2010年9月1日

やる夫で学ぶ柳生一族 その36

<<一発ネタ | まとめ | その37>>

340 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:32:59.25 ID:5ERlGQw0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生 : 柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)】

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |        柳生家の当主にして幕府惣目付、
. |  (__人__)  |        そして徳川将軍家剣術指南役、柳生但馬守宗矩だろ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;).  常識的に考えて…。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/




344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:38:19.89 ID:TjWDzq20
待ってましたっ!

343 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:37:32.79 ID:5ERlGQw0
【寛永十二年(1635)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├─────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                     妹
  (新左衛門)                                                    .|
   (石舟斎)                        【江戸柳生】                  <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                        |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                       友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                     .|
    |                            (但馬守)                       |
    |   【尾張柳生】                   |                         |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬─────┐       |
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳       友矩      宗冬    .友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛)    .(左門)     .(主膳)
           |                   (幼名:七郎) .(刑部少輔) (幼名:又十郎)
           |
           ├─────┬────┐
          .清厳      利方     .新六
        .(新左衛門)  .(茂左衛門)

345 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:38:40.10 ID:5ERlGQw0
【第1部(その1~11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復、
更に家康が幕府を開いたことで、宗矩が将軍家剣術指南役となり、
柳生家、そして柳生家の新陰流…「柳生新陰流」は、一気に繁栄の路を進む。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その新しき世において、柳生家は将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、
尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」の二家に分かれ、
宗矩は「坂崎事件」を解決するなど、剣術指南の枠を超えた才を発揮し、柳生家を発展させ、
兵庫助は新たな時代の剣、「直立たる身」の工夫を編み出し、新陰流を発展させる。
その後、時は寛永・三代将軍家光の世に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25~35)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の禅僧・沢庵が紫衣事件で罪に問われ、
また自身も主君家光より難題を出されるなど、次々と苦難が立ちふさがる。
だが、寛永九年(1632)、大御所・秀忠の逝去によって赦免された沢庵より
「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、信任を確かなものにする。
その後、六千石への加増、「惣目付」への就任など
更なる立身を遂げた宗矩は、実直に役目を果たし続けるが、
寛永十一年(1634)、家光親政下の一大イベント「御世替の御上洛」の際、
次男・友矩が、家光より従五位下・刑部少輔に取り立てられる事態が発生する。

 友矩のこの立身によって、謹慎中の嫡男・十兵衛との関係、及び、
衆道的寵愛による立身に対する周囲の反発など、また新たな悩みが宗矩に降りかかるのであった…。

346 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:40:25.35 ID:5ERlGQw0
─ 前回の話 ─
                          r 、 パアアアァ・・・☆
       ,..-‐ '' '' ¨ ゙ ゙  ̄ ゙ ¨'' - .   ヽ、゙ヽ
    ,.<      ,  ,ィ        .ヽ   ヽ  .ヽ、     二次元最高だお!
  /    ー-一''"´ ,ィ彡f,ィ"´: : .     ヽ   .}   ヽ、  梓こそ拙者の正室なんだおー!
 /         ,ィ彡彡f゙. : : : : : :      ゙;  ,'     } 
.,'  . i      ㍉彡".‘ : : : : :        } ,/     .}
{    ,l       ¨゙''=、            ,!'      ,'
{   /  ,,       ,ィ’、         /       '
',  ,ノ  ,ィ彡x!   r‐'"ゝ' \       /
.',  . ,ィ彡彡"、  ,イ、ゝ"   \
. ',  彡彡''"´ `¨ヽ<       ゙i
 ',  ". : : : : :    .\     ノ
  ',  : : : : :       ゙ー-‐''"
  '、 : : :
   ヽ
    \       /
     `==-==ィ'
r- ._     _.<
゙ヽ、 ¨''‐-‐''"
  ` ._       _ .
      ` ‐- '' ¨
            柳生十兵衛三厳
        (やぎゅう じゅうべえ みつよし)

              |  |、
            _,..-j  ソ
      -=二フ ̄ ̄`  ´ー-._ __
     _,..=ニ-j   _,        ̄`三ニ=-
        ムこ´厶_/^Vレ'\j`ー、iー-、_っ
      //,    ̄``ー-! _∠...-―‐-!
      ji//  -‐て_j-、_   __,......__  |
     ハijフ   `ー--―  、´_ `ー'_  i,
    i ijレ          '、~ ̄   i_`、    はっはっは。
   f^Vj、        .   j      i弋!   さようでござろう。
   |_Li i`、       ̄`        ,i=/
   キ=j_ノ   ./ ・… _・‥,   ∠_    ちなみに 唯はそれがしのそくしつなので
    E三'´  , /-=ニ二__...二j !   /~    とったら ただではおかぬ
    `、        ー    ;   ノ
     `ー-、___,,__,_,__,_,.../
       ///i    / /\
      //,ヘ 川  / / / \
    ///  \ソi|、/ /  /   \
   ///     \|jv'  /     {
  j//       //` /      '、
  //        // /        `、
       近隣の豪族・落書
       (大和二次元党員)

 柳生十兵衛三厳は二次元に開眼しました。
魔法剣士まであと一年。

349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:43:50.71 ID:TjWDzq20
剣豪そしてダメ人間としてのレベルが爆ageしてるなこの十兵衛

348 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:43:21.79 ID:5ERlGQw0
            |
            |  ....   / ̄\   
            |  ....  |  ^o^ |    …というありさまでございます。
            |  ....   \_/    いかが いたしましょうか』
            |  ....   _| |_
            |  ....  |     |
            \   柳生庄代官
             \
   / ̄ ̄\      ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 /   _ノ  \      |   ./
 |    ( ○)(○)     .|   /
. |     (__人__)     |  ./
  |     `⌒´ノ    ...| /
.  |         }     ∨ __
  \      } / ̄ ̄⌒/⌒  ./
  (⌒\    /     /    / ←代官からの書状
  i\  \ ,(つ    /   ⊂)
  .|  \  y(つ    /,__⊆)


      / ̄ ̄\ ´_
    /  ─  ─\
    /   (●) (●)ヽ    父上、それは柳生庄からの書状ですね。
   .|    (__人__) |    兄上はお元気でしょうか?
   .|      `⌒´  |
   ヽ         /
   /   ヽ     ノヽ
  ./ /   ∩ノ ⊃|  |
  (  \ / _ノ |  |
  .\ “  /__|  |
   . \ /___ /
    柳生主膳宗冬
(やぎゅう しゅぜん むねふゆ)

350 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:45:24.66 ID:5ERlGQw0
   / ̄ ̄\
 /  _ノ  \\
 |  (●)(●)│
. |   (__人__) │     …主膳、お前、
  |   .`⌒´  }    「二次元党」なる集団は知っているか?
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ      |\    /|
  /   /⌒ノ  \/ ( )
  |    / / |      |


    / ̄ ̄\
  /  ─  ─\
  /   (●) (●)ヽ    ……はあ、まあ、そういう集団がある事は
 .| u.  (__人__) |    一応存じてはおりますが…。
 .|      `⌒´  |
 ヽ         /
 /   ヽ     ノヽ
./ /   ∩ノ ⊃|  |
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /

352 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:47:28.64 ID:5ERlGQw0
   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |        どうもな…十兵衛の奴が
. |  (__人__)  |       件の連中と付き合い始めたらしくての。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)  問題のある集団であれば、
.  ヽ       }   /;;/  .すぐにでも手を打つ必要があるのじゃが…。
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

           / ̄ ̄\
         / ─  ─ \
         /  (●) (●) .ヽ     えー、それは心配いりません。
        .|   (__人__)  |    ただただ物語の女人に真実の愛を見出した数寄者達です。
        .|     `⌒´   |    何の害もありません。言うなればマジ紳士。
        ヽ         /    
 r、     r、/ ヽ       ノヘ    …と私の知人がそのような噂を聞いたと申しておりました。
 ヽヾ 三 |:l1            ヽ
  \>ヽ/ |` }           | |
   ヘ lノ `'ソ            | |
    /´  /            |. |
    \. ィ               |  |
        |               |  |

355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:50:40.05 ID:TjWDzq20
>…と私の知人がそのような噂を聞いたと申しておりました。

その知人は宗冬自身だろww

354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:50:12.62 ID:P5UQzDw0
紳士ってガラだろうか?ww

358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:53:24.14 ID:r2nk3iwo
世の中には
「あ、あ、姉上ぇぇぇ」とか自家発電する十兵衛とか書いちゃう
恐れ知らずもいましてな……

351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:46:25.97 ID:DJf2.Yso
若い妾持ってるリア充のあんたが女性関係で息子にどうこう言える立場かww

353 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:49:36.38 ID:5ERlGQw0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /   _ノ ヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/    何を言っとるのかよくわからんが、
. |    (__人__)  l;;,´    公儀に歯向かう不逞の輩などではないのじゃな?
  |     `∩_ノ)━・'     ならば、まあよい。
.  |     |_ノ       
 /ヽ    |  |_         謹慎も九年目に入っておるのだからな。
 |  \_/ ノ ヽ        その程度の息抜きくらい、大目に見てやるか…。
 \     /_|  |      
 | \ /  _/


    / ̄ ̄\
  /  ⌒  ⌒\
  /   (⌒) (⌒)ヽ     それがようございます。
 .| u   (__人__) |    ええ、ようございます。
 .|      `⌒´  |    (…助かったー)
 ヽ         /
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ ← 実は江戸二次元党員

356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:51:26.03 ID:DJf2.Yso
宗冬いつのまにか語尾がでしゅじゃなくて普通の敬語になってるww

357 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:52:18.59 ID:5ERlGQw0
           / ̄ ̄\
         /  _ノ  \\
         |  (●)(●) .|    …最近の若い者の趣味はよくわからんが、
         |    (__人__) |   主膳、お前もほどほどにするのじゃぞ。
         |     `⌒´  .|  
          |         }    なんじゃお前の部屋のあの絵巻物の山は。
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !


     / ̄ ̄\ 
   /    ─ ─
   /    (○)(○)
  .|  u.   (__人__)   (バレテーラ)
  .|       |r┬| |
  ヽ      `ー'./ 
  / ヽ       ノ 
  /        く  

359 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:55:35.66 ID:5ERlGQw0

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(●)            まあ、和尚がいる間に起きた事じゃし、
.   |     (__人__)           どちらにせよ、大した問題でもなかろう。
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ
   .l^l^ln      } `‐=   )      そんなことより、
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)   明日もまた評定か…忙しないのう。
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ

360 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:57:19.20 ID:5ERlGQw0
 さて、ここからは「御世替の御上洛」以降の幕府の話に移る。

     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }       雅楽頭(酒井忠世)が抜けた後、
  ヾ|!   ┴'   }|トi  }      大炊(土井利勝)、讃岐(酒井忠勝)だけでは
    |! ,,_      {'  }      幕政も回らんからな。
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ     頼んだぜ、お前達。
     ヽ__,.. ' /     ヽ
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    三代将軍・徳川家光

     「ククク…承知した」         「ホントに私で大丈夫なのかしら…」    「上様…今宵も刑部なのかい?」

   /// // /::;/llハ:::|:ヾ:::::l ヾ|    ..//  / / ,ィ l /l  / /! / /,イ     .  - '´/./     l     |、 '、  '. ┛┗
  / // / /  /  /:/ ヾ :リ i i \ ....../イ  /ヶ/.ム,i/l/|/ /  /__瓜!,_  ..    {/  / / ,| ,i  //| ヽ、'、 '.┓┏ヽ
   ̄/// //:::::/、  /:/   | :l | i  }  ' l   / / / i' !'ヾ! // /´/ / |        / i /i  !/ |i.| //,.ir‐_.エ_、 | '. . l `
   //// /:::::/__ ヽ //   _ l:::::| | | /  . ,!   ,/-たアな、/ /ノ_;ァィスェメ  /     /.ィ | /! /|_.⊥| ri|´ィf´弋ソ`i !i|ヘ | !
  l// //:::::/T;;;;ラヾ// /二__|:::::| l //  ... | / /V/`、辷以     {rち'タゝ  / .. ィ´ |  ! { | 「レ' 'i,ソ/ ヽ       lレリ !.|
   | l//:::/ `=- /  /エ;;;,)_,|::::|ヽ /   . l /l .!            ̄ /,イ /      | /|i| i l∧ ´ | l _     ,レ' |リ
    l/ /:::/       /   ̄ |:::::|l /     !/ ! i. ! u.         // !/       V ハ.ト |. ヘ   `_...,    /! ト{ 
   ▽ |:::ハ      /    }:::// |     ..!'  l ,'/ヽ    `     /' / ,'  /       リ .}l ,ヘゝ.      ./|リ|iト.| 
     ,):ハ|ヽ `- __,  /////l |   ....   !/ //l\   、 ._     ,ィ´/ /          /ヘ! V ` ,.、   /. ト{ノ ハ
    ▽リリ| \ 二" /リ:/|▽ ▽        シ' ,! ./\   -   /i'//イ/             レ」/_| ` ´ .' !‐ 、
    /{ 〈|   ヽ- "/:| ヽ▽       ...     /,/ //,个ー ' ´  l//   ..        ,. ‐'´  |   .'  ,>' ヽ、
       松平伊豆守信綱                阿部豊後守忠秋               堀田加賀守正盛
 (まつだいら いずのかみ のぶつな)     (あべ ぶんごのかみ ただあき)      (ほった かがのかみ まさもり)

 まず、寛永十一年(1634)閏七月、将軍家光は、
六人衆のうち、松平信綱、阿部忠秋、堀田正盛を従四位下に引き上げ、
元々年寄であった信綱だけでなく、忠秋、正盛にも年寄並として奉書に加判することを命じた。

361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 21:58:19.32 ID:TjWDzq20
女性抜きの三角関係か…

362 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 21:59:25.55 ID:5ERlGQw0
 これは、年寄の一人であった酒井忠世が、
上洛中の江戸城西の丸炎上に関連し、出仕を禁じられたこともあり、
ほぼ入れ替わりの形になった。

       _.. -= ' ´  ̄ ` - .,_     
     ,r'",,;;  ,;;;; ,,;;;  ,;;;;;;;;;;,,ヽ、   
    / ;;;,  ,,   ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ  
   ./;; r- ...,__  ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ, 
  ,i ;;; l  / ノ ~l;'~       l ;;;;;;;;;; i 
  i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___  .v ;;;;;;;; l 
  !, ;; i'-,- '''ヾヽ  ~`r' ー=-~` i r- 、i     どんどん若い奴が入ってくるねえ…。
   ヽ、i 'rーu-,i l   t'~"uー,.   l,lr' ll    俺達の出番もそろそろ終わりかな?
    i, i ヽ、_,/,i   ヽ, -'"   リ j i 
     i     l :::.      ..::::  ,/ 
      l    i_ ヽ     ..:::::: r'"-.,_ 
     i   ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ
     ,._,-'"-' ~`二  '"  :::::: ,y ,i ヽ, 
     ~_.ヽ    ''    ..::: ,-'" i   /i 
  _,.-=' /, ヽ、      ,.-' ,'  ,r  ,y l 
- '"   / i l丶,-ヽ- ='"  ,'  /  ,'  i 
       土井大炊頭利勝        
   (どい おおいのかみ としかつ)   

