- 1 :1:2008/12/29(月) 19:02:24.30 ID:RIKfdycW0
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。
【今回のメイン柳生:なし】
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) 今回は俺達メインじゃないんだってよ。
. | u. (__人__) 寂しいだろ常識的に考えて…。
| .`⌒´ノ
. | }
. ヽ } / ̄ ̄ ̄\
ヽ ノ / ⌒ ⌒ \ やらない夫は出番があるだけマシだお。
i⌒\ ,__(‐- 、 / u (ー) ::::(ー) ヽ やる夫なんか役柄すらまだ(一応)未公開なんだお…。
l \ 巛ー─;\ | :::⌒(__人_)⌒:l
| `ヽ-‐ーく_) \ ` ̄´ /
. | l i⌒\、___ ィヽ
| | .l \ 巛ー゛‐;\
リー──‐‐t____. | ヽ-‐≠ー '′
l " ~ ̄ ̄⌒ヽ`ヽ.|゛ ̄ ̄⌒ヽ ̄ヽ
───`ー───ソ | |┴‐─-r |i' |─────┐
| | | |,_|, __| |,
|_、| __|. (´_)゛_) .|,、;──‐─────‐───‐
l'___)__) ,゜ '≒~゜ ⌒ ~ " ~  ̄ ー
; °。 ;从ヾー~ ~"~ ~
゜ ° 。 ゜ ` 。 '、从;_゜ノ'~~ ~´⌒ ´~
); ;゜ 。 ; 从 、 ,j ´ヾ。'~~〆";、~ッ)ヾ
ソ 人´; ノ'~、~ ソ 〆´( ゞ ~ 、~ ~' ⌒ ー
〆~ヾ、゜~ ヾ ~´ " ,゜
- 5 :1:2008/12/29(月) 19:06:00.45 ID:RIKfdycW0
- ___ ,.. -───- 、
,. -‐': : : : : : : : `ヽ' ⌒ V: : : : : : : : : : : : ヽ
|: : : : :: : : : : : : : : : 「: :|: : : : : : : : : : : : : : :j
ゝ: : : : : : : : : : _: _: j: : j -----.. _、: : : : :/
|: : : , -‐ '' : : :_:ノ `~ヽ: : : : : : : :ヽ:_:_:_:L
_j /: : : : : :: ィ_j__r t,___r\ : : : : : : j: : : : ゞ えっとね、今回はヒナが解説役なの~。
r': : :\: : : :;/r′ \: : : ノ: : :,.ィ
ヽ: : : : :\/_j´ ::;' │ ~~\: :.∧ でね、今回、>>1は柳生の話じゃなくて
入: : _ .ィr' T :::l! ::l: , ∨ ヽ. 他の新陰流の剣士たち、即ち、石舟斎以外の
′ V`´ , | _i__/! ::,' _ /j:::: i: i ヽ 上泉伊勢守秀綱の高弟の話がしたいんだって。
. / { \l イゝト、l ゝ ::::/j_./j メ ノ l \
/ ハ トゝィ,二 ヽ ヽ..ノ ',..二ヽレイ::::ノ . '. 今回、秀綱の高弟の話をするのは、
' ___ ::ゝ..ゝi! トrtレ! トィt::! l!j ィ ,.. -─‐ j >>1の書いてあるのをそのまま読むと、
{ ::::::::::: ヽ__:_ノム ゝ-' . ゞ- 少ーゝ . /::::::::: ノ
ゝ____ ::::::: > -..> ::::: rー‐ . :::: ゝ=--'_´_::::__∠ 「 ここで書かないとタイミング的に
ノ:::::::::.... フ ゝ、 、_ ノ ,∠ト 、./´::::_____ノ もう本編で書けないので
 ̄ ̄ _> ' ⌒`ヽ, -v- 、 ___ .ィ=v ´ ⌒ヽ二二r、__ 今のうちに書けるだけ書いておこうかと~」
/: : : : : :/ へム _r'_ヽヽ: : : : : :\
,.': : : : : : ∧ ´,_j、_ト ` |-、 : : : : :ヽ だって。
(: : : : : : :∧ゝ7_ ´ ノr弋. ,.-k^イ!: : : : : j
\ : : :/∧\ゞ7_イィ介∧_rレ´/|~: : :.ノ
j: :|!: : \ \ーtrフrr7〆 ' ./|: : : :7
| :.|l: : : : : ゝ.\` Y´ / /.: :.|: : : :|
- 6 :1:2008/12/29(月) 19:06:42.77 ID:RIKfdycW0
- f´ `Y´`ヽ
| リ ハ でね、今回は、石舟斎以外の上泉門下の高弟、
| / l
ィチ ┴─‐ r< i i | ・疋田豊五郎景兼
,. ´´フ´ 〉_/ ` 、つ'´/`ヽ ・鈴木意伯(神後伊豆守宗治)
, ´ / / / ,/ / \/ 〉 ・丸目蔵人佐長恵
,. ´ / l i // / ヽ / ・奥山休賀斎公重
/ / | | l 〃i /l ∨ .・宝蔵院覚禅房胤栄
/ / l | トLL_', !_l | lヘ{
∨ / _ === Y彡ノ 斗Tヽヽ| |∨ / l ` この5人と、これに関連する人たちのお話をするのよー。
ミミhYて´ ____ ミミh、 hソ ヽlノ/ ノl 実際は、松田織部や野中成常、羽賀井一心斎、
| ̄ ̄> ´ (にニ ` r、/彡´/ あと息子の秀胤とか、他にも色々弟子はいるんだけど、
\-─ヽ _____ノ<´ , /ソ '´ .今回はメジャーな高弟のこの5人で絞らせて欲しいんだって。
` ─=-==ィノノヘ. c ∧)
/ /´ ヽヽ __ <辷) そういうわけで、はじまりなのよー。
/ / ) ミ辷≧ソ まずは秀綱の一番弟子で、
/ ` 、 < ll\、 かつて石舟斎を圧倒したと言われている
/ / 〉=〃 疋田豊五郎からなのー。
', (_ 〈 l!
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:07:57.98 ID:GSAqDi/n0
- キタキタ
- 8 :1:2008/12/29(月) 19:08:02.17 ID:RIKfdycW0
- 【疋田豊五郎景兼】 _,,,,------,,,,,,,,,_
,,-‐'゙⌒:::::::::::::::::::::::::::::゙゙'''ー-,,、
,,-'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''-、、
./:::::::::::::::::::::::::::,,-r‐―‐r‐-、,,,、::::::::::::::::::゙,!
/:::::::::::::::::::::_,-'l° .`゙''-、,,、::::丿
./:::::::_,,―''"^:::::::::.| `''イ
.,},,,-'"`::::::::::::::::::::,,ノ .,、―く,,、 .ィi、 .|
.l゙:::::::::::::::::::::::.,,-‐″ .゙ー''¬、,"'-,、 .|.゙l'゙,! .|
l゙:::::::_、::::::::,/` .,,,,,,,,,,゙''-,"'-,と,i´ ゙l
.l゙ ,,i´:`''i、 │ ゙゙'''-,,゙ーヽi;;;;i、`'x,ノ .y-∧
.|,,i´` l, | .| }ィ¬. `'-,,,_`゙__r'′ ./''l/'''フ
.|l゙ .,∠`-゚ ゙---  ̄ ._、 .ヽヘ.,/
{ ゙ヽ | .゙l .,-',_, . ゙'⊥
.| 丿 .ヽl゙ Z"` ` ‘'''/.7
.レ'゙'゙l, /ン''''''''¬ー",l゙
,i´ ‘ヽ,,,,y _,,,,--、,,_ ,l゙
.l゙ |″ .r'"`,--‐t―,,`'丿
l゙ .| \ `'--,,,,"'゙‐',!
,i´ | ゙l,_.,r‐-i、,゙l ,!
.,/ ″ ゙"''ー、,,フ /
| .|゙\ 、_ `i、 |
: ,/ l゙ .゙l ゙''ー-,_ \、 ゙l
. l .| .| `''-,,,,`.、 ,l゙
.l゙ .l゙ | /''-,、 ``゙「,,,,,,,,二ニ,/`
″ l゙ .| .| `'-,, `'-,,,_ .丿
疋田豊五郎景兼
疋田豊五郎景兼(あるいは文五郎。字は景忠、正定、興信とも。号は虎伯、または小伯)は、
天文五年(1536)頃、加賀国石川郡の人、疋田主膳景範の次男として生まれたという。
(大永七年(1527)生まれ説もあるが、慶長十年(1605)に70歳で亡くなったとあるので天文五年で進める)
- 10 :1:2008/12/29(月) 19:08:49.22 ID:RIKfdycW0
- ___
---(______)--○-
,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
/'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
//.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
/〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{ 秀綱の姉(名前不明))です。
{´yヘl'′ | /⌒l′ |`Y} 豊五郎は私が産みました(多分)。
゙、ゝ) `''''ツ_ _;`ー‐'゙:::::l{
. ヽ.__ ..:::|!
,.ィ'´ト.´ ノ-=-ヽ ::::;'
イ´::ノ|::::l|\ "' :::/
::::::::::::|:::::l| ヽ、 ..:: .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ ヽ、...........::::..:::/|!\\
::::::::::: |::::::::ヽ ``''‐--ァt''′ ||!:::ヽ:::\
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、 .|l:::::::ヽ:::::\
秀綱の姉(想像図)
母が秀綱の姉であると言われており、その説が正しければ秀綱とは叔父甥の関係になる。
実は石舟斎と異腹の兄弟である、という異説もあるが、信憑性という意味ではかなり怪しいなので、
秀綱の甥説をベースとして話を進める。
- 12 :1:2008/12/29(月) 19:10:10.59 ID:RIKfdycW0
- _____
,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
/'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
//.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
/〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{ 久しぶりの出番ですが、上泉秀綱です。
{´yヘl'′ | /⌒l′ |`Y} (姉と風貌が似ていたかどうかは不明)
゙、ゝ) `''''ツ_ _;`ー‐'゙:::::l{
. ヽ.__ ,ィnmmm、 .:::|!
,.ィ'´ト.´ ´`"`"`゙″ .::::;'
イ´::ノ|::::l \ "' :::/
::::::::::::|:::::l ヽ、 ..:: .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ ヽ、.......::::/..:::/!\\
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:::::::::::::|::::::::::::ヽ、 /i|iト、 |l:::::::ヽ:::::\
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、 ∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::\
上泉伊勢守秀綱
豊五郎の幼少時の記録は不明であるが、長じた後は
当時大胡城主だった秀綱の元で新陰流を学びつつ、その配下の一人として仕えたらしい。
同時期、鈴木意伯も同じく秀綱の配下にして弟子となって仕えている。
- 13 :1:2008/12/29(月) 19:11:11.40 ID:RIKfdycW0
- /_/_/_/_/__/ l''" ̄ ̄
/_/_/_/_/__/ l
/_/_/_/_/__/ / _,,,.. -‐
/_/_/_// ,..''´ __,,,. .
/_/_/_./ ,,. '´ ,. イ)))
/_/_/ ,. '´ ,. イ l))))
__/_/ / / l、)ノ
_./ / / ,,. ',
/ / ヽ! f ,,;;;ィ 我が名は長野信濃守業正!
/ ,.ィ...,,,,,,_ \ i,,;∠/ ちなみに我が正室は秀綱殿の妹御よっ!
' /_¨二_゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙´ lfァフ (ただし子供はできないまま早逝)
''"テイァフ ,.ヽ ヽ=、',¨´i
" ̄¨´ '¨丶:、 .', l
_,,..-‐ ''": : : : i .i/
: : : : l l
: ;-=、 ',
,.,.ト -ェ、 __ノ
,;;;''',.ニミヾ_>'"
,,;;;' ヽニニ!、
ヽ--‐'
..,,_ } ̄ヽ、
‐-、¨'''‐- ..,,,____ノ` ̄ ̄7
長野信濃守業正
なお、この頃、主君にして師匠の秀綱は、上州の豪族、長野業正に仕えていた。
業正は猛将として名高く、度々上州へ攻め込んできた武田、北条、今川の強豪を相手に抗い、
”その死が分かれば、すぐ武田は仕掛けてくるであろう”とまで呼ばれた人物である。
秀綱はこの人物の元で「長野十六本槍」「上野国一本槍」と呼ばれるほどの豪勇の武将だった。
若き日の豊五郎と意伯は、その勇名を支えた精兵の一人として活躍していたものと思われる。
- 14 :1:2008/12/29(月) 19:12:49.15 ID:RIKfdycW0
- _______
| 箕輪城炎上中 |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ < ベニヤガ モエテキタゾー
( ). <⌒> (⌒ ⌒)
( ) /⌒\ \( ,, ⌒)//
() _____]皿皿[-∧( ⌒ ,, ,, )
( ) #==三∧_/\_|,,|「|,,,! ( ,, )< ショウカイソゲー
( ) ##  ̄Π . ∩ |'|「|'''|「( )
( ) #..━┳┃ ̄|「|ガシャーン |「| | * + < エングンヲヨコセ! ザクレロデイイザクレロデ!
( ) ##╋-田 |「| 田 田 |「|[[ *
从从从# .━┻ |「| |「|ミミミミミミ ++*:
λワー ∧ λワー λワー
λワー | | λワー λワー
だが、永禄四年(1561)、業正が亡くなり、嫡男の業盛が跡を継いだが、
若さゆえに力量及ばず、永禄九年(1566)、武田勢によって主城である箕輪城は落ち、
長野氏は滅亡、主君秀綱と共に豊五郎、意伯も浪々の身となる。
その後、秀綱が武田信玄への仕官を断り、新陰流伝播のための諸国巡廻を始め、
この旅に豊五郎と意伯も追従する。
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:13:34.71 ID:GSAqDi/n0
- ザクレロてwww
- 16 :1:2008/12/29(月) 19:13:49.35 ID:RIKfdycW0
- llllllllllllllllllllllllllllllllll/  ̄ ̄ 'ヽllllllllllllllllllll
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiil し 新 liiiiiiiiiiiiiiiiii
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l た 陰 l;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;:;;l い 流 l:;;:;;:;;:;;:;;:;;
;:;:;:;:;:;:;:;:;i;:;:;:;:;:;:;:l で が l:;:;:;:;:;:;:;:;:;
;::;::;::;::;::;:i;::;::;::;::;:l す .l::;::;::;::;::;::;
;.:;.:;.:;.:;.:;fi;.:;.:;.:;.:;l. : l.:;.:;.:;.:;.:;.:;
;..;..;..;.. i三i .;..;..;ゝ _____ ノ;..;..;..;..;..;..;
゙ `  ̄ ´ ' - ; : : : : : : : : : : ;
´ ' - ; /
__r ;.__(:,_)___f''';. pq;. r ;.i''';_
‐‐illlllli‐r" ~ヽ.‐‐tf;;;;;;;;i. i, ,,i i" 'f;;;;;;
.lllllllli lt f ;. i」i;;;;;i.riii:、il l!,,,,i;;;;;;;
ニi,r i,i r ュ.-/ニニi;;;;;;rllllllllヾ i,n,,!,ft
,i,i i,i,.i;:;:;:;:/ i;;ii/l/lllllllllヽ ,!i.iii.i `
.i;:;:;/ `"(lllllllヽ- r‐' `" ←宗厳(後の石舟斎)
`"゛  ̄ `"`゛
なお、永禄六年(1563)、奈良興福寺の宝蔵院にて、
豊五郎が柳生新左衛門宗厳と三度立ち合い、これを破った事、
その後、宗厳の新陰流入門から暫くの間、師と共に柳生庄に留まった事は、
本編(その1、2)で述べた通りなので略する。
あと、上述の長野氏滅亡よりも秀綱一行の旅が早いことについては、
長野氏滅亡以前から、秀綱が新陰流伝播のための旅をしていたためと言われている。
(宗厳宛の印可状に永禄八年とあるので、おそらくそうだろうと思われる)
ちなみに、柳生庄において実際に宗厳に稽古をつけたのは
秀綱ではなく豊五郎である、という説もあるが詳細は不明。
- 17 :1:2008/12/29(月) 19:14:29.49 ID:RIKfdycW0
- :. :. :. :. :. :. :. :. . :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :. :.
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,.‐- 、 : : : :
廴ミノ 「豊五郎…お前に、この印可を与えます。
///¨' 、 諸国を巡り、新陰流の伝播をお願いします。
y':;:;:;:/⌒i!
⑪:;:;:;:;};:;:/;}, …あきらめたら、そこで試合終了ですよ?」
;il||||li' t`'---‐';:;:;:l
,.r'"''、,┘ 7;:;:;:;:;:;:;:;「 「先生…ッ!!」
ノ五(⌒i .}:;:;:;:;:;:;;/
/..,__彡{, | `i:;:;:;:;:;}
( .ミi!} l、 .」:;:;:丿
クュ二二`Lっ) `==='
↑豊五郎
そして、柳生庄に滞在中、おそらく永禄六~七年(1563~64)頃、
師・秀綱より新陰流の印可を受ける。
こうして豊五郎は柳生庄を旅立ち、一人立ちの武者修行の旅に入った。
あるいは、これも新陰流伝播のための旅だったのかもしれない。
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:15:34.33 ID:GSAqDi/n0
- なんだこれw
- 19 :1:2008/12/29(月) 19:16:15.04 ID:RIKfdycW0
- (/ / ヽ \ ヽ ヽ } } }
. (// \ ヽ ヽ | / / ノ
、、 / /___,ヽ }_ノ ,ノ,/ //
(_// ̄ ´"''<"´
/,.、-‐'''"゙`` ̄````''"⌒\
(_ _ 、 \
. /´ -''⌒\\ `ヽ川,}.}j__ヽ_
. ∠_ _,r''',.ニニ、ヾ_ヾ廾T// ̄`ヽ.}! お前…気に入ったぞッ!
