- 1 ：1：2009/01/12(月) 21:03:27.31 ID:7kje2Jxj0
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。
【今回のメイン柳生：なし】
／￣￣＼
／ _ノ ＼
| （ ー）（ー） …今回は俺達出番なしなんだってよ。
. | u. （__人__） もうそれってやる夫スレじゃないだろ、常識的に考えて…。
| .｀⌒´ノ
. | }
. ヽ } ／￣￣￣＼
ヽ ノ / ⌒ ⌒ ＼ 次だお、次からはまたやる夫たちの出番だお。
i⌒＼ ,__(‐- 、 / u （ー) ::::（ー) ヽ 今はまだ本気出してないだけなんだお。
l ＼ 巛ー─;＼ | :::⌒（__人_）⌒:l
| ｀ヽ-‐ーく＿） ＼ ｀￣´ ／
. | l i⌒＼、___ ィヽ
| | .l ＼ 巛ー゛‐;＼
リー──‐‐t_＿__. | ヽ-‐≠ー '′
l " ~￣￣⌒ヽ｀ヽ.|゛￣￣⌒ヽ￣ヽ
───`ー───ソ | |┴‐─-r |i' |─────┐
| | | |,＿|, __| |,
|＿、| __|. （´＿)゛＿) .|,、;──‐─────‐───‐
l'＿__)_＿) ,゜ '≒~゜ ⌒ ~ " ~ ￣ ー
; °。 ;从ヾー~ ～"~ ～
゜ ° 。 ゜ ｀ 。 '、从;_゜ノ'～~ ～´⌒ ´～
）; ;゜ 。 ; 从 、 ,j ´ヾ。'~～〆";、～ッ)ヾ
ソ 人´; ノ'～、~ ソ 〆´( ゞ ～ 、～ ～' ⌒ ー
〆～ヾ、゜～ ヾ ～´ " ,゜
- 5 ：1：2009/01/12(月) 21:05:44.48 ID:7kje2Jxj0
- ＿＿＿ ,.. -───- ､
,. -‐': : : : : : : : ｀ヽ' ⌒ V: : : : : : : : : : : : ヽ
|: : : : :: : : : : : : : : : 「: :|: : : : : : : : : : : : : : :j
ゝ: : : : : : : : : : _: _: j: : j -----.. _、: : : : :/
|: : : , -‐ '' : : :_:ノ ｀~ヽ: : : : : : : :ヽ:_:_:_:L
_j ／: : : : : :: ｨ_j__ｒ ｔ,___r＼ : : : : : : j: : : : ゞ
r': : :＼: : : :;／r′ ＼: : : ノ: : :,.ィ
ヽ: : : : :＼/_j´ ::;' │ ~~＼: :.∧ というわけで前回の続きなのよー。
入: : _ .ｨr' T :::l! ::l: , ∨ ヽ. 今度は、既出の３人と比べて
′ V`´ , | _i__/! ::,' _ /j:::: i: i ヽ 少し毛色の違う剣士、奥山休賀斎公重と、
. ／ { ＼l イゝﾄ､l ゝ ::::/j_./j メ ノ l ＼ 剣士でなくて槍術家の宝蔵院覚禅坊胤栄なのー。
／ ﾊ トゝｨ,二 ヽ ヽ..ノ ',..二ヽﾚイ::::ノ . '.
' ＿＿＿ ::ゝ..ゝi! ﾄrtﾚ! ﾄｨt::! l!j ィ ,.. -─‐ j じゃあ、先に休賀斎の話から始めるね！
{ ::::::::::: ヽ__:_ノム ゝ-' . ゞ- 少ｰゝ . ／::::::::: ノ
ゝ＿＿＿＿ ::::::: > -..> ::::: rー‐ . :::: ゝ=--'_´_::::＿_∠
ノ:::::::::.... フ ゝ､ ､＿ ﾉ ,∠ﾄ ､./´::::＿＿___ﾉ
￣￣ _＞ ' ⌒`ヽ, -v- ､ ___ .ィ=v ´ ⌒ヽ二二r､__
／: : : : : :/ へﾑ _r'_ヽヽ: : : : : :＼
,.': : : : : : ∧ ´,_j､_ﾄ ｀ |-､ : : : : :ヽ
（: : : : : : :∧ゝ7_ ´ ﾉr弋. ,.-k^ｲ!: : : : : j
＼ : : :/∧＼ゞ7_イィ介∧_rﾚ´／|～: : :.ノ
j: :|!: : ＼ ＼ｰtrﾌrr7〆 ' .／|: : : :7
| :.|l: : : : : ゝ.＼` Y´ ／ ／.: :.|: : : :|
- 6 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:06:07.81 ID:/UOyvU5p0
- ぱちぱちぱち
- 7 ：1：2009/01/12(月) 21:07:07.32 ID:7kje2Jxj0
- 【奥山休賀斎公重】
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ___
,,..;;;iilll"iilll"iiillllii"iilllllllliiiiill';;';;';;,,,, _
,;llli;lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllijﾉllllllllli;,
(;:iilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllij/lllllllllllllllli;,
ヽiillllllゞlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliiiiiiiiiiiiiiiiii;;;,,
ゝ,illlllllii-==‐''''''''''''""""""'''''‐=..,,iillllllllllllllllli;ﾉ
l;;;;;'" ';;;;;"'=:;ill||i'
.{;;;' __ ,.........,,__ .,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'
|;;'"'ﾆ二ヽ "-,z＝ﾆ'.., ¨'‐､ ';;;;;;;;;;;;;;;'
l;' ,z,=ﾆ,､ ヽ '"ゞ_,ﾃｯ ';;;;;;;;;;;;;;' まさかまた出番があるとは思ってなかったけど、
l; `'‐`''-' / ￣ ;;;;;;;;;;;;;;' オレが奥山休賀斎公重こと奥山孫次郎だ。
,.} ノ ,;;／⌒,i
.i { '., = ,z'ｿ j } 若い頃の名前は「奥平孫次郎定国」な。
`l _,...ﾉｪ...,,,__ jl o ',//
ゝ ` ‐==‐ /`i￢'
ヽ , ' i|
ヽ ,.-' {
.iヽ _,.-' ,; |
{ ` ‐---‐ ' ,;' .il‐-､
jl ,;;' ﾄ ヽ
_,. - '" .| ,;;' ノ iﾄ
奥山休賀斎公重（孫次郎）
奥山休賀斎公重こと奥山孫次郎は大永五年(1515)生まれ、
三河国作手城主・奥平美作守貞能に仕えた奥平出羽貞久の七男(または四男)だったという。
幼少時から剣術の腕前は抜群で、三河において敵無しと言われていたという。
なお、若き日の休賀斎こと孫次郎がどの流派を学んでいたかは詳細は不明。
- 9 ：1：2009/01/12(月) 21:08:01.45 ID:7kje2Jxj0
- _____
,. ‐''三ヾ´彡ｼ,=｀丶、
／'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
/／.:;:彡:f'"´‐------ ｀`'ｒ=:l
/〃彡_彡′,.=､￣￣ ,.=､ |ミ:〉 ホッホッホ、毎度おなじみ、
'ｙ=､､:ｆ´===tr＝=､.___,. ==､._ゞ{ ロマンスグレーナイスミドル、上泉伊勢守秀綱です。
{´yﾍl'′ | /⌒l′ |｀Ｙ} …そういえば、奥平さんとはいつ出会いましたかね？
ﾞ､ゝ) `''''ﾂ_ _;`ｰ‐'ﾞ:::::ｌ{
. ヽ.__ ,ｨnmmm､ .:::|!
,.ィ'´ﾄ.´ ´｀"｀"｀ﾞ″ .::::;'
イ´::ﾉ|::::l ＼ "' :::/
::::::::::::|:::::l ヽ、 ..:: .:::/.､
:::::: ::: |:::::ヽ ヽ、.......::::／..:::／!＼＼
::::::::::: |::::::::ヽ ｀`''‐--ｧt''′ |!:::ヽ:::＼
:::::::::::::|::::::::::::ヽ、 /i|iﾄ､ |l:::::::ヽ:::::＼
:::::::::::::|::::::::::::::/:ヽ、 ∧|i|i|i|〉. ||::::::::::ヽ:::::::＼
上泉伊勢守秀綱
さて、その後、孫次郎は秀綱に弟子入りしたという。
この弟子入りには、
・ 秀綱が甲府から飛騨に入り、高山にて１年余り滞在した間、
それに付いて修練し、免許を受けて、三河へ戻った。
・ 秀綱が武者修行で三州(三河国)に五十日ほど来た時、
これに弟子入りし、残らず伝授された。
と、二つの説が存在する。
- 10 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:08:26.33 ID:/UOyvU5p0
- 自分で言うなｗｗｗ
- 11 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:08:54.76 ID:yWyU9MTiO
- 刀で岩なんて斬れるのかよマジで？
- 12 ：1：2009/01/12(月) 21:08:58.04 ID:7kje2Jxj0
- _/: : ; -ｧﾍ_rﾍ _入_＞｀丶､_:_:⊥、
≪: :》'´／ / 〃 ､ヽ ｀、｀Ｙ{ : :≫ うにゅう…この弟子入りのことだけど、
厶/// / ′|ｌ ｌ| }ｌ ｜ l ト､} この説のどちらが正しいかもそうだけど、
／| l | ,′ﾊ l |ｌ ﾊハ _｣ }｜ ヽ それ以前にわからないのが、
／ / いｌ { ｀≧ﾄxヽ ム≦} / /} j ヽ＼
, '´ ／ 八 l《｛r夕` ヽ / 廴り》 ｲﾉ/ ＼ヽ 「孫次郎がいつ秀綱に弟子入りしたのか？」
∠二ﾆ ＞'⌒＞‐--､ ｀´ ' ｀" /｀ー＜^ヽｰ-ﾍ｀ヽ
}-‐'乙-‐-rくr=＝=〈 F￣ l ,二}≧‐く: : :＼ｰ=ﾉ ということなのー。
｀‐ｧ´ : ／_r,二ﾆミ＜ └―┘ Ｙニ、＼: :｀丶､ヽ{ どちらの説も、入門した時期を書いてないのよー。
/ ==彳 { 〈々 } } }ﾍ、＞‐- -‐ 斤r r ｀ヽ ヽ､ : : : : :〉
三|三三三二二￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣|￣￣￣￣￣
- 14 ：1：2009/01/12(月) 21:09:58.18 ID:7kje2Jxj0
- f´ ｀Y´｀ヽ
| ﾘ ﾊ まず、１つ目の説（甲府入門説）については、
| / l 「秀綱が甲府～飛騨高山に１年以上滞在できた時期」が
ｨﾁ ┴─‐ r＜ i i | いつなのか、ということが肝心なのよー。
,. ´´フ´ 〉＿／ ｀ ､つ'´／｀ヽ
, ´ ／ / / ,／ / ＼/ 〉 だって、秀綱は大胡城の城主で、
,. ´ ／ ｌ i // / ヽ ／ 長野氏の武将としての責任もあるから、
／ ／ | | l 〃i /l ∨ １年以上も城を放って放浪する事は普通、あり得ないのー。
/ ／ l | トLL_', !_l | lﾍ{ （後年の新陰流伝授の旅は息子秀胤に家督を譲ってから）
∨ ／ _ =＝＝ Y彡ﾉ 斗Tヽヽ| |∨ / l ｀
ミﾐｈYて´ _＿＿_ ミﾐｈ､ ｈソ ヽlノ/ ﾉl そうすると、甲府入門説の場合、
|￣￣＞ ´ (にニ ｀ r､/彡´/ 永禄元年(1558)前後、秀綱が最初の上洛をする途中、
＼-─ヽ ＿＿___ノ＜´ , /ｿ '´ 甲府に立ち寄っているのを噂に聞いて、駆け寄せた、というのが
｀ ─=-＝＝ｨノノヘ. c ∧) まだ可能性があるんじゃないかと思うのー。
/ /´ ヽヽ __ ＜辷)
/ / ） ミ辷≧ｿ でもこれだと、孫次郎が秀綱に師事したのは
／ ｀ ､ < ｌｌ＼､ 孫次郎が40歳過ぎの頃になるから、
/ / 〉=〃 かなり年を取ってから入門になっちゃうのねー。
', （_ 〈 l!
- 16 ：1：2009/01/12(月) 21:11:09.77 ID:7kje2Jxj0
- ＿ _rvェュ
＿rｖ'⌒X＞'´: : : : : :ﾋ= ､
_＿_rﾚvュ-√: : : : : : : : : : | :ヽ＼ 次に、２つ目の説(三州入門説)なんだけど、
. ／＞'´: : : : :/rﾍﾆ＞‐- ､:_:_:_:_ヽ:__＞' こちらの場合は更に曖昧で、三河に50日程度とあるけど、
〈r┘: : : : : : //ひﾍﾉ｀ｰﾍ仁ﾆ=-┘｢丶、 これじゃあ時期の特定自体が困難なのよー。
.| : : : : : :／ ﾉ ｌ ヽ ヽヽ、､└ﾍj＞! } }
. r'X : : ;ィ７イ７| ﾄ、ﾄ、ｌ | | ｌ l| l| | ∨ 〈 ただ、前提条件として、
rク :l ／/:/ )| | ｌ | | | | | l ∟|-|‐┤! ,'ハ くﾐヽ 秀綱が新陰流を創始してから、というのがあると思うので、
. └'ｰ-く／:/_ﾉ | | | |_ｌ | ｌ | | l |｣l_ｌ_ ﾉ,'/! /＼｀ヽ＼ それを考えると、実は永禄元年頃の最初の上洛時、
/彡∨ ﾊ |l ヽX´ヽ、}ﾉ }ﾉ ' ￣`///＾ヽ /人リｈ l 三河にも寄った際、というのがまだあり得るんじゃないかと思うの。
く＼ /／l l | Ｙヽ ,ｘ≡ , "" { レｲ彡' }ﾆ彳り これだと、やっぱり40歳過ぎの頃になっちゃうのねー。
｀ヽレ-ﾍヽﾐ｝ﾍ.′ "ﾞ r ^ / くんイ}ﾉ‐＜_
ｰ个=＝彡仏‐ ヽ、 ヽ ノ , ｲ{/rｸ＾７ﾏ⌒)厂 ちなみに、天文の頃(1532～54)にも秀綱が武者修行していて、
｀て(=≠7乙厶＞￢冖´ {_V/: : : : ＼ この時期ではないか、という説もあるんだけど、
}厂／ : :｀ヽ:＼_r=ニＹヽ､: : ; : : : ヽ 史料が無いので真偽が不明なのよー。
/ : : : : : : : :厶ぐ:) rﾍ、 ∨: : : : : } （この頃だと上州の情勢も安定してない上、
/: : : : : : : ／ /^ｌ￣ (ヽ { ﾄ､: : : :人 秀綱の父、秀継も亡くなっている頃なので、
. ./: : : : : :.r‐{r‐ﾍ / }＿ノ { / :Ｖｌ : : : :〉 大胡城を出て修行するというのも無理があるし…）
/: : : : : : : Ｙ＾⌒ ヽ└勺｀７/: : :}ﾍ: : : l
- 18 ：1：2009/01/12(月) 21:11:49.82 ID:7kje2Jxj0
- ｒー- .._ ＿＿
| ｀丶､‐┐ ,. ‐''"´ ！
,ﾉ ｀ヽ.「｀Ｙ ／ ',
/ ,. ‐''ニﾆ''‐､_} } | _,.. -──-､_｣ だから、可能性としては、
／ヽ 〈 ￣ ／ｌ￣｀ヽ､ / 永禄元年(1558)の上洛の途中、
,. -､__rく ハ 〉 _／､__八ﾌ ﾍフヽ { 即ち、弘治二年(1556)～弘治四年(1558)頃、
/ / ｀>､ V_,. ‐''／ ￣､ ⌒ ＼__ノ というところじゃないかと思うのー。
{ {{ ／ |＿__,.イ / / | ､ ヽゝ つまり、孫次郎が41歳～43歳頃になるのね。
↓ ,ゞ-‐￢′ / l l | | l | l
！Y! | l | | | _| i | | | |ﾄ､ これが正しいとすれば、胤栄と並ぶ
ヾ、{ ', ！ レＨ|T「 ||｀l| | ﾅlヽ/ ！ l/ ヽ、 最年長の弟子になるんじゃないかなぁ？
r彡ﾍ ヽ ﾄ､ ﾄＮ＞}キヽﾊ､ _ノ{≠ﾘ/ / / // （年齢純で、奥山≧胤栄＞鈴木?＞柳生＞疋田＞丸目）
|! L＼＼＿ _ﾉ 个 { iひ｡1 な｀! 〉ク／-‐'" /
lし ヒ_二ニ い'ｰ┴ｧヽ.'ソ ヽ'ソ /ご==＝ﾆ´ …でも、書いておいてなんだけど、
,ﾆ=フ''⌒ヽちﾌズ """ _､ ' ""ﾉ_二く-‐'''´ 40過ぎてからの入門の割に、それまでの流派が
／≧＞ 乙.＼ヽ/´ ｀ﾆ´｀ヾ〔=ﾆ之≫ 不明っていうのも変な話だし、そういう意味では、
{ 〈〈__,ノ ≪_,ﾉ/ｎ∟、/ ヽ ,..」（(´〈〈__)） この言い伝え自体の真否や、
ヽ. ￣ ）‐､/ﾞr''づ､ヽ__/(＾ヽ∨ ￣ 更に言えば秀綱の来歴も更に調べないと、
_,.. -─〈/ 丶、 ／} _l '"r'う___ (＾i〉 ！ いけないと思うのよねー。
／, -‐''ア / ﾌ_{ｲ|′ _／ / {´ `_ノ
ヽ〈 ／//´ヽ、 ─／´ |{ ／| } ! / i まあ、とりあえず、弟子入りした事自体は
} l/ .// ヽ Nヽ′ ! T| _,ノ j 共通なので、そういうことで話を進めるのよー。
L／'/ ヽ Nヽ / | N /
/ / L＿＿ N_V ! N_,／
,/／′ ／７「 ＼､__
- 20 ：1：2009/01/12(月) 21:12:31.60 ID:7kje2Jxj0
- ＼
＼
. |
. |
. |
. | ﾊﾟｶｯ
＼ .|
.＼| ＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＼ | .|
＼| ｜ ｜ | ﾊｰｲ、ボク、奥山明神！
| ｜ .| …建御雷神とは違うよ？
｜ ｜ .｜
┷━━━━━━━━┷
その後、三河国奥山郷に住居し、奥山明神に参籠祈願した末、
ある夜、夢で神の御託を受けて得るものがあり、一流を立てたという。
その流名は、御託を受けて得た事を以って、これは全く神の影であるとし、
「新陰」の文字を「神影」と改め、「神影流」としたという。
（または流名を奥山流、奥山新陰流、新影流ともいうが、基本「神影流」とする）
また、奥山明神へ祈願して一流を立てたことを以って、
名をそれまでの「奥平」から「奥山」へ変えたという。
（この時、剃髪し、休賀斎を名乗ったとも言われているが不明）
これが、永禄八年(1565)のことと言われている。
- 21 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:13:03.62 ID:/UOyvU5p0
- へーベルハウスｗｗｗｗ
- 22 ：1：2009/01/12(月) 21:13:21.86 ID:7kje2Jxj0
- _,,.....,,_
.-''" ゛' -.
, ´ `.
,' ,'"´`i ', .
{`､ ', ,' ,'~ }
i `､ `''''' ﾉ i . フフフ…、キミが奥山休賀斎かい？
', '-.. ,.' .' . 強いって噂は聞いているよ。
,.-'. k.., `'''''--'''''´ ,.. '-..,,
',ﾊ '. ヽ.`q､ ,.p' / '., i ﾉ. ボクのところで、剣術指南をや ら な い か ？
'-=..,', ｆ￣ ﾑ,i ､￣i /,,.;-'
', ﾊ '=;' ´ / / 「ははっ！」
.,, `i-...,, ,..-'''i´
,r''´ `.-r'､~'＼`´ | ゝ-､,＿,.-..,
.i ,' ; ￣￣´'''--'''''''' '. `,
i'.,__,,..' ﾉ ''''"´ , ´゛` ゝ, ;
i,,::::: ::.ノ , i: ',`' 'i,
|:::: ::: , !;;, |:: 〉 `､
|::: ::i `;, _,,,... . -ーi--､ﾉ ヽ i
ゝ.:: `.､..,, |f､´ _,..ﾉ_ _゛;..._'´ i'
＼::: ::::: i:::::..,.- '~,;-'´ i `､ i
徳川家康
それ以降、休賀斎の元へ入門する者が増え、
海内無双とまで呼ばれるようになったところで、
その名声を聞いた若き日の徳川家康（22･3歳）に招かれ、
永禄八年、家康の剣術指南役となったという。
- 24 ：1：2009/01/12(月) 21:14:06.15 ID:7kje2Jxj0
- ,ｨ冖冖冖ｰ ､ ,ｧ= = = ､､
. / .{! ヾ,_／7 !}
. ／ {! -_､ﾉﾆ/- ―- .._/f
ゝ {l,. - ﾆア / ｀丶、
ゝ_,. ' ／ / / ＼ この休賀斎が家康の剣術指南役になった件だけど、
´￣＞イ:./ ./:l .:!:..l:. l ヽ 実はこれも説が２つあるのよー。
_. ´ l l:.:| :|:.:|:.._.:.l-:r‐:､ .:. .:|:. . ',
,. -ﾆ ､ ｌ:l:.:l:..:.:l:..'l´::.:.|.ヽ｀ヽ:...:./:./l､|.:. | １： 永禄八年(1565)頃、若き日の家康に招かれ、
l ｀ヽ､..ヽ:.ヽヽヽ,ィﾃｯ下 j／／/ｲヽ!.:.:// 七年間指南役を務めた、とあるもの。
ヽ- ､ __ ＼∠Ll_ヽ ､ー_' ｢ｯ!l/:.:／
｀｢:＞ミ:l l l _:ヽ‐- ､l , ヽ' lﾆ三‐-､ ２： 元亀元年(1570)、姉川の戦いの際の活躍が耳に入り、
ヽ_ヽヾ l l/ l:.:.:l=z_-| ` ｰ lュ_┘__| 指南役になり、その後、七年間仕えたというもの。
ヽヽ ＼!:.:T⊥ ノつ-‐ フ
｀>､ Y.:ノ , ィｰ--‐ 彳 どちらも不明瞭な点が多くて、確証は無いのだけど、
,. '´ /ヾｭ. |ヾｭ ｀Tニ´イk r‐ ' 次に紹介する奥平信昌（貞昌）の逸話のことを考えると、
| ,ﾊヽ、ヾｭl ヾｭ、_,>´ ! ヾｭ !ヾｭ 前者の説の方がまだ可能性が高いのよ。
l | ヽ､ヽ､｀ヾｭ `冂ニ､/:ヽ. ヾ｣ ヾｭ なので、ここは前者準拠にしたのー。
／｀ l ヽ､ヽ､ ヾｭT、 l ＼＼ヾｭ_ ヾｭ
'､ | ヽ､ヽ､ヽ:ヽ.l ヽ:ヽ ヾｭ ヾ}
. ヽ | ヽ/!|:ヽl ヽヽ､｀７′
｀lV / !l:::::| ヽ/
/ l /:| !l::::ｌ /
- 25 ：1：2009/01/12(月) 21:14:41.78 ID:7kje2Jxj0
- ／/￣￣|ヽ
＿ ／ ｜ ||＼
/ ヽ ｜ ||| ヽ
/ ヽヽ // /
/ ヽヽ // ヽ
/ヽヽヽﾉﾍ ヽヽ ｜ // // /
/ヽヽヽﾘ V／＼｜ ///ﾍ// /
|ヽヽヽﾉ ＼／ |/ /
|ヽヽ､| / ﾉ |/!
/ヽヽ./ ,.,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, r'´ |ﾘ
|,.､ミ | =ﾓtラー､:::r .r,.ﾐ_-､_ﾚ、 貞昌……
/,､∨ ￣ '´｜ |ゞﾆﾞゝ//!
//rヽヾ ／'７! / し! 名のらしていただこう。
〈ヾヽ｀ l ＼_ノ i l,ﾞ!_ﾍ
|ﾘヾ〃, l ,.=-⌒ﾆ､_､_ ∧ ', ヽ 奥平・九八郎…貞昌！
,.--io'ｲﾞ´l l ｀'ｰ:-....-, //iﾍ ﾍ ヽ
| |ﾘ/ ヽ _ /r-!、l, ヽ
l, r"/ ＼ ,.-:'´:::｀ヽ /∧ ヽ!
