2009年7月13日

やる夫で学ぶ柳生一族 その6

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106 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:00:32.65 ID:CwBQjx20
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生:柳生石舟斎&柳生又右衛門宗矩】
           ____
         /⌒三⌒ \
        /-(◎)-(◎)-\     柳生家の当主にして、新陰流正統二世、
      /::⌒(((__人__)))⌒::\   柳生石舟斎(但馬入道石舟斎宗厳)じゃお!
      |     ||r┬-||    |  
      \     `ー'´     /
        >         <
       ( |        / )
        `|       /'
           |  (u)  /
         ヽ  ヽ/
          >__ノ;:::......
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     石舟斎五男、柳生又右衛門宗矩だろ。
  |     ` ⌒´ノ   常識的に考えて…。
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、




108 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:01:20.57 ID:CwBQjx20

 これは、江戸時代前半において「天下一の流派」と呼ばれた剣術流派
「柳生新陰流」を担った「柳生一族」についての物語である…。

【物語現時点(慶安三年(1598))での柳生一族】

   大膳長永
      :
   <柳生家>
      :
     ├─────┐
   柳生永珍   中坊源専
      :
     ├─────┐
     家厳      重厳
     |    (七郎左衛門)
     |     (松吟庵)
     ├──────────────────────────┐
     宗厳                                     妹
   (新左衛門)                                    |
    (石舟斎)                                 <幸徳井家>
     ├───┬───┬────┬──────┐          |
     厳勝   久斎   徳斎     宗章        宗矩        友景
   (新次郎)             (五郎右衛門)   (又右衛門)
     ├────┬─────┬────┐     
     純厳    利厳      厳倚     妹  
    (久三郎)  (兵庫助)   (権右衛門)

109 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:01:48.99 ID:CwBQjx20
【前回までのあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の小豪族、柳生家の当主、柳生新左衛門宗厳は、
新陰流創始者・上泉伊勢守秀綱と運命の出会いを果たし、新陰流に入門。
克己努力の末、ついに「無刀取り」を開眼し、秀綱より新陰流の正統を受け継ぐ。

 こうして、新陰流正統二世となった宗厳であったが、
戦国の風雲児、織田信長の登場により、世は大きく揺れ動く。
嫡男厳勝の受難、足利幕府の滅亡、長年友誼を結んでいた松永久秀の滅亡など、
世の流れに対する己の無力さを噛み締めた宗厳は、遂に柳生庄への隠遁を決意。
剣の道を究めることに全力を注いだ。

 そして、隠遁から20年経った文禄三年(1594)。
名を石舟斎と改めた宗厳は、自らの創意工夫を加えた新陰流を天下に広めるべく、
四男宗章、五男宗矩、嫡孫純厳を柳生庄より旅立たせた。
その後、大納言徳川家康の前での新陰流上覧の場において、
見事家康を無刀取りで打ち負かした石舟斎は、家康より弟子入りの誓紙を受ける。
ここで石舟斎は自らに代わり、宗矩を推挙したことで、
宗矩は二百石で家康の侍従として仕える事になるのであった。

 しかし、宗矩の仕官をはじめ、宗章、純厳の仕官も適い、
柳生家の将来は明るく見えたその時、隠し田の密告による柳生庄没収の大難が降りかかる。
更に、嫡孫・久三郎純厳の討死などの悲劇により、柳生家は没落の憂き目に逢う。
しかし、粘り強く柳生家の復興を目指す中、慶安三年(1597)八月、太閤・豊臣秀吉が亡くなり、
世は再び戦乱の時代へと戻ろうとしつつあった…。

110 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:02:17.81 ID:CwBQjx20
       / ̄ ̄\      
      /       \      太閤が逝ったか…。
      |::::::        |    あれ程の栄華と権勢を極めた一代の英傑も、死ぬときは死ぬ、か。
     . |:::::::::::     |   儚いもんだな。
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――  
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━


        / ̄ ̄\   
      /       \      
      |::::::        |     そうなると、今、日本中を見渡して、
     . |:::::::::::     |     最も天下に近い方はまず間違いなく我が殿だろう。
       |::::::::::::::    |    つくづくあの時、
     .  |::::::::::::::    }     父上に推挙頂いたことがありがたく思い返される。
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /:::::::::::: く    
-―――――|:::::::::::::::: \―――――――


        / ̄ ̄\   
      / ⌒  ⌒\      
      |::::::(●)(●) |     その恩を返すためにも、なんとしても手柄を立てて、
     . |:::::::::::(__人__)|    柳生家を復興させなければならないだろ。
       |::::::::::::::` ⌒´ |  
     .  |::::::::::::::    }     …常識的に考えて!
     .  ヽ::::::::::::::    } 
        ヽ::::::::::  ノ   
        /ヽ三\´    
-―――――|:::::::::::::::: \-――――

111 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:03:07.27 ID:CwBQjx20
 慶安三年(1597)八月、太閤・豊臣秀吉亡き後、天下は急激に動き始める。
その中心には、宗矩の主君、徳川家康の姿があった。

             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ      ホホホ…ついにわたくしの機会がやってきましたね。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ     長く待った甲斐があったというものです。
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l      宗矩、見ておきなさい。
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ      このわたくしが天下を取る様を!
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i
                徳川家康

   / ̄ ̄\
 /    \  /
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     ははっ!
  |     ` ⌒´ノ   
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

112 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:04:48.39 ID:CwBQjx20
 五大老筆頭として、事実上、豊臣政権の最高実力者である家康は、
秀吉の死後、大っぴらに動き始めた。
天下取りのためである。
      ____        
    /i||||||||||||||||||iヽ       
 / ̄ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ    
'""ヽ  ヽ!|||||||||||| ||||||! ヘ 、―  
||l   ___ヽll,‐''''__ゞi .||||||      ホホホ…これで我が徳川と加藤家は縁続き…!
||l  /ヽ、 o>┴<o /ヽ\|||||| .    今後とも、よろしくお願いしますよ!
ヽ‐イ  |ミソ ̄'"ノ"/li゙ ̄゛l;|l |、 |  
.\/l  .|ミミl l―――フ..l;ll /  
 .\ノ  |ミミ.l..\=ヲ/ l;|/    
   ̄\ |ミミ.l..  ̄ ̄,,,l;/     
   l \ヾ゙゙....  ̄."/i     
 _/_``\ ̄、 ̄/ /l___  

::: ノ::::::::::::::::::::::::::::/ヽ=- ' i ヽ- i lヽ、、' ヽ-
/:::::::::::::::::::::(:: レ'"´oヾ:、 l!, ___l :::::::::ヽヽl丶、
:::::::::::::::::::::: r '`ヽ´   ̄ l、iヽ.oヽ´7ヽ::::::::::::::::
:::::::::::: :::::::::: !   , -  `'´ ィi   ヾl::::: )::::::::::::
:::::::::,.ヘー ,-':、_/、,.. --- 、  、   !::(:::::::::::〃    なるほど、徳川家との婚姻とはこういうものか!
:::::::'::::::ヽ_:;::: i  ト-‐ ―- .,`ヽ, i /::::::::::::::::ヽ     ハハハハハハハハハ!!
::::::::::::::::::(:l:: ! l __     `/  /:::::::::::::::::::::::
:::::::;;::::::; l:::l::   !´ ` ー ''ヽ/ //::::::::::::::::::::::::::
:::ム ''7´::::ヽ.   ヽ、_   ,/ /:::::::::::::::::::::::::::::
::::::::l {:::|:::::::ヽ.  ` ー ̄イ /::::::::::::::::::::::::::::::::
ヽ、r- '::::l::::::::::ヽ.   ̄ ´  ,':::::::::::::::::::::::::::::::::::
  `ヽ、:::!::::::::::::`ー.. __ ,.イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     \:::::::::::::::::::::::ー'´/-- 、:::::::::::::::::::::::::::::
\      \:::::::::::   /    `ヽ::::::::::::::::::::::
         加藤清正

 禁じられていた大名家同士の届出無しの婚姻を繰り返して諸国の大名と縁を結び、
また、自身に次ぐ勢力を持った加賀前田家に謀反の噂を立てさせ、
結果、当主利長の母、まつを人質に取るなど、
家康は自身の天下取りのために着々と手を打った。

113 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:05:32.53 ID:CwBQjx20
       __        __  __
      >^、\        /└┘`!            -=、
        \. 、\     `l.    |           i ,ム,」_    j
       |\ノ\  へ l r,.  |        _ レ' { / ヽ /
        \\ \._`^\ヽ.∠_    / ̄ _」[=ー'=] レ___
           rヘ___ノ∨iレ'⌒`ヽ \__ \ /__>.]L[,/,'    ,/\   「三成は[ピー]す…と」
       __∠_ ,― 、. |〈. ャ=ァ}|\ `、\/|7ー---、/ ̄ ̄ \/
       >、   ̄\`、_〕≧、_[|_/_冂'\   /_ _/   /〈  __ ィ´     「まったくまったく」
      / ./  ̄「\,} }]/ \ゝ/,\ ヽ.「 | | ̄ | ヽィ'  /
.      \ {___|,/ / ニニニ=ァ  <  ヽ. i }/、 j   j_/ | 「 トュ
.       \____,/|    // |.|\|「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  /L.」._|i||
         〔 | | \  // |:| .li  ヽ.  |  /   l.壬L((_).」|
            匸廿/又iて..).)\ li   ヽ___,/    l.  | i.  |
    ___r'__  入  {―---、,〉     / ̄ヽ.   l___|. ト┃'|_
         \_ ̄ヽ._\j.(○`/li.   /  |  ヽ.  !  _〉、L_」
             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.`()|j_______,l ⊂、 _ _ _[
                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      UUUU

 これに対し、五奉行筆頭、石田三成は家康を警戒し、敵対を強めていくものの、
朝鮮出兵に端を発した遺恨により、加藤清正・福島正則を筆頭とする武断派の七武将に追われ、
逆に家康に救命を求めるような有様だった。

119 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:09:08.06 ID:0y7hXO2o
>>113
自主規制ワロスww

114 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:06:51.73 ID:CwBQjx20
 結果、三成は、助命と引き換えに五奉行の職を引退させられ、佐和山城で蟄居することとなる。

        _、-''"´ ̄ ̄¨''ー、
      、-'"          `ヽ.
    /              ゙ヽ
    /                ゙i
    |                  |
   /         ,         |
   !、 i  ,       i     __ ,!
     〉、∠  __   }!   ,ィ二, レ′    おのれ家康ッ!獅子身中の虫めッ!
   〈`_ヲ ≡≦≡=-  '"   メ-ュ リ     しかし、太閤閣下のご遺命成就のためにも
    ∨/  ` 二゙- ""    ,>ノ イ      ここで果てる訳にはいかん!
    l!'_,,≧:    ,、-''   ィ゙_,、イ「゙i
    「「ミ`ニーミ、  |     「   /l! ゙i
    | !``ー ヽヾ ノ    ノ ,/ィリ |
     j ヒヘ、_,..} ゙Y  _、-" 、イ f./  ト、
    !タ_,N"lii;, _ノ-''"_、-''" ノ/   |. \
   /  |.ト-三ニ=_,ニ"  :='/     .|  ヽ、
   /  ,'|.| 「 ナ'ニニィ゙   ,/       |    `
     ' |.| レ'__二フ′ ィ'          |
          石田三成

          ,. ‐==:┬┬ .、
          ,イミ∠⌒ヽ_⊥∠}
        /三V >、 、,  j.
        r=三〈  `ー゚` l L..=〉
       ,仆、j川    ._| 「゚-j   殿、ここは隠忍自重の時だ。
       ,tノ`i | |l  仁二`-' 、/   奴を討つ機が来るまで軽挙妄動すべきではない。
   _   tノ リ| | |    ー- `"ハ
ー-< `ー- 、 ,/レ'^_:、j    } /l_j.
ヽ、.:\: : :  ̄`ー二_ `rー-r┘
‐- 、.:..:.:.:.:.:ー-.:.:.:.  ` ┴-、|7
 r‐―‐ 、.::.:.:.:ヽ       `ー¬
/   r一爿.:.:.:.  \ ー‐- .__」_
ヽ/ r―┴ 、.:.:.:... `ー        \ _
.(_,>人__,.―^ー-、__,..  _.. > 、___,.... - ヽ
        島左近勝猛(清興)

115 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:07:24.73 ID:CwBQjx20
 ちなみに、慶安四年(1599)の正月を過ぎた頃、
石舟斎(というよりおそらくは家康)の遣いで、宗矩は島左近のところに挨拶に出向いている。
無論、三成の軍師である左近の考えを探るためである。

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)      島様、ご無沙汰しております。
  |     ` ⌒´ノ    本来ならば父が挨拶に参るところ、
.  |         }     先年、久三郎が亡くなって以来、父の落ち込みようが酷く、
.  ヽ        }     それがしが代わりに参上致しました。
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

          ,. ‐==:┬┬ .、
          ,イミ∠⌒ヽ_⊥∠}
        /三V >、 、,  j.
        r=三〈  `ー゚` l L..=〉
       ,仆、j川    ._| 「゚-j      うむ、ここ数年の艱難のことは聞いておる。
       ,tノ`i | |l  仁二`-' 、/       相当苦労されておられるようじゃな。
   _   tノ リ| | |    ー- `"ハ
ー-< `ー- 、 ,/レ'^_:、j    } /l_j.
ヽ、.:\: : :  ̄`ー二_ `rー-r┘
‐- 、.:..:.:.:.:.:ー-.:.:.:.  ` ┴-、|7
 r‐―‐ 、.::.:.:.:ヽ       `ー¬
/   r一爿.:.:.:.  \ ー‐- .__」_
ヽ/ r―┴ 、.:.:.:... `ー        \ _
.(_,>人__,.―^ー-、__,..  _.. > 、___,.... - ヽ

116 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:08:07.08 ID:CwBQjx20
 しばしの歓談の後、ふと、左近は切り出した。

::::ヽ、;::;:;:;:;:;:;:;:;:, ...:'´.::::::::::::::`ヽ、.:::::::::::::::   |
;:;:;:::ゝ;::;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::::::::::::::::: \.:::::::::::. i |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`ヽ、.:::::  l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::|::::::::::::::::::::::::::::::::::、--==`、, ,,,l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:゙;:;:;; |::::::::::::::::::::::::::::'.:::::`..  (/”="_/      そういえば宗矩殿…。
;:;:;:;:;:;:;:;:;:  :;: |:::::::::::::::::::::::::::::   `-'´;::"~:. i       最近、奇妙な噂を聞くことが多くてな。
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;  ;: |:;:;:::::::::::::::::::::::.   '´.:::::::::::. |      たとえば、
;:;:;:;:;:;:;: ::;  l; |:;:;:,::::::::::::::::::::''   ..::::::::::::::::::.. |     
;:;:;:;:;:;:;: ;  |V:;:;:;::::::::::::::::''   ..:::::::::::::::::::::. |      「内府(家康のこと)が秀頼様を差し置いて、
;:;:!i:;:;:;: '  l:::::;:;:''::::::::::::'....::::::::::::::::::/´::::::::::::. |     天下を我が物とせんとたくらんでいる」
;:;:!i:;::;:;  i |:,:;:;'':::::::::::::::::::''iiilll|l|ll|llll|liiii,,:::::::::. |  
;:;: ;:;:;:;:  /i!::;:;:::::::::::::::::,,iiiiiiillll|ll||ll||ll||l|lllllii-- '´      …と。
;:;:;:;:;:;:;! /::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::l゙゙゙゙゙゙゛゛        
..:;:;:;:;:;:i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''/    
ヽ:;:;:;:;:!/i,,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::.' |          
:::::ヽ;:/i||iiiii,,::::::::::::::::::::::::::::::::::. |

   / ̄ ̄\
 /    - -
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     ………。
  |     ` ⌒´ノ     
.  |         }     
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

117 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:08:12.49 ID:0y7hXO2o
おっ、来た。
待ってました!

118 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:08:39.27 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\         
 /  - - \
 |  (●)(●) l   
. |   (__人__)  |     …それは、実に不届きな噂でございますな。
  |   ` ⌒´  |    我が殿の豊臣家への忠節は疑いなきものでございますぞ。
.  |         }     そうでなければ、太閤殿下も我が殿に後を頼まれることなどないはずでござる。
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ


::::ヽ、;::;:;:;:;:;:;:;:;:, ...:'´.::::::::::::::`ヽ、.:::::::::::::::   |
;:;:;:::ゝ;::;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::::::::::::::::: \.:::::::::::. i |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`ヽ、.:::::  l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::|::::::::::::::::::::::::::::::::::、--==`、, ,,,l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:゙;:;:;; |::::::::::::::::::::::::::::'.:::::`..  (/”="_/
;:;:;:;:;:;:;:;:;:  :;: |:::::::::::::::::::::::::::::   `-'´;::"~:. i       ………。
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;  ;: |:;:;:::::::::::::::::::::::.   '´.:::::::::::. |     
;:;:;:;:;:;:;: ::;  l; |:;:;:,::::::::::::::::::::''   ..::::::::::::::::::.. |
;:;:;:;:;:;:;: ;  |V:;:;:;::::::::::::::::''   ..:::::::::::::::::::::. |     
;:;:!i:;:;:;: '  l:::::;:;:''::::::::::::'....::::::::::::::::::/´::::::::::::. |     
;:;:!i:;::;:;  i |:,:;:;'':::::::::::::::::::''iiilll|l|ll|llll|liiii,,:::::::::. |  
;:;: ;:;:;:;:  /i!::;:;:::::::::::::::::,,iiiiiiillll|ll||ll||ll||l|lllllii-- '´ 
;:;:;:;:;:;:;! /::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::l゙゙゙゙゙゙゛゛  
..:;:;:;:;:;:i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''/    
ヽ:;:;:;:;:!/i,,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::.' |          
:::::ヽ;:/i||iiiii,,::::::::::::::::::::::::::::::::::. |

120 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:09:30.08 ID:CwBQjx20
          , ‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
          〈ゝ、゛、〈 /  /-______ヽ
          у゛ ̄`´ ̄ ̄`\ー-- ト┐
          /    、 ,-‐ー >=-- |_.|~ト、       …ワハハハハ!
          〈´>-。|_〈ノ  ゚̄ヽ \ーr-'、`'l_.ト、     いや、すまぬな宗矩殿!
   λ       〉 ヽ-// `ー‐′ ノ |-, l  l._ト,    あまりに突拍子もない噂だったので、つい気になってのう!
   N ゝ,     .λ __〈__、__.-‐‐、 〃|  |_./   l_ノ    豊臣家に久秀や明智が如き者などあるはずもない!
  .l   ヽ、   / |└┬====T゛゛l |  レ′  [、7     そなたの主に失礼であったな!許せ!
   \゛  .〉7 ル' |  L______.l   |  l|   〈_7  
    ` 、[ル'   レ| | `‐┬‐‐´  イノ|  |   〈_7    
      l._|   レ'^ヽ,______,/   レ|/  ,〈ン     
       レ'┐    _|_    ̄ ̄`Tl'┴rヒコ┘
   , ー‐--'‐┴‐‐<  `'ー-、   __| |_ |┴---、

   / ̄ ̄\
 /    - -
 |    ( ⌒)(⌒)       ははは、お気になさらず。
. |     (__人__)       斯様な者など、昨今いるはずもございませぬ。
  |     ` ⌒´ノ      豊臣家の天下は今後も安泰でござりますよ。
.  |         }     
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

 そうして、ひとしきりの話を終えた後、宗矩は引き上げた。

121 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:14:50.45 ID:CwBQjx20
  / ̄ ̄\   
/       \      
|::::::        |     
|:::::::::::     |  …………。
|::::::::::::::    |    
|::::::::::::::     }     
ヽ::::::::::::::    } 
  ヽ::::::::::  ノ   
  /:::::::::::: く    
 /::::::::::::::::: \


  / ̄ ̄\
 /:::::::: - -
 |;;;;;;;:::( ●)(●)  
. |;;;;;::::  (__人__)   「久秀や明智の如き者」…か。
  |;;::::::::; ` ⌒´ノ     まあ、豊臣からすればそうだろうな。
.  |;;;::::::::;    }   
.  ヽ;;::::::::::;   }
   ヽ;;;::::::: ノ  
   /:::::::: く  
   |::::::::::  \  
    |:::::::  |ヽ、二⌒)


        / ̄ ̄\   
      / ⌒  ⌒\      
      |::::::(●)(●) |     すみませぬな、島様。
     . |:::::::::::(__人__)|    それがし、もとより豊臣に忠誠など誓っておらぬでござる。
       |::::::::::::::` ⌒´ |     
     .  |::::::::::::::    }   …次会う時は、戦場かもしれませぬな。
     .  ヽ::::::::::::::    }      
        ヽ::::::::::  ノ   
        /ヽ三\´    
        |:::::::::::::::: \

122 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:15:35.27 ID:CwBQjx20
::::ヽ、;::;:;:;:;:;:;:;:;:, ...:'´.::::::::::::::`ヽ、.:::::::::::::::   |
;:;:;:::ゝ;::;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::::::::::::::::: \.:::::::::::. i |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`ヽ、.:::::  l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::|::::::::::::::::::::::::::::::::::、--==`、, ,,,l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:゙;:;:;; |::::::::::::::::::::::::::::'.:::::`..  (/”="_/
;:;:;:;:;:;:;:;:;:  :;: |:::::::::::::::::::::::::::::   `-'´;::"~:. i       ………。
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;  ;: |:;:;:::::::::::::::::::::::.   '´.:::::::::::. |     
;:;:;:;:;:;:;: ::;  l; |:;:;:,::::::::::::::::::::''   ..::::::::::::::::::.. |
;:;:;:;:;:;:;: ;  |V:;:;:;::::::::::::::::''   ..:::::::::::::::::::::. |     
;:;:!i:;:;:;: '  l:::::;:;:''::::::::::::'....::::::::::::::::::/´::::::::::::. |     
;:;:!i:;::;:;  i |:,:;:;'':::::::::::::::::::''iiilll|l|ll|llll|liiii,,:::::::::. |  
;:;: ;:;:;:;:  /i!::;:;:::::::::::::::::,,iiiiiiillll|ll||ll||ll||l|lllllii-- '´ 
;:;:;:;:;:;:;! /::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::l゙゙゙゙゙゙゛゛  
..:;:;:;:;:;:i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''/    
ヽ:;:;:;:;:!/i,,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::.' |          
:::::ヽ;:/i||iiiii,,::::::::::::::::::::::::::::::::::. |


       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
  , -‐-、/::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::, -`-、_..-、
  レ  ,':::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::ト、:::::i:::::::l    li   !
 /__ ...,'::::::::l::::::ム:-A::::l:::::::::::::::リ‐ト::ハ::::::'、___}   }
 `ー/!::::::::l::::::lzV=Ⅵ:::::::::::/ム=l/ミ l:::::/`r‐'ー 、‐'
.  /  l,イ:::::ヽ::l |:人:} ヽ::::::/ .{::人::l l:::/:::::l _  ヘ     おとうさま、どうなされたのですか?
 ムへ! l::::::::::ト代Vフ,   `′弋∨フイ/::::::∧ハへ!
     !:::::::::l `:::::::::::    ::::::::::´ 'l:::::/::/
     Ⅵ:::::::ヽ、     。      , イ::〃/
       ヽ::::トN`> 、 _ ,, <´イ::/〃
        lヽl:.:.ヽ-ァ-`---´、--'´!/、
        |:.:.:.:.:./:/!`\::::ヘ:.:.:.':.:l lヽ.
       ハ, -‐>'_:!: _`<_‐-、:l ! ヽ
      〃ム∠___:.:.l: : :,___‐_ヽ lヽ.  ハ
      ,' 7 l l-`ー‐'ヽl/`ー‐'‐-ト、! 、!  ハ
      ! .レハ 「ヽ/二ll二ニヽ/7 }′ヘ   !
             お珠
          (島左近の末姫)

128 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:19:19.91 ID:0y7hXO2o
お珠きた!

123 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:16:49.62 ID:CwBQjx20
          ,. ‐==:┬┬ .、
          ,イミ∠⌒ヽ_⊥∠}
        /三V >、 、,  j.
        r=三〈  `ー゚` l L..=〉
       ,仆、j川    ._| 「゚-j      む、お珠か。
       ,tノ`i | |l  仁二`-' 、/     ちょっと客が来ておったのでな。
   _   tノ リ| | |    ー- `"ハ      …色々話を聞いておったのだよ。
ー-< `ー- 、 ,/レ'^_:、j    } /l_j.
ヽ、.:\: : :  ̄`ー二_ `rー-r┘
‐- 、.:..:.:.:.:.:ー-.:.:.:.  ` ┴-、|7
 r‐―‐ 、.::.:.:.:ヽ       `ー¬
/   r一爿.:.:.:.  \ ー‐- .__」_
ヽ/ r―┴ 、.:.:.:... `ー        \ _
.(_,>人__,.―^ー-、__,..  _.. > 、___,.... - ヽ

124 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:17:26.09 ID:CwBQjx20
::::ヽ、;::;:;:;:;:;:;:;:;:, ...:'´.::::::::::::::`ヽ、.:::::::::::::::   |
;:;:;:::ゝ;::;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::::::::::::::::: \.:::::::::::. i |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`ヽ、.:::::  l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::|::::::::::::::::::::::::::::::::::、--==`、, ,,,l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:゙;:;:;; |::::::::::::::::::::::::::::'.:::::`..  (/”="_/
;:;:;:;:;:;:;:;:;:  :;: |:::::::::::::::::::::::::::::   `-'´;::"~:. i       (柳生宗矩…石舟斎殿とはまた違う男のようだな。
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;  ;: |:;:;:::::::::::::::::::::::.   '´.:::::::::::. |       このわしを前に表情一つ変えずに、ああもつらつら話してのけるとは。
;:;:;:;:;:;:;: ::;  l; |:;:;:,::::::::::::::::::::''   ..::::::::::::::::::.. |       只者ではないやもしれぬ…)
;:;:;:;:;:;:;: ;  |V:;:;:;::::::::::::::::''   ..:::::::::::::::::::::. |        
;:;:!i:;:;:;: '  l:::::;:;:''::::::::::::'....::::::::::::::::::/´::::::::::::. |      数馬!数馬はおるか!
;:;:!i:;::;:;  i |:,:;:;'':::::::::::::::::::''iiilll|l|ll|llll|liiii,,:::::::::. |    
;:;: ;:;:;:;:  /i!::;:;:::::::::::::::::,,iiiiiiillll|ll||ll||ll||l|lllllii-- '´ 
;:;:;:;:;:;:;! /::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::l゙゙゙゙゙゙゛゛  
..:;:;:;:;:;:i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''/    
ヽ:;:;:;:;:!/i,,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::.' |          
:::::ヽ;:/i||iiiii,,::::::::::::::::::::::::::::::::::. |

125 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:17:51.87 ID:CwBQjx20
                |.V:.ヽ.    ..-、___r‐..、 /:.:.:./ :../
                   Ⅵ、:.:\ /:/:::::::::::::::ヽ:.:.:.:.:.:./ ..:/
                   V:.V:.:.:/:.:./::::::/|:\:::::::::}:.:.:.:/..:../
                 V:ヽ/:.:./-/-:ト‐-:.≧..、 ̄`..くl、
  r――、              ヽ/ ̄/:.:.:._/:|:ヽ:r≦三 __   |
  | 、  \            |:: >彡三|:.:|..:/ァ-―‐ァ:7ミヽ}      は、これに。
  \_/´: ̄\           V!イく_ ._..-Ⅵ:/≧=<:/__}:.::{
.     \:.. ::::::::\          ハ_}:/r‐.、Ⅵ  /フィォ /ト::::〉
.       \:... :::::::\        7ヘく「ト{::::_\} !__::::::}/jト:::::{
       \:::.....:::::\      |:::∧ヽV´ ̄::|! | ̄ ̄`l!/l:.::.::〈
          \:::.. :::::::\    Y:::∧.l!{_::::==l! |==ミ/!/ィ\::}
            \::....:::::::\   |_/:小 ヽ:,ト、:j! |::,ト、:/ /爪、:..:\
              \::... ::::::\  /://_::\ |_/ \ !_ ∠ =-‐ヽ:..:.ヽ._
                \::.. :::::::\//く -ミ_z=‐ ̄´ ̄  __. --ヽ:..ーミ{、
                  \::.. :/;ノ/´}      _ .._-≦ -――- \:..:.`ミx、
       ___    ソ:/rヘ ≧z、_. - ´ ̄      ___\:..:..:..:..≧ーz‐‐z- ==ー-
     {´r――-- .二二/ 7::.::ヽ  _ .. -‐ T ‐<  ,..-.:: ̄::.::.::.::.::.::.:`>ミ_: 彡:'´:..:..:..:..:..:..:..:.
    ...>ー――-:.ミ// /::.:> ´__     |    _`___<::.::.::.::.::.::.::./ /:.:.: ̄:.:.:.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:
  /´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/..:./ {//´..:..:..:.ヽ   |   /..:..:..:..>.、`ヽ::.::.:/ /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.
                         加藤数馬

 加藤数馬は、元は仙台伊達家に仕えていたが、叔父に関わる不祥事から主家を致仕、
この頃は牢人をしていたが、遠縁に当たる左近からの庇護を受けていた。

126 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:18:29.82 ID:CwBQjx20
          ,. ‐==:┬┬ .、
          ,イミ∠⌒ヽ_⊥∠}
        /三V >、 、,  j.
        r=三〈  `ー゚` l L..=〉
       ,仆、j川    ._| 「゚-j        数馬よ、今のうちにおぬしに頼んでおく。
       ,tノ`i | |l  仁二`-' 、/       もしわしに万が一のことあらば、この子を連れて落ち延びよ。
   _   tノ リ| | |    ー- `"ハ        そして、相応しい婿を探してやってくれ。
ー-< `ー- 、 ,/レ'^_:、j    } /l_j.
ヽ、.:\: : :  ̄`ー二_ `rー-r┘
‐- 、.:..:.:.:.:.:ー-.:.:.:.  ` ┴-、|7
 r‐―‐ 、.::.:.:.:ヽ       `ー¬
/   r一爿.:.:.:.  \ ー‐- .__」_
ヽ/ r―┴ 、.:.:.:... `ー        \ _
.(_,>人__,.―^ー-、__,..  _.. > 、___,.... - ヽ

