- 740 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:01:34 ID:XU3aXq/A
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。
【今回のメイン柳生 : 柳生新左衛門清厳(やぎゅう しんざえもん きよとし)】
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| ・ .. ・ | 柳生家の嫡男、新左衛門清厳、推参!
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- 741 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:01:50 ID:5bfvMbzo
- 待ってました!
- 744 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:04:12 ID:Vu7XuE5I
- おぉっ、尾張がメイン張るのはいつ以来だろう!
- 746 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:05:27 ID:XU3aXq/A
- 【寛永十四年(1637)時の柳生一族系譜】
大膳長永
:
<柳生家>
:
├─────┐
柳生永珍 中坊源専
:
├─────┐
家厳 重厳
| (七郎左衛門)
| (松吟庵)
├───────────────────────────────────────────┐
宗厳 .妹
(新左衛門) .【江戸柳生】 |
(石舟斎) .(大和柳生藩) <幸徳井家>
├───┬───┬────┬───────┐ |
厳勝 久斎 徳斎 宗章 宗矩 友景
(新次郎) (五郎右衛門). (又右衛門) .|
| (但馬守) |
| 【尾張柳生】 | |
├────┬────┬────┐ ├─────┬─────┬─────┐ .|
純厳 利厳. 妹 厳倚 三厳 友矩 宗冬 .六丸 友種
(久三郎) (兵庫助). (権右衛門) .(十兵衛) .(左門) .(主膳)
| (幼名:七郎) .(刑部少輔) (幼名:又十郎)
|
├─────┬────┐
.清厳 利方 .新六
.(新左衛門) .(茂左衛門)
- 747 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:06:09 ID:XU3aXq/A
- 【第1部(その1~11)のあらすじ】
時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復、
更に家康が幕府を開いたことで、宗矩が将軍家剣術指南役となり、
柳生家、そして柳生家の新陰流…「柳生新陰流」は、一気に繁栄の路を進む。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。
【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その新しき世において、柳生家は将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、
尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」の二家に分かれ、
宗矩は「坂崎事件」を解決するなど、剣術指南の枠を超えた才を発揮し、柳生家を発展させ、
兵庫助は新たな時代の剣、「直立たる身」の工夫を編み出し、新陰流を発展させる。
その後、時は寛永・三代将軍家光の世に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。
【第2部後編(その25~45)のあらすじ】
晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の禅僧・沢庵が紫衣事件で罪に問われ、
また自身も主君家光より難題を出されるなど、次々と苦難が立ちふさがる。
だが、大御所・秀忠の逝去によって赦免された沢庵より
「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、信任を確かなものにする。
そして、宗矩の惣目付就任、柳生藩一万石の大名への立身や、柳生新陰流の全国への広がり
また、十一年ぶりに江戸に戻った十兵衛も、宗矩より印可を授けられるなど、柳生一族が繁栄の絶頂を謳歌する中、
寛永十四年、江戸を遠く離れた九州の地において、後に江戸時代最大の一揆と呼ばれる「島原の乱」が勃発。
幕府も鎮圧のため、上使・板倉重昌を派遣した。
そして、島原に着いた重昌の前に、
何故か尾張柳生家の嫡男・新左衛門清厳がその姿を現したのであった…。
- 749 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:07:48 ID:XU3aXq/A
- / ̄ ̄ ̄ ̄`丶、
,.-''⌒´ \
/ ⌒` ヽ
/ i"'"! !`、 |
'/ イ| | | i i、 \ |
|ィ′ / /ノ j lノ ヽ\ヾト、、 丶 ヽ
l'|.イ ,イ' ``丶、 ×´\\\ i 柳生伊予(※)・・・というと
|へ.| ===。=、 = 。==== ヽ \、 | 確か、尾張候の兵法指南役で、但馬守殿の甥であったな。
|.` ー‐ '/ ー― '" |ト、 | その子がそなたというわけか。
| / ||,) |ヽ. |
|.く__ - 丶 |!'ノ i||
ハ ー――‐一 /! i |_ |
゙イ,`、 === / ,|||| ~"'''‐-
,. -‐'''"~ヽ. / ノノノ/|
\__/ / |
| \ / |
| ヽ/ |
l /\ |
l/| /\ |
板倉内膳正重昌
(いたくら ないぜんのかみ しげまさ)
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/ \ はっ!
/ \ / \ 今回事あるを聞き、
| ・ .. ・ | 御縁がある石谷様におすがりし、参陣をお許し頂きました!
| ' ̄` |
/\____/ヽ
※ 兵庫助は「柳生伊予守」を名乗っていた。
無論、官位を伴う正式なものではなく私称の類だが、兵庫助の通称として認知されていた様子。
(徳川実紀にも”柳生伊予”と記載されている)
- 750 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:09:38 ID:XU3aXq/A
- 、-‐-、r''二∠‐- 、
< ̄ニ ミ -─ 、 \
///r .ニ、 ヽ \\\ヽ
レ'〃,' l f'''゙゙l ∥ l l ! ヽ.l
. /イ//,.1.| l l、i 、 | ∥ l.|
レ/イ-lノ、 ゝlヘ.「ヽ\ | l | だが、そなた今、嫡男と申したな。
|==ij ==i;j=''| | l |
. │"ー) ー‐ '゙ |lゝ、 ! 尾張候の兵法指南を勤める家の嫡男が、
| < 、 |Lノ│| 陣借り牢人同然のやり方で来るとは、尋常ではない。
. | ヽニニニフ ,| l |.∥| どういうことだ?
ヽ、 ー ./リ ノハ l !|
. ` 、__,. '´ ///_,.ゝ!|.!
,」 -‐ イル',. -‐}ル}
. /\ /::;::-─-:ヽ.
/-r'´>':::::/::::::::::::::::::::ヽ
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|:::::::::::::::::|
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| ・ .. ・ u|ヽ それは…。
| ⊂⊃ | l
/\____/ /
/__/__ __/
- 752 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:11:30 ID:XU3aXq/A
- _ , -─- 、
/ ニ `′二_`ヽ.\
/ / ヘヽ -‐、 \ ヽ
/ / , l f'``"" | ト l l |
! | 〃 , | l | l |、 | |.|
| l /イノー-、 rヽ!'ヽ!ヽ | 話せ。
. | /l''==a= , =a==''|r、! 但馬守殿の類縁ともなれば、事によっては
|,イ| ` ̄ 〈|  ̄´ ||'イ .此度の参陣、認めるわけにいかん・・・っ!
. ド||. ,__ヽ__、 l'イ|
l l.ト、 __ イ l | どうなのだ。
-‐'''l ! l.\ /:| ! |`:ー-
::::::::::l,ル ト、 ` ー '´ ./!ル':::::::::::
:::::::::::::::N \ / |':::::::::::::::
::::::::::::::::| ,>< |:::::::::::::::::
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/ u\ /\
| - ..- | …ははっ。
| ⊂⊃ | それでは事の始まりから…。
\____ /
/ ⌒ヽ (
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ ヾ_ つ
- 753 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:12:47 ID:XU3aXq/A
- さて、ここからは清厳のここまでの物語になる。
【父】 【母】
/ ̄\ ... /^ \ ,ヘヘ、
| | ...... l/, 二=‐宀ー~-、
\_/ ... l / ` ヽ、
| ... l i / / / i i ヽ
/  ̄  ̄ \ l i/ i / / iハ i i ヽ
/ ::\:::/:: \ ... l i i/ _厶L/_i iハi i i i
/ .<●>::::::<●> \ .... | レi i ///∠/ノ i ナナトi i i|
| (__人__) | .. l |i i レ欠}f^ テマト|| i ハi
\ ` ⌒´ / l ハ ト`辷ソ .じ:ソソ iノ / i
/,,― -ー 、 , -‐ 、 l l i ヽ 、 ゙^' /ノ ///
( , -‐ '" ) ... l i i i|\ ー' , イ「//
`;ー" ` ー-ー -ー' . l ii ハ | ` -r 'i´ハ i |
l l .... l i i i__i .< | ノノ i i |
柳生兵庫助利厳 お珠
(やぎゅう ひょうごのすけ としとし)
┗━━━━━━━━┳━━━━━━━━┛
【子】
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/ ⌒ ⌒ \
| ・ .. ・ |
| `ー' |
/\____/ヽ
/__/__ __ヽ__\
∠ !:::::::::::::::| |::::::::::::::!__ヽ
|_7|_ ____ __ F !」
 ̄.`┴、..,,,___,..┴"  ̄
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柳生新左衛門清厳。
元和元年(1615)、柳生庄にて生まれたという。
父は柳生兵庫助利厳、母はお珠である。
(弟である茂左衛門利方、七郎兵衛厳包とは母が違うとする説もあるが、ここでは同腹とする)
- 754 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:14:13 ID:XU3aXq/A
- (:;:〃::;;;)
g _,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,:;::;;(:;〃:;;::〃:;;″
,ノ,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;丿:;〃:;;::〃:;;″''',
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 ̄ ̄ ̄l: ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ヾ:〃:;;:〃:;;;:〃:;;)
| 丿,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,丿il″.゙:;ソ'l:;;::〃,:;;;:〃:;;)
| .l|l l:〃:;):; l ⌒ | |ヽヽ
,,,,,,,,,,,,,,,,|゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚l|l''''''''''''''''''l :〃 ;),, l゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚|゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚| ;丿:;〃
l:l'''l |:::::::::::::::::l|l | ̄| _ l:;:〃:;;). . |::::::::::::::::::::::|::::::::l| ̄l|: ,:.;,丿;;;:〃:;;)
l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l |_|:| : |:l: /~~゙ヽ' |::::::::::::::::::::::|::::::::l|柳l| ”ー、,,,,,_
l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l : ::.l: ヽ;;:;丿,,,,-' |::::::::::::::::::::::|::::::::l|生l|.,l: `゚‐
""""|:::::::::::::::::l|l ._,,,,,,,,,,,,、lr''''''゙゙゙~ |::::::::::::::::::::::|:::;;;,.l| l|゙` ,'''゙゚゙"ヽ
.llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,!'''゙゚゙"ヽ.l| l| *i,,,'l_ :;:;::゙:;
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .'l_ :;:;::゙:;|l" ̄:;:ヽ `─"'
`─"' ヽ_,,丿 .,.,:;;.,;
そして、兵庫助が尾張藩主・徳川義直の兵法指南役に就いたことにより、
名古屋へ移住し、三の丸に与えられた屋敷にて育つ。
- 755 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:15:45 ID:XU3aXq/A
- _
/O \
| .° |
\_,/
|
/ ̄ ̄ ̄ \ _
/ ::\i||i/:: \ // 新左衛門ッ!
/ <●>::::::<●> .\ // お前は柳生を、そして新陰流を継ぐ男だッ!
| (__人__) .| // そのためにも、鍛錬鍛錬、また鍛錬だッ!
\、 |!!il|!|!l ,///
/ |ェェェェ|. ,\// さあ、しないを振れッ!一回でも多く!!