Yﾞ l ＼::::::::::::::::/´:/ ﾉヽ_,.入
! ￣￣/:::::/ ヽ/ヽ ｲ
奥平貞昌
休賀斎の主家、元々、奥平家は今川家の家臣であったが、
今川義元の上洛の時、家康に従った縁から、今川家衰退後は家康に仕えた。
（途中、武田家へも臣従しているが）
休賀斎が当初仕えたと思われる奥平貞能の息子が信昌（貞昌）である。
後に家康の長女・亀姫を娶り、長篠の戦いにおいて奮戦し、
初代京都所司代などを経て、最終的に美濃国加納10万石の藩主にまでなっている人物である。
（信昌の名は、長篠の戦い後、信長より「信」の字を与えられて改名）
- 27 ：1：2009/01/12(月) 21:15:29.99 ID:7kje2Jxj0
- さて、この貞昌が16歳の時、元亀元年(1570)の姉川の戦いにおいて首級を二つ上げた。
首実検の際、それを聞いた家康が貞昌を褒めた。
,-,ｉｉ|||||||||||||||||ｉｉ､‐､
,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,＿/ ｉ|||||||||||||||||||||||||ｉ ヽ＿,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,
゛゛ｌｌｌｌ||||||||||/ ' ｉ|||||| |||||||||||||||||i ` ヾ|||||||||||ｌｌｌｌ""
゛ｌｌｌ/ ||||||| |||||||||||||||||| ,ｌｌｌｌ""
＼ ｌ|||||||||||||||||||||||||||ｌ ／ ホホホ、大したものですね貞昌さん。
彡 ゛ｌｌ||||||||||||||||||ｌｌ" ミ その歳でよく二つも首を上げられたものです。
＼＿ ゛゛Ｙ"" ＿_ノ 素晴らしいですよ。
| ］下ﾐ─-｡､_|_, ｡-―ﾃ「 ［ l
ゝ_,. lﾐミi＝´<_,.｀＝ｉ=ｦ ､__ﾉ
ヽlミ| 「‐､=ラ7 |ヲ'´
＿＿＿＿＿＿_ , へ ﾉ`i=､_ 二 _,=ｉゝ､_,へ､ ＿＿＿＿＿＿
i i i ￣| |――-＼￣∠-――| |￣ i i i
||
,;ｰ-､ ||
. ,;‐'i-iｰv" l ｌ| || いえ…こういうものは、
|ｌ__∀__ｌ|ll/`ｰ'| |.| 力ではなく、技で斬るものです。
〔ｌ_='l l=',ﾚｰ'｣-'!､, |;| なればこそ、この細腕でも首を上げられたのです。
ﾄ､ ﾄ!ｌ_l_ｌ｣∧ ー/i { /_¨ヽ
＿ｌ,-`ｰ'|､ゞ__ノ ,'｀ｰ' k ､ヽ_{｀ｿ 「ほう…ならば、そなた、
∨ 二、 !ｒ'´, '´｀､｀^ ､,-`<ﾟ ﾉ¨';ｰ- ､ 剣法を学んだのですね？」
. ＜! l C l ｛＿_ ' }、 〉 ）`ｰ'､ ｀ ､ヽ、
ヽ￣ノ,「＿:.:.｀ヽ'￣￣}￣ ｀}´ ゝ､＿_'丿 はい、奥山流を。
|__,f´､' ｀ヽ/｀ ￣´ ｀￣｀l￣´｀
家康の問いに対し、貞昌は奥山流を学んだからだ、と答えたという。
- 29 ：1：2009/01/12(月) 21:16:52.72 ID:7kje2Jxj0
- それを聞いた家康は、破顔してこう言ったという。
＿＿＿＿
／i||||||||||||||||||iヽ
／￣ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ わかりましたよ！
'""ヽ ヽ!|||||||||||| ||||||! ﾍ 、 そなた、休賀斎に剣を学んだのでしょう！
||ｌ ＿＿＿ヽｌｌ,‐''''＿＿ゞi .||
||ｌ ／ヽ、 o＞┴＜o /ヽ＼|| 私も昔、あの者に剣を習いましたが、
ヽ‐ｲ |ﾐソ￣'"ﾉ"/liﾞ￣゛l；|l |､ そういえば最近、剣術の稽古はやってませんね。
.＼/ｌ .|ﾐﾐｌ ｌ―――ﾌ..l；ll / 久しぶりにやりましょうかねぇ…。
.＼ﾉ |ﾐﾐ.l..＼＝ヲ/ l；|/
￣＼ |ﾐﾐ.l.. ￣￣,,,l；/
ｌ ＼ヽﾞﾞﾞ.... ￣."／i
＿／＿｀｀＼￣､￣/ /ｌ＿＿＿
- 32 ：1：2009/01/12(月) 21:21:15.92 ID:7kje2Jxj0
- _,,.. -‐=＝=ｘ‐ 、
ｘ=≠ニ二.￣｀ヽ. ,.≠"´ ｷハ
ｷ ｀ヽ＿ Y´ _ .. -‐ ｷ ﾄ､_
ｷ _/⌒'く＾ソ⌒iヽ、´ l} ! ヾ 休賀斎と家康の逸話で有名なのは、
ｊ} _ ..∠ ≧=≠ｰ≒=辷ｚ、_ _メ }} この逸話なんだけど、ひとつ、問題があるのよー。
≠´ `く≠≦´_ 〃
. , ' 〈、⌒ヽ｀ヽ=≠" というのは、この逸話が正しいとすると、
/, , / , ｷヽ. ヽ 先の休賀斎が仕官した逸話と、
///〃 / / / ｝}川 ｉ|! ｉ } ﾊ ﾄ､ ｷ 若干食い違うところが出るからなの。
. ｊﾊl|∥{ { ｛ { ﾉﾉ川 ｊｊ| ｊ / / ｊ}_,メ ヾﾘ
. l{八 ヽヽヽ ＼ //ﾉﾉﾉノﾉ} /〃/／ ｀二ﾆ=- 、 先に、永禄八年(1565)から七年間指南した、あるけど
八 ､ヽ、 ｘ≦ミヽ、{ { ≧=ミ.ﾉ／ノ_厶斗-‐=＝ 二 ｣ なら、元亀元年(1570)は、まだ家康に
／ ゝ≧ミyィﾞｊ:ｉ} ｀ ´{ﾞｊ:;;!ii}ゞ≧=彡ﾍ-‐=≡ ‐= ﾆｺ 指南している最中となるので、
. ／ ／{ﾐ辷彡}oｰ ' , ーo' {ﾐ辷__彡}二ニ=- ｊﾉ 「昔」という形容はおかしいのよ。
{ / , ゝー=人"" ｃっ "" °{ミ辷__彡}-‐=＝≡ミ〉
＼｛ / ／{辷彡｝＞ .. __ イｊ从ﾐ辷_彡ﾉ=＝≡ﾆ≦、 それに、家康に剣を教授している最中の休賀斎が
｀{ ｛ ｆ´≧=彡'´￣｀ヽ_｣ ｊｧァ' ゞ＝个辷ニﾆ=-テ′ 貞昌に剣を教える、というのもおかしいのよ。
｀ーｧ `≠ ｘ=＝く（´ ／,≠＝キﾃﾉハﾐ辷=≦
ヤ/ 〈く `'ァｆｊ彡'ﾞ 》/ ヽ㍉弓 ましてや、姉川の戦いで仕官したならば、
｀{ ヾx､__,≠ハミヽ、 〃 丿 ﾘﾉ この逸話自体が成立しなくなっちゃうのー。
. ＼/´ ￣_/,≠= 、 `'≡彡ﾞ '⌒'く ´
/ _/´~ﾆ{ﾆ Y´ -‐- ､丿 だから、秀綱に入門した時期、
｛ ／i{ ﾆ{- ﾊｒ┬- 、 } 神影流を開いた時期、家康に仕えた時期など、
ﾉｲ| ｷ ﾉﾞＴ ￢ｉ ! } } ヽ { いずれも今まで述べたものと時期が
/ {l| キｆ´∥{| ｊ }ﾉﾉ } } 異なっている可能性があるのよう…。
∥ ﾐ{ ｷ!、ﾘ ｷ /// ′ハ （まあ、この貞昌の逸話自体が
人 ヾ、 ヾﾂ ｷｰ' 〃 _ .. イ ヽ 実際には無かった可能性もありますが…）
. ／ ｀アアア丁! ! ｀Ｔ¨丁￣i i ｜ ＼
. ／ / / / ￤ｉ ｉ ￤ | ￤ i ｉ ＼
- 36 ：1：2009/01/12(月) 21:24:22.42 ID:7kje2Jxj0
- r‐､_,x竺i竺i竺i竺k
ri竺i竺i竺i竺ｋ仝ﾅノ/沙″ /
Y ＿＿Y'￣}'―- 、 /
| '´ _／|___/ヽ i /|守k, でも、
__,ﾄ､ ,ｨ沙'守ｋ, '｜ 守k,
_,zf斗'| ,ｨ沙 守ｋ, | 守 「今後奥山流兵法、
｛く | ,ｨ沙|i | ｉ | i |守迂迂iｼTﾌ丁￣ヽ 奇特の妙術共一覧、祝着に候」
／ `ｰ､ 迂i迂i迂沙l |i | ｌ | i |｜i守ｋ, ∧ノ´￣_ﾉ
. ／ ／ ﾍ _,ｘf沙| | i |i | ｌ | l |｜i｜|守' ｝{ ／ とある起請文が伝わり、
⌒ヽ /／ ___}沙|「 | | |_L |i | ｌ | 7 |十i┼|∧ノ人_廴__ また、天正二年(1574)十一月二十八日、
. ｝}// ／／| |j斗1.|,ハ|i | ｌ | 'ｨ≡=ｋﾉ人_{/＿ ﾆ二｝ 御朱印を受け、御台所御守役となったこと、
___,ノ{ {/／ 八 Vﾉｨf千气 |{ r} }小{二二ヽY´ 及び、家康より「公」の字を与えられた事で、
）〉 Y{ ／／,へ∧ 弋__り ｀¨¨{二二. 辷_ 〉ﾉ 「公重」と名を変えていることなんかもあるから、
ー' _ノ Y／／{／ノ∧ ,,,, '''' ｀＞‐-{_＿ソ 休賀斎が家康に仕えて、
｀Y´￣Y´乙__,＼ ‘’ ____／⌒乙¨￣） 剣を指南したこと自体は、
匸jノ}-､／__,厶≧=ーｧ'´ o ＼￣)ﾉ あったと考えてよさそうではあるのー。
／ ＼ / ｰ{ o Y⌒
/ `{ } } 話が細かくてごめんねなの。
{ } ト､/ｰ } ／｀ ハ-く
‘7′ 'く ト- １ | i ‘，
/ハ _,、| / |心ﾉ | |⌒ﾉ
- 37 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:24:37.69 ID:/UOyvU5p0
- なるほどなー
- 39 ：1：2009/01/12(月) 21:25:38.19 ID:7kje2Jxj0
- なお、家康が武芸に熱心で、剣を学んだ相手も休賀斎だけではない。
休賀斎とは別に、新当流の有馬大膳貞時（または大炊頭満盛）からも剣を学んでいる。
,,.. -‐'''''""""ヽ / ::/
／ ｌ ,.-‐ / ::/ ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
/,,,..-‐'''""""ヾ l ／￣,,／/⌒'V ｜ 名は有馬大膳……
| :: ,,,:::" | .l ﾉ ,／ / ::/ |
| ;;;;;:'''" ,,ノ レイヽl))ﾆ二,ノ ／二‐〈 | 塚原ト伝が開祖、
|､_""_,.イ-‐ﾗ ﾀﾉ`-､＿＿ /＼ ::/ ＜ 「新当流」の剣術使い。
ヽ| :::"￣"" ﾉ ｌ:: "''-=,| _,ヽノ;;＼＿ ＼＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|＿," |;;,,. /‐'''::/;;; ...:::::`
＼-==っ ／ ヽ. / :/;;; .:::;;:‐'"⌒
-'''￣.t一'' ／::: ＼/ :::/;;; /: /
!､__／≧､＿,,,.-―''/'''⌒/;;; l. 〈
`ーっ ...::::::::::/ :::/;;;. ヽ
有馬大膳貞時（または大炊頭満盛）
_,,.....,,_
.-''" ゛' -.
, ´ `.
,' ,'"´`i ', .
{`､ ', ,' ,'~ }
i `､ `''''' ﾉ i . よく来てくれたね。
', '-.. ,.' .' . キミには１年に三百石あげるよ。
,.-'. k.., `'''''--'''''´ ,.. '-..,, ボクに新当流を教授してくれないか？
',ﾊ '. ヽ.`q､ ,.p' / '., i ﾉ.
'-=..,', ｆ￣ ﾑ,i ､￣i /,,.;-' 「ははっ…」
', ﾊ '=;' ´ / /
.,, `i-...,, ,..-'''i´
,r''´ `.-r'､~'＼`´ | ゝ-､,＿,.-..,
- 41 ：1：2009/01/12(月) 21:26:26.87 ID:7kje2Jxj0
- ＿＿＿＿
／i||||||||||||||||||iヽ
／￣ヽ||||||||||||||||||||||||iヽ
'""ヽ ヽ!|||||||||||| ||||||! ﾍ 、
||ｌ ＿＿＿ヽｌｌ,‐''''＿＿ゞi .||
||ｌ ／ヽ、◎＞┴＜ ◎/ヽ＼|| フ、フフフフフッ！！
ヽ‐ｲ |ﾐソ￣'"ﾉ"/liﾞ￣゛l；|l |､ なんだか剣術の腕がものすごく上がった気がしますよッ！？
.＼/ｌ .|ﾐﾐｌ ｌ―――ﾌ..l；ll /
.＼ﾉ |ﾐﾐ.l..＼＝ヲ/ l；|/
￣＼ |ﾐﾐ.l.. ￣￣,,,l；/
ｌ ＼ヽﾞﾞﾞ.... ￣."／i
＿／＿｀｀＼￣､￣/ /ｌ＿＿＿
この有馬大膳、山本勘助とも親交があり、
また当時、新当流においては右に出る者なしとまで言われた人物である。
家康は、この有馬大膳に３年間師事し、
遂に新当流（厳密には有馬流、または満盛新当流）の奥義皆伝を得たという。
なお、この後、有馬大膳が死んだ際、
この有馬流の免許皆伝を受けていたのが家康だけだったため、
大膳の庶孫、有馬豊前秋重なる人物が、家康に師事する事で、
ようやく道統を継ぐ事ができたという話もある。
- 42 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:26:58.21 ID:vkM0KI+20
- 気がするだけかｗｗｗｗ
- 43 ：1：2009/01/12(月) 21:27:32.03 ID:7kje2Jxj0
- ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,, ___
,,..;;;iilll"iilll"iiillllii"iilllllllliiiiill';;';;';;,,,, _
,;llli;lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllijﾉllllllllli;,
(;:iilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllij/lllllllllllllllli;,
ヽiillllllゞlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllliiiiiiiiiiiiiiiiii;;;,,
ゝ,illlllllii-==‐''''''''''''""""""'''''‐=..,,iillllllllllllllllli;ﾉ
l;;;;;'" ';;;;;"'=:;ill||i'
.{;;;' __ ,.........,,__ .,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;'
|;;'"'ﾆ二ヽ "-,z＝ﾆ'.., ¨'‐､ ';;;;;;;;;;;;;;;'
l;' ,z,=ﾆ,､ ヽ '"ゞ_,ﾃｯ ';;;;;;;;;;;;;;' 歳食って病気になったんで、
l; `'‐`''-' / ￣ ;;;;;;;;;;;;;;' 故郷に帰るよ。
,.} ノ ,;;／⌒,i
.i { '., = ,z'ｿ j } つか、オレ、嫁さんとか子供の記録、
`l _,...ﾉｪ...,,,__ jl o ',// ないんだけど…もしかしてオレって…魔法使い？
ゝ ` ‐==‐ /`i￢' ってゆうか、魔法剣士？
ヽ , ' i|
ヽ ,.-' {
.iヽ _,.-' ,; |
{ ` ‐---‐ ' ,;' .il‐-､
jl ,;;' ﾄ ヽ
_,. - '" .| ,;;' ノ iﾄ
そして休賀斎のその後であるが、病を得て徳川家を致仕し、
元の主家である奥平家に引き取られたという。
その後の詳細は不明だが、おそらく、弟子たちに剣を教授して過ごしたものと思われる。
妻子の有無も不明。
そして、慶長七年(1602)に亡くなったという。
享年87歳。
- 44 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:27:54.29 ID:/UOyvU5p0
- クラスチェンジしちゃったかｗｗｗ
- 45 ：1：2009/01/12(月) 21:28:26.77 ID:7kje2Jxj0
- ＿＿
／￣￣ ￣￣￣＼ あのね、休賀斎自身の話は、
／ ＼ ＼ 残っている記録だと、このくらいまでなの。
∠ -‐ ￣￣￣ ｰ- 、 ヽ ＼'⌒ヽ
丿 ,. -――- _ ＼ | ＿ゝ_,ノ 秀綱との絡みも少ない分、豊五郎や蔵人と比べると
ｆヽ_ l／ ／ f'ＹY'h ＼｢￣ 名前の上がりにくい人物なんだけど、この人の場合、
ﾄ ｛ ヽ. / / ｌ { ｌ ｌ l | ＼ ヽ この後の弟子の系譜が剣術史において重要度が高いの。
ﾄ ゝ 〃 / , / ／| |r‐､ｊ ⌒ ト＜￣￣＼
.＼__ｲ | l | |/l_/／ /∠＞､__,.､__{| |:| ＼=＝＼ 簡単に言えば、この神影流（奥山流）が、
{| //∧l、ﾄ|'＾,ﾆ、 ´ ィ卞ヽ {l {| |:| ｀ ｰ ､ﾉ 幕末の一大流派「直心影流」の祖流だからなのよー。
{ﾚ/／ ＞ﾍ' ﾋ:j 弋'丿 {| {| |:| ヽ
￣|＼rヘヽ| ｀´ ､＿,.、￣ ∧{| {:{ ﾉ 「剣神」とまで呼ばれた男谷精一郎、
＼_＞匕＼ |/⌒| ／才Ｔ冖´￣￣ ／ 天覧演武において兜割を成し遂げた榊原健吉、
ヽ ≦ __＞ヽ ∠ イ＜ | | ／ そして、あの勝海舟も、この休賀斎が起こした流派が無ければ、
￣￣ ｜| ／ ｲトヽ | ﾍ _丿 もしかしたら違う道を歩んでいたかもしれないし、
l／／||lハヽ＼ｰ┘ ｢ そうしたら、日本の歴史すら変わっていたかもしれないのー。
/ ∧ ||ｌ ｌ ｜ | ｀ く
ムｲ ||l ｌ lＬ.｣ ＼ そんなわけで、この弟子の系譜の話を簡単にするの。
／ // |∥ ＼ 実は調子に乗って書いてみたら全然終わらなかったので、
／ //. |∥ ＼ できるだけ軽めにしてみるのよー。
.／ // | ||
／ // | || まず、休賀斎の跡を継いだ小笠原源信斎長治からね。
- 46 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:29:03.16 ID:vkM0KI+20
- 地味なのなｗｗｗｗ
- 47 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:29:27.06 ID:/UOyvU5p0
- ほほうほうほう
- 48 ：1：2009/01/12(月) 21:29:37.01 ID:7kje2Jxj0
- -=ﾆﾞﾞ￣￣￣"'ヽ-―――,,..,,
"'‐､'‐_､.ﾆﾞ＿＿_＿ "ﾞ‐､
>" ヽ_ ヽ
〈ｴ｀l ='''ｴヱ ‐/ /＼ ｌ
. /(･)| /(･) 〉 ＼ ＼ | とうおるるるるるるるるるる…。
. l::〈 ~"' `￣ ."i /＼ l はい、お師匠様、長治です。
|::::`ｰ` .. '. ' l ヽ__ / えっ？神影流の道統を継げって？
|::::（'ニ,ヽ / ６`i, 本当ですか、お師匠様っ！？
. ｌ::::( ﾆノ / (＿/l
!:: ／ 入|
ヽ=ﾆﾆﾆ=―- ／|| ||
);;;;;;;;:::::::::'' _／|| ||/ヽ
--||￣||￣||￣|| ||／ ＼
小笠原長治
小笠原長治は生年は不明（おそらく1550年頃？1574説も）ながら、
かの高天神城の城主、小笠原長忠（信興）の弟（または甥）として生まれた。
武田勝頼の攻勢によって降伏した後は武田氏に、更に武田氏の滅亡後は北条氏に仕え、
そして北条氏の滅亡後は牢人し、その頃、休賀斎に弟子入りしたと言われている。
（または、北条氏に仕えている頃から入門していたとも言われているが詳細不明）
そして、その後、時期は不明ながら、休賀斎より神影流の道統を継いだ。
ちなみに秀綱の直弟子であるとか、豊臣秀吉の旗本でもあったという説もあるが、
時期的・場所的にも不明瞭(というか不自然)な点が多い為、かなり微妙。
- 49 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:29:59.62 ID:/UOyvU5p0
- ドッピオｗｗｗｗｗ
- 50 ：1：2009/01/12(月) 21:30:19.74 ID:7kje2Jxj0
- i, ' ,. '
ﾛﾛﾛ＿ri‐i ﾛﾛﾛ i , ' , '´
[]￢ tｰj￢[]７ i/ , '
ri一‐i / ',,' ., , '´
_]rｰ[ / ' , ' , ' , '´
〈ii i三_i/ ／| ヽ., ' , ' ,
/i ii￣7i i |／ ' ､, ', '
rjj77i ,/ ii. i | ヽ､_, '´
ﾐ(ﾐ(ﾐ(＝ip]////ヽ／ i | ｀ ''ｰ-
ﾐ(（/ 7｡｡[r一////<. i |
ﾉ｀ｰ' /(《｡｡//卅r〃〃i |i さらば日本よ…
/ ｀ｰ-＝二ffooi丗i |roo_
（i ￣＿j |i_ ﾊ
{､ : : , " ヽ ｀ヽ､ii
（ヾヽ､ , ' ＼, -ｰｰ-､j ヽ!
ヽ.〉:: :｀:ヽ ､_ ,' / ｀v'}
＼:: :: ::::::｀{ i ｡ ; i,i
｀ヽ､ ::::::i_ __i ii
_7｀ｿ_,,-‐ヽ､_ ＿ ,. ' , '＼
ｰ──'´ .／__ゝ::::::ヽ ､ __ , ' ＼
／.,' , --､ ゝ- ､ ＼
. ／ { {､__, .} {､__, .} ＼
ii／ ｀｀ｰ‐' ｀ｰ‐' ﾟ
それから後、北条氏滅亡後の天正十八年(1590)とも、
豊臣家滅亡後の慶長二十年(1615)とも不明であるが、
長治は海を渡り、明国へ向かったという。
何故、明国へ渡ったのかは不明だが、
明に着いた長治は、高名な武術家を訪ねて回り、修行に励んだという。
- 51 ：1：2009/01/12(月) 21:32:02.46 ID:7kje2Jxj0
- V l i ! l l ｀ｌｰl- l ＼-ﾆ--‐'､
i l ｌ ﾘ ! l l _L. -‐ '"´ ヽ
>ｰ-. ⊥._{.＿_ｌ__,,.＞''"´￣ ￣~¨ﾞ丶、 ', 長治殿ッ！あなたは必ず矛術を習得できるッ！
/ ﾉ ,ﾊ / ＼ ＼ i もっと！もっと！自在に矛術を操れると思いなしゃれッ！
,' ／U ', / l i｀＞…─----ミ ﾊ ﾘ 空気を吸って吐くことのように！
i ／--､ヽ i ｌ ｌｒ‐,.､‐- ､ Ｕ、___二ﾆヽ. l/ HBの鉛筆をベキッ！とへし折ることと同じようにッ！
ヽ ｉ´ヽ/ フ-ミ_ヽ. l l.ｌ !l ｔﾇ-=＝'スヽ ∨ 出来て当然と思うことですじゃ!
＼ !. V f:ﾘ ,l‐千U l ヽ／-‐_‐ン i 、 l 大切なのは『認識』することですじゃ!
｀¨ ﾉ｀ ｰく! ヽ./｀}ヽｊ￣Uu し ／ ﾘ .l i l / 矛を操るということは出来て当然と思う精神力なんですぞッ!