127 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:19:15.60 ID:CwBQjx20
                       |、
                       |∧
              __      | :∧    
               ヽ:.\     l__:ヽ  
                   \:.:`:ーァ_:二:Z__ミヽ            .ィ
                   \:∧:Y´__j. l!\     ___/ノ  ___
                   V/Ⅳr_7'二}|ニミ、   // ̄ ̄:/三三―-ミ}
                   「7>,Y彡ニ7 ハー┴―ァ'/:.:.:,/´/:: ̄}.}`\{   と、殿!
                    V/i〉ー'^´ノz=>z=彡'-:彡.:./:.\::.:/ム、  ヽ  それは如何なご命令で!?
                    ノハzァ彡/´ /´:.:/7:.:.:/=ミ--:..`:く _   }    
                   //.:.::}〉‐ァ==<.:..:..:..丁イト、:::::::::ミ===彡 ̄ミ、ノ
                  /':.:/ィ 〈:.ノ}_:..:..:..:..:../⌒:::\_:::::::::::.::.:`ヽ::.::.:\_
                 //.:/´ノ、/:7´: ̄`ミ='.:.:.:.:.:::::::::::::::|` ミ__ヽ::.::.::ヽ::.:ミl
                  `7:://ヽ/_:.:..:..:..:..:..:..:..:.:.:.:.:-‐ヘ.:|    }`}/´ ̄`ヽ}、
                    ノ-ノ..//l´..:::::::::>ミ:ー―::´::_::::-、:リ     j .{{ .:.:.::} :..:..|
                 廴_V:::イ:..{.:.:.:.:/.:..:..:..:.`:.:.ー:.´:.:.〈.V    / ∧:.::/. .:.:リ
                 /::V:..ヽ.l_/..:..:..:..:..:..:..  :..:.:.:.:.:.:.:ソ    / / / V===、/
                 _,/:/{ :..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..  .:..:.:.:.:.:./   / / /  }イ ̄`}
              /ノ:/:::::∧:..:,ィ彡三三三三ミ:、:.:.:.:.:/    / ´  /  /::_:`ヽ‐ト、
         _ ,彡7´::.::.::.:::_:ノヽ/´::.::.ー‐:::.::.ヽ::.__::`ミV:\ /   /r‐彡r‐‐ミ、_}:.l!.l
     _...-  ̄/´ /{{.:::.::.::.::/   }::.::.::.::.::.::.::._{::.::.::.:::::/ \::\.  /  ̄´     {_j!:|
    /´  /   /:..:ヽ._::イ   / ̄ ̄o ̄/_/|_ヽ::.:::::/ /´\::\/        {:ノノ
 /   /    ノ:/:..:.:._/   _{__o_.{ヽ r.ァノ`ヽ{´    \::\         └′
/    /   ,..イ{:..:.:.:彡 ´    }ミx、::.::.::.::.::.`ー::'::.:\:{     / ヽ::.:ヽ

129 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:19:43.18 ID:CwBQjx20
          , ‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
          〈ゝ、゛、〈 /  /-______ヽ
          у゛ ̄`´ ̄ ̄`\ー-- ト┐
          /    、 ,-‐ー >=-- |_.|~ト、      …フハハハハ!
          〈´>-。|_〈ノ  ゚̄ヽ \ーr-'、`'l_.ト、    そう硬くなるな!万が一だ、万が一!
   λ       〉 ヽ-// `ー‐′ ノ |-, l  l._ト,    まあ、そういう話もあった、程度に覚えておけばよい!
   N ゝ,     .λ __〈__、__.-‐‐、 〃|  |_./   l_ノ    ハハハハハ!
  .l   ヽ、   / |└┬====T゛゛l |  レ′  [、7    
   \゛  .〉7 ル' |  L______.l   |  l|   〈_7  
    ` 、[ル'   レ| | `‐┬‐‐´  イノ|  |   〈_7    
      l._|   レ'^ヽ,______,/   レ|/  ,〈ン     
       レ'┐    _|_    ̄ ̄`Tl'┴rヒコ┘
   , ー‐--'‐┴‐‐<  `'ー-、   __| |_ |┴---、

                               , ‐ 、
                 __          {_ ⌒) }
             .  ´       >、      , ‐ ノ
           /       -‐_  ´ ヽ    '-´
  , ‐‐ 、    /‐--      、       ヽ  O
  i (⌒) )   /---‐    、、 ヽヽ_ i      、      おとうさまはなにをいっておられるのかしら?
  `´ \ヽ  ,    ト ト  ', `-,`‐‐、i、   i、 i 、      むずかしくてよくわかんない…。
       O l  ', l、l_、l-、ヽ ! i    ! l   i )ハ'
         ', | ヽi i   i `  ヽ _ ノ l   i'ノ
         'i ,  ヽ 、__ノ          !
           ',  {           < !、 ,'
            、 ヽ ____   __, / ヽ '
            ヽ 、 ヽ /l// l /  ヽ
              ヽ'\ ,' |/   l    、
                 , { ̄ ̄ ̄ ',   

130 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:20:40.14 ID:CwBQjx20
        _,,,..---------..,,_
    ,r‐''フ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.、
   ,r' ,r'´,i':.:./|:.:.:.:.:.:.:.;i:.;r‐‐っ:.:.:.:`、       今回は私が解説役になります。
  ヽ {:.:.:{:l:.:.;! i;.:.:.:.:.:./レ'、  `z、:.:.:.:_i_      毎度のことですが、>>1はfateやったことがないので、口調は適当です。
.     7:.i,ト、;!'´ヾ:.:./    ̄'''''l:.ミ:.:;!i_l`.、    
.     !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'` ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`v、/!l ト、、`i    この島左近との下り、小説なんかだと石舟斎が会いに行って、
     i:/              ,!:l U, l<_,!   ついでにお珠を引き取ったりしてることがあるのですが、
     !ヽ、    __      ,r'’:l,,,,,i| `、_!   実際は宗矩が年始の挨拶にことつけて石田方の情報収集に行った、
     !:.:.i;`i.、  ´ .`    , <´:.:.:.:.:.i,,,,!,     というところらしいのです(石舟斎が別に会いに行ったかどうかは不明)
     l.:.:lヾ! /ヾ'7、-‐‐7´ ̄,!、.:.:.:.:.:.;!,!|     ここは、逆に言えば、左近の方も、
     ヾ;! ` .i,__,,! l. ̄.lヾ'''''´.,ノ''´レ',ノノ     宗矩から徳川方の情報を引き出すべく、わざと迎え入れた、
          i____ノ. ̄`、`ー'’l          とも考えられるますね。
.          /      ̄ ̄l′          
           ̄!'''''7┬--,--'          まあ、お互い、どういう成果があったのかは不明なんですけど。
.           ヽ,/ .!_,,/

132 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:22:21.88 ID:59iJ4jQo
さて、これからどうなるか

131 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:21:48.57 ID:CwBQjx20
 更に時は流れる。
慶安四年(1599)も半分を過ぎたある日、出家した兄・徳斎に呼ばれて宗矩は柳生庄へ戻った。

       ____
     /⌒  ⌒\
   /=⊂⊃=⊂⊃=\     おお、又右衛門。
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    急に呼びたててすまぬな。
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /
       徳斎
     (石舟斎三男)

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l   
. |    (__人__) |     いえいえ、兄上、ご無沙汰しております。
  |    ` ⌒´ |    どうされました?
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

       ____
     /⌒  ⌒\
   /=⊂⊃=⊂⊃=\     …うむ、お前に見てほしいものがあるのじゃ。
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    
  |     |r┬-|     |    
  \      `ー'´     /

133 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:23:36.47 ID:CwBQjx20
             ____
             /ヽ__/ /
            /  /  /      「こいつを見てくれ。こいつをどう思う?」
            /  /  /
           /  /  /       「これは…遺書!まさか父上が!?」
           /  /  /
          /  /  /
           ̄ ̄ ̄ ̄

       ____
     /      \        そうじゃ…知っての通り、久三郎が亡くなって以来、父上の気の弱りは酷い。
   /  _ノ  ヽ、_  \      こんな遺書まで書かれるようでは、いつどうなってもおかしくない。
  /o゚=⊂⊃==⊂⊃=゚o\     それでなくとももういい歳じゃ。
  | ::::::⌒ (__人__)⌒:::::  |     ほれ、そこからそっと見てみよ…。
  \     `⌒´    /

134 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:25:46.34 ID:CwBQjx20
       ;/ ̄ ̄ ̄ \ ;
      ;/   ノ 三\ \;       
  __ ;/ヽo゚((○))ii((○))゚/\;      久三郎…おお久三郎……。
    ;(    |(((__人__))) |  |;       
  \ヽ\__  `⌒ ´__/ \;     
    \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
     ヽ               \
      \               \

135 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:27:17.35 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ○)(○)l   
. |    (__人__) |     うわ、確かにひでえなこりゃ…。
  | U  ` ⌒´ |      
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ
       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \     又右衛門、お前が頼りじゃ。
  / =o゚⌒==⌒゚o= \     なんとか父上を元気付けてやってくれ。
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /

   / ̄ ̄\ 
 /   _ノ  \   
 |    ( ○)(○) 
. | u.   (__人__)    (こりゃ洒落になってねーぞ。
  |     ` ⌒´ノ     しかし、考えてみれば父上も歳だ。
.  |         }      明日にも亡くなられてもおかしくねぇ。
.  ヽ        }      
   ヽ     ノ       
    i⌒  , (‐- 、    
   l         \ 

137 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:36:15.37 ID:CwBQjx20
             |、|
             |、|
          _,,...-|、|-..,,,_          
        _,r'´.:.:.:.:.:.|、|:.:.:.:.:`.、      宗矩と徳斎が、実際にこんな会話をしたかどうかは不明ですが、
      /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|、|:.:.:.:.:.:.:.ヽ   件の遺書に「財産の処分については宗矩と徳斎に相談せよ」とあるので
       !/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|、|.:.:.:.:.:.:.:.:.`、  二人が顔をあわせて話をする事はあったのでは、と思われます。
      /'i:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.l  (遺書読んで驚いた於鍋が二人を呼んで相談した、とか)
      / ,l.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:l     
     7’.!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:i.:.!    なお、この時点(慶長四年(1599))で、石舟斎は71歳でした。
      L__!'i.:.:.:/:i:.:.:.:.:i.:i:.:.:.:.ト、:/ヽ!   当時の平均寿命(50歳程度?)を考えても、
         ヾ/V'ヾ:.:/`´`、/ ` l    いつ亡くなっていても不思議ではない年齢だったのですね。
          /   `         !    そういう意味では、宗矩にも焦りがあったと思われます。
        i  /        _,,,l      
         ¨lー‐‐‐‐‐     ¨   !   尤も、柳生家は全体的に長寿で、
         l          __,,,!   歴代当主の殆どが70年以上生きているのですけどね。
          ̄!¨¨'''i''‐‐‐'''i¨¨ /    (例えば、石舟斎の父・家厳は88歳まで生きている)
          `ー‐’    `ー'′       

138 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:37:43.32 ID:CwBQjx20
     |┃三        / ̄\
     |┃         |     |
     |┃          \_/
 ガラッ. |┃            |           
     |┃  ノ//   ./ ̄ ̄ ̄ \        
     |┃三    /  ::\:::/:::: \      おや、叔父上。
     |┃     /  <●>::::::<●>  \   来ておられたのですか。
     |┃     |    (__人__)     |     
     |┃三   \    ` ⌒´    /      
     |┃三   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
            柳生兵庫助(兵助)

   /.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
    |.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
    |::::::::ゝ  ⌒  ⌒ |    叔父上、お疲れ様です。
   |::::::( ( ●) (●)|   
   (@  ::::⌒(__人__)⌒)
    |     |r┬-|  |
    \      `ー'´ / 
     柳生権右衛門

139 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:39:10.66 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l   
. |    (__人__) |     おお、兵助に権右衛門か。
  |    ` ⌒´ |    お前たちは元気そうであるな。
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ


   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ●)(●)l   
. |    (__人__) |     そうだ、お前たちにも聞きたい。
  |    ` ⌒´ |    父上は、最近ずっとあんな感じなのか?
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

140 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:40:36.17 ID:CwBQjx20
        / ̄\
        |    |
        \_/
         _|__
       /      \       ああ…お爺様ですか。
      /ノ ::::\::::   \    そうなのです、ここ最近はずっとあんな感じで…。
    / <●>::::::<●>   \   我らに稽古をつけるために、しないを握られた時くらいですね、
    |   (__人__)       |   元気が出るのは。
     \  ` ⌒´      /
    ノ           \

   /.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
    |.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
    |::::::::ゝ -   - |     最近、能楽師の金春七郎という者も弟子入りして、
   |::::::( ( ●)  (●)|    道場の方はますます賑やかでござるよ。
   (@  ::::⌒(__人__)⌒)    父上は能がお好きですから、その縁からのようですね。
    |     |r┬-|  |
    \      `ー'´ / 

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l     ははは、父上らしいのう…。
. |    (__人__) |    まあ、わしも能についてはやぶさかではないが…。 
  |    ` ⌒´ |    
.  |         }      ところで、お前たち、仕官についてなど考えておるか?
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

142 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:41:24.53 ID:CwBQjx20
     , (⌒      ⌒)
   (⌒  (      )  ⌒)
  (             )  )
    (_ヽ_ハ从人_ノ_ノ
          | || | |
       ノ L,l ,|| |、l、
       ⌒:::\:::::/::\
      / <●>::::<●>\ 
     /    (__人__)   \      そう!それなのですよ叔父上!
     |       |::::::|     |     聞いてくだされ!
     \       l;;;;;;l    /l!|     
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |    ドンッ!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ >
               レY^V^ヽ

   /.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
    |.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
    |::::::::ゝ ノ   \ |    我らに対する仕官の話は、いくつかは来ているようなのですが、
   |::::::( ( ●) (●)|   全て、お爺様が断っておられるのです。
   (@  ::::  (__人__) )   
    |      `ー'´  |    曰く「まだまだ未熟者故、手元にて育成したい」と…。
    \        / 

143 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:42:58.70 ID:0y7hXO2o
相伝内定フラグか!?

144 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:43:42.60 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( -)(-)     うーむ…。
. |     (__人__)     今のお前たちの腕前なら、どこの大名家でも十分通用するはず。
  |  U  ` ⌒´ノ     それを、この柳生家困窮の時期にわざわざ断るとすれば…。
.  |         }     
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

        / ̄\
        |    |
        \_/
         _|__
       /      \       はい…、兄上のことが、ずっと気にかかっているようなのです。
      /ノ ::::\::::   \    既に仕官なされている叔父上方は最早仕方ないが、
    / <●>::::::<●>   \   これ以上、身内を失いたくない…、
    |   (__人__)       |   そういうお気持ちがあるようなのです。
     \  ` ⌒´      /
    ノ           \

   /.:::::::::::::::::::::::::::ヽ
    |.:::::::γ⌒^Y⌒ヽ::.|
    |::::::::ゝ ノ   \ |     心配はありがたいのですが、
   |::::::( ( ●) (●)|    正直、われらとしても不本意でござる。
   (@  ::::  (__人__) )   
    |     `ー'´   |     しかし、お爺様、お婆様、
    \         /    それに母上のお気持ちを考えると、強くも言えず…。

145 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:45:04.08 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)     …やはりそうか。
. |     (__人__)     しかし…これでは柳生家を復興させることなどままならぬ。
  |  U  ` ⌒´ノ     わかった、それがしの方でも手は無いか考えてみよう。
.  |         }     
.  ヽ        }      では、それがしは引き上げるでな。
   ヽ     ノ      達者でおれ。父上を頼むぞ。
   /    く  \
   |     \   \    「「はいっ!」」
    |    |ヽ、二⌒)、


   / ̄ ̄\
 /  \  /\
 |  (●)(●) |
. |   (__人__) |   (これは、ますます余裕がないな…。
  |   ` ⌒´  ノ    五郎右衛門兄上からも芳しい知らせが無い以上、
.  |        }    やはり…この宗矩がなんとかするしかあるまい!
.  ヽ       }     なんとしても父上ご存命の間に柳生家を復興させないとダメだろ。
   ヽ     ノ     常識的に考えて…!)
   /    く       
   |     \          
    |    |ヽ、二⌒)

146 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:46:59.65 ID:59iJ4jQo
やらない宗矩かっこいいぞww

151 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:49:59.38 ID:0y7hXO2o
なんか宗矩どのがきれいだぞww

147 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:47:31.97 ID:CwBQjx20
        _,,,,..-‐‐‐‐-..,_
      _,,-''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨''-、      この頃、柳生家が貧窮していたことは既に述べた通りですが、
   ,r'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨'''ヽ、   新たな弟子などが加わっているらしきことなどから考えると、
.  /.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.i:.:.:!:i;.:.:.:.:.:.:lヽ:.:i、:.:.:.:ヽ   新陰流の教授自体はずっと続けていたようです。
  l:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.!:/ !l !:.:.:.:.:.l ヽ! !:.:.:.:.!    
  l.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:_レ_,,,l;!-ヽ:.:.:l  ¨l!l'''':.;/   そして、この頃、既に成人していた兵庫助への仕官の誘いなども
.  !.:.:.:.:.:.:.!:.:.:´.:l     ヾノ    レ'’   あったようなのですが、石舟斎が全て断っていたようです。
  !:.:.:.:.:/l:.:.:.:.;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;   ;;;;;;!     柳生家困窮の時期に、剣の腕を見込まれての仕官の誘いを
  !.:.:.:.:ヽ!.:.:.:.:.:l 、 、       l     わざわざ断る理由があるとすれば、
.  !:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.l      _    ,!     推測ながら、これは嫡孫・久三郎純厳の死が
  !:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.!     ´ `_,,,-'’     大きく影響していたものと思われます。
 レ'i.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.l ̄i¨¨¨¨i¨i´          
   !.:.r、_;_:.:./`、`.、 `i''''''lヾ!         もう二度と孫を失いたくない…そういう気持ちがあったから、
   ヾ;!  ̄/: : :¨'''ヽ l l :ト'、        困窮を承知の上で、兵助・権右衛門の孫二人を
       /ヽ;/: : : :l--l: :!、!       手元から離さなかったのではないでしょうか。
       'ー"ト、______;!  レ!         (兵庫助の場合は、また少し別の理由があったかもですが)
        /        l         
       /          ,!        そういう意味では、もう石舟斎自身による柳生家復興は
       ̄¨i''''‐-,,,____,,/         八方塞りの状況であり、だからこそ、ますます柳生家の復興は、
         !   / ! /          宗章、宗矩の仕官済みの兄弟2人の肩に掛かっていた…と言えますね。
         `ー'’  `′

148 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:48:53.61 ID:CwBQjx20
 そして…慶長五年(1600)!会津ッ!
                _
            ,.-'''☆´,.-、'‐-、_
          /☆ _,.-,.´::::/  ☆\ト、
        /   フ_f::、__ノ ☆ ☆ヽ)
        /☆ ☆(ニl |::::::(☆ lニ) ヽ: : :|
       | /  / | V:::::::::ヽ ,|i |  ☆: |
         ヽ!☆ ☆∧\==ク ノ☆、l: :ヽ|    兼継…徳川はどうやら本気のようだ。
          | /,.<_、゙ヽ.二.-''_,->、、☆|   本気で…天下を取りにきているッ!
.        |☆/ 'て(・)>ゝ .r'r'(・)フ'´ヽi |   このままでは、我が上杉家も前田家と同じ目に遭うぞッ!
        ||∧   ̄ :   |: :  ゙̄`: :∧:|    どうするッ!?
        ヽ|リi       |、   : :/|∨ _
         ゙|リi:    ゙'ゞ-゙'′  : /ゞミ、_,)ヽ
          )!ヽ  '┬-ニ-‐テ : :/)リゞ、__ノ
        i、 ')ヽ\ `""~"´: /:://人ヽ、
        ヽ三'人ヘ:`'ー--‐:'´::/'//   ̄_,.
       r‐''´ ̄! |ヽ∧ : : ::::::;:-'´,. -‐''"´
     _ノ'´ヽ  ∧|lノ) | : _r'´´ ̄_r
             上杉景勝

        `! _ー--‐   ,. ''"´ ̄¨゙ヽ. ll  !    〉   ./ リ  〕
           l ll  ll  /,,. -‐ ニニ ‐ \__..ヽ   /     / /
        ∠¨゙ヽ、!!_/  ,. '"´ ̄__ ニ i l_」..__∠ ----──ァ
        / ̄¨  i ニ ',  -=ニ -‐ ¨イ´‐‐-   __ 二ニ-‐、¨ ̄
         i‐‐--  } >-─----‐ ''"__ -‐ ¨ ̄_..ニィ¨ ̄ヽj  ./   心配いらねーぜ、殿ッ!
.        V==  ノ愛 /    _>='" ヽー--‐ ¨_フ、'⌒ゝ`    /     流れはこちら側に…あるッ!
        >ー"   /_.>''",ィク'_"´  V__,ィ'´ !、 `¨     / / 
        //   .,∠、 ゙‐'"ィfテブ '´ヽ/  ソ ./〉:\___/__,ノ>
     /  >i'"i┴'-.}   、 ̄   ,ノ┌ト-'/::::::::::::::l     /
  ,. < ,. <:::::::ト、`ニ=‐!-、  ',       └l /:::::::::::::::/   /::::::
ー‐… ¨ ̄ ̄,/ ノ i ,ハ '、 _L /     /ソ /:::::::::::::::ノ  /./::::::::::::
       ー='-‐'" ヽ、_ヽ`¨__ ,,.. ォ  ,.'y'  i::::::::::::::/  i i:::::::::::::::
            i::::::::ヽ-- ‐ '"rヘ,イ   ノ:::::::::::;',ィ⌒ヽ! !:::::::::::::
               !::::::::::ハ  _,,.ィ::::::ヽ、/:::::::::::::i l i、  リ:::::::::::::
             \/ 〉i ̄:::ハ:::::::::::l::;;_::l:::_;人ヽ- ' ∧:::::::::::
                直江兼継

 慶長五年(1600)二月、家康の行動に業を煮やした上杉家は、
武器を集め、兵を募り、領内の整備を始めた。

149 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:49:17.26 ID:59iJ4jQo
この二人ですかwwwwww

150 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:49:49.74 ID:CwBQjx20
 これに対し、家康は当然咎めたてたが、
直江兼継は有名な挑発文「直江状」を以って、これに答えた。
内容は略すが、要するに「その様、まさに慇懃無礼ッ!」というシロモノである。
(しかも、言ってることは間違ってはいないので、挑発力更に倍)
         ____
        /ヽ__//
        /  /  /  ←直江状
       /  /  /       
       /  /  /
      /  /  /
   〃 / ,-、ェゝキヽ い  レイ           そこちょっと
   , /,.ィエ)__、'^l,l/ , 、  ← 0          
  / fミ ,ィ'ノ ,) ヾ, ヽヽ               し・トゥ・れい
  〈  t- `ー '  ァリ ノ ノ             l、  失  礼 ィィィ~~~
  ヽ `ト、   / /  ,r' ゚             'iト、
   : {::丶-‐彡'> ({                 ';ヾ 、
   い  そー-r''":ヽ ぃ )               ';;;ヽ'ュ、  , ..,,、 ,r- 、、
      t:.:.:.:.::::::::ヽ (              ';;;;;ヽ V'{l {i, ソヾィ ト、ヽ
     丶ヽ:.:.:.:::::::::ヽ、 ・               ';(ミ,ヽ`t愛‐''_,ノィキヽ
       ヽzzェ=彡ヘ                ヾ;;rくゝミ匸キ-‐-<
      ) ヾ― ''"  ヽ ・.           ┌=ゞ' "`ヽ Y'{i,゙{i、'{i,ヽ
      '┐ ヽ    ヽ. ヾ ・ .        ,ィヘ、,  r.イ'i{lヽヽヾ、`' .::
        `  ヽ.  'ミ, 'i, ,ト、、       ,.ィ(゙ヾ   `` '` ヽ丶:::::::ノ
         ヽ, ヽli;, ヽ,,ィケ `'iヽ、     {、``′   ,::'':.:,ィTハ,`下リ
          ・ l,_ ,, '':.:.:.  /;;l l;`rt-≦ニミヾ>、,、   rtゞ、いヽ.`ヽ
            `ヾ、 ⌒ソ;;/,/;;;l l;;;;l`ゝ;;;;;`ゞ`丶<>'(ヘ=>ミ、ヽ、
              `ヾ二彡'ノ;;;;//;;/  ゙i;;;;;;;;;;;\   `l゙´{ヾミミ丶

152 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:50:46.46 ID:CwBQjx20
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii\ヽiiiiiiiii/
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii \`─'    ┃     ━╋━ ┃
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  ;;;;\~-~: .  o  i`´` ハ,i,,,,,---'''',,--''''|彡 ノ      ━''         え
 ` `---`≡=------─'`i iii `--'''' ̄    |彡)   ┃┃┃┃┃    ┃
\` `ー- i'   ,,,;;;''''''''''´´ `,i´ -、_,,,,,,,,,,   .|,彡`i  ┃┃┃┃┃   . ┃
  \` ー\        (,-、,;-' _,━.、`l  . |,彡|   ・ .・ ・ .・ ・     ┃
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,_____ミ .\`---.\  ヽ .┃`''''' ̄ ̄,--、┃ ,  |彡|  
   ヽ  \`----\\  \= i ⌒ i  i=┃ | /彡|  /⌒レ^ii~ヽ 
ヽ.__`ヽ \`----\` \\=i,,,,,,--.i=:/  / /| /       `ヽ  ∩
 ヽ     `ヽ \`三三\   `━━'''"" ,,,i/ .| /          |  / `--
  `丶___ ̄ ̄ ̄ ̄,'''''''''''''''─--'''""""   |/           | /
          ̄ ̄ ̄ ̄              |           |/ 

 これを読んだ家康は激怒したという。
あるいは、激怒してみせた、のかもしれない。

153 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:51:20.64 ID:CwBQjx20
 こうして、上杉家に叛意ありとして、六月十六日、家康は上杉家征伐のため、
「豊臣家筆頭家老」として諸大名からなる軍を率い、大坂を出発した。

 ,,-/‐=ヽ,,,,,,                                                      _
/ヽ/   ヽゝ                                             ,,,,,,,     ,,=ニ、ヽヽ
  l ,‐ヽニ                 「「「「「我ら、徳川家特戦隊!!!!!」」」」」        l//ノl    l"|、‐'ヽ、_lミ|
、/l/レ,.-‐二ヽ                                      ,-二= ̄-‐ | ̄.|-==、 l'"/ヽゝ─
/、-r/フ‐、,,ノ‐- 、    ,-‐、、─==、                        lヽ、、ヽニ/''ヽ|--.|、/__,,,,--‐== ̄
=二ニゝヽ--‐二二<二-‐、;;;;;///ヽ                        |」」」ヽ""''''ゝ|;;;;;;|ヽ─'''''"ヽヽ /‐-、
;;;;;;;;;;;;ヽ=======''"'ヽ、─,,,,/-‐、|、    ,,,,               、、、 /l ヽ |    ミ;;;;|\\\\、///
;;;;;;;;;;;;;;、|//////‐二‐./ て /、ヽ-、,,/彡|              ヽヽ/;/l|  ノノ   ヽゝ;|、ヽ、\\ヽ|-‐ ヽ
;;-‐''''''"|/ / / / / //‐;;;;;;;;;;;;ヽニノ\\|  l |     ___    ,.-,.-/'''/|/ヽ=/,-、ノノノノl|;;/;;;;ヽヽヽ-/,-==、ヽ/
    \/ / / / //| |;;;;;;;;;;;;;;|''''''"ヽ/ヽ=-\゙''ヽ、-/ゝ|r、ヽ、-'"/|l//  ヽ、;;;;;/ ヽ‐、''ワ)-‐/;;;;;;;;;;| |;;;;;;;|/;-| |ヽ、/
/,-‐''''''ヽ.|\、/ ////;;;;;;;;;;;;;;ヽ___ノ/ ‐-、ヽ、| lヽ/ レ、|〉ゝヽノ'"l |//、   ノ‐''"ヽヽ、;;;;;;;";;;;|| |;;;;;;;;;;|ノ─''|/、|、|ノノ
_| ,‐|ヽ、、|   /////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ- 、   ヽ || | | lヽ、‐、|,ヽ_/l| |'''ヽ/r --‐'"===、、/"''''--''/、|;;;;;;/   l|‐''ノ、,,ノ
.、/|‐|‐|‐|l   /////;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、__ ヽl|;;;;;|ヽ-、=‐[=]ノノ|;;;;;;/;;ヽ/"====‐、;;;;;;;ヽ,,,、--ヽ/;;;;|    ゙''''"''"
\|へヽ‐| ̄"/////--''''ミヽ;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ/ \ /|ヽ;;;;\ヽ 曰 ノ/;;/、/;;|/   ノ,    \;;;;;;;;;;;;;;|/;;;;;;;|
  ヽ--‐'"  |///  /--//lニ─、/ ̄ ゙゙̄"\;\;;;_ヽ-'"'";;;/;;;/   ヽl      ゝ‐‐'"‐'|---、l
        |/ // | |;;///、==,,=、      ゝ、;;;;/三三三、;;;;/ノ\    ゙''''、  、/--、;;;;;;;/ ‐,-‐゙゙ヽ
        ヽ/イ ヽ |;/=ゝ‐‐'' ヽ゚ノ   /\ヽ、ヽニ二ニ‐',///\    ゙゙'''ヽ‐|   ヽノ-/ヽ /
          ./ l‐/"ヽ ソ__,,,-‐-‐'ニ/\ヽ‐,イ‐;;;;──'";;ゝ、ヽ//ヽ、      / |  /|ヽ"  /|
          .〉  /ヽ,.ヽ‐''" ヽ‐'''"l、/ヽ‐'''‐'"  \;;;;;;;;;;;;/  ゙'''ヽ=-、,,,,ヽ    ヽ .|  〉| l,,‐";;;;;;;|
         // /三、ヽ"/"";;;;;;;;/|‐フ'"   / ,.‐''‐-‐''''、   \   ヽ      ノ l_/l、|l"'l、;;_;;ノ、
        /''''‐‐|三二ヽ‐、--‐"ニl //  /  /      .\   ヽ-,,,, |     / ヽl ||ヽ" |     |
        /   |=二二l|___/‐/ / ‐'",.--''"、         >‐-   ヽ    /ヽ--| |   |    .|
        |  /;;;;;__;;;;;;;;;;;─‐/ ヽ、l ヽ、 //;;;;;ヽ、__,,,,/フヽ,.-'" /     |   / ヽ--ヽ、__  .ヽ
       /  ヽ、_/  'l ヽ;;;;;;;;;;;;/    ゙'ヽ、 //;;;;;‐- /ヽ|,.-ヽ、‐";;;\-'''"      |-,,,,,|   | ̄''''ヽ=='" ヽ-、
    ,,,,/ ヽ==/"''''''、l_|、;;_ノ       ゙''ヽ--、/  |  ヽ‐'''""         ヽ  ヽ  ヽ‐'''"ヽ,,,,-‐--‐"
   .<,,,,,,,,,,,,__,,,ノ      ヽ,,,,ノ           |,-‐∧--,|              ゙'''''"
                 ゙‐'"           ‐'ヽ-" ヽ-ヽ
               軍備を整え、出立のポーズをとる徳川軍の勇士達(イメージ図)

154 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:52:04.37 ID:CwBQjx20
 そしてその軍勢の中には、家康の側に控える宗矩の姿もあった…。
この時、宗矩30歳。