       / : :.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.ヽ' ノ}、::{.|
     〃、 :.:.:/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.、\.:.:.:.:.:.:.ノ|゚´リ、/:ハ:l.|
     /  ` -{‐ !ー{ー ‐!--ヽ'ヽ ̄二_,!´;}l.:!:::::}ハ!
    ハ;`‐/ -|-:|ー:|ー-'{‐|:‐:ハ::|"!:.:.:.:}}イ:::}.}:::ソ:∧
     !:!{ :.:!.:.:.:|.:.:!:.:.:.{.:.:.:.:.l∧N レヽト、:.:.リ.|::::|´';:!l::::ハ
     !| !.::i!:::.i:ト、|ヽ:∧::::::ハニ|三,ニニ、.Y.:.:|::::|f. }l.l:::::ハ      まだまだ彼らは若い。
     !! ',::ll:::::l:!ェニニミヽ::::∧ /´ヒzリノノ!.:.|::::|リ/:!l::::::::}.    我らが隠居など考えるの早いでしょう。
     { ∨:::i::l{《弋zj`  \::ヘ  ̄ ´ |!.:|::::|ノ::::!l::::::::ハ    .これから諸々教えねばならんのですからな。
    `. 弋::l:::i` ̄     \!.     |!.:!::::!:::::f }:::::::::ハ
.        レ!::∧         `    ||.:|::::|ヘ::l,,,!:::::::::::},
         {.!:::!∧     丶'      ,!|.:|::;:| '、;、:::::::::::::l
       l.!:::l::{ \    ‐= ‐   ´ハル'´ .//‐、::::::::::!
          {!:::l::| l´ >    ̄     / /  //  '::::::::::!
          `ゞ、j {.    ≧ __ . < ./  //    \::::!
             \ 、   \!lヽ、  ./  //        ヘ:|
                ヽ!    !l`'、ヘ / ./'´          \
               }    !l   ´¨//-、__,...__      \
             酒井讃岐守忠勝        
        (さかい さぬきのかみ ただかつ)   

 これにより、年寄の中で家光の子飼とも言える「幼少の頃から仕える同年代の側近」の過半数を占め、
結果、年寄の世代交代に拍車をかけることとなる。

364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 22:02:11.13 ID:r2nk3iwo
世代交代もあるし、周り全部寵童で固めるというか……

363 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:01:42.27 ID:5ERlGQw0
 次いで、江戸に戻った後、九月には
日光東照社(この頃はまだ”東照宮”ではない)の大造替を命じた。

                  . -‐=⊆二三三二⊇=‐-,.,, .
             ,. <______________)'(::::)'く_`>r‐-、,
            /////////////////////////////∧人  ゝヘ
        rァ<`</////////////////////////////∧ ≧=彡、
.       /⌒○:::::::::::::`二ニ============┴=ニ≦::::::ヽ
    r乞{  {:::/⌒i::○:::/⌒ヽ::○::/⌒ヽ:::::○::::'⌒ヽ:::○:::i⌒ヽ:::○::∩∩乞、
.    /r乞ニ弌{   j;;;;;;;;;;!   j;;;;;;;;;;!   i;;;;;;;;;;;;;i    !;;;;;;;;;;;!   jニ二匸フ二乞i
   {/ゞニ乂{{r乞ニニ弌 ∠二> |  |「 ̄l .!   i r‐‐vl.  ノ二二テく ̄\j
.   {/´    |`广ゞ二乂厂込jj八  j. {「 「}人  ノ 辷テ「!イ三>'⌒ヽ. Y
.           |/       | /      ̄ ̄| 厂  ̄ ̄ ̄ヽ 厂´       V
                     |,'        ∨       ∨
                     東照宮(旧)

       ______
    ,,..-‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` 、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  |;;;;i "'`~  "`~ `i||i" '' ゙` " |;;;;;;|
  |;;;;|       ヽ`     u  |;;;;;|
  .|;;| ,-;;;;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;;;;;;;;;;;;;ヽ |;;;;|
 ,,ト;| ',,_==-、く    >゙-==、  |/ i     御爺様の…いや、神君様の社が、
 |i 、|   ' ̄"彡|         || |    この程度のものだなんてあんまりじゃないの。
 |'. (|       彡|          |)) |
  ! 、|      i,"(_ ,, 、,      |" i      東照大権現の名に相応しい社に建て替えるぜ!
  ヽ_|        `         .|_/
   .|゙      、,.--‐ 、,,     |
   .i ゙、    '  ̄ニ ̄     /|
   |   、      ̄ ̄    , ' |
   |  i ` 、    (    , "   |
    |      ` ー---― "|    |
   |  |          i     |

365 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:03:38.96 ID:5ERlGQw0
       ァ-、,,                                               ,,、-,
     てl lヌ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三ィフ,
      `ノ
     _、:''                          __r',´_`、__                         ゙' ;、
__,,、-‐'"                        _l;;;;□;;;l_                         "''''
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~"' ーl ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ,r'" ,,-''''"_,,,,,,, ,、、,,,,,,,_ "''''-,,"- , ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  !
   l_____________l'" ,r' ,,-''''"  r'''"゙゙"'、 、,"''''- ,, 'ヽ、"'l ____________l
'' ゙ ~  ,,,,,,,,             ,、ィ'" ,r' l < , フ;r'"'ii'"、';、, l >  'ヽ、 "'''- 、,,
________ ,、ィ    、ー''''''" . 、ィ'''゙ 、> ノ`;;;;ノレ'ァ <'、l;;;;'< レ : '  ''‐- 、 ,"'''''ァ      、______
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:::::::l l::::::::::::::li il::::::::l l:::::::::::::::::::ー|レ' 二二二二二二二二二二二二二二二二二 、l|‐'゙:::::::::::::::::l l::::::::li il:::::::::::::::::l l
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l,       |  |l;;l そ`ァ |; ;「'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|: :| ィ'乃 ,l;;l|  |      l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                l,       |  |l、l___,|; ;|______,,,」: :|___,l;;l|  |      l
________;-, 、.――|  |l .l;;:::::::l   |; ;|::::l:::::::l:::::::l:::::::l:::|: ;|   l:::::::;;l`l|  |―― , 、‐;________
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ニニlニニlニニlニニll:;;;;lニlニニlニニ_,,、 ィi' " l、|::::::::::::::::::::::::::::::| ィl '' - 、,,_ ニニlニニlニl:;:::llニニlニニlニニlニニ
コ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ l;;;;:lロ-_,,、 ィi'' "l _ ,,、ィ '' " 三三三三三三 " '' ‐ 、 ,,l " '' ‐ 、 ,,_,ロ-l;;::;lロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ-ロ
..::;::.:;:;::::..;:;:;:;::..::;::.:::;_l;_:_l_"__ ,,、 ィ '' "  三三三三三三三三三三三三  " '' ‐ 、 ,, __"_l;_:_l_.:;::.:;:;::::..;:;:;:;::..::;::.:::;
;::::;:;:.;::::;:;:;:::::..;:;:..;::゙i!:...::.::::;::..:|;;l   .三三三三三三三三三三三三三三三三    .l;;|:...::.::::;::.. i!;::::;:;:.;::::;:;:;:::::..;:;:..;::
                             東照宮(新)

 これにより、日光東照社は二年の歳月と、金五六万八千両、銀千貫目、米千石の費用をかけて大改築され、
現在にまで残る豪華極まりない社殿となった。

367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 22:07:15.07 ID:P5UQzDw0
存外にまともだ……規模からすると、突貫工事だったのかな?

366 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:06:40.02 ID:5ERlGQw0
 そして、大規模な土木事業は、これだけではなかった。
十一月十七日のこと…。

                    (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
                    //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
   二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
   //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//_|   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
 ○====○====○====○===.|   |││││││││││││││││||  .||===○===○===○===○===○
                  |   |││││││││││││││││||  .||
                  |   |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
                  |   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
  ___________|   |││││││││││││││││||   ||____________
  \/\/\/\/\/\|   |││││││││││││││││||   ||\/\/\/\/\/\/
  /\/\/\/\/\/|   |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

368 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:09:09.24 ID:5ERlGQw0
         ,__r'へ_
       r,,-‐'__ __  `-、
      〆 -‐"   `′  `'ー.._`'ハ
     / /          `ヽ ゙ヽ
    !/  く\    /フ    ヽ.ソ     やあ、山中殿。
    l|   ヾ|   /ン′    |/    いつもお世話になっており申す。
   .r=丶   ⌒ _. ⌒      lゝ、
   |/' /     '―         l r.〉    但馬守様にお取次願えますかな?
   ゙‐|     丶-‐--‐      ,ムノ
  ._r''''\            ,/  `--、
 广    ゙ゝ、       ,.‐l′     `ヽ,
-′  _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、     /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ,      //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ,      _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||    j|;;;;;;;;r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|
     毛利家江戸御留守居役
     福間彦右衛門尉就辰
 (ふくま ひこえもんのじょう なりたつ)

      ____
    /      \
   /   /   \  ヽ    おや、福間殿。
   |     /\    |   お元気そうで何より。
   ヽ   / ̄\  /
 ,,.....イ.\       /     殿なら在宅中ですので、
 :   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、  少々お待ちを。
     |  \/゙(__)\,|  i |
     >   ヽ. ハ  |   ||
     柳生家家臣
     山中忠兵衛
  (やまなか ちゅうべえ)

369 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:11:09.72 ID:5ERlGQw0
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//   
/     
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ●)(●     待たせたの。
   |      (__人__)   京で会うて以来か。
.   |        ノ 
    |      ∩ ノ ⊃    さて、今日は何用かの?
  /     ./ _ノ 
  (.  \ / ./_ノ │
  \  “ /___|  |
.    \/ ___ /

         ,__r'へ_
       r,,-‐'__ __  `-、
      〆 -‐"   `′  `'ー.._`'ハ
     / /          `ヽ ゙ヽ
    !/  く\    /フ    ヽ.ソ     お久しぶりでございます。
    l|   ヾ|   /ン′    |/
   .r=丶   ⌒ _. ⌒      lゝ、    本日は、我が殿より
   |/' /     '―         l r.〉   但馬守様にお贈り致したき進物がございまして…。
   ゙‐|     丶-‐--‐      ,ムノ
  ._r''''\            ,/  `--、
 广    ゙ゝ、       ,.‐l′     `ヽ,
-′  _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、     /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ,      //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ,      _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||    j|;;;;;;;;r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|

371 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:13:30.44 ID:5ERlGQw0
      __     ━┓
    / ~\   ┏┛
  / ノ  (●)\ ・
. | (./)   ⌒)\      …はて?
. |   (__ノ ̄   \    この時期、わしに進物を送るようなことが
  \          |    何かあったかの…?
    \       /
.      \  ⊂ヽ∩     もしや、また長門守様(毛利秀就)と
      /´    (,_ \.   安芸宰相様(毛利秀元)の間で何か起こったのかの?
       /       \. \.
      ./   /       |. \ソ
    (  y'      .|

               ,、,'l/`ヽ._
              /::::::;、:::::::::::``´〉、
          ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
           |:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l
.            ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l      め、滅相もない!
              l 〈   、       ィ^  |:::::::::|     そのようなことなどござりませぬ!
         , -‐‐!ハ   \ { ゝ´   '´Y´`i     
      /  ( |   i ェァ    イソ  u |ヾ/|`ヽ.
      / _  ヘ|     '`゙  "   ノ/ |l//` 、
    ;´ ̄       ∧   ___   /  .レ    >、
   ,ィ´`ヾ       ∧ {7‐‐‐‐‐ ヽ /l   /-‐─‐、 ∧
  / \  \    /  \ヾ、ュュュ ノノ .乂,ィ´`ヾ.        ',
. 丶、       !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^;     l
   ∧  l ヘ  l`    .l|ヾ=─- ィ二`ヽ   ∧ lヽ 、     l


   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (⌒)(⌒)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´    ははは…そう慌てずともよい。
  |     `∩_ノ)━・'    毛利ほどの家で、そう頻繁に面倒が起きる方がたまらぬしの。
.  |     |_ノ       何も無いなら、それでいいのじゃ。
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ       ちなみに…
 \     /_|  |
 | \ /  _/

372 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:16:32.00 ID:5ERlGQw0
   / ̄ ̄\
  / ⌒   ⌒ \
 | -=・=--=・=- |
. |  (__人__)  |          「どこで」「何を」聞いたかは知らぬが…
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)    今、何を渡されたところで、わしは何もできぬぞ?
.  |        |    .) ;;;;) 
.  ヽ       }   /;;/  
   ヽ     ノ   .l;;,´ 
. /    ∩ ノ)━・' 
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

         ,__r'へ_
       r,,-‐'__ __  `-、
      〆 -‐"   `′  `'ー.._`'ハ
     / /          `ヽ ゙ヽ
    !/  く\    /フ    ヽ.ソ
    l|   ヾ|   /ン′    |/      いえ、この度は、
   .r=丶  ⌒ _ ⌒      lゝ、    あくまで日頃の誼のもの…「常之進物」でございます。
   |/' /     '―     u.   l r.〉    (…鋭いなあ)
   ゙‐|       ----       ,ムノ
  ._r''''\            ,/  `--、
 广    ゙ゝ、       ,.‐l′     `ヽ,
-′  _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、     /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ,      //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ,      _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||    j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|

373 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:19:18.66 ID:5ERlGQw0
     / ̄ ̄\
   /    - -
   |    ( -)(●)    日頃の誼のう…。。
.   |     (__人__)    .ちなみに、品はなんじゃ?
    |     ` ⌒´ノ     
   .l^l^ln      }       
.   ヽ   L     }        );;;;;;)
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ

               ,、,'l/`ヽ._
              /::::::;、:::::::::::``´〉、
          ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
           |:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l       
.            ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l        はっ、羅紗三間でございます。
              l 〈   、       ィ^  |:::::::::|       (三間=約5.4m)
         , -‐‐!ハ   \ { ゝ´   '´Y´`i      . 
      /  ( |   ⌒    ⌒     |ヾ/|`ヽ.    
      / _  ヘ|     '`゙  "   ノ/ |l//` 、    
    ;´ ̄       ∧   ___   /  .レ    >、  
   ,ィ´`ヾ       ∧         /l   /-‐─‐、 ∧
  / \  \    /  \       .乂,ィ´`ヾ.        ',
. 丶、       !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^;     l
   ∧  l ヘ  l`    .l|ヾ=─- ィ二`ヽ   ∧ lヽ 、     l
.\  ∧ノl     l    〉〉   ./\ `ヽ 丶  l l 丶l ,   l
 ∧  〉.l    / !    // ヾ /_へ  >、|  \l   l /   l
   ! /   >' |   // ./⌒)  \  >、 ヽ  ./  /!
.  ノ_/ー'-イ  /  /,ィ´(__/      \   ヽ ) / //
          / ,'//   ' l       l.',  ノ /// イ
          //  |  ./ ∧      ノ」レ'._/_//  |  _
       /l   j  l ィ .〉  _ -‐ '_ノ  ̄l`ー‐'´  _/,イ:::::::
  ,ィfて二/ 人 /  ,'_ l l/_ "´ /::::::::l|   l      /::::::::::::::
    _ヽ、 ヾ   l l´ .l 〉 .l     /:::::::::::l| ー l.    /:::::::::::/:::::::
  /::::::::::::\  ノ/ / ( ノ   ノ::::::::::::::l|  | ィ´/:::::::::::/::::::::::

374 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:21:38.35 ID:5ERlGQw0
   ./ ̄ ̄\
 ./   _ノ  \
 |    ( ●)(●)    
. |  U  (__人__)       羅紗三間じゃと?
  |     |r┬-|  ) ;;;;)  お主、それを常之進物というには、
.  |     `ー'´}  .) ;;;;)  いささか過ぎはせぬか…?
.  ヽ       }  /;;/  .おそらく、長崎で仕入れた上物であろうに。
   ヽ     ノ  .l;;,´ 
. /    ∩ ノ)━・' 
 (  \ /|_ノ ヽ     ※羅紗=羊毛の厚手の布。
. \  ""  /_ノ  |          当時は輸入品でかなり高価。
   \ /___/          . 保温性が高く、羽織の裏などに使われた。