ｉ U （_l＿,」ｘ-' ヽ入 -‐＜ヽ‐-､ /Ｕ }＝､ / あなたは神影流の継承者ッ！
丶._ _ﾉ>ー' ,.ｨ i´‐-｀ヽ ｌ ヽ. _ｉ、 /¨ヽv 矛を操れて当然ですじゃあああああーーーッ！！
ｒ| lヽ ＼￣:::::ｌ l / ＼.U,.ｨ'／ 〈¨ﾞヽ/ / ケケケケケケケケケケッ！！
,. -─- ､ / l l.に＼ ｀ヽ::::i_ｊ / ,ﾚ'／ ノﾞヽ/ /
,.- ､ ﾊ ､ﾉ U/ ｌ ﾊ ,!／ノ ／ヽ、ﾆつ / i /
ｉ / ', ｉ ｒＶ /./ !l l (..___ ,,.. ＜:::::／ ｀J / ﾊ
V i j ! ノ / / ｌl K ｒ‐'─-‐''ﾌ / / / ', /
ヽ＼__,ノ /／¨ﾞヽ i ｉ .lj l ヽ..,,＿_ _,,. ｘヽ /ィ,' ﾊ/ /
ﾊ ｀ ｰ､-､l ! ,.ヘ ! ﾄ､ jﾉ' ; ',／
）ｽ.／ ヽ,.＼ﾄ､._ヽ__）i l ｀ ー‐一'"ﾊ i i
ﾊ/ / ヽ ヽ ￣ヽ } /ｌ ／ ＼l l
./ / ／｀丶、リ / l / l l
〈 ／ .／ /´￣｀ヽ / .! / i l
. ＼. i ／ >､_ﾉノ l / ! l
張良の子孫？
そして、そこで名軍師・張良の子孫を名乗る人物と出会い、
矛術の秘奥を教えられたと言われている。
そして、「八寸の延金(延矩)」と称する秘剣を編み出し、日本へ帰国したという。
（軍師の張良と矛術になんの関係があるのか、というのは、まあ、気にしない）
- 54 ：1：2009/01/12(月) 21:34:00.51 ID:7kje2Jxj0
- _,､=:ニ;‐､､--――‐y､,_
/´ ヽ,ヽ,.ﾞ'l,.ﾞY;--',r'ﾞ'ヾ;'V.j
./_ .,,_j ﾞl l,. Y/ﾞ'ヾ､;､ﾉ,r;'|
j.ヾ! ﾄ‐! | .| .|,_ .／,.〈. 〉| 我が「八寸の延金」こそは無敵の術ッ！！
.|il, __ j .jﾞ .l ト,ﾞ',／ j.ﾞ r;| たとえ流祖上泉伊勢守であろうと、
.|.l,ﾞl, ﾞｰﾞ.ノノ / / ﾞl ﾞl,ヽr',r'l ﾞ;| 我が「八寸の延金」の前には無力ッッ！！
| l,.ﾞヽ--'ﾞ ,ノ / l, ﾞ'ﾞ,,.l, ,j ﾞ|
l,. ﾞ'i, ／ ,rｼ-､,ィ) l,ﾞi,V/ﾞjﾞ 故にッ！我が流派を「真！新陰流」とするッ！！
ﾞlﾞi,･ヽﾞi, ,／ｨl､･_ﾉ ,;:: ﾞｼ'i.l,ﾉ . 我こそが真なる新陰流の継承者よッ！！
| ｀ﾗ´ﾞ'''´ ''"'´ .| |:.r'｀V'
ﾞ'i, .j |./ ∧､,
ﾞi,. r､,,,.､,_ / ノメ､ .j |ヽﾞヽ
.ﾞi,ヾ'-'ﾆﾜ. / .／ノ .V jﾞ |'i,. ヽ;-‐-､,_:
/:::l,〈｀ ／/‐'´ .／.ヽ/ .j.ﾉ .:ヾ､;:） ﾞ'i
／::::::::|ヾ‐;＜;／__,､r'´ .／ .）='ﾞ ..:: ,ｿ .（::
/ l;::::::::::Yﾞ人ﾞl;:. .,／,r'ﾆﾞ _,､r''´ ..:: ﾞヾ､
小笠原源信斎長治(帰国後）
この「八寸の延金(延矩)」なる剣の詳細は不明。
名称、及び、矛術の応用というところから推測するに、
もしかすると、手元から更に斬りつけが延びる、という類のものであったのかもしれない。
（とかいうと虎眼流の「流れ」っぽいで砂。
あと後に、中西派一刀流の白井亨も自得したとも言われているが詳細不明）
帰国後(時期不明)、「神影流」の名を「真新陰流｣と変え、
江戸に道場を開き、弟子の数は３０００人を数えたと言う。
もし生きていれば、上泉秀綱すら勝てないだろうと称された剣士である。
- 55 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:34:30.84 ID:vkM0KI+20
- 覚醒しやがったｗｗｗｗ
- 57 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:35:15.05 ID:/UOyvU5p0
- > 上泉秀綱すら勝てない
ｍｊｄ？
- 56 ：1：2009/01/12(月) 21:35:05.16 ID:7kje2Jxj0
- _. -=ﾆ::_Ｚ￣ﾆ=- .._
／ (:_: ;r'": :/::￣:７''ヽ:,r':￣｀ヽ､
/: : : : : :ヽ､:_（_: : : （:: : : :＼,r=‐':"⌒ヽ._
/ : : : : : ; ': : : : : :￣::ヽ､__／: : : : : l: : :/ﾐﾉ
' : : : : : / : : : : : : :__:ヽ_: /:: :l: :l: : : : l : ﾞ‐'ヽ お師匠様…オレは武蔵とて鬼神ではないのだから、
ｌ: : : : : :;' : : : : : : （（（//ﾞﾊ､ : l: :l : : : l: : : l : ', 打ち込めないことはないと思います。
. l: : : : : :l: : : : : : : : : : : :｀Ｖノ : l: :l: : : ,' : : ;': l:ｌl
ｌ: : : : : :l: : : : : : : : : : : l: :/:l :l: :ｌ: :ｌ:: :/ /::/: :;ﾘ| 「何ッ！？
l: : : : : :ｌ : : : : : : : : : : l: :ｌ::ﾉ: }: :｝ ｌ / /::/ﾚｊ:/::| オマエ如きの腕前で…何様のつもりだッ！？」
. ｌ: : : : : l: : : : : : : : : : :l: :|/_;ｲ_;ｲ_;ﾘ､/／ .ノ／:|
'; : : : : l: : : : : : : : : ::l: :|ニﾆ ‐--ミ`' } ,ｨﾁｊﾞ :| …オレには”成算”がありますよ、お師匠様。
/´ヽ: : : :l; : : : : : : : : :l: :|ｚ'ｔ'ツ"_>｀` '" {^~ |: :|
/ ¶′＼: :ｌl : : : : : : : : l: :| ｀~¨´ (::"′ ',ノｌ: :j 「いいだろう…ならば、このオレが
,r‐｛ , ＼ｌｌ : : : : : : : :ｌ: :| :. ∨ノ:| 二刀で相手になってやるッ！」
! ¶′', ｒ､＼: : : : :::::ｌ: :| :. .._ ／´）: :l
¶′ ＼ ヾ>､＼: : : ll: :| :. __-了:/::;'
ｴｴｴュ┬ｒ 、＼ ｀ヾ>､＼:ｌｌ: :| : ‐.._'´¨´ﾉ:/::/
―‐ - ､￣`<〉、 ヽ､._｀^‐-＼ト ､ : ￣｢Ｖ／
¶′ ＼ `<〉､ ＼` ｰ==┬''^ヽ､ ...__ ノ
¶′ ＼ `〈>､ ヽ`:ｒ'"|| ,ﾀ ¶ ｝
¶′ ¶′ヽ `〈>、ヽ i || ,ﾀ /
神谷丈左衛門（伝心斎）
ただ、後に弟子の神谷丈左衛門が武蔵の二刀流を論じて
高言をしたのを諌めたところ、反発されたので、
ならば、と源信斎が二刀で立ち合うこととなった。
- 58 ：1：2009/01/12(月) 21:36:13.69 ID:7kje2Jxj0
- ／::::::::::ヽ::::ヽ:::ヽ:::::ヽ::ヽヽヽ
/|::::::::／⌒）::::::ヽヽヽヽヽ::::ヽヽヽ
./ /::::::（⌒//:::ヽヽヽヽヽヽ::::ヽ::::ヽ｀／￣￣￣￣￣＼
||/:::ヽ:::｀-' '::､／入ヽヽヽヽ::::ヽヽ／. .|
|:::; :: ヽ;／/'/ヽ,| ::ヽヽヽ:ヽヽ/ ⌒ デ ア .|
|::: ::::ヽ／ :/|（｀'ノ ::. ヽヽヽヽ/. さ ル リ .|
',::::: ヽ:' | ::::~:: ::: :::ヽヽヽ| よ チ ｜ |
. ;;;;:::ヽ/:::: __ :: : : ヽ／. な ！ ヴ .|
ヽ,‐,.v;',-,| ,,,,,,,,,、 .'---┐ ら ェ .|
. /7''' .）;'''ｿ : ,-i ,,,,,,,, ; ;;;;;| だ .|
. / /:: l ｀~:::: ‐--┘;‐'' .) l;;;＼. ､_, .|
/‐,'./ .,| .｀ヽヽ::::::::'-'､／:' |;;;;;;;;;＼ ／
/:::/,,/｀ l ヽヽ、::'''':::: ﾉ ''''''''''''''￣￣￣
| | ∥ | || ∥_,,r--、-,. -"／ ,," ;;
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| | .r'"/;;'' i / ＼; ;; i '''ヽ、 ;;:ヽﾞ
| | .i ,, i '' ! /"） ）/ ./ヾ' ' 'ヽ ';i
| | { ;;::: i | .i／／;;i／_,,ｿ） , |!ヾ;: | そ、そんな、バカなァ―――――――――‐ッ！！
| |i.! | |ノY".'>ﾐ;;"《_;,ﾉﾘﾉ ! ;;:} / この源信斎がッ！敗れるなどッッ！？
| ! ヾ ! ! /ﾞ"..::" ､ﾞ;〉u./ |./ //"''::
|.i;;:: ::;; ヽ ヽ u ,- ‐ﾍ u// /' '';:
| .ﾉ; ヽ;;;＼i. 〈""" .{ //! _,,,.....,
-''"ノ ,, ;'ヽ＼v ヽ、_)ﾉ'-―＝ﾆ''''
;;:, :;;''i ﾉ; ＼､ u ﾞ'''／＜、＞< ヽヽ
_,,.,,="-'",,（ ＼ ＼ -/,/,,,_ /''＼,.へヽ
;'"! | ' ,... .,, ＼";;ヽi_」 へ /＼/ヽ
しかし、この立ち合いの詳細は不明ながら、
結論だけで言えば、源信斎は負けてしまったという。
- 59 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:36:36.60 ID:vkM0KI+20
- ありゃま
- 60 ：1：2009/01/12(月) 21:37:15.80 ID:7kje2Jxj0
- /::::/:::::／:::::｀ｰﾗ:::::::::::,.ｨ:､＼ヽ.
,'::::;':::::/:::::::/:::::::{:_;.ィ:´ヽ._::::):::';:ﾊ
;:::::;::::::;':::::::/:::::／:i::::i::l::ヽ::::l::::::::ｉ:::',
. ｉ:::::i::::::i::::::::l:::/l::::::l::::l:::l::::::i::::l:::::::l::::i
.. l::::::l::::::l:::::::::i':::l::::::l::::ｌ:::i::::::l::::l::::::i::::;i
. !:::::ｌ::::::ｌ:::::::::l::::l::::::i::::l:::ｌ:::::l:::ﾘ:::::i:ノｉl 流派名は「直心流」に変える…。
. l:::::!l::::::!:::::::::ト=‐_-_⊥⊥ --‐ ｽｨi::!
l::::ｌ:ｌ:::::ｌ:::::::::::ﾋｫ::ｧ‐ミヽﾉ ,ｨｔﾁ_ﾉl::l オレは正しいと思ったからやったんだ。
l::::l::i:::::ｌ:::::::::::lヽー'´／ l｀¨ ｉ::l 後悔はない…。
｀ヽ＼:::l::::::::::::', ,. ､! /::ﾘ
|.＼::::';:::､:::::ﾊ ｿ /::/l
／.i. h丶、:::ヽ::::', ヽイ ,':::/
／ ', ヽh ｀ ＜:::::ﾞ､ ‐ "¨ ﾉ/-V
／ ＼ ＼ト.､ ｀ﾏ^、 ｀¨´./ヽ
／. 丶、ヽ- ニ/｀ﾞ ｰ ' ./i
ｒ‐ ¨￣ ￣￣/／ヽ | / l
. i i'⌒¨ ‐一'､ l ｉ l l
＼ ＼ ＼ ', .// ｌ l
ちなみに、この丈左衛門は後に伝心斎を名乗り、源信斎の跡を継いだのだが、
これまた流派名を変え、この代では「直心流（または新陰直心流）」となった。
伝心斎曰く、
「従来の勝負は全て外道乱心の業であった。
兵法は仁義礼智の四徳(または仁義礼智信の五常)に基づかねば本物ではない。
己を捨て直心を以って進み、非心邪心を絶たねば自然にもとる。
要は誠の一字であり、これが直心を流名とする所以である(一部略)」
とのこと。
- 62 ：1：2009/01/12(月) 21:38:09.66 ID:7kje2Jxj0
- _ ＿
}1 ｀`ヽ _ ＿_ _ なんだかさっきから流派名が毎回変わってるように
}1 `ヽ __,..ィ ´ j! 見えるかもしれないけど、実はそうなのよ。
ﾘ rr＝＝= ミ} }彡 -=＝ム
ﾑ ﾘ .: .:. :. :.∠YﾆYく. :. :. :.: . ./ この流派、後に八代目となる長沼四郎左衛門国郷まで、
/⌒ヽﾉ ．ィ ´ ｀~~~~´ ｀`ヽ .: :ノ 代々の継承者が、毎回流派名を変えてるのよ。
,.ｲ⌒ヽ ／ .::; ,. ＼ﾄ､ その変遷はこんな感じなのね。
/ VV.Y´ .:::/ / ,| | .:|:| |::|:i l:!
ノ V.:| .::::/ /__/ | | .:.:l:l 1:|:| l |:|ト､ .流祖：松本備前守政元 ：稱神陰流
｀≧ミﾐyﾊ| .:::/7´l /`ﾒ､|.:./ﾅナN l |:ﾘ 人 二代：上泉伊勢守秀綱 ：新陰流
く ￣｀`ヽ .::|.::/ ,.ｲ⌒Tヽl/ T Tヽ| 辷_彡 三代：奥山休賀斎公重 ：神影流
.辷_彡_‐`辷_≦ ヽ廴_」_ l_ﾉノ/ ﾉ‐辷_彡 四代：小笠原源信斎長冶：真新陰流
辷_彡_‐ `辷≦ ､ r‐┐ ハﾉ_‐辷_彡 五代：神谷伝心斎真光 ：新陰直心流（直心流）
( ( ⌒ `_弓ハ＼ __l _丿 ..イ 弓`)ノ´￣ 六代：高橋真翁斎重冶 ：直心正統流
／ > ‐く ￣｀`ヽ- ､ 七代：山田一風斎光徳 ：直心影流
/ / ノ ﾞ、ヽ （八代目以降は変更なしのため略）
./ V / ,r ;;; r;;;,､', ﾄ､
/ ,′ ! /`ｰ1 l:lｰ'ヽ', V ちなみに、八代目以降で名前が変わってないのは、
ヽ l l L__ノ l:L__ﾉﾊ ヽ 七代目の山田一風斎が、八代目を呼んで、
＼ ノ l (::) `ー' ! ＼ 「毎回代が変わるたびに流派名が変わるのはどうよ？
｀>y' ∧ ｰr'r‐' ∧ ） もう変えんな（大意）」と言ったから、らしいんだけど、
,. イハ.＿__ノ >､ l_ﾉ __ ノ ｀T´ でも当の本人も変えてるのはどうかと思うのよ。
／: :/ い ／⌒ 「¨¨`フ"´ . : :〉
／. : :/. : い / 人.:.:く . : : / これがなかったら、逆に
. : : :/. : : :い / / `ヽ､ . : : : / 「代が変わるたびに流派名が変わる」流派に
: : :/. : : : :.い / / /.:入. : : : ／＼ なっていたかもしれないし、
: :/. : : : : : い′ / /::/ /￣｀く. : : : : ＼ そういう意味ではちょっと惜しい気もするのー。
:/. : : : : : : :い__ノ /::/ / ､＼ ）. : : : : :
- 63 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:38:57.37 ID:vkM0KI+20
- 面白い流派になってただろうなｗｗｗ
- 64 ：1：2009/01/12(月) 21:39:57.77 ID:7kje2Jxj0
- , -――‐-v冖v-―――- ､
く: : : :r＞―^ｰﾍノ）=＝ﾐ : : : :| ちなみに、流祖のところに
rｸﾍ:／ , , ﾋr┬- ､: :/ 今まで出てない「松本備前守政元」の名前があるけど
rｸ : :/ / l | 厶:ヾ､:_:》 :＼ これは、直心陰流(鹿島神流)の伝系では、
K_:_:/ / ,′ l |l | 厶 : : : : ／ そういうことになってるそうだからなの。
/| l/| レ1 / lﾒ､_/l l|ヽ､／ヽ、
/ l |イ l l| / / | /｀7 ﾘ=ミ＿＿〉 実際に秀綱が、この松本備前守に師事したのか、
厶イ＞l | ● ′● /| /ヽ、｀二} 及び、鹿島神流という流派の二代目なのかどうか、
く// ,小⊃ ⊂厶=＜| ＼ その真否はよくわからないのだけど、
{_{_fて( ヽ、 ｰ^ｰ' ｨ乙ﾆ彡} 匸´ このあたりはすごくややこしいので、ここで止めておくの。
｀￣ /＾Ｙ￢] _ﾚ⌒ヽ ｀￣ （というか、この辺に踏み込むと、柳生の話に
r'７ / :_:_∨_:__: : : :＼ 戻れなくなるくらい話が延びるのでご勘弁をば）
∠_/__/|:{ {:r介､: :}}: : : :〈
＼=＝彳VI:| |:|∨〉: : : : 〉 ごめんなさいなのー。
ヽ: : : / |:| |:|: : ヽ: : :rﾍ
∧_/ : ｌ｣ ｌ｣: : :∧ : : : ヽ
そして、この小笠原源信斎の道統を継いだのは、この伝心斎であった訳だが、
源信斎の別の高弟が、実はもうひとつの流派を立てている。
その人物、及び、その流派の名は…。
- 66 ：1：2009/01/12(月) 21:40:50.92 ID:7kje2Jxj0
- ,,,..........､--､_ ＿＿_,〃 ヽ､_=＿ ｰ-､ ヽ,
~￣｀`''ｰ-;､ ､､､ 冫 - ､ ｀"''‐､｀'ヽ '"''''''''i ,
, -‐'ヽ_,.--'~ ,,.〟｀`''､''ｰ─''"~｀`''ｰ､ ､ ､＿ ﾞi, ~ , .r‐‐-`‐"
´￣j､_,_,ヾ,-‐'",. ,r-、 ｀'‐''''''''二､ ,_ 二_ヽｯ ヾ '‐:; | 'r/ /l
＿＿＿_ ,.〟--ヽ--､_i:::::::) r'' ヽヽ,.......ゝ ヾ ､ヾ i ,..`' ﾉ
‐''~, i'!, ヽ、 i、 i, ｀`'''i i 'r''::､ ／__＿ ｀`'''ヽ i!ヽ二 ヽ ,//`;
‐､､＼､_ヽ,｀`i ヽ､,-'=ﾆ,''､ｰ',',~,,i, iﾞ:::::::::l ; r:':::::i l ､ ., l li r// /,.....､､
ヾ:::`i:::::::'''｀`''ヽ （ , `''+'r_‐-､ ヾ-‐,'ﾞ i l;:::::::;! ﾄ､_ `ｰ'ﾞ ﾉ /"´:::::::::／ ボクの名前は針ヶ谷夕雲…。
::::::::::l:::::::::::::::ヽ:::i i,'-ヽ､_ iﾉ ｀`''ｰ; -‐'' ,.入 ＿ﾞ'_'ノ／丿`i , ‐'" ／:::::::::::::/ 生まれろ…「新しい流派」…！
--､::lヽ;＿;:::::::l.::l l i `''ﾞ','ｰr=ﾆ~,-─''~r'''´,.. --_ｭ-:､';＿/ ／r'~:::::::::::／
-､,ヽ! ''ｰ､ヾ、 iｰ-ゝ､, i__/ ヽ, / i r '_,.;ｪﾆﾞ-‐''ﾞ'^ ,.> __,i／￣／::i 「無住心剣流」ッッ！！
ﾞi ,._. ＼｀´ l i~ ｀i｀`''ｰ=､--' .l.|´,.:-i;'''｡';ｧ､_ i ;:／ ,.､`;.／:::::|::l,,,.. -‐､
l,_ ,...ヽi"｀`''ｰ亠-ゝ--' ､＿丿./....... `'; `‐ﾞ=;ﾆ;-‐"／'/ .i i／::::＿i::::l:::::::::::::i
｀'''''-､ , 'ﾞ ヽ, l ,/ :::: / ´ ｀ l!ﾞ ;:< ／,r'''ﾆ､:::::ノ::::::::r'~
ヽ＼ ､`'-､_ i ,.. iﾞl, ,ヽ. __ ' ,､ /'o'''''_,ゝ; l iL,､､､＿｀`´
＼＼ヽ i `ヽ､,.ノ /:::ヽ,. ,ﾉ 'v､'ｰ-´､´ lﾞ:::｀''‐-､. /｀`,'j~＿_l,,,i,,,〟､ , ‐'"')
｀'‐､ヽヽ i l|. | r-､iﾞ:::::::::i ヽ ,.. i, `''''' ､; i::::::::::::::i‐'ﾞ／ r i ／, -‐‐
ヽ､__｀'‐､ i l/ .|;::::::｀`i l;:::::'ﾞ:::i i'ｰ-‐' ）::::.::::::l,'~ ／ l /､／::::::::::::
'"´::::::＼｀'‐l ／:::::ヽ;::::l; l, ::::i､ ｀'‐､＿,,. -‐/,. ---;'`ゝ, `r- ､,,.. ／'/:::::::::../
:::::::::::::::::＼/ 〉､_:::::::::y'xxxi :/| ヽ | < ／ i /´;ﾍ;;/r,.'~￣｀`ヽ, ,,..!=ﾆ,二ﾆ彡/
｀'‐､_,... -;‐ヽヽ::::`''ｰ:lxxxxl/::| !, | ヽ/,,,,,.. l_ヽ,::ヽ l l. i ／:::::::::::::::ヽ､
,／ r‐‐’､ 〉､:::::::;lxxr'"::::/ヾ `'ｰ'ヽ i l r- ､｀/::::＼iヽ, ﾉ ./＿::::::::::::::::／
／､__ﾉ. i l::::｀`,'‐'`|:::::;: 'ﾞ L__,. ┴'､i `l:::::::::/､､`''ｰ─;' ＿ヽ｀`'''''
../r'"i | Li,~::::::l '::ノ ＿ .彡 l /｀`ヽ､､_ノヽ,/ ヽ｀ヽ. l, ;;; =' ‐'''''`─､
.l/ ,ヽ.○ | i:::::r''''' r,'- .,_｀`'､‐､__i i ヽ`ヽ, ノ ::, ＼l ＼
l ￣ ○ l ｰ' ヽ ''-､_ i ｀`ヾ ､＿ﾉ iヾ ､ ﾞ_ , ノ i ＿＿＿＿ゝ
ヽ o / ＿＿＿i_,,,, -;,';' ､_ ﾉ .,'｀'‐､ ／ ﾄ-‐‐,- ／| ／ i
. lヽ / ／:::::::::::::::::::::::::i l ｀`'''ｰ-､ﾉ '-､ / /i |／ /
.| ／|''~ i~:::::::, ---､:::::::::ノ/ ｀ヽ -‐ ヽ--' " ヽﾉ /
針ヶ谷夕雲（五郎右衛門）
- 67 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:41:17.59 ID:vkM0KI+20
- コロネｗｗｗｗｗｗｗ
- 68 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:41:47.84 ID:/UOyvU5p0
- 登場人物濃いなーｗｗｗ
- 69 ：1：2009/01/12(月) 21:42:19.72 ID:7kje2Jxj0
- ` T´r ___ i 弋 ～"ノ //＼＿＞<9
ヾi Vｒ::::::V ミﾐ ,r''/ ', ヽ､＿ {
ﾄ､‘== ' / ｒ‐ '" ヾ､ー-- ニ､
） ＼＝= ／ ＿__ T ー＜ミ ）
ﾉ ､､`ー- '" ／ `T ー- ､ 兵法なんか畜生外道の技なんだ…
ーﾞ` ,,;;;;: ／ _,. -､ ﾌ ヾ､ ｰ- ､） つまり無駄なんだ…。
{ ::::::. `{ !_ !::::／ i }= ,. '⌒ 無駄だから嫌いなんだ無駄無駄…。
｛ r‐‐ ニ=:::::､ ￣ i V /ヽ
. V/￣ ,..ｨ＜ ;::| ＼ ( ))
､ | / (:::／ ヽ i ) ::ﾉ
.ヾ＼ ￣ ヾ＿ / __ i o /
ヽ＼ , - ' ,r‐ｧ- !ー <
ヾ＼ /::;r= '" , /| ）)
ｆ⌒ ､ `'" _,／ / .| //|
', T＼ ￣:::::. / | / / i
＼::::::.＼ ヾ''ﾞ / | / / !
