::::::::::::::::::::::::冫 `'`' 、,:'::::::`:::,,,, !:::::ノ ・
:::':'::::::::::::::::::::::::::::;(,,,,,,,、:::::::-ー''''`'`''''''''"
- 64 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:19:57 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ (…内藤殿。見事なものでござったな。
| `∩_ノ)━・' 最後まで、己の胸一つに全てを収めて逝くとはのう…)
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) …せめて、息子二人には、
. | (__人__) 何事もなければいいのじゃがのう…。
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ
.l^l^ln } `‐= )
. ヽ L } ゝ-´ );;;;;;)
ゝ ノ ノ .) ;;;;)
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
- 65 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:22:42 ID:GIsVuTRs
-
しかし、そうはならなかった。
:l゙ | ! /;;;;;;;;;;;; / /./ '″ .,l./ ,,ノン" .フ;;
_,, !゙.,,.,i";;;;;;;;;,./ .iУ ,i'/ .,..r'";;;;;
.i}′ / ;;,! ., /;゙;;;;;;;;; / .l″ ,ν / /_..-'";;;;;;;;;;;;;;
` i";;;,/ / /;;;;;;;;;;;;/ il l′ _..-";;;;;;";;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,.
l / ."、 / ;;;;;;;;;;/ _ ,,i!!″ .,..r'";;;;;;;;;;;;;;;;;;.,,,r‐ー'″
/./ l「 .../ ;;;;;;;;; / ,,il″ .´ .,,./ ゙;;;;;;;;;;;;;;;;;_ン'"
.,i''l .,〃 .〃 / ./ ;;;;;;;;;./ .,. _ /″ _/;;;;;;;;;;;;;;;;;,./ ´ _ン'
,lゾ .〃 .,〃 ./ ,i";;;;;;;;./ ./ ,r'./ ., ._/;;;;;;;;;;;;;;,,,./ ゛ . _,,-へ.iii
.〃 ./l 、〃 ,ir / ;;;;;;; / .,〃 .,ノン′ .,,ir'" _/丶;;;;;;,ン'″ ,, ;;二二r‐''''、;;;;;;;.
〃 .,ノ~;/ .,/./ .,ノ/ / ;;;;;;;;;;;;l .,.. |″ ,i'ン" ,ii'" .,..-'";;;;;;;;;;;,/゛ _,,,,,__ ,ir!'" `'''″
.il″ / ;;;;;/ ,ノ゙''゙,i彡'゙i/'";;;;;;;;;;;;;;;;;゙‐''"./ ,-/'" ,.. ;;/!"._./ ";;;;;;;;;;;.,./ _..-、., />'"゛
. ,i|′ ,/;;;;;;;;l゙./ ;;;;;;";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'| ,.il!ン''/...-彡 '',゙..-'";;;;;;;;;,..;;二―'",,/'!'"
// ./;;;;;;;;;iレ゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; / .,. |/‐ンン'∠゙‐'゙´;;;;;;;;;;;;,i;;iU゙‐'''^゙゙''″ _..i
/r'";;;;;;;;;;; 〃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;>'";;゙´,iテ '´;;;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;フ" _,,,...i;;;;iv=ゞ´
;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:'“;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; / __..;;メ`-ー'"゛ _,,.. -ー'''''゙゙''゙ ̄,゙/
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i 彡‐''゙,゙.. / ,..-''゙´;;,,..、;;;;;;;;;;;___,,,,,,,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,./ '´ _..- ._,,./ ;;;;_,,./ .゙'''゙゙゙´ ,,-''"
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,./ ″ ._,,,,_,,,..;;ニニ!゙彡''彡-‐'"゛ ‐‐‐'"
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i;;./ ._,, ー'''゙゙´;;;_.. ;;ニ`- ゙゙゙̄‐'"゛
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_.. `-'''''"
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiijj⊇....--‐',゙,゙,,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_,,..r‐ '" ̄゛ . _..yrー''“''''" . _,,.. -;;ニニコニ;;r‐
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_..-‐'' 二ニ ―ニニ`-'”'"゛ .,_iiir=`-''''"´
元盛とは無関係であると判断され、一時は家督を継ぐ事も許された嫡男元珍(もとよし)、
その弟の粟屋元豊(あわや もととみ)も、その後、毛利輝元の命により、切腹となったのである。
- 66 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:24:19 ID:1eR15YGU
- アチャー
- 67 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:25:24 ID:GIsVuTRs
- _________
/ 'r r.r.r.i
/ | | | | | なんということじゃ…。
/ u .ノ.ノ.ノノノ こうも後味の悪い話になるとは…。
ハ_ノ ヽ、__ / /ノ
/ (-)(- ) .( l ヽー―ー-、
/ .(__人___) ム イ r ヽ
./ / ヽ`⌒´ | .l / 、 l
/ / 八_ 、__ /l | ,' l l
. / ,' ヽ| | ノ ハ l
/ .l ∧ | レ' ノ l
/ l ノ ヽ | | ノ }
∧ / ,〆 ヘ l , ' l
ヽ、_,ノ'´ ヘ .l / ノ
', | / ,'
ト、 ノ ノ
これは、毛利家と元盛の密約が露見する事を恐れた毛利家が、
そのことを知る元盛の息子両名の口を封じる為だったとも言うが、詳細は不明。
この毛利家に関わる一連の事件を、『佐野道可事件』という。
- 68 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:26:35 ID:7oXE9RhQ
- 後味悪ぃなぁ、ホントに・・・
- 69 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:27:40 ID:GIsVuTRs
-
/ ̄ ̄\
/ \
| _ノ ヽ、_ .|
| (-)(-) | せめて、遺族に一筆くらい送っておくかのう…。
| (__人__) |
. ヽ `⌒´ ノ
´ ヽ ノヽ
/´ `\ カキカキ…
/ / l l .___
__l l_¶______/_/__/ ヽ
\, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄| l二二二二l
ヾ_ノ | '''' ' | l二二二二l
| - - - -. | '''..-- | l二二二二l:::..