<‐'''"´|`《 n \-'|ノ 巛{:{、_ノ:::リ 俺のところに仕えろッ!なッ!?
/ ̄ ..::\:三::二`.ノ彡'"`ヾ_);;;::::ノ、
(´..:::::::::  ̄ ̄´ u /::/ ̄ | 「ははっ!」
乙_u U ... .. .. く:::::/ 、、、ヽ|\._ _
< //〃///〃'゙_"_"___, -、ヽヾト、_  ̄ ̄  ̄`ー- 、
(^/〃/ //, ̄i_,i_,i_i_,{ ヾ{  ̄`ーニ二.. ̄`‐-、 \
__\/ //一' ̄....::::::::::::::::::r' ノ ヾ〉、 \ ヽ |
\ // | {:::::::::::::::::::::::::::::::::::::{ { ヾハ、`ー‐=ニ二二 |/
_\l'X/ ` ヽ_, -r¬'⌒'⌒'⌒'{. ヾ/、 `ー―--、ー-、 `ヽ l/
\`\X//; `ー‐'''""´´ ̄ ̄` ヾ{、\_ `丶\ /
\ヽ 'ヾ//, ‐=ニ三三' ヾ| \、__`ー=ニニ.ー-、
ノ \ `ヾ;//, 、、 、 、ヾ} ` ̄`ー-、 ヽ \
 ̄~"'''- .._ ヾ〃;j i j }:川 川 },!メ、 )八
`丶、 `"''┴'┴'┴'‐''" ト、\
細川藤孝(幽斎)
こうして、諸国を巡り歩いた後、天正の頃(1573~92)、豊五郎は
当時の丹後11万石の宮津城主、細川藤孝(幽斎)に仕える事となった。
(その前に、元亀三年頃、織田信忠から誓紙を受けたと言われているが
仕えたかどうかは不明)
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:18:17.99 ID:GSAqDi/n0
- 富士鷹ジュビロwww
- 21 :1:2008/12/29(月) 19:18:52.79 ID:RIKfdycW0
- _r'ニVニXニV^V^Vヽr冖、_ ちなみに細川藤孝は、かの剣豪将軍足利義輝の側近として、
. (>'´: : : : : : : : -‐兀  ̄ ̄`¨¨: : :ニゝ 義輝と共に塚原ト伝より秘伝「一之太刀」を伝授されるほどの
. ヽ: : : : : : : : :_/厶く:: : : : : : : : : :厶 人物だったのよー。
. _rク′: : ;:r<>'´ / ヽ>、 : : : : : ∧ム
{∠ : : : /ノ了 / ,' l¦l 「ヽ>、 : : ノ: :ヽ] 更に言えば、剣術だけではなく、弓術も印可持ちで、
!: //l /l l | | l||l | | l!`マ: : : :_:_〉 弓馬故実、和歌、茶道も修めている当時有数の教養人だったのー。
. ∨ノ川 { | ィ¬ハ l | | r廾 l| l }) /
/, ' |l | l | ,ィfた j l l,ィf心 リ| / V\ 特に、三条西実枝から古今伝授を受けて、
. 〉〈 ヽソハ V:丿 , V::ノ八V / / 〈 一時期、二条派正統を継承していた事もあったのよ。
ヽY^ヽ、>彡 . く二>彳 ∨ これのおかげか、後の関ヶ原の際、
く_≧ミゝ`てニ>r - ィ升≦ <ミン´ この古今伝授が途絶える事を恐れて、
{{⌒ソフ´: : : :>‐、 _rベ : `ヽ/乃ノ 後陽成天皇が勅命で藤孝を助けるよう言った、という話もあるのー。
.〈: : :r-v′ l ,⊥ ┐:\
/: :,'  ̄`ヽ/〉'´ : : : : l: : / あと、凄く力持ちで、京都にいた際、
∨ /: : : : : く: : : : : : : : l :冫 路上で突進してきた牛の角をつかみ投げ倒した話もあるんだって。
- 22 :1:2008/12/29(月) 19:19:34.05 ID:RIKfdycW0
- _,.. .... 、
,.‐'" , 、 `ヽ、
,.'/`:'-、jノ ̄j\\
// `、ヽ
i i' `i |
| |,:'" \,. '" i |
j. |. _,.. 、,i | _,..., .| ,!、 お前が新陰流の疋田豊五郎か。
.i j.|. ´,-,テ,L,.- ., | i i お前の腕前、期待しておるぞ?
l !, |  ̄フl_,.,!`= j .l); |
ヽ; !、_ j !、 _,! 、,./. 「ははっ!」
ノ!j ! ^. ^ 「.〈 ,,ゝ.i
j,:' i --==‐- └l. l
j !. ‐'"~` '" メ j 、ゝ
ヽ, `;-!、___,メ_,!-‐';^i ノ‐'
'ー-..! ! `==.l.,=='' !! .|
!、゛'!三:、l _,:'三j " _」
`===l===''""
豊臣秀次
その後、細川家で剣術指南をしていたのではないかと思われる豊五郎であったが、
理由は不明ながら細川家を退転、天正十七年(1589)二月頃から
時の関白、豊臣秀次のところで指南役として仕える事となった。
そして、この頃の豊五郎に関して、ひとつ逸話があるので紹介する。
- 23 :1:2008/12/29(月) 19:20:13.84 ID:RIKfdycW0
- ____
,、 '´:::::::::::::`ヽ、
/,イイ从仆彳´ヾ;:ヽ
,r';:,/ ゝ'゙ ヾ;\
,イ::::,! ゙i;:ヽ
i|::::::i} \ ,イ i::::i
{::::::,!,r'´ 、ゝy'´ l::::l
,!::::| ,r-‐、 `ト _,,、-、 「人 豊五郎よ。
,イ,!::::i 'r'ニ・ンイ`イ゙・ファ ,}i イj 貴様、宗喜と立ち合えい!
i:::::::::::,! ,r'´ ゙ヾ `Y´ ,! ト::::l
ヾ;:;:;:;:;:ト、 ゝニニフ ,イトミ !
}k;:;:;:,| ` カ イ ,!;:;:i
, イ;:;:カ;:,! _,、ェェェェェ、_ ' ,ノ゙:;:;i
,ィイ;:;:;:;:`Y ´ "´ ̄ ` ` ,ゞj,:;:;l
i゙;:;:;:;:;:;:ゞi '´ ̄  ̄` ,レ ,j;:;:;:;ト
ヾ;:;:;:;:;:;:;:,ゞ、 ,i! ,yイ゙ レイ ,{、:;:,!
゙>;:;:;:;:イゞミュ , イ _ ,ィ'´ ̄Yi:;ノ
ゝイi´ ̄`ーゝー'ー'フ''´,ィ'´ _,,ィ i l
,!ヽ i}`ー-、`ヾ | i´ ,r'´ ,イ |
_, イゞ、 Y`ー、_!、 | l ,/ '´ニイ ゝィ-、_
-'イ ̄´_,、-‐'`ヾ、ゞ-、_j ,`Y| | ノ _,,、 ノ, ィ `ヒ `Tー-、_
ある日の事、豊五郎は秀次より、
「富田の三家」と称えられた富田流の三高弟の一人、
長谷川六左衛門宗喜と立ち合うことを命ぜられた。
(宗喜が秀次に招かれ、剣技を披露したからと言われている)
- 25 :1:2008/12/29(月) 19:21:35.00 ID:RIKfdycW0
- r=-、 _,.......、
}| ``ヽコァ' ´´ ̄`l} ここで少し説明するけど、この「富田流」は、
r' r== 、}j_}'´__,r==、゙、 日本の剣術における源流派のひとつ、
_ r'\ 〉 ,.イ_j、>`` fr' 中条流の正統を継ぐ流派なのよー。
//`´`ヽ ヽ'=テ'´ー' ー'`ーヽ=r'´
j {_,. - '´ ト=彳 l ! ! l ヾ ちなみにwikiでは「念流、天真正伝香取神道流、陰流」で三大源流、
、j ,イ { ,.{-!-|、 l__l_l | lト、 これに中条流を加えて四大源流と言う、と書いてあるんだけど、
r=、{ ヽ ト、l、l,r=、N、ノ=、ノ`//' 〉 >>1が調べた範囲だと、念流を別格扱いにした上で、
{{__, ト-`= r'__}_イヒソ ヒソ}ィ''´_ノ 「天真正伝香取神道流、中条流、陰流」で三大源流としているのもあって
`=-<ヽ_ニ〉、 ,.、__,'_ ノニヽ、-' どっちが正しいのかは不明瞭なのよー。
く fr'´ くくヽr/_::::::::::_Yモこ,
ト、`´ )´7´r'-;::::r(ヽ〉 ̄ とりあえず、後に多くの流派の祖となった大流派である事は
〉' `` く,イ{ 7ァ{`_ノ 間違いないので、それさえ憶えておいてもらえればOKなの♪
/`ヽ /〈{ヾr'´ト|{ / }
〃 ヽ ヽヾ!八ヾノ ちなみに、伊藤一刀斎が鐘巻自斎門下という説もあって、
// ``フード' ヾ、__ これが正しければ、一刀流も中条流の影響を受けた流派と
. / / >'´!| ヽ`丶、 いうことになるのー。
- 26 :1:2008/12/29(月) 19:22:37.35 ID:RIKfdycW0
- , ィ_ニ._ ̄ ` ー、
/ r __ l!´ !
/::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: \ |ヘ、__/{:;;;;;:)ヽr:、)
/:::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:_:..:.:.:.::::::.:.:.| ∨,シ'=<、/ r'}l-'{
.|:::::::::::::::::::_;. -‐'´:::::::.\.:.:.:.:.:.:ヽ l´j| ´ lj_,. ‐-'_ィッ'
/.::::::::::::::,イ,ニ、ヽ::::::::::, ==\:.:.:.:..:| フlヽ、_´ -ー l′
|:::::::::::::/.:l{r='_;ノノ´ ̄:l{r.'.::;)l\.:.:.l、 /! j| |::::.:`ン=<、
|:::::::::::::| |i. 「´: : : : :`i.r-:'´:::::」:.:.j ___,.. ∠ - ゝ、.j::_/--===ゝ、-─- 、
/:::::::::::::| ..; j-!| : : : : : ;ィ=、::::::/.:/ . / ン'´ 7'⌒i´ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ \
::::::::::::::::::ヽ,ィ'二丶──|ィ-':;j}/:< / /,. --- '´ | iニ!エェrュ_ゝ ヽ
:::::::::::::::/ヽ`─'_::::::::::::`ラ';.ィ'´.:.:.\__ | ,ィ' | |ー 、 |
─<.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄.:.:.;/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、 l / | | イ \ 、
.:.:.:.:.:;.へ:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.;.イ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ ヽ/ ヽ ,. -┴- 、 _ ,.ィ'´:| ヽl
富田勢源 富田越後守重政(名人越後)
当時の中条流は、小太刀の技において名人と称えられた富田五郎左衛門勢源、
(シグルイに出てた薪で相手をフルボッコにしてた盲目の爺。没年不明なので名前を挙げておく)
後に「名人越後」と称えられることになる富田越後守重政、
そして、「富田の三家」と称された三高弟、山崎左近将監景成、長谷川六左衛門宗喜、鐘捲自斎など、
錚々たる剣士たちを擁した一大流派であった。
(ちなみに、不明瞭な点が多いものの佐々木小次郎も富田流の門下だったという説もある)
豊五郎は、この名流派でも筆頭に近い剣士と立ち合いを命ぜられたわけである。
片や上泉伊勢守の一番弟子、片や富田の三家とまで呼ばれた達人、
ある意味、新陰流vs富田流と言ってもいい立ち合いである。
(もしかすると、それを期待しての立ち合いの話だったのかもしれない)
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:22:39.91 ID:GSAqDi/n0
- ほほうほうほう
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:23:07.29 ID:GSAqDi/n0
- ワッハマンwwww
懐かしいwwwww
- 30 :1:2008/12/29(月) 19:24:34.31 ID:RIKfdycW0
- ___,,,,,..... --一ァ
/ ̄ /_ \,-──--、,!
. /-‐'´/ ``丶/ ,!
. /.〉 L____i 嫌 で ,!
/ . __/ //i な .も .,!
. /ヽハ// // //ヽ. の ,!
. / 、 } |{ l|l,{∠メL//〉 __ ,!
/ヽ.〉' 亡>j〈;;'ソ〉/ ////// ,!
/ )八),ト、〉 ´ ´ノ_ノ乂〃, ,!
. / . 、 、ノ({ノ c ' 〈;;ソルノ ノ,,!
/.r ''',ニ=、'′ヽ、__ _,.rく{ _∠_,,!
. /r┴/ ヽ>'⌒ヽノ/  ̄ヽN}入ニ<,!
/. ト、_{ `'{ ,. -┴v { ヽてヽ,!
. /. 〈ヽ >'" l | ノ / .〉' ,!
/ V〈 l ! く´ ,!
ヽ、 } ヽ | |// // ,!
``ヽ.、.ヽ ト、 { {=、、,!
``ヽ、 |!{ ヽ |ト、},!
``ヾ 、 / ,!
``ヽ、,!
しかし、秀次のこの命を、なんと豊五郎は断った。
結果、試合は流れたため、この事を指して
豊五郎を臆病者呼ばわりする者が出たと言う。
それに対し、豊五郎は平然とこう答えたと言われている。
- 32 :1:2008/12/29(月) 19:25:32.27 ID:RIKfdycW0
- _,,,,------,,,,,,,,,_
,,-‐'゙⌒:::::::::::::::::::::::::::::゙゙'''ー-,,、
,,-'":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`''-、、
./:::::::::::::::::::::::::::,,-r‐―‐r‐-、,,,、::::::::::::::::::゙,!