しイ ト 、ノ
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \ ._
| ・ .. ・ | // は、はい!
| ⌒ u .| .//
/ \____/ヽ //
l l__ __ヽ__\//
\ \:::::::::| |::::::::::::::!__ヽ
そして、兵庫助の嫡男でもあったことから、
兵法については父・兵庫助より厳しく教え込まれたという。
- 756 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:17:13 ID:XU3aXq/A
-
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄\
/ ::\:::/:: \ …よいか、新左衛門。
/ .<⌒>::::::<⌒> \ お前の名前は、御爺様と同じ名なのだ。
| (__人__) | .その名に恥じぬ腕になるよう、心がけねばならぬぞ。
\ `⌒´ /
/,,― -ー 、 , -‐ 、
( , -‐ '" )
`;ー" ` ー-ー -ー'|
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
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/ \
/ ⌒ ⌒ \ もちろんです!父上!
| ・ .. ・ |
| `ー' |
/\____/ヽ
なお、清厳の名である「新左衛門」は、曽祖父である石舟斎宗厳と同じである。
(これとは別に、「権平」とも名乗っていたというが、ここでは新左衛門で統一する)
- 757 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:18:34 ID:XU3aXq/A
- / ̄ ̄\
| |
| |
\__/
|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.\
/ . \
./ \
/ .\ 新左衛門、お前はわしの跡継ぎじゃ。
| 'ノ二ニ_‐-, i-‐_.ニ二ヽ | 今、この修行を乗り越え、
l >┬o┬、i iy┬o┬< | 鍛えて、鍛えて、強く真っ直ぐに育ち、
| `┴‐┴' { }`┴‐┴'′ | 門弟百万(ミリオン)を目指すんじゃ。
l ` ̄ ̄┌|  ̄ |┐ ̄ ̄´ !
| └`----'┘ .|
.\ ヽ ヽ--―‐--―‐--/ / /
\ ! \二二二二/ ! / ,..-''"´ ̄`ヽ
| \ ―― /lヽ _」 ,/´ ヽ
__/\ ヽ_____,i____ノ /井ヽ く. `く ,.-''´ ヽ
┬┬/ /井\ /井井|\┬r-、 `r‐ヘ. 〈 ,. -''" ヽ
t井/ /井井\. /#井井ト、 \井ヽ. ヽ `''ヽ_〈 r┬ |
:井| |ヽ 井井\ /:#井井|#ヽ ヽ井ヽ ヽ、__ゝ-' |
井| | #ヽ井井#\ /井井井|井tヽ ヽ井|ヽ | l、 |
f#| |井#ヽ:井井#\. /#井井井|井井| |井|井`ノ ヽ |
:#| |井井ヽ井井井\ ,/井井井井|井井t| |井#t/ |
#| |井井#ヽ井井井#:/:井井井井|井井ff| |井f/ |
f| |井井井ヽ井井#/:#井井井井 / 井井井| |井| |
/0 ̄\
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___
/ \
/ \ /\ お任せください!父上!
| ・ .. ・ | 新左衛門は、必ずや父上の跡を継ぐ者となります!
| ー |
ノ\_____/\
/´ _i⌒i⌒i⌒i┐ヽ
| l ( l / / / l
l l ヽ /
- 759 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:20:08 ID:40OGfDG.
- ミリオンwww
- 758 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:19:13 ID:5bfvMbzo
- いや突っ込めよそこはw
- 760 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:20:59 ID:XU3aXq/A
- _,....i、_i、_.--z._
,.-‐'´::::::::::::::::::::::::::::ヽ._
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ`
_フ:::::::::::;::-jルiハi`jノ`'').-、:::}
フ::::::ハj´....____ _,.-彡 |リ‐-、_ 柳生家の跡取りが、
/',:∧| ..>r。r-、`y レi'j´`i|,j_,,. ヽ √〉 わざわざうちの槍を学びに来たのかい?
/"" ゝ、| '、`'´ _,i`′´i,___.ノ|∠-‐ .{ //
_|y''" `'ヽ.i.  ̄ 彡、_ /_,..- ノ // なら、しっかり修めて帰ってくれよ!
_,.. -‐'''" |y'' ,...=- `=、 ー--´‐/_,..=' . イ //
/ '''"" ゝ, _,...-_ー-`'ーy、___∠.. -- // __r-'r''、
__,.. -|,'" ̄ ,,.........ゝ、 _,-'"_.-'´`'v',..-‐''ー、./_,..'-‐'´ヽ.i^i、ノ
/ヾ''゛゛ゞ、 _.....___,,,,.......ヾ、 //'´/_,.-‐ 、./" _,.-、__,イ/
`'ー------‐‐‐'´::::::::::.. `ヽ、.;,/~_,..- ,イ _, -ッ' /
::::::::::::::::::::.. /_,..-''"'' .イ ̄ .//|
::::::::::::::::::::ノ ,.-'''´ ノ |ヾ//: |
::::/ / /:::|// : |
/〃" ノ.// : |
__..-‐‐/'´ ../,. イ : |:::::
/, '"√/~~^Y__..//~"'ナ==- : |::::::
/ . ' // ̄`Y/.∠...______| ; _,く :
} l| ∠-‐レ、 i,.|/~ ̄~`'''ー==、三≠人
| l|/ ../, ヘ_|'′ ヽ. ヾ. ヽ.
,ヘ }リ / / ヽ, ヾ, '゛ヽ,
/ " \ミ/ ` ,ヽ. ゛|
/\ /::::::| ヽ.ヾ |
/ /|:::::::::::| ヽ, ; |
/` 、./::::|::::::/ | i 〉
/ /::::::::::::i/ 『~~i‐'i
/ /::::::::::::/ |只、_,i
/ /:::::::::::/ ||三| |
/ /:::::::::::/ ||三| |
/ /:::::::::/ |~~`ヽ.ノ
//::::::::/ `'ー‐''´
∠-‐' ´ 宝蔵院禅栄房胤舜
(ほうぞういん ぜんえいぼう いんしゅん)
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/ ___
/ \
/ \ / \
| ・ .. ・ | よろしくお願いします!
∩_| ' ̄` | (父上も剣だけではなく、槍や長刀を修められた…。
⊂ ) )_____/ 私もそうあらねば!)
ヽ≡ニヽ_ __ヽ
\ l::::| |::::::::::::::
また、家伝の新陰流だけではなく、宝蔵院流の槍術も学んでいたという。
(大和の宝蔵院まで行って学んだかどうかは不明)
- 762 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:22:18 ID:XU3aXq/A
- . =ァ
_/ ,ム..______
.x七7´:::::::乂{::::::::::::::::::::::::::::::::V/ハ::`ヽ、
/\ /:〈V/::::::,. -‐'‐=¬ ¬─- 、:::V/}::::::::::\
く: : : : ∨::::::::::::::/ ̄  ̄\ :::::::::::::::::::ヽ.
r=ミ: : : /::::::::::::::/ / ,ノ 从 ミメ、 ト、 V:::::::::::::::::::::ヽ
| : : :_:_:|:::::::::::::/ イ丁ア Vハ | \丁ミヽ. V ::::::::::::::::::∧
`ブ: : :.|:::::::::::/ i Y , ,ニ=ミ リノ ,ニ=ミヽY V::::::::::::::::::::::〉 こんにちわ新左衛門殿!
く_,、: : | :::::::/ /从 i{. ら:::::} ら::::::! }| _,V::::::::::::::::::/ 今日は歌の時間ですよー!
i/: : :.|::::::::i {/人八弋zソ , 弋zソ ノ,'/:.:.:.:`ヽ :::::::/
/: : : :.V::::::| , 八ハ xx __ xx./:.:.:.,. ‐-、:.:`ヾ´ さあ、歌いましょう!銀河の果てまで!
{_:_:,イ: :.V::::レj ∧ rfヘ i/ } ヽ.:./.:.:.:.:.:.}:.:.:.:.}
\」: : |ヽ:::::レ'::::::V:::::(爻)、 ─ ' . イレ'::,>、:.:.:.ノ:.:.:.:/
\_八_>----- /廴}^Z`二二´=‐≦..__/7ヽ.:./
/⌒〈/ {了}
| ,′ 「⌒〈/
`ーi |
| l
| |
| |
l 丁 `Y ノ
'. l 〈 〈
ヽ '. \__}
\__」
霊峰元奨
(れいほう げんじょう)
|
|0 ̄\
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| \
|u / .\ は、はあ…。
| .. ・ | (毎度ながら霊峰様のあの旅装はなんなのだ…)
| ' ̄` .|
|____/
(⌒ー─' )
その他、武芸だけではなく、読書や詩歌も好んでいたらしく、
父との縁から、妙心寺の僧である霊峰を文学の師としていたという。
- 763 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:24:16 ID:XU3aXq/A
- そして、主君である義直の下へ小姓として出仕し、
父である兵庫助とは別に、三百石の禄を得ていたという。
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/ \ 殿!
/ \ / \ この私が新陰の正統を継いだ暁には、
| ・ .. ・ | 殿にも新陰流の印可を!
| ー .|
. \____/ ☆
/ >ヽ▼●▼<\ .|-―|、.
/ヽ、 \ i |。| |/ (ニ、`ヽ.
.l .l |。| | r-、y `ニ ノ \
l | ー─ |  ̄ l `~ヽ_ノ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ'ヽ--' / 新陰流 /|
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______
/ ̄新陰流 /|  ̄|__」/_ 新陰流 /| ̄|__,」___ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ 新陰流  ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄|/ 新陰流 /| / .|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| /
'、三三三三三三三ゝ-、
_ ,,, __, -'" ̄`~""'’三三三三三三三三三ヽ
_,,-_´,三三三三三三_三三_三三三三三三i
`"' 、三三_三//三ハ三三三i三三三i___
.i;;;`;;、三i0'i i,、 /´ }三/_i/⌒i三三, -'"
‐--――、-――i く i'-,`==- -==ニi''´ i 9/三/ おめぇ…その話、外で言うなよ?
‐-、_,‐-,,-,,_`ー三ゝ、i、 i' -i i- i /-'"三〈,,__ 聞かなかったことにしてやっから。
ヽ;;;;i `ー 、 ` ーi  ̄ y ` ̄ ノイ ̄"'' ̄`
i;;;;;i `--.ノi ヽ -― , '" i
i;;;;;;;', i´ ゝ-- " i`ー、-、 ← 現時点の新陰流四世宗家。
/;;;;;;;;;i iヽ / ヽ-―、 (元和六年、兵庫助から道統を継いだ)
‐-,,_/;;;;;;;;;;;;;i i;;;;ゝ,,_______, -'/
"'- 、 / i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
i ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
ゝi 丶;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ /;;;;
i ゝ;;;;;;;;;;;;;;;/ /;;;;;
徳川義直
(とくがわ よしなお)
尤も、性格的に人の言うことを聞かないところがあったらしく、
主君の前で無礼を働いたこともあったという。
- 764 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:25:45 ID:5bfvMbzo
- 義直優しすぎるwww
- 765 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:26:01 ID:XU3aXq/A
- さて、そのように、概ね尾張柳生家の後継として、
順調に過ごしていた清厳だったのだが…。
ト、._人_,.イ_,.ィ
j`‐' ‘ーィ
、- ' L_
) ゴホッ! (_
) (
⌒)-、 ,. 、 〈
′ ヽヽ'⌒ヽ「 人人人人人人
< >
< ゲホゲホッ! >
< >
Y`Y`Y`Y`Y`Y
.
- 767 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:27:27 ID:XU3aXq/A
- .
o
ゝ;:ヽ-‐―r;;, 。
,,_____冫;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\ ,,,,,,,, o /
"`ヽ;:;:;;;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:从 (;:;:;:;:ヾ-r
〈;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:) 0 ソ;:;:;:;:;:;:;:}
,,__);:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ ゞイ"ヾ,:;:,ソ
(;:;:ノr-´^~;;r-ー⌒` ,.、
" ,,,, _;:;:⌒ゝソ;:/
(;:;:丿 (;:;:;:;:;:;:;:;:;:)
ヾ;;;;;;;;;;;;/; \
´ /;:ノ 。 。
()
── その身に、病が降り掛かったのである。
- 768 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:28:55 ID:XU3aXq/A
- ┃|/ ̄\
┃| |
┃|\_/
┃| |
┃| ̄ ̄ ̄\
┃| ノ :::::\\ 新左衛門…。
┃|<●>:::::<●>\ 体の具合はどうだ?
┃| (__人__) |
┃|.u ` ⌒´ /
┃| /
┃|{ヽ,__ ) ガラッ
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/u. \
/ / \ \
| ・ .. ・ | ち、父上…あまり側に寄られては…ゲホッ!
| ⊂⊃.i|| u |
/\____/ヽ
- 769 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:30:07 ID:XU3aXq/A
-
/ ̄\
| |
\_/
___|__
/ .\
/ .\ :::: /\
/ <●>:::::<●>\ 殿には、小姓の御役を辞する旨、お伝えした。
| (__人__) u. | 早く病を治し、また再出仕せよとのお言葉だ…。
\ u.` ⌒´ /
ノ \
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
. ___
/ \
/ \
| ノ ヽ、 | ありがたいお言葉ですが、
| ・ .. ・ l|!|i | 果たして、この病が本当に治るのでしょうか…?