         ,__r'へ_
       r,,-‐'__ __  `-、
      〆 -‐"   `′  `'ー.._`'ハ
     / /          `ヽ ゙ヽ
    !/  く\    /フ    ヽ.ソ
    l|   ヾ|   /ン′    |/     いや、これがたまたま格安で手に入りまして…。
   .r=丶   ⌒ _. ⌒      lゝ、   せっかくなので、殿が但馬様にもお裾分けをと。
   |/' /     '―         l r.〉   これこの通り、進物の書状に殿の花押もございます。
   ゙‐|     丶-‐--‐      ,ムノ
  ._r''''\            ,/  `--、
 广    ゙ゝ、       ,.‐l′     `ヽ,
-′  _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、     /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ,      //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ,      _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||    j|;;;;;;;;r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|

375 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:25:11.60 ID:5ERlGQw0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (●)(-)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´     …確かにこれは長門守様の花押…。
  |     `∩_ノ)━・'    では、本当に長門守様よりの常之進物ということで
.  |     |_ノ       よいのじゃな?
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ 
 \     /_|  |
 | \ /  _/

         ,__r'へ_
       r,,-‐'__ __  `-、
      〆 -‐"   `′  `'ー.._`'ハ
     / /          `ヽ ゙ヽ
    !/  く\    /フ    ヽ.ソ
    l|   ヾ|   ン′    |/      勿論です!
   .r=丶    > ._ く       lゝ、    これからも、末永く御厚誼を賜れれば…。
   |/' /     '―         l r.〉    では、拙者はこれにて。
   ゙‐|     丶-‐--‐      ,ムノ
  ._r''''\            ,/  `--、
 广    ゙ゝ、       ,.‐l′     `ヽ,
-′  _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、     /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ,      //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;;/ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ,      _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;||    j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|

376 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:28:57.38 ID:5ERlGQw0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´    ………、
  |     `∩_ノ)━・'
.  |     |_ノ
 /ヽ    |  |_
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/


     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)           まったく、どこから話を聞いてくるのやら…。
.   |     (__人__)          あくまで「常之進物」と言い張られては、
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ     毛利家への手前、こちらとて断りづらいではないか。
   .l^l^ln      } `‐=   )
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)  …あやつも知恵をつけてきおったのう。
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ

 こうして宗矩は、この日の毛利家よりの「常之進物」を受け取った。
(※常之進物=日常での普通の贈り物)

383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 22:44:29.14 ID:P5UQzDw0
この進物が鍵になるのかしら。

380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/15(日) 22:36:53.36 ID:AHagTN2o
贈り物外交は善意の押し売りの応酬どすなあ

377 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:32:06.56 ID:5ERlGQw0
 そしてそれからしばらくし、年の瀬も迫った頃…。

             ___
           ,ノ' ´    ` ''ヾ、
         /            ヽ
        }f^'^^了t^'^'`'ー1  l
        |L_ ! ___ { ,..、|     ふう…今日もいい汗をかいたぜ。
         }f'tr'i  ''^'tォー` }j/i',|   ご苦労だったな、但馬、刑部。
          l.| ´ |    ̄  vijソ.!
         丶 └、     Fイ l′
     /    ',  ‐--‐  ,イ ケ|
   , ,/.       ヽ `''"´,/ !  ^|ー、
  / /      _,,」、'....ィ'   u.  '|. \、_
. /./  ,. ‐'''"´    ! /   ,  _」__ヾ',
.,'.,'  /´   └ 、_ ノi   ノ  (、_  ``ヾ!
,'/ /     ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^    `
l|  !   u.        リ    `ぅ ー=、_
| |          サ     〉
  ト     u.       ′    ./''ー- 、,.._
  |  ヽl            (B     /    ヽ、
  |     !,、   U.  !     /     ∠_
  ,イ     ヾ'     ィ 、   . /   ,,ィ'´
        ゙、      :::/::::::|::::::

         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)    はっ!
         |     ` ⌒´ノ   
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

        ,,.ィ''' ~~゙゙ ''''' - 、
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
    /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;: へ ::;:::::`i
   /:::::::::::::::::::::::;:- 、:::::::/     \/
  /::::::::::::::::::::::::/ {ヽソ::::::|--- 、   |
./::::::::::::::::::::::::::::l 。`/::::::r'゙''x;;;:::::\_,. l
:::::::::::::::::::::::::::::::::`t'´::::::|   ~””“` {
::::::::::::::::::::::::::::::::::::i゙::::::::|       _,|      ははっ…!
:::::::::::::::::::::::::::::::::;イ::::::::::|      __,.'´     
::::::::::::::::::::::::::::::/=!:::::::::::|     i´       
:::::::::::::::::::::::::::/=、,|::::::::::::lェ,,,___,l
::::::::::::::::::::::::/=、,ヾ!:::::::::::|
      柳生刑部少輔友矩
(やぎゅう ぎょうぶしょうゆう とものり)

378 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:34:56.16 ID:5ERlGQw0
     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }      ところで但馬よ。
  ヾ|!   ┴'   }|トi  }     例の件、さっき年寄から上がってきたのを承認したからな。
    |! ,,_      {'  }     あとで使いが行くから、話を進めておいてくれよ?
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ
     ヽ__,.. ' /     ヽ
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


         / ̄ ̄\
       /    ⌒ ⌒
       |    ( ⌒)(⌒)
       |     (__人__)      承知仕りました。
         |     ` ⌒´ノ     御同輩は将監殿、民部殿、式部殿の三方(※)ですな。
         |         }
         ヽ        }       「ああ、そうだ」
    /  ⌒ヽ    '´(      
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.  ※ 佐久間将監実勝、加々爪民部少輔忠澄、堀式部少輔直之

379 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/15(日) 22:36:20.77 ID:5ERlGQw0
            _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !     この江戸城の総構(外堀)を仕上げる天下普請だ。
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |    よろしく頼むぜ、但馬。
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
            |\      ー ─‐       , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_



            /⌒`"⌒ヽ、
           /,, / ̄ ̄ ̄\
          /,//::       \      ははっ!
         ;/⌒'":::..        |⌒ヽ
       /  /、:::::...       |ヽ_ \
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )
    ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

 寛永十一年の末、宗矩は、二年後にはじまる天下普請…
江戸城総構大増築の普請奉行となることが決まったのである。

404 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:07:26.43 ID:jJSHAio0
 なお、この時、この総構の普請奉行になった者達の役職(&石高)は、
宗矩(六千石)が惣目付、加々爪忠澄(九千五百石)が北町奉行、
堀直之(九千五百石)が南町奉行、佐久間実勝(二千石)が作事奉行である。

               _,, - ‐'''‐ 、
             r-- 、--     ヽ
             }   `ヽ  ヽ、    ',
             !'、 ,、___ ',  i、  i ',  
             ','、'´tj‐ -.i  /)', /- ) 
             ',ノ ヾ、  i /iv',/ /  
              `'、-‐' レ .ノ ! __!-,
               ' _ , -'´ //i:::::::!、
             _, ‐'::::::::!  ! //::::/: :',- 、
             ´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
┌‐────┐ _, - ': <:::::l   ! /:::/: : : 7: : : : :, -─、
│ カガツメ .|/: : :r': : i::::::', /::! !:::/: : : : /: : : : :/: : : : :i
            加々爪民部少輔忠澄
        (かがつめ みんぶしょうゆう なおすみ)

              _,:-=====‐-、
               /''二 ̄   ) ゙ヽ
             ir'"r-__,,,,,,.:-'"  ヽ
            r_,,r''"´`i'''ヽ r‐:、 l
           /"r'.!__..-'  `'";'ノ,! ,'
           ヽ_,r'i゙    、  'r:< ,'
            ヽr‐=''''` ,!. 丿, `i
             `(  _,,-‐'" l _,.!>、__
              `'''".)、i ,.:-:'" ,.:'  i. `'''ー--,-.、
                ,.:|.i゙''ヽ  /   .|    r'"  `:、
┌────┐     ,:r' |,!,ノ.ヽ/_    |    ,'     i
│  ホ リ  |    ,-'"/ ,ィ゙i |  ,' `‐<"   ,'      .|
              堀式部少輔直之
         (ほり しきぶしょうゆう なおゆき)

  ./ニ    - 安 全 第 一 -   二l
  ヽ、      _______      ',
   .、._`フ‐r-r'"r- 、:::::::l';ヽ::::';ヽ:::', 二ーr-r‐'´ 
    .プl rl l:;' ', (イソヽト ヽ::i 入「スソ ヽ',l、ヾ
    /', l l ` ‐-‐ !  ヽ!  ‐-‐' / l  
   ノ リヽl l        i      /人
       l ヽ\ :: .     '   :::  /ト  
       l \\  --─── /
      /   \\''   ̄  /l      
      /     `‐`-==〃 ト、
     ./        ',  ̄ ̄ ,' ト、',‐-、_      
         佐久間将監実勝
      .(さくま しょうげん さねかつ)

 直参旗本の中でも高位の者達が、このように複数任命されたのは、
この総構の普請が「天下普請(諸大名を召し出して従事させる工事)」であり、
普段から諸大名との付き合いがあり、交渉ごとができる者が必要だったからと言える。

405 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:08:51.63 ID:jJSHAio0
 また、この総構の普請に先駆けて、江戸城二の丸の拡張が来年(寛永十二年)から、
更に、総構普請の翌年(寛永十四年)には本丸(天守閣・御殿)普請も行なわれる事になっていた。

            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|      なあ、お前達。
          N| "゚'` {"゚`lリ     俺のための普請手伝を や ら な い か。
             ト.i   ,__''_  !
          /i/ l\ ー .イ|、 
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |_____ ,. -  ̄ \____|
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄ /       \  ̄|
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /   , /     ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /     l |      ! ̄ ̄|
_______l       -ヾ ̄  l/         l|       |___|

                                    ____    、ミ川川川彡
                                  /:::::::::::::::::::::::::""'''-ミ       彡
                                 .//, -‐―、:::::::::::::::::::::三  答 .や 三
           __,                    巛/    \::::::::::::::::三.  え  り  三
         /   ヽ        _-=三三三ミミ、.//!       l、:::::::::::::三  .よ  ま  三
       ,/:: : : : : : : : :\    ==三= ̄      《|ll|ニヽ l∠三,,`\\::三   .う  す  三
      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : \    /              |||"''》 ''"└┴‐` `ヽ三   .が .と  三
     ,ノ'''=',_⌒ヽ::;,:;,:;,:;,:;,:;,:;:;:\  !             | /          三   ね  し  三
ウホー…./  ニ__, ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ|‐-、:::、∠三"`    | ヽ=     U   三.   え  か .三
     k_,-' L'-'ノ  ヽ:::::U:::::::::::::::: |"''》 ''"└┴`       | ゝ―-        三   .:    .三
    ノ><ニ,) ̄   ヽ::::::::::::::::::::::::: | /           ヽ ""        ,. 三.  !     三
    | Y   ヽ    '!::::::::::::::::::::::::: | ヽ=   、    U    lヽ、___,,,...-‐''"  三         三
    |ノ'Y''yェ、 \   :|:::::::::::::::::::::::: | ゝ―-'′          |  |::::::::::::_,,,...-‐'"三       三
    {_.ニニ,_\__>/:::::::::::::::::::::::::: ヽ ""        ,.    | | ̄ ̄ ̄      彡      ミ
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ、___,,,...-‐''"  ,,..-'''~             彡川川川ミ
  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 厂|  厂‐'''~      〇
/:::/⌒''i、_,ii''''''''⌒'''''''\::::::::::::::::::::::: | ̄\| /
                        大名衆

 このような大規模な普請は、秀忠の代に行なわれた江戸城大修築以来であり、
当時(元和六年)の秀忠の普請が「御代替之御普請」と呼ばれたのと同様、
これも、家光が諸大名に自身の威信を示す為の「御代替之御普請」だったと言える。

406 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:10:30.08 ID:jJSHAio0
 ちなみに、威信を示すという点では、
寛永九年(1632)から造船を開始していた御座船「安宅丸」も、この年に完成している。

                                 .......:::::::::::::::::::::::::_n_n/ミ;:::::::::::..
                             ....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/// ∠ ト、::::::::::::..
                           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;仁)_∠ヲ/`ソ::::::::::::::
                          :::::::::::_ヾ 、 ::::::::::::::::///; '∠∠ヲ / _A:::::::::::::::::
                          :::::::==j_ゝ、 ::::::::::::::::///、__ /  //  ゙、::::::::::::::::
                            ::::::::::i´__ ン゙、::::::__::/_//'   //   ヽ::::::::::::::
                         :::::::::::i´__i r <´/ ,ヘ _/'_  _ノ'     ヽ:::::::::::
                         ..:::::::::::::|´__i ヾシニ// , ' 、`y'       ,ハ:::::::::.
                      ......:::::::::::/!´ i  'r ン  , ' 、 ,.'      , '/:::::::::::
                    ....::::::::::::; '   ヽニ>  トミ , ' 、  ,     / +)7ヾ:::::::::::::::::
                   ...:::::::::; '    /fニフ/  , ' 、  ,.'    /- ‐7 リ::::::::::::::::::
                  ...::::::::::i    / ‐ ┐'"  , ' 、   , '    /- '‐λ ,':::::::::::::::::::
                ...:::::::::::∠∠ ̄//ノ //    フヽ  ,.' __     ,' /:::::::::::::::::::
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         .....::::::::::::/   / //ノ ///  _, - , ヘ , '       //::ヽニゝ ,':::::::::::
      .....::::::::::::::::::/   / //777 レ/ _,. '´ , ' `,,.'        //:::/ェ=ェ、 ,':::::::::::
   .....:::::::::::::::::::::; '    / /:イイイ/ /- 、 , '  ,./         ' ,':::冫‐-、r':::::::::::
 ......::::::::::::::::::::; '     / /:/ ̄ ̄//   , ' ,. '/          ' '::::::!   ,':::::::::::
::::::::::::::::::::::::/     / /::::/ _ / /_   , '  '. /           //:::::::iIエェ,'::::::::::
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:::::::::::::::::::/    / /::::::∠∠∠∠       , ' , ' ,. /    ,  ' , ..':::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::,'  / /:::::::∠∠∠∠     , ' 、.' , ':/   , '__ </:::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::,' / /:::::::_∠∠∠∠     , ' ., ',. ':::/ ,  ' , (= )ノ::::::::::::::::::::::
:::::::::/レ  /::::::/    /   /`ヽ  /, ':::::/ ' ,  '::://:::::::::::::::::::
:::::::::::::::ヽ..':;:ヘ; - - - - '     //::::i/ / ':::::::::ヽ::' :::::::://:::::::::::::
::::::::::::::::::/f/   /  / ,ハヽ / , '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::i , '_  ̄_ ̄   / /_,ヘ_i/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::; '// //   /  , ' -、 /:::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::; '二二二二、 ヽ  /:::::::::j ::::::::::::::::::::::::::
::::::::::/_/_//_/__  ノ /::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::/____ `` /::::::::::::::::::::::::::::::
:::::// / / / >'::::::::::::::::::::::::::::::
::::`ー..ー..ー..ー.':::::::::::::::::::::::::::
                         安宅丸

408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:11:56.22 ID:qqfERXoo
潜水するのか宇宙へ行くのかw

409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:12:36.71 ID:NrCP.b.o
お前の力を信じる~?