/:::::::::::::::::::::_,-'l° .`゙''-、,,、::::丿
./:::::::_,,―''"^:::::::::.| `''イ
.,},,,-'"`::::::::::::::::::::,,ノ .,、―く,,、 .ィi、 .|
.l゙:::::::::::::::::::::::.,,-‐″ .゙ー''¬、,"'-,、 .|.゙l'゙,! .|
l゙:::::::_、::::::::,/` .,,,,,,,,,,゙''-,"'-,と,i´ ゙l 私は秀綱先生に学び、
.l゙ ,,i´:`''i、 │ ゙゙'''-,,゙ーヽi;;;;i、`'x,ノ .y-∧ 相応の腕を持っているものと自負している。
.|,,i´` l, | .| }ィ¬. `'-,,,_`゙__r'′ ./''l/'''フ
.|l゙ .,∠`-゚ ゙---  ̄ ._、 .ヽヘ.,/ そして、長谷川殿も富田の三家とまで呼ばれた仁である。
{ ゙ヽ | .゙l .,-',_, . ゙'⊥ 無論、一流の剣客であろう。
.| 丿 .ヽl゙ Z"` ` ‘'''/.7
.レ'゙'゙l, /ン''''''''¬ー",l゙ そのような達者二人を立ち合わせれば、
,i´ ‘ヽ,,,,y _,,,,--、,,_ ,l゙ まさに竜虎相打ち、どちらかは傷つく事になろう。
.l゙ |″ .r'"`,--‐t―,,`'丿
l゙ .| \ `'--,,,,"'゙‐',! このようなことは無益である。
,i´ | ゙l,_.,r‐-i、,゙l ,! 武士は物の役に立つためにこそ命を懸けるべきである。
.,/ ″ ゙"''ー、,,フ /
| .|゙\ 、_ `i、 |
: ,/ l゙ .゙l ゙''ー-,_ \、 ゙l
. l .| .| `''-,,,,`.、 ,l゙
.l゙ .l゙ | /''-,、 ``゙「,,,,,,,,二ニ,/`
″ l゙ .| .| `'-,, `'-,,,_ .丿
′ ` ` `' `'''"`
これが史実かどうかは不明ではある。しかし、この後、豊五郎は秀次の下を去った。
実際のところは、秀次事件の影響で再度牢人せざるを得なくなったのかもしれない。
(なお、本編でも述べた家康に「匹夫の剣」と評された逸話も、この頃のものと言われている)
- 34 :1:2008/12/29(月) 19:27:37.61 ID:RIKfdycW0
- rー―ァ、 __
} / 、|./i
, -‐_Z_//'¬/
/i / 丶/ , l マ 余談ではあるけど、この逸話から、当時の大名たちにとって
ゝ _{ー 、 |/!,{ ノノ ノj 武芸者がどういう存在であったかが少し見えてくるかもしれないの。
てとニ、 {三}チlj 〈イY
_rzュ./ \ミ_ ノシ' 当時の立ち合いが木刀、または真剣でのものが多かったから、
{rーツ´} yイ` ー-ァr'ヘ 豊五郎が言うまでも無く、達人同士が立ち合えば、
/L/ ` | ┴rrr、/イト、」 どちらかは死ぬか、重傷を負う可能性は高いの。
// 、 l l」ノ l l|| (だからこそ秀綱がひきはだしないを発明したことが
,/ l\//l| \!」l/ 剣術における一大発明と言えるわけだが)
/_ l| ̄ ̄l|l
〈 ,、 卞ゝ、_l| ゝ= l|ヽ でも、秀次に限らず、当時の逸話を見ると、
´‐l__「 ヽ__ト、_人」ノ 大名が武芸者同士を立ち合わせた、というのがいくつか出てくるの。
厶.- ¬千'´ (先の富田勢源の立ち合いも、何度も断ったのに強引に決まったという)
r水〕‐|ー|}
/l|.>|ゝ!j これって、要するに武芸者の生き死は然程気に留めてられなくて、
l< lく,|__ 立ち合い自体も、「見世物」扱いだったってことだと思うのよー。
トー' ̄ヽ」
 ̄ ̄´
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:28:18.49 ID:GSAqDi/n0
- なるほどなー
- 36 :1:2008/12/29(月) 19:29:53.38 ID:RIKfdycW0
- . __ ,._,r..rァ、
,r>'-ー`、ー- 、,r,ィ'´:.:.:.:{l ``tj その視点で考えてみれば、
<:.:.:.:.:.:.:.:rヽ_r/:.:.:.:.:.:.ト|.:.:.. イ この時代の「武芸者」と「立ち合い」というのは、
.ゝr f_Tニヘ__ヘ>r、 ト| k
. 7'´ / 、くー -、< 武芸者 .:古代ローマにおける剣闘士
// / l ゙ゝ,r ト-゙ 立ち合い:剣闘士試合
/ ,' l:. ヽ:.|
'´ .:l..:,: . :.|.:. ヾ、 と近似の存在だった、と捉える事が
...:.:.ノ' :.:.:.|:.:.:.. ヽ できるんじゃないかと思うの。
:/ :.:.:.|:.:.:.:.:.:.: _,>、
_ ........ _ :.:.:.|:.:.:.:._:.ィ" ノ だからこそ、武芸者は技を見せる際においては、
__ ....... _ ̄:.`:.:.:|:.:.´:._.. _='"' フ 「武芸」を見世物とする「芸者」であり、
>=r¬'"´ ̄``:._:.イ、:":´_:_;. - '´ ある意味、武士であって武士ではない存在、
,ィ `ヽ=三≧_Tニ,´ ¬< つまり、れっきとした武士(=戦闘員)ではない者、と
:.:.`¬'" \ 捉えられていた、と考えられるんじゃないかしら?
.、, l/ .. ヽ (無論、武士で武芸者、というのが多数いた分、
:/ /. .:.:.:.:..;.: / その境界線は極めて曖昧だったと思うけど)
' ..:.;.\:.:.:.:.:ト:.': へ、
-:ヽ_:.:._:.:<:.:.:./:.:. ィ.. / それくらい、武芸、及び武芸者というのは扱いが低く、
7¬'::ト、-‐ヽ:::\、:.:.:.ヽ:/.:.:〈 だからこそ、武芸者ではなく、武士としての矜持を以って
./:/7'ト::! 〉::::l:.:了:.:.: ハ 秀次の命を断った豊五郎の行動が逸話になったと思うのー。
':/:/ |::ヽ /::::/ |:.:.:. ヘ
- 38 :1:2008/12/29(月) 19:31:31.20 ID:RIKfdycW0
- 、〈 、 、 ∠ニニ/ >く \\\ 〉
\ < ̄\_∠_ //´ヽ\∠\\\ l
 ̄≧-∠_\ \|\  ̄\ Y∠三\\\ /
\__. ヽ ` |>、 ヽ//. // / ヽ
\ー┴‐ /イニニ二\___`∨/ 〉
>┬‐‐ト--'´ il{〈 句 `Yiト<__, ヽ >
\//」 ̄´| 〉 u u`ヽ-‐'人、ニ/ ニニニニニ 豊五郎ッ!!
―‐'イ´トヽ、___ij_ .ト-</7/ \ 〉 もう一度…もう一度我が細川家に仕えろッ!!
>ーハ. l ヽー----、.入二7//0 0 ト ニニニニニ .石高は…ウムッ!百五十石でどうだッ!?
 ̄ン'ヘ. | __ト、.__レ'´//0〔リ0丿./<
/ ハ|. / \__/{.[ 0 0./jレ' |
、_/, ハ`、,、 / 丶=∠イ〉〉、,- //∧ ∠// 「ははっ!」
`‐'".__/ハ[' `ー-,_,,.,/ノ// ./||∧ヽヽ.///.
//`7ィノ .l`ー---‐'´.// ./|lィ|ヽヽ///
/ / /ゝ、____/// ./ィv\>// \
―' ` └-‐─7/ ./ / / / 〉
/|ヘ l_l__」 / / ////
、 ./ | l ._/ ////\
冫 ∧ 丶 ` ̄ ̄´| >、 /// └
/ /、  ̄ ̄ ̄ ̄/ / / \ /// /.
./ / 丶 / / / \ >
細川忠興
こうして秀次のところを退転した豊五郎は、再び諸国を巡った後、
慶長六年(1601)、豊前中津三十九万六千石に移っていた細川家に再び仕えた。
今度の主は藤孝の息子、忠興である。
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:32:29.94 ID:GSAqDi/n0
- あんた息子かよwww
- 40 :1:2008/12/29(月) 19:32:42.93 ID:RIKfdycW0
- ,ィ冖冖冖ー 、 ,ァ= = = 、、
. / .{! ヾ,_/7 !} ちなみに豊五郎は細川家への再仕官の際、
. / {! -_、ノニ/- ―- .._/f 諸国を巡るうちに記した「廻国記」を提出しているの。
ゝ {l,. - ニア / `丶、 この日記によると、
ゝ_,. ' / / / \
´ ̄>イ:./ ./:l .:!:..l:. l ヽ 『山陰から近畿、北陸、関東、東海を経て再び近畿に入り
_. ´ l l:.:| :|:.:|:.._.:.l-:r‐:、 .:. .:|:. . ', 大坂から船で豊前に着いた』
,. -ニ 、 l:l:.:l:..:.:l:..'l´::.:.|.ヽ`ヽ:...:./:./l、|.:. |
l `ヽ、..ヽ:.ヽヽヽ,ィテッ下 j///イヽ!.:.:// とあり、まさしく廻国なのねー。
ヽ- 、 __ \∠Ll_ヽ 、ー_' 「ッ!l/:.:/ 秀綱の高弟の中でも、これだけ諸国を巡ったのは、
`「:>ミ:l l l _:ヽ‐- 、l , ヽ' lニ三‐-、 おそらく豊五郎だけなんじゃないかな~。
ヽ_ヽヾ l l/ l:.:.:l=z_-| ` ー lュ_┘__|
ヽヽ \!:.:T⊥ ノつ-‐ フ ちなみに、大和にも立ち寄ったとあるので、
`>、 Y.:ノ , ィー--‐ 彳 文禄五年(1596)の新次郎厳勝への印可も、
,. '´ /ヾュ. |ヾュ `Tニ´イk r‐ ' この時に与えたものなのかもしれないの。
| ,ハヽ、ヾュl ヾュ、_,>´ ! ヾュ !ヾュ 案外、この時、豊五郎と石舟斎が再会していたのでは、と
l | ヽ、ヽ、`ヾュ `冂ニ、/:ヽ. ヾ」 ヾュ 妄想するのも伝奇的に面白いことなのよー。
/` l ヽ、ヽ、 ヾュT、 l \\ヾュ_ ヾュ
'、 | ヽ、ヽ、ヽ:ヽ.l ヽ:ヽ ヾュ ヾ} あと、この記録によると、豊五郎は廻国修行中、
. ヽ | ヽ/!|:ヽl ヽヽ、`7′ 他の武芸者と立ち合う場合、自分は常にひきはだしないで立ち合って
`lV / !l:::::| ヽ/ 全勝したんだって!凄いね。
/ l /:| !l::::l / (まあ、自伝なので若干割り引いて考える必要もあるとは思いますが)
- 42 :1:2008/12/29(月) 19:34:33.96 ID:RIKfdycW0
-  ̄/ ○ / ̄ ̄ ̄ ̄\
______ ミ、 /\ / / ┐ | せ し お |
,r'"_,:::::::.''ヽ,=- ノ`''ー/ ┘ \ | い ゃ .ら |
/'' ̄ u ''i;:.ヽ=),、r` _,,,r----っ \ | ! き |
l,rー、 ''ー⌒ '''yュ=- ≠≡ ニ二ニヲ ヽ | っ |
. ,.| -7l ' 、'"- u !'ヽ=-l≡≡ -=ニ''" ---- | と |
. !「u -j ^ i'ノ l≡,,ィ-'' ̄''''" .\_____ ____/
'l r-_ー'''' - ト .」≡≡| ,,rニニヽ、 ノノ
_,,. -''"i u l  ̄''i!''''丶、. ,r" `ヽ',
. i!ヽ ノl i! '!i- 、 i!r''ヽ _,,.、 i',
. i! \ // ,i! !i `丶,__ ('! '罘,! !罘 vヽ
!i `'''- -''" / ,i! !i. \゙'''ヾr-v7ヘ "-,-` 'レ'__
!i ̄ u  ̄i!' .!i. ヽ !i !i, '; ∈三∋ /!!i ~'''!i-
!i, u .,i!' !i u ヽ !i !i !\ //!i .!i
. '!li,、 _,,i!'' !i i '!i !i,丶,`i- ''"__,,,,i! !i
''`====="'" !i u ', '!i,  ̄ ,,i!' .!i、
!i ', `!i;,,,,_____,,,i!'" !i ヽ
疋田伝兵衛景吉(宗保斎勝重) 山田勝興(浮月斎)
こうして百五十石で登用、後に加増されて三百五十石となった豊五郎は、
細川家において兵法指南役となり、藩内で新陰流を教授した。
豊五郎は剣だけではなく、槍術・薙刀術も教えたという。
豊前中津藩(後に肥後熊本藩)に伝えられた豊五郎の新陰流は、
息子の景吉、そして弟子の山田浮月斎と道統が引き継がれていったという。
(某国の第一王子?…なんのことかな?)
なお、豊五郎自身は新陰流を称していたが、
山田浮月斎の代より「疋田陰流」、または「疋田新陰流」を名乗るようになったと言われている。
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:35:50.11 ID:j8xLOa0+0
- >>42
>(某国の第一王子?…なんのことかな?)
臨海君のことかー!
- 45 :1:2008/12/29(月) 19:36:43.08 ID:RIKfdycW0
- ,=i、
_ / `^、
/__! rュゥノ 、ヾ-、_, rェュ,、 実際、理由はどうあれ一度退転した身で再び登用された上、
├┤ 〉 l,ィ、フ7 ー く〉-´ `ヾォ 加増も受けるというのは、かなりお気に入りだったと思うのー。
! !_/, イ/lく_ lメ1イ /ィヽ /
,⊥ ト/ (::゚) レ/'‐jナ|ヽ / それに、当時の武芸者の基準で考えれば、
/ - ト> _ (::゚)´}ィ|/ ヾヵ 百五十石で登用、後に加増で三百五十石というのは、
! jゝ | `7 /イ / ̄ かなりの高禄で、相当に高く評価された証拠と思うのよー。
`rヶ'ク'>、 l / トヘ (宗矩も最初は二百石だったわけですし)
ン// ヽ |/ 、‐マ 〉
く/ }_,.._ l/ ,_ ヘァ='┬ij- 、 廻国記を提出して、即、再仕官した事を踏まえて考えると、
`丶、 j/r‐-ヽャニ、ヽ{´ ll l{ ヽ! もしかすると、元々細川家の指示で諸国を巡っていたのでは…、
ーキヘ_!//ハヽ V / ll l{ヽ_ノ とか考える事もできるかもなのねー。
/ ー1ハヽ=‐'\-、 ll l{
,′ l l ! | l \` ‐'
! l l l ! l \
- 47 :1:2008/12/29(月) 19:39:34.32 ID:RIKfdycW0
- ,‐-lゝ'ヘ
,,/''´ ヽ
,、、=/ , ‐=ゝ、-, ちなみに、誤解があるといけないから書くけど、
,=//- ,-'llll|/ ̄` ヘ ゝlll:.::l:. 豊五郎が「新陰流」を名乗っていたからことを以って、
..,,、/llゝ@<〆l/`´ | 、< -―-、 疋田は柳生を認めてないのだ、というと、
,:ll;/ 〆'´ゝノlll/llll/;;;/;;;;= ヽ'´'´ /( 一概にそうとも言えないのよー。
,..,:ll/ /ノ)‐-'´/ヽヽ ヽ `='ゝ=‐-ゝ/ /
:ll/ /ノ'/ノヽヽ lヽ丶 丶ヽヽ ヽヽ`'´`l / ./┐ というのは、単純な話なんだけど、
\ /丿/ノ`´l ヽl ヽ ヽ _〆l l l l / // //> 豊五郎が習ったのは、あくまで「新陰流」だから、
.:ll>、/:ノ /:)l l l l l l-' ,==t l / l /l` // // 柳生とは関係なく、新陰流を名乗る方が自然で、
,:l|/ l |ノ l||)| l l l l ll ´(:::::ノ`/l'´( `┤/'/ __ むしろ、自流派を称する方がらしくないと思うの。
|/_ l ll) /ll) l | l l〆l l ` ´ >/<=/|_// 他ならともかく、一番弟子の豊五郎なんだから。
ヽヽ‐ゝ' l l '´ ,r=t、 、 。|,ヘ=/'´`- '´
ヽ/ノl/ヾl l ll '(:::::) r , , U,ー/ 豊五郎の代では「新陰流」で、
/'´l \ヽゝ,-´ ノ ヽ=ー'´` 、 後の代に「疋田新陰流」「疋田流」と称されるようになったのは、
(ー‐)===///ゝ‐- =ソ _,-ゞ`'``ゝ,`ヽ その辺りがあると思うのよー。
 ̄),='´=l/、/'´ ̄ ヽヽ/' 、 ̄`ヽ' lー-`l (尤も、熊本藩内では、その後も「新陰流」と呼ばれたそうですが)
 ̄ (( / `'´ ヽ ヽ'´`-l、lll:. )'´/、-、/
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:40:21.70 ID:GSAqDi/n0
- ややこしいな
- 49 :1:2008/12/29(月) 19:41:05.36 ID:RIKfdycW0
- }k
ノ;'l{
_ノ;人'、
}、、__,. -'',r'/p、ヾ、
,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
,irこ;;;},|i || ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
〕{ュョiririririrm;;;;;~_,n、 ̄__二;;;,,  ̄~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ、` -、~ヾ,,;;ヽ、;、;,._;;_;;_,,'‐、
../,r'ーl~~~^~_,.,r'%%r===%%''ュ.,_"‐^"‐''=fhifhicifcifriririririyr'g'y'ng'y''ngmgigpmgwwiV} `''‐、._
/,r'=r|::::::::,r7=-ー''^`ー"^ -、_=フ:::::::::::: ..................._________ ~"””””””””””””|”””riririririnfzmir'7
その後、名を栖雲斎と変えた豊五郎は細川家を再び退転する。
理由は不明ながら、その後、肥後の方へ回り、最終的には大坂城へ入った後、
慶長十年(1605)九月三十日に亡くなったという。
享年70歳。
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:41:32.23 ID:GSAqDi/n0
- 結構長生きしてたのね~
- 51 :1:2008/12/29(月) 19:42:09.47 ID:RIKfdycW0
- , -― 、_ , -―-、_ __
. } __{ム-- 、 } -ヽ これが秀綱の一番弟子、疋田豊五郎景兼の物語なのよー。
/´_, イ__〕‐- 、 }__/ ` /ー、 一説には「あれはしないさえ握らせておけば機嫌がよい」と秀綱に評され、
ノイ , ヽ:::ト、\ / ´ 入 剣の腕前ならば、石舟斎以上という説もある剣豪なのー。
/ l| | l__ ヽ Vハ ヽノ , ´ く、 (まあ、この評は戸部先生の小説が元っぽいのですけど)
{| l| l ´l | j// / ノ 〔
'.l ャl! l lムZトj / / { /、 ソ 豊五郎の特徴的なところは、
/ハ丶ソ ゝ丿 /イ / ∟ヘ)
{ノj , -―-、 xx { / / , -_―ノ 「実際に諸国を巡って武者修行&新陰流の伝播に勤めた」
〈f/,二.ヽ ', ィイ_, イ{ / __
{ l r j ! |, -、 {!_ノ `Y´ ということなの。
ヽ.二ノ.ノ!l | Y \ この後に語る他の4人、及び石舟斎は、基本的には一箇所から動かなかったけど、
r7l ̄ イ|| | { / 豊五郎の場合は、逆に、細川家や秀次のところでで禄を食むこともあったけど
. .j }| イ_ | lT´ l V , ' 〈、 基本は漂泊の身であった、というところに特色があると思うの。
! /r┴ヘ l | {} | 、 , /| そういう意味では、師匠の秀綱に一番似ていた人物と言えるかもしれないの。
fレ'{ V {} ヽ イ } ハ
| └t._ /´`' ーイ ! | ヘ じゃあ次は、もう一人の最古参の弟子、鈴木意伯の話なのよー。
\_/l/ / ヘ
- 53 :1:2008/12/29(月) 19:43:20.00 ID:RIKfdycW0
- 【鈴木意伯(神後伊豆守宗治)】
......,,. --'''''゙゙゙゙゙゙゙゙゙''''''''-
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i:i ヽ:::ヽヽ --''''''''ー--..,, ___,.--┌---┐
l丶 丶 丶丶-/~O ゙゙̄ヽ--_/O ヽ-- ̄ ヽ
i:ヽ | ヽ,, | ̄| / / // ヽ
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ii  ̄~| ゙゙゙゙゙''''''' 丶゙゙゙゙゙ ヽ |/ /--ヽ
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二/ | ヽー--''' ヽ ̄ ̄ ̄ \ ヽ | ヽ ヽ
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鈴木意伯(神後伊豆守宗治)
鈴木意伯こと神後伊豆守宗治は、疋田豊五郎と並んで秀綱の最も古い弟子であり、
長野家配下時代の秀綱と同輩であったとも、配下にあったとも言われている。
生年は不明で、武州八王子出身という説がある。
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:43:48.82 ID:GSAqDi/n0
- 影薄そうな奴だなw
- 56 :1:2008/12/29(月) 19:44:34.99 ID:RIKfdycW0
- .ヽ
持 こ 行 j ,イ v1 /
|∨// レ/ // ノ
っ の け トv'////∠/
! | i l //く三三三ニ
て 袈 |// j^゛"ヾ;二二ニ=
.レ"´ \ヽ<´
失 .裟 | くヽ
.| ___ ',
せ .を |. i / ./ __ ヽ
/ i !l// / ヾ、
ろ .ハ i l レl// ◎ ノノ }
! .∧ヽr' l {/ム===''´∠
\__ ___/::::..` `// _rr' ̄ ̄ ̄ヽ.