          / ̄ ̄\
        / ノ   ヽ\
        /   (●) (●)ヽ       ついに殿の天下取りも大詰めが近づいてきたな…。
       .|    (__人__) .|        武者震いがするだろ、常識的に考えて…!
       |      ` ⌒´  |
       ヽ         / ___ ___... ---、_
       _L⊥┴  ̄  ̄ 7:l=ト、「「 ,-…¬:、l 「 ll\
   _. ‐' ´7/´. : : : : : : : : :l: llXl.:.l.l |i r=, l||||トr'|
一7´: : : ://: : : : : : : : : : : l: |lX|:.l | ||_'‐'_」 ト|||| | |
`ソ.: : : : ://: :_:_: : - … .二L」lXヒ| | ト-‐…くノ-く r'r'
/ニ二_"´「 "´ ,-‐ ¬T_ゝ、__]二L_`仁ニて ̄\_-ヘ.
\ー-┘_> -‐_ヽ二 ̄-‐イl¬…‐-|`ー¬\r'´_>ヘ.ヽ
_/仁,ー!l _凵-, l |i⌒Y|二H¬…‐-[ニ、___[_ Y- ‐‐┴0
  仁Y!l {-‐¬! ド- '仁ニH¬…‐/  >‐、- V    / l
  仁-!l {-‐¬l |i⌒'仁ニH¬…‐l. / __L. 」二=ミY |
___仁'-Ll/'''7ニl.ド-イL-┴'ァァ=h l/´/´/´しイ| !L/
-rヘ_/~/_/ ̄/テ二「 「l  | | Fl l.l | ,' ,' ,' tニノノ´
| /   __// r┴| l |  l | L! |.l l l. l. | l.__! } |
.l ハ,ニ ̄-‐、ヽl_,. イ. | l || r1」ノ_ハ ', ',. '、,__,ノノ
l 」ハ t‐t¬、ヽヽ-ヘヽヽ ヽ`二「「 ̄ヽ、ヽ._ヽニン
>、l=ハ ヽゝ┘」 `ーr ⌒「  ̄工   l   「`TT ̄
┐T `ー、二 ̄`<r'⌒l  / ハ  l'…‐L//
7!. l  _,...ト、 ̄ヽヽ__  l  l _.」 l_!…‐l‐'
/|._仁´-‐イ ヽー'¬' ̄仁.l  | 仁」_¬キ

155 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:52:03.70 ID:PNwwhwEo
がんばれやらないお

157 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:52:51.35 ID:0y7hXO2o
すげー鎧だwwww

156 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:52:49.57 ID:CwBQjx20
                   ';';,..
                    '';;';';;,.,
                      ''';;';';;'';;;,.,                  ザッ
                       ''';;';'';';''';;'';;;,.,   ザッ
          ザッ            ;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
                        ;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
                        vymyvwymyvymyvy     ザッ
               ザッ     MVvvMvyvMVvvMvyvMVvv、
                   Λ_ヘ^-^Λ_ヘ^-^Λ_ヘ^Λ_ヘ
     ザッ            ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ ヘ__Λ
                __,/ヽ_ /ヽ__,.ヘ /ヽ__,.ヘ _,.ヘ ,.ヘ    ザッ
    /\___/ヽ   /\___ /\___/ヽ  _/ヽ /\___/ヽ
   /        \/      /         \  /        \
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  \        /\      \        /   \        /
  /`ー‐--‐‐―´\ /`ー‐-  /`ー‐--‐‐―´\   /`ー‐--‐‐―´

 大軍勢を率いた家康は、しかし、実にゆっくりと軍を進めていった。
江戸には七月二日に到着したにもかかわらず、20日近くも江戸で留まった後、
七月二十一日になって、やっと会津に向けて軍を動かすような有様である。

 明らかに、家康は”何か”のために時間稼ぎをしていた。

158 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:53:39.23 ID:CwBQjx20
                    ____         
                  /        ̄ ヽ.      
                ./            \    
                /          !、    ヽ.  
                |  、  ,:"   _,.- !     |    今こそ決起の時!
                |,,_ ヽji(_, -;=f。テ‐'"    ''",\    裏切り者、徳川家康を滅ぼす千載一遇の好機である!
                'ァ'゙rェァk≦~二~ "~    i 〈ノ |!     豊臣の栄光のために!ジーク・豊臣!
                〉ー'"| ヽ._     ノ   (,タノ  
                \ ノー;='-≧==.、 l     r'" |.  
                  Y"ツ'''''''''''゙ヽ\ !    .|  |  
                  ! |r'ニ二 ̄`\ヽ,,_./   | 
                  j ! ∧,,  ,,/,,ノ___j-、
                  | `'"  ゙ー'",,/='―――, 〔,|、_
                  〃,,,,,,,,,,r''",r‐'ニニ7 、.ノノ   \
                  /;ミヽ! |_ノ -―./  ,rj      `ー-、_
                _/ /__ \ ,.-‐'"_二-‐ァ''           /`ーァ----ァ=≦三三三
           __/ ̄   // ヽL└‐'"  /          ,∠(___(___(_,.. ィ~T ̄T~T
     _,. -'ニニ二ィ'   ,.r‐く└ァ`T"_,.-‐‐''Z"          ,:/        /  / .|:  | |
  r―'"ー'て_/__ノ  _/イ~「` ( _ノr'  / \___     .//         j   |  .|:  | |
  TTT~ ゙̄7  ノ__,..ノ"   | .|  // / /    ヽ.__  ̄`ー-、.//         /|  j|  .|:  | |
  ,| | | ./ /    _/    | | ,// //        \、   ∑>==r'fアーァーil /.└‐'L_|_」._」
 l | | | | |   /      V | | /           ≫  ゙ -=西軍=- /
 |」.」」_」_」 O\          |_レ'           / 、__/L        /
 / / / ∧∧ \      /             /  v'rヘi.rァ゙く      /
 | ヽ |ミ(´∀` )彡\    /             ./   | ト-'└',ィ~      /

 そして、家康が大坂を出て1ヶ月、七月十五日。
石田三成は、長束正家・増田長盛・前田玄以たちと共に、
「内府違いの条々」と呼ばれる十三ヶ条からなる家康への糾弾状を書き上げ、
これを全国の諸大名へ送付した。

159 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:54:22.25 ID:CwBQjx20
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     i!;: ,':::  :. : : : : : : :   :  :゙、 、 ゙、 、  ::゙:、;;:、:゙:、:::::゙:、::;::゙:、::::゙:、::::゙:.、     三成、存分にやるがいい…。
     i!; !:::   ::  :     .: : :゙、;、: :゙、 :、:゙、:゙:、::::::::゙:、`、:゙、::、:゙、::;:;:::゙:、::゙、;、_;!`
     i!: :i:::. i.. 、 i:. :゙、: :、  : : : ::、゙、,;、:::i、::'、:`、、゙;、:::゙、:i:::::゙、::、'',,゙、::;::;::::゙、:i      「ははっ!」
     i:::::i:::: i:: ゙、 :゙、..:;、゙、::゙:、:... ::::゙、:゙、;::i ',::i゙ヽ,_゙、'"i‐-i!l;:::::::::::゙、'',,゙:;::;::;::i"
    ,'::;:::i::: i:::..゙、.::゙、::::゙:、;;、::゙、'、:::::::゙、:゙、i i!; ",. ;゙‐,'i!::::゙、:';;;;;;:::::::i!;;;゙、''"
    ,':::;':::i:::::::i;',:::::゙、::゙、゙、:::゙.、゙丶、゙, 、...,,i!i, '",, "_i.ン l;::゙;;::゙;、::゙、:::::i:;;i!
   ,'::;'::,::::';:::::';:;:゙、:::゙、_、_、,,,‐-- ,,、 ゙''  "       .i:::::';、:::i!゙;!:::::::i!
   /;:/:/;;::::::゙;、:゙,;;;i:::゙、゙、__,,.r ''" 、;,ソ          i::::::i!i;-‐',::::,;'"
   /i::,';:;:!;::;::i;::;::゙、i::i:::゙、 ''゙ --‐''"     ',:..     ,''":;::;::;:,i!゙''"
    ,::i;:i;::i;::;::,:゙、:;::;:i:::i::::i:゙ 、         ゙'     ,'i!-‐''"
    i:! i::;:i:;::;::;';゙、::;::;゙、',:,-゙、:゙ 、       ,,..;;.''"   ,' l,,,__
    .i! ゙、;i゙、;::;::;:';゙、;;r''゙ '゙;、:::;i;;;;'゙丶、        , '  ',:;::;::;"'' ‐--- 、
      ゙  ' ' ' ゙"';;';;;;;;;;;;゙、;;;;;i   ゙, ‐- ..,,_,. "   ',::;::;::;::;::;::;::;::;::;::゙i,、
        _i! :;:;:i:;:、;',;;;;;;;;゙、:;:;゙、  ,i           `''‐- ;::;::;::;::;/:;:;゙,-'"~゙
                        淀殿

 秀吉の遺児・秀頼の母である淀殿もこれを認め、
これにより、三成たちは叛臣・家康を討つための征伐軍を編成した。
(以後、この石田方の軍を指して”西軍”、徳川方を指して”東軍”とします)

160 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 17:55:19.11 ID:MFZTQaYo
この辺は諸説ある部分だな

161 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:55:19.41 ID:CwBQjx20
     ,,r'彡三ミヾミミ`゙ ヾヽi彡=三ミヽ.
   /彡三ニミミヾヾゞヽ;;ヾ!彡三三ミミヽ、
  ///''ノヲ,,、==‐゙゙``´´'''‐‐t二ミミヾヾヽ
  /リ' , 彡 ノソ( (        ノ  ヾ、三ミヾ
  ///ノ.リ i||. (             ヾミミミヾ
 .|リハノi jiii|J ノ       )      ノiミミミヾ
  |リリ|yノノノ/`'‐-、,,, _ノ し、,,,__,.rへ .ヒミミミ
 ノ!ノリリノノ '   _、:::ヽ  /:   _  ` ヒミミニ    忠興様 ・・・
ノノノノ/リ  -r´ェュヽ  i    r'_rュ`ゝ .ミミミニ
彡彡i´ノ.イ::::ノク r‐'´  '    `)ノ^ヽ'´ フ'゙ヾヾ
彡彡ゝノヘ::(( ~    ,:  .、 ((  | /うノ彡
彡彡ノヽ, !,::U.     `゙‐'´ . U  ! /^/ヾリ
彡彡ノノヽヘ::  ヽ、''⌒ニ⌒゙ゥ‐  ノ/-'´ヾノ(
////彡ノMゝ、.  ヽこ二ン´  u.ノ彡ノ川リ
///彡ソ!!!ノ,ノミii\     ̄   ,,イ|//川リ/!彡
//// / /彡,「|:::::ヽ、    ,ィ:'´:::::|゙i彡ノノ,ノ彡
          細川ガラシャ

  // ///''////'''ソii/   >=ミミヾ彡三ミ
  ||i '' ////´./  / ヽ  /   `゙゙v彡三ミ
  |!|/// !i/ /   _  ヽ,(        ̄!ヾ
  .||Y/ 'ii' ./ / ̄⌒ヽ ! ヽ       .ノ
 _ノ|!/ /''i||.  /: : : : : : ::||        /
   |//リ!!i.|   , -‐‐、: :|i    / /
   .|リ//!||   /    ヽヾヽ、_,/ / /  //  し
 ノ/!リ/ /!i、 ||  _   ゙iヽ\ii | i  //  /   
  / //リリ!⊂⌒i´ `ゝ^ゝ: : :|ヾ ! ,,_,彡=ィ''': :
 ///////,r'´゙` `~´/⌒`: : :i   !彡: :'',rヽ、::  
、川///''/ し'⌒つノ´~~    ノ /: : : /   い、  『ちりぬべきッ!時知りてこそッ!世の中のッ!
ノ /彡// / r'´ ̄  .i'⌒::ー‐'  (: : : :./  ,-、ノ.    花も花なれッ! 人も人なれッッッ!!!!』
彡彡ノノノi/ r==、 |、 `ヽ   ` : : し-''⌒´    (辞世の句)
彡/クノ ノi |;;;;;;;;;;`ニミこ__'_,,===、_´´⌒・ヽJ
彡彡'// ! | |;;;;;;;;;;;;;iヽ、  ̄   ,,,≧=''⌒`ヽ
///i,,|| .| |;;;;;;;;;;;;;;!;;;;ヽ‐--彡三彡_;;;;;;;;;;;;;;;ノ
///ii|J |;;;;;;;;;;;;;;;;;;/´ ̄ _   ヾ‐-'''´ノ
`゙ヽ//ヽU|;;;;;;;;;;;;;./ /´ ̄_ `ヽ、  i ノ ,イ
  ヽ、 彡ヾ 、;;;;;;;;;;|∠イ ̄ ̄   ̄`ヽ-''´/;;;;|
     ̄`ヽr‐-、‐‐'´     r‐‐-、   /;;;;;;;;;;
       |  |ヽ、_           !;;;;;;;;;;;;;
`\_    ノ  ) |  ̄`゙ヽ-、___,,....ノ;;;;;;;;;;;;;;;

 なお、余談ではあるが、この時、三成は大坂に住まう諸大名の妻子を人質に取ろうとしたが、
そのうちの一人、細川忠興の妻、ガラシャ(本名:玉)が屋敷に火を放った挙句、
留守居役、小笠原少斎に自身の殺害をさせてまで人質となることを拒んだため、
方針を変え、人質を取ることを止めている。

162 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:56:01.53 ID:CwBQjx20
                  ________
    _                | 伏見城炎上中  |
   `))               | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      ジ
       ( )            ∧              ジ ャ
      ( )         <⌒>     (⌒ ⌒)    ャ |
 ウーウー.( .人         /⌒\  \( ,,  ⌒)// | ン
    人/  ヽ  ______]皿皿[-∧( ⌒ ,,  ,, )  ン
   ( ( )( )  )三三三∧_/\_|,,|「|,,,! (  ,,   )   !!!
  __| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩  |'|「|'''|「(    )
 /__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「|ガシャーン |「| | *   +
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「|∑田 田 |「|[[ *
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| |    |「|        |「|ミミミミミミ ++*:
   λワー  ∧     λワー   λワー
  λワー   | |  λワー    λワー

 そして七月十八日、西軍は、家康の配下の一人、鳥居元忠が留守を預かる伏見城に攻め寄せた。
兵力差は西軍の4万に対し、伏見城の鳥居勢は僅か1800であった。

163 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:56:45.42 ID:CwBQjx20
       / ̄ ̄ ̄ ヾ=ー、_
      / // /  ト    ヽ
     / //   / ///V/|   |
   // /  // //"""""|   |
  /   /  // //,,,___,,,,,,|| | |
  |    // //__ `o´ __.|| | |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |ヾー  //=二(:ヾ  'l:ノ=|| | |   |
  ミ三三彡//      l   /ヾl ll    |   三成、遂にかかりましたね…。
 (、ヾミ/`iノ    、_ゝ /彡/  <
―"―-ノ|o' ヽ`-、   /o'l---――‐|   無手右衛門、この知らせを、一刻も早く殿へ!
 i  i |  |     \_7´/ | | |  i  |
 |  | ゝ_ `ー――――' ノ  |  |  \______________
       鳥居元忠

      / ̄●¨●`\
     /●    ¨ ● \
     |  ¨ ● ¨  . ●\
     \   ¨   ●   ¨ ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄i ̄i ̄i ̄i\   , ,, 〈‥ .●.〉i ̄i ̄ |
  |  |  |  |/`ー巛_   `(_`。_ l,/) |  l   |    はっ、了解致しました!
ヾ、|  |  |  | ||  | T   ̄  ~〉 |  | <
  ヾ、 |  |  |,. |!、二__└-《^三元' |  |/ |
   ヾ  /   ̄ ̄ ̄〒` ̄´ | /    \____________
        浜島無手右衛門

 元忠は、三成の挙兵を知ると、すぐさま家康の元へ伝令を出した。
そして、その後、伏見城に篭って散々に西軍側を悩ませた後、壮絶な討死を遂げた。

164 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:57:44.62 ID:CwBQjx20
      ____        __
    /i||||||||||||||||||iヽ      \ 
 / ̄ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ    <              
'""ヽ  ヽ!|||||||||||| ||||||! ヘ 、― / 
||l   ___ヽll,‐''''__ゞi .||||||   来ましたよ!遂に来ましたよ!
||l  /ヽ、 o>┴<o /ヽ\|||||| .   
ヽ‐イ  |ミソ ̄'"ノ"/li゙ ̄゛l;|l |、 |   よくやってくれましたね、元忠さん!!
.\/l  .|ミミl l―――フ..l;ll / ∠ 
 .\ノ  |ミミ.l..\=ヲ/ l;|/   フ   お見事ですよ……!!
   ̄\ |ミミ.l..  ̄ ̄,,,l;/    \ 
   l \ヾ゙゙....  ̄."/i     ∠_
 _/_``\ ̄、 ̄/ /l___  /

 元忠からの使者は、七月二十四日、下野国(栃木県)小山にいた家康の下へ辿り着いた。
「三成、挙兵す!」-家康はこの情報をずっと待っていたのである。

 全ては家康にとって予測済みのことであった。

165 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:58:17.91 ID:CwBQjx20
                ,-‐,,ii||||||||||||ii、-、
 `゛!!!iiiiiiiiiiiiiii;;;;;;;;;;,,,,,-‐/ i||||||||||||||||||||||||i ヽ‐-、,,,,,;;;;;;;;;;iiiiiiiiiiiiiii!!!"´
    '''''!!!!!|||||||||||||/   i|||||  |||||||||||||||||i   ヘ|||||||||||||!!!!!'''''
       ''''''''!!!!!I/   ||||||  ||||||||||||||||||   `iI!!!!!''''''''    /Vー-へノ\ノ\ノ\ノ\
           ヽ,   !|||||||||||||||||||||||||!"   〈      ノV               \
─────----了     ゛!!||||||||||||||!!"     `ヽ---─く
 |    |    | `ゝ.__       ̄Y ̄     ___ノ   ノ
 |    |    |  ,| ]下ミ ̄`。、_|_;'。´ ̄7エ"┬| |  ノ  ……ぜったいゆるさんぞ三成!!!!!!
 |    |    |  |└、 トミミi─'´<_,l、三´,E=|#ナノ |  )
 |    |    |  | | `ヽトミ||^=====^|E彡/  ' | | |<   じわじわとなぶり殺しにしてくれる!!!!!
、 |    |    |  | | ーヾミ||]⌒i⌒「|ソ‐'-─/ / |  )
  ヽ、  |   /^‐━, \_ `、`===='',/  _/ /\ |  └、
    ヽ、 | /ノ―、='、 \_二二`─´二二_/    \   Vヽ
      ヽ/´ /  / ̄`i、    ̄|| ̄        / \    ヽ/ ̄ ̄ヽノ⌒Vー-、/⌒V
      ノ  丿   l   | `i---┼-----------'´
      |   〈 l   〈 〉  |
      ゝ         ,/

 元忠の命と引き換えに得た情報を元に、家康は早速動き始めた。
翌日には諸大名を集め、西軍と決戦することで同意を取り、
上杉家との戦いには次男・結城秀康を当て、自身は軍を西へと戻し始めた。

166 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:58:58.67 ID:CwBQjx20
                                 ,-‐''''""''''ヽ、
                                /:::::::::::::::::::::::::::゙ヽ
                              / |:::::::::::::::::::::::::::::::::::゙,
                             /  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::_|
                              |  \:::::::::::::::::::::,-'""/
                        _  /||\  ‐---‐''"/,  /
                      /:::::::::::::ヽ、lヽo | /,/─ /ヘl /
                  ,-── ̄\:::::::::::::::| /ヽ'/レoニ=‐/ ヽ    ええい!
              _,,,,,/、,,-‐─'''ヽ、  ヽ--- || /ヽ-、 / /, //、    書いても書いても終わりませんよ!
            /   \\     \,,,,,,  \l二/ ,/ / ̄ ヽ:::::\
           //   ̄   |l     /    ̄  ̄二ニ/ =| \:;ノ
      ニ,,-‐''''''""'ヽヽ    /、,,,,,-‐l" \             |ヽ/
    / / /,-''''" ̄ /ノl   /    \   \____/__    ./ ||
   __,ゝ‐'",--、-、  /'''""'''"      / \__/::::::::::::::::::::::/'''‐/   | |
  ヽ‐‐/''"""二"_/           /、    |::::::::::::::::::/、 /|   / /_
   //                 /ヽヽ   |::::::::::::/,,/   ヽ /,‐'''\
   //                  /   |    >‐"/      |  |
  ∪             ,,,-‐''"~          /       ヽ_ |
               ,.‐'''""~          ,-'"ゝ、         ─''''"
           /   /      _,,,,/-‐、   \
          /   /    /  /'''"''ヽ、   ヽ    \──--,,,,,,
          /  /     /  /\,,, ,,,ノヽ、  \    |    l  ゙''ヽ
      ,,,-‐‐/ ''ヽ _,,,,,/ /   \‐''"  \  \    |  /      |
    / ヽ ヽ  / ,-─'''"~       ゙''ヽ 、 "''''   ゙゙'''/)

 また同時に、家康は全国の諸大名などに対し、次々と書状を書いて送り出した。
その枚数は100枚を超えていたという。
西軍側が「内府違いの条々」を諸大名へ出し、自陣営への参加を求めたのと同じく、
家康もまた、自陣営への参加を求めたのである。

167 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 17:59:30.55 ID:CwBQjx20
 そして、七月二十九日の夜。
家康は新たに一通を書き上げると、宗矩に声をかけた。

             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ     宗矩、こちらに来なさい。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ     
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l      
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ      
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)   はっ、ただいま
  |     ` ⌒´ノ 
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

168 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:00:25.76 ID:CwBQjx20
   \      ,..''  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  __,,,,/    /  |
  |   \        ` .、::::::::::::::::::::::::::.,-‐'"'"     /    .|
   i    `'''ヽ、       -:::::::::::::::::::      -‐'"'" /    /
   `i    |  `、'''ヽ、、     .ヽ.Y    , ..-':''" ゙/   /   ../     …宗矩。
    `、  |    `、  (:、、   . .|  ,..-')   /   /  ‐-‐'     あなたはこれから石舟斎殿のところに戻るのです。
     ‐-‐'| \  `、....,,,`_゙ヽ_、_,| ノ、."..-'''''''" // .. /       この書状を持ってね。
       |  \\γ .,--‐-‐ "゛"゛‐-‐'''"゙'' |///  /        そして、石舟斎殿のところへ着いたなら…(ごにょごにょ
       `i| \\ |        、      |///  /\`i
       /`i  \ |   < ___ ゙''-''"'_,,,, >.. |///. /   `、      頼みましたよ、ホホホホホ…。
     /   `i\\|     ヽ゛⌒⌒/゛   |/ / /
          `i \|     `.、__ ノ     //.-
           ~\      ‐'''''‐   / '
               \      /
                 "'''゙''-''"~

            / ̄ ̄\  
          /    \ /\
          |    ( ●)(●)    …! 承知致しました。
          |     (__人__)    すぐに向かいます。
             |     ` ⌒´ノ    (遂に来たか…!)
              |         }
              ヽ        }
            ヽ、.,    __ノ
            /    く  
            |     \  
             |    |ヽ、二⌒)

 家康が書き上げた書状は、石舟斎宛てのものであった。
その書状と、口頭での指示を携え、石舟斎のところへ向かうよう、宗矩に命じたのである。
家康の命令を受けた宗矩は、即座に小山を出て、一路、柳生庄へ向かった。

169 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:02:57.05 ID:CwBQjx20
               -=/ ̄ ̄\  て
            -=三/   \||| / そ 
              =|   ( ●)(●)
   -=三/  ̄| ̄| ̄V|     (__人__)  
      / / .|  | | || -=  `|!!!|!l|ノ    宗矩「走れ日之出牧場王(仮名)!
 -=三/ V \_/|  | V|      |ェェェ|         一刻も早く、柳生庄へ戻るのだ!
   l  /\__/..」__⊥ {ヽ   -=    }         今が柳生家復興の分かれ目だ!
 -==|. 〈  ⌒\  く  `:‐‐‐r '‐‐|___ノ         走れ!急げ!!日之出牧場王(仮名)!!」
   \ \   >、 \.  │. │
  -=三 ̄ `‐‐く/  ̄ニ) /\_ノハ
        -=/\厂二/      ノ) て       
      _/_/ / /  \.!|||!Lニl  そ     馬「んあーーーーーーーーッッ!!!」
 -=三`V / : : /| | / __◎_◎_ |
  -=_// : : /ハV、  {:_:_:_:} {:_:}ヽ.
  _ィ  く: : : : .V (__ノ‐‐--エエエエエエ }    ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!!
=|  | _> ̄|/   \    !il|!!il|!|!ノ   
  ̄ ̄    ̄ /\_/‐‐>-|ェェェェ|
     -=三∧__ /  =\ /  >そ
        \_/     へ / て

 宗矩は、馬を飛ばし、駆けに駆けて、柳生庄へ辿りついた。

170 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:04:28.38 ID:/o4LNPUo
テラ名馬wwwwww

171 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:04:51.84 ID:59iJ4jQo
牧場王辛そうww

172 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:05:25.72 ID:CwBQjx20
          / ̄ ̄\     
        / ._ノ  ヽ、\   
        |  (●)(●) |  
        |  (__人__)  |        ふう、ようやく着いたぜ。
        .|   ` ⌒´  .}        誰か!誰かおらぬか!
       ./ヽ        }        宗矩じゃ!
      / ノ.ヽ    . ./\  
.     〈  〈|   / ̄|  |ニニ|
      \. ∧ /  :| /  /
        ∧ /|ハ__ハ/ /
        |トv'   / |/ |
       / ゝ._ノ/^,.|│ |
.       // 」 0_ 0_ L\へ
      / V {_:_:_} {:_:_:} V  :|
      |_人__--=ニ人  |
         |__|フ/ ̄|   ̄
         |:::::::| /‐‐‐|
        | ̄ |/::::::::/
          ̄〈ニニ/
 
     |┃三        / ̄\
     |┃         |     |
     |┃          \_/
 ガラッ. |┃            |           
     |┃  ノ//   ./ ̄ ̄ ̄ \ て       なんだなんだ…って、叔父上!どうしてこちらに?
     |┃三    /  ::\:::/:::: \そ     お待ちください、今、お爺様にお知らせ致しまする!
     |┃     /  <●>::::::<●>  \   
     |┃     |    (__人__)     |     
     |┃三   \    ` ⌒´    /      
     |┃三   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \

 柳生庄に辿り着いた宗矩は、裏へ回り、大声で呼ばわった。
家人がこれに気づき、宗矩が戻ったことを石舟斎に伝えた。

173 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:06:26.03 ID:CwBQjx20
     ___     ━┓
    /  ― \   ┏┛
  /ノ三 (◎)) \  ・
. |((◎)   ⌒)) \     …又右衛門?
. |  ((__ノ ̄    |    何故ここにいるんじゃお?
   \        ノ    今は徳川様のお側で、会津にいるのではなかったのかお?
    /´     `\
     |        |

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l    父上、お元気でしたか。
. |    (__人__) |   本日はそれがし、我が殿からの命で、父上へ書状を届けに参りました。
  |    ` ⌒´ |   (元気そうだな…これなら大丈夫か?)
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

 石舟斎が縁側から顔を出すと、宗矩は馬から下りて駆け寄り、早速用件を切り出した。

175 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:07:15.33 ID:CwBQjx20
     _____ て
   / ~~~\そ
  /   _ノ三ヽ__\ 
/    -(◎)-(◎) |    徳川様からの命…じゃと?
|      (((__人__))) |   
/     ∩ノ ⊃  /    
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /


        ノ L____
       ⌒ \三/\
      / ((◎)-(◎) \
     /   ( ((__人__)))  \    …又右衛門!
     |       |::::::|     |   
     \       l;;;;;;l    /l!| !   
     /     `ー'    \ |i    
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ <
               レY^V^ヽl

 その瞬間、石舟斎は、宗矩を怒鳴りつけた。

176 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:07:58.03 ID:59iJ4jQo
あれww

177 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:10:04.95 ID:CwBQjx20
  
   / ̄ ̄\  て
 /   _ノ  \ そ 
 |    ( ○)(○)   
. |     (__人__)   な、なんでしょう父上!?
  | し   ` ⌒´ノ   (な、なんだ一体!?)
.  |         }    
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

         _____
       /     \
      /   \ 三 /\
    /   -(◎)-(◎)-\    又右衛門、お前は何のために来たんじゃお!
     |      (((__人__)))  |    主君の命を拝して来たのであれば、
      \      ` ⌒ ´  /    然るべき作法があろう!
.      /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ  
      |  ,___゙___、rヾイソ⊃
     |            `l ̄

        ノ L____
       ⌒ \三/\      如何に実家とは言え、
      / ((◎)-(◎))\    主命を奉じた武士としてその態度はあるか!
     /   ( ((__人__)))  \   この馬鹿者め!!
     |       |::::::|     |   出直すお!!
     \       l;;;;;;l    /
     /     `ー'    \

178 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:11:07.07 ID:59iJ4jQo
なるほどねww

179 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:11:14.44 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\  て
 /   _ノ  \ そ
 |    ( ○)(○)  も、申し訳ございません!!
. |     (__人__)  
  | し   ` ⌒´ノ    
.  |         }     
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

 石舟斎の叱責を受けた宗矩は、早速表口に回り、改めて呼ばわった。


    / ̄ ̄\
  /   ゝ 、,ノヽ        
  |   ( ●)(●)    柳生宗矩、我が主君徳川家康様の命により、
  |    (__人__)    柳生石舟斎殿に書状をお渡しに参った。
  |     |!!!!!!||    開けられい!
  |      |ェェ||
.  ヽ        }
   ヽ     ノ       
   /    く       
   |     \         
    |    |ヽ、二⌒)        

 これを聞いた石舟斎は、宗矩を招き入れ、
奥の間へ通し、丁重に遇した後、話を切り出した。

180 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:11:54.33 ID:CwBQjx20
         / ̄ ̄ ̄ \
      /    \三/\  
     /   -((◎)-(◎))\   …御使者殿、ようこそ来られた。
     |       (((__人__))) |   石舟斎、謹んで書状を受け取り申す。
     \、     ` ⌒´  /
    /  ⌒ヽ    '´(  
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

 石舟斎は手紙を受け取り、一読した後、

         / ̄ ̄ ̄ \
      /    \三/\     徳川様よりの書状、確かに受け取り申した。
     /   -((◎)-(◎))\   それでは徳川様よりのお話、お伝え願いたい。
     |       (((__人__))) |   
     \、     ` ⌒´  /
     /           \

 宗矩に、口頭による家康よりの指示を話す事を促した。

181 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:12:45.27 ID:CwBQjx20
  ちなみに、この時の書状には以下のように書かれていた。

             ____
             /ヽ_//
            /  /  /      
            /  /  /
           /  /  /      
           /  /  /
          /  /  /
           ̄ ̄ ̄