407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:11:24.91 ID:.DrqA820
何処に攻め込むのよ?ww

410 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:12:41.18 ID:jJSHAio0
       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !    どうだ但馬。
    ヽ {  |           !           |ノ  /    まさしく日本一の船…俺に相応しい船だろう!
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ー)(ー)    はぁ…まあ、確かに凄い船ではございますが、
. | u   (__人__)   さっきからほとんど動いてないような…。
  |     ` ⌒´ノ
.  |       nl^l^l  (大き過ぎるのじゃな…これでは船とは呼べぬのう)
.  ヽ      |   ノ
   ヽ    ヽ く
   /     ヽ \

 安宅丸は翌年の六月二日に品川沖で家光が試乗し、以後、江戸深川に係留されたという。
尤も、当時の船としては大き過ぎ(全長60.6m、全幅22m、天守までの高さ20m)、重過ぎ(排水量1700t)、
二人漕ぎの大櫓百挺でもろくに動かせないため、船というより、一種の海上要塞というべき存在であった。
(当時の船は、幕府の法度により五百石積(排水量で100t程度)が上限)

 ただ、その巨大さ、装飾の絢爛さから、後に解体されるまで江戸の名物の一つとなり、
「日本一の御船」と称され、幕府の威勢を印象付けるものであったのは間違いない。

411 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:14:09.88 ID:jJSHAio0
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//      / ̄ ̄\    ) ;;;;)
/       /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
        |    (─)(─)  /;;/
       . |    (__人__)  l;;,´   
         |     `∩_ノ)━・'    天下普請、か…。
       .  |     |_ノ      この間の御上洛もそうじゃが、
        /ヽ    |  |_      .上様の御自身の天下確立に向ける熱意は
        |  \_/ ノ ヽ     .相当なものがあるのう…。
       \     /_|  |
       | \ /  _/

412 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:15:37.89 ID:jJSHAio0

           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)    御上洛から戻られて以来、
         |     (__人__)   御前会議も増えてきておるし、
         |      `⌒´ノ    .来年には、また皆が騒ぐ事になりそうじゃの…。
          |         }
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !

413 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:17:27.62 ID:jJSHAio0
 そして年が明け、寛永十二年(1635)。
宗矩は惣目付としての役目の他、天下普請の奉行としても働く事になり、
自然、仕事が増えることとなった。

               / ̄ ̄\
             / ノ  ヽ、.\          当たり前じゃが、
             |  (●)(●) |         目を通さねばならぬ書状の数が
             / ̄ ̄ ̄ 丶人__) u |         .また増えたのう…あ、これ長門守様からじゃな。
         /        \ ._|_____
       , --'、             /         `〉   会わねばならぬ者たちも増えたし、
        / ⌒ )        /         /   これでは体がいくつあっても足りぬわい…。
       ,′  ノ          /           /
       l  T´ .._     ./       r'´ ̄ヽ
      ヽ ノ   ./丶、  /       (  ̄  l
         `'ー'´   | .`'ー'――┬― --、/   _.ノ


     |┃       ____
 ガラッ. |┃     /      \
     |┃    /   /   \  ヽ   
     |┃三  |     /\    |    殿、また次の御使者が参られました。
     |┃    ヽ   / ̄\  /   
     |┃  ,,.....イ.\       /     「も、もう来たか。あとちょっとだけ待て…!」
     |┃三:   |  '; \_____ ノ.| ヽ 、 
     |┃三   |  \/゙(__)\,|  i |

414 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:21:54.36 ID:jJSHAio0

        / ̄ ̄\
      /    u \     そして、花押をいくら書いても書状が減らぬ…。
      | u \i||i/   |    わしは花押書きのからくり人形ではないのだぞ…!
      |  (◎)(◎) |   
      |  (__人__)  |      あ、でも、ちょっと積みが減ったかも…
    .  ヽ  `⌒´  ノ     頑張れワシ、あともうちょい…
      ´ ヽ     ノヽ   
   /´           `\ カキカキ…
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   |  - --  | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,|
     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


      |┃
      |┃三
      |┃ニ
      |┃
───|┃
      |┃   ガラッ
      |┃
      |┃
      |┃
      |┃三
      |┃ニ
      |┃
      |┃

416 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:24:53.77 ID:jJSHAio0

          但馬守様ー!
         次はこちらをお願い致します!

.       ∧_∧    ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○
       (;´Д`)    ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○
  -=≡  /    ヽ    ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○     まだまだおかわりあるよ!
.      /| |   |. |    ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○    たくさん読んでね!
 -=≡ /. \ヽ/\\_  ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○              ( ̄○
    /    ヽ⌒)==ヽ_)=( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○        ∧__∧   ( ̄○
-=   / /⌒\.\ ||  || .( ̄○ ( ̄○ ( ̄○ ( ̄○   -=≡ ( ´・ω・)  ( ̄○
  / /    > )| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|     /ヽ○==○( ̄○
 / /     / / .|______________| -=≡ /  ||_ ||( ̄○
 し'     (_つ  ̄(_)) ̄ (.)) ̄ ̄ ̄ ̄ (_)) ̄(.)) ̄    し' ̄(_)) ̄(_)) ̄(_))


         / ̄ ̄\
        / _ノ;jijii;丶_ !
          ,ク(゜_))ij(_゜))!`i
       | ヒlli(__人__).ソ / 
       l \ .,キ呪カ'/ /
        .\ ヾ狂リ | {
        /ヽ |ー-イ!_ノ`、
       /::::/i_ノ|_/:;l:::::::|
       |::/:::;:/;;:::::::::;|:::::::i
       |/:::;:/;;:::::::::::;i;;::::ノ
       |:::::;;:|;;:::::::::::::::r
       \;;/;;::::::::::::::::!
         |:::::::::::::::::::/
         |:::::::::.::::::/
         |:::::::::::::イ

 更に言えば、この公儀の御役目の他にも、柳生家の当主として、
将軍家指南役として、柳生新陰流(江戸柳生)宗家として、様々な勤めが宗矩にはあったのである。

 忙しくならない方がおかしい。

415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:23:51.07 ID:.DrqA820
宗冬も、まだ手助けができる程にはなっていないのね……これは負担大

420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:30:57.67 ID:Mh1M4Bo0
長男:柳生庄で引きこもり
次男:別家を立てたばかりでそれどころじゃない
三男:まだまだ若造
そりゃあ宗矩がまだ経ち続けるしかないよな。

417 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:27:07.22 ID:jJSHAio0
 そしてそれは、主君である家光や、年寄衆を始めとした幕閣たちも同じであった。
寛永十二年に入り、家光の御前会議の数は増え、年寄達も日々夜々会合を繰り返していた。

            ___ _
         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::
    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::
.    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::    ふう…すまん、刑部。
     〉゙゙`'''ニ二 ̄  ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::   今日はこれまでだ。
.    /    ""   U  }:::/ /ヽ ハ:::::::
    /..             "´ 2ノ/ l:::::    これ以上ヤったら、
.   ヽ.ニ,`           __/ :l::::   明日の会議に差し支えるからな…ゴホッゴホッ
.     'ーr‐-        .ィ    l:::
      〈..        /:{      ヽ
        `}     /:: ! i
        丶、,、. イ::::::    !

             _,. ------- 、
           /::::::::::::::::::::::::::::ヽ
          ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
         .〈::f `ヾ;;/ ̄ `):::::::::::::',
          〉ヽ::、 _;;;ヘ {:::::::::::::::::',       …承知致しました。
         ,'::| ゞta゙ ィ=tテア;::::;r‐、::::l      
         .,'::::! `¨:i   ̄´ l::::{b゙ノ::::':,     (上様がたった3回で…!?
        .,':::::::', 〈   u  ll:::トi:::::::::::::,      .どうも風邪気味のようだし、
        i:::::::::::、 _   ,!:::l:::::::::::::::::、     これは相当疲れておられるな…)
        i::::::::::::::ヽ ̄ _,.ィ' |:::j::::::::::::::::::::\
      __l:::_::::::::::ヾ---'"´=-----‐‐‐‐-、

419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:30:03.25 ID:Fe/yJY20
体調悪いのにそれでもSAMONと一緒にいるってのは、尻一つを通り越してるようにも見えるな。

418 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:29:52.67 ID:jJSHAio0
      ,ゝ:;:l´    i::::::::::::::::::::::::::::::::::i
     '´ /l (     ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::l
       ! | ヽー‐-‐   `i:::::::;;::::::::::::::::::l     やれやれ…
 :: ;;; ,,    l        !:/´`ヽ:::::::::::::|    年寄の数が増えて、楽になれると思ったのにねえ。
  :::;;;;ヽ   l ミ=-‐'    ,'   l::::::::::::/    ホント、上様は次から次へと…。
   ヾ::::::)  l     u. i ー-‐'ヾ:::::::く
   ノ;::ノ   「       '     〉;;;,-‐L
   ヾ::)   ヽ-┬┬ ' >     ./く    \
     ゙・━  ゝ┴┴ '   ,/   ヽ、
          ヽ__,,,..-‐ '´ /    | ヽ-‐ '´


              ,. -──¬ー、-- -- 、
           /厂:::: ':::::::,::::`ト、:::: 、:` 丶
           /;--:::/::::::::::、:::::: l::::::: ヽ:::ヽ:: \
         /::::´::::::/::::,::::::|l::::l::i::::: l::::::ヾ:::\::',:`:ヽ
     /´ヽ/:::::´::::::/::::::|:::: |l:::l::ハ:::: li::::::::ヾ::゙::,:::::::`, ト、
     ´::::::〃:`丶::/::::::: |:::: |l`y l、;:ヽ::::::l};:::ハ::`ト、:::、:ヽ
   /厂:::/イ:ヾ:::::::イ::::i::: |l::: |.lL'-ヾ;;;::`:::::!ヽ;:::l:::::iト:::ド::`,
   |:〆::/:ハ|;;:::::\/-、l:::: |l::::: ィ勹Tヾ ヾ;:`:i-‐ヾl::::l|::;i`ヾ:l
   |:!::;::ト::l l;l|::代:::l -' l:::: ト、::lゞユソ   ヾィTjlヾ小:|l::::!  l:l    まあ、そう言わずに。
   |i:::〃;:l l;;l|:{|::ミ;! { !:::: i ヾ!        ! `-´l'l|::::|i:::!  リ   これが仕上がれば、幕府の礎も固まりましょう。
   |:::li';::::l l;;;;l|;ヾ;;`、__ l::::::il        丶 ヾ !;;::::小;| ´    もうひと働きですよ。
   |:::|l;:::::l l;;;;;/ミ::::;;ヽ、 !;:: }il         ′ ';;;,:::l::| !
   |:::|ヾ:::l l;;;;/ハlト:::::::|  `゙     , =ァ /;;/!:::l:;|
   l|::|:::::::l l:/;少;j};;ゞ/          ̄  ′   `゙
  j}::::|,::::::l li´;;;;;;'|!;;/      ` 、     イ
  イ;::::,!`::::l |!;_√ ー--、      ` ー ´
 ´::::;;ハヽソ        \     /
/:::,´_,-ーヘ         ヘ,   | \
|l;/iミミミミミ\     /ミj\ \ \

421 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:31:17.77 ID:jJSHAio0
 そして、時が過ぎ、寛永十二年六月二十一日。
全ての大名は登城を命じられた。
                       }k
                       ノ;'l{
                     _ノ;人'、
                }、、__,. -'',r'/p、ヾ、
               ,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
              ,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
             ,irこ;;;},|i ||  ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
             ,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
           、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
           ,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
           i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
         ,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
        /,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_     ,.ィ
        /,r"=|、__    ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
       ,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
     ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
.    ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::|  ,
    i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{  }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
    ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
    i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
 _r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
 〕{ュョiririririrm;;;;;~_,n、 ̄__二;;;,,  ̄~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ、` -、~ヾ,,;;ヽ、;、;,._;;_;;_,,'‐、
../,r'ーl~~~^~_,.,r'%%r===%%''ュ.,_"‐^"‐''=fhifhicifcifriririririyr'g'y'ng'y''ngmgigpmgwwiV} `''‐、._
/,r'=r|::::::::,r7=-ー''^`ー"^ -、_=フ:::::::::::: ..................._________    ~"””””””””””””|”””riririririnfzmir'7
ゞ゛ヾ゛;:"゛ゞ"'';;,r';";;ヾ、:::::::::|::::::i####lllllllllllliiiiii;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ̄ "''''' ::::::::::::::::::::::::::::|”””””””ヽ、””””"
ヾ、ハ,;;^",,;;;;;,r''^"::;''"",r'::::::::|、::::||iiiiilllllllllIIIIIIIIII||||||||||||||||||||:::::::::::|llllliii|::::::::::::::::::::::|^~^~^~'i~"
ヾゞ,、;:,,y''''7''""""'';;'':::::::::::::|;;`ヽ;、 _,、::;;;;;”””””””””””'''''''''..::;;;:::::;!!!!!iil::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::|
::ヾ、,,;;;ハ;''"""'''';;::''"""''r,、hhhhhhm}{メfタfタfチfツfヨfヨfヨfヨfモfヨfルfルffルfル%%$%$%$$ユ:::::::::::|
''"゛;;;;:::"''',,《;;;;''ヾ、,;""~~^~^~^~^~|^`‐'___`ー'___`ー'__`'ー' ``ー' ``ー' ``ー' ``ー'`-ー'"::::::::::::::|
ヾ;;;,,ゞ,r'"";;,," .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|~^r'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,Tニソニi`ウニ{''T;ニj7{ヘ""""""""
;;'ヾ,r";r'ヾ'";:" ;;;;;;;;;i:::::::::::::::::::::::::::::|´)、_}ーv'´ヽ^{~フ~v_~ゝく,ノ~i´_K´メv_~Kトー{_{、ヽ、j、_}~ス、
;;;''ゞ;;;,i^'',、lll||||||||||||:::::::::::::::::::::::::::::|r'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,´)、_}ーv'ケ^~v__ゝ;く,ノ~i_jヘヽv~「^j´)、
;;',;ヾ;ヾ;、;;;'''゛iil||||||||l::::::::::::::::::::::::::::;|シ、_}~ス、く,ノ~i´_K´ナv^ーヌ_ヽ^{~フv7_,r`}フ~vレン、ヽフv_,r`}ヽ
Il"^ヾ、,rーir;======i、ーy'-;ーkー┐,}イ_,レ´i~,;k'_~メv^-チ_ツゝく,ノ~v^j,´)、_}ゝク-ヽヽノiス´ヽ^{、
;;|,-r‐'y';_rllr======V´)、_}ーv'´ヽil~シ'_ノ`i~,k'_~T"v~「^j,´)、_}ーv'ケ^‐スj~シ'_ノ`iへヽ}v'ケ^~v、
I;l; _i; ,.t`i、;ll;r======k^~v__ゝ;く,i|k'_~T"v~「^j,´)、_}~ス、く,ノ_,ク~-{`y´K´ナv^ーヌ_{ソ\ヽく,ノ~i´ナ,、

422 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:36:41.02 ID:jJSHAio0
                                    ____   
                                  /::::::::::::::::::::::::""'''-v
    ガヤガヤ                         .//, -‐―、:::::::::::::::::::::::
           __,       ザワザワ         巛/    \:::::::::::::::;;;:
         /   ヽ        _-=三三三ミミ、.//!       l、::::::::::::: '   「年賀の挨拶でもないのに、
       ,/:: : : : : : : : :\    ==三= ̄      《|ll|ニヽ l∠三,,`\\::::    江戸城に大名全員集合とか…なんだろうね?」
      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: : : : : : \    /              |||"''》 ''"└┴‐` `ヽ:::   
     ,ノ'''=',_⌒ヽ::;,:;,:;,:;,:;,:;,:;:;:\  !             | /          :::::
     /  ニ__, ヽ::::::::::::::::::::::::::::ヽ|‐-、:::、∠三"`    | ヽ=     U        「今日は何か話があるらしいが…
     k_,-' L'-'ノ  ヽ:::::U:::::::::::::::: |"''》 ''"└┴`       | ゝ―-             さっぱりわからん!」
    ノ><ニ,) ̄   ヽ::::::::::::::::::::::::: | /           ヽ ""        ,.  
    | Y   ヽ    '!::::::::::::::::::::::::: | ヽ=   、    U    lヽ、___,,,...-‐''"      
    |ノ'Y''yェ、 \   :|:::::::::::::::::::::::: | ゝ―-'′          |  |::::::::::::_,,,...-‐'"    「ウホー…」
    {_.ニニ,_\__>/:::::::::::::::::::::::::: ヽ ""        ,.    | | ̄ ̄ ̄  
   /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ヽ、___,,,...-‐''"  ,,..-'''~       
  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 厂|  厂‐'''~      〇   
/:::/⌒''i、_,ii''''''''⌒'''''''\::::::::::::::::::::::: | ̄\| /             
                   大名の皆さん