;!:::::::::::::::∨::::::::::::::::::::::::: 〈/ / {{o ー、 }}
i{ \_rr' ̄ ̄ ̄ ̄ヾ,__V/ヾニニニニニ〃
ヽヽ_,; (。{{ c} }7 ̄く ゞ、_ \ ヽ!
>>-、¨ヽニニニニニニソ ヽ i __\ |
/::::/:::::::',: : . . l / ,ィ7l`;
::::/:::::::::::|ヽ; : ; , ` -― ' -' ¨,イ/ ; :
::7:::::::::::::|::: \: : . ; ,-―'´ +'// ; : :
/:::::::::::::::|::::.. i\: ; ; , </++'__// ; : ::l
::::::::::::::::::ヽ;::....l \, ,: 二二二二´ , ; : :ノ
:::::::::::::::::::::::\ ', ヽ:;;: ; ; ; : . , ;; ; : :; ; ;/三
:::::::::::::::::::::::::::::\三三三三三三三三三三三
通りすがりの僧侶
そして、先に述べた通り、豊五郎と共に秀綱の諸国巡廻に付き従った。
また、本編でも紹介した秀綱が僧侶に変装し、牢人の人質となった子供を助けた逸話で、
後に僧侶より贈られた袈裟を秀綱より受け継いだのが意伯だと言われている。
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:45:20.26 ID:j8xLOa0+0
- ドン・マクシミリアン・デ・ジンゴイズ伯爵ですね。
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:45:21.60 ID:GSAqDi/n0
- この僧侶ヤバスwwwww
- 59 :1:2008/12/29(月) 19:45:43.13 ID:RIKfdycW0
- _'>==ミヽ.
_/ `ー- 、.
,彡 ゙=、 ヽ、
/ ミ ミ_.
/ '~"ー=、 ミ、
イ/ j 、 ミ お前が秀綱の高弟、意伯か。
川 ト、ヽ_≧、_,,ヽ\ リ よろしく頼むぞ。
川ト;〕 ''ニエF l ,-、 |.
.ラ' | / ヽ / 「はっ!」
く,、 '' ,ゞ / ,/.
ノ__ ,、_/ ノ
ヾ. / // /
| _,.ァ'" i /i 「
ヽ-==‐ "/ ! 八
ヽ / \_
V ,r==-、___/べ=--、
_ノ-‐'"===、__ー‐'"_,.r―'"\
_ノ二__  ̄`='' \
ノ彡ニ===三ミヽ. ヽ
/"~ ヾ、\ |li
_,!' / i ヽ
足利義輝
その後、秀綱と共に柳生庄を経て、京に上る時にも追従した。
(一説によると、秀綱が去った後、義輝への新陰流教授は意伯が行ったという説もある)
また、後に故郷に戻った秀綱にも最後まで従ったといわれている。
- 60 :1:2008/12/29(月) 19:46:13.89 ID:RIKfdycW0
- ゚ 。 ゜ ゚ 。 ゜ ゚ 。 ゜
゜ 。 。 ゜ ゜ ゚ ゜ 。 。
゜ 。 。 ゜
゚ 。 ゜ ゜ 。 。 ゜ ゚ 。 ゜ ゚ 。
゜ 。 。 ゜ ゜ 。
。 ゜ ゜ ゚ ゜ 。 。
゜ 。 。 ゜ 。 。 ゜ ゜
ヘ l ノ r ゝYイソ。 ゜ ゚ 。
゜ ゜ヽYソ ヾvノ/ ゜ 。 。 ゜
|i| ||i。 ゜ ゚ 。
''"""'''''"""''""''''""''"''''"""''"""'''、.''"""'゙゙''''''''"""'、.""''"''''"""''"""'''''"""''""
. ..:.:.:.。.. . .. .:.o:.. . .. . ..:.:. .゚.O.:.:..。..゙゙゙゙''''''''''‐-- 、,,,,,_ .~゙"'ー-. . ..:.:.:.。.. ..:.:. .゚.O.:.:..。.. .. .
..:.:. . 。 。 ゜ ゜ ゚ ゜ 。`゙''ー-、 。 `'‐.、,,
゜ 。 。 ゜ ゜ ..: . .. .:.o:.. . .. . ..:.:. . ,,,,-‐'゛ . ,,'' ゜ ゚
:..。. . .. . :. .゚.O .:.:..。.. .. ._,,.--ー''''''"゙゙ ,,-‐'゛
。 ゜ 。 。 ゜ . .:.o:.. . .. . ..:.:. . ゜ ゚ ゜
。 。 . .:.o:.. . .. . ..:.:. .。
秀綱の没後は秀次に仕えたと言われている。
(この時、豊五郎と再会したかどうかは不明)
そして、秀次の自刃後は、尾張の徳川家(義直ではなく忠吉?)へ仕えたとも、
奥羽へ赴いたとも言われているが、詳細は不明。
そして、没年・享年も共に不明である。
自流派として「神後新陰流」「神後流」を立てたとも言われているがこれも詳細不明。
(跡は服部藤次兵衛、和田兵斎、土屋将監(心陰流の祖)が継いだとも言われているが…)
- 62 :1:2008/12/29(月) 19:48:06.29 ID:RIKfdycW0
- _ -、`ヽ、ヽ//:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ー-'′ , ___ -l-l-
,. -‐ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ Z三|ヨ‐ / _亞亞_
/,ィ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ X ニ|ニ /\‘ 夕 ’
/;::::::::::::::::::/:;ィイヽ//ハ\:::::::::::::::::::::::::::::::-=二 二二′│ 「三 |
//:::::::::::::::::// !ト、ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ (_ |,/ フ亡
,ィ:::::::::::::::::::ハ:| ,: |l ヽx≧ヽ、__::::::::::::; - 、::::ノ Z_ ⊥ -{-
// !::::::::::::::::::トk、 、 ヽ !ィ〆‐- 、 _ユ イ 广 \`ヽ tz_) ‘X ヽ_`
!{ |::::::::::::::::::レ‐≧kx ヾィj√云¨ヽ Y´ |::::| r 、 〉 }::く‐/‐ 、 └‐ -|-l-
ヽ. |::i::::::::::::∧イ t込,`Y¬! ' _二 -′} レリ j ベ /:::丿 tト └‐
!ハ:::ト、::t{ヽ} ー¨ '_ } ヾ、" ‐ / 〈 //:∠ {j {j Z_
ヽ ';ヽヽ、ヽl '", イ ` ̄´ /´ ̄/::::/ \・ ・ tz_)
ヽ\ ` l` ̄´ / |-ーヘ:::イ ヽ /ヽ/⌒\
l ヽ=≧ | レN ∨ ヽ /
l _,. -‐¬、 | ヽ ∨
', { <´ ̄`\ / \
ヽ | ̄ィ´ ̄`ソ / :.
゙、 Y└-‐/ /.:: :.
ヽ `二´ ′/.:.:.: :.
ヘ、 _/.:.:.:.:.:: :. =意伯、心の叫び=
` ̄´ \.:.:.:.:. :.
/\.:.:.. :.
/ { \: :. :.
j l lヽ
/ ヽ ヽ、_/ ┼ヽ -|r‐、. レ |
/ \ _ __/ 紹介 d⌒) ./| _ノ __ノ
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:48:44.19 ID:j8xLOa0+0
- そりゃそうだw
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:48:54.05 ID:GSAqDi/n0
- メガネ君カワイソスwww
- 65 :1:2008/12/29(月) 19:49:03.58 ID:RIKfdycW0
- ___
{l:.:.... : ̄:l}^^'ヽ、 ,ィ= 、_
. {l:.: :.:l}:.:、:.:.:.:.ヽ_〃 /.:`^冖=.、、 うにゅう…ごめんなさいなのー。
〃 ..:〃-:-`‐:.:.:{|:.Y__:_:_:_:_:_:.:.:.:〃
,.ィl :.l} , ィア´丁フヽしヽ丁ス:.:.:.:.l} …でも、でも、意伯は他の高弟と比べて全然史料が残ってないのよ。
ア  ̄``┴/ ヽヽj} だから、書きたくても全然書けないの。
:,:フ:.:‐.、 :.〃/ / ヽ> 影が薄いとかキャラが立ってないとか思っても言っちゃ駄目なの…。
.:/ヽ'' /: / / ヽ それに一応、今回は史実ベースだから、実はスペイン人とか、
..:.:.l:l.:.: l:.: : / /: i ', アイシャドウ濃いめとか、そういうことも書けないのー。
、:.:.:.:.:.:|:l:.:.:..!l.: :.: !l l.|.: : l |
:.:\:.:.:l:l:.:.:.:l !.:__:._:_l_l_l_レ .:| / :/.:.!| 実を言えば、鈴木意伯と神後伊豆守宗治が
:.:.:.:.:Y_ヽヽ、ヽヽト、N l:l l:.:.:/:/、〃:.:/:.:/リ 同一人物かどうかも確証はないの。
ニ._-}二二ア c==ュ` ∨_/∠7/イ、 ただ、複数の文書を見た限り、同一の旅の、同一の人物への記述で、
‐-:.:.:_Y二ア、 " " " '////ヽーァ:.:.\ ある文書では鈴木意伯、ある文書では神後伊豆と称しているため、
三-_ て\_丶、 ‐-_ヽ!」」ノ_ l、 ̄:.>′ おそらくこれは同一人物であろう、というところから同一人物説が出てるの。
' ヽヽ/T二´:..`Y|ヽュ lヾく
:.:... :. l.;.:.. ./ /Llノフ´ヽ,く |ヽ ヾュ!. ヾュ なんにせよ、秀綱の弟子の中では最古参の一人で、
へ/:.:` </_/|ノュ } ,l :.:ヽ、:ヾュl} 豊五郎と双璧と言われた人物であったのは間違いないので、
、/:. .: /`ヽヽヽノ l l :.:.:.:.:.:ヽ/ いずれ史料なりが発見されて、陽が当たればいいなあ、と思うのよー。
,:ヽ、:.:.......;.-/ .ヽヽト:.:.l .:.:.:/
:.:.:.:.:ヽ:.:// ..:.:.:.:.:.|::|:l}、:.:.:.:.:.:.:/ じゃあ、次の3人目はタイ捨流の祖、丸目蔵人佐長恵なのよー。
:.:.:.〈:.: ..:.:.:.:.:|::|:|}、`` ー′
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:49:36.56 ID:GSAqDi/n0
- 実はスペイン人ワロタwww
- 67 :1:2008/12/29(月) 19:50:08.43 ID:RIKfdycW0
- 【丸目蔵人佐長恵】 コニ
_人_
,,、 ,j、ij'' ヽ'^~^^ ヽ-、,, -┬-
,,jY' ゙~ 、 ー、 |`
,.j ヾ ゞ ゞ ゝ ''ヽ,
,〉 ゞ ,,r''"" ゙̄ヽ ゞ i  ̄ ̄
'),、 ,ir''~^ ┴、 ゙t ーァll
ゞ `,,j''゙ ,/゙ \ `r (__
'i i ir ,r''_,r i! /\ヽ
ヽ,j ヾii'' (_゙iヅ ゙V""f~ヽ. ト,' ー十
ト―ァiiァ ヽ- "" .li じ ,ハ O
Y_,iヅ ! ヽ,/゙ ( _ノ
! 、,,r== ir=ハ ,ト
i. Y"",,.:--‐' ノ ゙八! _|_
ヽ. ;r‐' _,r‐ ,/ j! i .ノ._)\
\ ''ー"" // レ' ヘ
\ ,/,,j"" / ヽ .| ヽ
ヾ .::/ ゙! / \. し、
 ゙̄く レ""_,r≦三-、 ̄´~^ヽ. ._ノ
\ /~ ~\_ ~ヽ、
,)''"" ヾ\ ヽ._
/'' \\ \
/ \\ \
,i ,;: ヽ.ヽ
丸目蔵人佐長恵
丸目蔵人佐長恵は天文九年(1540)、九州は肥後国八代群人吉に生まれた。
石舟斎も含めた6人の高弟の中では最年少の人物である。
(なお、意伯が生年不明の為、確証はないが、おそらく最年長は胤栄)
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:56:07.24 ID:trACc12U0
- タイ捨流ktkt
- 68 :1:2008/12/29(月) 19:51:46.08 ID:RIKfdycW0
- / 、'__i',、,―、
ヽ、丿\_// イ::::::::::::::::::::`、
丸 /' `ゝ:::::::::::::::::::::::::::)
嫡 目 l {::::::;;:::::::::::::::::::::く;"
男 与 |_. !:::f 、,f'从"ヾ~,::::;
. ・ 三 |.ヽヘf 、:。ミ',',、ッ'_ヾ;::!
長 右 l ',_l '" ヾ゚ ' ,'ヘ
恵 衛 ゝi!;l _-_ ; ,'_/'''i!i 、‐'i
! 門 ゞ !i!;.ヽ {゙二゙〉 .';;;i!; i!lヽ.//_
,、‐ヽ ,、 'i. !i!;;; ヽニ,、‐';;;// i!,i' ,''7/
ノノ l/ル`'ヾヾヾ ;;;//;;// .// / '
イ ! ,, ヾヾ、/ /.,// f /i'
. )ヾ从 ム从,イィミ/ /;、‐'' / /i!i'_,,..
、ィ‐:::':":::i::``.ヽ/ /イ ,,;;;;/./ `ミ>、`;`
ィ::::::::: ::l:::::::::::/ /<ヽ、;;// ( ヽ
'::::::::::::::::l::::::::://::::`i', ヽ' .、‐i > ,>、
::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::j:| `- !. !―‐'"
ヽ::::::::::::|::::::::::::::::;;;:、‐'' ,ヘ !,,' ,、イ
` 、`>::::|:::::::::::iニ, 、‐''''" >. 'i -,、''./、_
ヽヾ:::::::l::::::::::::::,‐'ノ /<;`''/ //7//
ヽ:::ヽ::::l:::::_,、―''_,、、‐,< ;; / ./ .レ;.レ;イ
`ゞ-i―l―ヒヒニ‐'ミ"`;;/ ./ / イ、
父は相良家家臣、丸目与三右衛門。弟が3人いたという。
幼少時、立木打ちで稽古をしていたといい、
弘治元年(1555)、16歳の時に大畑の戦(薩摩・島津勢と相良家)で初陣で武功を挙げ、
翌年、天草の豪族・本渡城主の天草伊豆守のところに赴き、そこで中条流を学んだという。
(塚原ト伝について新当流を学んだという説もあるが、これは不明)
なお、幼少時の姓は「山本」だったらしく、丸目の名は初陣の武功によって与えられたという。
- 70 :1:2008/12/29(月) 19:52:38.71 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,.......,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;,丶
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
.i' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ''i;:;:;:;.,|
| \,. 、/ L:.;.l この天才!丸目がこの京で名を上げて天下一になるぜ!
ノl ^ ^ .:;/¨iノヽ、 待ってろよ凡人の諸君!