| ..'' | ''-. ,|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後にこれを知った宗矩は、元盛の兄・宍戸元続と、都野惣右衛門の両名に、
元盛の息子二人の切腹を悼む旨の書状を送ったという。
=回想終了=
- 70 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:29:47 ID:GIsVuTRs
- _,. ------- 、
/::::::::::::::::::::::::::::ヽ
,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
.〈::f `ヾ;;/ ̄ `):::::::::::::',
〉ヽ::、 _;;;ヘ {:::::::::::::::::',
,'::| ゞta゙ ィ=tテア;::::;r‐、::::l …それは、後味の悪い話ですな。
.,'::::! `¨:i  ̄´ l::::{b゙ノ::::':,
.,':::::::', 〈 ll:::トi:::::::::::::,
i:::::::::::、 _ ,!:::l:::::::::::::::::、
i::::::::::::::ヽ ̄ _,.ィ' |:::j::::::::::::::::::::\
__l:::_::::::::::ヾ---'"´=-----‐‐‐‐-、
/:::::::::::::::::::::::::://\ 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
/:::::::::::::::::::::::::::l=l /=/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ_
| (●)(●)
. | (__人__) まったくの。
| `⌒´ノ ) ;;;;) そして、これは表では言えぬが…
. | } .) ;;;;) あの時、元盛殿が豊臣方に付いたのはな、
. ヽ } /;;/ どうも甲斐守様も一枚噛んでおられたようなのじゃ…。
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
- 71 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:32:15 ID:GIsVuTRs
- , -- .
. / `ヽ.
/ ,ノ⌒V⌒) }
. / (_,代=ャミYァム! なんと…!
/ /^V } _j / | 父上、それでは、先ほどのお話の黒幕は、
. / く__, V (^ .イ リ\ 甲斐守様と…!?
. , ‐=≠=彡' \}千V r' ,, =≧
/ ハ彡ヘ V=ミ では、そのような方が、この度、
. / i=彡ヘ L また暗躍しておられるということに…!?
/ V=彡} ,ハ
./ V// ∧
i fj ∧
/7⌒Y_ >x._ ,. -v-、
! LとT 「 ̄ ̄ 〉  ̄ 7 r=UミY
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/ …左門、そう声を荒げるな。
. | (__人__) l;;,´ これは戦国の習いじゃ。
| `∩_ノ)━・'
. | |_ノ それに、このような大事、
/ヽ | |_ 甲斐守様の独断で済むわけもなかろう。
| \_/ ノ ヽ まず当主たる輝元様の御指示あってのことに違いあるまい。
\ /_| | . それに、長門守様とて知らぬわけなかろうよ。
| \ / _/
- 72 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:35:24 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\
/ \
|:::::: | とはいえ…。
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: | ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, ..
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
/ ̄ ̄\
/:::::::⌒ ⌒\ 元盛殿も、その子息二人も、
|:::::::::(●)(●)| 毛利家を守らんがために命を絶たれたのじゃ。
. |:::::::::::(__人__)| なればこそ…甲斐守様にも、
|:::::::::::: `⌒´ | そのことをよく心掛けて頂かねばな。
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: } では、左門。
ヽ:::::::::: ノ 父はこれより城(二条城)へ出るでな。
/ヽ三\´
|:::::::::::::::: \ 「ははっ…」
- 73 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:38:13 ID:GIsVuTRs
- その後、毛利本家よりの依頼を受けた宗矩が、
登城後、土井利勝・酒井忠勝の両年寄に何を話したかは定かではない。
/ ̄ ̄\
/:::: ⌒ ⌒\
|:::::: (●)(●)|
. |:::::::::::(__人__).|
|::::::::::::::`⌒´ |
. |:::::::::::::: }
. ヽ:::::::::::::: }
//⌒)⌒)⌒) \ /⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/´ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
_.. -= ' ´  ̄ ` - .,_ __,..__
,r'",,;; ,;;;; ,,;;; ,;;;;;;;;;;,,ヽ、 . _,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
/ ;;;, ,, ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ /./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
./;; r- ...,__ ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, . /.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
,i ;;; l / ノ ~l;'~ l ;;;;;;;;;; i .. /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___ .v ;;;;;;;; l . |ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
!, ;; i'-,- '''ヾヽ ~`r' ー=-~` i r- 、i .. ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::!