      _,..--------..._
     ;(         );
     | `` ------- '´´.|    何をごにょごにょ言ってんだ。
     |⊂⊃  ⊂⊃  |   あと一刻もせずにわかることだろうが。
((__))  ,|、__     _,...--'7
 ||  / `--`-v--'´--''´~\   ほれ、年寄衆が出てきたぜ。
 ``=|,,,,,;;       ;;;;;;;;; ;;; >
   └'´|;;;;  O   ;;;;;;;;;;;|`'||

423 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:38:56.10 ID:jJSHAio0
                    _,,. ..,,__
                ,.-‐':´:::::::::::::::::`ヽ、
               /:::;;-、_::_::::::::_::_::-、::ハ
                 l:::::i  ' ゙|"´) !  ';::ハ
               !::;',,.-、_  ,,.-‐-、 ';/     えー皆さん、御苦労様。
               〉l ´ ┰゙ ゙!  '┰` y、     本日、お集まり頂きましたのは、
               { !、 ` ´ |  ` ´ イソ     .新しい法度を仰せ下すためであります。
                ヽl     L     i´
                ,,..ハ   __ _   ハー、
            ,,、-'´:.:ハ 丶   ‐  / !:.:`≧。-、
        ,,..-f´-゚‐´:.:.:.:.:.:.l  、ヽ、_ /  i:.:.:.:.:.`ー':.:L`ヽ、.
      /゙〈"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|ヽ▽,〈;;;;;〉、 ▽/!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.7´::ヽ
     /::::::::::ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l ヽ' 「;;;i `",':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::::ハ
     !::::::::::::::ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l]]|    |;;;;;!  ,'l]]:.:.:.:.:.:.:.:.:./::::::::::::::ハ
      !:::::::::::::::::ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:!  l;;;;;;;|   !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:::::::::::::::::::|
     ,':::::::::::::::::::::ヽ:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ!;;;;;;;」 -´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:::::::::::::::::::::l
    ノ -':::::::::::::::::::::ヽ:|_:.:.:.:.:.:.:.:.,.‐´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:┌ヽノ::::::::::::::::::::::`i
    〉::::::::::::::::::::::::::::゙| o├--――‐:.''':.´ ̄ ̄「| o |ヾ::::::::::::::::::::::::::!
    /::::::::::::::::::::::::::/ヽ. /:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:`":.:.:ヾ:::::::::::::::::::::: ハ

                   __,..__
           _,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
          /./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
         /.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
.        /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
       |ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
.        ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::!     今ある武家諸法度…
         `!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1    これを当代の時世に合わせ、
          l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::!    .改定したものであります。
.        l;;;l;l"  ,   `     |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::!    以後、これに従うよう、心がけ頂きたい。
        |;;;;l;{  /          !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1  
        |;;;il人 `ヽ       ノ;;;ill:l l  |;;;;l.l;;l:::|    では、林殿。
        '" ̄¨ゝ マ三>   ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::|
.            ヽ "  ,.ィ    / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
              ` -<    /    ,/ミミゝ;:!,.
           _,=≡/ 人  /´   /ムホfヲ苑盆z、
         _,xl盆fホ/  /`  /∧   /      ̄`ヽホミz、_
        ,xタ壬シ'¨く_  ヽ.//タ ゝv´   /    f ´     }

 そうして集められた大名達の前に幕府重臣達が現れ、
そこで、従来の「武家諸法度」が、家光によって改定されることが伝えられた。

424 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:42:58.39 ID:jJSHAio0
                             __
                       _r─=ニニ ̄`¬、__
                   __     r仁二ニ ¬、 `丶、 ト、_
                '⌒ハ(´ _/`¨^ヽ  `ヽ、 、 、\ l└t、
           -=ニ ヽ r'人)'⌒'<⌒ヽ `ー、 ! 、  } ハ ゙l 、 ,八
               > 〉{し'⌒ミヽ ト、 ヽ _乂ー'^¨¨ヽ、i} |l i} }}
               〃 〈 〈 (⌒ヽノ ィヽ \ 广´   ::   ´ヾル1 l 〃
                {辷卞-`ー‐く^Y ハ ト\f″   :::        `"^^i  
               '´ ̄廴r==ミ、|{ (_j Lハ l   ;:::             '  
             /⌒ト-'_/´ ̄ハ ヽ'   H、 ヽ、   ::j} u   /  
                   _>┬ンミノヽ  / へィ^>;、 y' ノ /:' !   
              f´   l l     ' ! i ニ{ {ー'ノ }K__,ィ斗孑;′   ええ、私の出番ですねぇ…。
              ,  '´|     l l    |   ハ」___`二フ' 7¨7辷ソ/    では、皆さんに新たなる法度を
         /   |   l ゙.   ∧ {  ‐r_‐  r_ゝ'__∧_/     .披露致しましょうか。
.       /      l    ! 、 ′ \  ト卞;、_ヽ-'/´      .ククク…。
     /       '    l  ヽ     ヽ ヽ` ┴'‐'フ′ 
.    /     ::::::::::::... ,     l  \.ィ'了ヽ、 `  ̄/ 
   '        ::::::::..  ,     l  /く /l  l`  ̄ヽ  
 /            :::::::.  l    l/::;;j|′l   l    ハ  
./           :::::::.   l    l::::::::|  l   !     l 
             :::::  |    l:::::::|   l      l
 ─- -   _     ::i  l      l::::::l  |      l
 ̄ `       Y   l |  |      l::::::l  |     l
                   林羅山
                (はやし らざん)

425 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:45:01.53 ID:jJSHAio0
           ,         __ ,-、__  __
      ,イ   / { /|,..⊥-く`Y^ | 〃 {7´rヘ
        | ヽヘ. l| ソ‐く._ _,>='''""``''=<,,/,フ7'ヽノ} ノ|,イ
  /|l i.ハ ∧   r'⌒ヽ / ,. ィ''"´ ̄「丁` ''‐ 、`ヾ、/r:=_<ノ ノイ   ,
  |l | l、ヾ;、.イ ,二'7/ /ヽ. l     | {    ,ノ`ト、 ヽ',.-、,| / / _,イ/イ
  |!  '、`'=,ル'⌒/;' ,'   | ヽ.  j !  /  /.:.::゙, ;;Y=ニユ,彡',/ ,ノ.,ィ
  |ヽ \_/ ´ ̄l;;;! ハ.   l ,. -;_Y、,..ヽイ_ ,ノ:.:.:.:,ハ ;;i二ニ-、!_,,.イノ:,'
.\.l、`'' / /,r三;];;l ,' .\.:.:.:`|.{i;/、 , i  ヾi; Y:.:.:/ :i ;l三ニヽ. !/ //       ハイッ!
 `'ー'"´|/ {-;rヘ|;;l |  ヽ\.:::ヽ;、. x'、iY_ノノノ// ::| ;|/^!\`Y-;彳'       .これが、新たなる法度ですッ!
`ヾ;三ニ'|   |,ハ |;;l |::   `ヽ{_二I,><r'ニ´-'´   ::| ;;|イ ト.',.ヽ|'´ _/      それでは読み上げますからねェ~。
 \`ニ-1  |.! ゙||;;l |::      >-‐i| (U) |!-~     :,' ;ハ| 川| /_`,ニィ' /    
、\、二ア .八V:|!;;l ト- ..__..=テ7〉><゙Yヽ=、,  _;ノ /jノ,ハ ,!{'ー '´∠イ     一つッ!
 \_.二´,ノY |;;;i Y^ヽ、_>'//.:::「l!|:::.|.い/ ̄ / //,.仆;ミ、.二´∠イ     「文武弓馬ノ道、専ラ相嗜ムベキ事ッ!」
 //ヽ--‐イ^`|!;;;'、 ヽ⌒'ー'='二:j l |ニ ヾ` .:/ ,イ/K\ヽ、..二 -'/\
  /     ,/  l l::::ヽ.` ‐- .__ _ノ .:! ヽ._.. - ´ / ,/ j 「`'ー― '「     ヽ    一つッ!
../     / /   l l:::  `` ‐- .._ ̄ ̄_,,.. -‐ ´ / /  |     ヽ       「大名・小名在江戸交替相定ムル所ナリ。
/     / /     ヽト、v;---- .._ _  ̄ _ __.. -―v彡′ |       l        毎歳夏四月中、参勤致スベシ。従者ノ…」
      / ,'        \ニr_=_=,、ハト--仆;r_=_=;ァ'ラ′  |         |
    ,'  i           ヾ‐t,_'´ィく| ̄|,ハ``_ァア´     |       |
    i   |             \``'ヘ[,,]/'"´/         |         |
       |            ヽ----;イ         |       |

                  ____    、ミ川川川彡
                /:::::::::::::::::::""'''-ミ 三      彡
               //, -‐―、::::::::::::::::::::::三  い  ま  三
               巛/    \:::::::::::::::::三  い .ず  三
    _-=三三三ミミ、.//!       l、::::::::::::::三  か  い  三
 ==三= ̄      《|ll|ニヽ l∠三,,`\\:::三   、  :   三
    /              |||"''》 ''"└┴‐` `ヽ三   .ま  ど  三
    !             | /           三.  る  .う  三
   |‐-、:::、∠三"`    | ヽ=     U   三.   で  返  三
   |"''》 ''"└┴`       | ゝ―-        三   わ .せ  三
   | /           ヽ ""        ,. 三   か .ば  三
   | ヽ=   、    U    lヽ、___,,,...-‐''" 三   .ら     .三
.    | ゝ―-'′          |  |::::::::::::_,,,...-‐'三   ん    三
    ヽ ""        ,.    | | ̄ ̄ ̄       彡. !    ミ
    ヽ、___,,,...-‐''"  ,,..-'''~             彡川川川ミ
      厂|  厂‐'''~      〇
    | ̄\| /

 そして、新たなる法度を林羅山が読み上げ、その内容を諸大名に聞かせた。

428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:51:07.53 ID:Fe/yJY20
ああ、参勤交代か。
そういえば、これが義務化になったのって今回からだっけか。

426 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:47:55.64 ID:jJSHAio0
 そして羅山が法度を一通り読み上げた後、
家光が出座し、諸大名に法度を守るよう、あらためて命じた。

            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|
          N| "゚'` {"゚`lリ       皆、今、羅山が読み上げた法度は聞いたな?
             ト.i   ,__''_  !       今後は、この法度に従うんだぜ。
          /i/ l\ ー .イ|、
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、   これからは…天下はこの俺の決めた法度(ルール)で動くんだ…!
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |_____ ,. -  ̄ \____|
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄ /       \  ̄|
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /   , /     ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /     l |      ! ̄ ̄|

         _.. -‐‐- .._
       /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.` - .._
      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:` '"~` ‐- .._
       l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
      l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
      ';:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,、-‐‐‐- 、:.:.:.:.:.:.:.:.:
       ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/      \:.:.:.:.:.:.
         ` ‐----/         =ャ:.:.:.:.
   -‐‐‐--- ..._   i!           ヽ:.:
   :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶、i!             ヽ!    ヒソヒソ
   :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!    /  /      |   (なあ…さっき林殿が読み上げた法度、
   :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i!  ,、/- く-='''フ         理解できたか…?)
   、.:.:.:.:.:.:,、 '"  ̄ `i!≡リ"'"゙´ `‐ '"     
   ` ‐/       i!"/
     /        i! ヽ _..._     し       ボソボソ
    i!、  ,、_,、___   i!  `               (いや…実を言えばさっぱりだ。
    〉= "" ゙-"‐゙"  i!   ,、= 、           後で年寄衆に使いを出さねえとな…)
   i!ノ            i! ヾ-‐== )
   i! ヽ- '"    u   ヽ └‐ '""´
   i! 'r‐-、        ';, """´        /
   i! ゙"""        ';          /
   .i! ""゙         '',,,      ..::: /
    i!            >- ........:::::::::/     /
    .ヽ .. .........::: ' '    /:.:.:.:.:.:.:.:./:.:ヾ      /
      `'''Y'´    /:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.',  /
              大名衆

 尤も、大名衆たちも、この法度をすぐには理解できず、
後に、年寄に内容を問い合わせたり、法度の文面を写し、国元へ送らせるなどしている。

427 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:50:07.71 ID:jJSHAio0

 ただ、その後、家光はこのように続けている。

       ______
    ,,..-‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` 、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
  |;;;;i "'`~  "`~ `i||i" '' ゙` " |;;;;;;|
  |;;;;|       ヽ`     u  |;;;;;|
  .|;;| ,-;;;;;;;;;;"フノ  ヾ`;;;;;;;;;;;;;;;ヽ |;;;;|
 ,,ト;| ',,_==-、く    >゙-==、  |/ i     実を言えばな…最近体調が良くない。
 |i 、|   ' ̄"彡|         || |    俺には子供がいないし、養子も考えねばならんかもしれんが、
 |'. (|       彡|          |)) |    その間にも命が尽きてしまうかもしれん…。
  ! 、|      i,"(_ ,, 、,      |" i
  ヽ_|        `         .|_/      だから、この法度を俺の遺言とでも思って、
   .|゙      、,.--‐ 、,,     |       必ず守るようにしてくれよ?
   .i ゙、    '  ̄ニ ̄     /|
   |   、      ̄ ̄    , ' |
   |  i ` 、    (    , "   |
    |      ` ー---― "|    |
   |  |          i     |

 事実、この時点(32歳)でも、相変わらず家光には世継ぎどころか実子自体一人もおらず、
また、この年の四月頃から風邪を引き、五月半ばまで物もろくに食べられない日が続いたという。