/llli,| ´ .,ノlllll/、
/|llllli,.l ー─ 丿lllll/ ヽ
|llll:..ゝ.,_____,,,..._/llllllll/ ヽ
|llllllllゝノlllllllllゝ_,ノlllllllllソ .}
|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ/ /
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./
その後、2年間の修行を終えた頃には、かなりの腕前になっており、
近隣では名の知られた剣士になっていたという。
そして永禄元年(1558年)19歳のとき上洛。
上京後、御所を守る北面の武士になったといわれているが、詳細は不明。
- 72 :1:2008/12/29(月) 19:53:26.52 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,........,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,丶
タプタプタプタプタプ… /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
i' ' ' ' ' ' ' ' 'i;:;:;:;:;:;:;:;.,| 「オヤジ!お前が上泉伊勢守か!
,.-‐¬ ̄-、¨¬‐、 |\,. 、/ L:;:;:;:;:;.;.l ちょうどいい!俺と立ち合え!
////"""`'""''ヽ l ^ , ^ ヽ:;/¨iノヽ、 俺の腕前をバッチリ見せてやるぜ!」
//////」 -===-.} | __ ,ノlllll/ 、
i//ノソ,._______,.""_'"",l .| [__] ./lllll/ ヽ 「ほっほっほ。
ヽ彡i.6 ̄ ̄i.,__ノ⌒i.,_ノ ..::ゝ.,_____,,,.../llllllll/ ヽ では、このひきはだしないでお相手しましょう」
/ヽ ゝ' ,rti.l.l.l.、)ゝノlllllllllゝ.,__,ノlllllllllllllソ }
⌒`ヽ、ヽ li ./ヽllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ ./
、 V ヽ ゝ _,......__ ノノ ヽllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./
丶、,.、,ヽ ミ三 ` ¬ ‐‐---‐¬ ¨ ̄
((  ̄ ̄ ¨¬‐- ..,_
l 川 |
そして、その頃、上洛していたという秀綱に試合を申し込んだという。
この時、秀綱がいつも通り、ひきはだしないで立ち合うと伝えると、
宗厳の時と同じく、蔵人も、しないの外観を見て、
「あんなもので立ち合いになるものか」と思ったと言われている。
こうして、二人の立ち合いが始まった。
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:53:58.56 ID:GSAqDi/n0
- 剣聖になんてことをwwww
- 74 :1:2008/12/29(月) 19:54:05.67 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,.......,,,,__ ー十 ll 丿
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;,丶 O ── /
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ _ノ 〆~ヽ ・・・
.i' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ''i;:;:;:;.,|
| ,,_ _,, |||i L:.;.l
ノl =・= =・= .:;/¨iノヽ、 …負けた…天才のこの俺が…。
/llli,| u ´ |||i ノlllll/、 こんなジジイに…。
/|llllli,.l - u .丿lllll/ ヽ
|llll:..ゝ.,_____,,,..._/llllllll/ ヽ
|llllllllゝノlllllllllゝ_,ノlllllllllソ .}
,.-‐¬ ̄-、¨¬‐、
////"""`'""''ヽ
//////」 -===-.}
i//ノソ,._______,.""_'"",l ほっほっほ。
ヽ彡i.6 ̄ ̄i.,__ノ⌒i.,_ノ .. 丸目殿、いい言葉を教えてあげましょう。
/ヽ ゝ' ,rti.l.l.l.、)
⌒`ヽ、ヽ li ./ヽ
、 V ヽ ゝ _,......__ ノ ゝ
経過は略すが、試合結果については秀綱の一方的な勝ちであった。
この時、三度立ち合い、蔵人は二度は面を打たれ、三度目は体当たりを受けて
倒されてしまったという。
- 77 :1:2008/12/29(月) 19:57:45.08 ID:RIKfdycW0
- __... --- , 、
,イ=≡ミィ尨彡ム
/〃彡f' __二二_゙ミ〉
{ム、:f'=rf=:.__, =、_}{ 『下手くその上級者への道のりは、
{(Y′ ゝ-イ ト ._ノ:j| 己が下手さを知りて一歩目』
,〉- ,ィ竺竺 .::|!
イ:|::ト、 -; .::/
::::::|::{ \ .:::/ .:小、
::::::|::::\ ` ーケく |!ヽ\
::::::|::::::::/ヽ ∧|i|i〉 |!::::ヽ::\
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/u.ヽ j
r‐Y =・= ^ =・=. Y‐┐ ど、どういう意味かわからんが…
l Jl "" ´ u | r,j その、なんだ、オヤジ…。
>l ^ _,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ii´ l
| / .MARUME |. |
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 19:58:35.37 ID:GSAqDi/n0
- MARUMEてw
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:00:22.18 ID:jZhrB75T0
- この頭じゃMARUMEじゃなくてMARUKOMEですがな
- 80 :1:2008/12/29(月) 20:00:44.43 ID:RIKfdycW0
- : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,.‐- 、 :
廴ミノ
///¨' 、 「オヤジ、頼む!
y':;:;:;:/⌒i! 俺に新陰流を教えてくれ!!」
|:;:;:;:;};:;:/;},
;il||||li' t`'---‐';:;:;:l 「ほっほっほ」
,.r'"''、,┘ / 7;:;:;:;:;:;:;:;「
ノ丸(⌒i ./ .}:;:;:;:;:;:;;/
/..,__彡{, | ./ `i:;:;:;:;:;}
( .ミi!} l、 .」:;:;:丿
クュ二二`Lっ) `==='
こうして蔵人は秀綱に入門を願い出て、秀綱はこれを快諾した。
そして、みるみるうちに腕を上げ、永禄七年(1564)、秀綱が再び上洛した際、
足利幕府第十三代将軍・足利義輝の前での兵法上覧において打ち太刀を務め、
「丸目打太刀、天下の重宝たるべし」と賞されたのは、本編でも述べた通り。
(なお、再会するまでの6年間、蔵人がどうしていたかは不明)
- 82 :1:2008/12/29(月) 20:01:36.91 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,.......,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;,丶
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
.i' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ''i;:;:;:;.,|
| \,. 、/ L:.;.l さあ、行くぜ!
ノl ^ , ^ .:;/¨iノヽ、 お前らもオヤジに会わせてやるからな!
/llli,| __ .,ノlllll/、
/|llllli,.l [__] 丿lllll/ ヽ
|llll:..ゝ.,_____,,,..._/llllllll/ ヽ
|llllllllゝノlllllllllゝ_,ノlllllllllソ .}
|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ/ /
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./
∧_∧
( ´∀`) わかったモナー
( )
| | | ∧∧
(__)_) ( ゚Д゚) わかったぞゴラァ!
丸目寿斎 (つ つ
~) ) ) ∧∧
∪∪ (*゚ー゚) 楽しみですね。
丸目吉兵衛 (∪ ∪
~) ) )
∪∪
木野九郎右衛門
さてこの兵法上覧の後、蔵人は一度九州へ戻ったという。
そして故郷人吉に戻った後、そちらで得た弟子3人(ただしうち2人は弟)を連れて
永禄九年(1566)に再度上洛した。
- 85 :1:2008/12/29(月) 20:02:49.40 ID:RIKfdycW0
- _ ,,..._ ト{ .,,___ 、..,__,,.
"´::ヾ::゙゙;`>''´ ̄`ゝ、__ `:;、;;`::ゞ:;゙
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{ ,;''´;'::;; =、::;;゙ _,,....._
''´;;ヽ:::;゙=<゙二二二\_,「「゙ニニニニニニ7´::;''::゙!::、:_'^:ヾ';"::゙;;ヽ::
、ゞ;;::''゙::;;、::`゙;芥芥lア''´j | ゙:;`ヾ;;`゙:=::丶::;''::,;''゙:::;:゙
::`':;;::''´::`゙''=;,テテテニ´_______゙ゞ、::ゞ:;;_`丶::゙':;;::='::;'
_゙´::i::`;;'"::゙:_::゙;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'゙::_::'
::`j':!::゙;;._::::;;::"゙ヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!゙!;;::ヾ、l !'´::゙;
'';;:: i⌒;;::`゙i:;ー:''´゙;;===n==n===rn===n=゙;;::ヾ!:l::`:=::'゙:i::''´;;
ゞ;l;;'゙::''゙;;..:゙i::;;.:゙::;;' i i i l丁丁! ̄丁l ̄丁「 i:´:;''゙:iヾ::ヾj;il゙;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´「「入「j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========、
T゙j''i"i´´ |l|´ニニl:l幵;; ̄ ̄/フ三三三「l ̄;゙j::゙}______{
`゙::''"":⌒゙''=::"゙゙ヾ゙''"ア7"二二二二二二l:|i{:「゙l`TTニニTT´
厂厂厂厂厂厂厂「l/ r―――――――|jl{jー{';;|_L二」_|::
( ´∀`) 「兄者、秀綱先生はおられないようだモナー」
( ゚Д゚) 「どうすんだゴラァ!」
(*゚ー゚) 「…人吉に帰ります?」
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/u.ヽ j
r‐Y =・= ^ =・=. Y‐┐ ぬ、ぬううううう…!
l Jl "" ´ u | r,j
>l ^ _,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ii´ l
| / SINKAGE |. |
しかし、この時、秀綱は上野国へ戻っていたため、会えなかったという。
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:03:58.44 ID:GSAqDi/n0
- この丸目はお洒落さんだなw
- 87 :1:2008/12/29(月) 20:04:42.90 ID:RIKfdycW0
- ,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i よし!じゃあ上洛したって証拠に
l j \_ii_/ ヽ j 俺たちの署名をした立て札を残すぞ!
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ そうすりゃオヤジも俺達が来てたことが分かるだろ!
l Jl "" | r,j
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE |. m9
______
| |.| ∧∧ わかったぞゴラァ!
=====(,,゚Д゚)∩=
|_|.⊂ ノ
/ 0
し´
∧∧ ミ _ ドスッ
( ,,)┌─┴┴─┐
/ つ. 天下一 │
~′ /´ └─┬┬─┘
∪ ∪ ││ _ε3
゛゛'゛'゛
この時、蔵人は弟子三人と四人連名で「天下一」を名乗った立て札を
愛宕山、誓願寺、清水寺に立てて廻った後、帰国したという。
(立て札を立てた正確な理由は不明。
「天下一」を名乗ることで、他の武芸者たちを挑発し、立ち合いを求めたものの
誰も名乗り出なかったので、引き上げたとも言われている)
- 89 :1:2008/12/29(月) 20:06:12.15 ID:RIKfdycW0
- /彡三三三f _‐_-_ _ _ _ヽ
|彡彡三ヲ´ ,.===ュ,、 __l_
レ=、、====K()シ |=fテ| ト
!リ=; ≡ ゝ---ノ ヽ」ノ 丸目殿…そなたには、この印可を授けます。
!(__( = u ノゞィ,、く | くれぐれも人に教授する際は心掛けなさい…。
ll\__`゙ ヽ (リ!'""^''リ /
∧ゞ-''' ヽ ヽ | / .
,../ \ ヽ ヽ Y
-‐'´ ヽ \ 、 人
ヽ ヽ \\ `'''ー'''/ ヽ\
_,,,,,........,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,丶
タプタプタプタプタプ… /:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
i' ' ' ' ' ' ' ' 'i;:;:;:;:;:;:;:;.,| 「オヤジ!心配すんな!
,.-‐¬ ̄-、¨¬‐、 |\,. 、/ L:;:;:;:;:;.;.l 俺が新陰流を天下一にしてやるからよ!」
////"""`'""''ヽ l ^ , ^ ヽ:;/¨iノヽ、
//////」 u.-===-.} | __ ,ノlllll/ 、
i//ノソ,._______,.""_'"",l .| [__] ./lllll/ ヽ (…本当に大丈夫なんでしょうかね…)
ヽ彡i.6 ̄ ̄i.,__ノ⌒i.,_ノ ..::ゝ.,_____,,,.../llllllll/ ヽ
/ヽ ゝ' u .,rti.l.l.l.、)ゝノlllllllllゝ.,__,ノlllllllllllllソ }
⌒`ヽ、ヽ li ./ヽllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ ./
、 V ヽ ゝ _,......__ ノノ ヽllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./
丶、,.、,ヽ ミ三 ` ¬ ‐‐---‐¬ ¨ ̄
((  ̄ ̄ ¨¬‐- ..,_
l 川 |
翌、永禄十年(1567)、この立て札の件を知った秀綱は、蔵人に新陰流の印可を与えている。
ただし、この時の印可状は、新陰流の殺人刀については教授してもいいが、
活人剣については無闇に教えてはならない、とする特殊な制限付のものになっているという。
- 90 :1:2008/12/29(月) 20:07:02.88 ID:RIKfdycW0
- ______
| 只今篭城中 |
. ザワザワ・・・ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
<⌒> ザワザワ・・・・
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧._/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄|
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ
大口城
さてその後、蔵人は元の主家・相良家へ出仕した。
そして永禄十二年(1569)、再び島津家との間で戦となり、
蔵人は相良氏の大口城を守ることとなった。
攻め手は島津家四兄弟の末弟、家久。
「軍法戦術に妙を得たり」とまで称された人物である。
大口方面の要となるこの城を落とされないためにも
相良勢は篭城態勢に入った。
- 92 :1:2008/12/29(月) 20:08:09.56 ID:RIKfdycW0
- __,, ----──--、
/::::::::::::::::::::::::::: \
r─::'´::::::::::::へ:::::::::::::::::::: : !
|::::::::::::::::/ `‐-、::::::::::::::::::::l
ヽヘ::::/ _,,..,,_ <::::::::::::::::::::l、 ふぅむ、亀の如く守りに入りましたか。
/_ /´ \ \::::::__:::::::::ヽ いやはや、亀の頭を出させるには、
ヽ\ //_≧_ 〉/ l:::::::::::::── 、 まずは餌、ですな。
l ニゞ、"`、__゚ノ /::l l::::::::::::::::::: \
l / ゙ l:::::l__/:::::::::::::::::::::::::::::::::l
ヽ l |:::::l l::::::::::::::::::: |
r〃‐____ ,ヘ l:::::l {::::::::::::: !
/ ヽ`=一'´ `ヾ/丶/ /\:::::: │
{ ,' / ,.イ / /\ ヽ
l i ヽ∧< / >r ‐´ / ! \
島津家久
これに対し家久は、篭城中の大口城の前でおとりの小勢を動かし、
大口城に篭もる相良勢を引き出そうとした。
(単なる小勢ではなく、補給部隊に見せかけたとも言われている)
- 95 :1:2008/12/29(月) 20:09:59.86 ID:RIKfdycW0
- r'T  ̄ ̄ ̄7¬-、 / ̄ ̄ ̄
i'|..| | レ,r'ゝ, /
|.| | ,r 、 | |i /rぅ | 待 て
|,|_|,,∠。Δゝ_|_,リ_/_,j ヽ
|r----ァー---、;tt-{ / あ わ て る な
⊥,,_、 、_,,,.ヾ!i::::i | こ れ は 島 津 の 罠 だ
|`、fj,.7 ヘ,tjノ'i .| リ⌒! ヽ
| ' {__ `` U.!.| `ノ ∠へ、
i. /___'_ヽ .l.l ゝ、 `ー―――――
人 f `ー---''ゞ, i.」//{ぅ)、
//ぅト、__iiii__レ=//__/ /7ァ、
,イ互{々i/ィタ|||ト、ヽ、/ム,r、, /互彑スァ、__
,イ互-!i'((,)レジ''' iリ`ソァ' _ フ7{互彑互彑タヲ{
´ユ彑リ彑,r、'イヘ il,// ( )//ゝ彑{ゝ彑{ゝ彑
ゝ彑{ゝ彑{に少ソ /i/ //ゝ彑{ゝ彑{ゝ彑{
小田八郎右衛門
しかし、この家久の策は相良側の将・小田八郎右衛門が見抜いていたため、
相良側の篭城の方針は動かなかった。
…と思われた。
- 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:10:23.51 ID:GSAqDi/n0
- よく見たら策士孔明なのねwww
- 97 :1:2008/12/29(月) 20:11:32.38 ID:RIKfdycW0
- ,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/ ヽ j なにやってんだコラ!
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ 罠かなんだかしんねーが、あんな小勢、
l Jl "" | r,j さっさと倒しちまえばいいんだよ!!
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE |. m9
r{ゝrー-‐‐、n,-、
, ‐ ' T_ ̄ `‐ 、,' イ^
. r‐ '  ̄  ̄ -、 ` 'i
l ____ | l
「~へ, 、/__ヽr,、 ! そうじゃそうじゃ!
!l ヽ゚ィ / ヽ゚- '`l !;;ヽ! 丸目殿の言う通り!
. l;;;! -'_L__ー l l;;;;;;;! 小田殿は腰抜けじゃ!
l;;;!l、,イー‐ -ヽ /!l;;;;;;;;!