ヽ、i 'rーu-,i l t'~"uー,. l,lr' ll . `!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1
i, i ヽ、_,/,i ヽ, -'" リ j i l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::!
i l :::. ..:::: ,/ .... l;;;l;l" , ` |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::!
l i_ ヽ ..:::::: r'"-.,_ .... |;;;;l;{ / !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1
i ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ |;;;il人 `ヽ ノ;;;ill:l l |;;;;l.l;;l:::|
,._,-'"-' ~`二 '" :::::: ,y ,i ヽ, ..... '" ̄¨ゝ マ三> ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::|
~_.ヽ '' ..::: ,-'" i /i . ヽ " ,.ィ / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
_,.-=' /, ヽ、 ,.-' ,' ,r ,y l . ` -< / ,/ミミゝ;:!,.
- '" / i l丶,-ヽ- ='" ,' / ,' i .... _,=≡/ 人 /´ /ムホfヲ苑盆z、
- 74 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:40:55 ID:GIsVuTRs
- そして、閏七月十六日朝、二条城…。
. {}
,r'A':、
,r:'"/\`':.、
. 、_____,、.‐',,、_'___n,n__`_、,,`-、,_____、
. ゙l、,!_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l_l,!、l゙
|:::::::::::::::::::::::::::::n::::::::::::::::::::::::::::::|,
';王王王王王八王王王王王ヨ
]*;;r--.、;*r;"へ`':.*;;、--.、*;[
_、,,,,,f'''*;;;^r:'",r'"' へ:'`' 、`':、^;;;*、L,,,,,.、
゙、=┴'ァ゙'"r'"´.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:..`'-、`'=t┴=',゙
゙r:''",r'"..:.:.:.:.:.:lコ:lコ:lコ:lコ.:.:.:.:.:..`';;,、` ‐!、
ゞェェtエ゙┼┬i┬┬┬┬rハ┬┬┬┬i┬┼┬t'ェェブ
゙,~~i~~~~~~~~~~~~~~~~~{n}~~~~~~~~~~~~~~~~~i~~゙;┐
「;、.| .冂 冂 冂l:''"..へ`' .l,冂 冂 冂 .|.. .|Ti
ゝ,、,,,,、、!‐''"┬┬┬┬;、‐'":'"::: ヘ:::`:.、`‐、┬┬┬┬┬`ーf-、、ィ,
ソ;゙、ニ┴┴┴┴┴ァ'"r:'´。 ......::.. .:....... 。'‐、`'t┴┴┴┴┴=゙7
ヽゞz、:|;ヘ「]「],r'"r'´、z、r、、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. `': 、`'-.「]「] .|_,'、
Y;;ゝヾi彡〉''"r''";ヾ;ゞ::::ゞヾヽ]「バヘ,'z]「:]:.:.:.:.:.:...`''‐`、':-.、,|l l l.゙i
ソ ヽ;; i;;ゝソ ヽ;;ゝ彡ソ ヽ;;ゝゞヽi;ゞ::::ゞヾ;ヘ――――,rz、;ヘz、`''ー-、;;ソゞヘ
ヽ;;;;ゝヾiヽ;;;;ゝヾゝヾ;ゞ::::ゞヾ;iゝヾ;ゞ::::ゞヾヘソ;ミ^ゝヾ;ゞ:::ゞヾミヘtz彡ヾ;ゞ;ゞ
ヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾ
ゞヾ;;;ゝヽヾ ;;;;ゝヾ;;ゝヾ ヽゞヾ;;;ゝヽヾ ;;;;ゝヾ;;ソヾ ヽゞヾ;;;ゝヽヾソ;;;;ゝヾ
ヾ ;;;;ゝヾ;;ゝヾ ソゞヾ;;;ゝヽヾ ;;;;ゝヾ;;ゝヾ ヽゞヾ;;;ゝヽヾソ;;;;ゝヾ;;ゝヾ ヽゞ
- 75 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:42:37 ID:GIsVuTRs
- 定例の拝謁日である前日十五日、明朝再び御用がある、ということで、
毛利秀就は指示通りに登城したのである。
__,..__
_,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
/./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
/.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
. /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
|ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
. ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::!
`!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1 長門守殿。
l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::! 本日お呼びしたのは、上様より毛利家への
. l;;;l;l" , ` |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::! 御朱印を与える為です。
|;;;;l;{ / !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1
|;;;il人 `ヽ ノ;;;ill:l l |;;;;l.l;;l:::| そして、こちらがこの度の御朱印の判物です。
'" ̄¨ゝ マ三> ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::| どうぞ。
. ヽ " ,.ィ / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
` -< / ,/ミミゝ;:!,.