 『今度筒井順慶斎之遣し候間、
  伊賀守(=筒井伊賀守定次)談合せしめ
  牢人等相集め忠節有るべく候。
  猶又右衛門尉口上申付候、謹言。

  七月二十九日   家康(花押)
  柳生但馬入道殿』

※管理人注:後ほど作者様より訂正が入っています。
 ×「筒井順慶斎」→○「筒井順斎」

182 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:14:59.34 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 /    \  /
 |    ( ●)(●)  「筒井伊賀守殿と協力し、
. |     (__人__)    この地の牢人・豪族に呼びかけて、
  |     ` ⌒´ノ   ”西軍の後方撹乱”をお願いしたい」
.  |         }
.  ヽ        }    …これが我が殿、徳川家康よりの御言葉でござる。
   ヽ     ノ       
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

         / ̄ ̄ ̄ \
      /    \三/\     確かに伺い申した。
     /   -((◎)-(◎)\  …御使者殿、そなたに与えられた使命は
     |      (((__人__))) |   これで全てですかお?
     \、     ` ⌒´  /
     /           \

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)   …左様でござる。
. |     (__人__)    我が殿は、石舟斎殿の名声を見込んで、
  | u   ` ⌒´ノ    この地の諸豪族への働きかけを期待しておられます。
.  |         }    それがしもそれに助力することになっております。
.  ヽ        }    (…まさか、断るんじゃないだろうな?
   ヽ     ノ      だとすれば、なんとしてでも説得せねば!)
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

183 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:15:27.25 ID:CwBQjx20
     ____
   /     \
  /   _ノ三ヽ__\
/    (●) (●)  |  ……又右衛門。
|     (((__人__))  |    
/     -◎ノ)-◎-/    
(  \ / _ノシ |  | スイ…
.\  ""  /__|  |     
  \ / ___ / 


   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)     は、はい?
. |     (__人__)       
  | u   ` ⌒´ノ   
.  |         }
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

184 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:15:57.61 ID:CwBQjx20
      ____
     /⌒ 三 ⌒\      なら…お前の徳川の御使者の役目は終わり!
   /( >)  (<) \    今から柳生家の又右衛門じゃお!
  /::::⌒((__人__))⌒:::: \  ここからは我が柳生家がどうするか…一族で考える時じゃお!
  |    /| | | | |     |  又右衛門、お前にも知恵を出してもらうお!
  \  (、`ー―'´,    /      
       ̄ ̄ ̄

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l     ……! 
. |    (__人__) |    父上…!
  |    ` ⌒´ |     
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

185 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:17:07.47 ID:CwBQjx20
        _,,,..---------..,,_
    ,r‐''フ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.、       「役目で来た宗矩が、実家に戻ったことで気を緩めたのを、
   ,r' ,r'´,i':.:./|:.:.:.:.:.:.:.;i:.;r‐‐っ:.:.:.:`、       石舟斎が武士たる道を説いて叱りつけた」
  ヽ {:.:.:{:l:.:.;! i;.:.:.:.:.:./レ'、  `z、:.:.:.:_i_     
.     7:.i,ト、;!'´ヾ:.:./    ̄'''''l:.ミ:.:;!i_l`.、    「その後、役目が終わるまでは、あくまで他家の使者として扱い、
.     !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'` ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`v、/!l ト、、`i   役目が終わったところで、ようやく息子として扱った」
     i:/              ,!:l U, l<_,!    
     !ヽ、    __      ,r'’:l,,,,,i| `、_!   というこの話ですが、実は>>1も出典を忘れてしまったのですが、
     !:.:.i;`i.、  ´ .`    , <´:.:.:.:.:.i,,,,!,    手持ちの資料にも載ってないので、おそらく講談話の類かと。
     l.:.:lヾ! /ヾ'7、-‐‐7´ ̄,!、.:.:.:.:.:.;!,!|    (探せば、他の人間に置き換えた同じ話が出てきそうですしね)
     ヾ;! ` .i,__,,! l. ̄.lヾ'''''´.,ノ''´レ',ノノ    
          i____ノ. ̄`、`ー'’l         ちなみに宗矩が石舟斎に口頭で伝えた「家康からの指示」は、
.          /      ̄ ̄l′       その内容は正確にはわかっておらず、
           ̄!'''''7┬--,--'         結果から「おそらくこういう指示だったのであろう」というものです。
.           ヽ,/ .!_,,/

186 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:17:35.93 ID:CwBQjx20
 その後、石舟斎は一族の他の者も呼んで、協議を始めた。

      / ̄ ̄ ̄\
    / / 三 \\
   / -(◎) - (◎)- \   
   |   (((___人___)))  |       さて、実際、お前はどう思うお?
    \____`ー '__/       徳川家の臣としてではなく、柳生家の人間として、
   /    ヾ、 //  \ ヽフ    我が柳生家がどうするべきか、お前の考えを聞かせてほしいお。
   ヽ_⌒)ハ //   | レつ||)
  i⌒l ミ゚Д゚,,彡⌒)  ヽ_ノ  ̄
  |  | ヽ__"" ヽ_ノ|  |
  ヽ  ̄ ̄ ̄/ ヽ ヽ_ノ
    ̄ ̄ ̄ /  /ヽ__)
       (__ノ

   / ̄ ̄\
 / \   / \
 |  (●)(●) |      (来たな!ここが勝負どころだ!)
. |  (__人__)  |     
  |   ` ⌒´  ノ      …ならば父上、結論から申し上げます。
.  |        }      我が柳生家は徳川様にお味方するべきです。
.  ヽ       }
   ヽ     ノ        
   /    く  \       
   |     \   \         
    |    |ヽ、二⌒)、         

     ____  
   /      \
  /  ─ 三 ─\    
/  -((◎)-(◎)-\    …何故そこまで言い切るお?
|     (((__人__)))  |    何が起こるかわからぬのが戦じゃお。
/     ∩ノ ⊃   /    徳川家の家臣であることは忘れよ、と言ったのがわからなかったのかお?
(  \ / _ノ |  |      (どうしたんだお?いつもの又右衛門らしくもないお…)
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

187 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:18:15.53 ID:CwBQjx20
         ____
    ,r'´,;¨''ー'´:.:.:.:.¨'''''‐-.、       さて、この後の話に移る前に、当時の状況を整理しましょう。
    ,r'´:.;.'/,イ:.:.:.i:.:.:.:/-i:.:.:.`.、    今でこそ、家康が上手であったことは分かるものの、
   /:.:.:./://_l;,;,;,;il_:./ ,,,,,`z_:.:.:`、   当時の近畿の人間からすれば、
   !:.:.:.:!:´l  ヽ:.:l レ′    〉_:.:i;,!   
    `!.:.:.;;i;;;;;;;;;;;`   ;;;;;;;;;;;;;´ )l !ヽ  「五大老のうち3人(毛利、宇喜田、上杉)までもが、
.   !:.:.:.:!           /:.! ト、,!  連名で家康を叛逆者として討つと決めた」
   l:.:.:.:.ト、~       ~ /:.:.l、,!|_!  「豊臣宗家もこれを認めているらしい」
   l:.i、:.:!、;,;> ,,_⌒___,,,..-''’:.:.::.:.l    「伏見城は大軍で攻め落とされ全滅。
   ヽ! ` / ヽ!ヽ`y' /`、/レレ′    討伐軍は家康を討つべく、東へ下っている」
      /   `、/ /  `、        
       ヽ、 ,ノ□''''i   `、       と、目に見える西軍側の情報の方が目立つのが現状であり、
       /¨:!`´: :`'´!   /      仮に東軍のことを知っていたとしても、そちらへ付くのは
       / : l: : : : : : `T¨´!       かなりの覚悟、あるいは確証が必要だったと思われます。
      ヽ、;,l : : :__: : :_l;,;,;,;,!     
        ヾ_!´  ̄!_,/        

188 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:18:50.48 ID:CwBQjx20
   _,,,r‐-、
  '´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__            そもそも、この時点では、内実はともあれ、
   ,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、        柳生家は徳川家に臣従していませんでした。
  l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、       あくまで、当主・柳生石舟斎の五男、又右衛門宗矩が、
  `Y;/;r':.;r<  `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、      個人として徳川家に仕えている、というだけであり、
    l,;iヾ、 ヽ  ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,     柳生家自体はどこにも仕えていない、というのが現状でした。
    _/  `、,   i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,     (書状では”忠節あるべし”と書いてありますが、実態は不明ですし)
  r'´    '   ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,    
  l    、、  !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,     そういう意味では、宗矩自身がどう思おうが、
  ` 、っ     y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,    石舟斎が決断しない限り、柳生は徳川に加勢できなかったのです。
     ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,   
     レ` 、_,/l,  // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,    そのような状況であれば、ここで東西どちらに付くか、
    `ーr'’  Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!   あるいはどちらにも付かずやり過ごすか否かで論議したのでは…、
      /ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'   そう考えるのが自然だと思います。
    /_,/l      レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ' 
       `ト、_________,,r'レ''レi'’       つまり、家康の命を果たすためには、宗矩はなんとしても
        l          ヽ      ここで石舟斎を説得しなければならなかったのですね。
        l_    ____,,,,..-‐''''''’      
        l ̄フ''''レ'           即ち、「ここから宗矩のターン!」というわけですね、先輩!(誰?

189 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:20:50.85 ID:59iJ4jQo
宗矩のターン! 楽しみだ

どう説き伏せるのかwwww

190 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:21:49.91 ID:CwBQjx20
       / ̄ ̄\
     / \   / \
     |  (●)(●) |
    . |  (__人__)  |    そういう問題じゃねぇ!父上!
      |    |::::::|   |   そもそも、この柳生庄を奪った豊臣に、
      |    l;;;;;;l    }    我が柳生家が加勢する道理なんてないだろ!
      ヽ   `ー'   }    常識的に考えて!
       ヽ     ノ  
      /      く l!| !     
     /       \ |i    
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    ∑ l、E ノ <
             レY^V^ヽl

   / ̄ ̄\
 / \   / \
 |  (●)(●) |    かといって、このまま引きこもって様子見をしていても、
. |  (__人__)  |   柳生庄は戻ってこねぇよ!
  |    |::::::|   |   家臣の皆だって、それぞれ自分の生活があるんだ!
  |    l;;;;;;l   }    このままでは、いずれここを去るか、農民となるかの二つしかねぇよ!
  ヽ   `ー'   }    
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \         
    |    |ヽ、二⌒)、         

       / ̄ ̄\
     / \   / \
     |  (●)(●) |    だから、ここでなんとしても徳川様勝利のために加勢し、
    . |  (__人__)  |   その功績を以って、この柳生庄を褒美として取り戻す…それしかないだろ!
      |    |::::::|   |    常識的にッ…常識的に考えてッッ!!
      |    l;;;;;;l   }    
      ヽ   `ー'   }
      /      く l!| !     
     /       \ |i    
   /       ヽ !l ヽi
   (   丶- 、    しE |そ  ドンッ!!
    `ー、_ノ    ∑ l、E ノ <
             レY^V^ヽl

191 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:22:30.95 ID:CwBQjx20
         ____
       /::::::::::  u\
      /:::::::::⌒ 三. ⌒\     
    /:::::::::-( ◎)三(◎)\    (ま、又右衛門…口調が変わってるお。
    |::::::::::::::⌒(((__人__)))⌒|     本当にどうしたんじゃお?)
     \::::::::::   ` ⌒´  ,/    
    ノ::::::::::u         \
   /:::::::::::::::::      u  

     ____  
   / U    \
  /  _ノ!||!ヽ__\ 
/  -((◎)-(◎)-\   又右衛門…お前の言うことは道理じゃお…。
|  U  (((__人__)))   |   じゃが…長年の困窮で碌な手勢も集めることができぬ
/     ∩ノ ⊃  /   今の我らにできることなど多寡が知れてるお…。
(  \ / _ノ |  |    その程度では、柳生庄を取り戻す功績を立てるのは
.\ “  /__|  |     厳しいんじゃないかお?
  \ /___ /

192 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:25:21.81 ID:CwBQjx20
           ┃┃ ┃┃┃     さて、この時期の柳生家にとって一番の問題は、
         ┃┃ ┃.┃┃    一にも二にも「貧乏」でした。
       ,. r‐╂┨、┃┃┃    あまりの困窮っぷりに、石舟斎があんなヘタレた遺書まで書いてしまうほど、
     /:::::::::::┃┃┃┃┃    当時の柳生家の財政状況は切迫していたのです。
   _,.ィ!==:::::::::::┃┃┃┃┃     
  iニ∠/ミ=::::::::::::::::::::::::::::::!       つまり、仮に「手勢を揃えて参陣せよ」と言われたとしても、
  // /l:::`::::::::::::::::::::::::::::::ヽ     先立つものが無い…というのが実情だったと思われます。
..</ヽ+_!ゞ:::::::::::::::::::::::::::::::::::\    
      /ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ,   そうなると、ここまで柳生家が東西どちらにも付かなかったのは
      ∧入:::::;:::::::::::::::;:_:::::!~ ̄  犠牲を出すのが嫌だとか、争いに興味が無いとか、
     レ リト、;ゞ;、.__--!\~     そんな上等なものだけではなく、
          ト-ニ、__,.. r‐イ      ただ単に「金がない」に原因があったのではないか…?
        ヽ/  ヽ'        そう考えることもできるのはないでしょうか。

193 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:26:33.85 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 / \   / \
 |  (⌒)(⌒) |     ご安心ください、父上。
. |  (__人__)  |   殿は、そのことも踏まえた上で、
  |   ` ⌒´  ノ    この度のご命令をくだされたのですぞ。
.  |        }      
.  ヽ       }
   ヽ     ノ        
   /    く  \       
   |     \   \         
    |    |ヽ、二⌒)、         
 
     ___     ━┓
    /  ― \   ┏┛
  /ノ三 (◎)) \  ・
. |((◎)   ⌒)) \    どういうことじゃお?
. |  ((__ノ ̄    |    
   \        ノ    
    /´     `\
     |        |

194 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:29:10.27 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 / _ノ  \\      先ほどもお話しました通り、このたび、我らに求められているのは、
 |  (●)(●) |     戦場ので槍働きではなく、陰に潜んでの後方撹乱でござる。
. |  (__人__)  |     
  |   ` ⌒´  ノ      筒井と談合(協力)して、西軍の背後にて騒擾を起こし、
.  |        }     また、近辺の豪族衆にかけあって、
.  ヽ       }      西軍へつかぬよう説得するのでござる。
   ヽ     ノ      
   /    く  \     これなら銭をかけて手勢を集め、軍備を整えずとも、
   |     \   \    今の我らでもどうにかなるはずでござる。
    |    |ヽ、二⌒)、         

195 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:30:25.48 ID:CwBQjx20
     ____  
   /      \
  /  _ノ三ヽ__\     うーむ…徳川様からのご命令とはいえ、
/  -((◎)-(◎)\  それはつまり、我らに忍びの真似事をせよ、ということじゃお?
|     (((__人__)))  |  そんなのは本当に功績なんて言えるのかお?
/     ∩ノ ⊃   /   それくらいなら、まだ我ら一族のみでも参陣した方が
(  \ / _ノ |  |     いくらかマシなんじゃないかお?
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

   / ̄ ̄\
 / _ノ  \\       
 |  (●)(●) |     父上…戦は何も槍働きだけではござりませぬ。
. |  (__人__)  |   陰での働きとて、戦の趨勢を決める重要な役目でござるぞ。
  |   ` ⌒´  ノ    ましてや、これは殿直々のご命令。
.  |        }    決しておろそかにはできませぬ。
.  ヽ       }     
   ヽ     ノ       
   /    く  \    
   |     \   \    
    |    |ヽ、二⌒)、         
 
     ____  
   / U    \
  /  _ノ!||!ヽ__\      うーむ…しかしのう……。
/  -((◎)-(◎)-\    この石舟斎が今一度槍を取れば、兜首の一つや二つ…。
|  U  (((__人__)))  |    いや、十や二十…ぶつぶつ……。
/     ∩ノ ⊃   /    
(  \ / _ノ |  |      
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

196 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:31:23.85 ID:59iJ4jQo
なんというwwww

197 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:31:48.95 ID:0y7hXO2o
こないだまで死にかけてたくせにwwww

198 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:32:54.45 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 / -  - \
 |  (●)(●) |     
. |  (__人__)  |    ………。
  |   ` ⌒´  ノ     
.  |        }
.  ヽ       }
   ヽ     ノ        
   /    く  \       
   |     \   \         
    |    |ヽ、二⌒)、         
 
 
          / ̄ ̄\
        / -  - \
        |  (-)(-) |     
        |  (__人__)  |   
         |   ` ⌒´  ノ     
   r"ヽ   |         }  
  (   =‐' ヽ        }   
   ゝ-'    ヽ     ノ     _
        _/     l__   / /
   __ゝ_/         ヽノ   ノ
   \___ノ'          ノ

200 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:34:55.23 ID:59iJ4jQo
おや、宗矩の様子がww

199 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:33:57.81 ID:CwBQjx20
        / ̄ ̄\   
      / ⌒  ⌒\      
      |::::::(●)(●) |    
     . |:::::::::::(__人__)|   ……父上、あなたは何を自惚れておられるのですか?
       |::::::::::::::` ⌒´ |     
     .  |::::::::::::::    }
     .  ヽ::::::::::::::    }      
        ヽ::::::::::  ノ   
        /ヽ三\´    
        |:::::::::::::::: \

       ____
     /     \
   / \ 三 / \ て    な、なんじゃとッ!?
  / -(◎) - (◎)- \そ    
  | し  (((__人__)))    |    
  \     ` ⌒´     /
  ノ           \ 

201 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:35:22.11 ID:CwBQjx20
  / ̄ ̄\
 /:::::::: - -
 |;;;;;;;:::(●)(●)     戦場を離れて30年以上…おまけに齢70を超える年寄りが…、
. |;;;;;:::: (__人__)   つい先日、あんな情けない遺書まで書いておられた老人が…、
  |;;::::::::; ` ⌒´ノ   今更甲冑をまとって槍働きをなさるおつもりですか……?
.  |;;;::::::::;    }     
.  ヽ;;::::::::::;   }
   ヽ;;;::::::: ノ  
   /:::::::: く  
   |::::::::::  \  
    |:::::::  |ヽ、二⌒)

202 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:35:45.42 ID:MFZTQaYo
流石家康が目をかけただけはある>宗矩

203 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:36:27.71 ID:CwBQjx20
          , --────-- 、
        /          \
       /::::::           \
     /:::::ノ( :::       l:::::::::::::::::\
    ./::::::::⌒::::      ノ::::::::::::::::::::::.\
   /::::::::::::::::::::::    _, -'´:::::::;;;;;;;;;;;;;;:::::: \
  |:::::::::::::::::::::::: / / ̄\\:;;;;;;:// ̄\\
  .|::::::::::::::::::::::::| |. ○ .|  ,|:;;;;::| |. ○ .||    
   |::::::::::::::::::::::::: \ \_/ /::;;;;::\\_//    
   .|::::::::::::::::::::::::::    ,/   ::|::     \  
    |:::::::::::::::::::::::::::   |    |     |      今さらの武将面、お止めなされませいッッ!!
    |::::::::::::::::::::::::::::::  |    |     |     
    .|::::::::::::::::::::::::::::::::  \__/\__/|      
    |::::::::::::::::::::::::::::::::::   | トエエイ  |  /     
    .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::  '.{    :l    }/ /     
     |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::  .{   :l    }/ )   
      丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::  .{       }  l    
      \:::::::::::::::::::::::::::::::::: 、`ー一一 ' )    
       .\:::::::::::::::::::::::::::::::::       / ,
        ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::    / 

204 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:37:46.48 ID:59iJ4jQo
怖いwwww

205 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:38:25.05 ID:8ziM6o.o
やっぱこの宗矩は黒いなww

234 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:04:40.11 ID:nObf8x.0
>>203
テラ外道剣wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

207 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:40:27.58 ID:MFZTQaYo
端っ派武者の役割を年寄にやらせる意味はないからな

206 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:39:57.59 ID:CwBQjx20
         ____
       /::::::::::  u\
      /:::::::::⌒ 三. ⌒\     
    /:::::::::-( ◎)三(◎)\   ま、又右衛…門……!?
    |::::::::::::::⌒(((__人__)))⌒|     
     \::::::::::   ` ⌒´   ,/    
    ノ::::::::::u         \
  /:::::::::::::::::      u  

208 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:40:35.32 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 / \   / \      
 |  (●)(●) |      父上!我らが僅かな手勢を率いて
. |  (__人__)  |     西軍に当ったところで、まさに鎧袖一触!
  |    |::::::|   |     かの戦上手、島左近殿相手にかなうとお思いか!?
  |    l;;;;;;l   }      
  ヽ   `ー'   }      それに、もはや父上が戦っておられた頃と時代はまったく違いますぞ!
   ヽ     ノ      兄上の腰を砕き、久三郎の命を奪った鉄砲!
   /    く  \    あれが何丁あるとお思いじゃ!
   |     \   \   もはや槍一つでどうにかなるものではござらぬぞ!
    |    |ヽ、二⌒)、         

       ____
     /     \
   / \ 三 / \ て    な、なんじゃとう…!?
  / -(◎) - (◎)- \そ    
  | し  (((__人__)))   |    
  \     ` ⌒´     /
  ノ           \ 

   / ̄ ̄\
 /    \  /      
 |    ( ●)(●)      時代錯誤の自惚れは捨てなされ!
. |     (__人__)      このたび我らに求められた、陰働きは殿直々のご命令!
  |     ` ⌒´ノ     この地における地の利、人の和を持った我らが、 西軍の後方を撹乱し、
.  |         }      東軍に天の時を作る大切なお役目ですぞ!
.  ヽ        }      成し遂げれば、その功、兜首の十や二十どころではございませぬ!
   ヽ     ノ    
   /    く  \      父上!ここが柳生家復興の分かれ道ですぞ!
   |     \   \     
    |    |ヽ、二⌒)、

209 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:42:49.54 ID:CwBQjx20
     ______
    /u \  三 /\
  /   -(>) -(<)-\   (…自惚れ……そうかも…しれんお…。
  | ∪   (((__人__)))  |    そもそも槍働きの甲斐の無さに絶望して隠遁したわしが、
   \      `⌒´   /     今更、戦場に出てどうするんじゃお…)
   ノ           \ 
       ____
     /_ノ!||!ヽ_\
    / -(◎) -(◎)-\    (…戦場の外…確かにそれなら今の我らにも働きようがあるお…。
  / U (((__人__)))  \   宗矩の言う通りなら、今更の槍働きより
  |      ` ⌒´     |   功績を上げられるかもしれんお…。
  \            /   あと、そっちなら誰も死なずに済むかもしれんお…)
  /               \
       ____
     /_ノ!||!ヽ_\
    / -(◎) -(◎)-\    (それに、このまま座して眺めているだけではどうにもならんお…。
  / U (((__人__)))  \   これ以上、家臣たちに塗炭の苦しみを味合わせるわけにはいかんお…。
  |      ` ⌒´     |   柳生家復興のためには…好き嫌いしてる場合じゃないお…!)
  \            /    
  /               \
     ______
    /u \  三 /\
  /   -(>) -(<)-\   (…しかし…!)
  | ∪   (((__人__)))  |    
   \      `⌒´   /    
  ノ           \ 

210 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:42:59.73 ID:/o4LNPUo
時代は変わってしまった訳ですな

211 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:48:26.56 ID:CwBQjx20
     ____  
   / U    \      …又右衛門、口惜しいが、お前の言うことは道理じゃお。
  /  _ノ!||!ヽ__\   しかし…これだけは確認したいお。
/  -((◎)-(◎)-\  東軍に本当に勝ち目はあるのかお?
|  U  (((__人__)))  |  もし、我らが加勢した上で東軍が敗れたら、
/     ∩ノ ⊃  /   柳生家はどうなると思うお?
(  \ / _ノ |  |    その時、どうするつもりじゃお?
.\ “  /__|  |    
  \ /___ /     又右衛門…答えるお。

212 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:49:28.91 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 / -  - \
 |  (●)(●) |     
. |  (__人__)  |    ………。
  |   ` ⌒´  ノ     
.  |        }
.  ヽ       }
   ヽ     ノ        
   /    く  \       
   |     \   \         
    |    |ヽ、二⌒)、    

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l   
. |    (__人__) |     その時は、父上、
  |    ` ⌒´ |     それがしと共に腹を切ってくだされ。
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ
 
       ____
     /     \
   / \ 三 / \ て    
  /  -(◎) - (◎)- \そ     ……ッッ!!
  | し  (((__人__)))   |    
  \     ` ⌒´     /
  ノ           \ 

213 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:50:12.94 ID:59iJ4jQo
ちょwwwwww

214 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:51:33.42 ID:8ziM6o.o
おいwwwwww

215 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:51:33.73 ID:ccMfb1Io
そうか、兵など出さぬ。クソして寝てろ!

今さらの剣聖面、おやめなされませいっ!!

じゃなかったのねww

217 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:53:52.61 ID:/o4LNPUo
伸るか反るか
立ち枯れるよりもここは…ということですねw
ムネリンパネェwww

216 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:52:34.74 ID:CwBQjx20
     , (⌒      ⌒)
   (⌒  (      )  ⌒)
  (             )  )
    (_ヽ_ハ从人_ノ_ノ
          | || | |
       ノ L,l ,|| |、l、
       ⌒:::\:::::/::\
      / <●>::::<●>\ 
     /    (__人__)   \       お、叔父上!
     |       |::::::|     |     何を言うのじゃ!気でも狂ったか!?
     \       l;;;;;;l    /l!|     そんなこと、俺が許さんぞッ!!
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |    ドンッ!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ >
               レY^V^ヽ

         ____
       /     \
     / \   / \      慎め兵助ッ!
    /   (●)  (●)  \    
   | し    __´___    . |   …又右衛門、続けよ。
   \      `ー'´     /
    柳生新次郎厳勝

218 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:53:53.40 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 / -  - \
 |  (●)(●) |      …ありがとうございます、兄上。
. |  (__人__)  |    
  |   ` ⌒´  ノ     父上を篭絡したそれがし、そしてそれに乗った父上…。
.  |        }      全ての責は我ら二人にあり、として首を差し出せば、
.  ヽ       }     それ以上、柳生家が糾弾されることはござりますまい。
   ヽ     ノ        
   /    く  \       
   |     \   \         
    |    |ヽ、二⌒)、         

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \     それに、西軍が勝たば、金吾大納言様のところにおられる
 |   ( ⌒)(⌒)l   五郎右衛門兄上が柳生家を継げばよろしいのです。
. |    (__人__) |   新陰流にしたところで、既に、兵助には全て伝授し終えているのでしょう?
  |    ` ⌒´ |   心配は要りますまい。
.  |         }   
.  ヽ        }     ならば…ここで首を掛けるのは我らの役目でござる。
   ヽ     ノ     父上、その首、それがしに預けて頂けませぬか?
   /    く
   /     ヽ

219 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:55:29.84 ID:CwBQjx20
        / ̄\
        |\980 |
        \_/
         _|__
       /      \
      /ノ ::::\::::  u. \     ………。
    / <●>::::::<●>    \    (お爺様…)
    |   (__人__)    u.   |   
     \ u.` ⌒´      /
    ノ           \

       ____
     /     \
   / \ 三 / \     
  / -(◎) - (◎)- \    (…又右衛門…言うようになったお…)
  | し  (((__人__)))   |    
  \     ` ⌒´     /
  ノ           \ 
       ___
     / -  -\
    / -(◎)-(◎)-\     (…首を掛ける、か。
  /   (((__人__)))  \    確かに、この数十年、柳生庄に篭ったことで、
  |      ` ⌒´     |    わしも衰えていたのかもしれぬお…)
  \            /
  /              \

221 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:56:07.10 ID:/o4LNPUo
値段www

220 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:55:56.31 ID:CwBQjx20
     ____  
   /      \
  /  _ノ三ヽ__\ 
/   ((●)  (●))\    ………。
|      (((__人__)))  |    
\           /
 /      彡   \ 
( -つ◎-◎-  スチャ…  

     ____  
   /      \
  /   ノ 三 ヽ_\       …まさか、実の息子に首をよこせと言われるとは喃。
/   ((●)  (●)) \    まったく、仕官の時といい、よくよく親をこき使う奴じゃお…。
|      (((__人__)))   |    
\           /    
 /           \ 


   / ̄ ̄\
 /    - -
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)     ………。
  |     ` ⌒´ノ     
.  |         }     
.  ヽ        }
   ヽ     ノ 
   /    く  \
   |     \   \
    |    |ヽ、二⌒)、

222 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:56:28.72 ID:CwBQjx20
        _____
       / \ 三/ \
     / ((●) (●)) \
    /    (((__人__)))  \     決めたお!
    |       |::::::|      |    我が柳生家は、徳川様にお味方するお!
    \       l;;;;;;l    /l!|   
    /      `ー'     \ |i     
  /           ヽ !l ヽi
  (   丶- 、        しE |そ  ドンッ!!
   `ー、_ノ        ∑ l、E ノ <
               レY^V^ヽl

   / ̄ ̄\         
 /  _ノ   \         
 |   ( ⌒)(⌒)l   
. |    (__人__) |     …父上!
  |    ` ⌒´ |     
.  |         }
.  ヽ        } 
   ヽ     ノ
   /    く
   /     ヽ

225 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 18:59:32.11 ID:PNwwhwEo
やりてだな

223 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:57:37.99 ID:CwBQjx20
        ____
       / \三/ \      又右衛門の言う通りじゃお!
     / ((●) (●))\    ここで功績を立てねば、柳生庄は二度と戻ってこないお!
    /    (((__人__)))  \   それでは祖先にも、家臣たちにも顔向けできんお!
    |       |::::::|      |    
    \       l;;;;;;l    /    柳生家の力、ここで見せるときじゃお!
    /     `ー'     \      

         ____
       /     \
     / \   / \       承知致した!
    /   (●)  (●)  \     早速、皆に伝えまする!
   |      __´___    . |     兵助!家臣たちを集めよ!
   \      `ー'´     /

        / ̄\
        |    |
         \_/
           |           
      ./ ̄ ̄ ̄ \         
     / ::\:::::::::/:: \     分かり申した!
    /  <●>::::::<●>  \   
    |    (__人__)     |     
    \    ` ⌒´    /      
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \

 こうして、柳生家は東軍側へ加勢することを決めたのである…。

224 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:59:20.51 ID:CwBQjx20
        _,,,,..-‐‐‐‐-..,_
      _,,-''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨''-、       さて、この一連の流れは、あくまで>>1の創作ですけど、
   ,r'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.¨'''ヽ、   これに近い問答(というか宗矩による説得)があったのでは、と思われます。
.  /.:.:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.i:.:.:!:i;.:.:.:.:.:.:lヽ:.:i、:.:.:.:ヽ  
  l:.:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.!:/ !l !:.:.:.:.:.l ヽ! !:.:.:.:.!    当時、柳生庄を含む大和国は豊臣家の直轄領であり、
  l.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:_レ_,,,l;!-ヽ:.:.:l  ¨l!l'''':.;/   この関が原については、豊臣宗家はある意味蚊帳の外である以上、
.  !.:.:.:.:.:.:.!:.:.:´.:l     ヾノ    レ'’   西軍側に加勢して、柳生家が功績を挙げたと仮定しても、三成が
  !:.:.:.:.:/l:.:.:.:.;;;!;;;;;;;;;;;;;;;;   ;;;;;;!     豊臣宗家の領地を勝手に削って分け与えるのは難しかったと思われます。
  !.:.:.:.:ヽ!.:.:.:.:.:l 、 、       l     仮に貰えても、全然違う国の領地(例えば負けた徳川家の所領とか)が
.  !:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.l      _    ,!     下される可能性がありますね。
  !:.:.:.:.:.:.:.:.!.:.:.:.:.!     ´ `_,,,-'’     
 レ'i.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.l ̄i¨¨¨¨i¨i´         そして、動かなかった場合、今はやり過ごせるかもしれませんが、
   !.:.r、_;_:.:./`、`.、 `i''''''lヾ!         この先、復興の機会があるかどうか不明瞭…つまりジリ貧の状態でした。
   ヾ;!  ̄/: : :¨'''ヽ l l :ト'、          
       /ヽ;/: : : :l--l: :!、!        そういう状況で、柳生庄を取り戻し、柳生家を復興させようとするならば、
       'ー"ト、______;!  レ!        ここで家康の命に応じて功績を上げるのが、唯一の道だったと言えます。
        /        l           
       /          ,!         それに、上述の通り、こちらなら手勢を揃えるより金もかかりませんから、
       ̄¨i''''‐-,,,____,,/         貧窮している柳生家でもなんとかなる…そういう面もあったと思いますね。
         !   / ! /          (西軍側に付くなら手勢を集めるしかないから、今の柳生家には難しい)
         `ー'’  `′

226 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 18:59:51.15 ID:CwBQjx20
            __ __ _                そして、これは若干伝奇風味入った物の見方になるのですが、
        .  ´     `  .           家康が撹乱を行いたい(西軍の後背地たる)近畿一帯において、
      /   ヽ    、 ,..   ヽ           
.     /  i   i i__i ⊥i  ハ 〔><〕          1:地形のことを良く知っており、
    / ト. i ト.  | レ' V  V ヘ んヘ>         2:近隣の土豪と縁があり、
    〈.N i l N  l   ===  Mノノ/`i         3:戦場外の状況(つまり鎧・飛び道具無し)で腕が立ち、
.    ハハノ==`ー'    """   r'/ー'!         4:己が信頼できる。
   /:: 八 ""   △        リ  .}           
.  /:: / /∧           , '   く/`ヽ─‐ 、   これらの条件を満たしている人材として、
  /:: / // 入          イ     l   i  /  宗矩と、その背後にいる柳生一族は、適役だったと言えます。
 i:: i i i   と>-- --<__ノ\    |   |‐ '     
 l:: l l l\  `T rヘ    \  `ー ァ'  /      そういう意味でも、家康は最初から柳生に対しては、
 ゝ: ∨N._ \: Vヽ \__ __ .」-- - '  /      後方撹乱を頼むつもりであったのではないか、
   `ー--ァ`) `ヽ) )   |_ __ __./        あるいは、実家の状況を考慮した宗矩が家康にそのように売り込み
      '´    ´     \   |         そして、その見返りに柳生庄を望んだのではないか…、
                  ゝ ノ          そういう風に考えることもできるかもしれません。

227 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:00:29.35 ID:CwBQjx20
      _,,,..--------..,,_
    _,r''´;r:.:i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ、        まあ、実態はどうあれ、柳生家当主たる石舟斎にとって、
  ,r":.:.:,f:.:.:.:.l:.:.:.:i.:.:.:i.:.:.:.:.ト:、.:.:.;r<''''''''ヽ   柳生庄を取り戻し、柳生家を復興させたい、と思っていたのであれば、
 ,!.:.:.:.:,l'l.:.:.:.:.ヾ:.:.ヾ._;i,;,;,;i,;,ヾ.ゞ、! ヾ''7''’   この宗矩の提案には乗らざるを得なかったでしょう。
 !:.:.:.:.f_,i;,:.-‐'''''  ` `  ヽ `、,rヽ,/l´`ヽ、  (手勢を集めて参陣するのが難しい状況で取れる数少ない手であり、
 `ヾi.:.ヽ       ;;;;;;;;;;;;;;; /  ト、ヽ  ヽ   また、功績を立てた場合の褒美の信頼性もある程度ある)
   l.:.:,;;;;;;;;;;;;;;'     , , , ,!`ー'''l `、,!     
   l:.:.:.:.i , ,          ,イ    !      逆に、石舟斎が完全にやる気を失ってて、
   l.:.:.:.:ヽ._   r¬.  ,/ !    !     後は死ぬだけでいい、とか絶望していた可能性もありますが、
   l:.:.:.:.:.:.:.: ̄'''7l''フ<、,ノ!     !     その場合は、結局は宗矩の仕官時と同じく、
   ヾ,!ヾ,;r、,;,/ !'´,!7'l l  `.┬ '’     息子の希望を叶えてやる…、となったのではないか、と。
       ,/ _/ : レ': :ヾ: : : : l       (「犠牲を払ってまで柳生庄を取り戻したくない」とか思った可能性も
      i,_,r' l: : : _;r‐、: : : : l         否定できなくもないですが、そこまで凹んでいたら、
         `7''´:::::::::`ー'´:!         そもそも協力自体しなかったと思われますし、
        /:::::::::::::::::::::::::::l         当時の価値観を考えると、それは考えづらいですね)

228 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:00:40.19 ID:4GlZTpso
やらない夫カッケェwwwwww

229 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:01:04.68 ID:CwBQjx20
        / ̄ ̄\
      /       \      ____
      |::::::        |   /      \
     . |:::::::::::     |  / ⌒三 ⌒   \        とりあえず、近隣の豪族衆にはわしから話を通すお。
       |::::::::::::::    |/-(◎)-(◎)-   \    お前は筒井家の方と連絡を取ってくれお。
     .  |::::::::::::::    } |   (((__人__)))    |    
     .  ヽ::::::::::::::    } \   ` ⌒´     _/ 
        ヽ::::::::::  ノ   |           \      承知しました。
        /:::::::::::: く    | |         |  |
-―――――|:::::::::::::::: \-―┴┴―――――┴┴――

 東軍側への加勢を決めた石舟斎は家臣一同を集め、
その旨を伝えた後、早速、家康の指示通り、西軍の後方牽制へと乗り出した。

230 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:02:13.69 ID:CwBQjx20
           / ̄ ̄\ 
       -=/  ー  ‐\
         |   ( ●) ( ●)    
      -=三|     (__人__)
         |   )  ` ⌒´ノ              「では行くお!…散ッ!!」
       -=|        }             
     -=r⌒ヽrヽ,    }                「はッ!」
      /  i/ | __  ノヽ        _____
  -=三/  /  /      ) __-=三/ ー 三ー\
     ./ /  /     //  \. / -( ◎)-( ◎)     
-=三/   ./     / ̄、⌒) /    (((__人__)) \   
    .ヽ、__./     / ⌒ヽ ̄  |       ` ⌒´   |
        r    /     | /  \     i⌒\   / 
   -=三/          ノ    / ⌒ヽ, _. -=\/  
   -=/      /    /-=/  -=|./ー、\   \ 
    ./    //   /i,        ノ    \^   .i   
-=三/.   ./ ./  /、/ ヽ、_../ -=/    -=三ヽ、__ノ
   i   / ./ / .| ./  //  /      
 -=i  ./ .ノ.^/  .ヽ、_./ ./  /  
   i  ./  |_/   -=三/ /      
 -=i /          ノ.^/  
  / /       -=三|_/ 
  (_/

231 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:02:45.60 ID:CwBQjx20
=近隣の豪族宅=

    |┃三 ガラッ
    |┃  ____
    |┃/⌒  ⌒\
    |┃‐(◎)―(◎)\    えっへっへ、
――‐.|┃:(((__人__))):::::\    お久しぶりじゃお!皆の衆!
    |┃  |r┬-|     |⌒)   
    |┃   `ー'ォ     //   
    (⌒ヽ・ ^^^  ・ ̄ /   
    |┃ノ       /
    |┃       <
    |┃  (::)(::)   ヽ
    |┃/  u  >  )
    |┃     (__)

    |┃
    |┃  ____
    |┃/⌒  ⌒\
    |┃‐(◎)―(◎)\ 
――‐.|┃:(((__人__))):::::\   
    |┃           |
    |┃    ^^^     /
    |┃ヽ・    ・ ̄ /  チョロッ
    |┃ \    ,
    |┃ヽ_)つ‘∴・゜゜・・∴
    |┃  (::)(::)  ヽ    ・
    |┃/    >  )    ゜
    |┃     (__)    :,゜

232 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:03:25.33 ID:ccMfb1Io
おじいちゃんソレ……

233 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:04:12.97 ID:CwBQjx20
     心・配・ないから              γ⌒) ))  恩・賞・あるから
        ___(⌒ヽ             / ⊃__
       /⌒~⌒⊂_ ヽヾ          〃/ / ⌒ ~ ⌒\  
(⌒ヽ∩/( ◎)―(◎)‐|(⌒ヽ       γ⌒)( ◎)―(◎)‐\ ∩⌒) 
 ヽ  ノ|:::⌒(((__人__)))⌒::| ⊂ `、三  三 / _ノ:::⌒((__人__))⌒〃/ ノ
  \ \    )┬-|   / /> ) )) ( (  <|  |   |r┬(    / / ))
(( (⌒ )、 ヽ_ `ー‐' ,/ / / 三 ( \ ヽ \ _`ー‐'  /( ⌒)
  \ \ /   ^^^^^                    ^^^^^^   / /

【審議中】
        ∧,,∧ ∧,,∧        
   ∧,,∧ (´・ω・)(・ω・`)∧,,∧   ドースル?
  ( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・` )     ミツナリジャナア・・・ 
   l U l (  ´・) (・`  )l と ノ  デモトクガワッテドーヨ?
   .u-u (   l). (l   ) u-u'      オンショウモラエルノ?
        `u-u'   `u-u'

【結果発表】
パッ   パッ   パッ    パッ   パッ    パッ
 [東軍]  [東軍]  [西軍]  [中立]  [中立]  [炒飯]
  ∥∧∧  ∥∧∧ ∥∧,,∧ ∥∧,,∧ ∥∧∧  ∥,∧∧
  ∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)
   (    ). (    ). (    ) (    ) (    ) (    )
   `u-u´  `u-u´   `u-u´  `u-u´  `u-u´  `u-u

 まず、一族の者たちや家臣たちを使いに出し、
近隣の大和山間部の豪族衆へ連絡をつけ、説得し、
東軍側へ着くか、最低でも西軍側へ着かないように働きかけた。

235 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:04:54.25 ID:/o4LNPUo
炒飯自重ww

236 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:04:56.11 ID:CwBQjx20
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)      伊賀守殿…既に我が殿よりご連絡があったものと思いますが、
. |     (__人__)       この度は、我らと力をあわせて、殿をお迎えするまでの間、
  |     ` ⌒´ノ     西軍の力を削ぐための働きをお願いしまする。
.  |         }
.  ヽ        }    
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、
                 ,.、:r‐'''"" ̄~~゙`'':-.、
               ,r'""::::::::::::::::::::::::::.... :::.、'-、
             r"":: .:::::::::::::::,....,.,.r:、r‐:,:::):)::))
               !::::::.::::::::::::/:::,r'::,r''|:::::,!゙゙'-イ'""~゙:,
             l ::::::/:::/::/::,、/:,r//'l:::::;'   ', ゙:,::l    
             l. .:l:::/./,r,/',/'// l:::/     ',  l:l    
            l :..::l::::/rヾ/:/r'/''ー-|/、  ,.t'/  l,!      分かりました。
            l.:::::l:.l i,,',)||/'-/, -=ッr-'、,..ッ''';  '     では、かつて召し放った家臣たちに使いを出し、
            ,!:::::,!::l:::゙:,-,'  ' ゙""~゙'t.,_,ノ ゙'k'       東軍側へ助力するよう、呼びかけましょう。
           ,! .:::,!.::::::::,!~゙:、    、   , 7
            l :::::...::::::::l   ':、      ̄ /ー-――-- 、_
         ,.、-',!::::::.:/::,r,!'-、_   `-、_    /         ,.、r
       ,r'"" ,/ ,!-..ノ.i"" 'i,、  ゙''''- 、、`'ーメ、_        /
      /   i' ,rl、 _,k'l  ゙:,':、     `''',r,、ヽヽ、   ,.'
    ,、/    ゙i,/ ,,.r'  l    ', ゙:、       /:::::':, \ヽ   ,'ー-、
 ,r'"" ./      ゙i,""   l    ヽ ヽ、  λ:::::::l,、,r'ri'、,'  ゙̄`i、
,i'  /       ゙i,    l    /ヽ. ヽ、.,' ゙tr''ヽ.'"" l ゙ll _,,..、-'--,
  /        ゙i,  l    /  ゙:,  ヾ  l  ',  | l~     /ヽ、
                   筒井定次

 また、豊臣家により、大和から伊賀上野へ国替えを余儀なくされていた筒井家にも連絡を入れ、
国替えの時に召し放った元家臣たちに呼びかけ、これも東軍側へ助力するように働きかけた。
(なお、筒井家は東軍側において、関ヶ原に参戦している)

237 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:05:45.21 ID:CwBQjx20
   l_}、  、 l l、,.l j, - /V_㍉l
   |Z二ヽ ミl、 l lィ イ,∠.._`ヽ
    z __ \l、V / _ノ _  ミl
  /Y´ <_。ヽノ,-、( ィ_。_>z ̄リ      石舟際殿、お久しゅうござるな。
  l l l ^三 =,ノ ! l ミ、三= /      於鍋は元気ですかの?
  ヽヽ、 ' ,. , l l 、 `   /
    ヽ `T´iヽ、_.ィ `ト-イl       
     l ! l トr_r_r_r_rイ l l l        
   _.ィ l l l/    ヽ! j/、       
/!/ l 、. H     タ .// \
l  l   l ヽミェェェ彡//    l丶、
 l  l   y ヽ-ノヽ- イ´ ̄ ̄  ‐-`丶
  lー、l イ /   |l /        _
    |‐ 、/ /  __!l/ --―   ̄
       奥原豊政

           ____
         /⌒三⌒ \
        /-(◎)-(◎)-\     「おお、これは奥原殿!
      /::⌒(((__人__)))⌒::\     お久しぶりですお。
      |     ||r┬-||    |     いや、於鍋には世話になりっぱなしですお。
      \     `ー'´     /     頭があがりませんお」
        >         <

 奥原豊政は、石舟斎の妻、於鍋の縁者(兄?)であり、近隣の豪族の一人であった。
一説には伊賀忍びの中でもそれなりの地位の家であると伝えられている。

238 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:06:24.18 ID:CwBQjx20
   l_}、  、 l l、,.l j, - /V_㍉l
   |Z二ヽ ミl、 l lィ イ,∠.._`ヽ
    z __ \l、V / _ノ _  ミl
  /Y´ <_。ヽノ,-、( ィ_。_>z ̄リ      はっはっは。
  l l l ^三 =,ノ ! l ミ、三= /      於鍋は評判の器量良しじゃったから喃。
  ヽヽ、 ' ,. , l l 、 `   /       嫁に行った際には、随分とお主を羨む声が上がったものよ。
    ヽ `T´iヽ、_.ィ `ト-イl       
     l ! l トr_r_r_r_rイ l l l        
   _.ィ l l l/    ヽ! j/、       
/!/ l 、. H     タ .// \
l  l   l ヽミェェェ彡//    l丶、
 l  l   y ヽ-ノヽ- イ´ ̄ ̄  ‐-`丶
  lー、l イ /   |l /        _
    |‐ 、/ /  __!l/ --―   ̄

        / ̄\
        |    |
        \_/
         _|__
       /      \ て
      / :::- ::::: :-::::\そ     ええっ!?
    /  <●>::::::<●>  \     (お婆様が…器量良し?
    |     (__人__) u.   |      まさか美人って意味…なわきゃねぇよな?)
     \ u.  ` ⌒´    /
    ノ           \

     ____  
   /      \
  /  ─ 三 ─\     …兵助、お前は知らぬであろうが、
/  -((◎)-(◎)-\   ばーちゃんは、若い頃はそりゃー美人だったんじゃお!
|     (((__人__)))  |   そうでもなけりゃ、11人も子供作らんお?
/     ∩ノ ⊃  /     
(  \ / _ノ |  |      
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

239 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:10:46.54 ID:CwBQjx20
        / ̄\
        |    |
         \_/
           |           
       / ̄ ̄ ̄\        
     / ::-:::::::::-:: \      ……(うそくせぇ…)
    /  <=>::::::<=> u \   
    |    (__人__)    |     
    \    ` ⌒´    /      
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\      

       ____
     /⌒ 三 ⌒\
   /-( >) -(<)-\      あ、今、”うそくせぇ”とか思ったお?思ったじゃお?
  / // (((__人__))) /// \    だったら証拠を見せてやるお!
  |     |r┬-|     |    この秘蔵の”おもひでの絵巻物”を見るがいいお!
  \      `ー'´ _   /
   ( ヽ  ___ ././
   .\ \|  .,レ゛/
     .\旨 爻ン 

240 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:11:20.39 ID:CwBQjx20
=絵巻物展開中=
        /;;;;;;;;;;;;ヽ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
      /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
      /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!'、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
     ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!!ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ     兵助「………うそだろ、おい」
     ,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;/`´  !! ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',     
     |;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!     !{ ,,>\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',    石舟斎「ホントじゃお。うらやましいかお?
     |;;;;;;;;;;;;;;;;;;!    ヽ'v彡、\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|         お前も美人の嫁がもらえればいいのう」
     |;;;;;;;;;;;;;;;;;;レ-、   〉',彳ゞ、\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;弋ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;|
     |;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ==',   ヽ'=''へヾ\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ );;;;;;;;;;;;;;!    兵助(時間の流れってひでぇな…)
     i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彡ヒ;;j    ヽ\ \ \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;',!;;;;;;;;;;;;;;'              
     ',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;彳フ      `ー、..,,_`''‐、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/_/´ ̄`゙'''ヽ
     ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|ヽ、 、         `゙ー--=ュ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ´     / ̄    
      ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;! `                 j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;∠-‐  ,,.. へ..,,_         
      ヽ;;;;;;;;;;;;;;;',  ヽ;;;::::::,,,,          ノ!;;;;;;;;;;;;;;;イ;化弋ー'''"´     ヽ
         ヽヽ;;;;;;;;;;ヽ ヽ::::::'´           !|;;;;;;;;;;;;∧リ'´ \ヾ\       ',
        ヽヽ;;;;;;;;;;ヽ  `              !|;;;;;イ;;/ ハ   `  ヽ       !
         \ヽ;;;;;;;;;;ヽ        .    リ|;;/ |;;!  _,,,〉,...-――┐      !
           `ーヽ;;;;;;;;ヽ._,,,,.....-‐'"     〉;L,,jリ‐'´         i      /
              ` ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ       /ハ             i     /
                ゝ;;;;;ハリ'´ ヽ   //  `''         /ヽ, ,,.../
                 //   /}  ///           ,//   \
                   若い頃の於鍋
    γ::::::::::::::::桃::::::::::::ヽ、     ↓
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::  ヽ  ←(50年)
  γ:::::::::人::::人::人::::人  ヽ
 (:::::::::/  ⌒ 三 ⌒ \  )  
  \:/ ((●) (●)) \ノ     
    |   (((__人__)))   |
   \    ` ⌒´    /  
    /          \
        現在

241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:12:13.67 ID:4GlZTpso
時間の残酷さを垣間見た

244 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:13:13.88 ID:/o4LNPUo
大丈夫
二次元の嫁に時間は関係ない

242 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:12:26.89 ID:CwBQjx20
   l_}、  、 l l、,.l j, - /V_㍉l
   |Z二ヽ ミl、 l lィ イ,∠.._`ヽ
    z __ \l、V / _ノ _  ミl
  /Y´ <_。ヽノ,-、( ィ_。_>z ̄リ    
  l l l ^三 =,ノ ! l ミ、三= /      まあ、息災ならばなにより。
  ヽヽ、 ' ,. , l l 、 `   /      それより問題はこのたびの件でござる。
    ヽ `T´iヽ、_.ィ `ト-イl       我ら奥原は西軍方へ着こうかと思うのじゃが。
     l ! l トr_r_r_r_rイ l l l        
   _.ィ l l l/    ヽ! j/、       
/!/ l 、. H     タ .// \
l  l   l ヽミェェェ彡//    l丶、
 l  l   y ヽ-ノヽ- イ´ ̄ ̄  ‐-`丶
  lー、l イ /   |l /        _
    |‐ 、/ /  __!l/ --―   ̄

       ____
     /     \
   / \ 三 / \ て    
  / -(◎) - (◎)- \そ    そ、それは何故ですお?
  | し  (((__人__)))   |    
  \     ` ⌒´     /
  ノ           \ 

243 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:12:57.59 ID:CwBQjx20
   l_}、  、 l l、,.l j, - /V_㍉l
   |Z二ヽ ミl、 l lィ イ,∠.._`ヽ
    z __ \l、V / _ノ _  ミl
  /Y´ <_。ヽノ,-、( ィ_。_>z ̄リ    
  l l l ^三 =,ノ ! l ミ、三= /      うむ…我ら大和国人衆が一致団結して東軍へ着けば、
  ヽヽ、 ' ,. , l l 、 `   /      西軍の情報が手に入りづらくなる…。
    ヽ `T´iヽ、_.ィ `ト-イl       どこかが西軍側へ入り込んでおいた方が良いでのは、と思うでな。
     l ! l トr_r_r_r_rイ l l l       その役目、忍びの我らにはうってつけじゃ。
   _.ィ l l l/    ヽ! j/、       
/!/ l 、. H     タ .// \
l  l   l ヽミェェェ彡//    l丶、
 l  l   y ヽ-ノヽ- イ´ ̄ ̄  ‐-`丶
  lー、l イ /   |l /        _
    |‐ 、/ /  __!l/ --―   ̄

       ____
     /     \
   / \ 三 / \     
  / -(◎) - (◎)- \     なるほど…一理ありますお。
  | し  (((__人__)))   |    では、お頼み申しますお。
  \     ` ⌒´     /
  ノ           \ 

 実際には、このような内応策があったかどうかは不明である。
ただ、奥原氏が西軍側へ着いたことは事実のようであり、
後の大坂の陣においても、柳生家と連絡を取り合っていた、などとも言われている。

250 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:16:13.84 ID:0y7hXO2o
>>243
どっちが勝ってもかばい合えるしなあ

245 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:13:28.65 ID:CwBQjx20
 そして…
     ____  
   /      \
  /  ─ 三 ─\     
/  -((◎)-(◎)-\   …又右衛門、ちょっと来るお。
|     (((__人__)))  |   お前に合わせたい方がいるお。
/     ∩ノ ⊃  /     
(  \ / _ノ |  |      
.\ “  /__|  |  
  \ /___ /

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)     … なんでしょう、父上?
. |     (__人__)      合わせたい方、とは?
  |     ` ⌒´ノ     
.  |         }
.  ヽ        }      「まあ、黙って来るお」
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

246 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:13:55.61 ID:CwBQjx20
      /::::::/       /|          ヽ::::ヽ
        l:::::::l__        j ヽ       _,!::::::l
      l:::::::l. : :_:≧ト、‐...、_トVイ_,....-::z≦._: : l:::::::l
.     /::::::::! :ミヽ,.__・_ヽ、_;ノ人__;: ィ_・__,ノ彡:l::::::ヽ          「お待たせしましたお、多羅尾殿」
   /::::::::::::l    . : : / l: l \: : : : .   /:::::::::::\
__,/::::::::::::::::::::l    ' ´       ``   /::::::::::::::::::::\      おお、石舟斎殿!
l::::::::::::::::::::::ハ:ヽ   _    ^ ^    _   ///、::::::::::::::::::::`!    それに、そちらは又右衛門殿ですな!
.l::::::::::::::::::::|く(ヽ:\ | r--‐_.二二._ー--ォ |/イ/:>l:|::::::::::::::::::/     立派になられたのう!
 l:::::::::::::::::lヽニ、!ヽヽ. lシ^:::::::::::::::::::^ヽl   l:ニ〃!:::::::::::::::/
.  l:::::::::::::::l:::::`゚l     l::::,.―--― 、::::l    /゚´:::::l:::::::::::::/      
   l:::::::::::::l::::::::|ヽ   lヘ_: : : : : : : /7   /|::::::::::l::::::::::/
   ∧::::::::::l::::/l lヽ  `、 二二二ノ   //!:::::::::l:::::::/!l
.  //:::\::::::!':.l l : l: :\ ` ̄ ̄ ̄ /: / !ト、/:::/:::l:l
 //::::::/\:l:.:.l l : l: : : ヽ .___,/: : / / l:.//\:::::l:l
              多羅尾光俊

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \ て
 |    ( ○)(○) そ   
. |     (__人__)       多羅尾の…殿様!
  |     ` ⌒´ノ     
.  |         }
.  ヽ        }      
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

 この多羅尾光俊は所謂「甲賀忍者」である。
信長・秀吉と仕える事で、一時は八万石の大名にまで出世していたが、
「ある事件」に関わったことで所領を奪われ、没落していた。

 そう、娘・於万の方の一件(秀次事件)である。

247 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:14:29.73 ID:CwBQjx20
      /::::::/       /|          ヽ::::ヽ
        l:::::::l__        j ヽ       _,!::::::l
      l:::::::l. : :_:≧ト、‐...、_トVイ_,....-::z≦._: : l:::::::l
.     /::::::::! :ミヽ,.__・_ヽ、_;ノ人__;: ィ_・__,ノ彡:l::::::ヽ          徳川様は、かつて本能寺の危機の際、
   /::::::::::::l    . : : / l: l \: : : : .   /:::::::::::\       伊賀越え(神君伊賀越え)をお助けした事のある縁もあり申す。
__,/::::::::::::::::::::l    ' ´       ``   /::::::::::::::::::::\     それに、於万の件で没落した我らに、
l::::::::::::::::::::::ハ:ヽ   _    ^ ^    _   ///、::::::::::::::::::::`!    二百石の手当てを下された恩もござる。
.l::::::::::::::::::::|く(ヽ:\ | r--‐_.二二._ー--ォ |/イ/:>l:|::::::::::::::::::/    この度の戦、勿論徳川様にお味方するでござるぞ!
 l:::::::::::::::::lヽニ、!ヽヽ. lシ^:::::::::::::::::::^ヽl   l:ニ〃!:::::::::::::::/     
.  l:::::::::::::::l:::::`゚l     l::::,.―--― 、::::l    /゚´:::::l:::::::::::::/      倅、光太とは向こうではお会いしませんでしたかの?
   l:::::::::::::l::::::::|ヽ   lヘ_: : : : : : : /7   /|::::::::::l::::::::::/      彼奴もこの度の上杉討伐に参加しておるのですぞ!
   ∧::::::::::l::::/l lヽ  `、 二二二ノ   //!:::::::::l:::::::/!l
.  //:::\::::::!':.l l : l: :\ ` ̄ ̄ ̄ /: / !ト、/:::/:::l:l
 //::::::/\:l:.:.l l : l: : : ヽ .___,/: : / / l:.//\:::::l:l

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \ 
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)       …多羅尾様、その、於万殿のことは…。
  |  u  ` ⌒´ノ     
.  |         }      
.  ヽ        }      
   ヽ     ノ    
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

248 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:15:22.55 ID:CwBQjx20
::::::::::::::: ......::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l:::l、::l:::::::::::::::::::::::.:.ヽ|.::::/::::::::::l                |!
::::::: ....::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l;::Ll:|ヽ::::::::::::::::::::::.:.l!/:::::::::::::::l              i|j
: ..::::::::::::::::::::i、:::::::、:::::::::::::::::::::::::::::::::j::ノ l:l l:i、::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::j`゙ー=、、,,..       l|l{
.::::::::::::::::::::::::|_ゝ:::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::ノ'´,.ノ-=l!、!l::i、::/.::::::::::::::::::::::::::/ ___ヾ三≡=、、  }llii、
::::::::::::::::::::::lヾ、 ヽ`゙、`ヾ:::、:::::::::::/ /,.-=::、ノヾl::l!´.:..      ...../:l  `ヾ\ ̄`・゙ー=三≡j|||li
:::::::::::::::::lヽ;\,..-===、       : ):゚;i::', j::l.:.:::::::::::::::::::::::::/:::::l     `ー---- '"彡〃l|
::::::::::::::l、:、 >/,.-=::ヽ          ヾ':、;;;ノoi  j!:::::::::::::::::::::::;ハ::::::::::l          _. ノ ゙l!
::::::::::::::', ノ/  、 ):゚:i::ヽ       ゞ=゙シ_ ノ:l:::::::::::::::::::::/ r‐l:::::::::::!
:::::::::::::::::;ノj|  ゞ::'、;;ノO/        、   `゙ヽ ノ::::::::::::::::::::{ ヽ ';::::::::::',
::::::::::::::::彡ゞ  `ヾ;::'´           ::::/::::::::::::::::::::::::\  ';:::::::::',
::::::::::::::::::〃/ゝ≡=´        ,.-、     /::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、 ヽ:::::::、ヽ
:::::::::::::::::::::、=-、.":::::       ('⌒)  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', \:::ヽ`          _」
:::::::::::::::::::::::`:.._ :::::          ` "  /:::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::ー:、ヽ::ヽ
::::::::::::::::::::::::::::ー-=-            /::::::::::::::::::/.:::::::::::::::::::::::::::::::::::l  `ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::-`=-‐'   ,. -、   _/::::::::::::::::/ノ.::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ      ,,.-‐ ´ ̄ ̄
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::フ ー-,ノ、、ニ)~/:::::::::::::::/ ´/..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ |、        
::、:::::::::::::::::::_::ニ=-´ー==..'"==`≡三;;::_::, - ´ ヽ. /..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', 、\
`ヾ`ヽゝ`ー゙/ /,    〉 ̄、 ̄ヽ、ノ}´ l     V..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::', ヽ \
      r'  .//   〈 ヽ  Y´  ,/ ノ      /..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',  ヽ \
                  昔の多羅尾光俊と於万(イメージ図)

 「…あやつのことは申してくれまするな。
  それがし、決してあやつの仇を討つ、などというつもりだけではござらぬ。
  没落した多羅尾家を再興する…それが第一でござる。
  又右衛門殿、そなたも心がけられるがよかろう」