ヾ::::::::ﾍ:::::...､ ___,....:::::'' | /r-</
>:::::::::::::::::::::::..... i i Y
その名は「針ヶ谷夕雲」。
源信斎が明から帰ってきてからの弟子だったのだが、
40歳頃、本郷駒込竜光寺の虎白和尚に参禅した結果、豁然として悟り、
「己に劣った者に勝ち、勝る者には負け、同等なら引き分け。
こんな技は畜生の争いと何ら変わらぬ。人間の修めるべき術とは言わぬ」
と言いだし、師の源信斎の「八寸の延金」も、
上泉伊勢守以来の新陰流も、更にいえば世の兵法全ては妄想虚事の類であり、
そもそも勝ちに執心するなど、畜生心に過ぎぬ、と断じたという。
- 71 ：1：2009/01/12(月) 21:43:27.21 ID:7kje2Jxj0
- ／｀ヽ、
/:: :::.', _
,--, ,' ,ｭ=､::. | |ヽ｀ヽ
//::::l | // ', .| ',:::', ヽ
/./::::::| / ::|! | ﾄ､ .',:::i l 「相抜け」トハ、単ナル「相打ち」デハナイ…。
/ |:::::::ﾚ 入＿_.ﾉ =|::ヽ_',:i Y
{ |::::::::::| = =.人 = =|::::::::::|=. ! 兵法ノ窮極ニ達シタ者ハ、
| =!:::::::::| = =/ ハ', =!:::::::::|= .= |
| =V::::::ﾅチ// ﾊ, .ii 弐::::::ﾉ＝ =.l ドチラモ永遠ニ「勝敗」に辿リ着ク事ハナイ……。
| "二´ //圦ﾘz' !! 炬 ＝ ＝|
} i i. i i/||夫从.|| i l ＝| コレガ…「無住心剣流」ッッ！！
|= 刄ノ＿|!. |串l´l_.|| __壬‐' =/
|= |! i| .|甲| |! .ﾘ =/= コノコトハ、我ガ師源信斎スラ知ルコトハナイッ！！
', lヽｒ,ュャ､.ヾﾂ .r,=ャフ =i―､_
', ｀.弋ｳ圦 ヽ|| く刄ｯ仏 |-､ ￣｀ヽ
／ ', | | | |! | |. l:::::ヽ |
l ／::::', ￣ヽ= = ￣ ,-/ /|::::::::|. /|
| !:::::::: ',l＼ .|.=__ ＿= _ / /／ .i::::::::| / |
／| |::::::::::|＼l | ､ー-'⌒´ﾒ ,ｲ |::::/ | .|
／ | !::_／. ＼=￣￣= ／ | !/ ﾉ ﾉ
／ ／| ヽ ＼ ｀ー一 ´ / / ／ ｲ_
それでは、何が正しいのか、ということに対し、夕雲は「相抜け」という概念を提唱した。
実を言えば>>1も正しく理解を出来ているとは全然思ってないのですが、要するに、
「兵法が極まれば、そもそも争う事すら不要である」
という「神武不殺」の概念に近いものらしい。
これを以って、「無住心剣流」と称したという。
（正直、こればっかりはどうにも説明に困るので、興味を持たれた方は調べて頂ければ重畳）
- 70 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:43:00.40 ID:vkM0KI+20
- 無我の境地とかそんな感じ？
- 72 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:43:59.50 ID:/UOyvU5p0
- なんとなく哲学っぽいのぅ
- 74 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:45:18.51 ID:vkM0KI+20
- 戦わずして勝つか…
- 75 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:46:17.54 ID:/UOyvU5p0
- 最強の護身は危機に近寄らないこと
- 77 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:46:36.60 ID:upSy4CZ60
- 新陰にも心を無にする水月の位とかあるんだけどな。
同じ無心でも目的が違うか。
- 73 ：1：2009/01/12(月) 21:44:53.46 ID:7kje2Jxj0
- では、もしかして夕雲は口だけなのか？というとさに非ず。
こんなエピソードもある。
!､ゝ-' ヽﾆ二 ノ l 人￣｀ヽ ｰ- ﾆミヽ し,.
/ヽ._ノ __jノ ／,.ニ=-＼ミ､ ヽ､.._ ヽ＼/
ｌlﾚ ,.｀¨l li ／∠,.ィﾃ-､ lトミ､ ,.ィ -､ヽ、ｉｌ ボクの刀が刃引きだって…？
ヽ-‐-.l. l ｰ' ,.ｲﾌノ／ !ヽ､/ ∠ヽ. l､ i l これはわざとさ。
｢ｒ‐-_ヽ, ,. ､￣ l ろ ﾉi l ﾚ‐' .
. ﾏＦﾂ.ﾌ ヽ l ｌ ｉ └' ﾉ'i ヽ だって、この状態なら、
ﾞi´ 〈 ‐ｧ , ﾄﾟ..-‐'i"|' ./ヽ 初めから刃こぼれして斬れないんだから、
、 ｀ﾞ ' _..ﾆブ .l:::: ｌ. i/、 } 相手が何人いようが変わらずに
ﾞ､ ｀¨-'´,.ィ ﾉ::: ／:::::l ,ｲ..,,__,,.. 、 思う存分相手を「叩き潰せる」じゃあないか！
. ヽ ｀¨´ ／:::::.／ﾌｧ::::::::l ﾋｭ ⌒ヽ ',
＼ _,...イ/ヽ／／ｨﾌ,:::::::::l__ミヽ ｒ' １対多なら、この方が便利なものだよ。
ヽ-‐''":::::／ //／彡l彡!::::::ﾉ:::ヽ、ﾆヲi
{:::｢l￣ /:/// 彡'ﾋノ::／::::::::::::｀:＜
そして、
「もし、大名とやりあう時でも、これなら従者全員を打ち殺して、
主人を乗り物ごと叩き潰せる。そのためにもこの方がいい」
と、どこぞの鍋島武士みたいなことを言い放ったという。
曰く「身の丈六尺、力は三人前ある」ということで、
真剣勝負を五十二度やり、全て打ち勝った、とまで言われている。
（というか、この夕雲も、源信斎と立ち合って勝ったという）
- 76 ：1：2009/01/12(月) 21:46:19.52 ID:7kje2Jxj0
- ,ｒ ‐､
で、出たぁーーーーーっ！ .ｌ;;i´: i
ジャンピング相抜けーっ！！ |;|::: ,ｲ ←小田切一雲
ノ::＝=;i'
／::｀::::::ー､
,､- |!:::::::::::.. !
／| ／ ! /| |;|;;:::::::::l_:... l
|／ Lノ | |:;l;;:::::::::::ﾍ:::..l ,､-;;'''ツ､ ←夕雲
| ォ､ |:;;l::::::::::::::i:::. | ,;;-;.f､:::::::::::::::::､_
／| |`v‘ |:;;ｌ::::::::::::::|::: | |;;;;;;;n;}rｎ:::::::::::::::::
／ー-< レ'ﾞ|!∩ | |:;:ｌ<ﾆ」:::::|:::: ', `iｷ‐ｲ::::!;::::::_:::::_:;;;;
::::::::::::ミ'-､ | | / L!:::::::::::::::L;; .ヽ l_:Lﾉ::::ｒ ＜_;;;;ｒ'
::::::::: :: ,=-､ノ/ T;;ｰt-､_｀ｰ､ﾉ! WZ!::ノ
::l::: ..:::/ ﾐ |_フ （ ） |;;;;;;∧;; `! )ﾉ
:::: r-､ / | ! /;;;;;ﾉ !;; |
:: し ｌ ／ // ,- '';;;-;;ィ/:: /
／ // ／;;‐Mｃｊ;;ﾐ:: / ,:､
ー‐ ''´‐､ ノ/ /;;|ｰ-, _!;;ﾄ 〇 ´Y´
■ /ー-- ''／ 〈ｊ;!: ''' ｊ ,,,｀! | i
／ // ／ ,'⌒-､/i::: ヮ ノ 丿ｊ
ともあれ、この無住心剣流、その後、後継者の小田切一雲によって、更に発展、
夕雲が一雲と立ち会った際、この「相抜け」が発生したらしく、
夕雲は香を焚いて一雲を拝んだといわれている。
しかし、小田切一雲の更に後を継いだ真里谷円四郎から後は、
この道統を引き継げる者が出なかったらしく、無住心剣流は断絶したという。
（ちなみに、円四郎は一雲と相抜けせず、勝ってしまったが、
一雲はそれを賞賛した、と言われている）
- 78 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:46:52.80 ID:vkM0KI+20
- 土下座してんじゃんかｗｗｗｗ
- 79 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:47:16.66 ID:/UOyvU5p0
- ジャンピング相抜けｗｗｗｗｗｗｗ
- 80 ：1：2009/01/12(月) 21:47:34.75 ID:7kje2Jxj0
- {￣￣´厂｀`ヽ 、 ,．-‐─--_､ この無住心剣流については、
） | ＞{=ﾆ二_￣´ / 人を斬ってはならぬ世で、なお、剣士が剣を模索した結果、
{ | ,． '’⌒´~, ￣ ､｀ｰ{ 行き着いた極致のひとつ、という意味で
ﾉﾆ二'⌒ゞ＜ ／ / .i! ｉ ヽ. 書いておきたいなあ、ということで紹介したのー。
,イ ./ ＼_r'´ / ,j. ｊi }1 }ｊ ｌ
,べ { レイ´ ,{ｊ ﾄ K_八ﾄ、 从从り ともあれ、この奥山休賀斎以降の伝系は、
{ﾊ、ゞ{. ! { VJｊ ｨｆﾟi:i〉 `'ｆ:i〉ﾄ、 バラエティの豊かさと、歴史の長さで言えば
｀ｽ´＼ﾄ､ ｀こ二〕 ｀ｰ' __ `ﾞ ｊ孑 柳生以上のものがあって凄く面白いのよー。
厶 ＼ ＞一气 ｿ:::... ｀´, ｨ〔ｲ
,．- 、｀＞'´⌒ヽ.__ Y’ ｨ'Ｔｊ::┬くﾘ )） >>1曰く、このまま延々直心影流の話を書いて幕末に突入、
/ ,へ_Y V二>─仁ﾆ. Y’ 江戸四大道場と幕府講武所、新撰組と示現流の話とかも
. / ∠..__,人_ { ノ 冫／六,,__ | | ,ｨ八 書いてやろうかと思うところではあるけど、
-〈二 -‐_=￣} イ{/// / ＼｀ゞｰ-‐＜厶､.} そうすると、やっと宗矩くんのターンが回ってきたのに
,．' ´,.． '"ｊ ゞ.|// l |,．‐ '" ＼ ｀ヽ､ お預けとなるので今はまだ我慢でアリマス、だって。
／ ／ / V |／ ､┬zｧヽ ｀`ーｙi、
／ ｊﾞ ,．-‐-Y'´ ￣´ ｒ‐} ともあれ、新陰流は柳生ばかりが繁栄したのではない、
l’ ／,．ﾆﾆ={ -一 ''¨_,.．`Tｊ ということを知って欲しかったのよー。
／ | / /ｊ( i ! { ,) i _,.- '´ -' ｼ
＼_／ ／ﾚ'／/ ,.ゞ亠'´ ﾞ、 ' ´ ノ´ というわけで、これで奥山休賀斎以降の話も終わり。
ヽ_(ﾆく_/ L∠／ ﾉ ＿,．イ 次はラスト、宝蔵院覚禅坊胤栄の話なのよー。
- 81 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:48:15.76 ID:/UOyvU5p0
- 次回作に期待ですねｗｗｗ
- 82 ：1：2009/01/12(月) 21:49:06.78 ID:7kje2Jxj0
- 【宝蔵院覚専坊胤栄】
さて、石舟斎を除く新陰流５人の高弟のうち、ラストは
この中でただ一人、剣豪ではない槍の達者、宝蔵院覚禅坊胤栄である。
/ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /)
(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) 奈良南都の興福寺塔頭宝蔵院の院主、
／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼ 覚禅坊胤栄だっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ）
| `ー'´ /´
| /
宝蔵院覚禅坊胤栄
胤栄は大永2年(1521)、奈良興福寺の僧兵、中御門胤永の子として生まれた。
中御門家の人間は、先祖の代より南都の僧兵として仕えていたが、
胤栄の代には塔頭(末寺)のひとつ、宝蔵院の院主を任されるほどになったという。
なお、胤栄の幼名は不明だが、成人後、俗名を伊賀伊賀守と称したらしい。
- 83 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:49:41.80 ID:vkM0KI+20
- そういやお前だったなｗｗｗｗｗｗ
- 84 ：1：2009/01/12(月) 21:50:16.73 ID:7kje2Jxj0
- r'ﾆ;v'ﾆ;､
_,!ﾟ ) iﾟ ) .iヽ
r=､r=､ ／ ｀ヽ,. ┘ ヽ
,､ ,､ .__{ﾟ _{ﾟ _} i ′′ } 俺達僧兵だっていうｗｗｗｗｗｗｗ
, - (ﾟ(ﾟ )）> /´l r ｀'､_,ﾉi、 l、 ､ ,!
r-=、（ '' ,r'⌒ﾞｉ>_{ ) ヽ.＿___,ノ` 、 ! へぼ侍如き一蹴だっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
｀ﾞゝヽ､ヽー´ ,,ノ::｀`､ _.r（_ ﾉﾞ`ｰ. ヽ,.┬/ | /7
にｰ `ヽ､_ ／::::::::ｨ"^ﾞﾘ-r _,,ﾉ ,. lー' /ﾆＹ二ヽ かかってこいっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
,.、 ｀~iヽ､. ｀~`''"´ ﾞt （,,￣, frﾉ ｀ｧ-‐ /( ﾟ )( ﾟ ）ヽ
ゝヽ、__l::::ヽ｀iー- '''"´ﾞi, ヽ ヽ,/ / ／⌒｀´⌒ ＼ でっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ､_ﾉｰ‐ﾃ-/ i | （-、 |
￣r＝=ミ__ｨ'{-‐ﾆ二...,-ゝ、'″ ／,/｀ヽl , ヽ＿＿＿ノ | ト- :、
lﾐ､ ／ f´ r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''" ,:ｲ`ヽ | |r┬ー| l ,/;;;;;;;;;;;;｀ﾞ
! ヾ .il l l;;;ﾄ､つノ,ノ ／ ／:ﾄ-"∧ l | / /／;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
. l ハ. l l;;;;i _,,.:イ / ／ ,ﾚ''";;;;;ヾ二,-;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
人 ヾﾆﾞi ヽ.l yt,;ヽ ﾞv'′ ,:ｨ" /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´｀i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
r'"::::ゝ､_ﾉ ﾞi_,/ l ヽ ﾞ':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´' ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
｀￣´ ／ l ヽ ヾ"／ ｀ﾞ''ーハ. l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
／ l ﾞt `' ／^t;＼ ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
南都の僧兵たち
なお、この奈良興福寺、朱印２万５千石の大寺で、
比叡山延暦寺と並び、「南都北嶺」と称された程であった。
そして、両寺とも強力な僧兵集団を抱えており、
興福寺の僧兵は衆徒、延暦寺の僧兵は山法師と呼ばれたという。
自然、胤栄もその影響を受け、武芸を好むようになった。
- 86 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:51:02.47 ID:vkM0KI+20
- ウゼェｗｗｗ
- 85 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:50:47.90 ID:/UOyvU5p0
- 人外魔境だなｗｗｗ
- 87 ：1：2009/01/12(月) 21:51:12.75 ID:7kje2Jxj0
- ./ ＼Ｙﾉヽ ｷﾘｯ
/ （0)(―）ヽ
／ ⌒｀´⌒ ＼ 貴殿の腕前には感服致しました。
| , -） （-、.| ぜひとも拙僧を弟子にし、ご教授頂きたい。
l ヽ＿＿ ノ l |
＼ ／
/ ノ Ｙ ヽヽ
oﾟ(（●))((●）)ﾟo ってこれ、何人目なんだっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
／:::::::⌒｀´⌒:＼
ﾐ ﾐ ﾐ .| ,-） （-| ﾐ ﾐ ﾐ
/⌒)⌒)⌒. | l ヽ＿＿ノ l| /⌒)⌒)⌒)
| / / / ＼ |r┬-| ／ (⌒)/ / / /／ バ
| :::::::::::(⌒) | | | ＼ ゝ :::::::::::/ ン
| ノ | | | ＼/ ） / バ
ヽ / `ー'´ / ／ ン
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--、 -一'''''''ー-､
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
さて、胤栄が特徴的なのは、秀綱のほかの高弟たちと違い、
積極的に武芸者に会い、相手が達者と見れば、すぐ弟子入りしたというころである。
そのため、ある古記には慈音流を学んだとあり、ある伝書には神道流を相伝したとあり、
そのようにして師匠とした武芸者の数、実に40を越えるという。
- 88 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:51:35.01 ID:/UOyvU5p0
- 多いね～
- 89 ：1：2009/01/12(月) 21:52:43.06 ID:7kje2Jxj0
- ＿
,. -´-- ､` ヽ､
／ ~ヽ ヽ
__,／ ／´ ヽ _i
>.,､.／ ,,.､ l' i
／ く＿,ヘ ／''T !iﾉl やあ！ボクは天真正伝香取神道流の達者だよ！
_／ / ｌ. L,.i`''ｰ' ' ､ノ /ﾉ/ ネット系では「大西木春見」って出てるけど、
~｀ ー--',.ｲヽ, ､__'＿, ／' 資料では「大栗春軒」って名前なんだ。
＞┬ ‐‐'1‐く´＼ もしかしたら縦書きで「栗」を「西木」に、
,. '´l !￣フ i ＼i 「軒」は略して「見」にしたから、とかかもしれないね！
／ ､ __,..i レ' l_ ＼ でもどっちが正しいかよくわからないんだ！！
ゝ, ＼ i i ｀ヽ ヽ
＼,.ｨ i ! /ヽ i （誰に向かって言ってるんだっていうｗｗｗｗｗｗ）
ﾌ ! _ ! / ',＿i __
`ｰ '1~~´ ｀ー─ ''"i' _ ノ´ i''／
!.~`--'─ ‐'" ~i,.ゝヽ｀i ノ
l____ ___ ____j／ ヽヽ´
l i´~ ／i l／ `'
l !.／／.! ﾞ､
jー‐l ／／ .ﾞ､＿_',
ﾉ＿,,j ￣ ! l
t !
｀`ｰ'
大栗春軒（大西木春見？)
その中で、まず大きな影響を受けたのが、天文二十二年(1553)頃、
胤栄32歳の頃に出会ったという天真正伝香取神道流の大栗春軒（大西木春見？)だったという。
胤栄は彼に師事し、軍法・剣法・長刀・長巻・槍法・棒術など武芸全般を学んだらしい。
（大西木春見と大栗春軒のどちらが正しいか、及び同一人物かどうかは不明）
- 91 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:53:32.35 ID:vkM0KI+20
- リンクかよｗｗｗｗｗ
- 92 ：1：2009/01/12(月) 21:53:53.47 ID:7kje2Jxj0
- /ﾆＹﾆヽ
/ （0)(0）ヽ
／ ⌒｀´⌒ ＼ 新陰流の印可を貰ったっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
| ,-） （-、.|
| l ヽ＿＿ ノ l |
＼ ｀ ⌒´ ／
. ／ ＼ +
+ |.￣￣￣￣￣￣￣￣| 十
_（,,) （,,)__
.. ／. | 新陰流印可 .| ＼
／ | ｜ ＼
そして、その次が永禄六年(1563)、胤栄43歳の時に出逢った上泉伊勢守秀綱である。
この時、宗厳と共に新陰流に入門して新陰流の剣術を学び、
永禄八年(1565)には秀綱より印可状を受けている。
その内容は以下の通り。
『年来諸流御鍛練候と雖も、新陰の流、春以来種々御執心候間、
一流一通、位、心持一つも残さず相伝申候。
此旨偽るに於ては八幡大菩薩、摩利支尊天も御照覧候へ。此儀空言是れ無く候。
向後に於て惣べて之を望む旁々御座候はば誓詞を以て九箇所迄御指南尤候。
殺人刀、活人剣の事は真実の仁に寄る可く候。
天狗抄極意、向上の儀は一流の外に候間、能々忠孝に依り御相伝成さるべき者也。
仍って印可の状件の如し。猶々向後弥御鍛練肝要候。
永禄八己丑八月吉日 上州住上泉伊勢守藤原秀綱 （花押）
宝蔵院様参』
- 94 ：1：2009/01/12(月) 21:55:04.96 ID:7kje2Jxj0
- __ ,,_ _,,_ _,,．-＝＝ ､ さて、ここまで書いて気づいた人も
. r''´￣￣ ｀¨ヾT=ﾍ´: : . : V いるかもしれないけど、実はここまで、
. !: . ｀￣,.ィr-'=ｪｭ､__ : :Vﾄt､ 胤栄は「槍」単品での修行をしてないのよー。
. ＿l: : _,,ィ{rく! ｲ､ {ｱ｀¨ヾﾄtｭ ､__! /
. く ! ,ィ!7´ ー ｀ ヾ-' ´ ヾﾄt､｀¨ { この頃の兵法は、大抵の場合、
} ｌ_,,イ=r' /, /, ヽ Vﾄt､ﾍ 剣だけじゃなくて、槍や長巻、薙刀なんかも
/ '´,ｲ'' ! ｉ/ ' i: ｉ ｌ l :! i ハ ＼｀ 教えてるんだけど、この時点までの記述で、
ム=ィ{i'´ ,ｲ ll i l|: ｌ | l |l |! l l-‐ ﾊ 特に胤栄が槍に集中してる描写はないのねー。
. /¨/- '´_.| |ｌ ,!┼! ｌ ｌ ﾊ‐-!､ ,ｲ !ﾘ,イ ﾆ! （無論、この時点で槍「も」使えるようには
/-7 ∠. ､!ﾊﾍ!i_,l,_ﾄ､ﾄ､ |ﾚ !,_l,,_/ ! !/_. -=7 当然なってるのは思うけど）
ﾄ-ﾚ'´-_､ 〉}| i'f::ﾊ:ｉ｀ ｀ f:ﾊ::!}ﾚ/≦ｭ-/
てヾr'´-ュ7ｲﾘ_ ﾋ:Vﾘ ﾋVﾘ lrくｧ/´/ そういう意味では、もしかすると、
≦≠ニ='--＜ ' ' , --､ ' ' /クr'7 { 秀綱と立ち合った時、胤栄は槍ではなく、
. 孑／ ｀ヽ､ ｌ ! .ｲ三≦ ｀ しないで立ち合ったかもしれないのよー。
. / r: .､: : . V≧ｭ 二ｌj＜ 7乙
,': : . : ＼: : . . :/=ｲ!ﾄ､｀ヾ!｀ヽ というわけで、次に紹介するのが、
: : -: : i' /ﾊl ゛='' 〉 宝蔵院流が槍術となったきっかけを作った
. : . く // }l! . :i : . ! 人物なのよー。
- 96 ：1：2009/01/12(月) 21:56:30.36 ID:7kje2Jxj0
- , - ､
,. - ―――- ､/ i
／ _ _ |
/ んl ん! ､_,./
, -‐ｲ ﾄ ｊ ﾄ;ｲ i やあ！ボク成田大膳大夫盛忠！
{ | ｀ r― ┐´ | 高観流槍術の達者なんだ！
ヽ、| ヽ _ノ !
, -‐ ┴‐- 、 /
（ ＼ , ｲ
＼ ヽ ／ !