_,=≡/ 人 /´ /ムホfヲ苑盆z、
_,xl盆fホ/ /` /∧ /  ̄`ヽホミz、_
,xタ壬シ'¨く_ ヽ.//タ ゝv´ / f ´ }
//|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:lハ
//l|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
//:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
///|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:∨
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|/|:|:|/|:|:|:|:l/Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|∧:| |:l/ |:|:|:/ Ⅵ:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:/|:|:l/_\|/ .|:|/ Ⅵ|:|:|:|:|:|
ノリ:l:|:|:|:|:|:|/ |:|/ ,-、ヽl\_, |/ ノ|:|:|:|:|:|
> イ⌒|:|:|:| l/ じ! ノ〉 乂 ー ,ニ二、 |:|:|:|:|:| はっ…。
 ̄ノ八ヽ∨|:| │ ` .′ l iJ 〉,l:|:|:|:リ|
 ̄\\ V:| il| ` ー ´ //|:|/ (け、結局、どうなった…?
\\」 u. , 」 / l/l/ 今までの感触は決して悪いものではなかったが…)
/ ヽ ', / l/
/ Vl ──` イ l'
l l 、 /〃 l'
l│ \ /´ // /
| |、 ヽ丶-イ / // /
| | ヽヽ /`二 ´ </ /
- 76 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:46:50 ID:GIsVuTRs
- ,, -―――
〃:::〃::::::;;、:::::::::::ヽ
Yア( ̄ {_:::彡::::|
{{;ィ..::ャ=ミ ヽ::r:、| …長門守殿、
代・} 弋・フ / ^}リ この度、上様がお認めになった毛利家の所領は、
';::.:L .::: { r〈 防長二国、三十六万九千四百十一石ですな。
';t‐ェェタ イ >、_
i:::二 / // \ つまり、今まで通り、ということですよ。
`ー</ /o\ \ よかったですねえ。
rヘo// ̄ ̄:.::\∧
∨//.::.::.::.::.::.::.::.::.ヽハ
/7ロ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.} _}
{ |圦:.::.::.:.::.::.::.::.::.::.::「 |
V |.:}ヽ.::.::.::.::.::.::.::.::. く|
{ノ:ノ ハ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.}
Ⅳ ∧.::.::.::.::.::.::.::.::.:}
}リ / 〈.::.::.::.::.::.::.::.::.::}
くく 〔.::.::.::.::.::.::.::.::.:{
/:l:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:l:\
/ :l:|:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l: \
:l:|:|:|:|:|:l: : : :l : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l:|:|:|:l:∧
:l:|:|:|:|:|': : : ;l:l : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:∧:|:|:|:|:l:|
:l:|:|:|:|:l : : ;l:|:|:l : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:l/‐-Ⅵ:|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: : ;l:|:|:|:|:l : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:/ , f「 Ⅵ|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: :;l:|:|:|:|:|:|:l : :l:|:|:|:|:|:|:|:/ │|| l:∧|:|
:l:|:|:|:|:| ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l :|:|:|:l:|:|:|:|′ ヽ′ ノ│|:l い、今まで…通り……。
:l:|:|:|:|:|;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l::|: 〃Ⅵ:|:| V
ヾl|:|:|:|:|:|:|:|:l( 〈⌒∨ Ⅵ ,. 冫
Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:l\_ u. /
≦l:|:|:|:|:|:l:∧ ∧/∧ __ ノ
 ̄ // ̄ | ′ 丶 ∠7 /
ノ \ /
/ │ > 、_ノ
| ̄\ │ /
/> 、 \___〈
∠二  ̄ヽ ___ |
/ ̄ 〃 ̄ ̄\  ̄\
// \ \
- 77 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:49:36 ID:GIsVuTRs
- //|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:lハ
//l|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
//:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
///|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:∨
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|/|:|:|/|:|:|:|:l/Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|∧:| |:l/ |:|:|:/ Ⅵ:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:/|:|:l/_\|/u |:|/ Ⅵ|:|:|:|:|:|
ノリ:l:|:|:|:|:|:|/ |:|/ ,-、ヽl\_, |/ ノ|:|:|:|:|:| (よ、よかった…本当に…!)
> イ⌒|:|:|:| l/ じ! ノ〉 乂 ー ,ニ二、 |:|:|:|:|:|
 ̄ノ八ヽ∨|:| │ ` 彡′ l iJ 〉,l:|:|:|:リ| あ、ありがとうございます…!
 ̄\\ V:| J il| ` ー彡//|:|/ これからも、上様の御為に働く次第でございます!
\\」 , 」 / l/l/
/ ヽ ', u / l/
/ Vl ∠二ニハ 〉 イ l'
l l 、 イ厂⌒∨l /〃 l'
l│ \ ハ |ノ / // /
| |、 ヽ丶-イ / // /
| | ヽヽ /`二 ´ </ /
| | ∨ / /´ //
/ / |/ / /
_,,.. ._
,r;';;;;;;, _,..、`、 …なぁに、貴殿の主張が認められたからですよ。
i´_,.. - ' _゙、,ヽ 甲斐守殿には気の毒な事になりましたけど、
l゙、 ,.、 '´rニ,゙v i . .これを機に、もう少し関係修繕に努められてはどうですかね?
ヾ iャ'j; ` i' r'~ヽ,ーュ: ; _
ュ'ヘ ヽ ' _, i .! .i !`ー┴-ニ`y、
,.r'´;l´::.:..ヽ, '´. / ! .l, :::.:.:.:.:.::: }' i .