ノ;;;!l/、`^ニ` 'ヽ' l !;;;;;;;;ヽ
ノ;;;;;l l__,`ー‐‐ ' i l !;;;;;;;;;;;;\
_/;;;;;;;;l !ヽ' /!.!;;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ,‐-、
/ ヽヽ;;;;;;!l ヽ三 三ノ !.!;;;;;;;;;;//' ヽ,
./ l ヽ ~_!-、ゝ_./_,-‐ '! !; -', ‐7 / , ' l
内田伝右衛門
しかし、ここで蔵人、内田伝右衛門らが反発。
誘いである事は承知の上ではあるものの、叩ける小勢は叩くべし、と主張。
結果、大口城の相良勢は打って出ることになってしまった。
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:13:20.89 ID:EMdiiqEV0
- 黄忠wwww
- 100 :1:2008/12/29(月) 20:14:18.36 ID:RIKfdycW0
- 蔵人、伝右衛門を筆頭に、島津の小勢を負う相良勢。
そして勢いのまま進んだところで…。
_ ,.. ノ)ー'´レ´ーz/ヽ.
/(/ __ .. \
_ノ , -‐'. -‐'´ 、. >
Z、 i、 ( ___ )) /
i´rヘ_ノ_ー、-_―y'_  ̄\ / /
.(/ iテ rテl) ,-l r-',r‐'」rーt―'――
lヽ r─./ :)_/ lヽ_ f_ー彡
ト、.トー' / l| : ヽ _/ ̄ ははははは、かかりましたね!
_..-‐」 「∨‐、┘ヽ ´ ) 伏兵、出撃してきた相良勢を討て!!
/∠/ // / ヽ. /
l/{ノ/ / r'
iへィ / l
l/ r-i /
- 102 :1:2008/12/29(月) 20:15:00.31 ID:RIKfdycW0
- \ \ \ | ,,,--''''' ̄ | // _,,,,,--┐ | / _,,,...---
|| ̄ ー|、-/l /l\┌'' ̄| _,,,,-ゥ/i`ヽ、 |ィ-ァ | | 「 ̄ |
<二> | | |、| |、'|'''ー-____,,--''''',,,-'''~/ \| // | | | |
<二> //=|/ー|/< ̄__,--''  ̄ / //.| | | | |
―--,,,,,__.|| //  ̄ | | | // | | | | |
___ <二二/ =||=≫ | | | /'''~____,,,...| .| | |_,,,,,--|--''''
====┐ |||/ | | || | | | ,,,,,,,--'''''''''''´ | ./|/|/| |
|| ||/ | | | | | ξ l ,,,,,,,,,,,,,,<二>,―''| ||/|/ |
|| || | |/l/l | | | || ̄ ̄ <> | | | | |
―<二> /| l/l/ | | | γ⌒ヽ ____ |/ / ,,__ |_,,,,
<> | | | | | ( ○口==ξ| <二二/=l|=≫ '' ̄|'''''□ /l
|| || | | | | | ゝ___ノ  ̄ ̄ ̄ ̄| | || <二> / |
<二二二/| =ll=≫ <二二二> l\ /l \| | |`''<二ノ
|| || | | || / | | | \| / / |\ | | | |
|| || | |/ / | | | __/ / \| |\ |,,,,...--- |----
|| || |/ / | | | <_/ |\ | \ ___|,,,,,,,,,,
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,, て
,゙ ゙; そ
i ;r────‐┐ i
l j u \_ii_/ ヽ j げえっ、島津…の伏兵!?
r‐Y ○ ^ ○. .Y‐┐
l Jl "" ´ |||i | r,j
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE |. |
当然のように、島津家久は用意していた伏兵で相良勢を挟撃。
一気に蔵人たち相良勢は窮地に陥った。
- 103 :1:2008/12/29(月) 20:16:13.32 ID:RIKfdycW0
- _,..--------、_
r| | | /ヽ,
| l l ,.へ | || iユ、
|j_l∠へ-゙-⊥」_/゙T´
|_,.. -:;;:-- 、...__n`y だから言ったのだ…!
⊥_、 u__,,,,,,,,.リト| しかし、味方を見捨てるわけにもいかぬ!
代07 ヘ0フ ||,ヘ 者ども、島津勢を攻めよ!
! |__ ,_ ̄u ||_ソ 味方を救うのじゃ!
|uイ――ヾ u ,リ,へ、
人|.  ̄ ̄`リ_〃゙ (9入_
_,..-=|| ,.`'ー|l|ー</// ̄人9、>-、_
/(9ト-||('-ジ'リト=-ソ__ゞ´/ニ、9ト9Y゙/6\
窮地に陥った蔵人たちを救ったのは小田八郎右衛門だった。
彼は蔵人・内田伝右衛門らを救出すべく敵中に斬り入り、討死した。
- 106 :1:2008/12/29(月) 20:26:51.13 ID:RIKfdycW0
- ___ +
| 島津 | ┼
. | ̄ ̄ ̄
∧
<⌒>
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧._/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
ヒー! __| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
ニゲロー! ./__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄| ケイカクドオリ!
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
λλλλλλ...... .|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ λλλλ.......
結果、大口城の相良勢は総崩れとなり、城将相良伊勢守以下、大口城を捨てて撤退した。
義久は新納忠元を大口地頭として入城させ、以後、大口方面は島津氏の支配下に入った。
- 109 :1:2008/12/29(月) 20:28:25.02 ID:RIKfdycW0
- _ _
r土 ̄ _」┬┬ ト.、 _」 \_WWWWWWW_/
| ||== ⌒=|| ≫ ≪
_|‐ ' ´  ̄ ̄O ̄ | ≫ げ ≪
,':ri‐:':::二二::: ̄::;´::`! ≫ 落 え ≪
l::l.l:::/ `''´ ヽ:!、 ≫ .城 .っ ≪
!::|l::〉 /⌒_' ........,'⌒'| ', / .!? ≪
/ヽ!l| "::::'´ o.!::::::::l´o.}:! |  ̄≫ ≪
| 9.|l u  ̄ .| ̄ |! | /~MMMMMMM~\
`ーl.l. _ j ,'
| ', 〃,.-―-jl,'
.| ヽ {l '-一-'.,i′
,rv' ` .'l .,;;;,./ ; _....-rぃ、_;:
_/ハ::::::\ `ヾ;;;/ハ ; _/::::::::::::::::::::::::ヾ:
/::ノ:::ヽ:::::::::`:..、. `/:::::\ :;,':::::::::::::::u::::::::u:::::│;:
相良義陽 ;l{‐''K::::::::::::u::::::::::::│;: …なぜだ…この天才の俺が……。
;ノ |||゙'l:::::::::::::::::::::::::::|;:
;| i||| ゙゙)li{::::::::::::::::丿;:
;│ u 亅 `'┴┴'彳;:
;丶 '' _....u;u..___ l_;:
;ゝ_/''´ ゙'llllllllllllllllllltュ__;:
;/ _、゙lllllllllllllll|lllllll'∟;:
;│ てl|llワlllllllllll|llll入;:
罠を見抜いていたにも関わらず、強攻策を押し通したことで、
多くの将兵を失い、更に大口城、及び大口一帯まで奪われてしまった。
この責を問われ、蔵人は主君・相良義陽より逼塞の命を受けた。
この逼塞は、義陽が死ぬまで15年以上解けなかった。
- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:29:15.69 ID:GSAqDi/n0
- ありゃまー
- 111 :1:2008/12/29(月) 20:29:50.79 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,.......,,,,__ ー十 ll 丿
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;,丶 O ── /
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ _ノ 〆~ヽ ・・・
.i' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ''i;:;:;:;.,|
| ,,_ _,, |||i L:.;.l …出仕停止か…仕方ねぇ。
ノl =・= =・= .:;/¨iノヽ、 なら、その間にやれることは……。
/llli,| u ´ |||i ノlllll/、
/|llllli,.l - u .丿lllll/ ヽ
|llll:..ゝ.,_____,,,..._/llllllll/ ヽ
|llllllllゝノlllllllllゝ_,ノlllllllllソ .}
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/ ヽ j 「新陰流の伝播」…もうこれしかねぇ!!
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐
l Jl "" | r,j
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
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こうして、主家に出仕する事が出来なくなった蔵人は、
九州における新陰流の伝播に力を注いだ。
薩摩の大口、日向の高城、肥前長崎、豊後などに出向き、
名のある兵法者と立ち合い、これを破って新陰流の威名を高めたという。
- 113 :1:2008/12/29(月) 20:31:17.48 ID:RIKfdycW0
- ここでひとつ逸話がある。
この頃の話かどうかは不明だが、ある時、蔵人は鎖鎌使いと立ち合うことになった。
,;----
/:::::::::::,:::~ヽ
|::::::::::::ヽヘ:::|
/ト---=~~^^|
.|;ソ fア|;;|;;|ヘヾ アンタが名高い丸目蔵人殿か。
|;.;;ト-.ノ|;;|;;;|ヽ;;ヽ いっちょ立ち合ってくれねぇか?
..,,ヘ;;;"ヽ.|;;;|;;|-''"ゝ-..,
.-'''""~~~~'''ヽ.. // i;ヽ l;;i;;|ソ /'''""''ヽ
<i'' ,..--'''"",,"''-..ヽ / |/ ヘ___..V''ノ/ i"./''"""'ヘ
ヽヽ ,.-'''""~ ~'";l l/~ト/;;;;'' l丿i"li i ノ丿i
ヽヽ / iミ/ i"" i l l ln,,ヽi /ノ i
ヽヽ / // 丿 ln (cll/ヽヽ i,
/""'i"ヽ / // ヘ~'i i ./ i ヽi 'i
iヾ~ヘP ヽ, l /././-| /l / l i ;;i ノi
l;;;ヽソヽlソi-'" 'l/l././i i i ''-/ /--...,,, ヽ <i
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ ii _/ ヽ j この天才!丸目に挑むとはいい度胸してるじゃねぇか!
r‐Y ^ ^ . Y‐┐ よかろう!相手をしてやろうではないかね!
l Jl "" ´ | r,j
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE | |
- 114 :1:2008/12/29(月) 20:32:29.09 ID:RIKfdycW0
- ,,-──---=__
,-" :::::::::::`ヽ、
r" :::::::;;;;;;:::::;;;;;ヽ
,| :::::::;;;;;;;:::;;;;;;;;;;ヽ
,| ::::::;;;;;::::::::::::|
|;;;;; ........::: :::;;;:::::::::::::|
. ゝ-=____=---------ヽ …いいのかい、アンタ。
/ !、 ,--== ヽ, l 'ヽ `、 刀を抜かなくても。
j .シ , " tIjニン::l l:;; i i、
l i'_ ' .::l i__ノ ''i
j . `j_ , .:l l;;;t` 、. . ヾ、
l 't`ー-' .;i l::: i::::ヾ、::、:: `、
j , l"' .. ..: ノl . ! l ヽ、、,,、::ヽ `、
l i.| `ー‐イ;::: l i! l .,->ヽ `、-=、
―j.! t l;;;;ヽ. l ll lr'" ヽノ ゛`
' i゛,、 λ`/ l li j| | ノ
\ヾy lヽ l l! ノ| レ''"
t ヾ j lレ"
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i _
l j \_ii_/ ヽ j // いいんだよこれで!
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ // ミ ホレ、さっさとかかってこい!
l Jl "" | r,j //
>l (二ニニニ二)_,l<. //
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \ //
| / SINKAGE | | //
鎖鎌を構えた相手に対し、蔵人は刀を鞘に入れたまま、立木打ちの体勢に構えた。
- 117 :1:2008/12/29(月) 20:34:43.28 ID:RIKfdycW0
- ∠二三〕 ビュオッ! ,,,,,,,
川´∀`)≡つ~~~~~~~~~~~~~-=●
(つ=フ なら、食らいなっ!
/ )
( / ̄∪
鎖鎌使いは蔵人に分銅を投げ、そのまま刀に巻きつけた。
後はそのまま刀を奪い取れば、鎌で斬れば終わりである。
- 119 :1:2008/12/29(月) 20:36:01.48 ID:RIKfdycW0
- だが、しかし。
、 riiili(ミ《i(zli゙i|ミi゙|;;||||》;||ノl《.ミ》リミ7y'.
、vミr〔..')zh)l!'(;|i巛工巛!レ|(《}゙|》リ|ミi(ト=、.
、、二r;, ソ〔W》l|)リ|||《トミ|r|)|トl||》;》'|||)||i《(
:;:工〔、〕r(z{llトミ||(|;》《;;|lizl(ミ)||リ|》》ノ《|厂^'i.
.工∧.(!.゙ミl,爻i|;|;||;;》|;「卅:|′ .\
.ア|)v;'{ト.》iノ《ミ||ミ「 ″ リイ .┐
.rレ=ミ|||l||;l|r|;|《|, ‐ {!
.'^ノリr「巛》;||;;|||;;;;|;;;iy ,_,,,,uyyu,,,,,,,,,,__ .iil《!
:<リ'巛工;;|;;;;;l《|;|l》^ ¬^゙¨¨゙゙^リリリリ干 .;レ|ト
.゙/乂巛l《》|l;l||i;l|「 _yz!i厂リ!'ー .\.r
.i|||ミ》巛i;li;;;||;;;;|ト ゙゙^^冖'¨ ′ .゙\,
.「〔|y|!lil(;》ミl;|;l;;| ,ノ
゙リW!i|《|;;)|;;|《;|、 .r''゙./゙ミ
゙゙リ|ト||ミ》〔》リl;||. <:]
(||,|}|フ《ノll|゙^} _,.--l《′ 阿呆か、お前は。
'《;》(|人.》W< .--=冖'''二/′ こういう時は柄に巻くんだよ、柄に。
アリl|三ー″.゙z_ 'ヾ'^¨゙}
゙'巛;lllhlllilll;)v {
.゙「|;|「゙'巛):人, .ノ
{(. .¨゙'v.アlァzuy,_ _,ノ′
〔=_ ¨'=_″  ゙̄フliiiillliリリ′
そう言うと、鎖の巻きついた鞘を傾け、鎖ごと鞘をするりと外し、
そのまま自由になった抜き身で一気に切り掛けた。
- 121 :1:2008/12/29(月) 20:37:00.71 ID:RIKfdycW0
- / 、'__i',、,―、
ヽ、丿\_// イ::::::::::::::::::::`、
/' `ゝ:::::::::::::::::::::::::::)
終 こ l {::::::;;:::::::::::::::::::::く;"
わ れ |_ !:::f 、,f'从"ヾ~,::::;
. り で |ヽヘf 、:。ミ',',、ッ'_ヾ;::!
だ l ',_l '" ヾ゚ ' ,'ヘ 振り下ろした刀は、
! ゝi!;l _-_ ; ,'_/'''i!i 、‐'i 相手の面前でピタリと止まっていたという…。
ゞ !i!;.ヽ {゙二゙〉 .';;;i!; i!lヽ.//_
,、‐ヽ ,、 'i. !i!;;; ヽニ,、‐';;;// i!,i' ,''7/
ノノ l/ル`'ヾヾヾ ;;;//;;// .// / '
イ ! ,, ヾヾ、/ /.,// f /i'
. )ヾ从 ム从,イィミ/ /;、‐'' / /i!i'_,,..
、ィ‐:::':":::i::``.ヽ/ /イ ,,;;;;/./ `ミ>、`;`
ィ::::::::: ::l:::::::::::/ /<ヽ、;;// ( ヽ
'::::::::::::::::l::::::::://::::`i', ヽ' .、‐i > ,>、
::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::j:| `- !. !―‐'"
ヽ::::::::::::|::::::::::::::::;;;:、‐'' ,ヘ !,,' ,、イ
` 、`>::::|:::::::::::iニ, 、‐''''" >. 'i -,、''./、_
ヽヾ:::::::l::::::::::::::,‐'ノ /<;`''/ //7//
ヽ:::ヽ::::l:::::_,、―''_,、、‐,< ;; / ./ .レ;.レ;イ
`ゞ-i―l―ヒヒニ‐'ミ"`;;/ ./ / イ、
この話が事実であるかどうかは不明だが、
蔵人の剣豪としての逸話のひとつとしてわかりやすいものと言える。
ともあれ、このような立ち合いを繰り返したことで、
蔵人と新陰流の強さは九州一円へ広がっていったと思われる。
- 123 :1:2008/12/29(月) 20:38:07.47 ID:RIKfdycW0
- _____
,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
/'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
//.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
/〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{ …大したものですね、丸目殿は。
{´yヘl'′ | /⌒l′ |`Y}
゙、ゝ) `''''ツ_ _;`ー‐'゙:::::l{
. ヽ.__ ,ィnmmm、 .:::|!
,.ィ'´ト.´ ´`"`"`゙″ .::::;'
イ´::ノ|::::l \ "' :::/
::::::::::::|:::::l ヽ、 ..:: .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ ヽ、.......::::/..:::/!\\
::::::::::: |::::::::ヽ ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、 /i|iト、 |l:::::::ヽ:::::\
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、 ∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::\
この活躍を知った秀綱は、蔵人に対し、書簡を送っている。
(元亀二年(1571)頃と言われる)
「九州において他流の兵法皆以って打ち払わるるの由、その聞こえ候。
別して満足の至り、之にすぐべからず候」
「西国の御指南は貴殿に任せおき候」
とあり、蔵人の活躍に秀綱が満足し、
また、西国での新陰流の教授を任せたことも見受けられる。
- 124 :1:2008/12/29(月) 20:38:52.37 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,.......,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;,丶
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
.i' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ''i;:;:;:;.,|
| \,. 、/ L:.;.l まだまだこんなもんじゃ足りねー…。
ノl .=・= =・= .:;/¨iノヽ、 もっと、もっと腕を上げなきゃよ…!