ヽ、 }ｰ-┬ ' l
｀ ー--‐ ' l |
ヽ、_＿_ノ
成田大膳大夫盛忠
(⌒) cっ ＼＿ ／
Ｃ ⌒) C_ 3 iﾞa ｢≠ヽ
ﾞｰヘi .|｢ | ／L,e| |
ヽ,「￣|｢￣￣ヽ￣ヽ_|_ （チガウ…今までの武芸者とはなにかが決定的に違う！）
/ ц凵 ＼ 盛忠殿、是非とも貴殿の槍術をご教授頂きたいっていう！！
| |
（ （_ |
`ー､＿＿＿＿／jー- |
|ヽ/￣￣/" ｜
`ー￣￣ ――'
その名は成田大膳大夫盛忠。
高観流の直槍の使い手で、その腕前に感嘆した胤栄は、
盛忠を宝蔵院の僧坊に逗留させたという。
- 97 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:57:49.98 ID:vkM0KI+20
- ピンクの丸い生物ｗｗｗ
- 98 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:58:08.57 ID:/UOyvU5p0
- コピーされるｗｗｗ
- 99 ：1：2009/01/12(月) 21:58:11.66 ID:7kje2Jxj0
- 『…拙僧の名前は胤栄。南都興福寺・宝蔵院の院主。
武芸熱心で新陰流印可の愛され僧兵♪
拙僧がつるんでる友達は柳生庄の領主の宗厳殿。
幕府にナイショで将軍暗殺を企ててる久秀殿。訳あって放浪の身になってる伊勢守様。
友達がいてもやっぱり寺はタイクツ。今日も同僚の僧とちょっとしたことで口喧嘩になった。
僧同士だとこんなこともあるから憤怒心が溜まるよね☆
そんな時拙僧は武芸の達者に弟子入りすることにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ？自分らしさの演出とも言うかな！
｢あー業腹｣…。そんなことをつぶやきながらしつこいかぶき者の武芸者を軽くあしらう。
｢貴僧があの胤栄殿か。立ち合いを願い申す｣どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
かぶき者はカッコイイけどなんか弱っちくてキライだ。もっと彼我の実力差を見て欲しい。
｢ちと、お尋ね申す｣…またか、と達者な拙僧は思った。
無視するつもりだったけど、チラっと武芸者の男の顔を見た。
, -――‐-v冖v-―――- ､ 「…！！」
く: : : :r＞―^ｰﾍノ）=＝ﾐ : : : :|
rｸﾍ:／ , , ﾋr┬- ､: :/ …チガウ…今までの武芸者とはなにかが決定的に違う。
rｸ : :/ / l | 厶:ヾ､:_:》 :＼ 八幡大菩薩な感覚が拙僧の体躯を駆け巡った…。
K_:_:/ / ,′ l |l | 厶 : : : : ／ 「…（槍使い…！！…これって宿縁…？）」
/| l/| レ1 / lﾒ､_/l l|ヽ､／ヽ、 男は高観流の槍使いだった。
/ l |イ l l| / / | /｀7 ﾘ=ミ＿＿〉 道場に連れていって立ち合いした。
厶イ＞l | ● ′● /| /ヽ、｀二} 「いざ勝負！」。強烈な一撃が決まった。
く// ,小⊃ ､_,､_,, ⊂⊃=＜| ＼ 「ガッシ！ボカッ！」拙僧は弟子入りした。宝蔵院（笑）』
{_{_fて(/⌒i ｨ乙ﾆ彡} 匸´
｀/ / ` ￢] _ﾚ⌒ヽ ｀￣ …つまり、こんな感じ？
- 100 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:59:03.02 ID:vkM0KI+20
- なんで携帯小説風なのｗｗｗ
- 102 ：1：2009/01/12(月) 21:59:44.55 ID:7kje2Jxj0
- ／⌒ ヽ ／ ﾋｭｰ
＿/ ,,ヘヽ ／ °
＼| √ ＿ ° 胤栄殿、高観流の極意はこうだよ！
| ﾉ ＿
丶＿＿⊃ ＼ °
/_ﾊ_ヽ ＼ °
/ ﾆＹﾆヽ なるほど、こういう感じなのかっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
/ （ ﾟ)( ﾟ）ヽ
／ ::::⌒｀´⌒:::＼ ﾍﾟﾛｰﾝ
| ,-）＿＿＿（-| て
| l |================================三三三三| そ
＼ `ー'´ ／
胤栄は日夜奮励して忠盛に槍術を学び、遂にその妙を得たという。
- 103 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:59:59.78 ID:/UOyvU5p0
- ﾍﾟﾛｰﾝｗｗ
- 105 ：1：2009/01/12(月) 22:00:29.85 ID:7kje2Jxj0
- /ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /)
(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) 刀より槍の方が面白いっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
／∠_| ,-） （-，|＿ゝ ＼ 拙僧はこれから槍術を工夫してみせるっていうｗｗｗｗｗｗｗ
( ＿＿ l ヽ＿＿ノ ,＿＿ ）
＼ |r-_,,..､; /
| | | .二二二二二二二二二￣￣>
| | |｀| | ￣＞.／
| `ー' | ／ ／
/ <＿＿＿/|
|＿＿＿_＿_／
そして、これ以降、胤栄は槍術に傾倒していったようである。
盛忠との出会いの時期と、修行期間がどの程度であったかは不明だが、
おそらく、秀綱より新陰流の印可を伝授された後のことではないかと言われている。
こうして、胤栄が槍術に工夫を凝らしていく過程で、
「槍の名手・宝蔵院の胤栄」としての評価が高まっていったという。
- 106 ：1：2009/01/12(月) 22:01:14.67 ID:7kje2Jxj0
- そんなある日の事、胤栄は、院内で見知らぬ人物を見かけた。
/ﾆＹﾆヽ ━┓
/ （・)(・）ヽ ┏┛
／ ⌒｀´⌒ ＼ ・ そなた、見かけない顔だっていう
| ,-） （-、.| 誰だっていう？
| l l |
＼ ｀ ⌒´ ／
___ __-
.. _jl彡~~ __ ｀ﾞ''4lＦ'llllｮ 、
__ｨlll广 _ｮllllllll 、 "'lllll 、
_llll" _ｮlllllllllll"]lllll'、 ﾞモ
,jl/ _ｨlllllllllllllllllllllll'llll!_ 丶
jl「,ｨlllllllllllllllllllllllllllll､ _llllll、 ヽ
'、 jll jllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll 、 ＼_nｮ、
〈廴 _jl「lllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll癶llllｮ 、 .ｌlllllllll
ﾞlllllllllllｮｮll工llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll厂_jllllllllllllllllllｮｮｮuu..ullllll
ﾞlllll[lｌllllllllllllllllllllllllllllllllllllｌ{]ll[ｌｌllllll手}lll聿llllllllllllllllllllllllllllllllll
ﾞlll{|ｌlilill|ｌｌlllllllllllllllllllllllll}llllllＦ"′ ﾞ'llll]lllllllllllllllllllllllllllllll 私は、最近、こちらで下僕として入りました
'llll聿?lliil{I||}}ｌllllllll|]lllll广 ﾞ''ﾐl{lllllllllllllllllllllllllll 穴沢盛秀と申します。
''lllllllll|l!llll]圭lllllllllll厶 ,,ｨjl}lll|lll|{}|lllllllllllllll|
ﾞlllll{}]lｌ|lll|llll|´'ll三ﾆ=ｮ＿: ,,ｬｔiｌjl{]lﾄllllllllllllllllllllllllllll| 「そなたのような人物が、
ﾉlllllllll[]|lll|聿、 `'─' ´ ll厂"’" _lllllllllllllllllllllllll| 下僕というのは無理があるっていうｗｗｗｗｗｗｗ
_____uｮｮllllllllllllllllll{ モlll廴 |l /_lllllllllllllllllllll’|llll| 目的があるなら聞くっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ」
llllllllllllllllllllllllllＦ~~llll ｀'llll､′ ｰ"′ /ｨllllllllllllll[llllllll| ￣′
l!ﾞﾞ'lllllllllllllllll「__ 'ｌl'、 "lllヽ、 ── 丿l[llllllllllllllllll|llll|
、 ﾞ'亡´ｔｮllllllllll 、 ﾞｷ 、 "'ヾゝ二＿r'ﾞ ﾉlllllllllllllllllllllllll 」
ﾆ'、 ､ ﾞ'ﾐｭ 'llllllllllllllｮ、ﾞヽ、 |ll′ ,,/jllllllllllllllllllllll!llll │
lllｮ、 "モﾆ'lllllllllllllｮ､ ﾞﾞゝ､___ │_ｮll「 lllllllllllllllllll llll lll|
穴沢盛秀（浄見）
- 108 ：1：2009/01/12(月) 22:01:53.06 ID:7kje2Jxj0
- その立ち振る舞いが明らかに下僕に見えないことから、
胤栄が密かに呼び寄せて話をしたところ、穴沢盛秀はまたの名を浄見ともいい、
新当流（あるいは神道流）の薙刀、及び長刀の達者で、
胤栄の評判を聞き、仕合を望むべく、住み込んだことを打ち明けた。
早速、胤栄は盛秀と武術の話をしたところ、盛秀もすぐに応じた。
そして、お互いの熱心さに感嘆した二人は、たちまち打ち解けたという。
/ﾆＹﾆヽ
/ （/)(0） ヽ そなたほどの武芸者なら、わざわざ下僕になどならずとも、
／::::⌒｀´⌒::::＼ 言ってくれればいつでも立ち合ったっていうｗｗｗｗｗｗｗ
| ,-） （-、.|
| l ヽ／⌒ヽノ | 「それは光栄でござる」
.＼ ／ ／／
∩＿
〈〈〈 ヽ
〈⊃ }
/ﾆＹﾆヽ | | というわけで、早速拙僧と立ち合って欲しいっていうｗｗｗｗｗｗ
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ! ! その後、拙僧の槍術の研究に付き合って欲しいっていうｗｗｗｗｗｗ
／::::⌒｀´⌒::::＼ | /
| ,-）＿＿＿（-，| ／ 「分かり申した」
､ |-┬-| ／
/ ＿ `ー'´ /
(＿＿＿） /
- 110 ：1：2009/01/12(月) 22:02:30.83 ID:7kje2Jxj0
- ＿＿＿＿＿＿────＿＿──/~7~7~7~7────-
＿＿＿＿＿＿────── ＿＿＿|_ |＿ |_ |_ |_ レ_ |_ |＿＿＿
─ ＿＿＿＿＿＿───── | / ／
-─────────── |＿─＿/
＿ | |
/| ＼＼ | | では参る！
,─￣─、 / | | ＼ | | テックランサー！！
∠-rュ─＿/ | ──| l | l
|~┌~ ￣| / └─ ,─￣ ￣─|、 l ＼ 「ちょっと待てっていうｗｗｗｗｗ」
| | O O|￣ 7 ／ ＼ / | |
／7 | | /／￣＼|∨ l / / | |
| l |＿／ ＼_ ＿───＿ |_ 八 | |
| ＼ ─── /| ──＼ / ／／＼ <::::::::::::::::::::::─／Ο l |
＼ `-￣￣ ￣ / ＼ ￣＼ /／／ ／ ＼ ＼:::::::::::::::::／ ￣ | / |
＼／＿＿ /＼ ＼ Ｙ ／ ／ ／ l ＼::::::::::::/ | / l
/／:::::::::─＿ l＼ ＼ ＼ | / ／ ／ | ＼／:::::::::/ 〇 ──~/／￣＼/
l:::::::::::::::::::::::::＼ | ＼ ＼ ∨ ／ ／ Ｏ | ＼:::::::::::／￣￣￣ ∨
|:::::::::::::::::::::::::::::∨l ＼ ＼ | / ／ Ο ─' l::::::／
|::::::::::::::::::::::::::::::::::| _ ＼ ∨ ∠─￣￣ |￣
＼:::,─￣＼::::::::::::::＼) Ο＼￣ ＼ ヽノ |
У l::::::／ ~ヽ￣/ |＼ ＼ / ノ l
／￣─、 ０/￣ ＼l | | ＼ ＼ ＼
胤栄と盛秀は心行くまで立ち合った。
その後、盛秀は約束通り、胤栄の槍術の研究に付き合い、
また、自分の薙刀や棒術などの秘奥についても教授したという。
ちなみに、この後、盛秀は豊臣秀吉（または秀頼）に薙刀師範として召し抱えられ、
槍を持った二人が同時に襲い掛かってきたとしても必ず勝ち、当代無双と呼ばれたという。
- 111 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:03:10.18 ID:/UOyvU5p0
- 槍は槍だけどさｗｗｗ
- 112 ：1：2009/01/12(月) 22:03:48.32 ID:7kje2Jxj0
- /ﾆＹﾆヽ
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
／::::⌒｀´⌒::::＼
| ,-）＿＿＿（-、| これが拙僧の宝蔵院の槍だっていうｗｗｗｗｗｗｗ
| l |-┬-| l | でっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
＼ `ー'´ ／⌒＼
__ / ＿| | |
ヽヽ / / ＼ | |
＼＼| |＿＿__| .| |
＼/ ＼ .| |
| ヽ＿「＼ .| |､
| ＼＼――､.| | ヽ
| / ＼ "-､, ｀| | ヽ
＿／ / "-（_ ヽ ヽ
／ ＿_ノ .ｍ_｀＼ ヽ
｀ー―￣ ヽ､_＼＼ ヽ
＼＼ ヽ
＼＼ ヽ
＼＼ ＼
＼＼ ＼
｀＼＼,＿ノ
＼＼
.＼＼
こうして、穴沢盛秀の協力を得た胤栄は、
この他、以前より親交のあった五ノ坪流の五ノ坪兵庫、及び柳生宗厳に協力を求め、
遂に、表九本、真位六本、あわせて十五本からなる式目を制定し、
ここに、宝蔵院流槍術を打ち立てたのであった。
時期は不明ながら、おそらく、永禄十年(1567)前後ではないかと思われる。
- 114 ：1：2009/01/12(月) 22:04:47.88 ID:7kje2Jxj0
- ∧
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| |
| |
| |
| |
.|ヽ＿＿＿| |＿＿＿,ノ|
.ヽ＿＿＿__ _＿＿＿.ノ
.││
.││
.││
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.┃┃
.┃┃
宝蔵院十文字槍
さて、宝蔵院流槍術といえば、思い浮かぶのは「宝蔵院の十文字槍」である。
元々の形であった直槍と異なり、左右に鎌状の刃を備えたこの槍は、
「突けば鎗 うてば鳶口 ひけば鎌 何につけても のがれざらまじ」
「突けば槍 薙げば薙刀 引けば鎌 とにもかくにも 外れあらまし」
などと謳われ、突き・斬り・払い・打ち、いずれの攻撃も可能な、
極めて強力な武器として名を馳せる事となる。
実際、宝蔵院の槍と限った話ではないが、鎌槍を携えた武将は多い。
即ち、実戦においても有用な武器であったということである。
- 116 ：1：2009/01/12(月) 22:06:11.05 ID:7kje2Jxj0
- ちなみに、胤栄がこの十文字槍を考案したエピソードは、以下のようなものがある。
『胤栄は、槍を修行するに際し、猿沢池に行っては魚を突く修練をしていたが、
どうにも上手くいかず、魚は槍の脇をするすると抜けていくばかりであった』
-――- ､
＼ ● >
＼ ／
| l l7＿ ／￣Z
-┴ ﾍﾆへ￣`‐- ､／ヽ ホホホ！ダメよダメダメッ！！
／ （＿＿_,l ヽ＝ヽ そんな槍じゃあ突かれてあげられないワッ！！
「￣ヽ ､ ､､､ _ノ_ノ ヽ=|
L＿＿＼ ＿__ノ _ノ_ノ_ノ .V
|＿＿_／ 川川_ノ_ノ_ノ _ノ|
| 川川_ノ_ノ _ノノ |
ヽ,, -┬-- ､ ノ _ノ ノ |＿＿＿
／;::;:`:::| ） ―- ＜
(:;::::`:::`::::::|__／ ＿＿＿,, -‐'ヽヽ ＼/
'＼::;:::`;丁 ￣￣＼――‐ヽ, ＼ヽ／
'＼':,:::ｌ,,ヘ, '＼::`::::;::） V
'ヽ';::::::(_ 'ヽ､:`:::`ｰ､,
＼;;;;:） ~`ヽ;:::ヽ,
~~''’ rイ:::::::::::)
広沢池の魚 ￣￣￣
/ノＹヽヽ
/（0)(0）:::ヽ
.／ ⌒｀´⌒ ::＼ …なんか普通に外れるよりよっぽど屈辱的だっていう…。
| )ノ(、_, )ヽ, （::::|
|.l ,;‐＝‐ヽ l :::|
＼ ｀ニニ´ ::::／
／｀ー---―´＼
- 120 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:09:50.41 ID:revXAkE/0
- タンノくんｗ
- 118 ：1：2009/01/12(月) 22:07:49.08 ID:7kje2Jxj0
- 『そして夜になり、引き上げようとすると、猿沢池には美しい三日月が掛かっていた』
,,,,jiiiｌ |,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,...........................................................................................
ノ/ﾊヽ` "ﾞ"ﾞﾞ。｡‥'''' "":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: _ ,,,, _ _
;;;;;;; "ﾞ""ﾞo .. ... :::::::::::::::::::::: ,ｒ_´_ ｀ヽ,
""`ﾞ`Ｏ... ...... :::::::::: '´ ｀ヽ !
""`"~`ﾞ○......... ........ ::::: l !
'´"´ﾞ"`(⌒)....... :: / /
ﾞ'''"ﾞﾞ'''""｀(⌒) ､ _ ,ｒ '´ ／
'''"´ﾞ"`'''''''""''(⌒)'(⌒)'(⌒)'(⌒) ｀' ｰ-- ‐ ´
,,,､ ､,,,,,,､､,,,､,,､,,,､､,, (⌒)'(⌒)
'(⌒)'(⌒)
,,､,,, ､､,,,,,,､､ ,,,､,, ､､,,､､,, '(⌒)'(⌒)'(⌒)'(⌒)
/ﾆＹﾆヽ
/ （・)(・）ヽ
／ ⌒｀´⌒ ＼ …この月、見れば鎌みたいな形をしてるっていう。
| ,-） （-、.| これを元に何かできないものかっていう…。
| l l |
＼ ｀ ⌒´ ／
- 119 ：1：2009/01/12(月) 22:08:36.42 ID:7kje2Jxj0
- 『胤栄は、池で見た月のことを考えながら、帰りに春日明神へ寄り、祈願した』
/ﾆＹﾆヽ
/ （-)(-）ヽ
／ ⌒｀´⌒ ＼ .///;ﾄ, 坊主の拙僧が神に祈るのもアレだが、
| ,-） （-、.| ////ﾞlﾞl; 何卒拙僧の願いを聞き届けたまえっていう。
| l l | l .i .! |
＼ ｀ ⌒´ ／ │ | .|
{ .ﾉ.ﾉ
../ / .|
『その後、寺へ戻り、胤栄は眠りについた』
/ ﾆＹﾆヽ
/ （ー)(ー）ヽ Zzz... …さて、もう寝るかっていう。
／ ⌒｀´⌒＼ どうすりゃあのクソ魚を突けるんだっていうｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚｚ
／ ,-） （-、＼
| l ＿＿ l |
＼ ｀ ⌒´ ／
- 121 ：1：2009/01/12(月) 22:10:09.04 ID:7kje2Jxj0
- 『するとその夜、夢の中に春日明神の神人が現れ、胤栄に告げた』
|＼＿＿＿＿＿＿／|
＼ ／ , ―-o､
／＼ |＼ ／| ／ ＼ ､三｀ 二つ
／ ／ヽ| __| |__ |/ ＼ ／ ） ）＞ 胤栄…胤栄よ…。
＼／ |~-Υ-~| ／＼ ／／ お前の願い、聞き届けた。
／￣＼ .人ヽ二//／ __)/ (
| ∩_／ノ∪＼￣／∪／i |;;;;;UＥヽ 明日、目が覚めたら
⊂ ／i ∪ Ｖ ∪ i |;;; .Ｅ__/ お前の寺の裏庭を掘るがいい…。
⊂ / i i .（◎） ／ |;;..丿ﾉ
|∪ i i____ |（ ( ところで、ワシと共に世界の半分を…。
/ i i__---- | ヽヽ
（___ （_____ 丿ヽ | |
(______（＿＿＿ ＿＿___U
＼____＿／
春日明神の神人
ﾁｭﾝﾁｭﾝ
/ﾆＹﾆヽ
/ （0)(0）ヽ
／ ￣｀´￣ ＼ …変な夢を見たっていう。
| ,-） （-、.| てゆーか、あれ、神人っていうか別のものなんじゃないかっていう。
| l ＿＿＿＿ l | でもまあ、掘るだけ掘ってみるっていう。
＼ `ー'´ ／
- 122 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:16:56.84 ID:Yah9WjXb0
- 龍王様ｗｗｗ
- 123 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:17:21.48 ID:vkM0KI+20
- そういやでっていう竜じゃんかｗｗｗ
- 126 ：1：2009/01/12(月) 22:22:29.14 ID:7kje2Jxj0
- 『胤栄が、夢のお告げを信じて寺の裏庭を掘ってみると、
そこからなんと、十文字の鎌槍が出てきたという』
∧
.| |
| |
| |
| |
| |
.|ヽ＿＿＿| |＿＿＿,ノ|
.ヽ＿＿＿__ _＿＿＿.ノ
.││
.││
.││
.┠┨
.┃┃
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃いんえいは じめんをほった！ .┃
┃なんと！じゅうもんじやりがみつかった！ .┃
┃いんえいは じゅうもんじやりを .てにいれた┃ ﾃﾚﾃﾚﾃﾚﾃﾚｯ-ﾃﾚﾚﾚｯ!!
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
/ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /) こｗｗｗｗれｗｗｗｗはｗｗｗｗｗっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) 早速これであのクソ魚を突いてやるっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼
( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ）
| `ー'´ /´
| /
- 127 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:23:16.96 ID:Yah9WjXb0
- 伝説の武器かよｗｗｗ
- 129 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:24:07.51 ID:revXAkE/0
- いｗんｗえｗいｗ
- 128 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:24:00.57 ID:dOxws61j0
- リアリティのかけらも無いゲーム感覚な逸話だなｗｗ
- 130 ：1：2009/01/12(月) 22:25:17.03 ID:7kje2Jxj0
- 『そして、その鎌槍で突いたところ、見事、魚を突く事に成功したという』
| l l7＿ ／￣Z
-┴／＝ヽ`‐- ､／ヽ ま、負けたワ…。
／ （＿＿_,l ヽ＝ヽ この上は、ワタシの体、煮るなり焼くなり好きにしてッッ！！
「￣ヽ ､ ､､､ _ノ_ノ ヽ=|
L＿＿＼ ＿__ノ●ノ_ノ_ノ .V
|＿＿_／ 川川_ノ_ノ_ノ _ノ|
| 川川_ノ_ノ _ノノ |
ヽ,, -┬-- ､ ノ _ノ ノ |＿＿＿
／;::;:`:::| ） ―- ＜
(:;::::`:::`::::::|__／ ＿＿＿,, -‐'ヽヽ ＼/
'＼::;:::`;丁 ￣￣＼――‐ヽ, ＼ヽ／
'＼':,:::ｌ,,ヘ, '＼::`::::;::） V
'ヽ';::::::(_ 'ヽ､:`:::`ｰ､,
＼;;;;:） ~`ヽ;:::ヽ,
~~''’ rイ:::::::::::)
￣￣￣
/ ノ Ｙ ヽヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /) ざまあっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) お前みたいなキモい魚、絶対食わないっていうｗｗｗｗｗ
／∠_| ,-） （-，|＿ゝ ＼ というか拙僧は坊主だから生臭はご法度っていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
( ＿＿ l ヽ＿＿ノ ,＿＿ ） でっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
＼ |r┬-| ／´
| | | | |
| | | | .|
`ー'´
- 131 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:25:52.82 ID:Yah9WjXb0
- 殺生はいいのかよｗｗｗ
- 132 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:26:23.53 ID:vkM0KI+20
- 坊主が無暗に殺生すんなｗｗｗ
- 133 ：1：2009/01/12(月) 22:26:41.89 ID:7kje2Jxj0
- ‐ _＞ '´: : : : : : : :＼: :ヽ__／_ノ:_:_:_:_:_:_:_:_:_ノ_,ｲ
f´: : : : : : : : : : : :_＿ノ_工_不ユ辷ン､__)て_ﾌ￣＼
_}: : : : _ -r≦_入ﾉ‐(⌒)ﾉ＾ゝ┘ヽ,＼ 下卞､[_￣ これが、逸話というか、昔話として伝わる
(ｲ‐ﾊ__ﾉ`ー'＞_T升 ｌ i{ ヽ. ヽ ＼ ヽ } ＼ 宝蔵院十文字槍の逸話なのー。
ｈ{: : __,:ィ´r勹' | ｜ i l ヽ ヽ 冫
｀下不ンﾌ_√ | | ｜ | ,. -+- 、 ', l ＼{ お話は、この後、魚は突けるけど月は突けない、
j_:_:イﾞ厂 ! ､ ヽ_,⊥｜i| ! | _⊥_ﾊ ハ リ__}） これは如何にするべきか、って悩むところで、
/レ＾ 「｜！ ヽ／ ＼_,.|从 ﾊ ｲテ'卞仆jイ `ｰ､ 成田大膳太夫が出てきて、鎌槍の使い方を伝授し、
| | ﾞ, ヽ × ＼x＝ミ、 ｀´ ' {ゞｨﾘ '|__,ﾝ千´￣｀ヽ 門を出て百歩歩くと、姿を消してしまった…。
l| ハ ヽ ＼_>〃{k_r１ ｀－´仁二亅_,二二｝ ああ、あれは夢で見た神人であった…っていう風に
ミＬ.＿__≧ト､ート ヽ ゞン ' ﾞハ三{_∠_￣ 続くんだけどね。
＼｀Y二ﾆ＝-Y´ ￣｀Ｙ r ￣} .ｲ 厶イく_ﾌﾉ
ﾉ ｲ ＿__ゝＺ__,ラ､ ヽ __ ﾉ ∠,ﾉ┴‐┴＜ この他、簡単な話としては、
ゝ二三三ﾆﾊ=-=ァ≧ｰ ┬ --,イ: : | : : : : : : : : ＼ 池に映った三日月に槍が重なって、
└─＝ｧ冫｀乙(⌒´＾f廴／,ニニ.ヽ: : : : : : : : : :｀ｰ 、 十文字を描いたところからヒントを得た、
く< ⌒,ィ冖㌃Zく : : : : :.|'::}: : : : :.:.:.: : :.:. :./ っていうのもあるのよー。
｀ ／ｲ￣}:::;小:::＼_:_:_/:/: : :.:.:.:.:.:.: :.:./_/
〈〈: : : //::l | l::|` ー一'_:.:.:.:.:.:.:.: :‐:⌒ヽ 真実がどうであるかはわからないし、
. ／ヽニソｉ:::|！ﾍ:ヽ: : : : :└--(: : : : : ヽ: ＼ 実際は、術との兼ね合いもあるから、
（:.:.:.:.:.:.:ﾉ:/::/ i: :ﾍ:::＼: : : : : : :.l: : : : : : :ヽ: :ヽ 試行錯誤をしながら改良していった結果、
＼;／ /::/ !: : }＼:::＼: : : : : l: : : : : : : : ＼:', この形に辿り着いた、というところだと思うけど、
/: : ﾊ:::', |: : | : : ＼:::＼: : : :ｌ: : : : : : : : : :卞、 逸話としてはこんなところなのよー。
/: : /:.i}:::l |: : |: : : : : ￣´: : : :.ｌ: : : : : : : : : : : :.