_,.-'~ヽ l ::::.:.:. `!ー '" ry'`ーi ::.:.:.::::..: l r,!
..,.-='´ `、゙、,l ::::.:.:.:. l .`t-r' i ::.:.:.::.:.:: l リ !
/ `ヽ, ヽ l :::::.:.:. .i 冫l '",i .:::.:.:..:.:. l , i,
.,rー'ュ、 ゙, _, -=' ト-t_ :.:. \_⊥-' :.::.:.:.,..._,./ ,7 `;t
. ,ヘ.! i^,.`i /' ~ . loj :.:~`rー '"~  ̄ ̄l oj l ;' l
ヾ、」y' _r' ´ .i´、:.:.:∫::.:.:.:.:. .:. :.: , `´ `t ..,_ !
. `7,' ´ _,l._ ` ! :.:::.:.:.:. :. :.:. :.:. :.:.: { l, ` `i
- 78 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:51:14 ID:GIsVuTRs
- / : : / : : : /: :./ 決 .家 .:
,': : :, : : : : /: : :i .め 中 そ
i: : :/: : : :∨: :.イ| た .と れ
|: :,': :イ: :/ヽ:/ }:| く 相 は
|: !: 川: :i: :/\|:', .: .談 ま
!::|: :|: |: :|:/、 ,,|::∧ の た
|:ハ: !: |ハ:{`‐-‐レ \ 上
|:{ヘ:|: |∧! i \ .で, イ
!j ヾ:.!:| )ノ ̄ /〃ハ
):|ヽ r- 、 /: :ト.、
∠ヘ:N::.\ ⌒ イ: :|ヽ{⌒
)ノ| ` 、_ , {ヽ{
ィ「∨ _Ⅳ7
//  ̄∧ ∧ 〈 ` ‐
,ゝ:;:l´ i::::::::::::::::::::::::::::::::::i
'´ /l ( ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::l
! | ヽー‐-‐ `i:::::::;;::::::::::::::::::l (…こりゃ難しそうだねえ…)
:: ;;; ,, l !:/´`ヽ:::::::::::::|
:::;;;;ヽ l ミ=-‐' ,' l::::::::::::/
ヾ::::::) l i ー-‐'ヾ:::::::く
ノ;::ノ 「 ' 〉;;;,-‐L
ヾ::) ヽ-┬┬ ' > ./く \
゙・━ ゝ┴┴ ' ,/ ヽ、
ヽ__,,,..-‐ '´ / | ヽ-‐ '´
こうして、この朱印状改に切っ掛けにした毛利家の一連の騒動は、落着したのであった。
- 79 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:53:25 ID:GIsVuTRs
- その後…。
/:l:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:l:\
/ :l:|:|:|:|:l : : : : : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l: \
:l:|:|:|:|:|:l: : : :l : : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l:|:|:|:l:∧
:l:|:|:|:|:|': : : ;l:l : : : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:∧:|:|:|:|:l:|
:l:|:|:|:|:l : : ;l:|:|:l : : : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:l/‐-Ⅵ:|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: : ;l:|:|:|:|:l : : : ;l:|:|:|:|:|:|:|:/ , f「 Ⅵ|:|:|:|
:l:|:|:|:|:l: :;l:|:|:|:|:|:|:l : :l:|:|:|:|:|:|:|:/ │|| l:∧|:| 但馬殿!
:l:|:|:|:|:| ;l:|:|:|:|:|:|:|:|:l :|:|:|:l:|:|:|:|′ ヽ′ ノ│|:l この度、我が毛利家が無事だったのは、
:l:|:|:|:|:|;l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l::|: 〃Ⅵ:|:| V .但馬殿をはじめ、御歴々の御理解の賜物です!
ヾl|:|:|:|:|:|:|:|:l( 〈⌒∨ Ⅵ ,. 冫
Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:l\_ / この長門、あらためて御礼を申し上げたく…。
≦l:|:|:|:|:|:l:∧ ∧/∧ 丶__ ノ
 ̄ // ̄ | ′ 丶 /
ノ \ /
/ │ > 、_ノ
| ̄\ │ /
/> 、 \___〈
∠二  ̄ヽ ___ |
/ ̄ 〃 ̄ ̄\  ̄\
// \ \
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (⌒)(⌒) .|
! (__人__) | いやいや、これも長門守様の主張が正しければこそで…。
, っ `⌒´ | それに、御家中にもよい臣がおられたからかと。
/ ミ) /
./ ノゝ / (…えらい喜びようじゃのう…)
i レ'´ ヽ
| |/| | |
毛利秀就は、主だった幕閣のところを次々に訪問し、御礼を述べて廻ったという。
- 80 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:55:35 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ …やれやれ、長門守様もお帰りになられたし、
| `∩_ノ)━・' これでこの件は一件落着、というところじゃの。
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/
<ドタドタドタ…!
/ ̄ ̄\
\ / \
.(●)(● ) .|
(__人__) | なんじゃ、この足音は…!
.(`⌒ ´ | 何事じゃ!?
{ |
{ /
\ /
ノ \
/´ ヽ
- 81 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:57:10 ID:GIsVuTRs
- _.. -ー'''''''―-..,,, 、_ハノ_ハノ
/゛ `゙''ー ..,,,,,,__、 \ \、_ハノ_ハ ).'