/llli,| ´ .,ノlllll/、
/|llllli,.l ^ 丿lllll/ ヽ
|llll:..ゝ.,_____,,,..._/llllllll/ ヽ
|llllllllゝノlllllllllゝ_,ノlllllllllソ .}
|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ/ /
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./
なお、蔵人は剣術の他、槍や薙刀、居合、手裏剣など、二十余流の奥義を極め、
更に書道(青蓮院流)の免許も持っていたという。
こうして蔵人は、秀綱より受け継いだ新陰流に独自の工夫を加えていった。
そして、そんなある日の事…。
- 127 :1:2008/12/29(月) 20:41:02.03 ID:RIKfdycW0
- ,. -‐ ''"  ̄ ̄ ``丶、
i:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i |
カ ヽ:::_; ‐--、、 、---、 ;;_:| |
チ `!;{ |トNヽ }.:.:.:| |ヽ' .要 師
カ lf へ、| 、,. へ、ヽ;| | チ 匠
チ ,.-!. <(')' '(')> '=、 | ェ !
カ .{{〉,| '" , , ` ム }〉 、 | ッ
チ /ヾ‐l ,.---、 u i、..イ ``'| ク
カ ,.ィ_" |`''i、 〈ヨ ̄´,〉 / / | や
チ/,ノr:} ヽ ヽ `'三'"/ / ム !!
/ /,.⊥L_ \l! ` -‐' / / /|
/ / ─‐〈 `ヽ、一r''" ! |/ ̄ !ヽ
r''" .ノ 'ー─〈 __ -─‐=ニ二二) l / |
/ ( 、 二.フ |-ニ ̄ -──- | | i
有瀬下記
蔵人の弟子で、後に関東へ赴き、秀綱の直門となった有瀬下記という人物が、
修行を終えて帰国する際、秀綱より、
「自分が蔵人と別れた後に得た新しい剣技を、蔵人に教えてやって欲しい」
と託され、戻ってきたのである。
- 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:43:05.70 ID:GSAqDi/n0
- 要チャックwww
- 130 :1:2008/12/29(月) 20:47:01.94 ID:RIKfdycW0
- ,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙; うるせー馬鹿!
i ;r────‐┐ i 弟子から物を教わるなんて出来るか!
l j \_ii_/ ヽ j 自分で上洛してオヤジに聞いてくらぁ!
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐
l Jl "" | r,j オラ行くぞお前ら!!
>l (二lニlニl二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \ 「は~~い」
| / SINKAGE | |
しかし、蔵人は弟子から教わる事を拒否し、直接秀綱に学ぶべく、
前の3人の他、神瀬軍助、小田六右衛門を加えた5人を連れ、再び上洛した。
- 132 :1:2008/12/29(月) 20:50:22.63 ID:RIKfdycW0
- _ ,,..._ ト{ .,,___ 、..,__,,.
"´::ヾ::゙゙;`>''´ ̄`ゝ、__ `:;、;;`::ゞ:;゙
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{ ,;''´;'::;; =、::;;゙ _,,....._
''´;;ヽ:::;゙=<゙二二二\_,「「゙ニニニニニニ7´::;''::゙!::、:_'^:ヾ';"::゙;;ヽ::
、ゞ;;::''゙::;;、::`゙;芥芥lア''´j | ゙:;`ヾ;;`゙:=::丶::;''::,;''゙:::;:゙
::`':;;::''´::`゙''=;,テテテニ´_______゙ゞ、::ゞ:;;_`丶::゙':;;::='::;'
_゙´::i::`;;'"::゙:_::゙;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'゙::_::'
::`j':!::゙;;._::::;;::"゙ヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!゙!;;::ヾ、l !'´::゙;
'';;:: i⌒;;::`゙i:;ー:''´゙;;===n==n===rn===n=゙;;::ヾ!:l::`:=::'゙:i::''´;;
ゞ;l;;'゙::''゙;;..:゙i::;;.:゙::;;' i i i l丁丁! ̄丁l ̄丁「 i:´:;''゙:iヾ::ヾj;il゙;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´「「入「j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========、
T゙j''i"i´´ |l|´ニニl:l幵;; ̄ ̄/フ三三三「l ̄;゙j::゙}______{
`゙::''"":⌒゙''=::"゙゙ヾ゙''"ア7"二二二二二二l:|i{:「゙l`TTニニTT´
厂厂厂厂厂厂厂「l/ r―――――――|jl{jー{';;|_L二」_|::
( ´∀`) 「兄者、秀綱先生は亡くなられたそうだモナー」
( ゚Д゚) 「どうすんだゴラァ!」
(*゚ー゚) 「やっぱり下記に教わります?」
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/u.ヽ j
r‐Y =・= ^ =・=. Y‐┐ ぬ、ぬううううううううううううう…!!
l Jl "" ´ u | r,j
>l ^ _,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ii´ l
| / SINKAGE |. |
しかし、蔵人が上洛して聞いたのは、師・秀綱の訃報だった。
- 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:51:20.03 ID:GSAqDi/n0
- ありゃりゃ・・・
- 134 :1:2008/12/29(月) 20:51:44.27 ID:RIKfdycW0
- _....-rぃ、 ノ(
_/::::::::::::::::::::⌒
:,':::::::::::::::::::::::::::::::::│
l{‐''K::::::::::::::::::::::::::│
ノ ゙'l:::::::::::::::::::::::::::| ……聞けねーもんはもういい。
| ゙゙)li{::::::::::::::::丿 俺は、オヤジ以外から教わる気はねぇ。
│ 亅 `'┴┴'彳
丶 '' _....u;u..___ l_
ゝ_/''´ ゙'llllllllllllllllllltュ__
/ _、゙lllllllllllllll|lllllll'∟
│ てl|llワlllllllllll|llll入
│ ┐llll[l}llllllllllllllllllヘ、
こうして蔵人は九州へ戻った。
そして、この後、蔵人は自らの流派を「タイ捨流」と改めた。
これは、新しい剣技を学べなかった事への失望故、とも言われているが詳細は不明。
なお、この「タイ捨流」という風変わりな名前のうち、カタカナの「タイ」は、
「大」「太」「体」など、複数の字義が当てられつつも、そのいずれでもなく、
いずれでもある、として、文字に縛られぬために敢えてカタカナにしたと言われている。
- 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:52:32.53 ID:GSAqDi/n0
- へえ~支援
- 136 :1:2008/12/29(月) 20:53:43.71 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,.......,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;,丶
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ
.i' ' ' ' ' ' ' ' ' ' ''i;:;:;:;.,|
| \,. 、/ L:.;.l やっと再出仕できたか…!
ノl .=・= =・= .:;/¨iノ これからだな!
/llli,| ´ .,ノlllll/、
/|llllli,.l ^ 丿lllll/ ヽ
|llll:..ゝ.,_____,,,..._/llllllll/ ヽ
|llllllllゝノlllllllllゝ_,ノlllllllllソ .}
|llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ/ /
lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./
そして時は過ぎる。
天正十五年(1587)、主君・相良義陽が亡くなり、次代の長毎になったことで、
ようやく蔵人の逼塞は解け、再び相良家に出仕することとなった。
この際、蔵人は名を石見と改めた上で、
百七十石(石高は一十七石~二百石まで複数説あり)を与えられ、
家中の兵法指南役となったという。
また、この頃には、既に相良家も島津の軍門に下っていた上、
更に、秀吉によって九州全体が統一されてしまったこともあり、
タイ捨流は九州一円に広まっていったという。
(蒲池鑑廣、立花宗茂らもタイ捨流を学んだと言われている)
こうして、タイ捨流は九州有数の流派として名を馳せる事になる。
- 138 :1:2008/12/29(月) 20:54:35.29 ID:RIKfdycW0
- , -'""'- 、 _,..-'''"~""~"""''''- 、
, -'"::.;;'' ;;:;: :::''"'- 、 _,..、-''"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;; ;;:;: :::''"'- 、
, -'"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''"'- 、 _,,.-‐''"::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::'':::::''::.;;'' ;;:;: :::''"'- 、
.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.. ;'"'":;.;'":;. :.
::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;'' ;;:;: :::''::.;;''
,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;i;';.,,,.;
.::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:..::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:..::..:...::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:..::..:..:..::::..:..::.:..:...::..:..::..:...:..::.:..:...::..:..::..:..:.
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,, ,, ,, ,, , -'", -'",, ,, ,, ,, ,, ,, ,, , -'", -'" ,, ,, ,, ,, ,, ,
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""' ''" """' ''" """' ''" """' ''" """' ''" """' ''" """' ''" """' ''" " """
そして、その後、名を徹斎と変えて隠居。
一武村の切原野に隠居所を与えられ、そこを開墾し、数町歩の田畑を得たという。
- 140 :1:2008/12/29(月) 20:55:36.43 ID:RIKfdycW0
- 、 riiili(ミ《i(zli゙i|ミi゙|;;||||》;||ノl《.ミ》リミ7y'.
、vミr〔..')zh)l!'(;|i巛工巛!レ|(《}゙|》リ|ミi(ト=、.
、、二r;, ソ〔W》l|)リ|||《トミ|r|)|トl||》;》'|||)||i《(
:;:工〔、〕r(z{llトミ||(|;》《;;|lizl(ミ)||リ|》》ノ《|厂^'i.
.工∧.(!.゙ミl,爻i|;|;||;;》|;「卅:|′ .\
.ア|)v;'{ト.》iノ《ミ||ミ「 ″ リイ .┐
.rレ=ミ|||l||;l|r|;|《|, ‐ {!
.'^ノリr「巛》;||;;|||;;;;|;;;iy ,_,,,,uyyu,,,,,,,,,,__ .iil《!
:<リ'巛工;;|;;;;;l《|;|l》^ ¬^゙¨¨゙゙^リリリリ干 .;レ|ト
.゙/乂巛l《》|l;l||i;l|「 _yz!i厂リ!'ー .\.r
.i|||ミ》巛i;li;;;||;;;;|ト ゙゙^^冖'¨ ′ .゙\,
.「〔|y|!lil(;》ミl;|;l;;| ,ノ
゙リW!i|《|;;)|;;|《;|、 .r''゙./゙ミ
゙゙リ|ト||ミ》〔》リl;||. <:]
(||,|}|フ《ノll|゙^} _,.--l《′ まあ、俺は天才剣士だからな!
'《;》(|人.》W< .--=冖'''二/′
アリl|三ー″.゙z_ 'ヾ'^¨゙}
゙'巛;lllhlllilll;)v {
.゙「|;|「゙'巛):人, .ノ
{(. .¨゙'v.アlァzuy,_ _,ノ′
〔=_ ¨'=_″  ゙̄フliiiillliリリ′
こうして、隠居後も含め、五代に渡って相良家の主君に仕えた後、
徹斎こと丸目蔵人佐長恵は寛永六年(1629)五月七日に死去。
享年90歳。
- 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:55:54.17 ID:GSAqDi/n0
- すげぇ長生きだなコイツwww
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 20:02:00.66 ID:trACc12U0
-
ニコニコで悪いがタイ捨流
- 142 :1:2008/12/29(月) 20:56:42.34 ID:RIKfdycW0
- _....-rぃ、_
_/::::::::::::::::::::::::ヾ
:,':::::::::::::::::::::::::::::::::│
l{‐''K::::::::::::::::::::::::::│
ノ ゙'l:::::::::::::::::::::::::::| …………半十郎。
| ゙゙)li{::::::::::::::::丿
│ 亅 `'┴┴'彳
丶 '' _....u;u..___ l_
ゝ_/''´ ゙'llllllllllllllllllltュ__
/ _、゙lllllllllllllll|lllllll'∟
│ てl|llワlllllllllll|llll入
│ ┐llll[l}llllllllllllllllllヘ、
'、 ヽlllllllllllll]llllllllllll|ll入
ヘ、 lllllllll|llllll|llllllllllll|llllj '、
│ tllll|lllllllllllllllllllll||lllll|llヽ
卜 llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll '、
なお、タイ捨流の後継であるが、蔵人には息子が二人いたものの、
二人とも早世しているため次女の婿の山本八郎左衛門が継いだという。
ただ、次男の半十郎については生来奸悪の性質があったため、
蔵人自身が家来に命じ、猪狩りにことよせて山中で殺害したという話もある。
- 144 :1:2008/12/29(月) 20:58:19.16 ID:RIKfdycW0
- / ̄ ̄ ̄\
孖元元込 \,/  ̄ ̄ ̄孖
. _孖 `マ ∠ _,,. 孖
__ ∠> '´ `<厂`/マ元元孖'´ 孖
>x/ / \__/^ヽヽ 孖 孖 これが、丸目蔵人佐長恵の物語なの。
. /// , ' / `ー孖 _,. 勿、 「東の柳生、西の丸目」と称されたという説もあるくらい、
〃 ,′ / , ' 込 ´ 勿、 この蔵人の興したタイ捨流は、
{{ i ,' / } 込 ,勿、 九州における一大流派となったのよー。
Ⅵi ! ′ ノ 込/´ ̄ \
八 i !{ { / イ } ヽ、 \ 実際、示現流で有名な島津薩摩藩も、
. ヽ从j ミ从 イ/メ、 ノ ` \ 示現流の流祖、東郷重位が流派を確立するまでは、
. r匕Y´ハ ヽイ ィ=ミ、゙メ、 / 丶 く 藩の主な流派がタイ捨流だったりするの。
ノ=ミ、}ヒリ rしY ノリイ ` ー ==ミ}
(=ミ刈""、 、_うノ彡く } - ==≡ニ二三三ミノ そんなわけで、高い評価を受けているタイ捨流と、
. `)_人 '''''' (辷_彡'__ . - ==≡彡ノリ その流祖・丸目蔵人なんだけど、
_彡介n` . イ=彡く _彡' .最後にひとつ、宗矩との逸話もあるので紹介するの。
/ `ニフ〕ア爪 )' (ミ辷= __彡'´ ̄´ (真偽自体が極めて怪しい話なので、年代などは除外)
{__'ア´ ̄ ̄ ̄``ー‐(ミ辷=_彡' \
「/ j厂 ̄´ \
/ ! )
,( i 〈
ヽ\ } i ノ
\ ヽ l /// 丿 イ
- 145 :1:2008/12/29(月) 20:59:07.57 ID:RIKfdycW0
- 『宗矩が将軍家の指南役となり、
「天下一」と呼ばれるようになったことを聞き、蔵人は怒りました。』
( ⌒ ⌒ )
( )
(、 , ,)
|| |‘
,ァ'''""~~ ̄~~ノ(
,゙ ゙⌒゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/ ヽ j ざけんな!
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ なんでオヤジの一番弟子の俺様をさしおいて、
l Jl "" | r,j 柳生の小僧如きが天下一なんだよ!!
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \ |i
| / SINKAGE |ヽ !l ヽi
しE |そ ドンッ!!
∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
※ この逸話では、蔵人が秀綱の一番弟子ということになっています。
- 147 :1:2008/12/29(月) 21:00:09.26 ID:RIKfdycW0
- ,ァ'''""~~ ̄~~ノ(
,゙ ゙⌒゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/ ヽ j くそっ、こうなったら小僧のところに行って、
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ 誰が本当の天下一かはっきりさせてやる!!
l Jl "" | r,j
>l (二lニlニl二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE | |
『こうして、蔵人は江戸の柳生屋敷へ乗り込むべく、旅立ったのでした。』
- 148 :1:2008/12/29(月) 21:00:36.17 ID:RIKfdycW0
- =江戸・柳生屋敷=
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| .||===○===○===○===○===○
| |││││││││││││││││|| .||
| |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
___________| |││││││││││││││││|| ||____________
\/\/\/\/\/\| |││││││││││││││││|| ||\/\/\/\/\/\/
/\/\/\/\/\/| |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
""" ̄ ̄ ̄'''''''''''''''""""" ̄""" ̄ ̄''''''''''""""""""""""""""""""""""""" ̄ ̄'''''''''"""" ̄ ̄ ̄ ̄"""""""""
「頼もう!…って言うか、コラ柳生の小僧!
この丸目蔵人様が、誰が天下一かを教えてやりに来たんだ!
さっさと戸を開けて、茶ぐらい出せ!!」
『江戸に着いた蔵人は、早速柳生屋敷へ乗り込み、宗矩に談判をねじ込みました。』
- 150 :1:2008/12/29(月) 21:01:19.29 ID:RIKfdycW0
- / ̄ ̄\
/ \ /
| ( ●)(●)
| u .(__人__) これはこれは丸目様。
| `⌒´ノ 遠方よりようこそお越しくださりました。
| }
ヽ } して、何事でございましょうか…?
/ ⌒ヽ .'´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
柳生又右衛門宗矩
( ⌒ ⌒ )
(、 , ,)
|| |‘
,ァ'''""~~ ̄~~ノ(
,゙ ゙⌒゙;
i ;r────‐┐ i 何事も何もあるか!
l j \_ii_/ ヽ j お前如きがなんで天下一を名乗ってるのか、
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ そのことを問い質しに来たんだよ!!
l Jl "" | r,j というか、手っ取り早く俺と立ち合え!!