- 135 ：1：2009/01/12(月) 22:27:57.79 ID:7kje2Jxj0
- さて、宝蔵院流槍術を打ち立てた後、胤栄、及び宝蔵院の武名は更に上がったという。
そんなある日、胤栄は松永久秀に呼ばれ、仕合をするように求められた。
ヽ､ _,,,,..............,,,,__
_. -‐=､'} ヾ, ｀' ､
. ‐''´￣｀' ｀' l彡- ヽ
'´ﾌ´／ '"｀ヽ }'⌒ ヽ
ノ / ,.‐''ｿ /"ry⌒ヽ, ､ ',
´7 ﾉ / / ,.ｲ. | |::::::::::::::ヽ, li | アンタが宝蔵院流の胤栄殿かい？
´7. | | ト-i､| |::::::::::::::__;ゝ}ﾐ､ | 今回、用意した連中と立ち合って、
ﾚl | |ｬｰr,､ヽ|'vｯ＝'-ry:| :レヽ | その腕前を見せてもらえないかねぇ？
`'ﾄ､.ﾄ｀'ｰ'^ .i::.､^'ｰ-‐'ﾞ:::| :|'ｱ | |
| :::| j::::. ｀ :::::| ::|_ノ: |
. | :::::l. ヽ- ::::::| :::|;:: : . |
| ;:::::|i:､ ''━ｰ' .::イ| :::|;:l : : . |
| ;:::::l「l^' ､.＿... -''´__,| ::::|;:l : : : |
| : ;::::||:|::ﾖ＝､｀'Y´,..＝| li ;::::|;:l : : : |
ﾉ : li:::||ﾉヲ''＝} :∥:}＝'| | ;::::|;:l : : ::. ｜
松永弾正久秀
/ﾆＹﾆヽ
(ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ /)
(((i ) ／::::⌒｀´⌒::::＼ ( i))) わかったっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
／∠_| ,-）＿＿＿（-，|＿ゝ ＼ 宝蔵院の十文字槍、とくと見るがいいっていうｗｗｗｗｗｗｗ
( ＿＿＿､ |-┬-| ,＿＿ ）
| `ー'´ /´
| /
- 137 ：1：2009/01/12(月) 22:29:18.04 ID:7kje2Jxj0
- ／／ ／_,. -;=''" _, 「ぎゃああああああ！！」
まずくらえっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ'"`" -‐ニ‐"___=__--- ,,,,,,,,,,,,,,
/ﾆＹﾆヽ ／ )｀) ) :/ﾚ ____-__-_ /｀''-w´ヽ ,√"´＼ rー'''''￣ （ ￣'''''-,,,,
r､r.rヽ. ./（ ゜)( ゜）ヽ .／／／／ﾉ.,/′ ／::::::::: :￣￣0￣/￣￣／ ） ヽ＿＿ノ ヽ
r |_,|_,|_,|／::::⌒｀´⌒::::＼ ／ノ )´｀´／; i:::″ ;::...::::.... ::::::. ....○...........o......./｀ーー´ ヽ
|_,|_,|_,|_,| ,-）＿＿＿（-、| ／ ﾉゝ / .!::^: 丶、 ::::::::,.... _ _...........／.............../ ノ´￣⌒ヽ ヽ,
|_,|_,|_人 (^ i |-┬-| l || ､_,,ｨ '__／ .!::^: ヽﾉ:::::... _ _ ,/´O ﾟ l （ ） ／⌒ヽ 'l
| ) ヽﾉ | `ー'´ ／ ＼ ＿/ i:: :: : ヽ ::;;: _-__ o ヾ ＿ l⌒ヽ ヽ＿＿ノ （ ） ｌ
| `".｀´ ﾉ ヽ ヾ ヽ｀ :;;... 三__￣￣￣｀.l ） ヽ ＿ノ /
＼＿／ ヾ＼＼: ＼,. -;=''" _,.-;-＼ .、／ ／⌒＼ ＿／
'''―,,,,, （ ＿),,,,,,―''''''
￣'''''''''''''''''
- 138 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:29:52.22 ID:revXAkE/0
- 槍じゃないじゃないかｗ
- 139 ：1：2009/01/12(月) 22:29:56.63 ID:7kje2Jxj0
- そしてこれも食らうがいいっていうｗｗｗｗｗｗｗ ⌒ ⌒ ｀ヘ
イ "" ⌒ ヾ ヾ
「ぐへぇぇええええっっ！？」 ⌒ ヽ ）ヽ
/ﾆＹﾆヽ 「な、なんじゃこりゃああああっ！？」 ヾ ）
/（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ゞ (. . ﾉ. .ﾉ .ノ
／:::::::⌒｀´⌒:＼ .ゝ､､ゝ.....| |..., , ノソ
.| ,-）＿＿＿（-| _....,,. .-ｰ;''! i;;;～－ヽ_
| |-┬-| .｜ γ ,～ー'''l ! |'''ーヾ ヾ
／￣￣ `ー'´ ￣￣＼ （ （ |l | ) ）
／ l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l ､ ⌒～"""''''''⌒～'"´ ノ;;''
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--、 -一'''''''ー-､ ""'''ｰ-┬ーr--～''""
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))从人从人从| |从人从人从人
- 140 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:30:41.74 ID:Yah9WjXb0
- 槍使えｗｗｗ
- 141 ：1：2009/01/12(月) 22:31:16.39 ID:7kje2Jxj0
- / ＼Ｙ/ヽ そしてとどめはコレだっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
/ （ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ／／ ／_,. -;=''" _,
::::⌒｀´⌒::::＼ /／ '-'"`" -‐ニ‐"___=__---
,-）＿＿＿（-、| :/ﾚ ____-__-_ /｀''-w´ヽ ,√"´＼ /｀''-w´ヽ,_ ゛''=;- .,_
|r-_,,..､;;:::´| ／ )｀) ).,/′ ／::::::::: :￣￣0￣/￣￣oヾ ￣￣￣￣`---__=___゛‐ニ‐- ゛`゛'-'
|::::: ヽ::::::／／／／ﾉi:::″ ;::...::::.... ::::::. ....○...........o.......〈...................〉.. ／ ／／ ／_,. -;=''"
|::::: ﾍ::::::::｀´／.!::^: 丶、 ::::::::,.... _ _...........／.........................＼........................, '-'"`" -‐ニ‐"___=__
`:::::: ::::‘;:::::.!::^: ヽﾉ:::::... _ _ ,/´O ﾟ ○ ﾞ｀'i､ ｀゛ ＿r'｀w-''´ﾞｉ
::::ヽ:::: :::::ﾍ::::::ヽ ヾ ヽ｀ :;;... 三__￣￣￣｀ヽ､＿,／￣ヾ_/￣ ヾ￣￣￣￣
::::|::::/ :::::＼::::＼,. -;=''" _,.-;-＼ ＼＿ノ
_,.ｨ'' ::::―|:::: :::|::::ﾍ::: :::::| ||::::
＼'"´_,.ｨ'":::::::::／:: :::::＼::::: ::::＼::|::::: 「ひいいいいいいいっっ！！」
ヽ :: ::::::|∠: :＿／:: :::::| |:::: 「ぎゃあああああ！！」
/） ＼.ヾ ::::＼::: :::＼:::: ::::||:||:::: 「母上！母上！
〈 ヽ>>>)ヾ),,::::|:::::::::: :::＿::::: ::::::||:||::::: 「勝てるか！こんなの！！」
ヽー' ヽ,,ミ" :::::／::: :::／＼:: :::::||:||:: 「強い！強過ぎるぅぅぅぅっ！！」
／ ／" ::::|::::::::: :::＿::::: ::|:||:||::::
｜ :::::／::: :::／＼::: .、::/::::＼:_::、
／ ::::::＼:::: :::::::| .:／,' ⌒ヽ|-:,:.
从人 l||l ::::::`:::,::::::::::| :::-:::| |::::
＼ ::|:::::-::[-:::￣:/:::::＼:::＿＿_| |:＿＿＿
⌒ ) ⌒ ) ⌒ ) ) 人从::::＼´ '―二二 二ニ二 二二―’从 ,从人从从 ,
- 142 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:31:58.18 ID:vkM0KI+20
- 最後まで槍つかってねえｗｗｗ
- 143 ：1：2009/01/12(月) 22:32:15.64 ID:7kje2Jxj0
- / ノ Ｙ ヽ /ﾆＹﾆヽ ./ ＼Ｙ/ヽ
/（ ﾟ )( ﾟ ） ヽ /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ ./ （ ﾟ )( ﾟ ）ヽ これが宝蔵院の十文字槍だっていうｗｗｗｗｗｗ
／::::⌒｀´⌒:::: ＼／::::⌒｀´⌒::::＼／ ::::⌒｀´⌒::::＼ まだ拙僧は変身は２回残してるっていうｗｗｗｗｗｗ
| ,-）＿＿＿（-， | ,-）＿＿＿（-，| ,-）＿＿＿（-、| いくらでもかかってこいっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
( (´( ＼ |､ |-┬-| |､ |-┬-| .| |-┬-| | ／ )｀) )
(,＼＼＼＼＼ `ー'´ | `ー'´ | `ー'´ / ／／／／ﾉ 「わかった！もういいよ！！
＼｀´｀( !､＼＼ | | ／／ノ )´｀´／ そこまでにしな！！」
ﾞｉ ゝ(, ＼＼ .| ｜ ／／ ﾉゝ / （もう全然槍術関係ないじゃないかい！）
＼__' ｨ,,_､ | ＼ | | ／ | ､_,,ｨ '__／
ﾞｉ＿ ／ ＼＿＿｜ ｜＿＿／ ＼ ＿/
(ッ(ッ:: ｀゛''ｨ.,_｀゛''ｨ. ／ ＼ _,.ｨ''"´_,.ｨ''"´ : ヾ)ヾ)
ミ,,(ッ(ッ.／ ／｀゛'ｨ.,／ ＼'"´_,.ｨ'"´＼ ＼ヾ)ヾ),,ミ
. ﾞミ,,(ッ(ッ::. ／:: ,′ ヽ ::＼ .::ヾ)ヾ),,ミﾞ
ﾞミ,,(ッ(ッ. :: （ヽ /） ＼.ヾ)ヾ),,ミﾞ
ﾞミ,,(ッ(<<</ 〉 〈 ヽ>>>)ヾ),,ミﾞ
゛ミ,,(/ ー ノ ヽー' ヽ,,ミ"
゛ ＼ ＼ ／ ／"
｜ ｜
＼ ／
＼ ／
／ |―――――| ＼
( ( ⌒ ( ⌒ ( ⌒ ) ＿⌒) ( ⌒＿( ⌒ ) ⌒ ) ⌒ ) )
胤栄の槍は、たちまち十二人を相手に勝ち抜き
宝蔵院流槍術、そして胤栄の名は天下に響き渡ったという。
（これも時期、及び詳細は不明。永禄十一年(1568)、胤栄48歳の頃ではないかと言われている）
- 144 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:32:43.19 ID:Yah9WjXb0
- 変身すんのかいｗｗｗ
- 145 ：1：2009/01/12(月) 22:33:30.81 ID:7kje2Jxj0
- また、真否、及び、時期はわからないが、このようなエピソードもある。
興福寺の衆徒(僧兵)の一人に、菊岡二位宗政という弓の名手がいたという。
これは、京都の三十三間堂でも弓を引いた事もあるという人物であった。
（三十三間堂は「通し矢」で有名。江戸時代には藩同士の大会も開かれた）
_ _
__ ｉ´⌒｀i __ （￣￣￣￣￣）
く_（ﾆ|二二|ﾆ）_> （ ＦＩＲＥ！ ） ./ﾆＹﾆヽ
｀(ｲ-ｉ i-｀i)´ ∠＿＿＿＿＿） /（ ﾟ )( ﾟ ）ヽ
{ｋ-ヘ,ｌ}. ／::::⌒｀´⌒::::＼
. __>￣く__ ＶＳ | ,-）＿＿＿（-、|
l´Ｙｌ_乂_lＹ｀! .| l |-┬-| l |
| l―i.i―l | .＼ .`ー'´ ／
菊岡宗政 宝蔵院胤栄
ふとしたことで、胤栄は、この人物と勝負をすることになった。
（鹿のことが原因だと言われているが、詳細不明）
- 147 ：1：2009/01/12(月) 22:35:35.63 ID:7kje2Jxj0
- ）|ｉ二二二二二二ニニニニニニニﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆﾆニニニニニニニ二二二二二二ｉ|（
/ ヽ、
.. ／ .＼
,＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠_＠、
|,二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二,|
ロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロ
ロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロﾆロ
. ＼＼ヽ筮ノ￣￣| |￣￣ヽ筮ノ || 興 福 寺 || ヽ筮ノ￣￣| |￣￣ヽ筮ノ／／
.. ＼/＿ヽ二二＿二二/＿ヽ_二二二二二二二二二二_/＿ヽ二二＿二二/＿ヽ／
| :|||||||||||||||||||||||||| :| ／.〈二ニ￣ニ二〉＼.. ..|: ||||||||||||||||||||||||||: |
|ロ |二二二二二二|ロ | |;;;;/ =,=i i=,= ヽ ;;;| | ロ|二二二二二二| ロ|
| :| ,.＠==＠､、.| :| |;;;;ゝ-,二i i二-< ;;;;| |: | .|: |
| :| .＠∧＿∧＠. | :| |;;;;| _二;; ,,;;二_ .|;;;;| |: |. ∧＿∧⌒ヽ,.|: |
| :| ∩ ´∀｀）ｿ...| :| |;;;;|￣二 `ll"二￣|;;;;| |: | （・∀・ ）風 )|: |
| :| .ヽ ヽ .| :| |;;;;| 二 `ll"二 |;;;;| |: |∑⊂ ）--' |: |
| :| （＿） ） . | :| . ＼;| |;;;;;;^;;^;;;;;| |／ . |: | （ （＿） .|: |
| :|||||||||i'^i||||||||||||| :| ￣.lﾆ二二ﾆl￣ |: |||||||||||||i^'i|||||||||: |
|ロ |二二|_.|二二二|ロ |. .| ロ|二二二|._|二二| ロ|
| .|||||||||||||||||||||||||| .|. .|: ||||||||||||||||||||||||||: |
||￣||￣￣||￣￣||￣￣||￣|| . .||￣||￣￣||￣￣||￣￣||￣||
||￣||￣￣||￣￣||￣￣||￣|| ||￣||￣￣||￣￣||￣￣||￣||
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
弓矢を使うということで、場所は興福寺の南大門前ということになった。
（雷門とか書いてあったり見えるのは信心が足りないからです）
そして、位置に着いた後、胤栄は槍を構え、宗政は弓に矢をつがえたという。
- 149 ：1：2009/01/12(月) 22:37:16.56 ID:7kje2Jxj0
- /⌒Ｙ⌒ヽ
/（○) (○）ヽ
_ ／::::⌒｀´⌒::::.＼
／´ | ,-） （-、| ……………。
/' | l ヽ＿＿ノ l. |
,ﾞ ／ ) ＼ `⌒´ ／、
|／_／ ヽ
/／ 二二二7 ' __ ヽ
/'´r -―一ｧ"i .-‐ ＼
/ // 广¨´ /' /´￣｀ヽ ⌒ヽ
ﾉ ' / ノ :::/ / ヽ }
_／｀丶 / ::i {:::... ｲ
_ _
__ ｉ´⌒｀i __
く_（ﾆ|u=二|ﾆ）_> （￣￣￣￣￣￣￣）
｀(ｲ-ｉ i-ui)´ （ Ｏｈ…Ｎｏ…！ ）
{u-ヘ,ｌ}. 。。○ヽ＿＿＿＿＿＿＿）
. __>￣く__
l´Ｙｌ_乂_lＹ｀!
| l―i.i―l |
| .l_ l.l _l |
,〈_ /|. |｣ .|､_〉、
../ / ｒ|｀____,´|ｭヽ ゝ.
._ｲｊ |=}┴┴{=| {ｱ_〉
￣ 〉' 水 '〈 ￣
槍を構え、じりじりと近づいていく胤栄。
しかし、宗政は胤栄に隙を見出せず、矢を放つ事が出来ない。
宗政の顔は汗まみれとなり、胤栄が近づくに従い、後ろへじりじり下がっていった。
- 150 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:38:19.48 ID:Yah9WjXb0
- ｺﾞｸﾘ…
- 151 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:38:51.60 ID:f58SsXqt0
- ファミコンｗ
- 152 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:39:42.80 ID:7kje2Jxj0
- そして、遂に宗政は南大門の脇にある森の側まで追い詰められてしまったところで…。
∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧ ／＼ ／＼
＜ ＿/￣/＿ ＿＿＿_ﾛﾛ＞ ／＼ヽ ∨〃／＼
＜/ ＿＿ / /＿＿＿/ ＞ /(･) ＼ゞ/ ／(･) 〉
＜ー' __ノ / ＿＿＿＿ ＞ ＿__/＼＿／ノ ＼＿／ ＼
＜ /___／ ./__ ＿_/ ＞ ／ ￣￣￣￣＼ ＼
＜ ││ ／／ ＞ ／ ソ ＼ |
＜ ││ ￣ ＞:／ ＿＿ |
＜ ││ ﾛﾛ┌┐ ＞:r～～～～～～‐､ヽ＼ ＼ |
＜ ││ ┌┘│ ＞|:)jjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjヽ＼ ＼ |
＜ ││ ￣￣ ＞| ／ | ／
＜ ││ ＿＿＿_ ＞|: ／ ／ ／
＜ ￣ /＿＿＿/ ＞| ｜ ／ ／ ／
＜. ﾛﾛ┌┐ ＿＿＿＿ ＞ヽiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii// ／ ／
＜ ┌┘│./__ ＿_/ ＞ヽ ヽ～～"／ ／ ／
＜ ￣￣ ／／ ＞ ヽ､__,,,＿＿＿＿／＿ ／
＜ ┌┐┌┐ ￣ ＿ ＞ ＿]::::::: | [＞＿
＜ ││││ ／／ ＞￣~ | ﾞ￣￣￣￣ヽ＞
＜ ││││ ／ ｜ ＞ ＼ ，～ヽ＞
＜ └┘└┘／／|｜ ＞ ＼ ～ ノ￣＼＞
＜ ［］ ［］ ￣ |｜ ＞ ’ノ⌒⌒⌒⌒〉〉＞
_ _
__ ｉ´⌒｀i __
く_（ﾆ|u=二|ﾆ）_> （￣￣￣￣￣￣￣￣）
｀(ｲ× ×i)´ （ Ｏｈ！Ｍｙ Ｇｏｄ！）
.{ |iiiii| ｌ}. ∠＿＿＿＿＿＿＿＿）
. __>￣く__
l´Ｙｌ_乂_lＹ｀!