./\ ' ̄` /\
| |_ __/ )
| |:::::::| |::::::::/ /
(YYYヾ____(YYYヽ
(____ノ--('___)ノ
この清厳の病は、病名は不明だが、かなりの難病であったといい、
そのため、清厳は禄を返上し、役を辞した後、実家の一室に篭り、外に出なくなったという。
- 770 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:30:52 ID:DFzF1rg6
- 労咳かなあ。
- 771 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:31:28 ID:XU3aXq/A
- , (⌒ ⌒)
(⌒ ( ) ⌒)
( ) )
(_ヽ_ハ从人_ノ_ノ
| || | |
ノ L,l ,|| |、l、
⌒:::\i||i/::\
/ <○>::::<○>\ そのようなことでどうする!
/ (__人__) \ お前は我が柳生家の跡継ぎなのだぞ!
| u. |::::::| | 病などに負けてはならぬ!
\ l;;;;;;l /l!|
/ `ー' \ |i いつまでも自室警備員を続けるつもりだ!
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE | ドンッ!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ >
レY^V^ヽ
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \
| |ll! ノ ヽ_ | …しかし、色々試したものの、
| li|! ・ .. ・ | 治る気配はありませぬ。
/ ⌒\___⌒__/ 最早、望みなど…。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;
- 776 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:34:47 ID:DFzF1rg6
- >>自室警備員
兵庫助が言うのかw
- 772 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:33:00 ID:XU3aXq/A
- / ̄\ / ̄\
| | | | ドカッ
\_/ やかましいッ! ヾ,;_/ ”;
__)_ ・ i!/´ ̄ ̄`ヽi! ;
/ \ _ ∴ ,’ / ヽ へべっ!?
/ .::ヽ _ -―= ̄  ̄`ヽ i! ;;::.:.、|
/ -―=二三 ̄ ̄ ̄ ; ’; '" :::::;;|
| / ,;’ | /
レ' ___ ,-―ニ二三_'" __,〉 i!_/
/ ノ´ ̄ ̄ /´ `ヽ
,/ / ,-―‐、/ |
/ / 「 / |
{ {-、 } | r |
| ヽノ | ! / i |
| \ | / _/ |
| r、 \ ヽ ノ r'〈 |
,} / \ \ `ー-‐" | ヽ__,ノ
/ / \ ヽ / }
,/ / `ァ ! / /
/ ノ ,/ / / ,、 /
- 774 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:34:34 ID:5bfvMbzo
- ぶったね!親父にも殴られた事が無いのに!
- 779 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:36:56 ID:uwgzO8lk
- 自宅警備員VS外出ニート・・・親子だなこいつらw
- 773 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:34:33 ID:XU3aXq/A
- / ̄\
| |
\_/ よいか!
ノ L__|___ ) 余計なことは考えず、病を治すことに専念せよ!
⌒:::\:::::/::\ ヽ .どうせなら、湯治でも考えればどうだ!
/ <●>::::<●>\ )
/ (__人__) \, `v'⌒ヽ/⌒ヽ/ ,. ‐- .. _
| |::::::| | / __ `` ー- 、
| |::::::| | , ィ/ ゝヽ ̄ヽ ー- '
\ l;;;;;;l /" _ / { {ヽ、_ ヽ' ノ_,.〉
\ `ー' \_ -ァー- 、_ ... -‐ ' ヽヽ、 `>、..ノ=┘
/j >-‐ ' ´/ / / / _ノ \ `ー '!
, -‐ 7´/{⌒| / _/ j >‐'
/ / //| 〉‐f/ \' ! ´
/ ,' > .|/ レ ゚ノ
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/::::::::::::::\
/ ノ::::::::::ヽ \ と、湯治ですか…?
|( ;:;:;:;:;ノ.. ー. ;;|
(;:;:;:;;;:; .⊂⊃ ;;;# |
\___┃_/
./ || |||
- 778 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:35:53 ID:XU3aXq/A
- / ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ::::\:::/::::\
/ u <●>::::::<●> \ おう!有馬の湯にでも浸かってくればいいのだ!
| (__人__) | .気分転換と治癒も兼ねて、一石二鳥だ!
\ `|::::::|´ / なんなれば、俺のワゴンを使ってもいいぞ!
ノ .l;;;;;;l \
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
. ___ て
/ \ そ
/ / \\ ち、父上のワゴンですと!?
/^/^/^| u ・ .. ・ .|/^/^/^l
l l^l ⊂⊃ (ヽ /
ヽ /\____// /
- 780 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:37:15 ID:XU3aXq/A
- | ┃ ―― / ̄ ̄ ̄ ̄ \
| ┃ ―― / \
| ┃ ―― | |
| ┃ | |
| ┃ | |
| ┃ \ /
| ┃ \ ____/
ヽヽ__ | ┃ |
-┼┐ __ | ┃ |
/ | / | ┃ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ そうだ!
./ J / ツ | ┃ / / / / \ その気になれば、
| ┃ / / / / \ いつでも言うがいい!
| ┃ ノ / / / \
| ┃ ―― / \
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ u\ /\
| ・ .. ・ | は、ははっ…!
| ⊂⊃ |
/\____/
/ ⌒ヽ (
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ ヾ_ つ
- 781 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:38:58 ID:XU3aXq/A
-
< パタン
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ …とはいえ、正直、湯治などしたところで、
| |ll! ノ ヽ_ | この体が治るとも思えぬ…。
| li|! ・ .. ・ | 私は、このまま何も為すことなく、ただ死ぬのを待つだけなのか…?
/ ⌒\___⌒__/
/ ,_ \ \/\ \ 「若、若」
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;
- 783 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:41:32 ID:DFzF1rg6
- まさか…死に場所探し?
- 784 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:43:40 ID:Le3uUpCc
- 石船の息子の一人もこんな感じで早逝しなかったっけ?
- 782 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:41:01 ID:XU3aXq/A
- _,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;)
`"/ _ ・ ) . .:.:_.::;`ト-‐、
i.;'"゛ . : :.::・ )::::!:.:;;` `i
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 若、お具合如何でしょうか?
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛ 今日も色々噂を集めてきましたよ。
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".}
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ いやしかし、今日も先生大噴火ですね。
./ ` 、,`''‐二ニ二し‐''1 自室警備員とは、また散々ですな。
{`'.、 ゛''‐-、,,;_;;;...-‐''",l
武藤太左衛門儀信
.(むとう たざえもん よしのぶ)
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
.l^l^ln \
ヽ L ヽ \ …太左衛門か。
| ゝ ノ.. ・ | 外に出られぬ私にとって、お前の話だけが楽しみのようなものだ。
/ / ⌒ | 今日はどんな話を聞かせてくれる?
/ /___/ヽ
- 785 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:44:22 ID:XU3aXq/A
- _,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;)
`"/ _ ・ ) . .:.:_.::;`ト-‐、 そうですねぇ…。
i.;'"゛ . : :.::・ )::::!:.:;;` `i 例の島原のキリシタン一揆がまだ続いてるので、
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 とうとう幕府から上使が派遣されて、その御一行が今日、名古屋に着かれたとか。
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".} 牢人連中は、槍一本で仕官できる機会だって、
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ .なんとか随身しようと息巻いてますが。
./ ` 、,`''‐二ニ二し‐''1
{`'.、 ゛''‐-、,,;_;;;...-‐''",l
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \ ′_
/ \ /\
| ・ .. ・ | ほう、あの一揆、まだ続いていたのか。
| ⌒ | 随分と派手な話になったものだな。
./\_∩ノ ⊃_/ヽ .
(____/_ノ __ ヽ_
- 786 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:45:55 ID:XU3aXq/A
- _,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;)
`"/ _・ ) . .:.:_.::;`ト-‐、
i.;'"゛ . : :.::・ )::::!:.:;;` `i 九州の諸大名家も動員されたそうですし、
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 これほどの規模の戦は、大坂の陣以来じゃないでしょうか。
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".} もしかすると、これが戦で手柄を立てられる
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ 最後の機会になるかもしれませんしね。
./ ` 、,`''‐二ニ二し‐''1 そりゃ連中も張り切るでしょう。
{`'.、 ゛''‐-、,,;_;;;...-‐''",l
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \ 最後の戦、か…。
| ・ .. ・ | 太左衛門、その話、もう少し詳しく聞かせよ。
| ' ̄` |
(^ヽ____/^)、 「はあ」
|__ノ , |、)|
- 787 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:47:57 ID:XU3aXq/A
- ─ ひとしきり話を聞き終えた後、その夜…
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \
| | ………。
| |
/\____/ヽ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (・) (・) ゙Y ねえ、太左衛門様。
i _(三三三三) ノ 若の様子、変じゃない?
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ 夕飯も食べずに、ずっと何か考えてるみたいだけど。
槍持・豆頭(仮名)
(ずず)
_,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,.u.゛ `ヾミ;)
`"/ _- ) . .:.:_.::;`ト-‐、
i.;'"゛ . : :.:: -)::::!:.:;;` `i うん…。
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 (もしかして…今晩、何食べるかまだ決まらないのかな?)
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".}
- 788 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:49:57 ID:XU3aXq/A
-
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/ ___
/ \ クルッ
/ \ / \
| ・ .. ・ | …二人とも、決めたぞ!
∩_| ' ̄` .| 彡
⊂ ) )_____/
ヽ≡ニヽ_ __ヽ
\ l::::| |::::::::::::::
_,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;)
`"/ _・ ) . .:.:_.::;`ト-‐、
i.;'"゛ . : :.::・ )::::!:.:;;` `i
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 あ、(夕飯、何を食べるか)決まりました?
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".}
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ
./ ` 、,`''‐二ニ二し‐''1
{`'.、 ゛''‐-、,,;_;;;...-‐''",l
- 789 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:51:18 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \
| ・ .. ・ | 私は、今から島原へ行く!!
| ' ̄` | すぐにでも支度せよ!
/\____/ヽ
r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i,
| i, {, ニ , .| | i, ………は?
.l, i, } 人 ノヽ | { {
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (i) (i) ゙Y
i _(三三三三) ノ ………へ?
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ
- 790 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:53:19 ID:wYno22iA
- うわあ斜め上
- 792 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:54:17 ID:Le3uUpCc
- 死に花を咲かせに……か。
- 791 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:53:21 ID:XU3aXq/A
- r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ u. /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i, あ、あの、若?
| i, {, ニ , .| | i, 何故に夕飯がそのような話に?
.l, i, } 人 ノヽ u. | { {
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
【たざえもんは こんらんしている!】
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \ 夕飯?なんのことだ?
/ \ / \
| ・ .. ・ | それより…お前達、私の病が本当に治ると思うか?
| ' ̄` | おためごかしはいらぬ、正直に答えよ。
/\____/ヽ
- 793 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:55:02 ID:XU3aXq/A
- r'゚'=、 て
/ ̄`''''"'x、 そ
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ u. /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i, え?いや、そ、それは…。
| i, {, ニ , .| | i, その、何事にも絶対ということは…。
.l, i, } 人 ノヽ u. | { {
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (i) (i) u ゙Y そうですよ!
i _(三三三三) ノ 治らないと決まったわけでは…!
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \
| ・ .. ・ | …つまり、まず治る見込みはないと思っている、ということだな?
∩_| `ー'. | ふふ、隠さずともよい。
⊂ ) )_____/
ヽ≡ニヽ_ __ヽ
\ l::::| |::::::::::::::
- 794 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:57:11 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
. ___
/ \ 実際、このような有様では、到底家も流派も継ぐことはできぬ。
/ \ だが、それでは、私という人間はなんだったのだ?
| \ / |
| ・ .. ・ l|!|i | 父上の期待に応えられず、
./\ ' ̄` /\ こうして一室に閉じ篭って自室警備員歴を延ばすだけなど、
| |_ __/ ) 恥を晒すために生きているようなものだ。
| |:::::::| |::::::::/ /
(YYYヾ____(YYYヽ …このような不名誉、最早耐えられぬ。
(____ノ--('___)ノ
r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i,
| i, {, ニ , .| | i, (…やっぱ気にしてたんだ、自室警備員)
.l, i, } 人 ノヽ | { {
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (i) (i) u ゙Y (…自室警備員)
i _(三三三三) ノ
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ
- 797 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:58:31 ID:6E3uG3kU
- やめてやれってw
- 795 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:58:03 ID:Le3uUpCc
- もうやめて、読者のHPはゼロよ!