,i'゙,,....,,,、 ,,,,.....,,..二T" ヽ\).',..、
i./ `''、 `'';;;;;;i、 /
,!l 夢> i'i|.゙l , `'- ヽ,) 何が何事じゃこの長饅頭めがッ!!
l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、 ) ) .
!l,,_ l / '´ ...} /`ヽ この俺が降臨してきたやったわーーッッ!!
.',_/ / ! /..l_)
l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ / .l,) 貴様に今一度不動智をブチ込んでくれるわッ!!
l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\ _,,,,.............../ ! /-、
リ',、 .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ / .,.‐', l .,ソ/ヘ '"
'!|.l. / .゛', ;;l" / ., / l, .', // //7/ヘ /l ト、 |\
_,.l,', ;;,'-'./ ゙./ _,,,/ ! ..l ,ゞ゛ ,/ _____V__ | l ヽ|
,./ '" ゙''" / , ''"'''"| / .l l .l./
i'" ./ ./ / ., '~', .l ! / ;',
_..-'"゙゙フ'./ / ,/ ./', .', .l /;:;:;:;:;:|
/゛ イ゛,/./ ,/ ,,-', .l .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;| .、 ,
, ',゛i!〃゛ / ., ''.l ', .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-、、 ゙',ゝ、,.l,
,..┴-iフ" ./ ._‐{ . ! ', ._ノ'l丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;| `''' !./ -',、`′
/ / .// l ', .,ゞ゛ !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ! . ゙'- `'
/ . / .,,/゙l゙ .! .l ._ソ" .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !
/ ., ''l'7 ! ヽ,,,,','"| ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
./ .,-{..,i,' | ′ .l_ !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;!
: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ .',,'',、 .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
..ィ ! ', ',`'、. _,,,',. ゙リ..,,,_ !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l
', l l..,ノ'´ `'-、 .,,...../ ゙'イ;:;:;:;:; ゙゙̄''゙‐' ..、;:;:;:;:;:;:;:;!
.l .!/ `'-,, \,ノ゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
.,','----.... ......,,,,,_、 `'く、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.!
. ゛―----........,,,,_、 .`゙''''ー-ミ;;ッ、,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.!
------ ....,,__ .`゙"'― ..,,、.゙/゙'''-、、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l゙
ー''''''''''''―-..,,_ ゙゙゙̄"'''ー ,,, ./゛ `''ー ..,,,_;:;: /
`゙'''‐ ~
禅僧:沢庵宗彭
(たくあん そうほう)
- 82 :名無しのやる夫だお:2010/05/02(日) 23:57:41 ID:RNB1aNAg
- でたな禅モンスターww
- 84 :名無しのやる夫だお:2010/05/03(月) 00:02:03 ID:3HTvFnOk
- 最終回おつかれさまでした
※管理人注:デトロイト・メタル・シティは2010/04/23のヤングアニマルで最終回
- 83 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/02(日) 23:59:17 ID:GIsVuTRs
- / ̄ ̄\ て
/ _ノ \ そ
| ( ○)(○)
. | u (__人__) お、和尚!?
| |r┬|} な、なんじゃ突然…!?
| u. | | |}
. ヽ `ニ}
ヽ ノ
/ く \
| \ \
| |ヽ、二⌒)、
,. '"´三二二三`ヽ
/,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ
/ / 夢 ', ヽ
/ /::( ノ:::) ヽ
/ /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``', ヽ
/ ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ', ヽ
/ / ,, ,, ', \ \、_ハノ
/ /::、 / .;;;;;;' ヽ /::ト、 ヽ\).',..、
./ //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V . /
/ // 1:::::; V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV ;:::::ト、V ヽ,) 何が突然かっ!
/ // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ ;_ ___ノ) ) .散々飛脚を飛ばして呼びおったくせに、
/ // / l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:| ;::: ̄\ `ヽ 今更驚くとはどういう根底じゃ!
/ // / 1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.| ;::! i i _)
. / // / / l:::;. |WWWWWW! /1 | | .l,) まだまだ修行が足りんぞ、但馬ッ!!
/ // / / .|ヾ、 L二二二ニノ / | | | /-、
. / // / / |(__ノ\ /xxxxxヽ/ /! ! ! .,ソ/ヘ '"
. // / / ノ ', l}}}}}}}}}}}}} /| | | | / //7/ヘ /l ト、 |\
// / / ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/ l | | | / V | l ヽ|
. // / / l >.-、/ ヽ ヽ | | ! !
// / / |/ / \) l/ | |
.// / / V 〉 '"´ ``ヽ). | !
/ / 〈 '"´ ``ヽ) l/
- 85 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:02:10 ID:RjHlIp1.
- て
/ \ そ
/ / \ ヽ と、殿!申し上げます!
| ./\ u | 只今、沢庵和尚が当家の裏口から入られたと…ああっ!?