 そのような危機感が、このような一種気弱な言葉を出させたと思われる。

429 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:53:14.62 ID:jJSHAio0
/´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ     _,r==\-ヾヽ、/∠=-、ノ
.(子がいないって) |    /彡=⌒`ミミ゙ヽi;!!/''彡ノ;;、_
  そんなん    |ヽ、 _,彡'´彡;;;;;;;;;;;;;;ヾ;;;; /ミ‐-、;;;;;ミ、
  アタリまえ    |ヾミ三'/彡'' 彡;;;;; ;;;;; ヽ ミ‐-;;;;;ミ
  じゃんッ     |ノ;;;;;  彡'  .ィ;;;;;;;;;;i il ヾ\ \、、ミ=彡
           |//iキ// /彡;;;;;; ノ;;i/;;;;;;ヾ、  \、ミ=、、
ヽ、___ __ノ 彡ミi//ノソ クノゝ/;∧;;;;ヽ、ヽ ミキッヘ
      ヾ=-    彡/ノ彡iゝ=彡 ノノ ヽミ=ヽヽ-《;;;くキノ
         ./⌒/ノ/(゙'i ゝ ‐-、ヽ''´゙ヾ=二`ヽ´ .!!、,ミヽi、ヽ
        /   !' i リゝ!ヽ (゚_)' ,   ',。、`ヽ ノ / ノリノ`\
       /.     /`リリ|    .i    ゙ー'‐ '  ./‐イ' 'ヽ
      ./    /  ´'' i  、_ (_,,    .   /  |  i,
     /    /, -、  ! ``ー―‐=ニヲ  ./  .ノ::  ヽ
    /    '´´   `ヽヽ ヽヽ`ニ彡/ ./ ./:::   \   
    /          ノ \. ヽ二´ '´    /r-=ヘ、__  ノ
              `ヽ  ヽ ー‐'´ /  ,/  i::      ノ
⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒○⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒⌒
                     ○
      -=ニヾヽ:Y:::::彡‐---- 、  。
    彡´:::::::::.......::!:..:. ...::::::::::::::::ミ、。
   ノ彡.. .:::.. .. .::::::::::::::::::::::..... ::::.. ::.:::ミ
   |':::...:::::::::.. .: .::.:::. !:. :.:. :::::::::::....::::.:::ヾ
   !:..::::::::.:.::/::::;:::l!:::!:::::ヽ,.-‐:: :... :::::::::ヽ-'
   ノ: ..::::::/!:::/}:::!!::/ヽイ、ヽ、_:::::::::....::..::ヽ
  !:::::::l:://〃/ノl://,イ○`ヽヾ`` :::::::.::ト、
  :: ::!リ``≧、、 /' `  ー ''"´ ノ!:!|:.|:. ::::!   (…ってツッコミてェ~。
  ヽ:.::l イ´○ノ`i         リノ:;、:::..:::}    風邪はともかく、あんだけ衆道一直線じゃ世継はなァ…)
 ヽ:::l:::::ト``´  ,}...        /イ) 〉:::::リ
  ソ!::l:.ヽ   ヽ._ ,.-    lj '´ !'/::::::ト、_
   ノノ'!:::{ヽ     __.._ ・     /`i::::::::`Y
    イ:::`'ヽ   イ_ .. -゙'     , '  ヾーr=
    ノイ:::::::::\   ー '    ,.イ    |! ',
   ´  ヾヾ、::::`ト、       / i     /,! !
        ノノ:::,ト、` ー-‐ '  |   //  |
         -イ{ ',  ヽ   i /  i  | |
         /i l !、  ヽ._ /   !   ! |
          / { | !、__,..ノ´      !  ゙'
      ,.イl   l ト-- ‐ '´      !
          細川越中守忠利
    (ほそかわ えっちゅうのかみ ただとし)

【以下、その時の事を記した細川忠利の手紙(原文)】
 「上意には、何も存知のごとく御直子御座なく候、明日にも誰々によらず御養子なされ候か、
  また、その内御大事も御座候はば、御遺言にも仰せ置かるべく候この儀、
  相守るべき由、仰せ出され」

431 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:56:31.08 ID:jJSHAio0
::::::::::::::::::,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
:::::::::::::::i' `"~´''""゙~゛゙^'ヾミ;,゙"ー;;;;;"゙''''ヾ;i
:::::::::::::::|           ' ;!゙      {,
:::::::::::::::|                       i
:::::::::::::::|                       |
⌒ヽ.:::::} ∠二二三三=''   ∠二二=
´'ハ i:: |   '´て"アヾ´    i"てj"ヾ,′
.r‐ノ レ'      ̄ ̄        | ´ ̄ l
.{ i、               l    |     (だが、これで俺の…徳川の天下を固める仕事はまず一段落だ…。
 、 `                   |   |      この法度が徹底される限り、幕府の権威は揺るがん…!)
ヽ、 `i           ,-、 ノ   l
:::| ` ー,                 ´     ,'
/    、      `- -‐─‐- ′. /
     ヘ       _____     /
      ヘ      `~"´   /
    ',    >  .    ;    /
     ',       ≫...    _ '
     ',      .:.:.:.: T<
      ',         .::.:.|   " ‐- ,
                      ̄" ‐-

 しかし、この時改定された武家諸法度…即ち「寛永令」の各条文、
特に、新たに追加された

 ・ 大名の参勤交代の制定
 ・ 幕府の許可なく軍を出すことの禁止
 ・ 各種儀礼や建物の造作を簡略化
 ・ 各大名が私的な関を設けることの禁止
 ・ 諸藩の法度より幕府法度を優先すること、及び、そのことの諸人への周知徹底

 これらの条文により、「武家諸法度」は、幕藩体制の土台となる条文たることを確たるものとし、
以後、更なる改定を経て、幕末に至るまで生命力を保ち続ける事になるのである。

432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:58:55.46 ID:.DrqA820
後の世のために、今命を削ってと。
……これが、子作りと並行されていたら、云うことなしだったんですが。

430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:54:43.15 ID:voJ.cAQ0
豊家と違って成人に達した血縁者が豊富で
いくらでも代わりがいるってのはてぇしたモンだ。

433 :1 [saga]:2010/08/22(日) 23:59:13.09 ID:jJSHAio0
                           /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
                           (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
                           .l `'^'´ ..: :.: :. }::::::::::::::::::i
                           ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|    幕府の頂点はあくまで将軍家だ。
                           !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|   それはハッキリさせておかないとな。
                           .ソ   ```  :.:.: ソ,iノノ::::::|
                           ヽ,-     .:..:.:シ_,イ、:::::l
                               i==-  .:..:.:イ   ヾヘv
                              , ゝ...:.  _,.ィ  i ,.'  }  ` 、─────────┐ 、
                             , ´  ゙'ーイシ″ ,  /.:. .  `  .///////////////}||ll\
                         ,.. '´   \ ヽ/,ハ::.:..:. /            ` ー- 、///////:}||ll|ll|}
                       /     ノト_,ノ┘″}:.:.:./ __  -─…        ヽ///// }||ll|ll|}
                         /  _,. イ      ヽ / -‐              '/////}||ll|ll|}
                       /    /  ,                  、         '////:}||ll|ll|}
                     /     ,/ .:レ        /           ヽ       ‘.///}||ll|ll|}
                         /     / /       ,′              ,::..         V//}||ll|ll|{
                      /      ′:′        ′           /;ハ:.:.        ∨/||ll|ll|{
                    /     .::' ..:.:{       .:i         ..:.:.:/:.:..:ヘ:.       ∨||ll|ll|{
                     , ′     .:.;:.:.:..:.':..         ‘       ...:..:.:.:./..:..:.:.:∧:.       'l||ll|ll|{
                  ′     .:.:j:..:..:/ !   ::...        ¨"´  ..:..:./..:.:.//∧       l|l|ll|{
                    .: .:..:.:;'.:.:; ′}   /    \       .:..:..: '.:.:://///ヽ       'l||ll|{
                   ‘.  .:..:..:://   }  /  .:'    ヽ      ..:.::'´..:.://///// ヘ __    'l|l|{
                 } ..:.:.:.:∠   -─}          }      ..:.:.:.::///////,.. ´  `ヽ  'l|l{
     ,.. . _      r─…   `ー‐匕.    -─,      }:.            .:.::_;厶 -‐ ''"´          'l{
  /    ` '   L._::{f¨ ̄三三三三三三,′    !:.:.        .:.:/                 j
 /                  ` <こ三三三三ン    .::/       !     , ′   .:}. -──…… ' 二二|
./                       `   、/  {     ′       j  / /   / / ̄ ̄三三三三三三|

 また、後の話になるが、この年の後半に行なわれた幕府機構の制度改革により、
家光は、新たな職(寺社奉行、勘定奉行、留守居など)が設置した。

 また、それらの職には複数名を任ずること、及び、一月交代の当番制の制定などにより、
特定の人物への権力の集中を防ぎ、また将軍家が自ら直轄できる体制をも作り上げている。

434 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:01:35.74 ID:SCGW.X.0
                       _ .............. _
                  ,:::´:::::::::::::::::::::::::`:::.、
               /::::::::::::::::j´ ``^~'Yy:::〉
                 {:::::/¨Y:イ =ミ、、ノリY
               i::〈そミソ セオこ` ,rj
               l::::ヽ)          {j′   (権現様…家光は二世権現として
                  从:八     、_ ーイ     存分に働いておりますぞ…!)
               〃"   ヽ   `こ´ /
               _/      .:\    /
           ,.イ.:       :≫≠ー-く
          //             ヽ
          / .:/  :.              ',
       /.:  ;′ :..             i
       ,'.:.:  i   :.:.              l
.      i   l      :.:. ヽ   :.:    .:.:.ハ
.      l   l :.:.    :.:.. }      .:.:/ :}
.      l   l  :.:.:..    l         .:j  i
.      ハ:.  ';   :.:.:.:.:.. /l        ;  ;
.      ' ヘ   :.  :.:.:.   l       八:ノ
.      ′ : ヾ:.:.. ヽ:       l       .'  i
    ,′  .:.Y .:j     l      .′.:.!
.    ;.:.    .:i       ;  l     Y   .:j
.    i:.    :∧  ;.  ;:. l     ヽ .:i

 こうして、250年に渡って江戸時代を支えることになる「幕藩体制」は、
この時、家光によってその礎を更に強固なものにしたのであった。

441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:13:43.73 ID:/rDdAJso
そこまでマジメにやるんならまず女を抱けと。

このあたり、細川親子で手紙山ほど往復(すぐ返事しないと親父がスネて怒る)
してるから、妙に細かい所の記録があるんだよね。

435 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:03:13.43 ID:SCGW.X.0
               ____
            ,. :´r=ニニニ=x `: . 、
             /: :/ : :_____ : : ∨ : :ヽ
           /: : :/´ ̄        ̄`∨: : : ',
        /: : : ;'             ∨ i: : :!         というわけで、随分後になっての登場だが、
         /.: /: :| / ̄`    ´ ̄ \|: :|: : :l        私らが今回の解説役だ。
          |:.:.:| : :|  __、    / __  |: :|: :∧     
          |:.:.:| : :| ,f'´テメ    ,f ヤメ |: :レ'、: :\       …これだけ長々とやってるのに、
        ∠|:.:.:| : :| 弋zソ    弋_メ |: :|.:人: :「`      この話にけいおんキャラが出るのは
          ∨:| : :ト、、、、、   '  、、、、 |: :|'.:.:.:ヽ|       これが初めてなんだぜ?
        ,r´〉, :从      ,、    小 |´ ̄ `ヽ   
      r'´` ヽ∨」_>_      イ |: :|::::::::::::::: }      そういや、先輩格のらきすたのキャラも、
    /二   ./´::::::::::::::::::::: ̄`¬=ー┴┴―-- ミ卜、   まだ一度も出てないんだよな。
.    /´:::::`ゝ、. {::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ::: ハ  


                       .....      ,.  ´ ̄ ̄     、
                              /            \
                             ´    l         l ヽ  ヽ
 まあ、それは話の都合だろ。         /   l  l  |       | |  ハ
この>>1は、男性の人物に女キャラを    ′  l | | |    | |   l |  i
当てはめるのは苦手だし、         . l l  l l l 八ト   l | |   | |  |
柳生一族の話には、           ... l |  | l |/ | `ヽl | |   | |  |
殆ど女性が絡んでこないからなあ。  .... | L 丁ノノト  l  ´]_丁 |  }ノ  |
                       ..... |  |V 灯仍     f広刃!  ハ l  |
 まあ、柳生に限らず、歴史系は      ∟ |ハ  込リ     込り |/|}   |
比較的女性キャラ少なめの傾向が  .....    | ∧""   ,    "" |  lノ l  |
あるけど…。               ......    | ∧     __      j|  | l  |
                       .....    | l  ト 、     イl |  l l  |
                             | |  |  }>r-< /V  ノ l  |
                             | |  |_ム∧r-く  / /、  l  |
                            ィ´ /,/ 〃´ ||.  ∨ /  ト<  |
                          / |   {/ {{  ||  /  /  |   `  、
                         ノ  |  /ヽ ゞーァ介ァ  / r-┘     }

436 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:06:01.83 ID:SCGW.X.0
             __
           ´      `
       /  ィニニニニニニト、 \
.     /   〃 /_  ll  ⊥_ ヽ  \
     /  / レ'´  ` ̄´    `ヽ|   ヽ
    ,  /   |             Y   l
    i    |                |  . |    
    |    |´ ̄`ヽ    '´ ̄` |  l |       ま、その話は別にいいや。
    | l.   | ,ィ≠r    r≠ミ |  l |      今回の寛永令の事で、一つ補足があるから
    | l l  | 《 {_ノ}     {_ノ} 》|  l |      私らの出番が来たわけだしな。
    | l l  |  辷ツ     辷ツ |  _r v、
    ノイl l 从 ""   '   "" 从 |l || | 、     そのお題は…「参勤交代」だってさ。
     ノハl  |、    { ヽ    |   | | || |||
      ハ  | > 、  `¨    く| 「l | | || |||
        \|ハ rl` ー‐ ´ハ ノ|ノl {ノ     !
            イ \   / | ト--| 、   / |、
      _. - 7 | ,ィ夲く | l  ∧ ヽ ′ ハ ヽ
    ,.'´   /  |〃 }{ ヾ. | | /{ ゝー‐く } }
.   /      〉 .|{{   l!  }}|〈 〈 ヽ 二二 ノ /

                                   ___
                                ,イ:. :. :. :. :. :. :. :. .、
                              /:. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. : : 、
 参勤交代か…。.                  /:. :. :. :. :. :. :. :. :. : i:. :. :. :. :. :ヽ
確かに、この寛永令の特徴としても   .    ,:. :. :. :. :. :. :./:. : : : l' 、:. :. :. :. : :ヽ
よく引き合いに出される事項だが        ,:. :.i :. :. : : : /!:. :. /! ! ii、: : ヽ:. : : '.
それだけで話をしろと言われてもな…。     l: : l:. : : i:. :/_l:._:_/イ:.!  !_'.: :. '.: :i:. :l
                            l: : l:. : : ll / l: :/ l/l  j j:ヽ:l : ll : l
 じゃあ、まず話の取っ掛かりとして、 ...   l:. :r! l: : ll/了不  '   ,r‐弌':l: /!: :l
参勤交代がどういうものか、       .   !:. :!l :ヽ: l `弋ノ     lr'j '/ヾ': !、:l
ひとまず言ってみてくれ。             l: : `!:. : `l、  ~        `' /:. :l、l、/|
                        .   l:. :. :l:. : : l       `   ,':. :. ! l ' j
                           l: :l:. :l:. : : lヽ   ‐- ‐  /:. :. :l j
                        .  !: :l:. :l:. :. : !、 > _ イ: : l:. :. :!'
                          !: :ll:. :l:. :. : l ヽ  .'ヽ: :/!: : !:. :. l
                        . /: : ll/l : : ll:l、.  `ゞ'、l.ヾ、l:.:/!:. :. !
                        . //!/  l:. :. ll:l '、 /〉'/R、 ヾ、 !:. : l