- 798 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:59:02 ID:Vu7XuE5I
- 親父の方は、結婚するまで気にした風はなかったのに……<自宅警備員
- 796 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 22:58:18 ID:HscO6rCs
- 清厳のこの後の行為がある意味「やっぱ尾張もスゲー」という評判になったのかな。
宗章と同じ効果ということか。
- 799 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 22:59:07 ID:XU3aXq/A
-
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \ そこで、ずっと考えておった。
| ・ _ ・ . | まともに生きることもできぬ身なれば、
| |::::::l .| せめて、武士として、人として、死に花だけでも咲かせられぬかと。
/\_ _l;;;;;;l_/ヽ .
/~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ そこに、ちょうど島原の…戦の話だ。
,___゙___、rヾイソ⊃ _ヽ
r'゚'=、 て
/ ̄`''''"'x、 そ
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ u. /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i,
| i, {, ニ , .| | i, あっ…!
.l, i, } 人 ノヽ u. | { { そ、それであんなに詳しくお聞きに…!?
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
- 800 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:00:55 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \ そうだ。
| ・ .. ・ | この機を逃しては、次の戦がいつになるかも分からぬ。
| `ー' | それまでに、私が病で亡くなっては意味がないからな。
/\____/ヽ
l l__ __ヽ__\ だからこそ、なんとしても島原に行かねばならんのだ。
\ \:::::::::| |::::::::::::::!__ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ u. /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i, わ、若…!
| i, {, ニ , .| | i, それでは、お家はどうなるのです!
.l, i, } 人 ノヽ u. | { { .嫡男たる若が亡くなられては、このお家は…!
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
- 801 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:02:16 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \ …そのことなら心配要らぬ。
/ \ / \ 私が亡くなっても、茂左が、それに新六もおる。
| ・ .. ・ |
| _/ }ー' | 元々、父上とて御爺様(厳勝)の次男ではないか。
(/、 〈 __/^)、 厄介者の長男が消えれば、
ハ Y` , |、)| 晴れて柳生家もまともな嫡男を立てられるというものよ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ{ ヽ_ゾノ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`¨
r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ u. /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i,
| i, {, ニ , .| | i, …そんな……!
.l, i, } 人 ノヽ u. | { { .
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
- 802 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:04:09 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \ …なあ、太左衛門、豆頭。
/ \ /\ お前達にも迷惑をかけることは重々承知しておるが、
| - .. - | どうか、私が死に花を咲かせるのを手伝ってくれぬか?
| ' ̄` | .いや、せめて私の出奔を見逃してくれるだけでもよいのだ…!
ノ\_____/\
/´ _i⌒i⌒i⌒i┐ヽ 頼む…!
| l ( l / / / l
l l ヽ /
r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ u i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ /・l, l, \ ヽ
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i,
| i, {, ニ , .| | i, ……若。
.l, i, } 人 ノヽ | { {
}, '、 T`'''i, `ー" \__,/ .} |
.} , .,'、 }, `ー--ー'''" / } i,
| ,i_,iJ `x, _,,.x=" .| ,}
`" `ー'" iiJi_,ノ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (i) (i) u ゙Y ………。
i _(三三三三) ノ
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ
- 804 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:06:13 ID:XU3aXq/A
- _,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;) …もう、水臭いなあ、若は。
`"/ _^ ) . .:.:_.::;`ト-‐、 何でそこで「共に死に花を咲かせよ」って言ってくれないのさ?
i.;'"゛ . : :.::^ )::::!:.:;;` `i
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し' _,,..........._
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".} ...... ,.._ f )
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ .. | yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
./ ` 、,`''‐二ニ二し‐''1 ...... Y (^) (^) ゙Y そうですよ。
{`'.、 ゛''‐-、,,;_;;;...-‐''",l .. i _(三三三三) ノ ここまで聞いて、合力しないとかあり得ないでしょ?
|`‐、_`‐、,,__,,,,,、-‐'イ .. (\ツ ゞへ ヽ
.{ヾ、, `''‐-‐-----‐''";! . Y `ーイ
ヾ‐、ニッ‐------''"/ ..... | i
`ゞ,,、,`_''''''';;,__';;;/ . | |
_,,)`“”‐r;''”`'”{, . ヾ ー ― ― /
/⌒';`r=,、;}' r-y‐-ゝ ..... 7 ーrr--r‐"
ゞ___i___,;;ィ人!、__!.:.:;;)) ...... ( _) (_ )
`'''''''''''" `''''''''''''”
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___ て
/ \ そ
/ \ / \ お前達…!
| ・ .. ・ |
| ⊂⊃ u. |
/\____/ヽ
- 806 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:08:23 ID:XU3aXq/A
- _,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;)
`"/ _^ ) . .:.:_.::;`ト-‐、
i.;'"゛ . : :.::^ )::::!:.:;;` `i そうと決まれば、善は急げ。
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 ちょうど有馬行きをお許し頂けましたし、
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛ それをお題目に、島原行きの準備をとっととやっちゃいましょう!
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".}
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (^) (^) ゙Y あ、仁兵衛様や彌蔵にもちゃんと話しておきましょうよ。
i _(三三三三) ノ そうしないと、きっとスネちゃいますよ?
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \
| ^ .. ^ | ははは…お前達、
| ⊂⊃ u. | 腹をくくってしまえば、私以上に動きが早くなるな。
/\____/ヽ
- 807 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:09:48 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \
| ・ .. ・ | …ありがとう。
| `ー' | これで私も、武士として、生きた証を遺せる…!
/\____/ヽ
l l__ __ヽ__\
\ \:::::::::| |::::::::::::::!__ヽ
_,;‐-、_ .______,
/,. ..::. 'i∠三;;;:.:`‐、.
し;;、"''./_,. ゛ `ヾミ;)
`"/ _^ ) . .:.:_.::;`ト-‐、
i.;'"゛ . : :.::^ )::::!:.:;;` `i
,,イヾ、 .: : . `;::;ノし;:.. 丿 いえいえ。
/ `‐、`'ー、,,___,.ノ;( し'゛
,ゞ、 ,,イ`マニヽ-‐".}
ノ`''ミヽ!_ ‐く,、:.::).:.:.ノ
_,,..........._
,.._ f )
| yr'⌒ー~⌒ヽr'⌒)
Y (^) (^) ゙Y なんのなんの。
i _(三三三三) ノ
(\ツ ゞへ ヽ
Y `ーイ
- 803 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:04:45 ID:HscO6rCs
- 祖父の厳勝は足腰に後遺症が出てもなにくそと生きていたし、
清厳もなにくそと生きるという選択肢もあったはずなのにね。
戦士としては足腰の後遺症は戦えないから駄目で、
吐血くらいなら戦えるからオッケーということだったのかしら?
- 805 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:08:03 ID:6E3uG3kU
- >>803
先が見えないまま早死にするくらいならってのはあるんじゃないかな。
厳勝は動けないだけで命には別状無かったんだし。
- 808 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:11:21 ID:XU3aXq/A
- そして…。
/0 ̄\||i
|:::::::::::::::::|
\___/
___ii
i||/ \||i
/ \ / \||i
| ・ .. ・ | フェード・イン!
| ' ̄` |
i||/\____/ヽ||i
/__/__ __ヽ__\||i カシーンッ!!
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ワ ゴ ン |
- 809 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:12:52 ID:5bfvMbzo
- あーぁwww>ワゴン
- 810 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:12:57 ID:XU3aXq/A
- /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ \ / \ では父上!母上!
| ・ .. ・ | 行って参ります!
| `ー' |
/\____/ヽ
l l__ __ヽ__\
\ \:::::::::| |::::::::::::::!__ヽ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ワ ゴ ン |
/ ̄\
.| |
\_/
__|___
/ \
/ \ i||i / .\
/ .<●>::::::<●> \ …おう。
| (__人__) | しっかりとな。
\ .`⌒´ /
ノ \
___ ,ィ===、
/三三ミ、 ////三ヘ
/ ///イ≧ゝ ‐〈乂== 三ヘ、_
/ // / >= ヾ彡二二ニ‐- 、
/ /// // / イ二ニ 、 \
/ /// // / / / / \\ヽ \
/ /// // / / / / / | |! | } 、 ヽ ヽ\ ヽ
/ /:{/ イ | / // / / / /! !! | | ヘ ヘ ヘ ヽヘ
./ //.{ /.| l! イ //イ / / / / | | ! ! | | | ハ | ハ
. /イ |イ l | | イ/ /|/ / / / | | | | | | | :| :! |
/イ/ ∧: | ! ! /_/z/7/ ̄/ ̄ l! / /イ 丁 :! :! | :!
// //∧:!:| |7 / /_/ェュ/、 / /r=、 / /| | l ! …体にだけは、気をつけるのよ。
/ //川∧.l | /ィ升代7ミ / /ィ升 〉/ // / :/! /
:://州川.ヘヘ :!ヘ弋:辷ソ 辷ソ / // /| / |/
/州川川 | ヽゝゝ , ∠,/// !/ / 「…ははっ!」
/川州川 | | 7l\ イ / |! /
川州川∧∧ :| | \ r_7 イ|i:|/ |!
州川州/∧∧|イ > .、 _ , イ|川:|l:トュ、l!
川州川:/; ;ヘヘ \ / ヽ, l:|川リN; ; \
- 812 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:14:27 ID:XU3aXq/A
-
-=三 =-=三 /0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
-= =-=三= / \
-=三= / \ /\
| ・ .. ・ | さあ、行くぞ!
| ⊂⊃ | 私の、生きた証を遺すために…!
-=三 =-=三 =-=三 / .\____/
/__/___ _ヽ\
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
-=. =- =..- | O Y - ワ ゴ ン |
.二三 | |
|______________|
◎ ◎
かくして、清厳は有馬への湯治と称し、一路、島原へ向かったのである…。
- 811 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:13:17 ID:Le3uUpCc
- 両親とも、承知しちゃうのか。
武家って切ないなあ。
- 814 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:18:51 ID:kvKGGcJ2
- これを受け容れたら、幕臣として少々問題かも知れないが
受け容れなかったら武士として大問題…
- 813 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:17:20 ID:XU3aXq/A
- そして、時は戻り、再び島原…。
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
___
/ \
/ u\ /\ …これが、ここまでの経緯でございます。
| ・ .. ・ | 嫡男といえど、既に病に犯され、
| ⊂⊃ | あとは死に花を咲かせるだけが望みの身であります。
\____/
/ ⌒ヽ ( 板倉様!どうか、何卒…!!
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ ヾ_ つ
/ ̄ ̄ ̄ ̄`丶、
,.-''⌒´ \
/ ⌒` ヽ
/ i"'"! !`、 |
'/ イ| | | i i、 \ |
|ィ′ / /ノ j lノ ヽ\ヾト、、 丶 ヽ
l'|.イ ,イ' ``丶、 ×´\\\ i
|へ.| ===。=、 = 。==== ヽ \、 | なるほど。
|.` ー‐ '/ ー― '" |ト、 | そういうことだったか・・・。
| / ||,) |ヽ. |
|.く__ - 丶 |!'ノ i||
ハ ー――‐一 /! i |_ |
゙イ,`、 === / ,|||| ~"'''‐-
,. -‐'''"~ヽ. / ノノノ/|
\__/ / |
| \ / |
| ヽ/ |
l /\ |
l/| /\ |
- 815 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:20:03 ID:XU3aXq/A
- _ , -─- 、
/ ニ `′二_`ヽ.\
/ / ヘヽ -‐、 \ ヽ
/ / , l f'``"" | ト l l |
! | 〃 , | l | l |、 | |.|
| l /イノー-、 rヽ!'ヽ!ヽ | ・・・いいだろう。
. | /l''==a= , =a==''|r、! それだけの覚悟があるならば、最早何も言うまい。
|,イ| ` ̄ 〈|  ̄´ ||'イ 戦場にて、本懐を遂げるがいい。
. ド||. ,__ヽ__、 l'イ|
l l.ト、 __ イ l | では、下がってよいぞ。
-‐'''l ! l.\ /:| ! |`:ー-
::::::::::l,ル ト、 ` ー '´ ./!ル':::::::::::
:::::::::::::::N \ / |':::::::::::::::
::::::::::::::::| ,>< |:::::::::::::::::
/0 ̄\
|:::::::::::::::::|
\___/
/ ⌒`"⌒`ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄\ は…ははっ!
/,/ /:: \ この御恩は、きっと槍働きにて…!
;/⌒'":::|.. |⌒ヽ
/ /、:::ヽ... /ヽ_ \
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノー‐ヾy_ノー─"
こうして、清厳は板倉重昌の軍勢に加わることになったのである。
- 816 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:22:24 ID:XU3aXq/A
- その後…
,. ---- .、
〃´`ニ´゙ヾi
|| ''ニ, ニ`:|| 内膳様。
. {f| __,{_}、_ |i} あの若者、いかがでしたかな?
ハヾ三三フ,ハ
,. -‐'''"| |`ー=‐イ |`'''ー- .、
/ | ,、,、_L⊥|ー-‐j⊥.」 ハ
. l h////〉 ゚ ヽ/‐ |,ハ
| l/ ´'./ |。 fニ。ニl |/:|
石谷十蔵貞清
(いしがや じゅうぞう さだきよ)
、-‐-、r''二∠‐- 、
< ̄ニ ミ -─ 、 \
///r .ニ、 ヽ \\\ヽ
レ'〃,' l f'''゙゙l ∥ l l ! ヽ.l
. /イ//,.1.| l l、i 、 | ∥ l.|
レ/イ-lノ、 ゝlヘ.「ヽ\ | l | ああ、石谷殿。
|==ij ==i;j=''| | l | 彼については、このまま私のところで
. │"ー) ー‐ '゙ |lゝ、 ! .預からせて頂きます。
| < 、 |Lノ│|
. | ヽニニニフ ,| l |.∥| ・・・本人の望み通り、
ヽ、 ー ./リ ノハ l !| 武功を上げやすい場に配置しましょう。
. ` 、__,. '´ ///_,.ゝ!|.!
,」 -‐ イル',. -‐}ル}
. /\ /::;::-─-:ヽ.
/-r'´>':::::/::::::::::::::::::::ヽ
- 818 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:24:03 ID:XU3aXq/A
- ___
/::::::::::::`丶、
/::::::::/゙ ̄二#ニゝ、
/:::::__:ヽ、 u __ヽ >
,/::::/,‐y'/ v ヽ' く っ
. /,':::::ヽジ/ _、__,ノr_ \ っ そ、それは・・・っ!
-‐ ''7 !:::: / ゙l {i⌒ヾ==ュ ー' っ もしかすると討ち死にするかもしれぬ、ということですかな?
--‐,' |/ l v ヾ===ュ だ、大丈夫なので・・・っ!?
i |、 ヽ、 v j
│ lヽ、 ,>r┬く \
|. /\l\._,./ ││ \.\
レ'′ o |:::::::::/ ´\ | \|ヽ.
l:::::/ ` ./ l::\.
∨ _ / /::/ .l\
/o /|l\ / // /::/ \
_ , -─- 、
/ ニ `′二_`ヽ.\
/ / ヘヽ -‐、 \ ヽ
/ / , l f'``"" | ト l l |
! | 〃 , | l | l |、 | |.|
| l /イノー-、 rヽ!'ヽ!ヽ | もしかするもなにも、
. | /l''==a= , =a==''|r、! あの若者は、この戦で間違いなく討ち死にするでしょうな。
|,イ| ` ̄ 〈|  ̄´ ||'イ .あれは、もう死に花を咲かせることしか考えてない・・・いわゆる死人。
. トl.| _ ヽ _ l'イ|
l l.ト、.‘'''" ̄ ̄`'''’,イ l | 見方を変えれば、原城に篭っているキリシタンどもと、
-‐'''l ! l.\  ̄ / | l |`:ー- 然程変わりません。
::::::::::l,ル ト、 ` ー '´ ./!ル':::::::::::
:::::::::::::::N \ / |':::::::::::::::
::::::::::::::::| ,>< |:::::::::::::::::
- 819 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:25:38 ID:XU3aXq/A
- ____
/, - 、_ ,.\
. // -、_  ̄_, ヘi
. l L ⌒ヽ,, ̄,/│
l.n.| -, 、- | 死人・・・ですか。
||f;l|.u__ノ{. j、 l では、どうやったところで死んでしまうと?
,ノ ,ノ./|`ァ|.((三===ミ ! 生きて尾張に戻させる、というのは無理だと・・・?
_, (-(_'Z |/. ヽ ` ̄二ニ´'/ 、
` ーt,'、ヽ ` ー---‐ァ1 ! ` ‐ 、_r- 、
, ‐ァ-//‐、 \. / l :| ,-、`ヽ ヽ
.///゙二つ 、ヽー-‐/ / | !. r'‐┴、|
| ' /,.-‐く/`ヽ!:::::i /\:| } `iニヽ |
| ! ' ,イ^'´ |::::| l ⊂''ヾ.|
/ ̄ ̄ ̄ ̄`丶、
,.-''⌒´ \
/ ⌒` ヽ
/ i"'"! !`、 |
'/ イ| | | i i、 \ |
|ィ′ / /ノ j lノ ヽ\ヾト、、 丶 ヽ そういうことです。
l'|.イ ,イ' ``丶、 ×´\\\ i 私のところから外されたなら、他の諸家の軍勢、
|へ.| ===。=、 = 。==== ヽ \、 | それでも駄目なら、身ひとつでも戦場に入って戦おうとするでしょう。
|.` ー‐ '/ ー― '" |ト、 | とにかく、華々しく討ち死にすることが、彼の望みなのですから、
| / ||,) |ヽ. | 尾張に戻る、というのはどう考えてもあり得ませんな。
|.く__ - 丶 |!'ノ i||
ハ ー――‐一 /! i |_ | どうせそうなら、このまま私のところで預かった方が、
゙イ,`、 === / ,|||| ~"'''‐- .まだしも但馬守殿への義理も立つ・・・。
,. -‐'''"~ヽ. / ノノノ/|
\__/ / |
| \ / |
| ヽ/ |
l /\ |
l/| /\ |
- 820 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:27:44 ID:XU3aXq/A
- _ , -─- 、
/ ニ `′二_`ヽ.\
/ / ヘヽ -‐、 \ ヽ
/ / , l f'``"" | ト l l |
! | 〃 , | l | l |、 | |.|
| l /イノー-、 rヽ!'ヽ!ヽ |
. | /l''==a= , =a==''|r、! ひとまず、但馬守殿には一報入れておきますよ。
|,イ| ` ̄ 〈|  ̄´ ||'イ 討ち死にしてからの報告では、後々面倒にもなりかねませんし。
. ド||. ,__ヽ__、 l'イ|
l l.ト、 __ イ l | では、そろそろ我らも休みましょう。
-‐'''l ! l.\ /:| ! |`:ー- いよいよ出陣ですしね。
::::::::::l,ル ト、 ` ー '´ ./!ル':::::::::::
:::::::::::::::N \ / |':::::::::::::::
::::::::::::::::| ,>< |:::::::::::::::::
/ ̄ ̄ ̄\
//^ヽ、_ノ^゙ヽヽ
.. i./ ‐-‐-‐ i l
|| ~^ 〃 -ヘ |.|
(6| ⊂. .⊃ |6) ・・・因果なもんですな。
. | ノ~(_)~(._ |、
_,. -‐'|ヽ ⊂ニ=ニ⊃ ,ノ i`‐-
| i` ‐-----‐´ l |
| | | | | |
. |/\!`‐--‐´|/\!
゚\ /~
Y。 lニ。ニl
- 821 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:29:35 ID:XU3aXq/A
- ,' / :/: :/: : :/ \:_:_|_j: : :ハ: : ヽヽ
| | : l: : |v/! \! |/ '; : : ',:ハ
| | : l: : |ヘ: | l: : : l: :!
| | : :\| -‐…''|: : : |: | んー…
| | : : :| _,,. -‐ |: : : |)|
| | : : :| 、、 |: : : |: |
| | : : :|、 r-‐' |: : : |: |
| | : : :| \ /|: : : |: :ヽ
/ : | : : :|ー' >―┬―‐r< ::::/: : :├‐く
/ : : | : : :'、::::::::::::/ /: : : : :〉 ヽ
\ : : | : : : :\ーく ―- ' /: : : : :く l
>: :l>: : : : :> \一'⌒⌒ > 、: : : ヽ |
/ :/: : : : :/ l 丶----/:{__ ): / |
_,,.. ..,,_
. <: : : : : : : : : : : > 、
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : \
/: : :/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ
/: : /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
,': : //: : : : : : : : : : : : : : : : : ィ: : : : :l
|: :〃: : : : : : : : : : : : : >'´ V : : : |
どうしたんですか、えりか? l: :l|: : : : : : :/: :> '´ v: : : |
―- 、 {⌒l:|: : : : : :/:/-― __ |: : : ;
-―: :{⌒ヽ/´|: : : : :/'_ ` j/: :/
: : : : : ゝ. |ヘ」: : : :/イ__,爪ヽ ,ィ¬y /: :/
: : : :/ { X._ヽ: : V::0:::}} {:しイ|∨:/
: / `¨{ }>辷'ノ 辷ン/く^ヽ
丶 l \ ' ' _ ` ' ' /: : :ヽ|
/ 丶. ‘ ´ ,. イ: : : : :/.\
〈 `フ7"´丶 | : : : : : : . ヽ
_ , / | | : : : : : : : : l
- 822 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:31:37 ID:XU3aXq/A
- , -――- 、
/: : : : : : : : : :\
/: : : ∧: : l:ヽ: :\: :\
/: :l: :/ }: /!ノ/: : \: :\_ つまんなーい!!
,: :Nヽ{ ノ'∠ _ \: :ヽ: : : : | 解説だけなんてやっぱつまんないよー!
|: :|一ァ r‐- 、 l: : :|: : : : しノ} もっとあたしも話の中でバッタバッタと活躍したい!
|: :|/ l .-\ |: : :`¨7: : :ノィ したいったらしたーい!!
|: :l | / \ノ¨7: /: : : : ノ
|: :.ゝ. V | /∠ノ}: : : : :)
(>: :ノ`¨\ ∧  ̄ ̄ )ノ`V
く: : :く:\ ヽ≧rく )く_y―イ
ノ}: <: :く_,、_V_,ゝ'^ ̄l ||
 ̄´`ーl |ヽ | ||
... . <  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ `
/ / ___: : : : :
/ _ \ /: : : : : : : : : : : :
/ /: : : :>'´. -―――――-
えりか、そういうワガママはよくないですよぅ。 . / /: : : : :// u
今回は、解説の役で出てるんですから、 . / /: : : : :/-―- 、 |
ちゃんとお仕事をしないと…ね? ..... ' /: : : : :/ i\ `ー' {_ノ
| l: : : : /、 __ ノ ヽ , -―
『よし!決めたよ、つぼみ!(聞いてない)』 .| |: : : / ○ }/
. . ‐ァハ{ : : { /丶 __ ノ
. / { \:〈 〃 ○
. { ヽ/ `\ー----‐ '´{
| 三三 ヽ
- 824 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:33:05 ID:XU3aXq/A
- n /)
/ レ' ∠.. _
, -――- 、 __ _,ノ! ―-〈
/: : : : ;、: : : : :\ / / {_ ゝ-、 く´ ̄
/.:/: :/: :/ ヽ: : :}: : : ヽ / ヽイ `┘
/: :l: ;ム: { }: :ハ: : l: l / /
n ト、__,/: :人:|-、` ィ-x!: :|: | _,/ / というわけで!
j |_ >: : :/: ://fし1 fし1 }: :|:`ニ:/ /
⊂¨´ 厂 了⌒ヽー 厂 ̄ ̄ ̄: :/l ゞ┘ ' ゞ┘/: : |: :/ /| | 「今までの話は、
く/, .┴―{ {: : :r――=く八 {厂 } ' ' | : : |´ /:ヘ:し:ノ 一切無かった事にして下さい」!