胤栄が掛け声もろとも地を蹴ると、宗政は悲鳴を上げ、弓矢を捨てて森へ逃げたという。
- 153 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:40:19.80 ID:Yah9WjXb0
- 逃げんなよｗｗｗ
- 154 ：1：2009/01/12(月) 22:40:55.65 ID:7kje2Jxj0
- さて、こうして、一代にて槍術の大家となり、
「槍の宝蔵院か、宝蔵院の槍か」とまで呼ばれ、
宝蔵院に足を向けぬ武芸者なし、とまで言われるようになった胤栄だが、
晩年(時期不明だが、おそらく関ヶ原以降と思われる)、このように言い出した。
/ノＹヽヽ
/（0)(0）:::ヽ
.／ ⌒｀´⌒ ::＼ …拙僧は、まがりなりにも仏に仕える身なのに、
| )ノ(、_, )ヽ, （::::| 何故今まで殺生の技に執心していたのかっていう…。
|.l ,;‐＝‐ヽ l :::| 拙僧がやったことといえば…人殺しの技を編み出す事ばかりだったっていう…。
＼ ｀ニニ´ ::::／
／｀ー---―´＼
/ ノ Ｙ ヽヽ だからもう槍術をやるのはやめるっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
oﾟ(（●))((●）)ﾟo 武器も全部捨てるっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
／:::::::⌒｀´⌒:＼ お前らも全員修行するのやめろっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
ﾐ ﾐ ﾐ .| ,-） （-| ﾐ ﾐ ﾐ
/⌒)⌒)⌒. | l ヽ＿＿ノ l| /⌒)⌒)⌒)
| / / / ＼ |r┬-| ／ (⌒)/ / / /／ バ
| :::::::::::(⌒) | | | ＼ ゝ :::::::::::/ ン
| ノ | | | ＼/ ） / バ
ヽ / `ー'´ / ／ ン
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''''"~~｀`'ー--、 -一'''''''ー-､
ヽ ＿＿＿＿(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒＿(⌒)⌒)⌒))
こうして胤栄は、自分が持っていた武器を一番弟子の中村市右衛門尚政(直政)に全て譲り、
僧侶の弟子全てに槍を捨てるよう命じた上で、自らも槍を捨て、
宝蔵院も後継の胤舜へ継がせた後、観音院と名乗って隠居したという。
- 155 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:41:27.00 ID:Yah9WjXb0
- 今更なにいってんだｗｗｗ
- 157 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:42:27.75 ID:revXAkE/0
- でっていう…お前も老いたか
- 156 ：1：2009/01/12(月) 22:42:00.39 ID:7kje2Jxj0
- . ,r-.y- ､
. ,i'''''Y-- ,ﾞl,
,r''':::::::::ﾞ ､刈 r;.jﾞ:i
,i':::::~':'~':::::::::｀- "''':::i
. l:::::::::::::::::::::::::::;.........::::ﾞヾ 『釈門にありて武事をおさむるはもとより本意にあらず。
. i::::::::::::::::::::::::::{. ::::::::} わが後嗣は必ず武事を学ぶべからず、武器は無きにしかず』
ﾞl､:::::::::::::::::;:::' ,.::':::,-''
. ﾞ-､---' ;:::ぃ''ﾞ;ｧ
｀￣''''i ﾞ;::ﾞl,;;;'-.ｭ
l.. ;:::ﾞ-､;;l,....､ ,... ,.,.､
l ﾞ;:::::::::::'''i, ﾞl;;;;;;ﾞ;i l-'''"::::j'
,l ;,::l::::::k:l l;;;;;;;;;l .l:::::::::::;'
. ,;''::a. r'::::x;,.:::::::ﾞ､.ゞ::::'' ﾉ::::::::/
. i､t/＼ﾞ-z:' ﾞ :,:':::ﾞ---':::::::,r'
~ ﾞ-､ i:::::::::::::::i,,.-''
｀'''七:ﾏ:::::::::::i
. ,r÷,ﾁ;;;;;;;;;;;;<
{;;;;;(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)
'''''ー─-=-''
そして、槍を捨てた後は、二度と武術に関わる事も無く、
慶長十二年(1607)八月二十六日、宝蔵院覚禅坊胤栄、入寂。
享年87歳。
- 158 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:42:57.68 ID:Yah9WjXb0
- 長生きしてんな～
- 159 ：1：2009/01/12(月) 22:44:07.38 ID:7kje2Jxj0
- ＿＿
／￣￣ ￣￣￣＼
／ ＼ ＼
∠ -‐ ￣￣￣ ｰ- 、 ヽ ＼'⌒ヽ これが今回紹介した秀綱の高弟、
丿 ,. -――- _ ＼ | ＿ゝ_,ノ 最後の一人、宝蔵院覚禅坊胤栄の生涯なの。
ｆヽ_ l／ ／ f'ＹY'h ＼｢￣
ﾄ ｛ ヽ. / / ｌ { ｌ ｌ l | ＼ ヽ 剣豪・上泉伊勢守秀綱の弟子の中で、
ﾄ ゝ 〃 / , / ／| |r‐､ｊ ⌒ ト＜￣￣＼ ただ一人、僧兵で、ただ一人、槍術使いで、
＼__ｲ | l | |/l_/／ /∠＞､__,.､__{| |:| ＼=＝＼ そして、ただ一人、最後に武術を捨てた人物、
{| //∧l、ﾄ|'＾,ﾆ、 ´ ィ卞ヽ {l {| |:| ｀ ｰ ､ﾉ それが、宝蔵院胤栄なの。
{ﾚ/／ ＞ﾍ' ﾋ:j 弋'丿 {| {| |:| ヽ
￣|＼rヘヽ| ｀´ ､＿,.、￣ ∧{| {:{ ﾉ でも、日本最大の槍術流派の開祖として、
＼_＞匕＼ |/⌒| ／才Ｔ冖´￣￣ ／ 胤栄の与えた影響は物凄く大きいの。
ヽ ≦ __＞ヽ ∠ イ＜ | | ／ それは、後に創始される槍術流派の大半が、
￣￣ ｜| ／ ｲトヽ | ﾍ _丿 宝蔵院流の影響を受けている事からも
l／／||lハヽ＼ｰ┘ ｢ 明らかなのよー。
/ ∧ ||ｌ ｌ ｜ | ｀ く （幕末の講武所で、槍術の教授方12名のうち
ムｲ ||l ｌ lＬ.｣ ＼ 10名が宝蔵院流だったという話もある）
／ // |∥ ＼
／ //. |∥ ＼
／ // | ||
／ // | ||
- 161 ：1：2009/01/12(月) 22:45:42.77 ID:7kje2Jxj0
- , :':´￣｀ヽ
, . :-:―:-v七く : : : : : : : 廴_ で、胤栄には数多くの弟子がいたんだけど、
く: : ; =イひrくノ^Ｖ＾丶、_:｣へ ｀丶、 その中でも、特に有名な２人について、
∨:_:ノ７/丁 ､ ヽ ヽ: : : : :＞ ） 次から紹介しようと思うの。
/.７/ / ｌ | l ｜ｌ ＼:ハ ∠=┐ それは、
／.:.:ｌ ' ,′| ｌ | l ! | ! 〉彡く、
しｰＪ| l| l 、 | Ｌ - ‐ | 〃 〉 )） 「宝蔵院流二代目」宝蔵院禅栄房胤舜
<丶/ ｌ八 _＞‐ヽ l ,ｨf=ﾐ ﾉ|∠三ミ} 「笹の才蔵」可児才蔵吉長
∨＿ヽ、ヽrfうＹ ﾉ ゞッ｛彡厂￣´
｝ミ≧} Ｙﾍ ゞ′ _ " .ｲ＾ﾌ この２人なのよー。
. 〉-=ﾐ 八 > '⌒丶_ ／じﾍ、
/ !ヽ/_ | トr彡勹7丶 この他にも、一番弟子の中村市右衛門尚政(直政)、
. 〈 |､ ｀ｌ |个ｘ,.:'´: : : ヽ 「槍の又兵衛」こと高田又兵衛吉次、
'. | ヽ ＼ 丿||:/: : : : : : :!| 石舟斎の弟子でもあった金春七郎氏勝など、
|ヽ ′ o、 Y _|l｣ : : : : : : ハ 達人が色々いるんだけど、
！ Ｖ ｀ riﾉ｣: : : : : : r‐'′/＿＿ それはまた別の物語なのよー。
r'⌒Ｙ⌒丶、／: : : : : : : :/: : ∠_￣￣)） （「やる夫で学ぶ槍術流派」とか立てればあるいは）
〈 _｀ﾝﾍ ヽ : : : : : : : 厶-<て( ￣￣
､ i: : : : : ; '´ } )） じゃあまず、有名な二代目、胤舜からなのー。
ヽ |.: : : :/ / 《
｀ ｰ' : : : { ／
- 164 ：1：2009/01/12(月) 22:48:08.94 ID:7kje2Jxj0
- さて、胤栄の宝蔵院を継いだのは、 ﾌ:::::::::::;::-jﾙiﾊi`jﾉ`'').-､:::}
この禅栄坊胤舜であった。 ﾌ::::::ﾊj´....____ _,.-彡 |ﾘ‐-､_
ここで「継いだ」は、宝蔵院流ではなく／',:∧| ..>r｡r-､`y ﾚi'j´`i|,j_,,. ヽ √〉
塔中としての宝蔵院のことである。 /"" ゝ､ .| '､`'´ _,i` ´i,___.ﾉ|∠-‐ .{ ／／
＿|y''" ｀'ヽ.i. ￣ 彡､_ /_,..- ﾉ ／／
_,.. -‐'''" |y'' ,...=- `=､ ｰ--´‐／_,..=' . ｲ ／／
/ '''"" ゝ, _,...-_ｰ-｀'ｰy､___∠.. -- ／/ __r-'r''､
__,.. -|,'"￣ ,,.........ゝ､ _,-'"_.-'´｀'v',..-‐''ｰ､./_,..'-‐'´ヽ.i^i､ﾉ
／ヾ''゛゛ゞ､ _.....＿＿＿,,,,.......ヾ､ //'´/_,.-‐ ､./" _,.-､__,ｲ/
`'ｰ------‐‐‐'´::::::::::.. ｀ヽ､.;,/~_,..- ,ｲ, -ｯ' ／
::::::::::::::::::::.. /_,..-''"'' .ｲ . ／／|
::::／ ／ /:::|／／ : |
／〃" ノ.／／ : |
__..-‐‐/'´ ..／,. ｲ : |::::::::...
／, '"√/~~^Y__..／／~"'ﾅ＝=- : |::::::::::::::::..
/ . ' ／/￣`Y／.∠...______| ; _,く ::::::::::::::::::...
} l| ∠-‐ﾚ､ i,.|／~￣~｀'''ｰ＝=､三≠人 :::::::::::::::::::....
| l|/ ..／, ﾍ_|'′ ヽ. ヾ. ヽ. ::::::::::::::::::::::::...
,ヘ }ﾘ ／ ／ ヽ, ヾ, '゛ヽ, ::::::::::::::::::::::...
／ " ＼ﾐ／ ` ,ヽ. ゛| ::::::::::::::::::::::...
／＼ ／::::::| ヽ.ヾ | :::::::::::::::::::..
／ ／|:::::::::::| ヽ, ; | :::::::::::::::..
／` ､.／::::|::::::／ | i 〉 :::::::::::::.
／ ／::::::::::::i／ 『~~i‐'i ::::::::::.
／ ／::::::::::::／ |只､_,i :::::::::..
／ ／:::::::::::／ ||三| | ::::::::.
／ ／:::::::::::／ ||三| ｜ ::::::::::.
／ ／:::::::::／ |~~｀ヽ.ﾉ ..::::::::::::::::
/／::::::::／ `'ｰ‐''´::::::::::::::::: :
∠-‐' ´ 宝蔵院禅栄房胤舜
- 165 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:49:03.63 ID:Yah9WjXb0
- うしおかよｗｗｗｗ
- 166 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:49:32.78 ID:vkM0KI+20
- 獣の槍ですかｗｗｗｗ
- 167 ：1：2009/01/12(月) 22:50:02.06 ID:7kje2Jxj0
- ./ ＼Ｙﾉヽ ｷﾘｯ
/ （0)(―）ヽ
／ ⌒｀´⌒ ＼ 胤舜、その程度じゃまだまだだっていう。
| , -） （-、.| もっと鋭く、早く、槍を操らないと駄目だっていう！
l ヽ＿＿ ノ l |
＼ ／
＿ｒ､,,.............,,＿
ヽ "´ ´‐z_
＜ ＼
∠ /'v∨|ﾉ＼ヽ｀`＼ ヽ.
|ﾉﾚ ＿,,... ＼ | わかったぜ！お師匠様！
ﾄ=､ ,. ',..-‐‐` | r-､|
| rヽ ｿイﾄj `ヽ |/<`||
| .ﾍ `─‐' =＝ ＿ｲ/
､ 〈>′ . |/
ヽ. Ｆ-‐ｦ /
＼`ｰ´ ／
￣￣
胤舜は俗名を満田源之助といい、天正十七年(1589)年頃の生まれと思われる。
出家した時期も不明であるが、胤栄存命のうちに宝蔵院を継ぐことが
決まっていたらしいことを考えると、かなり早いうちから出家していたと思われる。
（胤栄の甥という説もあるらしいが、詳細不明）
そして、胤舜は宝蔵院を継ぐ為、胤栄の元で修行を積んでいた。
その修行は、僧としてのものもそうだが、当然のように宝蔵院流の槍も含まれていた。
- 168 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:51:13.35 ID:Yah9WjXb0
- 違和感あるな～ｗ
- 169 ：1：2009/01/12(月) 22:51:23.58 ID:7kje2Jxj0
- ：/ﾆＹﾆヽ：
：/ （0)(0）ヽ：
：／ ￣｀´￣ ＼： 胤舜…槍を学んではいけないっていう…。
：| ,-） （-、.|： お前も仏門の徒なんだから、殺生は許さないっていう…。
：| l ＿＿＿＿ l |：
：＼ `ー'´ ／：
_,....i､_i､_.--z._
,.-‐'´::::::::::::::::::::::::::::ヽ._
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ｀
ﾌ:::::::::::;::-jﾙiﾊi`jﾉ`'').-､:::}
ﾌ::::::ﾊj´....____ _,.-彡 |ﾘ‐-､_ ………。
./',:∧| .>r｡r-､`y ﾚi'j´`i|,j_,,. ヽ
" ゝ､| '､`'´ _,i`′´i,___.ﾉ|∠-‐ .{
" ｀'ヽ.i. ￣ ヾ､ /_,..- ﾉ
' ,...=- `=､ ⌒ ／_,..=' . ｲ
, _,...-_ｰ-｀'ｰy､___∠.. -- ／/
..ゝ､ _,-'"_.-'´｀'v',..-‐''ｰ､./_,..'
しかし、先述の通り、胤栄は槍を捨ててしまう。
そしてこの時、胤舜に対しても、僧侶たる者は槍術を学んではならぬ、
槍は己一代のもので、宝蔵院を継ぐならば殺生はならぬ、と固く言い付け、
そして、亡くなってしまう。
- 171 ：1：2009/01/12(月) 22:52:47.15 ID:7kje2Jxj0
- _,....i､_i､_.--z._
,.-‐'´::::::::::::::::::::::::::::ヽ._
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ｀
ﾌ:::::::::::;::-jﾙiﾊi`jﾉ`'').-､:::}
ﾌ::::::ﾊj´..u___ u _,.-彡 |ﾘ‐-､_
./',:∧| .>r=-､`y ﾚ＿__ |,j_,,. ヽ ……………。
" ゝ､| '､ー─`′´ u |∠-‐ .{
" ｀'ヽ.i. ヾ､ /_,..- ﾉ
' ,...=- `=､ ⌒ ／_,..=' . ｲ
, _,...-_ｰ-｀'ｰy､___∠.. -- ／/
..ゝ､ _,-'"_.-'´｀'v',..-‐''ｰ､./_,..'
_,....i､_i､_.--z._
,.-‐'´::::::::::::::::::::::::::::ヽ._ て
ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ｀そ
ﾌ:::::::::::;::-jﾙiﾊi`jﾉ`'').-､:::}
ﾌ::::::ﾊj´....____ _,.-彡 |ﾘ‐-､_ …………決めた。
./',:∧| .>r｡r-､`y ﾚi'j´`i|,j_,,. ヽ お師匠様、ごめん。
" ゝ､| '､`'´ _,i`′´i,___.ﾉ|∠-‐ .{ オレは、槍を捨てられないんだ……！
" ｀'ヽ.i. ￣ ヾ､ /_,..- ﾉ
' ,...=- `=､ ⌒ ／_,..=' . ｲ
, _,...-_ｰ-｀'ｰy､___∠.. -- ／/
胤舜も、胤栄存命の間は言いつけを守り、槍術を封印していた。
しかし、その死後、悩みに悩んだ末、
「宝蔵院は仏法ではなく、先師の槍術を以って世に聞こえたのである。
宝蔵院を継ぐのであれば、やはり槍を修めねばならぬ」
として、槍術を再開する事を決めたという。
- 173 ：1：2009/01/12(月) 22:54:20.30 ID:7kje2Jxj0
- :::::::::::::::::::*:::::::;;:::::::::::::::::::::::::":::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ﾟ::::::::::::::::;;;;;:::::::::::;;:::::::;::::::::::::::
:::::::o:::::::::::::::::::::::::::::::::::::*:::::::::::::::::::::::::;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::⊂ っ , ― ､:::::::;;从从
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::（ゝ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ）:::::::::;;;;τ,,⊃ ）:;;爻爻爻炎炎ﾐ
::::::::::::::::::::::::::::::::::ε(@ )３))__))__))__))__))__))__))__))３ :::o;:::::｡::::` ー '";爻爻爻炎炎炎炎
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/A ﾍ∧ ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:::;:::::::::::::;;::::::::;;爻爻爻炎炎粂粂炎
::::::::::::::::::::::::::::::::::く`７７/''λ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ::::::;::::*:::\;;::爻爻乂jj爻爻炎粂乂ﾒ
::::::::::;:::::::::::::::::::く７７７/⌒λﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:::::;;;;彡ﾐ;;爻爻爻爻炎炎粂粂粂
::::::::::::::::::::::::::くﾞ７７７/⌒ﾞλﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ''彡炎;爻乂!爻炎炎"粂炎粂粂
::::::::::::::::::::／`７７７/⌒`λﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍへ:;\;;;爻爻爻炎粂乂粂粂
;;;;（乂_／`７７７,,γ⌒ヽ∧ﾞ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ_ﾍ/乂_ノ）;;;;爻爻乂ﾒiii粂/粂炎
;;;;;乂んんんんん乂(0)んゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ,ゝ_(,,ﾉ;;;;;;;;ゞ爻爻爻炎粂爻
:;;;;;:;;;;;:ﾛ/ ﾛ/ ﾛ/ ﾛ/─|"|""|-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ-ヾﾛ''''':;;:;;;;;:;;;;;:;;:; ゞ爻|, ﾞﾚ爻
:;;::;;:;;:;;;::|"||r────|. | |￣￣||￣￣￣|￣￣￣||￣| | : :::;:;;::;::;;::;;;;;;;:::;::;;爻|'''(:)"i;:: 「ここが奥蔵院か…」
::::::::::::::::|. || r──┐ |. | | ||「「「「「「|「「「「「「|| | | .:::::::;::;::;::;;:;;::;;::;;:;;;;:;;.|...:;|:::|;:;:
::::::::::::::::|. || |「「「「「| |. | | ||「「「「「「|「「「「「「|| | | : :::;::::;:::;:::;::;:::;:;_:;::::::.!..,;;|:;;!;;
::::::::::::::::|. || |l_l_l_l_l_| |. | | ||「「「「「「|「「「「「「|| | | ..::::::::::::::::::::::::::|,.|￣|!,,,;;|:::l::::
::::::::C=============○===Ω ||「「「「「「|「「「「「「|| |Ω==○ : ::::::::::::::::|:;|奥|:;;;;;ｌ::::::;;
::::::::|}|::::|. ||,,＿＿＿＿|}{| | | i| ||￣￣￣|￣￣￣|| || i||::::|}{| : : : : ::::::::|..| |;;:;;;;!:::i:::
:::::『[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[[【】]]]]]]]]]]]]￣|￣￣￣￣￣￣￣|]]]]]]]]]] : : ::::::::::|:.|蔵|::::::;i;::::::
: : : | | ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|. | |;;;;;;;;; | ￣|￣￣￣￣￣￣￣|;| | : : : : : : : |::| |::::::;;::::y:::
. | | 二二二二二二|. | |二二| : ￣|￣￣￣￣￣￣￣|| . |;:|院|::::::;;::::::::
:爻ｒｗ从ｗfwvｒｗ从ｊｗｗiiwjWvwjw爻wv,,,,,,￣|￣￣￣￣￣￣￣|wkWwj,,wjvww\wj从爻
""Www爻wj""w"~"~~`"w~~""ww"f"~W"""~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~`"
しかし、胤栄は既に亡く、また、他の弟子たちも近隣にいなかったためか、
胤舜は、途中段階までしか教授されていなかった宝蔵院流の槍を修めるべく、
胤栄直門の弟子であった近隣の日蓮宗の僧、奥蔵院を尋ねた。
（奥蔵院の名前は不明。俗名は猪兵衛といい、元は宝蔵院の中間だっだともある）
- 175 ：1：2009/01/12(月) 22:55:30.11 ID:7kje2Jxj0
- .-＝=-y'´三~三ヽ.
_.-''´~三_ミY彡∠=＝_ ＼
／_..-‐＝=- ､iii'´.´-―‐-､ ｀ヽ.
/_. -=ﾆ＝三=､'.ﾚ'´三￣ﾆ._＼ヽ ', 来たか…。
ﾉ ／_, -＝=-､γ´. -‐‐--､＼ヾヽゝ 用件は分かってるぜ。
// //／ ／三ﾆヾ|ﾚ'´ﾆ三｀ヾ.ヽ.ヾ.ﾄ､ ヽ.