 「多羅尾様…」

  そんなこんなありつつ、柳生家は西軍の後方にて撹乱任務を進めた…。

249 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:16:04.96 ID:CwBQjx20
   _,,,r‐-、
  '´ _,,r'''ヾ'''''''''‐、__
   ,r'’:.;r';r'´:.:.:.:.:.:.:.: ̄''‐-.、        さて、柳生家に与えられた「西軍の後方撹乱」という任務。
  l:.:.;r';r':.;r'':,r''ヾ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`、      実際に柳生家がどのような行動をしていたかは不明なのですけど、
  `Y;/;r':.;r<  `、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、     この時期、起こっているものとして、
    l,;iヾ、 ヽ  ト.!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i,     
    _/  `、,   i';.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,     ・元筒井家の家臣で浪人していた者達を筆頭に、
  r'´    '   ,!:ヾ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,     大和、伊勢周辺の小豪族や浪人達のある程度が東軍側についた
  l    、、  !:'y''i''i彡.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l,     (少なくとも、西軍側に着くのを控えた)
  ` 、っ     y' ,Hト,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l,    
     ト、,,______,/ ,/,!,!l:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:l,   ・美濃の小城の城主たちが相次いで西軍側から東軍側に鞍替えをした
     レ` 、_,/l,  // l ヾ!.:.:.:.:.:.:.:.:.:i;.:.l,   
    `ーr'’  Y ,/ ,!l,,,r'i'’:.:.:.:.:.:.:.:.:.i,:.:!   などが起きていたようなのですね。
      /ヽ_,,,r'l,,,! l___!!:l;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;i'レ'  これ以外に何があったか、また、これらが本当に
    /_,/l      レ'l:.:.:.:.:.:.:.;レ'    柳生一族の行動の結果だっかのか、それはわかりませんが、
       `ト、_________,,r'レ''レi'’     状況を鑑みるに、柳生が一族郎党を挙げて動いたこと、
        l          ヽ     及び、それに応じた小豪族達がそれなりの数いたらしいことは
        l_    ____,,,,..-‐''''''’     確かのようです。
        l ̄フ''''レ'
        `''´

251 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:16:30.37 ID:CwBQjx20
         ____
    ,r'´,;¨''ー'´:.:.:.:.¨'''''‐-.、        
    ,r'´:.;.'/,イ:.:.:.i:.:.:.:/-i:.:.:.`.、     
   /:.:.:./://_l;,;,;,;il_:./ ,,,,,`z_:.:.:`、     そして、この後方撹乱工作の絡みで、
   !:.:.:.:!:´l  ヽ:.:l レ′    〉_:.:i;,!    「柳生家は実は忍者だったのだ!」とする説もありますが、
    `!.:.:.;;i;;;;;;;;;;;`   ;;;;;;;;;;;;;´ )l !ヽ   これについては、それを裏付ける史料はないため、
.   !:.:.:.:!           /:.! ト、,!  俗説程度に考えておくのがよさそうかと。
   l:.:.:.:.ト、~       ~ /:.:.l、,!|_!  
   l:.i、:.:!、;,;> ,,_⌒___,,,..-''’:.:.::.:.l     ただ、話の中にも書いた通り、縁戚の中に、
   ヽ! ` / ヽ!ヽ`y' /`、/レレ′   忍者の範疇に含まれる家(奥原・多羅尾など)があったこと、
      /   `、/ /  `、       また、このような任務を任されたこと自体も考えると、
       ヽ、 ,ノ□''''i   `、      まったく根拠の無いことではない、ところでしょうか。
       /¨:!`´: :`'´!   /      (ここらが所謂”裏柳生”の元ネタになったんでしょうかねー)
       / : l: : : : : : `T¨´!        
      ヽ、;,l : : :__: : :_l;,;,;,;,!
        ヾ_!´  ̄!_,/

252 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:17:11.34 ID:CwBQjx20
 さて、また話は少し柳生一族から離れる。
東軍/西軍の主だった動きである。

             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ       ホッホッホ、快調ですね。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ      
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l      
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ      
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i
 
 九月一日、家康は自軍の三万五千人(若干数値にバラつきあり)を率いて江戸を出陣。
九月十一日には尾張・清洲城へ到着。

253 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:18:00.89 ID:CwBQjx20
      ____        
    /i||||||||||||||||||iヽ       
 / ̄ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ                  
'""ヽ  ヽ!|||||||||||| ||||||! ヘ 、― /    この家康は合流するたびに軍勢がはるかに増える。
||l   ___ヽll,‐''''__ゞi .||||||   その合流を、オレはあと1回残している…。
||l  /ヽ、 o>┴<o /ヽ\||||||   
ヽ‐イ  |ミソ ̄'"ノ"/li゙ ̄゛l;|l |、     その意味がわかるな?
.\/l  .|ミミl l―――フ..l;ll /      
 .\ノ  |ミミ.l..\=ヲ/ l;|/    
   ̄\ |ミミ.l..  ̄ ̄,,,l;/     
   l \ヾ゙゙....  ̄."/i     
 _/_``\ ̄、 ̄/ /l___  

 東軍の諸大名の軍四万と合流し、更に七万五千まで勢力を拡大した東軍は、
あと、九月十日に息子・徳川秀忠率いる軍四万(諸説あるが)と美濃で合流することで、
十万を超える軍となり、八・九万といわれた西軍を圧倒できる軍勢になる…、
というのが家康の計画であった。

254 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:18:26.51 ID:CwBQjx20
 しかし、

iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii\ヽiiiiiiiii/
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii \`─'    
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/  \     
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/    <     
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/       `i   
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/    ___,,,--''' |   
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/,,,,---''''''__,,--'''iiiii |   
    ̄'''''''---iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/ / _.,,-' ̄i  ,-~,iii  .|   
           ̄''''-,,,iiii/ / ノ    i´; -~ii /   
,,,----;;;,________      ``i | /  o    ,-、'''ノ ̄|     な、何故秀忠は来ないのです!?
 ;;;\-~ `--;`─-;,__;;;`i ハ`ヽ,,____,,-' ̄  |ノ,,--ノ 
  ;;;;\~-~: .  o  i`´` ハ,i,,,,,---'''',,--''''|彡 ノ   
 ` `---`≡=------─'`i iii `--'''' ̄    |彡)  
\` `ー- i'   ,,,;;;''''''''''´´ `,i´ -、_,,,,,,,,,,   .|,彡`i 
  \` ー\        (,-、,;-' _,━.、`l  . |,彡|  
   \`---\   ,,-''  ,━━'"" ,-''''┃ i  .|,彡
,_____ミ .\`---.\  ヽ .┃`''''' ̄ ̄,--、┃ ,  |彡|  
   ヽ  \`----\\  \= i ⌒ i  i=┃ | /彡|  /⌒レ^ii~ヽ 
ヽ.__`ヽ \`----\` \\=i,,,,,,--.i=:/  / /| /       `ヽ  ∩
 ヽ     `ヽ \`三三\   `━━'''"" ,,,i/ .| /          |  / `--
  `丶___ ̄ ̄ ̄ ̄,'''''''''''''''─--'''""""   |/           | /
          ̄ ̄ ̄ ̄              |           |/ 

 その秀忠は来なかった…いや、来れなかったのである。
その原因は、名将・真田昌幸によるものであった。

255 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:18:48.63 ID:CwBQjx20
              |ヽ
             ,ヘノ:::::ヽ
           /:::::::::::::::::ヽ
        /| /::::::::::::::::::::::::::ゝ
       /::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::〉/!
       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://|
       |::::::::::::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
      |\:::::::::/  `、::::::::/ ヽ:::::::::::::::|/  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      ヽ:::::::::/    !::::/   !:::::::::::/   | 
      \::::::::>    V __<,,=-、/  |   兵力たった2000か…ゴミめ。
         ヽ「`|〒=。,_;' 。=〒|#l)   |   だが、念のため、降伏させておくか。
        ‐ゝ、!  ̄",└≡=ナ-┘  <   
         `∧  i=`==、 ∧´     \_________
―┬─┬―i⌒/  \ー='/ ヽ⌒i―┬─┬─┬―
  !   !  |  | |.  ハ`ー'´ハ  | |  |  !   !   !
           徳川秀忠

 八月二十四日に宇都宮城を出た秀忠軍は、
途中にある昌幸の上田城に気づき、これに使者を送り、降伏させようとした。

257 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:21:06.70 ID:0y7hXO2o
>>255
こいつじゃあ来ないわwwww

256 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:20:38.29 ID:CwBQjx20
.  / ′    /  /   ,{ ト≠イ      い
  ,」 /     /  ,i   //,j }   } }   l  i }
/ V     i,′,イ」 /// } ,′ /ム  |  lく
  {!     { {frkl/メく ノ' ィナ云__}i }  ト、ヽ      父上、降伏してくださりませんか?
  以     ' !{ ̄{く   / ' `ー气7 /  ,′ヽヽ
    } ! !   トト|       {     /イ //     vハ
    リ ハ  }      }     / イ'       い
   ( ( 从小、  ー──‐   .イi {      } }
  / 小{ 'く  \ ` ̄ ̄´ /从rく      / ,′
`く    {!  ヽ、__ ヽ、  / /  } } \   / /
丶丶   vハ  /  7'⌒¨´{Tヽ. //    '  / / ̄
  ヽ ヽ.  Vハ/   /    }}  V/     V /
           真田信幸

       /    ∠_      `丶、
      /      ∠     丶    \
  __/    ィ / ̄   ‐¬ミ、 \   ヽ
/(:::/_ /:::::/イ      ヾニ三≧\ ヽli  |
  \::::::::::::::::::::〈      ヽ、弋ッミメ;;ヽ }|  l、    ふぅーむ…。
    ` ー- _::::::ハ、        ` 二^彡ヘル'厶〉   徳川の軍が、この上田城までやってくるというかぁ。
        >- 、ヽ            〈テ7    ならば、しばし待つが良い。
\        /::::::::::::l }         _,,.ィ  __Ⅵ    今から降伏の準備をするからのう。
  ` ー- 、 ::: |::::::::::::::| |  ,,..   ''´ ー ¬;;/ '
   /⌒Vヘ:::::::::::/  〃z‐__,,,,,,......、´ /
、  /:::::::::::::ト-`ー</| ´  z.,,__   `7/
:::∨:::::::::::::::|      >┐  `ヾ三三≧'' /__ ̄>、
:::::|:::::::::::::::/    / ィ´|/l____/|  /|  {:::::∨::::::::}
:::::|、::::::/   //:: | ト、:::....   └ ′ヽ/|::::::|::::::::/
:::/  ̄  //::::::::::| |/\::::....::.:......::.:... ト-^ーく
/    // :::::::::::::::| |ヽ:::|:::::::::::::::::::::::::::::|::::/ fl|
            真田昌幸

 この時の使者は、自軍にいた昌幸の息子、信幸であった。
降伏を勧める信幸に対し、昌幸もこれを受け、
降伏の準備を整えるのでしばし待ってほしい、と申し出た。

258 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:21:33.16 ID:/o4LNPUo
陛下www

259 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:22:27.98 ID:4GlZTpso
>>256
この下のAAを見るたびに吹いてしまうwwww

260 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:24:10.85 ID:CwBQjx20
            へ、、
           / {_ ク
        ,=- く__,,/
         /   /     _
      /  /     _〃― ヽ
     /   /ヘ     _/ | | =!|= }lヽ         我が真田はぁ、
    r'   く彡 \r'´{ ∧ rっ /  |ヽ-、      徳川如きに屈したりはせんのだぁぁぁぁぁぁっ!
     \    ""''''`l /ヘ`,二´ミ、ノ丿丿)     オールハイル・真田!
      /\    | ´   | |  | |\_ノF== 、__
     /;:;:;:;:ヽ  /   l   | |  | |  \|| | | | | ||
     /;:;:;:;:;:;:|     r―''\ ,'⌒i|       || ||  |
     /;:;:;:;:;:;:;:;:|     ||    ヽ__ノ       || ||   ヘ
   /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|    q====||ヽ==o || ||   ヽ
   /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:|     ||       || ヽ   || ||     \

   ' , \、 、|       ヽ   l / /    ヽ,   / /  /
  ``ヽ  ヽヽ! ,   lj   ヽ  i/ , '  u  !/ /  /
  、 ヽ\ ` l_/ /`ヽ、   ヽ/ / ,. ' ´ヽ l ,'/'´   /__
  、 ヽ、 ,へ、/ ,ヘ``ヽ、ヽ. ` / /,. -‐,´ _!,-、 / /'´/
 ヽ\`` l l^ヽ,',  ',  oヽ`、} レ/o   ,'  〉"^l//'´/
   \、 l l r' ',  ー―‐",`ー´`ー―‐'  //_',/_,. -;ァ     な、なんだと!?
    ,.ゝ-\ー、 ','"""""  ノ_ ゛゛゛゛` /'_j /  /       バ、バカにしやがって…!
    ``,ゝ-ゝ、_',u     r====ョ    /-/_/
     ´ ̄``ー,ヘ    `====''    /=''"´
          ,'、 `ヽ、,:' -‐-  , '``>、
         ノ`::ー-、_\__,/_,. ::'´:::::冫二ニ77ー-
  ,...-、‐ニ二{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニニニ〃::::::::
  :::::::::ヽニ二ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/二二ニ〃:::::::::::

 しかし、実はこれが時間稼ぎであった。
散々に時間稼ぎをした後、昌幸は僅かな手勢で秀忠軍の正面に姿を現し、挑発した。

261 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:25:22.08 ID:CwBQjx20
          l      /    ヽ    /   ヽ \
          /     / l    ヽ /      |  \
| 許 絶   〉 //  l_ , ‐、   ∨ i l  | |    \      は
| す 対   |/ l ,-、,/レ‐r、ヽ  |   /`K ,-、 <   し
| な に     / | l``i { ヽヽ l | / , '/',` //`|_/       や
| | 真      |> ヽl´、i '_   。`、llィ'。´ _/ /,) /\    ろ
| | 田     |`/\ヽ'_i ,.,.,.⌒´)_ `_⌒  /__/l  \       く
っ   |  を      |/ / l´,.-― 、l`ー一'_冫 /l l |   /   っ  
!!!! |        \ ', /  /`7-、二´、,.| /// |   /       攻
           lT´ {  /  /  ト、 |::| /// /  /    !!!!!
          l´ ヽ、 > ー    ,/ |ニ.ノ-' / / _       撃
              i``` 、/ }    ',,,..'  |-'´,- '´     ̄/ ヽ∧  ____
           \/ ' \_  `´ノ7l´      /    //  
         / ̄ |      ̄ ̄/ ノ L___/         
        /   ヽ      /`ー´     /l                

                 __
           .   ァ  -‐‐- 、`丶、
           ´_,ノ´ -‐==ミ、 \ 、 ヽ、
       /   /   -‐rf≠ミミ、   } }  、
, -‐‐…ァ′  イ   ⌒ ≧込}、}ルレ' /∠厶
     {  //         -‐ ´  {=≠=ミミ、
      \{´     / __r'    〉ト弋}  }        ふぅはははははははぁぁぁぁぁっ!
  -‐‐-   、   //, -‐   ー / ハ`ーイ        こぉの、愚か者めがぁぁぁぁぁっ!
      `ヽ}〉 { / 厶-‐─‐‐- 、 ⌒ヽ   }        
          ∨/{ |iル'´ ̄ ̄ ̄`丶\ i   ,         信繁ぇ、お前のぉ出番だぁぁぁぁぁっ!
         }′ {|K⌒ヽ、_   〉 〉} | 厶_         存分に、働くがよいわぁぁぁぁっ!!
        .イ    |ト、_    `ヽくイ / /  _≧x
`ヽ     / ノ   ヽー‐-- 、__  ヽ/ / / /    `ヽ
  マニア─く/{,ィ,イ_ >ァ=≠ミ≧′ / //        ',
   }/ }.イ } / { {′ ( ̄/{ ‐-ト、 rfイ  { {
  /  /: | j { | /    ヽ{ \_j ヽi }  从         }
  .'  /: :/ /⌒Y´{    ‐┘  _ノ   从_/⌒ヽ     /`丶、
イ  /: :/ /⌒Y⌒1  _  -‐‐- _  ノ个: :{  {  }   / . -=ミ、
:ノ , ' : / /   l  └≦三三三三≧、  |: : :|  トi ト-  /       ヽ
/: : / /     }       `ヽ、     斗: : |  |:| |   /        }

 挑発に怒り狂った秀忠は、上田城に攻め寄せた。
しかし…。

262 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:26:12.26 ID:PNwwhwEo
口調wwwwww

263 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:26:59.61 ID:CwBQjx20
        /:..:.:.:.:.: .:.:.:.:./:. :.:./:.:.:. :.:./:. :.:. /.:.:.:.:.{ ヽ:.:.:.:.:.:.:.
       .':.:.:.:.:.:.|: .:.:/:.: .:./:. .:.:./i:.:.: .:. ./:.:.:.:.:.:.ヽ、 ヽ:.:.:.:.:.
        l.:.:.:.:.:.:.l :. .:.l:.:.:.:./ :.:.///l:.:. :. /:.:.:.:./:.:.:.∧ \:.:.
         |.:.:.:.l.:.:.|:.:. .:.|.:.:./:.:.∠_//_.|:.:.:./.:.:./ /:./ヽ:.ヽ }:.:
       ,':l:.:.l^l:.:.l:.|.: l:/イ<ヽ、/‐、|:.:.:.レ'´/:/l  |.:.:.|  |:.:
      /:.|:.:.}}|.:.|:.|.:.:.|、{rf夊仏\|:.:./rフ´/_.|  {:.::.|  |/
.     /:./|:.:.| l.:.l:.|.ト:.'. ̄¬‐┴ヽ',:.//‐´ \_/  ヽ_l
     // }:.l:ヽrヽl:.l:.ヽ:ヽ      ヽ, ,}\       ヽ      ふははははっ!
   /´  .':.ハ.:.{=l:.'.:.ヽ:.',-\     {_ ̄ ̄ ̄ヽ      ',    これで条件は全てクリアされた!
        /:/ }:.:|FT〕、:.\        ヽ ̄ヽ        l        
       // /|:.:l|{≡}|ヽ-、\ 、__ _  / .|  | ',
      /´   l:.|}:|f i:|. \    ___ ¨ヽ {  l ',
          /´l:ハヽヽ、 \    ¨   `才:.ハ
          ノ _}:.:|\\ \   , ' ´/:.:./ /,ヽ
           }二二匁≡⊃><ヲ‐≠ォ{! ./´  \
          /:∧: : / /: :  ̄7 / ̄ ̄l ヽ     _〉___
           /: ∨: :/ /: : : : :/ /-、〈〉/     __|____
_____ / 《〈〉》 l { : : : : { {^}} }{}ヽ_   |_____
: : : : : : : : : : : : :.≧≦ / /: : : : : | |: :巛r: : : 卜-'|: : : : : : : : : :
                真田信繁
             (俗に言う真田幸村)

264 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:27:59.70 ID:CwBQjx20
               \::::::::::::ヽ                 /::::::::::::::::::::/
                 \:::::::::ヽ                   /::::::::::::::::::/           ,
  ,                ヽ:::::::::ヽ                 /:::::::::::::::/       , ,....イ´::::〉
 \\、              ヽ::::::::ヽ                /::::::::::::/    ,...ィイ´ll、_::::<´
   \::`lへ,,‐-,、_            ヾ::::::::l        ,、    /::::::::::/  , -‐´´  ll | /l  `>'
   /ノll ll ll  ``‐-、      ヾ::::::l ,、  ,へ  ll\  /::::::::/, -´    , -┴ ┴'
   `´ └┴┴、_   ``‐-、   ヾ:::V::ll /´T`\ll:::::::〉/:::::/´´ _, -‐ ´
              ̄``‐-、_ ``‐-、ヾ::::::::ゝ\ l  //::::/::::/ _, -‐´
                   ``‐、 ヾ::::::、:ヾ⊂ノノ:/:::/´‐´ 
                      `` \::\::........:::::::イ ´     ゆけっ、我が「黒の十勇士(仮名)」よッ!!
                           l``┐ィ ´´ /
                         l  lll   /
                             |  lll   l←甲冑着用
                         l  lll   l
                              / lll   /
                        / 川  /
                             / ノヘヽ へ
                       / // ヽヽ |  \
                        _ -┤//  ヽl l    \
               , -‐ ´    |l l ∩ ll |       ヽ、
           , - ´           l ll  l.| ll |         ヽ、
      _ -‐ ´                 l ll  l| ll |            ヽ、
,  -‐ ´                       l ll  | ll |               ヽ、
                        l ll l ll |                  ヽ、

266 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:29:14.84 ID:CwBQjx20
      \\ \\                  イエス!ユア・ハイネス!!                   // //
         \\  \\             オールハイル・サナーダ!!                 // //
          __           __           __           __         
    _,―ヽ / /      _,―ヽ / /      _,―ヽ / /      _,―ヽ / /     _,―ヽ / / ̄ ̄ヽ__/i
   /三ニニ=\/ニニ  /三ニニ=\/ニニ  /三ニニ=\/ニニ /三ニニ=\/ニニ  /三ニニ=\/ニニヽ_/
.  |く  く ̄ ̄`      |く  く ̄ ̄`       |く  く ̄ ̄`      |く  く ̄ ̄`      |く  く ̄ ̄`   ̄ ヽ ニ/
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 秀忠軍に対し、準備万端の真田勢は、散々に秀忠軍を打ち負かし、これを撃退した。

267 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:29:54.26 ID:59iJ4jQo
黒の十勇士wwww

268 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:30:17.36 ID:/o4LNPUo
みかん星人wwwwww

269 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:30:21.62 ID:59iJ4jQo
軍団までwwwwww/dd>
270 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:30:48.20 ID:CwBQjx20
  \         /_ /     ヽ /   } レ,'        / ̄ ̄ ̄ ̄\
  |`l`ヽ    /ヽ/ <´`ヽ u  ∨ u  i レ'          /
  └l> ̄    !i´-)     |\ `、 ヽ), />/        /  地  ほ  こ
   !´ヽ、   ヽ ( _ U   !、 ヽ。ヽ/,レ,。7´/-┬―┬―┬./  獄  ん  れ
  _|_/;:;:;7ヽ-ヽ、 '')  ""'''`` ‐'"='-'" /    !   !   /   だ.  と  か
   |  |;:;:;:{  U u ̄|| u u  ,..、_ -> /`i   !   !  \   :.  う  ら
   |  |;:;:;:;i\    iヽ、   i {++-`7, /|  i   !   !  <_      の  が
  __i ヽ;:;:;ヽ `、  i   ヽ、  ̄ ̄/ =、_i_  !   !   /
   ヽ ヽ;:;:;:\ `ヽ、i   /,ゝ_/|  i   ̄ヽヽ !  ! ,, -'\
    ヽ、\;:;:;:;:`ー、`ー'´ ̄/;:;ノ  ノ      ヽ| / ,、-''´ \/ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ̄ ̄ ̄            Y´/;:;:;\

 秀忠軍はその後、上田城を攻略せんと奮闘したが、どうにもならなかった。
結果、合流予定日たる九月十日になってようやく断念したものの、
天候の悪化や道の悪環境などによって行軍は遅れに遅れることとなる。

271 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:31:18.55 ID:CwBQjx20
                                   ,、∧ハノ丶人/ヽ'lノi_
                              ノlヽノ) /ヽ'   ) ノ  i フ ̄i_
                           iV!/l .| ! /!./ !,/-‐'ノ ̄ノノ;ノ ノ_
                           l,|.i_ノ /',i/ ノ-'"ノ' l 'ノフミノ)彡 (
                           iv'ノ '、 / ',/"./ . ノ, -‐ー'ヽ`>ニ >
                         .i、 i、| /   Y./ヽ、, '", ;;彡'"二i'⌒ヽ"、二ニゝ
                       、| ` 、ヽ`ミノニヽ/" `゙ー''彡三| lミ、.i_, ゝノノ>   …俺は、
                         _iヽ‐-ヾ、,、 (,,`ヾ       ミ` ` l`''ヽ  `ゝ   戦えればそれでいい。
                  ____ヽ_`_、-,'`;;| `‐-`, '"         ヽノ">ヾ!` \,'"
                  ',` 、  ___ヾ;;__/l,ヾ! i. /,' ./l!        ヽ ' ,   /:.:.:.:.:.:.
                  ', `./ヽ ___|;!'、  '、/;i ."'゚./             `  ヽ  |:.:.:.:.:.:.:.:
                     .', ./ ./`、  ! \.ヽ `:::、               ,'',  .', ,ノ:.:.:.:.:/
                   '/ /   ヽ. ` .゙i/ヽ,_            /::::!   !:.:.:.:.:,':.:.:.:
                    __ヽ,, ' 、-‐、 \  `"'|   ._)     ,,    ./:::::',  ノ:.:.:.:./:.:.:.:
-、,r―、     _ ,,   -‐ '' "`  `  `、 `  ヽ  \_.、 ;:_,,"   /    ./::::::::  ./:.:.:.:./:.:.:.:.:
  .i.(~ `ヾ、''i´ ',  ',  ',     !   !   ! .!  i   / \. `" ̄ヽ_/ /      :::::::::: /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:
.__ .|._ヽ、,  `i  !  .!   !   ノ  " __ノ_'__.ノ. /   `>.-―‐ `''、    .,/ ,-‐、:::,.':.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:
i__iノ'i__'/‐-、.| __' ,, " -‐   '''   " ̄   .\. /   //' , ̄ ̄  ヽ,__,,'/―ー''":.:.:.:ノ:.:.:.:.:.:.:.:
., '"  ー--、|                   ヽ.    //  ヽ    ./:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.,/:.,':.:.:.:.:.:.:.:.:.
゛ _,,,, 、   ,'                    \ ./ ' 、   ',  __, ',,_:.:.:.:.:.:.:.:.:., ":.:.:/:.:.:.:.:.:/
,"   `ヽ、/                        ゛ ̄ ,` 、 .'、/:.:.:.i !:.:.:.,  '":.:.:.:, ':.:.:.:.:.:/
.- -、 /                       ,ノ:: ̄:::::/ l `/:.:.:.:.l !/:.:.:.:.:., '":.:.:.:.:.:.,'
- -ー‐ヽ                         , " ._,,   '" ヾ{二ニ ,,_| -ー '":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ
                               小野次郎右衛門忠明

 ちなみに、この上田城での戦いには、後に柳生新陰流と共に、
江戸時代前半において二大流派のひとつとして名を馳せた一刀流の正統二世、
小野次郎右衛門忠明の姿があった。

279 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:40:07.53 ID:0y7hXO2o
>>271
孤高の乱暴物にぴったりなAAだww

272 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:32:06.28 ID:CwBQjx20
                        //   , "
                      /    ./
                     , "    //
                   , "    ./    ,_,,_,_
                  //    /     /;;;;;;,','`'、    , -、, ‐v‐'"ヽ-ー―ー- 、___ , -―ー- ,
                  /   , "/    /'、',',', !i/彡ヽ,-‐":/::::::, '":::::::::::::::::_::::_:::::::::::::::::::,  '" '"
                   /         i丶`、、'.、~ヽiフ 〉:::/:::/::::/:, -ー-、 '"::::::::!:::::,  '" '" ,
                , ".  //          ヾiヾィ r'フ  ソ//::/:/ .,,,..、`''i-_,::  '" '"  ,  "
           ., "   /            , '"__ヾ'L、__,/:/::/::::ノ:::::,'彡-_ ̄,  '" '"  ,  "  '"
            , "   , "            i/:/, '"ノ、'"‐--、-ー- 、r,-t,'" ̄ '" '"  ,  "  '"
         /  ./             l:/,.,彡ノ―ー  "    " ,,〃" '"  ,  "  '"     ,   ' "
     ,  -‐ ." ヾ ., "             ノ/;;/-‐ ' " -'ニ 、   , '"   ,   "  '"    ,   ' ":::::::::::::::
  ,'" r;-‐'"゙`ー、 ',                 /;;;;;;;:::i_ ノ ,_ -‐',.゙‐'´,   "   '"     ,   'ヽ,:::::::::::::::::::::::::::::
  , ," ̄ _,,. 、 ! ;             ̄-ヽ;;::::::i`'- '"  ' "            ,   ' "\,,/ノ::::::::::::::::::::::::::::
 ,' ,彡'" ̄    ./ ,'   , -‐`,.         ノ:::::,;;ゝ ' "         ,   ' ソ.!、__::::::::::: ̄ヾ、:::::::::::::::::::::::::
  !~( .,,ミv'"7'ソ ; ,, '".i 彡 ;        _,  ' "        ,   ' "::li}≡ニ '," Lフ┐_:::::::::::ヾ==、:::::::::::
/ .;;-‐'' r‐'‐'"   /, ' ,'      _,  ' "           ,   ' ";;ir=[ニニニ彡'/ .! └'L'フ┐:::::::::::::::::ヾo:::::
  ./    .__ ̄`ー_ / , '" _,  ' "        ,   ' "__,/ヾ´ヽ   .|×! .| | ./ ./ヾ\ `  、::::::::::::::::::::::
  ヾ ┐  ノ . ̄ ̄   _,   ' "        ,   ' " , './     \ .\_l×| .l .!/ /   `、 ヽ ', \::::::::::::::::::
 ・∵;'‐'"    _,  ' "        ,   ' /     / /   ヽ、 __  `ヽヽ!Ξ! ノノ/  __ __', .l .',  ヽ,::::::::::::::::
  ”・   _,   ' "         ,   ' "::::,、./     l !___   __二ニニ ノ'^'ヽ,<"ニ二 _ _ i i  .' ,  ヽ::::::::::::::
  _,  ' "       ,   ' "/:::::::::ノ ゝ\   丿 !,,____,,,, -‐ー, '"::::::::::::::`''ー-- 、  ! .l   ヽ   ',/⌒v
. ' "       ,   ' ",  -‐'":::::::::lフ``ー-''7二 ,_ノヾ,____,  -‐''"::::::::::::::::,-v-、__,.-、`'ー-l ノ __ _入,彡ヽ
     ,   ' "  ,/::::::::::::::::::::::::!     〈´>-\i'":::::::::::::::::::::::::::/ ̄`"      l::::::::::::::` ヽ-‐'" ヽ  ! 、
  ,   ' "   , -‐'::::::::::::::::::::::::::::::::`ヾニ 二彡-ー ';;ヽ:::::::::::::::::::___ノ            ヽ,:::::::::::::, - \ ,,_ _ソ  i、
.'"       ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽニニ彡二三ニ;', " ̄ `´             "--、/    \‐-ヽ'"
           ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\"        i                             ヽ ̄

 小野忠明は、この頃、秀忠の剣術指南役として仕えていた。
そして、彼はこの戦いにおいて、「上田七本槍」と称えられる活躍をしたが、
軍紀違反で処罰を受け、信幸の預かりとなる。

 なお、一刀流と小野忠明についてであるが、話すとかなり長くなるので、
説明をするのは、また次の機会とする。

273 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:35:04.09 ID:/o4LNPUo
無敵すぎるwwww