└〈_/ 廴__ V: ハ _ /∧> `ニ´ <|: : ヽ _,∠:∠ノ: |: く
`\: V: Y、/ \ レ-/ /丶:_: : : : : : : : : 人:: :) これからは、私達が主役の新スレ
_,∠\_/ /\ r―\V /―ァ / ̄ ̄厂 ̄ }ノ
/\ _\./ //{ 「¨! / /: : : :ノ 『ハートキャッチ!柳生一族!』
/、/ >/`二 /人  ̄ L.{ ̄ } /^¨¨´
/ \\// ` ̄/¨! }_/八 \.ノ / が始まるよ~!
/ /`/ 、___ /_/ }/ \{ / . -― 、 みんな、応援ヨロシクね!!
〈 /丶./ / / |O O丶'´ | _
\/ /  ̄ ̄/ / ノ | ∠^\_
丶-=ニ二二∠厂 ̄ ̄ O O ___/ /::::>┐\
|  ̄`/ / ::/  ̄\_))
ヽ / / / .::/
\/l l /. /:::::/
`丶. \、 / Y⌒ヽ/
`寸¬ー十'´ \ /
ヽ . \_,/
、 ',
', ヽ
. ',
', .
. ',
', i
',ー一1
. :::::::'
', :::::',
. :::::',
} :::::〉
/しノ 〉
/j}/,='
〈二>'´
- 826 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:34:44 ID:Vu7XuE5I
- ちょ、この数年間www
- 827 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:35:01 ID:Da8NfsxA
- 心の臓を取り申す!柳生一族 ですね、わかります。
- 825 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:34:39 ID:HscO6rCs
- >『ハートキャッチ!柳生一族!』
誰が誰をやるつもりなんだろう? うーん。
- 828 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:35:24 ID:D.HhlLIc
- なにこの超展開?!
- 829 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:36:08 ID:XU3aXq/A
- \\ | | | / / . ┏┓┏┳┓ ┏┓
. \\\ .| | | / / .....┏┛┗┻╋┛ ┏┓ ┏┓ ┃┃
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\ | \ | .// .l_ / ...... ┗━┛ ┗┛
____| |\\/\// / /
\ ____| \/\/ / / _______
\ \ /  ̄ ̄ __ /
\ \ __lV 、_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄― "" / ―――
/ / , > へ´ ` 、 ̄ ̄ / ――
/ /// Y l\ \ く ――――――
/ /./ ! \ | ̄ \
/ / // ̄ ̄7〃 .|〃 ─┐ /
// ..// //\ |\ ─── /
/ //// \. | \ _/
/ / / / l ∥l \ | \\
./ / // l .i ` \\
- 830 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:36:58 ID:XU3aXq/A
- ... / : : : : : /:/ ヽ: : : : : : : ヽ
,′: : : : : /'´ : : : : : : :|
: : : : : :/ ヽ _/ ∨: : : : ::|
もう! . i: : : : : :L..--‐-ミー ´-‐,.ニニミ、 : : : : |
冗談はそこまでですよ! |: : : : : :l /ニ元ミY ヽ / イ以う卞 ',: : : : j'´ ̄ ̄`ヽ、
... . {圷抃"} ' |::癶 :| }: : ::/==ニ二ミ、ハ
ここらで終わらせないと、 . ∧ : : :l V し'リ リ'⌒{ l::トJ リ ノ: ∠._==ニ二ミ、八
いつまで経っても解説ができないでしょ! / ヽ : : ヽゞー'’ / } 、 ゞ=ゞ'’仏イ j \==ニ二ミ、}
さ、始めますよ! / `ー-ニ)ー-'´ , 、 ` ー- ´ イ \‐- . Y
/ \ \ 「`| / / i| \ |
/ \ ` . _、.ノ__,.. ´ /| i| \ノ
./ ヽ ト===- 、ヽ / / | i| \
/ イ | \__/ ̄ ̄\」 | \
._.,,, -/\/\
/:::::::::::\ /
/:::::::::::::::::/ \
l: : : : : : : :\/\/!
l: : : : : : : : : : : : : : : l
/: :/: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : /
: :/: : : : |: : : :{: : : : : / l: : l: : : : : : 〉
: l: : : : : |: : : ∧:-―:| l_: :ト、: : :l: : :l
: |: : : : :∧: イ ヽ: : :! l: :メ、l: : :|: : :|
: |: : : : :| \{ \{ jノ } : /: : :|
: |: : : : :| _,≧y j/l: : : |
: |: : : : :|, イ介トJ} ≦.._ |: : : | へ~い。
/|: : : : :| ‘ー一' ィ介Ji`Y : :| (ちぇ、本当にやっちゃってもよかったのにぃ)
(|: : : : :| 、、 ヽ ヽニノ |: : : |
._|: : : : :| 、、 |: : : |
: |: : : : :| /|: : : |:、
: |: : : : :|、 ⌒ ^ /:.:|: : : |: :\
:∧: : : :ヽ:>:┐ _,,.. <: : : :|: : : |: : : :}
:_:/: : : : : 〉: : :| | : : : : : : : : : : /: : :/: : : /
./ : : : : :/-―' 丶――r r― 〈: : : :\/
: : : : :/\-―-―-―-‐/ / \: : : :\
- 831 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:39:09 ID:XU3aXq/A
- / / / /ヽ \
/ /{ /{ / ', ヽ
, / \ イ⌒' ' l | |
| ; ィ==ミメ、 \{ _j / / |
| |く ノヽ\ / jメ }/ |
| |/fニハ:::} /^メ、 | | ええと…じゃあ、改めて聞くけど、
/j |Vし:ノ:ノ ハイ| }7 | この柳生清厳って、どういう人なの?
l'⌒| | `¨¨´ 〈し:リ / | 柳生家の嫡男、って言ってるけど、
ヽ ! | ' ' ¨´, ,l ! それって十兵衛のことじゃないの?
`! | __, 八 |
| | , -┐ ´ /! |
-―-j l`了 _,ノ‐ァー<,,_l | |
´ ̄` \ ヽハ 〈| / l/ | ! |
`\ \ \ | { / /Jー| !
ヽ/ _){ { /\ ヽ
/ , <斥、\ ヽ/ /\ 〉
\ く \[ \ 〉-- 、 ノ´/ /
\ > 、 \ / \{ く
. , -――- ._
/ : /: : : : : : : ヽ
l: :/: : : : : : :/: : ハ
ここで清厳が言ってるのは、 ...... r‐vL/: : : : : ∠:-―イ::|
柳生家は柳生家でも、 .... , -―:) ( \: :/ィ㍉ ` !/
「尾張柳生家」のことですよ。 ..... /: : : /しヘ 〃〉` {ヒノ /Y/
つまり、宗矩の江戸柳生家とは別に、 ./. : : / , |‐}I\'' 、_ `.ィ′
兵庫助が立てた家のことですね。 .. /: : : : / /: : : : } >r_´ ノ
. /: : : : : : { / : : : : ;r宀ー<´ \
新左衛門清厳は、 .. く: : : : : : : : :ヽ /: : : : :/ /ノ ヽ
兵庫助の長男だから、 \: : : : : : : : \: : : : {、 ノ' 、
当時、柳生家の嫡男だというのは ..... }: : : : : : : : : :}: : : /` 7チ \ \
間違ってはいないのです。 ... /: : : : : : : :/: :_:_/ // l ヽ
/: : : : : : :// / // ! ヽ \
血脈的な意味だけで言えば、 (: : : : : : : く: :(_)) / // | { ヽ
石舟斎直系の人物ですよ。 `> 、: : : :) ̄ / // ! _〉
(:丶--'/ /`¨/〈 | /_〉
.  ̄ ̄ / /、 '、 l .> '´/ヽ
- 832 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:41:32 ID:XU3aXq/A
- . -――- 、_
// `ヽ
〃 / / / ∧ ヽ
/ / ∧_ /l / | / l ふーん。
/ / /´ V `V ナXl /l| でも、なんでそんな立場の人間が、
./ / /‐---' , /イ | 湯治とか言って、隠れて来たの?
/ r/ / 、 \_, / ,
/ ' , ` ` _ / / 「死に花を咲かせる」って言ってるけど、
/ . :| |ゝ. └'. -―' /` ー 、 武士にとって戦場での討ち死には、
{ : : | |: : :} r{ r‐. :/. : : / .名誉のものなんでしょ?
} : : 人 \´ └'^I {⌒\: : : (__, .だったら、嘘なんか付かずに堂々と行けばいーじゃん。
ト-'. :/ > )^^ト -┘ノ 〉: : ノ
..... /xく \ ヽ
// \\ ヽ l l
l | 、_ \丶 l! l |
lハ , -―ヽl |_」 l !
…それについては推測になるんだけど、 .... ヽ.\l ___ 」 厶`Y l /
彼が「尾張柳生家の嫡男だから」というのが `ハ └' ノ /⌒} ノ〃_
あったと思うの。 { `77^  ̄ `广^\ `> .
..... 丶 ___,ノヘ >ァ‐、丶 \ > 、
..... rァ‐/// |i \ \ 丶\
「…どういうこと?」 .... r/`//l / || ヽ \ \\
l//イ / / || ', ヽ ヽ ヽ
l\// |// j:l ハ ', j/
| {_{ /l ハ! / l l /
/しへ.」/ / / | l '
/ 〈八 / / / | |/
, (| ∨ :' / | ノ/
/ (| / ハ / /
ノ {/ / ', \ /――- 、
\_ 〈 , ヽ. 丶 ___ /
ノ二/^\ __ノ \ r―z__,ノ `/
- 833 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:43:46 ID:XU3aXq/A
- .... /: : : : : : : : : : : : : : : : : \
「尾張柳生家」という家はね、 .. / : : : : : : : : : : /: : : : : : ノ: : ヽ
代々の柳生家の所領(柳生庄)や . /: : : : : : : : : :/: : : - ´ ', : : : ',
そこに住む一族への統率権、 . ,: : /: : : : : : :/: : / ヽ: : : :!
そして将軍家指南役の権威などを {: ::|: : : : : : /:/――- _ l : :|
持っていない代わりに、 ... /⌒ヽl: : : : : :/'ィ¬く- / `|: : |
.... { , ヘ: : : : :{ /ヶ-イ ィ¬y| : :/
・ 嫡流の血筋 ...... ゝ / /ヘ\: : ヾ辷ン {ケソ'/: :/
・ 新陰流の正統. .-‐=: :ニ:¨{ |八 \: \' ' ヽ ゞ'//`ヽ
....: : : : : : : ゝ-|イ `T"^ト、  ̄ ‐ - フ´ |
というものを軸に、 : : : : :/ 丶-', -ノ > 、 _. イ /
江戸柳生家に対する優越性を .: : :/ _/ \ 〈ヘーヘ __,人
主張していた家なの。 :/ / ⌒丶. \ __ヽ\__l : : \
.... / \ \ ', /ハ: : : \
だからこそ、尾張柳生家にとって、 ..... | ヽ r > 、 ヽl/∠L: : : : :ヽ
嫡流の血が絶える、というのは | | |::::::::::::\l∠::::::::}: : : : :|
可能な限り避けたい事態だったと思うの。 | l/ |::::::::::::ー}:::}-::::/: : : : : :|
| / }:::::::::::::ノー{::::::{: : : : : : :|
. -――‐- 、
/: : : : : : : : : ; : : \
// . : : :/: : : : :/ ヽ: : : :ヽ
/: :/ : : : ;/ : ∧;、:| | : ハ : ヘ
': : :': : : : 八: イ^ヽ{ jメ、!: :ハ
l: : :|: : : : l ィ== 、 ィ= lノl: : ',
l: : :|: : : : |Y代rくl 代.小!: : !
': : :|: : : : |」ハ. _,ノ 、ゝ._ノ |: : | なんで?
/: : : |: : : : | , , |: : | もうこの頃には弟が二人いたんでしょ?