437 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:08:15.72 ID:SCGW.X.0
            .. ---. . .._
          , イ´: : : : ----- : ミ: . .、
      /: : : :/'´  ___  \ :\
      / : : : : :/ィ ´ : : : : : : }: : `ヽ.`Y: :\
    ,ム: :/: : :|: > --ミ、}:.ノ: : : :, ノY: : : : }
   /1: : ′: : :|⌒     `´ ´ ̄ ` ー|: : :i /
  /′ ! : i : : : : | u              |: : :|廴__
     |: }:|.. : : :|\        ノ  |: : :|    
     |:/ !: : : : :| -__≧ー'‘ー≦__-  } : :,{       ええと…確か、
    i! :ハ: : :i: :|弋j:_歹   弋j:_歹} .′:小.      大名が江戸と領地を行き来して…
    }'.人': :∧:{ ー '    , ` 一 ' {リ:/ |: :\
    /.:.:,:ハ: : :ト '''         ''' イ:. : トー‐`    …それでどうなんだっけ?
  /イ ノ彡'. : |> . (  ̄ ` ⌒)  ...ィ:.: : :厂`
       }ヘ: {:.:.:./下、 ブ爪::::::.:|:.: :.ん、
       {:.:∧|:.:〈:.:.|,ィr'く i::::.:{:.:.: |: :/:.:.:.:}
      |:{:.:ヽ:.:.〉:l/,Yi. ト.!:./:.:.:.|/:.:.:.:.〈
         }:.:ヽ:.:.:/:./ { |l! | |ヽ:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:}
         |:.:.:.:}:.:.|:.:ト、人_j |:.:.〉:.i:./:.:.:.:.:.:./
                             .               -──‐-
                                     ,. ´: : : : : : : : : : : : `   .
                                     /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : ヽ
 諸大名は隔年…つまり一年おきに     .        /: : : :.〃:. : : : : :.:.:.|: : : :.ト、: : : : ' ,
江戸に赴き、将軍家に挨拶すること。       ..      /: : : : /:i: : : : : : :.:.:,'i:.:. : :.l ト、: : : ::',
上洛後は幕府の指示に従い、                l: : : :.:.l:.:|: : : :|:.:.: ,'7T /ヽ:l }__',:.}: : ::.
決められた勤めを果たすこと。           .     |: : : :.:.|:.:|: : : :r=vv _j/ /′   jハ:.}: ハ
                             .     |: : :.::._|:.:l_{: : :}仔不ト    ,ィfテアjノ: }:::.
 大雑把に言えば、これだけだ。        ....     |: : : :{ |: : ::\代辷ソ     ,以}/ ハ: :.ト、}
条文にもあるだろ?                ..     |: : : :,ゝ: :.::::::|`         , `¨ {:::「¨
                             .     |: : : i:::| : :.:::::|       _    ,′|
【武家諸法度(寛永令) 第二条】        ...     |: : : l:::|: : :.::::ト、    ` ′  イ:.:.:.|
                             .     }: : : l:::|:. :. :.::| `  . __ < : :|:.:.: |
『一、大名・小名在江戸交替相定ムル所ナリ。      /: :. :.j:::|:.: : :..:ト、    i:ノ}  ',: :|:.:.: |
   毎歳夏四月中、参勤致スベシ。       ..    / : :. :.ハ::|: : :.:.:.|    >{〔´   i }: : :|
   従者ノ員数近来甚ダ多シ、             /: :/>''´ |: : :.:.:.ト、 ./`¨7_`ヽ ムイ:.:.: |
   且ハ国郡ノ費、且ハ人民ノ労ナリ。     ..  ,. ´     |: : ::.:::lハ/  /i iiヽ ハ>ヽ::ノ
   向後ソノ相応ヲ以テコレヲ減少スベシ。 ......  ,′-     |: : ::.:::|>`Y´│ト、.', }   `ヽ
   但シ上洛ノ節ハ、教令ニ任セ、      ....  l     ヽ   |: : :.::::ト、   \jイ ハ V  │ i
   公役ハ分限ニ随フベキ事。』        ..  {       ',  {: : :.::::{ \   l i ', V V .}
                             .. /j       ',  ',: :.::::ヽ   \. j | .j_,}  ヽ{

438 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:10:42.78 ID:SCGW.X.0
            ___ _   て
            イ/===\`丶、 そ
         /: : :リ´ヽ`´/ ヽ: く
.         j: : : :|ァぇ   ィぇ.ト: :',      あ!思い出した思い出した!
        <: _| : 代リ  ヒリ |: :│     あと確か嫁さんと子供は江戸に
       ∠ い: :.ゞ r‐┐" 八 :|     人質として置いておくんだったな!
         |ハ: ト ゝノ イ/ V
              /ヽ{\又「:^ヽ   /    江戸の生活費や毎度の往復にも金が掛かるから、
.           \{:::::::: ̄ ̄\:::〉 /    これで大名を金欠にして、
           j\ーッ-、::::::/^フ      幕府に逆らえないようにするって話だったよな!
          /::::::(⌒}}_>ヘ‐’
            /:::::::::::〉く丁::::::|

                               ____
                              ´::::::::::::::::::::::::::\
                                /::::::::::::::::::::::::::、::\ :::ヽ
 そうだ。          .              '::::/::|::::::::\_::::::| :: |::::::::',
それが参勤交代の                |::::|::丁::::::::´|\::|:::::| :::::: |
一般的な説明になっている。 .         |::::|::::| \_:斗ぅチ| :::ト、::::::|
                           |::::Vrテト  弋::リ::T_ノ::::::|
 ただ、当時の記録を見る限り、           ヽイ 代リ      |::::|:::::::::::|
どうもその解釈だけでは  .....            |:人   、  |::::|:::::::::::|
収まらない部分もあるようなんだ。          | ::::::≧ーr</|::/ ヽ::::::|
                              |:::::/Y V双/〉|::|  }:::|
 その辺りの事を補足してみようか。       /:::/ f7<V⌒|::|  /:::::|
                              |::::{ `{_  ⌒゙|::|/ ::::::|
                              |::八___>─ |::|::: |:::::::|
                              |::|: /       |/∨|:::::::|

439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:12:54.61 ID:RRe/6Oco
ほほう

440 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:13:35.47 ID:SCGW.X.0
                             ....           , - ‐ ̄ ̄ ̄ ` :-.、
 まず、                    .    ....         /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
                             ....        /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
 「諸大名の力を削ぐ為に、        .    ....       /:::::::::::::::::::::::::::::::〃|:::::::::::::::::::::::::::i
  参勤交代を制定した」                .       |::::::::::::::::::/ |::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::|
                             ....       |::::::::::::::::::|::::|:::::::::|  i::|\::::::::::::::::::::|
 というが、これだけを見ると、            ..      |:::::::::::::::::|_.|::::::::| ´|:| ̄}:::::::::::::::::::|
この法度が出たことで、                .      |:::::::::::::::::|  |::::::::|  .V ,_,,;vi::::::::::::::|
初めて諸大名が参勤するように                  |:::::::::::::r ,ィ=x、ヽ"   ィ'んハミ'.}::::::::|ヽ:|
なったようにも読めるが、              ...      |:::::::::::::}" んハ     弋::ソ |:::::::| 〉|
それは正しくない。                  ...      |::::::::::::::i 弋:ソ         .|_::::::|/::::{
                             ....      ∧::::::::::::i      .      / |:::::|:::::/ }‐- 、_
 実際には、家康存命中の時点で、         .     { {:::::::::::::ハ          .| |::::|:::/ /:〉./.} 〉
既に諸大名達は江戸に妻子を置き、       ...    _ィ  |:::::::::::::::::ゝ.    ‐   ./:| |::::|/ ./::i/ /  }
頻繁に江戸と所領を往復しているんだ。         〈 |  |::::::::::::::::::::` ≧ _  < |::::| |:::/ ./‐/ /  /_
                             ....    { |  |::::::::::::::::::::::::::::|_     |::/   "‐' / //
 そういう意味では、                  .    ゝ |  |::::::::::::::/ ̄ .ゝ`ヽ_  /       ゞ/、
この法度は、現状の追認に過ぎないと言える。      { ヽ  i:::::::::::|── 、 \  ̄        /ヽ ヽ
事実、この法度が制定される前から、      .....    ゝ  \ |:::::::::|ー-_    ヽ         /|  |  |
「江戸へ挨拶に来なかった」という理由で、   ......    /\  \i:::::::|     ̄ ̄''' \      / | | .|  |
松平忠直は改易を受けているわけだしな。   ......   /   \  |::::::|         |:::ー‐ --ー' //   }
                                /  |  ∧ 八::::|         {:::|ゝ>-</    /

                     ,.ヘ..,, -‐…‐- .、_
                    / 厶ヘ、 ̄ ̄`ヽ,,i \
                 /   /^´ ``´´´ ^ |  ヽ
                  /   / \、  , / | /
              / . : i ァ=ミ     ィ=ミ、l / i  !
               i  : : |〈 r':::}    r':::} 〉′i !|       じゃあ、なんで法度に記載したのさ?
              /  : :| ゞ゚′ '  ゞ゚'' / i ! 八      あってもなくても参勤してくるし、
                / . : : : ハ ""      "" ,′ i |): :.\    こなかったら罰するっていうなら、
                ,′{: : V八   `  ´  从 i | : .\一   わざわざ法令化する必要ないんじゃね?
            {  乂: :〉 /`ト 、      .イハ | く⌒ヽ
               X´ ̄`¬≠\ ー  i´: :{⌒ヽi⌒
              /       ハ  \  √`ヽ  丿
          /      /  } /ヘ/∧
        /        > |く  /介ト、',
       /        八  |  //ハ V`ヽ、
      /           \| '.〈/ ハ 〉 i| ヽ
.   /             | ヽ/ j j リ  }

442 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:16:01.36 ID:SCGW.X.0
                            ..             ....':::::::::::::::::::::..、
                                        ,.'::::::::::/|:::::::::::、::::::ヽ
                             .          /::/::;イ! |::ト、::::::|:::::::::',
 それが実は逆なんだよ。             .          ;::::|:::ハ  N _ミ、::|::::::::::|
どうも記録を見る限りだと、                      |:::::|<チc   't'゚ソ|::::|:::::|
                            ...         ト、:::} ゝ' 、  ¨´ム:リ::::|
 「参勤自体はいいけど、              .           |:λ   _    |::::|::::::!
  いつ出て、いつ帰ればいいかわからないから、           |:::::>    .ィ:::::|::|::|
  そこら辺をはっきりさせてくれ」        ...            |::::::::::::::「´ __.」:::::|::ヽ|
                            ...          |:::::::::::_∧/ ノ::::/::::::ヽ
 という大名からの要望が             .           」::::/-ノ |〉}/|::::/` ー‐`、
かなりあったから、法令化されたようなんだ。  .        / }:::| |ノ|,X__/::/   ,-┤
                            ..        | /:/ j/ノ  >::/    /  |
                            ..         |/::j // //::j      j|

              , x z --ェ 、
            ィ ´z ニニ二ニニz、x `ヽ
.         /  f´_ヘ_xz 、L z .、ノヘ  \
.        /  T´         ´ Y   ヘ
       /    !            i !   .ハ
.       !     !             ! !    !
       |  i.  |  _ ..ノ  ヘ、___ |.!    |
       |  !  | ´           .リ  ! .|
       |  !  |  ,.. ニ     ̄─-- .|  |  |       なんだそりゃ。
       |  i  |ィ´_,...--    ヽ ̄ニ ゙┤  ! .|      じゃあ、大名は自分から
       |  !  |             .!/ |Y j      .参勤したがってたってことか?
       Y ハ ヘ !      ′     /ノ |ノ |
       ノ 人| トゝ           ノイ  /  ゝ
      ノ  Yヘ iヘ    ,, ---.,    /! /|ミヽゝ
         ゝハ .| > 、 ` -´ , < .| /
           , >! ! .ハ`>- < / ! Y〈h、
         /   ド .|  \  /  !ノ〈  \
       /   /  |   rミv´ァ   |  ヘ   .\

443 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:18:32.74 ID:SCGW.X.0
                          ...         -―――-
 そんなわけないだろ。             .      ´/ : : : : : : ヽ : : : : \      
参勤に金が掛かるのは事実なんだから。     // .:.i:.:.:.:.:.|:i:.:.:.i:.ハ.:.:ヽ:.:.:.:.ヽ     
                          ...   / :i:::::∧:i::::::|:i⌒:ト:::i::::::::::::::::::::Y⌒ヽ
 ただ、当時は参勤の為のルールが     .  ′:::i::‐ト |i::::::N_:: 」ヽ|::::::i|::::::::::::|:::::::::i 
まるで決まってなかったから、            |:i:::::L::」 |i/斗f卞ア|::::::リ::::::::::::|:::::::::| 
江戸に行く時も、逆に帰る時も、          |:i:::::{{下ハ   Vソ |:丁`ヽ::::::,′:::: | 
いちいち年寄に伺いを立てて、         .  |:レイ:i vソ,   ´   |:::|_ノノ::::イ:::::::::: |
判断を仰ぐ必要があった。           .    |:::          u |:::|::::/ | ::::::::: |
                          ...    |:::ゝ   っ    .|::i厂   | ::::::::: |
 これは時間も掛かるし、          .....    |::i|  >:-‐r< ノ::j|   │ ::::::: |
大名達も緊張を強いられる。        .....    |::i|     厶ニフ::ノヘ.  │ ::::::: |
だから、                     ...     j::リ__x勹//   'ヽ  | ::::::::: |
                          ...     //《 ̄/厂/〃    │ }  | ::::::::: |
 「せめて、いつ来て、いつ帰るべきか、      // }∠イ //{     V   | ::::::::: |
  キッチリ決めてくれ」             .   // 〃  ∨::i八      {   | ::::::::: |
                          ...  // 彳   :|::::| ヘ    ハ.  | ::::::::: |
 という声が上がったわけだ。        .. .. /:: {{八    |::::|  ∧   /∧ │ ::::::: |
                            i:::|   〉   :|::::| /〈   / ハ | ::::::::: |

            .. ---. . .._
          , イ´: : : : ----- : ミ: . .、
      /: : : :/'´  ___  \ :\
      / : : : : :/ィ ´ : : : : : : }: : `ヽ.`Y: :\
    ,ム: :/: : :|: > --ミ、}:.ノ: : : :, ノY: : : : }
   /1: : ′: : :|⌒     `´ ´ ̄ ` ー|: : :i /
  /′ ! : i : : : : | u              |: : :|廴__    うわぁ…面倒臭い話だな。
     |: }:|.. : : :|\        ノ  |: : :|       じゃあ、幕府の方は何でそれをOKしたのさ。
     |:/ !: : : : :| -__≧ー'‘ー≦__-  } : :,{
    i! :ハ: : :i: :|弋j:_歹   弋j:_歹} .′:小.       諸大名が緊張して、参勤のたびに
    }'.人': :∧:{ ー '    , ` 一 ' {リ:/ |: :\     幕府の顔色を伺うっていうなら、
    /.:.:,:ハ: : :ト '''         ''' イ:. : トー‐`    そっちの方が却って都合がいいだろ。
  /イ ノ彡'. : |> . (  ̄ ` ⌒)  ...ィ:.: : :厂`
       }ヘ: {:.:.:./下、 ブ爪::::::.:|:.: :.ん、
       {:.:∧|:.:〈:.:.|,ィr'く i::::.:{:.:.: |: :/:.:.:.:}
      |:{:.:ヽ:.:.〉:l/,Yi. ト.!:./:.:.:.|/:.:.:.:.〈
         }:.:ヽ:.:.:/:./ { |l! | |ヽ:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:}
         |:.:.:.:}:.:.|:.:ト、人_j |:.:.〉:.i:./:.:.:.:.:.:./

444 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:21:12.49 ID:SCGW.X.0
                                          ,.  ´ ̄ ̄     、
                                         /            \
                                        ´    l         l ヽ  ヽ
 いや…それがな。                ......         /   l  l  |       | |  ハ
幕府の側も、年寄の仕事が増えすぎて、    ....        ′  l | | |    | |   l |  i
いちいち「その程度の事」で            ...       l l  l l l 八ト   l | |   | |  |
仕事を増やされたくない、というのが      ......       l |  | l |/ | `ヽl | |   | |  |
あったようなんだな。                        | L 丁ノノト  l  ´]_丁 |  }ノ  |
                                     |  |V 灯仍     f広刃!  ハ l  |
 というわけで、                             ∟ |ハ  込リ     込り |/|}   |
大名の都合と幕府の都合、            ...           | ∧""   ,    "" |  lノ l  |
両方の都合が合わさって出来たのが、     ....           | ∧     __      j|  | l  |
この「参勤交代」というシステムの成文化だったのさ。  .....    | l  ト 、     イl |  l l  |
                                         | |  |  }>r-< /V  ノ l  |
 そもそも参勤交代は「大名の力を削ぐ」事が             | |  |_ム∧r-く  / /、  l  |
目的のシステムじゃないんだしな。         .         ィ´ /,/ 〃´ ||.  ∨ /  ト<  |
                              .         / |   {/ {{  ||  /  /  |   `  、
                                      ノ  |  /ヽ ゞーァ介ァ  / r-┘     }
                              .     /  / / / |//l l/  /  |     ,     l