274 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:35:29.12 ID:CwBQjx20
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii\ヽiiiiiiiii/
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii \`─'    
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/  \     
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/    <     
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/       `i   
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/    ___,,,--''' |   
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/,,,,---''''''__,,--'''iiiii |   
    ̄'''''''---iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/ / _.,,-' ̄i  ,-~,iii  .|   
           ̄''''-,,,iiii/ / ノ    i´; -~ii /     もう我慢できません!
,,,----;;;,________      ``i | /  o    ,-、'''ノ ̄|    
 ;;;\-~ `--;`─-;,__;;;`i ハ`ヽ,,____,,-' ̄  |ノ,,--ノ    秀忠さんには後でじっくりとお仕置きするとして、
  ;;;;\~-~: .  o  i`´` ハ,i,,,,,---'''',,--''''|彡 ノ    今は西軍をやっつけましょう!
 ` `---`≡=------─'`i iii `--'''' ̄    |彡)  
\` `ー- i'   ,,,;;;''''''''''´´ `,i´ -、_,,,,,,,,,,   .|,彡`i 
  \` ー\        (,-、,;-' _,━.、`l  . |,彡|  
   \`---\   ,,-''  ,━━'"" ,-''''┃ i  .|,彡
,_____ミ .\`---.\  ヽ .┃`''''' ̄ ̄,--、┃ ,  |彡|  
   ヽ  \`----\\  \= i ⌒ i  i=┃ | /彡|  /⌒レ^ii~ヽ 
ヽ.__`ヽ \`----\` \\=i,,,,,,--.i=:/  / /| /       `ヽ  ∩
 ヽ     `ヽ \`三三\   `━━'''"" ,,,i/ .| /          |  / `--
  `丶___ ̄ ̄ ̄ ̄,'''''''''''''''─--'''""""   |/           | /
          ̄ ̄ ̄ ̄              |           |/ 

 さて、話は戻る。
九月十四日、予定日を過ぎても来ない秀忠に業を煮やし、家康は美濃へ軍を進めた。
それに応じて西軍も軍を進めたので、東軍は更にそれに合わせて軍を進めた。

 両軍の目指す先、そこは関ヶ原であった。

275 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:36:09.14 ID:CwBQjx20
 そして、大垣北西の赤坂、この途中にある虚空蔵山と南禅寺山の間、余地越において、
西軍の布陣を一心に見つめる家康に対し、ひとつの影がそばに寄った。

         / ̄ ̄\   
       /    \ /\
       |   ( ●)(●)      …殿!
       |     (__人__)     御下命の件、無事、果たし終えました。
         |     ` ⌒´ノ     お役目を果たした方々一同共々、皆、ここに控えております!
         |         }
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(  
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

             ,-,ii|||||||||||||||||ii、‐、
  ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,_/ i|||||||||||||||||||||||||i ヽ_,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
   ゛゛llll||||||||||/ ' i||||||  |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||llll"""
       ゛lll/   |||||||  ||||||||||||||||||    ,llll"""
         \   l|||||||||||||||||||||||||||l   /  
         彡   ゛ll||||||||||||||||||ll"   ミ      ホホホ…よくやりましたね宗矩。
         \_      ゛゛Y"""     __ノ     さあ、みなさん!明日からの戦、勝ちますよ!!
           | ]下ミ─-。、_|_, 。-―テ「 [ l    
           ゝ_,. lミミi=´<_,.`=i=ヲ 、__ノ   
                 ヽlミ| 「‐、=ラ7 |ヲ'´       
_______  , へ ノ`i=、_ 二 _,=iゝ、_,へ、  _ ______
i    i    i  ̄| |――-\ ̄∠-――| | ̄ i    i    i

 こうして役目を果たした宗矩は、近隣の豪族の代表たちと共に、家康の前に帰参した。

276 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:37:47.64 ID:CwBQjx20
 この下りについては、『東照宮御実記付録』によると、

             ____
             /ヽ_//
            /  /  /      
            /  /  /
           /  /  /      
           /  /  /
          /  /  /
           ̄ ̄ ̄

 『柳生又右衛門近よりて、
  此度御意めでたし、いづれもこれにさぶらうと申せば、
  はじめて御心づかれ、おのおの大儀に思しめさる』

 とある。
おそらく、家康は後ろに並ぶ者たちを見て、
自分が命じた使命が果たされたことを確信し、満足したのではないか、と思われる。
(近習が戻ってきたので、単に声をかけただけ、という可能性も
 ゼロではありませんが、そんなのは流石にいちいち記録に残さないでしょうし、
 その場合、先に石舟斎に出した書状が意味不明になるため)

 なお、この後の宗矩については特に記録はないため、
おそらく、家康の近習(=護衛)に戻ったと思われる。

277 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:38:40.74 ID:CwBQjx20
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 こうして、宗矩が戻った十四日の翌朝、
即ち、慶安五年(1600)九月十五日午前八時、関が原の霧が晴れた後、最初の銃声が鳴り響き、
こうして、日本史上に残る大決戦であるところの「関ヶ原の戦い」が始まったのであった。

278 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:39:00.86 ID:CwBQjx20
  に二二二丶、{ー'",ヽ、_        ̄`"ー<ファ-,、_/〃 / /  `ヽ     / l   {
  {,..----―-、ヽ `ー'---、\            ̄~"7/\/ /,,.. -、 - ヽ  /// ,. r┴- /
  `ー--rー-、 ` _   ヽ   ヽ.             {、、i '',二   ゝ ,、| - く (/ / , フー'
     `丶、 `ヽ  ----、  }、            l r。、! l,,-。< ネ;くリ    (ノ//\ ̄    我こそは島左近勝猛!
       {ミ}`丶、    ヽ |`\           ,! ~l l、ヾ ´ , | ヾ    ゞー'"   \/    又の名を、東西南北中央不敗!
        {ミ}   `ヽ     ヽ;;;l\        ,r-'/ l (ヽ-へ、ヽ ノ ト lゝ     |   /      スーパーアジアよッ!!
        「~\   |ヽ     ヽ| ヽ   _rー= ヽl ! 二 ̄ノ/ リノリ     l| /         
        l  ヾヽ |`     |   ト、/_     ̄`ー'ー'"┴┼――┐   l/        喰らえい!超級!覇王!電影弾ーッッ!!
        ヽト、 \  |     |   | \、  ̄ヽ    \     ̄~|  」   ヽ
          \ヽ}  |     |     |   |l ヽ   \        6==9  ヽ
              |    /    /  | ヽ 、  \        6==9  }
                ト、  /    /    |l   \`ヽ、 \        |  |  /\
               ヽヽ/   /     |l ヽ   \  \       | | /  \

    l i! レl    .-''´   _. -‐'' "´ ̄``''‐- 、
    l ll  |     _.. -''´_. -‐''"´ ̄`¨''ー-く_`く. /
.    l l! /   _.-く_r-'"´、 l 〃 _=''"´`::::::.ヽノV      /
     ! l/ . <`ーく丿-=、ヽl 《、=ラiッ―、_..:::::::ヽハ   r┴…
    l l.イ  `‐、_`ヽ_,-ゥヽlニ、` - ニニ-‐..::::::::.lレl  └r┐ |
      i:    .l  {、`ニ^l ::::.      ..:ミ::::::::{ |  .r┴' |    戦場よ!
        i:    .l ::l    l :::::::.     ..:.:ミ:::::::lレl └r┐.l
.       i:    .l ::::'、  ノ:::::;;;;;:.    ..:..:::::::::l{ |  r┴' L-   私は帰ってきた!!
       ',    .l ::::::、 `ー'´'"  _ 、 ..:::::::::lL」l  `┬‐'´
       、     l :::::;;;、 ヽr''_´. -‐ヘ.`、:::::::::〃    |
        、   /::::::;;;;;ハ  `l , --‐‐〉:l::::/       L__.-‐
         ヽ、/;;;;;;;;;;/;;;;}__ヒ'ニ二ン..:/      /く_..-‐
          /      //`r…==r'´     /ヘ/
                 大谷刑部吉継

 島左近・大谷刑部の奮闘により、序盤の戦いは西軍有利に進んでいた。

281 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:40:40.44 ID:CwBQjx20
  :::::::::::; ; ;へヽ:::::::::::::::::::::::/ノ-、ヽ:::::::::::::::::::
  ::::::::<へ;';;;;;;;;\゙ヽ:::::::::::::彡' -、゙i`、:::::::::::::::
  :::lヽ`ヽ;;;;;;;;j `ヽ "''へ:::::<¨゙l_i i:::::::::::::::
   ::', ヾi,;;;;;;;;'__,.'      ゙=" r' ノ─-、
   、ヽ ,;;;;;;'/  Y  ,.       ー'    ヽ    あそこに見える島左近かッ!!
   \ ,;;;;;;;<リi / /         ヽ     /      おおおおおッッ!!
   \、;;;;;;イl゙`Y'´           ヽ  /ニ       震えるぞハート!燃え尽きるほどヒート!!
   彡`=' ノi/¨゙''ー-           ∨三、        刻むぞ血液のビートッッ!!
      ̄^i l  ,.、            /ミ、/     
       l l ,.' ,..ヽ   __      /ミ、/      「山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)ッッ!!」
        l ./;;;ノ , '/、,.゙i     /ヽ、/
        ー"'´ く_ノ-v' /  ,  /ミ、/
              `ソ  ,.' ,'ミ、/
              ヽ-'i  iヘ./
                 ヽ._ト、,'
                   lニi
             黒田長政

............................................'       .__   
..........................................;'_,,.   .,ィ''''"ー'- 、て  
.::' ..........: '",''--,、......:'  llヽ / ,.、 l!  l .lヽ そ
 /.....:'   / l '::'  l l l/}ミ 、 ヽ、__,,.-iノo、             / ̄
./;.....'  /    ;   l llヾl '~ 。、,__/ `9o     _,,. -―ー/ア'        
 ...' ,/         l ll l lィー、' l_ ゚'/l -ー'''ー-y'''"      l        ぐわッ!?
、: ̄           l ll lリヾニフテ'、 l     /        l          な、なにィッ!?
ヽ            / l llヽ `ーi'ノl ヽ! ヽ  /           __      この島左近に傷をッ!?
 \         ,/ /;'/二o ̄l      ヽ  /     _,. ー'
   `丶 、_,,... -''"/  // l ̄P        ヽ,./―--ー''"
        `ー/  /  l l   _     l   8
        / //ヽ  / / ―  ―  ―'/    8
      /  ///  ―〉 〉  ̄       l      9o
    /   / /   ― l l         l        ∞∞∞ .リ
  /   /l        l l         l             9ゝ
 ̄__/   l       l l        /

 しかし、黒田長政の攻撃により、島左近が負傷。
これにより西軍の士気は下がり、当初の勢いは衰えたものの、
それでもなお、一進一退の戦いが続いた。

282 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:43:25.76 ID:CwBQjx20
              /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\        \
             /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ        ノ   そ し で
            /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::冫       \
           /_,,,,,,_::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニヽ--,,,,,,,___ノ  こ て か
 ゙゙̄─ヽ,,,、    /    ゙ヽ、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   ̄ヽ-、
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:::::::::::::::::::::::::::::::::|       .ヘ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      ,|''"::::::::::::\
:::::::::::::::::::::::::::::::::|  l   | l  ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/       |::::::::::::::::::::::\  で ら ツ
:::::::::::::::::::::::::::::::::|///|// | |  \::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   ヽ/   |::::::::::::::::::::::::::::ヽ
:::::::::::::::::::::::::::::::::|///|/  | ゙、   ゙''ヽ、::::::::::::::::::::::::,.,.イ  ,l  ヽ|ゝ  /::::::::::::::::::::::::::::::::)だ れ ラ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|///|  /,-、\     ゙""''''''''''''"~〃  / 〈   |  /:::::::::::::::::::::::::::::<
::::::::::::::::::::::::::::::::∧〃l __ ヽ    、    |   彡 /-‐、   ゝ /゙ヽ,、:::::::::::::::::::::::::::::>!!! る を
::::::::::::::::::::::::/|ll |ヽ \  ゙'''ヽ、    \  |  /ミ/" ,.,.-‐─,  /   ゙'ヽ::::::::::::::::::::::\
::::::::::::::::::::〈、   ヽ,゙、  \    ゙ヽ、  ヽ、   /   ,.‐''"   / /    //:::::::::::::::::::::::< の
:::::::::::::::::::::゙ヘ     ゙、  \      \  ヾ |l// /     /ミ"/    ,//::::::::::::::::::::::::::::/
:::::::::::::::::::::::゙ヘ     ヽ  \    ○ \ | |,/"/○ ___.ノ      // \::::::::::::::::/  も
:::::::::::::::::::::/、ゝ,        メ──---ゝ、」-‐ニ二 ̄‐ヽ   // __/    ゙"''ヽ:/
::::::::::::::/   ヽ-、,,,,,,,ヽ、  -十 ̄ ̄""''‐_'ミ‐/ ニ"   ,,,|;;;;  /‐'''"ミ/       /
:::::/  ////   ヽ、 ゙゙゙゙、   |   , ,-、 く、__,,>_,,=、 、 ;;;|;;;  / ;; / ─-,,,,,_  / ,--‐''" ̄
'"  ////'''""   \ \、 ::::|::::: l┃-、二━二,イ┃/ |   /''"/      /‐、       /
   // ,-‐''"    ゙ヽ、. ゙、;:;:;:;|;:;:;:.|┃    ̄   ┃|  |  / / ,.,.-----,.,.,.,.,.__  \\ヽ─
   ,‐'''",.,.----───- ゙''ヽ、;:|;:;: |┃ニ,‐┬‐ニ┃l;:;:;| /'"  "              \
,/-‐''"~             \   ┃フ  l  =┃:::;;;/                     \
/        彡彡ミミ      \ ,┃┤   |┃ /      ///;:;;;;;; 
         ///ヾゞ,,,,,      \ヽニ──_ノ /ミ       /;;;;;;;             / 
ヽ     、、、  ノ//////,,,,,,,     \二二二/ヽ       //;;;/            /
 \        ;;;;;;'''''"       ::'''''"   :::::::"                

 情勢が進まないのに苛立った家康は、
正午、かねてより通じていた小早川秀秋へ、攻撃の合図を送った。

283 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:46:06.19 ID:CwBQjx20

                                               ,-‐''''""''''ヽ、
                                              /:::::::::::::::::::::::::::゙ヽ
                                            / |:::::::::::::::::::::::::::::::::::゙,
                                           /  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::_|
                                            |  \:::::::::::::::::::::,-'""/
                                      _  /||\  ‐---‐''"/,  /
                                    /:::::::::::::ヽ、lヽo | /,/─ /ヘl /
                                ,-── ̄\:::::::::::::::| /ヽ'/レoニ=‐/ ヽ   さあ!
                 | /          _,,,,,/、,,-‐─'''ヽ、 ヽ--- || /ヽ-、 / /, //、   これが合図の鉄砲ですよッ!
                | /  /     /   \\     \,,,,,,  \l二/ ,/ / ̄ ヽ:::::\
             \  | /  /    //   ̄   |l     /    ̄  ̄二ニ/ =| \:;ノ    
              \,,|丿‐''"ニ,,-‐''''''""'ヽヽ    /、,,,,,-‐l" \             |ヽ/
            \丿   / / /,-''''" ̄ /ノl   /    \   \____/__    ./ ||
           \ノ    __,ゝ‐'",--、-、  /'''""'''"      / \__/::::::::::::::::::::::/'''‐/   | |
           ,,,,ノ   ヽ‐‐'''"""二"_/           /、    |::::::::::::::::::/、 /|   / /_
       ,,-‐'''"~  ,,,      ゝ             /ヽヽ   |::::::::::::/,,/   ヽ /,‐'''\
  ,,,-‐'''''"~  ,,,-‐'''"// /、,,,、ヽ‐\            /   |    >‐"/      |  |
‐''"   ,,,,-‐''"     ///  ヽ|ヽ \       ,,,-‐''"~          /       ヽ_ |
  ,,,,-‐'"         /      |        ,.‐'''""~          ,-'"ゝ、         ─''''"
''~            /      ヽ     /   /      _,,,,/-‐、   \
                        /   /    /  /'''"''ヽ、   ヽ    \──--,,,,,,
                        /  /     /  /\,,, ,,,ノヽ、  \    |    l  ゙''ヽ
                    ,,,-‐‐/ ''ヽ _,,,,,/ /   \‐''"  \  \    |  /      |
                  / ヽ ヽ  / ,-─'''"~       ゙''ヽ 、 "''''   ゙゙'''/)

 秀秋の陣の方向に向けて、鉄砲を斉射したのである。
これはかねてよりの合図だったとも、小早川秀秋を本当に脅すつもりだったとも
諸説色々あるが、ここでは合図説を採る。
(尤も、この柳生話では別にどちらでも変わらないのだが)

285 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:47:23.57 ID:CwBQjx20
             ,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐''゙ヽ、.、_
          _,r'_,,............     ゙''゙'=iヽ、
          _r'"            |:| ゙,i゙i
       _r‐''"        :、      ゙i | ゙t   
      | ,r    ,      ゙i,r'゙i     | "  ゙ヽ .      家康からの合図だな!
      ノr'  ,,r,r'r",r    ,rj:|,ri ゙i         |      よし、お前たち、我らが敵は西軍だ!
   r;;:ニ,,r::::::...:::i"r'::    i ,!;;゙y',r、 i    、    /| ,!|    攻めよ!
  ,,;‐'":::::::::::::::|/i::::   /| | ゙"~`ー、゙    ヽ   ,k",!
  "''ニ=:::::::::::::|!:|::: / i、、| !、  ,  ゙i  |::  |   " ヽ
   '" `ヽ,:::::::::|:::!:::l::.. it:ッ|!、i i"_,.:ュ ! ! /ri    ,r
      ゙j_:::::::::::ヽ_゙i::.| ~!, |  `ヾ'┤/  / i'ノ..::::::/
       ヽ___,r  ヽ. !  ,.!、    ,!ノ,!::,r'ノ:::::''''~/
       -='___,rj ,r゙i゙ ヽ-  ,.r',r',:,r':::::、tー‐"
           ,,r'"~゙j、 ゙こ''' ,,r''/',r、i~i,~
    __,--,r'",;;;;;;;;| |.':、  _,,r'"  ,r',!;;;: ゙i,
 ̄''''"~ -''''"/ ;;;;;;;;/r'"~~゙''''"ヽ, r'" "'"  ゙i
            小早川秀秋

    /\___/ヽ
   /''''''   '''''':::::::\
  . |(●),   、(●)、.:|  十
  |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|      ははっ!
.   |   `-=ニ=- ' .:::::::|  +  (西軍だと…?東軍ではないのか?
   \  `ニニ´  .:::::/      しかし…これなら宗矩たちとは戦わずに済む!
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.     存分に働けるのう!)
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i |
    >   ヽ. ハ  |   ||
    柳生五郎右衛門宗章

 合図を受けた秀秋は、一斉に西軍・大谷軍へ攻撃をしかけた。
この時、小早川秀秋に仕えていた石舟斎四男・宗章も
攻撃に加わっていたのではないかと思われる。

286 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:48:35.23 ID:CwBQjx20
                    ..-―、    ,、
                    (.i>;:;:.゙ー .''"....ゝ _,,..
            ,!- . ‐''''、__.;:_./   ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;".、
          _,,,、`   ', .,...." .゙‐'-、:    、.'''' ;:;:;:;:;:;.;ー―'―
             ヽ  . _, ,i'゙'" ,,_,!二ー'i ゙',  ̄  .;:;: .',゙'-,;:;:: 、   フ    「攻撃しにきました」
          / ;: ´ l ./  l゛  ゙!゙、l_   ;:  .', \.',.ゝ./
          /゛;:;:    ! .゙、 .ーヽ.. ..,゙゙,i,゙│  _,,....、  , '"丶`''゙.l
      /   ;:;:;:   i".、.゙'‐ゝ´    ゙/.'''゙´..;:: / / ;:;:.,i′  l、
      / ;:. .;:;:;:.,i‐'"  `'''‐,     i : . ―‐''.!.-''イ;:../_. ..,, ゝ,'' 、
    i"    ;:;:;:;:;::\: ::: ::.;:;:./ ..,  _,,/  !;:;:;: ! lヽ ヾ../ ;:;:;:;:..ニヽ、
    ,i′   .;:;:;:;:;:;:;:..l  ,'.;:;:ゝ-,';:゛   .´;:;:;:;:;::.l │ヽ ヽ.;:;:;,:.....、;:;:ヽ
   /  ,./ ''- ..,,,,:./゙,' | .|;:;:;:;:、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::.゙‐.;:;:;:ヽ ノ;./   .`'-../
  / ./       .', ;一:.;:;:./.!;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::_,,-".`゙',,__..-‐゛
. ".'"            ゙     ゛  ――ー'''"゛

                         /\___/ヽ
    〃ニ;;::`lヽ,,_           ≡  /''''''   '''''':::::::\ 
    〈 (lll!! テ-;;;;゙fn    __,,--、_  ..  . |(●),   、(●)、.:| + ≡
   /ヽ-〃;;;;;;;llllll7,,__/"  \三=ー |   ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|     ≡  
   >、/:::/<;;;lllメ   \ヾ、  ヽTf=ヽ`   `-=ニ=- ' .:::::::| +
  j,, ヾて)r=- | ヾ:   :ヽ;;:     | l |  l \  `ニニ´  .:::::/     +  ≡  「くらえっ!」
 ,イ ヽ二)l(_,>" l|    ::\;::    | |  |  ヽ,,-‐、i'  / V
 i、ヽ--イll"/ ,, ,//,,    :;;   l //  l く> /::l"'i::lll1-=:::: ̄\
 ヾ==:"::^::;;:::/;;;;;;;;;:::::::::::::: :::::ゞ ノ/   L/〈:::t_イ::/ll|─-== ヾ
  \__::::::::/::::::::::::_;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ   ヘ   >(゙ )l:::l-┴ヾ、ヽ  )
      ̄~~ ̄ ̄/ :::|T==--:::::  //  / ト=-|:|-─ ( l   /
         / ::  ::l l::::::::::::::::::/ /:::::::::::/:::::(ヽ--─  / |  /
         ヽ_=--"⌒ ゙゙̄ヾ:/ /:::::::/:::::::::`<==-- ノ / /
         /   /   \/::::::::::::::::::::::::::::: ̄'''"":://
        /   /     :::: ヾ::::::::::::::::::::::::::::べ__;;;--

 小早川の軍は、大谷刑部の軍に襲い掛かった。

287 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:49:19.38 ID:CwBQjx20
                       l    ''i, l  .l    i'  .l l  .;
                       l     i, .l  l.i    l   l l  il
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.,__'‐.、  ,,,rt-ノ;,i,,,~''‐- 、_         l         ゚‐、     .l  /
= ~ .゙'' ゙-、_X_/ `~゙''i;;,、,~゙''‐- 、__    l          ゙‐、   ,r' r'
- 、  ,.,..,.,./  'i,~゙ ゙ '' ' ‐--ニ=、  ~ツ-.、 '            \  ゙i, l
  ゙'‐-、./ '‐- l -- ‐'' ゙ ゙ " ゙ ツ ,.,rノ   ゙‐、            .\ .i_ l
. ,,,,_,.,.,.,. `゙'-、,.,lr''゙ ̄~~゙"゙゙ツ:' .゙~ ミ '‐-;:;:;: '゙-、            \ i゙
-' ,r‐- ゙‐"~-‐-‐\~,ニ, ''゙~ ̄~~~゙' ゙,.‐、-‐‐- ゙'-、            l::      小早川秀秋!
=ニ       ,  ,.,ヽ,r‐-‐'' ゙ ~'-''゙/ ゚,:    l:l゙'-、           l,       この獅子身中の虫め!
゙ ̄ ̄~゙ -;:;;:,:;,r''゙~,r.''゙  _.,r   / , r゙  ゚   l:.l  .\,,         l,      
. ,'r'ィ''゙r'.゙, r ' ゙ ,.,.ィr ' ゙  ,.,.. -''゙./;       l; l、 : .。 ゙'- 、_       i
.r'' / ,i゙~ ,r,.r ''゙ / ,r,r''゙  ,,,r''゙  ' - 、     .l;.iヽ l l'、  l ゙'‐、     l,
   / r''゙ ,.,r-''゙ ,r'ィ  ,;,:r''''   / ~ ゙ '゙‐-、   l l, i ゙l, ゙l,ヽ、i,  ~'ソ- 、  l,
  /,ィ ,r''゙  ,.r'゙,r',/'゙     ゙ニ, ̄~'- 、    ゙'=;、 .i  l .l i゙  /   ゙'‐,!
  .i/ /   /,r''゙ ~ ,.,r‐‐--、    ゙'-、~''-ニニ'- - ノ l  l .l.l  /
 l ,i゙  / / ,r''゙~゙''‐、   ~゙''‐- 、  ~゙''‐-‐ ''" ~,ィ ,l ..l  i, /
 l l  /,i'゙ ,r''゙     ~゙''‐- 、   ~゙''‐ - - ‐ '' ゙/ / / '' '' /
 l 'i i'/  /           ~ ゙ '' ‐ -- - ‐'' ゙ツ / /  /

 兵力差で10倍(小早川:10000~15000、大谷:1000~1500)という
この襲撃に対し、大谷軍は獅子奮迅の働きで
小早川軍が西軍全体に襲い掛かるのを押しとどめたという。

288 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:49:41.50 ID:CwBQjx20
          , -‐''"´ ̄ ̄`゛` ‐-、
         r、/,,,__,_//,,,,,,,,/,,   ゛ヽ
         l       // /  ゛ヽ          もはや…是非もなし!
         ヽ      〈//     !         
         〈r,,ィ-‐‐ー  \ 「⌒ヽ |_          よいか。一人でも突破し、大坂へ辿り着くのだ!
         /゛.'-'-‐‐`   〉 |..♭)l | ゛ヽ、     我々の真実の戦いを、後の世に伝えるために!
        く_.  ヽ     ||.イ / \ ヽ     ジーク・豊臣!
         ヽ        | | レ´|l /〉  〉
          ヽー     /|| ト、|l / |     …どぅううううおおああぁぁぁッッ!!
           iヽ   / |L/|/λノ/|/
           ` ‐イ  /|/l  ,λ,/_/_,-‐'" ̄゛`‐
            ,/⊥/ _/  /  /
            | Y |/  //  |
           人 ⊥― ̄/ /

 しかし、更に裏切りが続発する中、遂に限界に達し、大谷軍は崩壊。
結果、刑部は部下を逃がした後、自刃した。

289 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:50:11.55 ID:CwBQjx20
        _、-''"´ ̄ ̄¨''ー、
      、-'"          `ヽ.
    /              ゙ヽ
    /                ゙i
    |                  |
   /         ,         |      なにッ、吉継がッ!?
   !、 i  ,       i     __ ,!      …わかった、左近よ、お前は行け。
     〉、∠  __   }!   ,ィ二, レ′    わしの屍を乗り越えてッ!!
   〈`_ヲ ≡≦≡=-  '"   メ-ュ リ
    ∨/  ` 二゙- ""    ,>ノ イ
    l!'_,,≧:    ,、-''   ィ゙_,、イ「゙i
    「「ミ`ニーミ、  |     「   /l! ゙i
    | !``ー ヽヾ ノ    ノ ,/ィリ |
     j ヒヘ、_,..} ゙Y  _、-" 、イ f./  ト、
    !タ_,N"lii;, _ノ-''"_、-''" ノ/   |. \
   /  |.ト-三ニ=_,ニ"  :='/     .|  ヽ、
   /  ,'|.| 「 ナ'ニニィ゙   ,/       |    `
     ' |.| レ'__二フ′ ィ'          |

          ,. ‐==:┬┬ .、
          ,イミ∠⌒ヽ_⊥∠}
        /三V >、 、,  j.
        r=三〈  `ー゚` l L..=〉
       ,仆、j川    ._| 「゚-j      三成様!何を仰る!
       ,tノ`i | |l  仁二`-' 、/     勝敗は武家の習い!
   _   tノ リ| | |    ー- `"ハ     この程度で気落ちしてもらっては困りますぞ!
ー-< `ー- 、 ,/レ'^_:、j    } /l_j.
ヽ、.:\: : :  ̄`ー二_ `rー-r┘
‐- 、.:..:.:.:.:.:ー-.:.:.:.  ` ┴-、|7
 r‐―‐ 、.::.:.:.:ヽ       `ー¬
/   r一爿.:.:.:.  \ ー‐- .__」_
ヽ/ r―┴ 、.:.:.:... `ー        \ _
.(_,>人__,.―^ー-、__,..  _.. > 、___,.... - ヽ

 大谷軍の崩壊と、それに伴う東軍勢の勢いの増加により、戦況は完全に東軍側に傾いた。
三成も、親友・大谷刑部吉継の死と、戦況の悪化にショックを受け、
ここで討ち死にすることを覚悟した。

290 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:50:35.92 ID:CwBQjx20
          ,. ‐==:┬┬ .、
          ,イミ∠⌒ヽ_⊥∠}
        /三V >、 、,  j.
        r=三〈  `ー゚` l L..=〉
       ,仆、j川    ._| 「゚-j       さあ、ここはワシが食い止める!
       ,tノ`i | |l  仁二`-' 、/      三成様、あなたは落ち延びて、再び軍を上げられよ!
   _   tノ リ| | |    ー- `"ハ      …行けぃッ!!
ー-< `ー- 、 ,/レ'^_:、j    } /l_j.
ヽ、.:\: : :  ̄`ー二_ `rー-r┘
‐- 、.:..:.:.:.:.:ー-.:.:.:.  ` ┴-、|7
 r‐―‐ 、.::.:.:.:ヽ       `ー¬
/   r一爿.:.:.:.  \ ー‐- .__」_
ヽ/ r―┴ 、.:.:.:... `ー        \ _
.(_,>人__,.―^ー-、__,..  _.. > 、___,.... - ヽ


        _、-''"´ ̄ ̄¨''ー、
      、-'"          `ヽ.
    /              ゙ヽ
    /                ゙i
    |                  |
   /         ,         |     …左近…すまんッッ!!
   !、 i  ,       i     __ ,!
     〉、∠  __   }!   ,ィ二, レ′
   〈`_ヲ ≡≦≡=-  '"   メ-ュ リ
    ∨/  ` 二゙- ""    ,>ノ イ
    l!'_,,≧:    ,、-''   ィ゙_,、イ「゙i
    「「ミ`ニーミ、  |     「   /l! ゙i
    | !``ー ヽヾ ノ    ノ ,/ィリ |
     j ヒヘ、_,..} ゙Y  _、-" 、イ f./  ト、
    !タ_,N"lii;, _ノ-''"_、-''" ノ/   |. \
   /  |.ト-三ニ=_,ニ"  :='/     .|  ヽ、
   /  ,'|.| 「 ナ'ニニィ゙   ,/       |    `
     ' |.| レ'__二フ′ ィ'          |