/: : : : j: : : : :! /! : | じゃあ、病気でダメそうな長男から、
(: : : : : :/: : : : : i r 、 r_ つ //: : ;.、 .次男を嫡男に切り替えればいいだけじゃない。
\: : : :\: : : : \ー:l | rー=彡/: : :/: 〉
ノ: : : : : >、: : : :〉:| /^>┐: /: : :/: / そうすりゃ清厳だって、
/: : : : / /: :/イj /-┴i:>、: :.\: {_ノ} 大手を振って出陣できただろうし、
/: : : : : :/ \く__ァァ{ jノく:{ノ: :/: : : ::ノ 尾張柳生家だって別に困らないでしょ。
{: : /{: : :{  ̄ 〉. |=x≧ァイ l: : `フ
\{ 丶-ヘ ノ_,〉 ハ }} { { |:ノ´
ゝ(_(__人__)/ /¨´ー' } ノ
└‐' l V^^⌒) /__)_)
- 834 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:45:51 ID:XU3aXq/A
-
下手にそれを認めると、 ... , -――- 、
尾張柳生家の「正統性」を失いかねないからよ。 . /::::::::::::::::::::::::::\
... '::::::::::::::::::::::::::::::::::::::'
兵庫助の父・新次郎厳勝は .... |::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::|
怪我によって不具になったから、 .... V{::、__, ィ^i^!_,ノ::://
廃嫡されたわけだけど、 . / (_V::/:::::しJ-:::::/_)ヽ
... ( V::::::::l::|;;:::/´ )
「しかし、嫡流は嫡流であるのだから ... /:::::::::ヽl┴i
その流れを汲む尾張柳生家こそ ...... _, {:::::::::::::::::\l- 、_
柳生の正統である」 l ` ー-、::::::::::ヽ l
... ' V ゝ-:::::::}V ヽ
と主張しているのが尾張柳生家なんだから、 〈 ' /:::::::::::::ノ | 〉
ここで嫡流の清厳を安易に廃嫡しちゃったら、 . l\__l (::/"´ ̄´ ,'__/l
尾張柳生家は、 .... l |〉 `¨´ 〈 | l
... ' '〈 ー--一 _〉 , l
「廃嫡されれば、例え嫡流であっても ... l ' ノT二 ].[_ TLト ', .
嫡男ではなくなる」 ... l ,'-/ ┬ l l l
... ,' ,'、/ ー- | -一 レl ',
ということを自ら認めたも同然になるの。 ――――‐ r―-' ; ヽ /´', `― 、―
つまり、自己否定に繋がりかねないわけ。 .. └'⌒ー' ` ー------一' `ー'⌒ ┘
, -――-
/. : : : : : : : : : :
/: :/: /: : : : !: : : : :
l:/Xイ: :/: : :|: : : : :
| 7刈イ : : : !: : : : :
_,ノ lリ | l: : : : !: : : : : …武士ってのは面倒なんだねぇ。
} ー /: : : :/ニl : : : だから、清厳は理由つけて家を出るしかなかったのかー。
〕` /: : : :/^ / : : : 本当のこと言ったら、止められちゃうもんね。
「ト- /: : : :/-イ : : : :
//7_/´ ̄`'| : : : : : : :
/^Y.:/ 八: : : : : : :
厂 V `>、: : :
- 835 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:48:04 ID:XU3aXq/A
- ... /: : : :/: : : : : : : : : : : : :\
まあ、清厳にすれば、 ...... /: : : : :/: : : : : : : : : : : : : : : : ハ
... /: : : : :/: : : : : : : :∠: -―一く: : :l
「お前は柳生家の正嫡だ。 . |: : : : :/: : : : : : /-― 、 |:: :|
将来は新陰流の正統も .... /⌒V_」: : : : :/⌒X _ ;: : |
背負って立つ人間なんだ」 .. r‐ゝ /-、ハ: : : /代_ノ! ∠ / : /
..../{__, { \::| V(_)ノ /しlY: : /
とずっと聞かされて育ったところで、 : : : : :{_ゝ=、 )` ⌒´ 〈(ノ//:/
それが、病気で全部ダメになったのに : : : :/ _}\ _ ´〃`)
キッチリと廃嫡されたわけでもなく、 : : :/ / `ヽ>、_ ‘´ _/ /
といって何が出来るわけでもない… ...: :/ / \ 厂厂:\
なんていう生殺しの状態じゃ、 ...:/ ,イ/  ̄ ̄厂`ヽ:\
ほぼ絶望だけの毎日だったでしょうしね。 r /// / |: : :l
... |/// / / |: : :|
そこに「戦がある」という話が出たら…。 .... l|l> _ <´ / |: : :|
||| \/ | l |: : :|
/ .:: /..::::::::::::::::/:::::::::::{:::::::::::: / |:::::::::::::::::::::: !:: |
/ ...:::::/.:::::::::::::::::/:::::::::::/l::::::::::::; |:::::::::::/:::::::: |: |
./ .:::::::::::/.::::::::::::::::∧::::::::::l ',::::::::::| |::::::::/ !:::::: /:. |
' .:::::::::::/.:::::::::::::::::/ 丶 :: | ヽ::::::| /::::::/ |:::: /:::: |
/ /:::::::::/.:::::::::::::::::/ ヽl \ \! /::::/ ,.'::::/ ::::: |
/ /:::::::::/.:::::::::::::::::/ \,  ̄ ///|:::: |
--‐' .::::::::::::i.:::::::::::::::::::l ̄{匸 _テナ¬ / '´ l ::::: | せめて最後の死に花を、と、
........:::::::::::::::/|.:::::::::::::::::::| ゞ=二ノ  ̄{匸 _テナナ::::: | 一も二もなく、飛びつく、か…。
::::::::::::::::::::::l´|::::::::::::::::::::| ゞ=二ノ '::::::: ,'
:::::::::::::::::::::::v' :::::::::::::::::::! j| ' ,':::::: , しかも、建前はともかく、
:::/⌒个ト /.::::::::::::::::::::/ U ,:::::::: / 本音的な面では、家のためにもなるわけだし、
/ \\/ .:::::::::::::::::::/、 /::::::: / なんていうか…救いのない話だねぇ…。
/:::::::::::::::::::::::/、\ /,:::::::: /
〈 ::::::::::::::::::::::/ \. 丶. ___ イ | /:::::::: |
\:::::::::::::::::\ l /l≧=┴┬┴=≦l:::ノノ/:::::::::: |
丶. 丶 ::::_:::::::::ヽ. | | || , |/ {:::::::::::. ヽ、
/{ \ ∨}::::::::::::) |___j , // | \:::::::::.. \
\丶----‐='...::::::/、 | | //|' | }::::::::::::::.. )
- 836 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:50:04 ID:XU3aXq/A
- ... /: : /: : : : : : : :/:_:_: -―く: : ヽ
/: : /: : : : : : /´ -―-、 l: : :|
|: : :|: : : : : :/ィー=、 l: : :|
レ=、!: : : : ://ヘーイ!ヽ /ヽ l: : :|
なお、今までの話は、記録によると、.. 〈 ,/-ヘ: : : : {弋__ン ィー、/: : :/
こんな風にまとめられていますね。 r‐/{⌒ \: :ヽ ― {七リ: : :/
-―:{_{ ゝ _,、` ̄` ' `/:/
: : : : : : {__,ノ }\/ ̄`> 、 `厂ヽ
/: :/ _,、 ノ / \/ ノ
-≠、 ̄ \ .' \
\ / \_, -―――――- 、
\ / // /
========================
柳生清厳。名は清巌、初め権平と称す。
号を任去斎、又委心といふ、如雲斎の長子なり、善く家業を継く。
義直擢でて小性となし、別に禄三百石を賜ふ。
幼にして読書を好み、詩歌を善くし、嘯咏自ら娯む。
長じて疾あり、之を久しうして愈えず、
依りて禄を辞して仕を罷め、一室に蟄居して、足地を履まず。
会々肥前島原に賊起り、月を踰えて平がず、
清厳之を聞き、自ら奮って曰く、
『吾不幸にして廃侯に嬰(かか)り、
汚名身を辱しむ。
豈(あに)久しく生きて人間に在らんや。
命を此役に殞(いん)し、
耻(はじ)を雪ぎ憤を解くの愈(まさ)れるに如かず』と。
因りて有馬の温泉に浴するに託し、
竊(ひそか)に島原に赴き、軍監石谷十蔵貞清に請ひて、
松倉右近の軍に属す。
実に寛永十四年十二月二十七日なり。
(以下略)
========================
- 837 :名無しのやる夫だお:2011/02/27(日) 23:52:25 ID:Le3uUpCc
- 新次郎厳勝といいこのオプさんといい、
なんかこう、不遇だよね。
兵庫さんがその分好き勝手に自宅警備員してたけど。
- 838 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:52:54 ID:XU3aXq/A
- / . : : : : : : : : : : : : : : : : : ヽ
, : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ',
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l:.|: 〉
,' : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : | |/
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : / | 『吾不幸にして廃侯に嬰(かか)り、汚名身を辱しむ。
/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : / : | 豈(あに)久しく生きて人間に在らんや。
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \: :!__ 命を此役に殞(いん)し、
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /-、: :| 耻(はじ)を雪ぎ憤を解くの愈(まさ)れるに如かず』
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :く_ノ} V
: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\: : :_:ノ | …か。
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.\ ! これ見てると、この時点で廃嫡されていたとも読めるね。
: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : :\: :} ∧
: : : : : : : : : : : :/: : : :}: : : : }ノ、 ∧ まあ、結果としては一緒なのかもしれないけど、さ。
: : {: : : :{: : : : /: : : : ノ} : :_ノ \ ∧
\{ー--\: ::{`¨¨´ ノイ く ∨ ∧
| `¨` /V゙ ̄ V ∧
| | ,/ ̄`ニニ^\ ヽ
.ノ |厂{ 〉
.. , -―‐- 、
/: : ; : : : : : :\\
/: : : :/ \: : : : : :ヽ: ヽ
/: : / /, -‐_,\:|: : : : l: :|
その辺りについては、 ..... /: : /_ /f:しハY : : : |⌒l
この後、弟の利方についての話をする時に、 ...... {: : {' ィ=、 弋.ンノ: : : /く ⌒l
また補足するつもりみたいですよ? . V: ハf:し| ∠:_:彡'/´ } ノ
.. ヽ: :ゞン _ ( 、__,ノ 人
ただ、尾張柳生家としての判断はどうあれ、 . `大 (ノ__) // `T^ヽ: : \
清厳個人が「自分は廃嫡された身だ」と ( ` T:7⌒\ニ7 ヽ: :\: :\
認識していたことの表れ、というのはありそうね。 |: l ハ ヽ l: : : l: : : :ヽ
.. い l | | |: : : |: : : : ハ
そんなだからこそ、この戦で死に花を、という気持ちが 〃 〉〉 |\ |: : : l: : : : :|
尚更強くなって、今回の事態になったんでしょうね。 /人_{_,二.コ |: : :>'´.:/ : : : : : |
.. {/ | | l,/: /: : : : : : : : |
| ! l/: /. : : : : : : : : :/
. .//, | /.:/: : : : :――=ニ´
/ ̄ ̄` l {: ´ ̄ ̄ ̄ ̄`: : : : `ヽ
- 839 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:54:46 ID:XU3aXq/A
- | /:::::/:::::::::/l:::::/ /:::::/|:::::::::::::::ヽ
| /:::::/::::::::/ Vヘ{、/ ,::::::/::::::::::::l
| /::::/::::::::/ -、 V /:/!:::::::::::::::|
|ノ -/::::::::んf__テ㍉ ´ `jノ::::::::::l:|
|:|`V::::::::/弋::o::ノノ - 、 |::::::: |:|
|::V::::::::::l ゞミニ¨´ えテメx;::::::::::l:|
|:::|:::::::::::| ' ' / {::o::ノ人:::::::〃 あとさあ、この話って、
|:::|:::::::::::| ゞニ´ /::::::::/
|:::|:::::::::::|\ _ /::::::::∧ 『実に寛永十四年十二月二十七日なり』
|`ハ:::::::: ∨ 丶 `___ イ:::::::::/ノ
| |∧:::::::::::、 〈_::::::::::::::::::::/:::::::::/{ ってあるけど…確かまだ、
| | /::::::::::::〉 ― ̄l lフ/:::::::::::::/:::`フ 作中だと十二月の上旬だよね?
==― f^ヽ-、__  ̄ ̄// ヽ:::::::::/厂 どういうこと?