ヽ / ̄\ /
,,.....イ.\ /
: | '; \_____ ノ.| ヽ 、
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
柳生家家臣
山中忠兵衛
(やまなか ちゅうべえ)
/ ̄ ̄\
/ \ /
| ( ●)(●)
. | (__人__) 遅いっての!
| |r┬|} もうとっくに入っておられるわい!
| u. | | |}
. ヽ `ニ}
ヽ ノ ビシッ
/ く__,-ュ__ て
| ___ 三) (
| |  ̄ ´
- 86 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:04:19 ID:RjHlIp1.
- / ̄ ̄\
/ u ノ \
| .u ( ●) |
. | (__人_) しかし和尚、来るなら来ると言ってくれれば、
| ` ⌒ノ いくらでも出迎えの準備をしたというに…。
| }
ヽ u }
ヽ ノ
ノ \
/´ ヽ
_,.-'"´ 三ミ、ー-、
/ / ィ /⌒`⌒ヽ\
/ / / / 夢 | ヽ
/ / イ´^ー、 ,.. 、)、 ',
, ' / / //ヽ、 ゚ゝ イ ゚ノ| | フン、出ると決めてすぐ出てきたからな。
//イ / /::::、 '´ ` ̄'|| | それに、相変わらず貴様は忙しそうじゃったからのう。
/ /イ / |::::::| / _┗' ,イ 、| 現に、今、入れ違いで屋敷を出たのは、
/ / |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ ありゃ毛利家の当主の駕籠じゃないのか?
/ / ,イ ,' | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
/ / / ! \| | |::::::::::|! /! ! |
, / / / |┐ \ `━彡' | !ヾー-、
/ /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ! `ヽ、
, ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、 ヽ
/ 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ' ヽ _,. ' 〉
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (⌒)(⌒) .| ははは…和尚にはかなわぬの。
! (__人__) | しかし…
, っ `⌒´ u |
/ ミ) /
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ
| |/| | |
- 87 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:07:39 ID:RjHlIp1.
- / ̄ ̄\
/ \ /
| ( ●)(●)
. | (__人__) こうして、出てきてくれたということは、
| ` ⌒´ノ ようやく決めてくれたのじゃな?
.l^l^ln }
. ヽ L } 上様の御前に出ることを…!
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)
ヽ__ノ
_,.-'"´ 三ミ、ー-、
/ / ィ /⌒`⌒ヽ\
/ / / / 夢 | ヽ
/ / イ´^ー、 ,.. 、)、 ',
, ' / / //ヽ、_ゝ イ_ノ| |
//イ / /::::、 '´ ` '|| | ………。
/ /イ / |::::::| / _┗' イ 、|
/ / |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,' | ハ:::::| / ;|/ | |\
/ / / ! \| | ./! ! |
, / / / |┐ \ `─彡' | !ヾー-、
/ /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ! `ヽ、
, ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、 ヽ
/ 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ' ヽ _,. ' 〉
- 88 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:09:39 ID:RjHlIp1.
- _,.-'"´ 三ミ、ー-、
/ / ィ /⌒`⌒ヽ\
/ / / / 夢 | ヽ
/ / イ´^ー、 ,.. 、)、 ',
, ' / / //ヽ、 ゚ゝ イ ゚ノ| | …但馬。
//イ / /::::、 '´ ` ̄'|| | 俺は、今でも幕府には好意を持っておらん。
/ /イ / |::::::| / _┗' イ 、| .今回の件は、あくまで貴様や堀丹後殿、
/ / |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ それに、天海僧正への義理立てに過ぎん。
/ / ,イ ,' | ハ:::::| / ;|/ | |\
/ / / ! \| | ./! ! | それでもいいなら、上様の御前に出よう。
, / / / |┐ \ `─彡' | !ヾー-、
/ /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ! `ヽ、
, ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、 ヽ
/ 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ' ヽ _,. ' 〉
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●)
. | (__人__) なに、構わぬよ。
| `⌒´ノ 今回はそれで構わぬ。
. | }
. ヽ } …それでは早速準備をせねばな。
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
- 89 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:12:05 ID:RjHlIp1.
-
/ ̄ ̄\
/ \ / \
| (●)(●) |
. | (__人__) | (さて…この和尚と、上様を逢わせることがどう出るか…?
| `⌒´ ノ いや…!なんとしても良い方向に向かわせてみせねば…!)
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
かくして、毛利家の一件が終わった直後、
今度は、沢庵和尚との一件が始まったのであった。
「御世替の御上洛」に絡む物語は、まだ続くのである…。
- 90 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:12:34 ID:RjHlIp1.
- ,.....-―――.---....
, -―‐-. 、 __,.. -―――-. . .__ __,...イ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヘ.