 島左近は、三成に残った部下をつけて、退却させた。
そして…。

291 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:50:58.81 ID:CwBQjx20
  に二二二丶、{ー'",ヽ、_        ̄`"ー<ファ-,、_/〃 / /  `ヽ     / l   {
  {,..----―-、ヽ `ー'---、\            ̄~"7/\/ /,,.. -、 - ヽ  /// ,. r┴- /
  `ー--rー-、 ` _   ヽ   ヽ.             {、、i '',二   ゝ ,、| - く (/ / , フー'
     `丶、 `ヽ  ----、  }、            l r。、! l,,-。< ネ;くリ    (ノ//\ ̄    …これでよし。
       {ミ}`丶、    ヽ |`\           ,! ~l l、ヾ ´ , | ヾ    ゞー'"   \/   ふむ、あそこに見えるのは、黒田長政か!
        {ミ}   `ヽ     ヽ;;;l\        ,r-'/ l (ヽ-へ、ヽ ノ ト lゝ     |   /    この島左近、最後の相手にちょうどいいわ!!
        「~\   |ヽ     ヽ| ヽ   _rー= ヽl ! 二 ̄ノ/ リノリ     l| /
        l  ヾヽ |`     |   ト、/_     ̄`ー'ー'"┴┼――┐   l/        ……かかれィィィィィィィッッッッ!!!
        ヽト、 \  |     |   | \、  ̄ヽ    \     ̄~|  」   ヽ
          \ヽ}  |     |     |   |l ヽ   \        6==9  ヽ
              |    /    /  | ヽ 、  \        6==9  }
                ト、  /    /    |l   \`ヽ、 \        |  |  /\
               ヽヽ/   /     |l ヽ   \  \       | | /  \


         _,, .. --‐…:'':::::::::::::‐.、__
       ,..::'´:::::::::::::::::/::::::::::::\::::::::::::::::ヽ-、
     j:::::::/:::::::::::/::::::::::::::::::::ノ:::::::::::::::::::)::ハ  i
      /:::::/:::::::::::::::::::::::/:::::::´:::::::;ノ:ノ:::::/:::::::`¨ノ
     ,'::::/::::::/::::::::;::::'":::::::::::::::::::::r-く:;ヘ:::::::::::`:く
.    {::::i::::::/::::::::::::::::/::/::/::::::::::l   }:lノ:::::::::\:::!
     i:::::::::::::::::::/;;;;;;‐-...くノノ jリ _ノ;;/!::l〉:::ノjノ
    〈:::::::::::::::r'!;;/´,.-=ミ、;;;;;ヽ、v;;/,.ヽ l::!/.   ノ┬‐ヽヽ  /
    V´ヽ:::::l レ'   _iイ}    ̄ニ 〈 lン_, レ       ノ  ツ .
      l ,.ヘl:::::l     ̄`   '´,.--〉‐- |
     i ! {〉'´  U         ヽ-'   i     島左近が突撃してきたッ!!
.      \__) :i    し    ,.ィ‐-个i  l    
.       |::::l ::';       / ̄ヽ ̄:::l j
       ';:::l: ::',  U     \---'^レ' /
.      ト、  :::丶、      `¨二´ /
      /´\ \   > 、   '"´  ./
        丶. 丶    >....,_...イ
          \. \    ::::::::::::l

 三成を逃した後、島左近は残兵を率い、黒田長政の軍に突撃した。
その勢いは、まさに死兵の名に相応しいものだったという。

293 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:52:37.63 ID:nObf8x.0
というかこの島左近、どうやったら死ぬんだww

292 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:52:24.69 ID:CwBQjx20
               . -―- .      やったッ!! さすが島左近!
             /       ヽ
          //         ',      おれたちが終生うなされることを
            | { _____  |        平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {              \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`――-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |   `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ
                  黒田家家臣

 たとえば、関が原から何年、何十年経っても、この時、黒田軍にいた武士達は、
夢にまで左近の「かかれぇぃ!かかれぇぇぇぇぃぃっっ!!」という叫び声に
うなされ、怯えたという。

294 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:52:56.04 ID:CwBQjx20
 そして…

::::ヽ、;::;:;:;:;:;:;:;:;:, ...:'´.::::::::::::::`ヽ、.:::::::::::::::   |
;:;:;:::ゝ;::;:;:;:;:;:;/.:::::::::::::::::::::::::::::: \.:::::::::::. i |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.`ヽ、.:::::  l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::|::::::::::::::::::::::::::::::::::、--==`、, ,,,l |
;:;:;:;:;:;:;:;:;:゙;:;:;; |::::::::::::::::::::::::::::'.:::::`..  (/”="_/
;:;:;:;:;:;:;:;:;:  :;: |:::::::::::::::::::::::::::::   `-'´;::"~:. i      (やはり…こうなったか…。
;:;:;:;:;:;:;:;:;:;  ;: |:;:;:::::::::::::::::::::::.   '´.:::::::::::. |      …数馬、お珠をたのむぞ……!
;:;:;:;:;:;:;: ::;  l; |:;:;:,::::::::::::::::::::''   ..::::::::::::::::::.. |       お珠…お前は生きよ!!)
;:;:;:;:;:;:;: ;  |V:;:;:;::::::::::::::::''   ..:::::::::::::::::::::. |  
;:;:!i:;:;:;: '  l:::::;:;:''::::::::::::'....::::::::::::::::::/´::::::::::::. |  
;:;:!i:;::;:;  i |:,:;:;'':::::::::::::::::::''iiilll|l|ll|llll|liiii,,:::::::::. |  
;:;: ;:;:;:;:  /i!::;:;:::::::::::::::::,,iiiiiiillll|ll||ll||ll||l|lllllii-- '´ 
;:;:;:;:;:;:;! /::::::::::::::::::::::::i::::::::::::::::::::::::l゙゙゙゙゙゙゛゛  
..:;:;:;:;:;:i /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::''/     
ヽ:;:;:;:;:!/i,,、:::::::::::::::::::::::::::::::::::.' |   
:::::ヽ;:/i||iiiii,,::::::::::::::::::::::::::::::::::. |

           _  . . . .  _
        ,. : : ´: : : : : : : : : : `: :.、
                 : : : : : : : :ヽ
     / : : . i、 . .. . .         .: : :.
     //{::{::.:ト',:. :::. : : : : : :. : : . .
      {:い∧::ト、V:!:: .: : : : .::::. : : : : : .. ..',    …?
.       { 人l!|` :! .:: : : .:::::::::. : : : : : .:トゝ   (………おとうさま?)
         {  `___//:: : .:::::::::::::. : : .: :.:::
          .  ー/i′:..:/!:::::::::::::.....::∧:′
        ヽ . __!:::.::/ 从:::::::::::::::/ }!
          / /-─ヘト、iル′
           /'厶=≦、  ̄ ̄、ヽ
        __ /     \、  } .}}、
       〃/           \、!〃 ',

 島左近勝猛、黒田軍との戦いにおいて討ち死。
享年60歳。

295 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:53:38.10 ID:4GlZTpso
逝ってしまったか…

296 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:53:49.46 ID:CwBQjx20
         ______ 
       ,;i|||||||||||||||||||||||||||||||ii;、         _/
     /||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;、        \
  / ̄ ̄\||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;゙ヽ,      /
'" ̄ヽ     ヽ!!||||||||||||||||  ||||||||||!!"ヘ     <  
ヽ          ゙!!!||||||||||||  |||||||!!   iヽ── /
|||l            ゙゙ヽ、ll,,‐''''""     | ヽ|||||||||
|||l     ____   ゙l   __   \|||||||||   ホーホッホッホ!!
||!'    /ヽ、     o゙>┴<"o   /\   |'" ̄|
\  /  |ミミヽ──‐'"ノ≡- ゙'──''彡| |、 |   |   見なさい、宗矩!
   ̄|    |ミミミ/" ̄ 、,,/|l ̄"'''ヽ彡|| |、/   / 
 ヽ、l|    |ミミミ|  |、────フヽ |彡l| |/  /_  我が軍の勝利ですよ!!
  \/|l    |ミミミ| \_/ ̄ ̄フ_/  |彡|l/    ̄/
  \ ノ   l|ミミミ|  \二二、_/  |彡|      フ  
    ̄\  l|ミミミ|    ̄ ̄ ̄  |メ/       \
    | \ ヽ\ミヽ    ̄ ̄"'  |/        /
    /  \ヽ、ヾ''''ヽ、_____//       /_
  /  ヽ ゙ヽ─、──────'/|         ̄/
. /       ゙\ \     / / \__
   ───'''" ̄ ̄ ゙゙̄ヽ、__,,/,-'''" ̄   ゙''─

   / ̄ ̄\
 /    \  /
 |    ( ●)(●)     はっ!お味方の大勝利でございます!!
. |     (__人__)       (これで柳生庄は…父上!)
  |     ` ⌒´ノ      
.  |         }
.  ヽ        }       
   ヽ     ノ       
   /    く  \       
   |     \   \        
    |    |ヽ、二⌒)、

 石田三成の逃亡と、島左近の死により、西軍は完全に崩壊した。
こうして、史上名高い「関ヶ原の戦い」は東軍の勝利という形で終わったのである。

297 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:54:26.86 ID:CwBQjx20
/ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽミミ《ii(!!!/ヽ、/ヾ彡彡'三ミミヽノヽ
|  フンッ   |iッ、ヾ!i川( メ彡ミ彡'´,==ヾ巛彡
ゝ、____ノ  `゙''‐=ミヽ/=ヽi|//彡》ミ)、ヾ、メノ
ミミミミミミミミi       ヽ ヾミツ''' ヘ彡ヽ リ/
ミミミ/ ̄ヾツ     ヽ  ヽ   )  |三キ´((ミ、_ノ
ミミ/::::::::::          \ i  |    |、 ヾヽ
ミ/:::::::  ,ァェ三ミミミャ、  ヽ .i l / ri》ミニミャ、、
゙::::::::   '     ヾミッ、,, 丿i::i i ./,ッ彡ノ‐-─、ヽヽ、
::::::::::::    ‐-、__、ヽヾミミ彡ノノ彡'_ノミミミヽ-彡ヾ、
ヽ:::::::::.    ` `‐-',‐`ゝ、゙' /-‐'´)ミミミ=-`´ヽ  ヽ
:::::i-、:::::       ̄ノ  ..:ヽ !ヽ  |  ヾミミヽ
::: |:::::ヽ :::   /´/ ..:::::::_i i ::/ミ==-   …ケッ、しけた戦だぜ…!
:::..ヽ::::__ノ 、       ( `  )/ミヾ))
:ヽ、>´: ! i        ⌒ ''´/ミ<ハ      
:::::::ヽ:::: ヽ      ,/,二ニ'フ/!i|川  リ
::::::::::ヽ:::: )   , =ニ、_'ー-' .i'-‐┴‐-=、_
:::::::::.. ヽ、_ヽ     `ー‐,';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ、
`'ヽ‐:::::  ゙ヽ、:: /ヽ、, /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
;;;;;;;;\     ヽ、;::....  ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i
         宮本武蔵玄信

 余談ではあるが、若き日の宮本武蔵もこの戦に一兵士として参戦していたらしい。
西軍側、東軍側どちらについたかは諸説あって定かではないが、
(最近の史料では東軍側・黒田長政の軍にて参戦していた、とあるが)
この戦いにおいて、特に功績を挙げたという話はない。

 当時17歳。30歳の宗矩とは13歳差になる。
 
※管理人注:この当時の武蔵の名前は「新免武蔵(宮本武蔵玄信)」が正しいそうです。後ほど作者様より訂正がありました。

298 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:55:03.91 ID:59iJ4jQo
武蔵wwwwww

300 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:55:23.25 ID:/o4LNPUo
相手方全滅するんじゃ?ww

301 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:55:36.36 ID:CwBQjx20
                       }k
                       ノ;'l{
                     _ノ;人'、
                }、、__,. -'',r'/p、ヾ、
               ,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
              ,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
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           ,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
           i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
         ,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
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     ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
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    i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{  }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
    ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
    i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
 _r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、

 さて、その後、「謀叛を起こした西軍を征伐した」家康は大坂城西の丸に入り、
勝利者として、今回の戦いにおける敵への処罰と、味方への論功行賞を行った。

302 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:56:07.07 ID:CwBQjx20
        _、-''"´ ̄ ̄¨''ー、
      、-'"          `ヽ.
    /              ゙ヽ
    /                ゙i
    |                  |      意地は…通せんかったか…。
   /         ,         |     
   !、 i  ,       i     __ ,!       …ジーク・豊臣ッ!!
     〉、∠  __   }!   ,ィ二, レ′
   〈`_ヲ ≡≦≡=-  '"   メ-ュ リ
    ∨/  ` 二゙- ""    ,>ノ イ
    l!'_,,≧:    ,、-''   ィ゙_,、イ「゙i
    「「ミ`ニーミ、  |     「   /l! ゙i
    | !``ー ヽヾ ノ    ノ ,/ィリ |
     j ヒヘ、_,..} ゙Y  _、-" 、イ f./  ト、
    !タ_,N"lii;, _ノ-''"_、-''" ノ/   |. \
   /  |.ト-三ニ=_,ニ"  :='/     .|  ヽ、
   /  ,'|.| 「 ナ'ニニィ゙   ,/       |    `
     ' |.| レ'__二フ′ ィ'          |

 逃亡した石田三成も捕まり、家康との面会の後、
10月1日、京都の六条河原にて、小西行長、安国寺恵瓊らとともに斬首された。
享年41歳。

305 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 19:58:34.57 ID:nObf8x.0
三成の最後は山岡宗矩が素敵だな…それまでがダメ過ぎて哀れを催すけど

303 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:56:26.47 ID:CwBQjx20
       /l/\l\
     /:::      \
     |::::. / ̄ ̄\ .|
     |::::. |      | |
     |::::: |      | |
     \: \__//             |
     /   `一---ー´             |
     /  | |   / |             |
    /   | |  / | |             |
    /   l | /  | |             |
__/    | ⊥_ーー | ⊥_ ________|
   |  `ーヽl_l_l.} ヽl_l_l.}       _       \
  (、`ーー、ィ   } ̄`   ノ     (;;゜;;)      \
    `ー、、___/`"''-‐"                 \

 あと、真田昌幸、信繁親子も死罪のところ、東軍側についた長男信幸のとりなしにより、
紀伊九度山での蟄居という沙汰となった。

304 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:57:54.75 ID:CwBQjx20
 そして…。

   \      ,..''  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  __,,,,/    /  |
  |   \        ` .、::::::::::::::::::::::::::.,-‐'"'"     /    .|
   i    `'''ヽ、       -:::::::::::::::::::      -‐'"'" /    /    ホホホホホ…!
   `i    |  `、'''ヽ、、     .ヽ.Y    , ..-':''" ゙/   /   ../    宗矩、そなたと石舟斎殿の功績、立派なものでしたよ。
    `、  |    `、  (:、、   . .|  ,..-')   /   /  ‐-‐'     我が軍の勝利に十分な貢献だったと認めます。
     ‐-‐'| \  `、....,,,`_゙ヽ_、_,| ノ、."..-'''''''" // .. /      
       |  \\γ .,--‐-‐ "゛"゛‐-‐'''"゙'' |///  /        よって、柳生家には所領二千石を授けます!
       `i| \\ |        、      |///  /\`i      所領地は…大和国柳生庄!!
       /`i  \ |   < ___ ゙''-''"'_,,,, >.. |///. /   `、     
     /   `i\\|     ヽ゛⌒⌒/゛   |/ / /           
          `i \|     `.、__ ノ     //.-
           ~\      ‐'''''‐   / '
               \      /
                 "'''゙''-''"~

         / ̄ ̄\   
       /   \ /\
       |   (⌒)(⌒)      ははッ!
       |   ゚ (__人__)      ありがたき幸せにございますッ!!
         |     ` ⌒´ノ      
         |         }       (…父上!兄上!皆の衆!それがし、やり申したぞ!!
         ヽ        }        遂に、先祖伝来の柳生庄を取り戻し申したぞ…!!)
    /  ⌒ヽ    '´(  
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

306 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:58:38.01 ID:CwBQjx20
      ____        
    /i||||||||||||||||||iヽ       
 / ̄ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ                  
'""ヽ  ヽ!|||||||||||| ||||||! ヘ 、― /     宗矩!この知らせを持って、柳生庄へお戻りなさい!
||l   ___ヽll,‐''''__ゞi .||||||    そして、石舟斎殿にお伝えするのです。
||l  /ヽ、 o>┴<o /ヽ\||||||    
ヽ‐イ  |ミソ ̄'"ノ"/li゙ ̄゛l;|l |、       「柳生庄二千石は、柳生家へ与える」
.\/l  .|ミミl l―――フ..l;ll /        
 .\ノ  |ミミ.l..\=ヲ/ l;|/         …と。
   ̄\ |ミミ.l..  ̄ ̄,,,l;/         そなたが立派な姿になって戻ってくる時を
   l \ヾ゙゙....  ̄."/i         楽しみに待っていますよ!
 _/_``\ ̄、 ̄/ /l___  


            /⌒`"⌒ヽ、             
           /,, / ̄ ̄ ̄\              ……ッ! 
          /,//::       \         ははぁッ!!
         ;/⌒'":::..        |⌒ヽ     
       /  /、:::::...       |ヽ_ \   
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )   
    ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

 柳生家は、合戦前の後方撹乱の功を認められ、
豊臣によって奪われていた柳生庄二千石を、恩賞として取り戻した。

307 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 19:59:24.51 ID:CwBQjx20
      / ̄ ̄\   
    /   \ /\
    |   (⌒)(⌒)      
    |    (__人__)      ついに ねんがんの柳生庄を てにいれたぞ!
    |     `⌒´ノ   
    |         }       
     ヽ       }
     ヽ , __ , イ
    /       |_____
   |   l..   /l  柳生庄  l
   ヽ  丶-.,/  |_________|
   /`ー、_ノ /      /

 |    __
 |_,.へ、-、ヽこ Vヽ_
 |三ヽ/ ヽ }//└ーァ
 |フ `{_ (⌒Vi|//⌒ Tュi、
 |-=‐'_'い{〉´`くア ノlV ハ
 |/,.へ! ソ  /^ー<__ノノ-1  
 |二、      =、‐、ヽ(ニ二}     やりましたね!宗矩様!
 |⌒ヽ       ヽ} トー-={      
 |、(・)l    ,.-=、   トニ= /     
 | `´ ,.、  '(・) }  」こ‐ノ      「おお!源太か!
 |‐、 '  }  ´``''′ /ーソ′      このめでたい知らせを一刻も早く父上にお知らせするのじゃ!
 |ヽ `ー- ...__   /-く         馬ひけい!」
 |、 ``' ー-}ノ  /7^i/
 | `_ー--一'´  /_ノノ      
 |   ̄   /ー'´
 | 、__,.. イ´
 |/=== rーv─r- 、
 |//:::::::ノ {つノ-─--、ヽ
     源太
(宗矩付の小者・仮名)

308 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:00:05.19 ID:CwBQjx20
 こうして、吉報を手に、宗矩は柳生庄へ凱旋した。


      ;;⌒  、
   (;;; ,,;;    ヽ、 _,,,...:-‐‐=-..,,,_
       (_,,,  ;;ノ,r'":: ::      ::\,,.....,            ;;⌒  、
          ,,r'":: :: :...     ::: . ::; :::.`'::.、      (;;; ,,;;    ヽ、
        ,:r'::: :: .::: ::      ::    :; ::: .:: `':.、      (_,,,  ;;ノ
      ,r'":::.. ..:: ..:::. ....      :  ::  :; :: ::. ::`'::、_
    ,r'"::::  ...::: :...::: :: ;,,, - '''' ''':‐-,, ,,      ::. ::`'::、_          __,, - ''""
  ,r'"...::::.. ......:::::               " ''''‐- ,..,,,...  __,, -‐- ,... .-‐‐''''"
,r'":::,,,,,, :::::......:::::: ...               _,, - ''" ""'''"" `'' -,..
  :::.....                     -‐"             "'' -‐‐‐-,..,,.
     ::::,,,::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;::::,:::::;;;;;::;;; :::,,::::::: ::::; ;;;;:::::::;;; :::,,:::::::::::::;;,,,
  ...:::::;;:::::::::::;;;;,::::::::::::::::::::://::::,,;;;;:::::::::::;;;;:::::::: :::::;;;;;::::::: ;;:::::;::;;;;:::;;::;::::://:::::::.::::;;:.......
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309 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:00:27.99 ID:CwBQjx20
          / ̄ ̄\     
        / ._ノ  ヽ、\   
        |  (●)(●) |     皆の衆!宗矩が戻ったぞ!
        |  (__人__)  |     徳川様からこの度の恩賞として、柳生庄を頂いたぞ!!
        .|   ` ⌒´  .}     柳生庄二千石は、再び柳生家に戻って参ったぞ!
       ./ヽ        }     我らの苦難の日は、ここに終わったぞ!!
      / ノ.ヽ    . ./\    
.     〈  〈|   / ̄|  |ニニ|   
      \. ∧ /  :| /  /    「おおっ宗矩様!」
        ∧ /|ハ__ハ/ /     「そ、それはまことの事でございますか!?」
        |トv'   / |/ |      「やった!宗矩様、万歳!徳川様、万歳ッ!!」 
       / ゝ._ノ/^,.|│ |      「ついに、ついに柳生庄が…!」
.       // 」 0_ 0_ L\へ      
      / V {_:_:_} {:_:_:} V  :|
      |_人__--=ニ人  |
         |__|フ/ ̄|   ̄
         |:::::::| /‐‐‐|
        | ̄ |/::::::::/
          ̄〈ニニ/

310 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:00:57.40 ID:CwBQjx20
      ,r=ヽ、            r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
     j。 。゙L゙i     rニ二`ヽ.   Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;)
 r-=、 l≦ ノ6)_   l_,.、ヾ;r、゙t   lヲ '・=  )rテ-┴- 、
 `゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー'  ,r"彡彡三ミミ`ヽ     オー!ムネノリサマー!
  にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ  _,,ノ ,  ゙tフ ゙ゞ''"´   ゙ifrミソヘ,     キッポウアリガトーゴザイマース!!
 ,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ   ゝ-‐,i ,,.,...、  ヾミく::::::l      
 ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/   /  lヲ ェ。、   〉:,r-、::リ     オーイエー!
 W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、   '"fっ)ノ::l
   ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ  ,.:゙''" )'^`''ー- :、   ヒュー!
    lミ、  / f´  r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"  ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
    ! ヾ .il  l  l;;;ト、つノ,ノ /   /:ト-"ノ゙i  ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;    バンザーイ!
.    l   ハ. l  l;;;;i _,,.:イ /   /  ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   人 ヾニ゙i ヽ.l  yt,;ヽ  ゙v'′ ,:ィ"  /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  r'"::::ゝ、_ノ  ゙i_,/  l ヽ  ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´'     ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  ` ̄´     /  l  ヽ   ヾ"/  `゙''ーハ.     l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
        /    l  ゙t    `'     /^t;\  ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;

 
     |┃三        / ̄\
     |┃         |     |
     |┃          \_/
 ガラッ. |┃            |           
     |┃  ノ//   ./ ̄ ̄ ̄ \ て       叔父上!!
     |┃三    /  ::\:::/:::: \そ      そ、それはまことのことか!!
     |┃     /  <●>::::::<●>  \   
     |┃     |    (__人__)     |      「嘘など言ってどうする!
     |┃三   \    ` ⌒´    /       さあ、父上を、兄上をお呼びしてきてくれい!!」
     |┃三   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \

 宗矩は柳生庄に戻りつき、皆にこの吉報を告げた。
柳生庄を奪われて6年…その間の苦労を思えば、皆の喜びはひとしおであったと思われる。

311 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:01:26.27 ID:CwBQjx20
 早速、石舟斎もかけつけた。

         / ̄ ̄\   
       /   \ /\
       |   (⌒)(⌒)     父上!兄上!我が殿からの御言葉です。
       |    (__人__)     「柳生庄二千石は、柳生家へ与える」…と!
         |     ` ⌒´ノ      
         |         }       
         ヽ        }        
    /  ⌒ヽ    '´(  
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.


         /  ̄ ̄ ̄ \
      /    -三 - \      そうか…!
     /   ((⌒) (⌒)) |     遂に、我らの悲願叶ったか…!
     |    ゚ (((__人__))) j     よくぞ…よくぞやってくれたお、又右衛門!!
     \、    ` ⌒´,; /
    /          ヽ 
         ____
       /     \
     / ⌒   ⌒ \     又右衛門!見事じゃ!!
    /   (⌒)  (⌒)  \    
   |      __´___    . |
   \      `ー'´     /

312 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:02:05.93 ID:CwBQjx20
          ____
        /_ノ 三ヽ、\
 ミ ミ ミ /o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒.  :::⌒((_人__))):: \    /⌒)⌒)⌒)   さあさ!めでたい知らせが入ったんじゃお!
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //   皆の衆!宴じゃお!今宵は大いに喜ぶんじゃお!!
| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/    あーひゃっひゃっひゃひゃwwwwwwwwwwwwwwwww
|     ノ     | |  |   \  /  )  /    
ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /      
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l
 ヽ    -一''''''""~~``'ー--、   -一'''''''ー-、 バシバシ
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

      ,r=ヽ、            r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、
     j。 。゙L゙i     rニ二`ヽ.   Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;)
 r-=、 l≦ ノ6)_   l_,.、ヾ;r、゙t   lヲ '・=  )rテ-┴- 、
 `゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー'  ,r"彡彡三ミミ`ヽ     オー!トノサマー!ムネノリサマー!
  にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ  _,,ノ ,  ゙tフ ゙ゞ''"´   ゙ifrミソヘ,     ヤギュウケフッカツ、メデターイ!!
 ,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ   ゝ-‐,i ,,.,...、  ヾミく::::::l      
 ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/   /  lヲ ェ。、   〉:,r-、::リ     オーイエー!
 W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、   '"fっ)ノ::l
   ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ  ,.:゙''" )'^`''ー- :、   ヒュー!
    lミ、  / f´  r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"  ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
    ! ヾ .il  l  l;;;ト、つノ,ノ /   /:ト-"ノ゙i  ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   バンザーイ!
.    l   ハ. l  l;;;;i _,,.:イ /   /  ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   人 ヾニ゙i ヽ.l  yt,;ヽ  ゙v'′ ,:ィ"  /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  r'"::::ゝ、_ノ  ゙i_,/  l ヽ  ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´'     ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
  ` ̄´     /  l  ヽ   ヾ"/  `゙''ーハ.     l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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 慶安五年(1600)、柳生家は悲願の柳生庄二千石の奪還に成功した。

 ここに柳生家は復興したのである。

313 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:02:36.96 ID:CwBQjx20
  \ヽ, ,、
   `''|/ノ
    .|           \ヽ, ,、  
_   |            `''|/ノ  
\`ヽ、|             .|   
 \, V"         _   |   
   `L,,_         \`ヽ、|   
    |ヽ、) ,、        \, V"  
   /  ヽYノ           `L,,_  
  / r''ヽ、.|            |ヽ、)    ,、   
  | `ー-ヽ|ヮ          /     ヽYノ    
  |    `|          /    r''ヽ、.| 
  |.     |         |     `ー-ヽ|ヮ 
  ヽ、   |         |        `|   
   / ̄ ̄\         |.        |   
 /  _ノ ヽ_ \       ヽ、      |  
 |  (≡)(≡) l         ヽ____ノ     
. |   (__人__) |         /_ノ ' ヽ_\    
  |   ` ⌒´  |       /(≡)   (≡)\  
.  |        }      /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   
.  ヽ       }      |     |r┬-|     |  
   ヽ     ノ       \      `ー'´     /  
  
┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ 

【やる夫で学ぶ柳生一族(その6):「柳生家復興の巻」】 完

316 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 20:04:11.13 ID:MFZTQaYo
おつかれさまー
面白かった!

319 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 20:09:03.19 ID:nObf8x.0
おつかれさまです

しかし相変わらず柳生家臣団うぜえww

321 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 20:12:54.90 ID:0y7hXO2o
乙でした。

ところで五郎右衛門は金吾殿寝返りには噛んでたりしたんだろうか?

322 :【やる夫で学ぶ柳生一族(その6)】 [saga]:2008/10/25(土) 20:19:54.54 ID:CwBQjx20
 てなとこで終了でアリマス。
どもども、今回もありがとうございました>all

 今回は結構長い上に大きいAA多めで、
どうなるかと思ったのですけど、
こうなってみると、パー速でやったのは正解でしたな。
来週どうするかは、アク禁次第です喃。
ふーむ。

 あと、>>203(今さらの武将面、お止めなされませいッッ!!)がやれて満足です当方。
実際、この時まで特に趨勢を明らかにしてなかった柳生家が
この時を境に徳川寄りになったわけで、
そうなると、宗矩が何言って石舟斎を説得したのか…というのが
史料がないので不明なので砂。

 山岡版とかだと、もう端ッから石舟斎は家康寄りですし、
逆に隆慶版だと宗矩が家康に仕官すらしてねぇ有様で、
史実を考慮すると、説得、あるいは議論なしってのはありえないだろうと。
で、まあ、前後の状況を考慮したら、大体こんなもんかなー、と。
そこにちょうど使えそうなシーンがあったので、
もう喜び勇んで入れましたよ。ああ満足。
(オリジナルは「今さらの剣聖面、お止めなされませい」)

>>321
 その辺は不明です。
つか、宗矩が金吾大納言と家康の内通を知ってたかどうか不明ですし。
知ってるかもしれんし、知ってないかもしれん、というとこで。

 この辺の史実(家康に仕える宗矩、秀秋に仕える宗章、そして裏切りの金吾大納言)と
史料の適当な空白がミックスされて、妄想の余地を生み出すのが柳生のいいとこで砂。
他の剣豪だとまるっきり不明だったりするので、今ひとつ妄想できませんし喃。

325 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 22:15:10.61 ID:MFZTQaYo

小早川は前日に松雄山に陣取った時点で、既に東軍についていた、鉄砲の催促も無かった、と言うか
不可能。って言うのが昨今の関ヶ原研究の主流だね。
ドラマチックではないけどね。

330 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/26(日) 00:19:14.50 ID:kUshOFw0
>>1にはとみ新蔵の柳生モノは読んでおいて貰いたいと思ってたけど、
ここまで色々な資料を集めて独自の解釈をしていると
却って判断が鈍りそうなんでこのまま存分にやってもらったほうがいいかなと思う。
で、全部終わった後に読破して「こういうのもあるのか…」というのが最良かと。

332 :1 [saga]:2008/10/26(日) 03:09:49.87 ID:MtQWqJU0
>>325
 おお、そうなのですか。
長篠の三段撃ちもそうですが、「調べてみると、実は」とかがあると
驚くやら面白いやらでアリマス。
これ書いてるのも、柳生を調べてたら色々見えてくるものがあって
やたら面白かったから、ってのがありますし喃。

>>330
 実は実家に戻ったところ、
本棚に「柳生連也武芸帖」4巻があったので読んだのです。
尾張柳生はこういうガチの剣豪話ができるのがいいとこでありま砂。
とりあえず、江戸と尾張の関係についてもある程度書けたらいいなあと。

328 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2008/10/25(土) 23:50:54.29 ID:0w3JSTQo
乙~。いよいよ暗黒宗矩が本領を発揮してきましたなァ。
>>1のAAチョイスは独特でいいね! さこにゃん=東方不敗ははまり役だと思うww


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