}_ノl | 卜、.ノ〈._, |::::::::|ノ
`^ー'し' \(:(_,ノ:/`y‐、-、_ _
 ̄ ̄ ̄ し'}_ノ ) |、
`¨ー' \
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ
演出です(きっぱり) /: : : : : : :., ヘ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :',
. .': : : : : : :/ `<: : : : : : : : : : : : : : : \.: : : : :',
少しぶっちゃけると、 i: : : : : : / ` <: : : : : : : : : : : : : ',: : : : i
その時期になると他に書くことが多くなるので、.. l: : : : : / ` <: : : : : : : : : l: : : : l
そこで清厳の話を入れると、 ...... ,: : : : :.'丶、_ __xィ'´ \: : : : : : : l : : : :
話のテンポが悪くなるから、少し時間を調整した… ',: : : : l ,ィr‐ミx.  ̄"ィ=rf冖ミxヽ: : : : : :l: : : :,
とのことです。 ',: : : :l´l {__,ハ l l弋__,ハト',:: : : : ,': :r‐ 、
、: :ヽ.lVr::::} ', ∨::oリノl .l: : : /`ヽ )
一応、全体としての話には \: ',、ヾソ 、ゝー' / /: : イ==x| ∠‐..
影響しないようにはしてるので、 ...... ,rヽミ=- , , , ̄ ̄/: イ ノヽ. ヽ:`.、
大丈夫な筈…です。 . {{ 八  ̄ , ‐rー´ __ }} ノ: : :.\
、_ ィ〈‐ァ{ ト、ー‐': : : : : : :\
「…いいのかなー」 . /: :> 、‘__’ ,. ´ ./ \ー' \: : : : : : : : : :.\
/: : : : : : :f>=`> / /∧ ヽ: : : : : : : : : : :ヽ
いいんです! .. /: : : : : : / / / / .∧ ', : : : : : : : : : : :ヽ
さあ、それじゃあ話を本編に戻しましょうか。 / : : : : : : l_,∠_/ / .∧ i: : : : : : : : : : : : :',
次は、また場面が変わりますよ! .. i: : : : : : / /:/ ./ , ―- 、 ∧. l: : : : : : : : : : : : : :
- 840 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:56:50 ID:XU3aXq/A
- さて、ここで時は戻り、場所も移る。
まだ板倉重昌が島原にすら着いていない頃、十一月二十七日、江戸にて…。
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;;',;ヾ;ヾ;、;;;'''゛iil||||||||l::::::::::::::::::::::::::::;|シ、_}~ス、く,ノ~i´_K´ナv^ーヌ_ヽ^{~フv7_,r`}フ~vレン、ヽフv_,r`}ヽ
Il"^ヾ、,rーir;======i、ーy'-;ーkー┐,}イ_,レ´i~,;k'_~メv^-チ_ツゝく,ノ~v^j,´)、_}ゝク-ヽヽノiス´ヽ^{、
- 841 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:58:15 ID:XU3aXq/A
- 〃 i,
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
! :l ,リ|} |. }
. {. | ′ | }
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ<
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| …では、頼んだぞ。
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.| それほど急がずともよいが、遅れぬ程度にな。
. ヽ.ヽ {:. lリ
. }.iーi ^ r' ,'
!| ヽ. ー===- /
. /} \ ー‐ ,イ
__/ ∥ . ヽ、_!__/:::|\
徳川家光
.(とくがわ いえみつ)
lト,、',, :'i, l
llゞ:::::::::', l 無論、御下命とあれば従いますが…本当によろしいので?
llリ>、::::::', 〈 _ _ 戦が長引いたところに私が着けば、内膳殿の立場は…。
,!jノ ヾ:::::',、 ``" _,,
l/ ヾ:::::'iヽ、 _,,. -― '' "´
ヾ::ヽ',丶、 ´ 、,,,,,. .:
丶ヽ'i、丶、
゙i,:i,ト、'i l`iヽ、 , ィ′
、┴i,ヽlハ',i ` ‐-‐ '",/
ヽ'7 <ラ ',i, //
ソ / ,-tL、 , -''"
`' ,イ ,:'r'ー'´ , ィ:'
- 842 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/27(日) 23:59:01 ID:XU3aXq/A
- ::::::::::::::::::,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
:::::::::::::::i' `"~´''""゙~゛゙^'ヾミ;,゙"ー;;;;;"゙''''ヾ;i
:::::::::::::::| ' ;!゙ {,
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⌒ヽ.:::::} ∠二二三三='' ∠二二=
´'ハ i:: | '´て"アヾ´ i"てj"ヾ,′ お前も心配性だな。
.r‐ノ レ'  ̄ ̄ | ´ ̄ l キリシタンとはいえ、たかが百姓の一揆だ。
.{ i、 l | 幕府の上使と、九州の諸大名の軍相手に、
、 ` | | 持ちこたえられる筈もなかろう。
ヽ、 `i ,-、 ノ l
:::| ` ー, ´ ,' むしろ、問題はこの一揆の後始末だ。
/ 、 `- -‐─‐- ′. / これも全部内膳にさせるのは流石に酷だろう。
ヘ _____ / .だから、今からお前を差し向けるんだぜ?
ヘ `~"´ /
', > . ; /
', ≫... _ '
', .:.:.:.: T<
', .::.:.| " ‐- ,
 ̄" ‐-
llゞ:::::::::', l …わかりました。
llリ>、::::::', 〈 _ _ では、参るとしましょう。
,!jノ ヾ:::::',、 ``" _,,
l/ ヾ:::::'iヽ、 _,,. -― '' "´
ヾ::ヽ',丶、 ´ 、,,,,,. .:
丶ヽ'i、丶、
゙i,:i,ト、'i l`iヽ、 , ィ′
、┴i,ヽlハ',i ` ‐-‐ '",/
ヽ'7 <ラ ',i, //
ソ / ,-tL、 , -''"
`' ,イ ,:'r'ー'´ , ィ:'
- 843 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/28(月) 00:01:01 ID:eXZnjoR2
- , /::::::::::::::ミf::ヽ彡:::::::::::`ヽミミ丶
/::::::::::::::::ミ{:::::liシ::::::::::::::::::::\ミミ
/:::::::::::::::/ミ`i:::::トyシ7へ::::::::::::::\
,:':::::::::::::::/`゙゙"!、::l \:::::,:''゙
. /::::::::::::::::/ ','' ', \
〃:::::::::::::::′ '!:::i, ,, -‐ヾ´,
ll::::::::::::::,' ';:::i, ,ィ'" ヾ:
ll::::::::::::.,' -―‐- 、 'i,:'! ゙ ,. , -‐,,z=
. l!::::::::::::! ._,,,_' ,ヾi,:i, シ',r'"{:.`''′ 後始末以外の仕事が、
l|l::::::::::::l , z,=r;;テミ、', ゙li, '゙ _,,`ニ 出てきそうではありますが、ね。
゙il::::il ',:::l '´ ヾ.゙''゙ノ '! ':,
li,''゙ ゙' l `' == ''" l 丶
lト,、',, :'i, l
llゞ:::::::::', l
llリ>、::::::', 〈 _ _
,!jノ ヾ:::::',、 ``" _,,
l/ ヾ:::::'iヽ、 _,,. -― '' "´
ヾ::ヽ',丶、 ´ 、,,,,,. .:
丶ヽ'i、丶、
゙i,:i,ト、'i l`iヽ、 , ィ′
、┴i,ヽlハ',i ` ‐-‐ '",/
ヽ'7 <ラ ',i, //
ソ / ,-tL、 , -''"
`' ,イ ,:'r'ー'´ , ィ:'
松平伊豆守信綱
(まつだいら いずのかみ のぶつな)
幕府は、実際の戦が始まる前に、既に一揆の後始末の為、
年寄のひとり、「知恵伊豆」こと松平信綱の派遣を決定した。
だが、これが一因となり、幕府は手痛い敗北を知ることになるのである…。
- 844 :名無しのやる夫だお:2011/02/28(月) 00:02:47 ID:xVeUfHdY
- まぁ、農民一揆があそこまで手こずるとは思わんわなぁ・・・。
結果だけ見れば大ポカなんだが。
- 845 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/28(月) 00:03:13 ID:eXZnjoR2
- \ヽ, ,、
`''|/ノ
.|
_ |
\`ヽ、|
\, V
`L,,_
|ヽ、)
.|
/ ,、
/ ヽYノ
.| r''ヽ、.|
| `ー-ヽ|ヮ
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ヽ, |
ヽ,/´ ̄ヽ、ノ
.| 0 ',
.ヽ、___./
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| `ー' | ... ┼ヽ -|r‐、. レ |
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【やる夫で学ぶ柳生一族(その46) 「柳生清厳、島原への道」】 完
- 846 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/28(月) 00:03:51 ID:eXZnjoR2
- 【その46・新規登場人物】
武藤太左衛門儀信 : スプー(ぐ~チョコランタン)
槍持・豆頭(仮名) .: ズズ(ぐ~チョコランタン)
解説役(その46)1 ....: 来海えりか(ハートキャッチプリキュア)
解説役(その46)2 ....: 花咲つぼみ(ハートキャッチプリキュア)
- 847 :名無しのやる夫だお:2011/02/28(月) 00:04:15 ID:q7iFSvxI
- 乙でした。
清厳悲壮すぎる……
- 849 :やる夫で学ぶ柳生一族(その46):2011/02/28(月) 00:09:46 ID:eXZnjoR2
- どもどもです。
何とか今日も投下が終わって一安心。
本日もお付き合いありがとうございました&お疲れ様でした>ALL
今回、久々に尾張柳生メインの話が書けて重畳ー。
尾張柳生メインの回は「その22」が最終だったので、久々でアリマス。
投下日が「09/05/31」とあるので、かれこれ1年半以上前になるんで砂。
こうしてみると、ウチも随分続いてるのを実感します喃。
さて、創作だと、島原に関わるのは大抵十兵衛というのがお約束なのですが、
史実だと、直接島原にまで出向いたのはこの新左衛門清厳になるので砂。
この人もなかなか因果を背負った人なのですが、
その辺は、これからもちょこちょこ書くことになると思われますので、
お付き合い頂けましたら幸いでアリマス。
それではではー。
- 854 :名無しのやる夫だお:2011/02/28(月) 00:39:42 ID:EGg7134o
- 乙でした。いよいよ知恵伊豆の出陣ですか
- 857 :名無しのやる夫だお:2011/02/28(月) 15:02:19 ID:DtQC/YYU
- 乙でした。
なんかすごそうな知恵伊豆ktkr
- 853 :名無しのやる夫だお:2011/02/28(月) 00:25:52 ID:eFh3IrOs
- 板倉重昌が宗矩に一報入れたは良いものの、宗矩が兵庫に報告するかどうか。
ここの兵庫助だと宗矩の話は聞かなさそうだし、報告してないとその後の時に・・・。
どう考えても宗矩詰んでます。
さあどうする宗矩!!
- 864 :18日に10レス以下縛り短編祭開催!:2011/03/05(土) 21:58:24 ID:iPaLwgFw
- 世に「親より先に死ぬ親不孝に勝る親不孝は無し」などと言うけど、
柳生家に関しては家名に傷付けることに比べれば小さなことだろう。
親の立場としては辛いかもしれんが頭首の立場としては褒めざるを得まい。
- 865 :18日に10レス以下縛り短編祭開催!:2011/03/06(日) 21:02:17 ID:chSFDqf6
- これが変に拗れて、尾張→江戸(兵庫助→宗矩)への遺恨にならなきゃいいなぁ……
逆もまた。
- 869 :1:2011/03/12(土) 21:22:14 ID:cLevYR32
- どもどもです。
昨日の地震でひどいことになり、
今もまだ東北が予断を許さない状況ですが、
皆さん、ご無事でしょうか。
ひとまず、当方は大きな被害を受けずに済みましたが、
週明け以降のことがまだ見えないのが難儀なところ。
さて、この時期に投下するべきかどうかまだ悩んでいる状況です。
一応、今から続きを書いて、いつも通り日曜(3/13)の夜21時から投下するつもりですが、
万一、それどころではない事態が起こった場合は中止する方向で。
お手数をお掛けしますが、よろしくお願い致します。
それでは。
続きはこちら
宗教勢力を甘く見すぎたな
返信削除信長なんかは伊勢長島で実の兄弟含む一門衆を数多く討ち取られたり、越前を奪い取られたり苦戦しまったというのに