/ ´ァ―ミ. 、ヽイ: : : : : : : : : : ヽ: : >ミ丶. >.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.、:.:\ 、 ヽ
i: :〃: : : : ヽ:l :}: : :,: . ./ / . l ヽ `.ーヽ- ´7´:.:.:.:... ヽ ヽ. ヽ.、 ヽ ヽ....:.:ヘ
|! {!: : : : : :ノノ:リ/:/ //_:/ム/! l l.|!l !. i . .ヽヽ} //:.:.:.:.l.:ト, .--:\:.:.弋 Tト:.:ト:.|l|:.:.:.:.:.ト ヒロ「ねえ、今度は私の出番、あるかな…?」
,>、`: ==':彡イ!: |:,.イ:/_//ノ }/:.リ T トl l i ヽ乂 /イ:!:.:.:.:.:{イ__丶ト、:.ヽ:.:.},>zミヽ!:!:.:|:.:. {
.(: {: 77テチくヽ从:イVァ 7丁ヽノ';/ノムミ }|!:|: l:|lハ lイ!:.:|:|トl/l:丁ヽ 丶 rヘ{_:::しi}`}:.:.: ト.:リ 沙英「…あったらいいよね」
}人{ミ:`ヽくリ:{ ヽ〈{...:::ー1 /'´ /(_jⅥ/l:.リミ)fY1 |{:.:lト! r十::ートir==.「 廴z.リ}j:.:.:.:ハl}′
ノノヘ}ノ《:八`:ト、廴zツ ヒ::リ }/リ}ノ):ノ/Yヾ. ヽ:ト}:{!_ゞ≦ノ, 廴__,リ:.:.:/.ノ
(ミ:くノ<ヽニミ、;ヽ xxx 丶xx`7ミ〈ミフ//^「.{! |从 xxx 、 __ノ xx ノ:.:/イ′
〈:く´てr’ ,.イ´}ソ ` ー ' ノ-}:.リ j/!「1 {ヽ ヽ>、... __ . 彡/イ′
ノ'′ 廴く ` ミ z--z._ チァ廴く | 'ノ| ! i `{,ィ7:7、}‐ ´ ,.斗‐ 、
/ァ,、メ\ `71ト\ ト.` く(. | | | / |/:/{{/ { /:, < ヽ:ヽ
/// \\ヽ∧ム!ヽ:ヽ| ! | {、 |l〈:.:{‘7く 〉':.:/ /⌒ヽ}
/´ ̄ ̄ `ヽヽ.ヽ ヘlト、_}:.ノL ,.ィァ′ .ノ、 }ヽ. { /:ヽ/'l|〈、:./ / i
{ V;斗‐ |! ヽ゚ヽ {./ ! /l ト、 | \//:./':.:l|`:ーヽノ }
ヽ. ` ー ヽ:ヽ:.:|!:ハ〉:/{ ヽ /ト.j {/|〉′ } ヽ:.:.:.:.:.lj:.:/:.斗 ' /
{\  ̄}、:.:.:ノ 、 ヽ.|/ V / \、:.:.:.{「 /}
lヽ.\ `ブl ヽ フ \. / `i:ノ′ /:/
ヽ `¨\ / /| ヽイ ヽく |ヽ`丶 /:.:{
__ __¨ ./
_) _) \
- 96 :名無しのやる夫だお:2010/05/03(月) 01:44:53 ID:LA.a2rLA
- 乙!
次回も楽しみにしてます~
- 92 :やる夫で学ぶ柳生一族(その34):2010/05/03(月) 00:13:24 ID:RjHlIp1.
- どもども、お疲れ様です。
本日もお付き合いありがとうございました>皆様
やる夫板Ⅱに移って初めての投下ではありましたが、
今のところ、大きな問題はないようで重畳ー。
バタバタあったせいで、なかなか更新できなかったのですけど、
とにかくなんとか投下できてホッとしております。
今回は宗矩というより、毛利家の方が主体でしたけど、
資料を調べてると、毛利家と宗矩の関わりについてもあれこれ出てきたりして、
調べてるこちらも面白かったでアリマス。
「佐野道可事件」なんかは、柳生方面からだとあまり書かれる事もありませんしね。
多分、他の大名家に関しても、大名家側から調べたら
宗矩との関わりがあれこれ出てきそうで楽しみでアリマス。
ともあれ、結局、次回も合わせて
この上洛編は3部構成になってしまいそうですが、
なんとか次回で終わらせて、一区切り付けたいところ。
何気にこの時期、色々あったりするので、話が膨れます喃。
むむむ。
それではではー。
- 97 :名無しのやる夫だお:2010/05/03(月) 01:49:37 ID:hBxROHIY
- 乙でした。
あれは嫌な事件だったね・・・
- 95 :名無しのやる夫だお:2010/05/03(月) 00:24:59 ID:IeRRbtLs
- >>1
おつかれっすー
なんかこの時期の毛利のごたごた話を見ると
毛利が「幕府倒すっすー」「無理っすー」の繰り返してたって話って本当じゃないのかなぁ?
- 98 :名無しのやる夫だお:2010/05/03(月) 04:39:58 ID:ASMHThNc
- 乙。
慶安の頃までは大名は自家の存続に大変だね。
>>95
黒田騒動や伊達騒動みたいに重臣と大名の仲が悪くなった場合、
あんな儀式やってたら一発でチクられるんで後世の創作じゃないかと。
少なくともこの時期にやってなかったのは。
続きはこちら
>>95
返信削除子孫がガセだって証言してる。
本当に恨み骨髄でいつか刺してやろうと思ってる奴は
返信削除口には出さずに表向きは笑顔でヘラヘラしつつ
腹の奥底にドロドロと貯めてくものだしなw