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \ |i
| / SINKAGE |ヽ !l ヽi
しE |そ ドンッ!!
∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
『蔵人の訪問を聞いた宗矩は、蔵人を丁寧にもてなし、話を聞きました。
これに対し、蔵人は宗矩に立ち合いをして、どちらが真の天下一かを決めようと言います。』
- 151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:01:42.45 ID:t994u7cMP
- キタ━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━!!
私怨
- 153 :1:2008/12/29(月) 21:02:51.26 ID:RIKfdycW0
- / ̄ ̄\
/ ─ ─
| ( ●)(●)
. | (__人__) …!
| `⌒´ノ なるほど、あのことでございますか!?
. | } ならば、ひとつお聞き頂きたいことがございます。
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
,ァ'''""~~ ̄~~ノ(
,゙ ゙⌒゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/ ヽ j 聞いて欲しいことだと?
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ なら、さっさと言ってみろ!
l Jl "" | r,j
>l (二lニlニl二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE | |
『蔵人の剣幕に事を察した宗矩は、蔵人に話を切り出しました。』
- 155 :1:2008/12/29(月) 21:04:16.49 ID:RIKfdycW0
-
/ ̄ ̄\
/ \ /
| ( ●)(●) 実を言えばそれがし自身、
| (__人__) 己を天下一などと名乗った事も、
| `⌒´ノ 思うたこともござりませぬ。
| }
ヽ } それがしがたまたま将軍家のご指南役となったので、
/ ⌒ヽ .'´( そのことを指して、世間が天下一と囃し立てるのでございます。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j - _ii_ -ヽ j ……ほ、ほほう?
r‐Y ニ・ニ^ニ・ニ.Y‐┐ そ、そうなのか…?
l Jl "" | r,j
>l ── _,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE | |
- 157 :1:2008/12/29(月) 21:05:10.33 ID:RIKfdycW0
- 『ここで、宗矩は席を立って下座へ着き、更に両手をついて、続けました。』
/⌒`"⌒ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄\ もし先生と試合を致さば、それがしなど手も足も出申さぬ。
. /,//:: \ とはいえ、それがしは将軍家ご指南役…。
;/⌒'":::.. |⌒ヽ 万が一にもこのことが露見すれば、将軍家のご威光にも
/ /、:::::... |ヽ_ \ 関わる一大事でございます。
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/u.ヽ j
r‐Y =・= ^ =・=. Y‐┐ む…しょ、将軍家のご威光か…。
l Jl "" ´ u | r,j
>l ^ _,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ii´ l
| / SINKAGE |. |
- 158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:05:56.46 ID:GSAqDi/n0
- やらない夫上手いな~
- 159 :1:2008/12/29(月) 21:05:56.64 ID:RIKfdycW0
-
/ ̄ ̄\
/ \ /
| ( ●)(●) そこで、如何でございましょうか。
| u. (__人__) この日本を二つに分け、先生のおわす西では
| `⌒´ノ 丸目先生が天下一、将軍家のお膝元たる東では
| } 不祥それがしが天下一と名乗る形で、
ヽ } 何卒御寛恕頂けませんでしょうか。
/ ⌒ヽ .'´( これならば、将軍家のご威光も安泰でございます。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/u.ヽ j
r‐Y = ^ =. Y‐┐ む、むーむむむむ…。
l Jl "" ´ u | r,j
>l ^ _,l <.
l `ii ̄ ∩ノ⊃ ii´ l
| / / _ノ |. |
『宗矩は、蔵人の顔と、将軍家の威光の両方を立てることこそ天下の為である、とし、
切々と蔵人を事の理非を説きました。』
- 161 :1:2008/12/29(月) 21:06:47.83 ID:RIKfdycW0
-
/⌒`"⌒ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄\
. /,//:: \ 何卒!何卒お聞き入れくださいませ!!
;/⌒'":::.. |⌒ヽ 先生、これも天下の為…天下の為でございます!!
/ /、:::::... |ヽ_ \
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━
,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ii_/u.ヽ j
r‐Y = ^ =. Y‐┐ ……………。
l Jl "" ´ u | r,j (天下…天下か…。
>l ^ _,l <. 俺の腹ひとつで天下が…?……ふぅむ!)
l `ii ̄ ∩ノ⊃ ii´ l
| / / _ノ |. |
- 162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:07:47.40 ID:GSAqDi/n0
- 将軍の名前出されたらなんにもできねえよwww
- 163 :1:2008/12/29(月) 21:08:04.01 ID:RIKfdycW0
- ,ァ'''""~~ ̄~~゙^ヽ,,
,゙ ゙;
i ;r────‐┐ i
l j \_ ii _/ ヽ j …柳生!顔をあげろ!
r‐Y ^ ^ . Y‐┐ お前の言うこと、もっともじゃ!!
l Jl "" ´ | r,j
>l (二ニニニ二)_,l<.
l `ii ゙̄ー--‐' ̄ ii \
| / SINKAGE | |
/ ̄ ̄\ て
/ \ / そ
| ( ●)(●)
| u. (__人__) そ、それでは!?
| `⌒´ノ
| } 「おう!お前に悪気が無い事はよく分かった。
ヽ } 今回は、天下の為にも納得してやろうではないか!」
/ ⌒ヽ .'´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
『宗矩の説得に納得した蔵人は、この話を聞き入れ、機嫌を直しました。』
- 164 :1:2008/12/29(月) 21:08:51.07 ID:RIKfdycW0
- _,,,,,........,,,,__
/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,丶 「ま、お前もご苦労だろうが
タプタプタプタプタプ…/:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.,ヽ これからも精進するがいいぞ
i' ' ' ' ' ' ' ' 'i;:;:;:;:;:;:;:;.,| カッカッカッ!!」
./ ̄ ̄\ |\,. 、/ L:;:;:;:;:;.;.l
/ ⌒ ⌒ l ^ , ^ ヽ:;/¨iノヽ、 「もったいない御言葉でございます。
| ( ⌒)(⌒).| __ ,ノlllll/ 、 さて、それでは早速酒肴なり
| (__人__) .| [__] ./lllll/ ヽ ご用意させまする」
| `⌒´ノ..::ゝ.,_____,,,.../llllllll/ ヽ
/| } ノlllllllllゝ.,__,ノlllllllllllllソ } 「おお、そうか!
⌒` ヽ }ヽllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliゝ ./ 気が利くじゃねぇか!
、 ヽ ノ丿 ヽllllllllllllllllllllllllllllllllli/ ./ ワハハハハハ!!」
丶、,.、,ヽ ミ三 ` ¬ ‐‐---‐¬ ¨ ̄
((  ̄ ̄ ¨¬‐- ..,_
l 川 |
『こうして、宗矩の話に納得した蔵人は、しばらく柳生屋敷に滞在し、
柳生家の弟子たちに稽古をつけたり、道場破りを宗矩の代わりにぶちのめしたりした後、
意気揚々と引き上げて行ったそうな。
めでたし、めでたし』
- 165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:09:21.82 ID:GSAqDi/n0
- イイハナシダナー
- 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:11:14.37 ID:trACc12U0
- イイヤツダナー
- 167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:16:22.70 ID:r0c0Cksl0
- >道場破りを宗矩の代わりにぶちのめしたり
ノリがいい人だなw
- 168 :1:2008/12/29(月) 21:19:13.22 ID:RIKfdycW0
- ,r‐vrrz、_
_rf7爪ノ >‐く⌒ヽ、
_/厶彡イ⌒ l ヽ, ヘ
//笊「|/ / , l | |.| | l ハ リ,
《/ ,}|:| | |レ斗rl| | トkハ |:}ヘ …紹介しておいてなんだけど、超嘘臭い話なの~。
人 '(」」 |ィリ,ヱ、!リハr=ミ j从 :〉 出所が不明(球磨群誌か?)なので、
. (\  ̄リ|j.仆r「 ヒ「rイ《. 〈 多分、講談話辺りが元ネタだと思うのよー。
`廴≧=-辻! `¨´ ;. 从(てう
`て廴三リ个 、 ヽア ,ィf彡ヘ,て 身も蓋もなく言えば、たとえ新陰流一門の高弟であっても、
`つ人クリ `T´ `て(´ 地方の小大名の一陪臣(しかも隠居)の相手を
rfツ-うrヘ, 〔乃rヘ いちいち宗矩がするとは思えないので、
}ツ⌒ヽ ヾスX〕》て 〉 そもそも話が成り立たないのー。
/ Y `つソ ハ, 宗矩は新陰の正統を継いでないから、応対する義理も無いし。
. / |{ `ん 人ヘ, (というかこの話、蔵人が単におだてに弱い人みたいにも
,〈 ゝ、リ `Y} |l∧ 見えるんですが、どうなんですか喃)
〈 | リ リ ム __
\んヘ, ,イ トrく厂 ̄ (ア⌒ヽ でも、詰めて考えれば、
ん~^ミY´ 从 / 》 'く 〉〉〉
r―{ ツ⌒V^》辷‐- ≦^>‐-=二 《`r┴じ{ ・ 将軍家が剣術指南役に求めているものは何か
{ ̄ {| ト》 .イ ¨''¬》} Y ・ そもそも「天下一」という言葉は何を意味するのか
\ ヘ乢,| Krヘ. リ\ ¨| , h
V 》v'l.」\ `ヽ `ヽ, リ i | | という話にも繋がるので、
_〉/ 'V \ _Y ⌒ Y ⌒ヽ,/ ノ | h そういうことを踏まえて読むと、面白い話なのかもなのー。
/ / \ \Y´ ⌒ `Y´ ⌒ `ヽ, / 小 (上記2点については、またいずれ本編でも書く予定)
/ / / \ \ _人 ノ/ // !
〉 (_/ / `ヽ `ー' ⌒X_ / / |
- 170 :1:2008/12/29(月) 21:21:24.83 ID:RIKfdycW0
- , ィi^ヽ、. {リ:::::::::::::::.:.\ _/.:.:.:::::::::::::::::::jリ
/l しJ!ヽ| {リ:::::::::::::::::.:.:iヽ:只ソィ´  ̄``.:.:.::::::jリ
.〈!jヽV/ Lェュ、 「{リ::.:,:ェェーェュJ⌒7>‐ュ、_ .:.:/
ト、 〈.:::jリ ヽ ̄`フ"´ ̄ `ヽ _.::/^ヽ
_j/ヽ ノT/.:ト、 レ'´ / ヽ \ \ 最後がちょっと微妙な話だったけど、
_j/.:.:.::ノ」// / / i | i 、 ト、 「 ̄ これで丸目蔵人佐長恵の話は終わりなのー。
i/.:.::::/7 // / / l / | | l | | l| |ハ_」、
/.:.::::/7 // ./1 /! i | /_」| -┼-、トト、 ┼- 、リ jj 7::! \ 次は奥山休賀斎公重、そして宝蔵院胤栄の話なんだけど、
.:::::ノ7 // |/ ト、 lN/l/リヽ| `\/l / ハ ; イ//.:::' \ 中途に長い話になりそうなので、ここで一旦終わって
``ヽ、 _ノ `ト;〉 ,r==´ . `≡=ュ _/ l:/.:.::'ー─- 、ヽ ニ分割しようと思うのー。
\ r‐'‐ュ ' ' ' ' r─┐' ' ' {ニ二ミ}::,:'´ ̄ ̄``y'′
\_ `二孑、 l.::::.:ノ {二三ミ}´ ̄``ヽ,/ それじゃ、おつかれさま~。
\ `孑j >、_  ̄ (ヽ 孑そ´  ̄``< ばいばーい!
〈 ヽl〕 ー‐r<::/⌒ヽ二ニヽ_/
ヽ / `ー一'ヘ-─- 、 孑´`
`辷_j / , -‐r‐r‐- 、 \
レ′ /:,r' 7:介ト、`ヾヽ /
/ /:/ /:/ |:::| i:::| 〈
/ /:/ |:::| |:::| |:::| |
- 171 :1:2008/12/29(月) 21:22:00.87 ID:RIKfdycW0
- _, -──‐- 、、
入 `ヽ~`ヽノ二ニy‐-、
,r' /.::::>、.:.:::::{,/⌒Y⌒ヽト、 さすが>>1!私の出演0秒かしらー
/ /.::::/ \.::::( ,〈薔〉、 / j〉
,′,イ/ \:ゝ彡ニミノ;::イ.xサ=- .、 _,z⌒ヽ
!レイ/ ``ヾ、 イ:::i:/ .非 ̄`ヾY7´-‐j }ト、
〈川j '">、、,,.ィ二¨' {゙,;;;;;;;リ jヲ二厶小=ん^)z=ナ
`ゞj ゙._(9,)Y´_(9_l′ i;;;;;;/ ≠´ `ヾく-‐ <
}ト、. `'''7、,. 、 ⌒ _ソ' / , , 、、 ,ヽハヽ 、{
_>‐ 、 ^'^ ′-、 /⌒〕 l{〃/ jl' } } ! !l !l`个=- 、
に ニニ,j「匸匸匚| V⌒〕 八{ {{{八ハノノノ川斗=-=} うにゅ~
, ヘー‐- 、,ニ,〕| /^''⌒| 〔二〕/人ゝ(_9,`!i!}i!ィ_9,)ノ-‐ミメ
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ' !‐}__,..ノ に7.{´/ノf, -イ,__,.>‐ 彡ミイ
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ ./孑´\ん{ミ! , -===- 、. 彡メ}くー- ..._
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ |. { {ハ. V'二'二ソ ノ| | `ヽ
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |. ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/ <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ \ `丶、 |、 \\'ー--‐''"//
\___,/| ! ::::::l、 \ \| \ \ヽ / ノ
┼ヽ -|r‐、. レ |
一旦 d⌒) ./| _ノ __ノ
- 173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:28:44.09 ID:0IFBVIoe0
- 乙w
オチひでぇw
- 174 :1:2008/12/29(月) 21:29:54.83 ID:RIKfdycW0
- てなわけで今回は終了でアリマス。
ご支援、ありがとうございました>ALL
今回は、いつもと比べても然程分量は無いはずなのに、
なんかエラく書くのに手間取りました。
要因としては、
・史料が少ない(だから調べるのに時間が掛かる)
・AAが少ない(だから話の組み方に手間が掛かる)
というのがあるかなあと。
次の奥山休賀斎も宝蔵院胤栄も似たようなところがあるので、
ちょいと手間取るかもで砂。
あと、両者とも本人よりも弟子の話が結構膨れそうです喃。
可児才蔵の話とかしたいでアリマス。
てなとこで、また次回もよろしゅうです。
明日、場合によっては有明でお会いしませうー。
ではでは
- 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/12/29(月) 21:32:22.75 ID:GSAqDi/n0
- さいですか~
薩摩示現なんかは出るんですかね?
- 178 :1:2008/12/29(月) 21:37:33.25 ID:RIKfdycW0
- >>177
微妙でアリマス。
一応、柳生と絡むところ、っていうので書いてるので、
新陰流繋がりのところまでが精一杯かなー、と。
あんまり書くと、もう柳生と関係なくなってしまいますし。
示現流の話を書くなら、
いっそ「やる夫で学ぶ剣術の歴史」とかで別スレ立てた方が
いいような気もするのですが、考えただけでも量が凄いことになるので
難しいところでアリマス。むう。
- 176 :1:2008/12/29(月) 21:31:39.43 ID:RIKfdycW0
- (今回、初登場の人物一覧)
疋田豊五郎の母 : 安西先生・改(スラムダンク)
長野信濃守業正 : ウィル・A・ツェペリ(ジョジョの奇妙な冒険)
細川藤孝(幽斎). .: 富士鷹ジュビロ(吼えろペン)
細川忠興 : 炎燃(吼えろペン)
富田勢源 . : パパ(ワッハマン)
富田越後守重政 : ワッハマン(ワッハマン)
疋田宗保斎勝重 : 河田美紀男(スラムダンク)
山田浮月斎勝興 : 河田雅史(スラムダンク)
丸目寿斎 : モナー(2ch)
丸目吉兵衛 : ギコ(2ch)
木野九郎右衛門 : しぃ(2ch)
有瀬下記 : 相田彦一(スラムダンク)
島津家久 : 諸葛孔明(ジャイアントロボ(今川版))
小田八郎右衛門 : 司馬懿(三国志(横山光輝版))
内田伝右衛門 : 魏延(三国志(横山光輝版))
相良義陽 : 曹操(三国志(横山光輝版))
鎖鎌使い : アクセル=ロウ(ギルティギア)
解説役 .: 雛苺(ローゼンメインデン)
続きはこちら
> なお、この「タイ捨流」という風変わりな名前のうち、カタカナの「タイ」は、
返信削除>「大」「太」「体」など、複数の字義が当てられつつも、そのいずれでもなく、
>いずれでもある、として、文字に縛られぬために敢えてカタカナにしたと言われている。
小事(弟子に教わる屈辱)を捨てて大事(まだ知らぬ師の技)を取ることが出来なかったから
大事を捨ててしまった→大捨流→タイ捨流
という説が
今頭に浮かんだ