               ____,  -‐   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `丶、
            /´  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
               / : : : : /-―――――‐--:、 : : : : \
                /: : : : /:,.厶-―――――‐--: :|: : : : : : ヽ
              /: : /: :/: ::/::::\Z\/ }/Z : : : :|: : : : : : : '.
          /: :〃: : :,': :./_> ̄         ゙̄丶:| : /: : : : : |
        \  /// : : /l: :/ __\      _,斗ー |:j/ : : : :l: :|     ちょっと待て!
.     ―‐-   /'´/⌒V:│;〃アf心ヾ  ー孑ゥ≠ミ: : / : : : : : l: |    じゃあ、何のために
.    --―     /    V:l小. {ト イ|     f{ノ::Ⅵ ∨: : : :.j: : :| |    わざわざ参勤させてんだ?
    _, -'´   {     V: : } Vヒソ     |トーイソ/: : : : ∧.:.:|: |
          ∧      '; : { ''    ' -―v` ー〃: : : : : :/ヽ'; :|: :|     それだと、
          レ ヘ、   ヽ:ゝ ._  f     )′: : : : : /_ノ: V|\|
            \  j/⌒\>ゝ .. _//:.: :/∨: :/\ |     「参勤交代は、
             `/     \ : : :_|厶-―<:::^}/|/         大名家の力を削ぐ為に
           __/  /    マ'弋\: : : : : : : :∨          制定された制度である」
          /   {  /   /  ∨ヘ: : : : : : : : : ∧
           (____`ー{ _,/    |川: : : : : : : : : : :|          っていう最初の説明が
                 `ーr‐ゝ、_,∠ ノ|川: : : : : : : : : : :ト,、        成り立たなくならね?
                  |: : : |   ノ//: : : : : : : : : : : : :\

445 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:23:44.34 ID:SCGW.X.0
                                          .. -─ ・・・   ‐- ..
                                       . ´                ` .
                                    /                     \
                                    ′                    \    \
 いや、無論、大名家の力を削ぐ事も  .....           /                     、   丶 ヽ  ヽ
計算のうちに入っていただろうさ。     ..          ′                 |ヽ    '.      '.
でも、それは普請事業を任せることでも  .        l      ::        ||  i|  ハ! |ハ _ i   '  ハ
代替できる。                  .        | |    :.!      ||  T X/  l!' ハ !   |:.:..| i!
                                   | |   .:!       || /|V /   !/_j-:|  .:|:.:.:|〃
 参勤交代で肝心なのは、          .        | |     ハ     |レ:ニ ミ    ィjラハj_/:::|:.:|
                                   | |    ハ     下ハノノj       トv /:..:.: ト、ノ
 「諸大名が将軍家に挨拶に来る」              | | |    :∧     | 弋zン       `  :.:.:.:.: |
                                   | | |   :|∧ \ ゝ        '   |:::ト ノ
 ということ…即ち、                       || |    弋_ノ`ー ゝ             ハ/
大名が将軍家に挨拶する(=臣従する)事なんだ。   .| |     | ハ   \    `   ´ . ':.:/
そしてそれを法令によって成文化したことで、      ||     |  |      \    ィ´:.:.:/
                         ....       ||     | |  |:  \  \¨ |:::: /:|
 「将軍家は、                .....       | |    | |  |\   \  \j:.:. |
  諸大名の上に立つ存在である」              | | !:   | |  |_ノゝ   \  \:. ノ
                                   | | |:   | | |: : : `…ー` ー‐ ` 一 、
 ということが、                 .         | | |:    |    |: : : : : : : : : : : : : : : : : : :ハ
あらためて法によって定められたことが、....      /| | |:   |    ノ: : : : : : : : : : : : : : : :: :/: : i
この制度を定めた寛永令最大の特徴ってことだ。  '.:| | |:   .'    /: : : : : : : : : : :: : : : : : :'': : : : :i
                               l: :| | |:  /     | : : : : : : : : : : : : : : : : :; ー -く
                               |: : | | |.: /   |   |: : : : : : : : :/: : : : : : : : :: ー:、ノ
                               |: : |i 从 V     |  |: : : : :ヽ /:: : : : : : : : : : : : : :ヽ

446 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:26:09.41 ID:SCGW.X.0
                                  .      /                `ヽ
                                        /            |            ヘ
 その意味では、                       ....    /   / \     |  |l|//    ハ
「幕藩体制と将軍家の権威の確立」を目指した       .   /   ∧ヽ  く⌒  | l   | l|///       l
家光…ひいては、徳川家の目標は、            .         ハ ヽ \ ヽハ」 l   | l|////     l  
この制度の確立を以って、ほぼ完成したと言える。   ...   l   l l | V´ヽx≧=ァ| l  |从////      l
                                  .   l 从八|   〃 んハ「| l  |⌒ヽ//       l  
 家光自身にとっても、                   .....   l/| i| ヘ.     弋シ | j ノ|/ l }'//      |
自身の定めた法度によって                ......    レ'Li|l )  ''"´ 〃jイ  i| ノ ノ//       |
天下を治める事になるわけだから、             .        爪        ′ 广爪///      |
これでようやくひと段落、という気持ちになっただろう。        i/ハ く  フ   ,′   ∧/////     |
                                  .       l //∧     ,′ / /  V////      |
 そういう意味で、                      .....       |   /∧ _ イ  / /    V///     |
この「寛永令」という法度は、                        |  ///「  /  /_厶-‐…ヘ///     |
幕府にとっても、家光にとっても、              .       |  ///| ///        ∨//     |
ひとつの区切りとなる法度だったということだな。    ....       |  ///l //            V///    |

                ___
              ,  ' ´ :.:.:.:.:.:.:__:.`  、
         /,:.:.:.:.:./´,, ̄ ---- ,,`ヽ:.:.丶
        /:.:/:.:.:.:.:/´ __ヽ:.:.//__ `ヽ:.:.:.:ヽ
       ,/:.:/:.:.:.:.:/´       ̄   ` i:.:.:.:.:.:ヽ
      /:.:/:.:.:.:.:.,′             |:.:.:.:.:.:i:.',
      ,′:i.:.:.:.:.:.:!    ,   、     |:.:.:l:.:.:|:.i
      i:.!:.:|:.:.:.!:.:.|  -‐ ´     ` ー   !:.:.:!:.:.:|:.|
     /,′!:.:.:.|:.:.!   ー 、     r -  |.:.:.,!:.:.:!:.|     なるほどねぇ。
     //:.:.:|:.:.:.:|:.:li‐r==ミ    ,r ==ァf:.:./:.:.:.:!:.|    でも、まだもう一波乱ありそうな気がするけどな~。
   //:.:.:.:i.:.:.:.:l:.:|゙弋zソ       ヒzソ {:,イ:.:.:.:.:!:.!
  ∠ィ/:.:.:.:.;ハ:.:.:.ヽ{. 〃     ,   〃 |/l:.:.:.:.:.!:,′     ま、とりあえず話を本筋に戻そうじゃないの。
  /:.:.:., /イ:!:.:.:.:.{ヽ     __      l:.:.:.:./:i
 ー-‐ ´ /:.;ハ:.:.:.:.ヽ    (`7「lフ, 、   /!:.:.:./:.:{
      ` ̄  ヽ:.:.:.:.:.丶、  / l !/ /、イ、l:.:.:/、_:.\
        _,、 _\:.:.:.:.:.r'、7 ! l' / ,ハ:! l:.:./    ̄
        /´ ̄ ヾ=ニ,= ! /    /  l/
      /      ',ヘ: V       !ーr、__r 、
     i         iく:: ヽ    /_{_l::::::;i. } ̄ ヽ
      |       !ノ:::: ハ   ,!   ハ:::::::V   i

447 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:29:01.85 ID:SCGW.X.0
 さて、ある日の事…

    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|    なあ、但馬。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|    ようやく一段落したところで、
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ    一つ思い出したことがあるんだが。
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\


         / ̄ ̄\
       /    \ /\
       |    ( ●)(●)
       |     (__人__)      はっ…。
         |     ` ⌒´ノ     なんでございましょう?
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

448 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:30:11.95 ID:SCGW.X.0
     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }      ほら、上洛中に挨拶に来た沢庵だが…
  ヾ|!   ┴'   }|トi  }     あいつを江戸に来させることはできないか?
    |! ,,_      {'  }
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、
    ヽ ‐'  /   "'ヽ
     ヽ__,.. ' /     ヽ
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


         / ̄ ̄\   て
       /    \ /\  そ
       |    ( ○)(○)
       |  u.  (__人__)     和尚を江戸に、でございますか?
         |     ` ⌒´ノ
         |         }   
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

449 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:32:29.48 ID:SCGW.X.0
       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !     ああ、あいつの話はなかなか面白かったからな…。
    ヽ {  |           !           |ノ  /     懸案の法度制定も一段落したし、
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′     またあいつの話を聞いてみたいんだが…どうだ?
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |



    / ̄ ̄\
  /   _ノ  \
  |    ( -)(-)    それは…不可能とは言いませぬが、
  | u    (__人__)    何せ和尚はあのような性格…一筋縄ではいかぬかと。
  |         .ノ
  |     ∩ノ ⊃ }
  /ヽ   / _ノ }
 ( ヽ  /  / ノ
  ヽ “  /_|  |
   \__/__ /

450 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:33:40.71 ID:SCGW.X.0
     ,, - ―- 、
  ,. '" _,,. -…;   ヽ
  (i'"((´  __ 〈    }
  |__ r=_ニニ`ヽfハ  }      なあに、男は度胸!
  ヾ|!   ┴'   }|トi  }     何でもやってみるものさ。
    |! ,,_      {'  }
   「´r__ァ   ./ 彡ハ、     但馬、頼んだぞ。
    ヽ ‐'  /   "'ヽ   
     ヽ__,.. ' /     ヽ
     /⌒`  ̄ `    ヽ\_
    /           i ヽ \
   ,'              }  i  ヽ
    {             j   l    }
   i   ヽ    j   ノ   |   } l
   ト、    }   /  /   l  | .|
   ! ヽ      |  ノ    j  ' |
   { |     } |      l    |
   ヽ |     i  | \    l    /|
    { |     l   |     |   / |


            /⌒`"⌒ヽ、
           /,, / ̄ ̄ ̄\
          /,//::       \
         ;/⌒'":::..        |⌒ヽ     ははっ!
       /  /、:::::...       |ヽ_ \
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )
    ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

451 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:35:53.46 ID:SCGW.X.0
 ゙̄''ー-、.._                                _,,-―'" ̄
       || ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| |              | |
    ||    ||;; |  | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| |  |\
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |  |  \
    ||    ||;; |  | |   |  |:   | |.  i i        | |  |   |
    ||    ||;; |_| |   |_|:   | | (_;;).       | |  |    |
    ||    ||/ /| |         | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| |  |    |
    ||    ||/  /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_|   \  |
    ||    || /                       \  \|
    ||    ||'                             \
//||   /                               \
//|| /
//       / ̄ ̄\    ) ;;;;)
/        /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
        |    (─)(─)  /;;/
       . |    (__人__)  l;;,´    …上様にはああ言ったものの、
         |     `∩_ノ)━・'    和尚のことじゃ。嫌がるに決まっておるしのう。
       .  |     |_ノ       どうしたものやら…。
        /ヽ    |  |_
        |  \_/ ノ ヽ
        \     /_|  |
        | \ /  _/

452 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:38:18.68 ID:SCGW.X.0

        / ̄ ̄\       .とはいえ…上手く転がれば、
      /       \    上様にとっても、和尚にとっても、
      |::::::        |   .そして、わしにとっても、良い結果になるかもしれぬ…。
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |    やってみる価値はある、か…。
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´

 こうして、政治の流れに一区切りがついたところで、
物語は、新たな展開に繋がるのであった…。

453 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:39:45.77 ID:SCGW.X.0
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|        
_   |        
\`ヽ、|        
 \, V"       
   `L,,_       
    |ヽ、) ,、    
   /  ヽYノ    
  / r''ヽ、.|     
  | `ー-ヽ|ヮ    
  |    `|     
  |.     |     
  ヽ、   |     
   / ̄ ̄\    
 /  _ノ ヽ_ \  
 |  (≡)(≡) .l  
. |   (__人__) |  
  |   ` ⌒´  |  
.  |        }   
.  ヽ       }  
   ヽ     ノ    

┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ

【やる夫で学ぶ柳生一族(その36)「武家諸法度」】 完

454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:40:31.58 ID:/rDdAJso
乙でしたー。
参勤交代は意外でした。
というか毎回よく調べはる。

456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:40:40.57 ID:1/VxSB.0


いい感じに江戸っぽくなってきたな

455 :1 [saga]:2010/08/23(月) 00:40:35.04 ID:SCGW.X.0
【その36 新規登場キャラ】

 堀式部少輔直之    : 亜内武文(逆転裁判)
 佐久間将監実勝    : 工具楽我聞(こわしや我聞)

 安宅丸         .: ブルーノア(宇宙空母ブルーノア)

 解説役(その36)1  ..: 田井中律(けいおん!)
 解説役(その36)2  : 秋山澪(けいおん!)

457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 00:43:21.46 ID:WrmDVlM0
乙でした。
挨拶に行く行かないは、戦国の頃(もっと前?)から揉め事に絡んでますね。

最後、今度は和尚も易々とは出てくるとも思えないですが、どうやって引っ張り出すのかしら。

463 :やる夫で学ぶ柳生一族(その36) [saga]:2010/08/23(月) 01:02:34.99 ID:SCGW.X.0
 どもども、お疲れ様でした。
今回はいつもにも増して遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
こんな時間までお付き合いくださりありがたい限り>皆様

 今回は、寛永十二年当時の情勢について、簡単ながら触れてみました。
今後の話にも絡みそうですし、背景という形でこの辺の話はしておいた方がいいかなあ、と。
つか、突っ込んだ話をしようとすると、それこそ、柳生どころの話では無く、
当時の幕府政治史に手を突っ込む事態にもなりかねなかったので、流石にそれはパスで。
まあ、ざっくりと「この頃、政治的に結構でかい動きがあって、宗矩もバタバタしてた」ということを
ご認識頂ければひとまず大丈夫でアリマス。

 さて、次はまた沢庵和尚の出番になるかと。
ただ、来週は荒山先生のトークショーがあるので、更新できるかどうか微妙でアリマス。
申し訳ない。

 つか、なんか名前欄がおかしいなあ、と違和感感じてたのですが、
名前欄にタイトル入れるの忘れてた…。
ぎゃふん。

 そんなわけで、最後だけでも入れてからお別れをば。
ではではー。

468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 01:14:28.26 ID:I6.H4rQo
乙です。今回は阿部家光ががんばってたなぁ。

470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 20:53:40.53 ID:o8hv2G60
乙です。

宗矩が普通に過労死しそうな勢いなのに
一族見渡しても、どいつもこいつも役に立ちそうにないってのが気の毒すぎる。
もう宗矩って還暦越えた爺さんなのにな。

一族の中で一人だけ「世を渡る術」を持っているばっかりに、
苦労を全部背負い込まされてる感じがする。

471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 22:08:43.37 ID:34vpOsYo
でも、それがなけりゃ柳生家が復活できたかどうかっつーとなあ

472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 23:36:16.27 ID:s3fjRDk0
十兵衛「剣術(と2次元)に生きたいので」
左門「上様のお傍にお仕えできるだけで十分なので」
宗冬「学問と能(と2次元)だけでいいので」
3人「働きたくないでござる!」

宗矩「駄目だこいつら何とかしないと・・・」
沢庵「お前のせいだろうJK」

という電波を受信した。




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