// / //／ ,=-=､ヾ|ﾚ'´,.-‐-､ヾヽ.ヽ.| ヽ. ヽ 小僧、この槍を抜きな…！
/ | / ///.x.∠..,,,.__ヾ.||/´_, -‐廾''|ヽlヽ|iﾄ､ |┴‐- ､
/| | | /// //|=ゝ.__.≧lil≦.__.∠=| | |:|| |l | || ' . ヽ 「…おう！」
| | | .||ﾉ| |/|| ||'三=＝''´｀''＝=三''||| |:||| | | ||゛゛゛ : ｜
| | | .|| ||| || |||ﾄ､ ｰ､.___▼___,..-' .::|||| |:|| ||| | :_,:::|
|| || ||||| |||| ||||;:::＼ヽⅣⅣﾙ´／:::|||| |:|| || || ill||〈
|| | || || || |||ﾄ､;::::＼￣￣／:::::::|||||||:|| | ||li´ ':゛゛`,
|| ||| || ||廾+､ l;::::::::｀ｰ‐'´::::::::;:'||| ||:::|| || ||: : ｜
| ||| | |||廾|+､ヽ':; ;::::::::::::::::;::' ||| ||:::|| || || : |
| || || | |,ﾍ||｀ヽ. | ＿__,,......||| |‐||-､| ||: .: .｜
奥蔵院
胤舜と奥蔵院の間で、どのような会話があったかは不明だが、
ともあれ、奥蔵院は胤舜に宝蔵院流の槍を教授し、
これにより、胤舜は宝蔵院流の槍を修め、宝蔵院流の二代目となった。
ちなみに、この奥蔵院と武蔵が立ち合い、武蔵が勝ったという話があるが、詳細不明。
（「ニ天記」の話だから正直、かなり胡散臭い。こちらだと「日栄」なる名が出るのだが）
- 176 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:56:24.85 ID:vkM0KI+20
- そのまま白面の者でも倒してこいよｗｗ
- 177 ：1：2009/01/12(月) 22:57:00.96 ID:7kje2Jxj0
- ＼Vﾉ7ベｰ､ ｀ｰ-｀ニエ__l ! l {-{ l | l l { | ｢ ヽjﾉ l ｀ ヽ
}i|/-= ﾍ, ＼_z=一┼ 千 -! | }_ { l { l ト､} } ､/ ヽﾉ、 ｀ヽ
,ノ ¨ヾ='^ 少´ }! l ﾘ !l l { ト､ } }/ ヽ／ ヽ
㌧ｪェ=' ／ !} ﾉ j } !{. l / X / ヽ ｀ヽ その後、胤舜は道場を復興。
└r / ,、 （(/ / j ! ﾚ' /／/ ｀ヽ、 宝蔵院は再び槍術の一大拠点として
/^l√＼｀ﾌﾞ, V 、 !} ! / { / ／ ヽ ヽ 名を上げ、入門する武芸者は
/ ﾄy'´/ ,. Vヽ ＼ ! / ヽ ｀ヽ ヽ 後を絶たず、名声は天下に響いたという。
/ ／ /'／,-' Vヽ r'/ ,l /' /ヽ ヽ ヽ ヽ
' / ' ´ ´ Vヽ Ｘ{ , ﾑ! ﾄ､ _≠!F ,∠_ ヽ ヽ ヽ ヽ そして、胤舜自身も、
/ Vヽ L.＼iｲ､ﾄ､ V_ﾋ!ﾌﾘ^V _-ヘ ヽ ヽ ヽ 従来の十五本の式目の他、
_,=-'´ _,､ィ^Vヽ} -､X ﾄ､ ､｀ _,. /イ广 ﾉ ヽ ヽ ヽ 新たに裏の形十一本を制定、
´ _,､ ＜_ l Yﾉｧ‐､l ヽ_ヽニ＜,_//-‐､ノ ! ｌ ヽ ヽ ! .世にいう宝蔵院流は、
_,∠-┬' ヽﾉ ｿ l、__,､}ｰﾉ/‐- ｨ-‐ ､ｲ l l ｌ ｌ l この胤舜を以って祖とすべし、とも
__,,.､xﾆfﾍ（ { └-‐└Lrベ _ﾉ､__ -ﾆ/っ ,ｲ/ l ｌ l l ! 宝蔵院流の中興の祖とも讃えられた。
ゝ｢ヽ､_ ミ,__ _,Ｖ ﾍ＼.,_,__rﾍ / / l ! ｌ !/
｀ ` ,ﾆ≠' ^￣ V ﾍ -､ノ‐-､ﾉイ l l l ,' 以来、宝蔵院の僧は代々槍術を継ぎ、
／ V ﾍ,ﾃ‐､ィ´ ┤ ! ! / 僧侶でありながら、往来の際には
/ _,. ィ￢ﾐ { { / ,ｨ～ _,=ｿ⌒ / 槍を持たせたという。
_, -ヘ、 -‐≠壬、 ﾊ/ ,.、 ｝ / ,_=ﾝ ,_=ン / ／ ./ また、槍術に優れた者がいないならば、
,､-ﾆ ｀ … ～'ｱミ7 /└く V/ /r,ﾆ=＝' ／'´ ／ 何年でも院主の座を空席としたという。
／ ,ｨミ/ / V^ ﾍ 川 ／ '´ /
（,___ゝ彳 ／㌧ ﾍﾉノ '´ , ,ｲ こうして、宝蔵院流槍術を確立し、
, { ヽ｀ｰ㍉彡ベ＼ -‐''´ ／ 「その技、神仏に達す」とまで称された
､ヽ! i _, `ｰ-､__ ｀ ／、 ,.ィ( ___ ´ 宝蔵院二代・禅栄房胤舜は
＼ ヽ川 ! i , ,√ 气（ ::::::メ、 ﾍ ｀㍉-一､ , 慶安元年(1648)に入寂したという。
. ＼ , !i 川≡´ __,_ ﾉ `‐く:::::ヽ ﾍ￢L,ｨ7ﾉ }｝ _, イ 享年60歳。
_,.､＞=≠"~´ __-ﾆ三≠´ ＼ ::ヽ ﾍ }ミ 〃
｀^´ __三≠´￣ ＼ :ヽ ﾍ 几 !{ ￢-
_,.､≡￣ __,_ ,ﾄ､ :ヽ ﾍ V/
_,.､＜´ _三≠ﾐ㍉ i| ＼::ヽ ﾍ／
- 178 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:57:50.87 ID:Yah9WjXb0
- 最強タッグだね～ｗｗｗ
- 179 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 22:58:23.28 ID:dZ58ayO70
- まさに神槍というところか
お坊様だから神とか付けられると、いい顔はしないだろうけど
- 180 ：1：2009/01/12(月) 22:58:28.47 ID:7kje2Jxj0
- _ -こェ个ァく:￣¨ユ、
, ´: : : : :_: :-｀:く:.: : 廴:.:.: : :ヽ
く: : : : : : : '´: : : : :.:.:〉イ ヽ_fマ:.:.:.;ゝ これが宝蔵院の二代目、胤舜の話なのー。
/へ{:.:.:.: : : : : :.:.:／ r～''´ ｀ヾ 今更だけど、武蔵と立ち合ったっていうのは、
／: : : :ヽ:.:.:.: :.:.:.／⌒´ ＼ 吉川先生の創作なので、そういうことでー。
∠:_:_:_:_: : : :＼: イ / ′ｉ | ､ ヽ
/ ／ ハ: : : ／ |i | ｉ| ∧ l ! i| ! ｜i ﾊ さて、今まで延々書いてきて、
/ / // ﾊ／ l |i |斗十'ﾍ. |ｉ ,什ト｜|￤j 山田浮月斎あたりならまだしも、
/ / // { {___ l |ﾄ､{ jｌ.⊥.,_ﾍ |i//ハｉ |！l l| 針ヶ谷夕雲とか胤舜とかを書いたなら、
ー-/ ィ二二｀ヽい〃 }「｀ Ｖ f'下}ﾊｌ/ ﾊﾘ 東郷重位も書いても良かったんじゃないかとか、
ｰ…‐{_/ , ニニ、＼ヽヾｰソ1 トr 'iｲﾞ / '′ そもそも秀綱先生の話をちゃんと書いた方が
了二二｀Y＾)二ヽヽ }_ } ｀￣ , ｀¨ 八厶-､ いいんじゃないかとか、なんだか>>1が
´￣k＝v' 仁二}り厶ミ} r‐ ｧ ∠-､二ミj 色々自問してるんだけど、
｀うｿ >=ぅﾉ:.:.:.／:⌒⌒ヽ二 イ三ミ ｝つY その辺を詰めると、本筋の柳生の話が
, ': : : : : :.:/: : : : : :.:.:.:.', ー'′'ソ 全然できなくなるので、次で終わらせるのよー。
/: : : : : :.:, ': : : : : :.:.:.:.:.: l
r─'‐－: : :／: : : : : :.:.:.:.:.:.:.: 仁二ヽ そういうわけで、次はほぼ柳生と無関係な上、
─':一‥: :.:.:.:ヽ: : ﾄ､: : : : :,:.:.:.:.:.ﾄ､ /:/ そもそも武芸者というのも微妙な人物、
: : : : : :＼ :.:.:.:.＼}: :ｰ':.:./:.:〉: :.ﾉヽ＼ 可児才蔵吉長の話をするのー！
_: : : : : : : : 、: : :.|: : : :.:.:.:.'rイ:∨:/〉:} （まあ、流石に可児才蔵の話を全部書くのは
⌒ﾄ､:.:.:. : : :ヽ:.: 1: : : : : ∧_｀二二ノ 無理なので、ある程度武術ネタ中心で）
〈小;.:.:.:.: : ､:.:.}:/:l : : : : / |:::| |:::|
- 184 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:01:07.19 ID:9fr34xAG0
- おお、痛み易い甲殻類の寿司も殺菌効果のある笹の葉で包めば長持ちできる、で有名な才蔵さんか！
- 182 ：1：2009/01/12(月) 22:59:56.51 ID:7kje2Jxj0
- '´,ｨ ./:| |;ﾉ ミ, ﾐ'' _,,ミ-‐''''.´￣ ￣'''ｰ=x
/::l iへ､ |:::{. ｎ .i::i ,ｲヾ /''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::｀'=､
}:::{_ ｎ､ヽ;:ｌ lﾉ .ト, V./ヾ､.i|/::::::::::::::::::::._;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;_::::::::::::::::::::|
ｰ-`- ヽ} ヽl j:{_ﾚ' /ﾍ Yﾍ::::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
ﾄ､ ヾ=､__/.iﾍ {.ﾟ ﾉﾉ ,,ﾉﾞYﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ やあ、僕が可児才蔵吉長だ。
ヾ_ ﾞヽ> ﾘ＾ヽ:::{ VF彡/:::=:}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{ 人からは「笹の才蔵」「槍の才蔵」と呼ばれている。
（. ﾟ,>,~ヾ::､. ｀:} ヾ;:ヽ {::::::Tヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__ 特に自称したつもりはないが、
;;ゝｲ::ヽ `i:l ∨ Xｼ.{.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::､ﾞヽ､ 通じるなら、まあ、別にいいだろう。
ゞﾆ''⌒ゝ l| キ::ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;:ヾ､::.＼
::::,,,, '/ i iY ﾅ-,w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ::jﾉ:::::::::::`ｰ
"二ニに (ヽ､,,,__,,,ノﾉノ:::::ﾐ, .}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ::::::::::::／i::::..
ﾐ,,_-=''i才, `ー--彳:::ヽ､:::ﾐ,, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ::;ｨﾞ::/／:::::::.
::...／,/ '＾ﾒx-ｷ､''⌒ヾ ∴ }::::::ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／/::/./::::::::::::
;:;::.∠＿,,,ノ:::::::::::＼ ∴ ．.（｀ゝ､:ﾐ､ヾ､:;ﾞヾi}ｴｹZﾞｴﾂﾞ:/ ミ:;ｨﾞ ,,ｲ::j'./:::::::;;;;_::
=‐''':.:.;〃.:::::::::::::::::::{ヽ ‥ /:ﾞヽ,. ＼=,,r.､ﾞ''ｰ､,;:;:;:;:;:;ノ ,,ノｼﾞ ／:;;イ/::;r''.／::::
:.:.:.:.:./::::::::::::::::::::::::::.`ー-'´::f＾ヾ、 ヽ{ ヾ, `ｰ''ﾞ ,,;;彡'ﾞ.／;;f'ﾞ,,∠ｲ;r''ﾞ::::::::::
:.:.:.:/:::::::::::::::::::::::|ヽ;::::Fヽ:r''| iへ. ヽ ) ＼,, ヾv=y''ﾞ:≦='''ﾞ:∠イﾞ:::）:'ﾞﾞ:;;;;;;;;::::::
.:.:.Z;;;;;:::::::::::::::::::::''､.ﾞ;::| !;! .ヽ,ヾ. ＼ ヽ {:-'::::::::::::::::::::::;ｨ::;.;r〈;;;;''"_,,,ノ:::::
:.:/::::::::::::::ｰ-､::::::::::ﾍ::ヽ､,＼､. ` |iｰｘ;;;;_::::/{::/ {::;:;!:;;》'''':::::_;;::::;;;
/::::::::::::::::::::::::｀ト､::::..ヽ{:::.＼ l:i::ヽ､;:｀''=､'_ヾ､ﾞ;:;;{,,;=''´ .,,r-､:
:::::::::::::::::::::::::::::{ ＼:::,ト､::::::＼ ｀ヽ. i:|∧::},ゝ::::::::,ﾞ>==''ﾞ::.~'''''´.....::::
ｰ､__::::::::::::::::::::.ヽ､ Y /:::::::{ヽ;:｀ヽ､ ／./ ヾ;:::::::::::::ヽ. ヾ､;;;::::-､:::::::
=＜__ｨ=-‐--::::xへ､_,,j;;;;''__::ﾍ. ヾ;::｀rf'''< ,ｲ ﾐ::::::i''ﾞ'ヾ､ﾐ ヾ:､ ヾ:ヽ､ﾞi:::
,,;:''´..::::::::::::::::::::::::￣..:::::::::::::｀=:｀-､__:::|.ｌ;;;;メ､. ﾐ::::::..... ﾞ､:､ ﾞi:::l j;;::
可児才蔵吉長
可児才蔵は天文二十三年（1554）、美濃国可児郡で生まれたという。
最初は斉藤龍興に仕え、その後、柴田勝家→明智光秀→織田信孝→羽柴秀次→
佐々成政→前田利家→福島正則という具合に、主を転々とした経歴を持つ武将である。
（順序には諸説あり。また森可成にも仕えたと言われている）
- 185 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:01:14.32 ID:Yah9WjXb0
- 魔王様じゃねえかｗｗｗｗ
- 186 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:01:39.36 ID:vkM0KI+20
- 新城さんなにしてるんですかｗｗｗ
- 187 ：1：2009/01/12(月) 23:02:20.98 ID:7kje2Jxj0
- ＿＿＿＿＿
,,, -─ ￣.::::::::::::::::::::::::::....￣ ｀ '' ｰ- ,,,_
,,.:::''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀:::..,,
／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ 節操がない？
l::::::::::::::::::::::::_;;=''''´￣￣ ￣￣ ｀ '''ｰ=:､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ …そういうものかね？
.|:::::::::::::::;;r'''´ ､wッ, __,,, -- ─- ､ ,,, __ ｀'''=::､:::::::::::::::::::::::::::::ヽ むしろ僕に見限られる程度の
.|::::::::::::/ _,,=.}.ili f__,,,...:::----:::.,,,,..____ ￣` - ､._ ｀''ｰ.､:::::::::::::::::::::l .能力しかない人間が、
l::::::::/ , ''´ ,ｨ "-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣''''‐-- ､__ﾞ'''-､ ｀'､:::::::::::::::| 主君面をしていられる方が
＼::〉´ :''´7:::::::::::::::::::::::::::_;;;;;;;;;;;;;ﾆ三-ｪ==‐-､;; O/ ﾞ'''-､ ヽ;::::::/ おかしいと思うのだが。
.`l,..::´/./:::;;;;;;;;;;ｪ.-=''''´／ / o ヽ`ヾ '';:;:;:;.,｀''ｰ.､ ﾞ' ､,{／
ﾉ:::::/_ｧ''´ o ヾｿ （. l / 〃'';:;:;:;:;:;:;:;.,｀''ｰ､ { 上を選べるなら、少しでも
/:::／ l lf ヽ ﾞｰ---‐'' ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ‐-'､ マシなのを選びたいじゃないか。
.l;;/ |;:ﾄlヽ､_,,. -i ! ＝ .:;:;:;:;:;:;''"／.／T .ヽ 自分が生き残る為にもね。
.l;| ﾄ,.i´＼ ミ'' / ./ / `':::ヽ l〃ｯ,,
（｀ヾ| ",, .l l. ﾍ,,> ｌ 〕つ:::ﾉ./ 彡ｯ
iヽ,| 丶l／ ,,.,ﾉiッ,Y.ノ ,;ミ
ヽ .| /iz,, /彡ノ' ' 彡 ,,ミﾞへ
ヽl. ,ｨ''"￣｀ 二ニニﾆ= i '´ ,,='' ＼
丶 !>.-''''' ￣ ,,,ｯ" _,,,='''
ヽ ,, ﾂﾐｯ'' _,,,-‐'''
,ｲヽ ,,へ､__/ " _,,,-‐'''
〈 l;;:::ヽ. // / /ﾐ _,,,-‐'''
〉､`ｰ=ヽ､_Y/ / /ソ _,,,-‐'''
/ ＼ヽヽヾ/ /,,ｼ´ ,,-‐'''
l. .`iー'''''ｼ" ／
この経歴は、後の世の忠義を徳目とする価値観で見れば言語道断だったかもしれないが、
戦国の世では、実力のない主君を自ら見限って退転する事など、然程珍しい事でもなかった。
そして才蔵は、主の下を退転しても、すぐに次の家へ仕官できるだけの実力と声望を備えていた。
- 188 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:03:08.17 ID:1tFDUAxp0
- あれ？意外にはまり役じゃね？www
- 189 ：1：2009/01/12(月) 23:04:24.47 ID:7kje2Jxj0
- | ＿_ ` ､ ＼ / 厶. | │ ﾄ､
ヽ. ∧ ￣ ー ､ ヾ ヽ / ／〃r‐＼ l | 〃 | ＼
:::∨::| ﾊ > ＼ ヽ //|:::::::i!::t虎|::::＼ ｌ i ∨ | 「＼ 死にたくなければ、生きたければ、
:::::::::::∨/ ノ ＼ ＼ ∨/::{.￣`ー―――＼ ＼ | | ヽ とにかく敵を倒し、殊勲を挙げなければな。
:／久:::（ ＼( ＼ /∧:ﾉトi__ ......,,,. ＼ ﾄ､ ∧ i / | ＼ 戦場働きの武士とはそういうものだよ。
ヾ:::ヽ ゝ- ＿ /∧:::| {| T｀ぅ､―一_=-rｧｰi＼ / } ﾊﾚ ｌ ﾄ､
／ ／ゝ::::| ゞ ヾ `ｰゝ_:::::ゝ| ｰイ） てゝ ー ´ Ｅl＼〈〃/ /ｲ ／ | 丶
{ ゝ￢}::::l 彡 ヾ､ _￣ヽ∧ 「＿ 上|＿}| /／ ／ / |
彡ゞw ﾐ ヾﾒ 彡 ゞ" `ミ::{ﾉﾐﾊ ヽ＞ __厶ｬ-､ ヽ| ／ / ﾍ |
/:::ﾐ 彡ヾヾヽ ヾ仆＼ ＿＿＿√＼ ＼iﾚ ∨ / ノ ／ ∧ l
三ミﾐ /:::彡㌧、 彡从 ヽ ㌧ミ-＼￣.フ´ ＼ ＼ ` ヽー―イ ／ ´￣ ＼|
ｰ､ 二 ゞ彡 ミﾐ､＿_ _ ヾx､ `=ゞ〈_ ゝ､ ` ` 、 } ／ l
彡 三= 豸 彡 -=从 {::〈 ぶ､ ヽ ヾ､_ ゞ=､ ＼ ヽ ､ヽ i L∠ ＿＿＿ │
彡==-彡 彡彳〈从ﾐﾐ ゞﾊ 豸^＼ 〉:::::＞ ＼ . : .:.:.:|ミﾄ､ー＜＿_ ヽ l
￣ﾌ:::::√ 彡==-ｧ,, ,,,,､ `, ｰ巡"´ ヽ＼ . : . :.:.:.} : {＼ 二ゝ- |
才蔵の戦場働きにおける逸話には以下のようなものがある。
・ 明智光秀に仕えた際、山崎の戦において、最後まで光秀の影武者を務め、
その礼として、光秀より愛用の朱槍を与えられた。
・ 前田家に仕えた際、末森の戦において、奥村永福(奥村助右衛門)の子、助十郎に助太刀。
・ 長久手の戦いでは負け出した途端に勝ち目がないことを見抜いて逃走し、
その際、主の羽柴秀次に馬をよこせと言われて、これを断った後、自ら退転した。
・ 小田原征伐時、韮山城の戦いにおいて、先頭に立って攻撃し、
その凄まじさに守る側の北条氏規が畏れ、賞賛すらした。
・ 関ヶ原の戦いにおいて、17の首級(東軍最多ともいう)を上げ、家康直々に賞賛された。
- 191 ：1：2009/01/12(月) 23:06:34.76 ID:7kje2Jxj0
- さて、この才蔵、宝蔵院流の槍を学んだといわれている。
尤も、胤栄に弟子入りしたのは福島正則に仕えた後だそうなので、
それが正しければ、天正十三年(1585)～十七(1589)頃と思われる。
つまり、才蔵はそれまでの功績については、全て我流の槍で立てていたということである。
／ ,,,, -‐ '''' "￣""''‐-,,_ ＼ ,-―─－､
/ ／´,,-‐'' """""'''' ‐- ､. ＼ ＼ / 御 で. l
,l 〆Θ='''' """ ン フ''ﾐ=oｧ ｀＼ヽ l | 教 き .|
〈 (;;''" _,, -‐'",,=,,ﾞ"'‐､ ヽ::::＼ ヽヽ |. | 授 れ |
〉' _ｪ､'ゝ;"´l ｀i ' l:::::::::::＼｀i|ﾝ' . | 下 ば. .|
／´-ｲ,"-,l ` ,ゝ・‐´,, ,, i:::::::::, 'ﾆ､ヽ, | さ 早 |
＿_ ｀´ l l ・' "ﾞ'' ﾞ''..:::':::`::}..l...:::..... ヽ い く ./
／ .＼ i´ ヽ､ﾃ ,; '; ::,:: -――‐- ､.. .:: `y--－'
/ 戦 な `i :::... l ｀ _.. -‐- ､ ／;;;;;;;''''',, '':::::::::::｀:ヾヽ､
l で に `ｨ ::: `､ , ',´‐ '"´´ ／;;;;;;''''' ,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,＼＼
| す し | .::. `､. '´ .l;;;''''',,,,;;;;;;;;''';;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,,,,'''';;;;;;ヾ.､
| の ろ | .: :. ゝ .::::|,/: : : : ／｀'';;;;＞ ､"''''''';;;;;;,,,;;;;;/
|. .で |..: ..::,r'´;;;;;;;ヽ-‐ '':::" |: : : : :l;;;;;;'''''''',,,,,,,,,,,,;;;;;;＞ ＼;;ヽ
..:::| .こ l ':::::. ;;;;;;;;;;;l i;;;; :::::l|: : : :ﾉ'',,,,;;;;;;;;;;;;'''''''" ,,,,,,,,,,
::...| れ | ..::: . .:: ;;;;;;;;;;lﾘ;;;;;;;;;;/: : : i;;;;;;;;;;'''''' ,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;; ; ; ;
..:::| か /:: ::. .:::: ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|: : :/;;;;''' c ,,;;;;;;;;'';;;;;;;; ; ; ; ; ; ;
:::ヽ ら /::::....::l‐- ､_ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l: :ノ;;'' , ',' ';;;''',, ,;;;; ; ; ; ; ; ; ; ;
｀ー――',,,,,,,,,,,,,,l |;;;;;;;;;,-､;;''´‐'´;'' c , '',,'';;'',,;;'' ,;;;;; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
/ﾆＹﾆヽ
/ （0)(0）ヽ
／u.￣｀´￣ ＼ （…こいつに槍術なんか必要あるのかっていう）
| ,-） （-、.|
| l ＿＿＿＿ l |
＼ `ー'´ ／
- 192 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:07:09.13 ID:Yah9WjXb0
- でっていうが戸惑ってるｗｗｗ
- 193 ：1：2009/01/12(月) 23:07:37.50 ID:7kje2Jxj0
- 才蔵と胤栄の出会いのきっかけは不明だが、
既に胤栄の名声が高かった頃らしく、才蔵は胤栄と出逢った時、
「拙者は今までただ滅茶苦茶にやってきただけで、槍術などやったことがない」と
前置きした上で、こう尋ねたという。
.:::::::::::::::::::::::::::|丐|::ﾄ､::`０／￣＼
.::::::::::_,､::～''."',"'':`'幺};;::::| 胤 .|
:-':'^,｀' , _,;､_､;､,､,､彳,' ´'| 栄 .｜
,_;_',;､,,､ｰ''ﾆ=-､_, ､__＞､;.! 殿 .|
::::|ﾆ|| ( '' 〕` ' /(._'_,) || .|
::::|ﾆ||'::'' ￣:: ´ |`ー .. . !|＼＿／
／￣￣＼.:.:.;:;' __`! '' :;: !|ィ
| 勘 槍 ├一-- 二´ ィ '〃 |ヾ,
| 所 術 |ヽ'⌒ニニT/ 〃 V '＾z
| を の |‐-｀ニ二´...∠⌒ ｲ ´z <
| 一. | ｰ＞､￣乙-‐／ノ、` ;
| 言 ｜;^'z, ＼ー''_r'`’、 、`
| で |
＼＿__／
/ノＹヽヽ
/（0)(0）:::ヽ 勘所といえば、
.／ ⌒｀´⌒ ::＼ ｢上段」「中段」「あいかぶり」のこの３つだっていう
| )ノ(、_, )ヽ, （::::| それ以上のことなんかないっていう
|.l ,;‐＝‐ヽ l :::| （というか、あんまり楽しようとすんなっていう…）
＼ ｀ニニ´ ::::／
／｀ー---―´＼
胤栄の返答に対し、才蔵は「何か深い理屈があるのではないか」と思い、
主君の正則に許しを得て休みを貰い、宝蔵院で修行に励んだという。
- 195 ：1：2009/01/12(月) 23:09:10.79 ID:7kje2Jxj0
- そして才蔵はみるみる上達し、一旦主家へ戻ったものの、
何故か戦場で上手く働けず、困惑する羽目になった。
それまでは無心に戦えたのに、なまじ技術が身についたせいか、
あれこれ考えてしまい、突撃できなくなってしまったのだ、という。
| _, -‐‐';;´;;;;;; _ ...'''' -‐===‐- ､ヽ .| |
勝 ど |()￣;; .. -‐ ' ´ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,, ''';;;ヽ. .|. い |
手 う .|'"ヾヽ､ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;''' '';;;;ヽ| か .|
が も .|::::::,ヽ､ ヽ､ _ ;;;;;; ＿ ..... ---―‐--―‐ | ん .|
違 .|::'''' ''ﾞ｀ヽ､ ＿＿＿ , .,,,､ｧｰ,--,-‐‐ | な .|
う | '´ ----―･ﾅ´,ﾞ〃ｼ l ! .|
ヽｰ'ヽ. _〈 '' ;;;;;; , ｀￣￣-‐´-___ｭz. `､ ヽ ノ
! ﾄ 〈 ヽ. _ノ´ ｀ヽ , ;,;;;;,, ,,, ´ / ｀
､ヽ`ｰ ､.l ! ,, '''' ,,; , __/
:ヽ､ｰﾞ'´ ,､ ;; ;; , , , , , , , , ｨ, ´, ´ ,,
"'',, ￣ ､､ヽ ' ' ,У､ ",,
､ ,,""ｯ, ヾ.､ /／￣,￣二ニニﾆﾆﾁ./ ,:.:.:.,i '',,
"'' ,, '',,:.:｀〒＝=ﾐ､ ヾｰ´￣ .＿ l' /:.:.:.l| ,,''
"'' ,, '',,:.:.:.:`:.､ `〒＝=＝〒￣ヾ ､',' ',/ /:.:.::.:.i| ,,''
./ ＼Ｙﾉヽ ｷﾘｯ
/ （0)(―）ヽ
／ ⌒｀´⌒ ＼ それは生半可に学んだせいだからっていうｗｗｗｗｗｗｗｗ
| , -） （-、.| 今一度、修行し直すがいいっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
l ヽ＿＿ ノ l | （ざまあっていうｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ）
＼ ／
再び宝蔵院を訪れ、胤栄に相談した才蔵に対し、
胤栄は修行不足である旨を伝え、再び才蔵に修行を課した。
そして数ヵ月後、才蔵はもう突撃に戸惑う事などなくなったという。
- 196 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:10:12.96 ID:Yah9WjXb0
- 生兵法はなんとやらッスかー
- 197 ：1：2009/01/12(月) 23:10:40.55 ID:7kje2Jxj0
- ,,, -─ ￣.::::::::::::::::::::::::::....￣ ｀ '' ｰ- ,,,_
,,.:::''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.｀:::..,,
／..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
./:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..ヽ
l::::::::::::::::::::::::_;;=''''´￣￣ ￣￣ ｀ '''ｰ=:､:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 首を取らない理由？
.|:::::::::::::::;;r'''´ ､wッ, __,,, -- ─- ､ ,,, __ ｀'''=::､:::::::::::::::::::::::::::::ヽ 簡単じゃないか。
.|::::::::::::/ _,,=.}.ili f__,,,...:::----:::.,,,,..____ ￣` - ､._ ｀''ｰ.､:::::::::::::::::::::l .首なんか取る暇があるなら、
l::::::::/ , ''´ ,ｨ "-:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::￣''''‐-- ､__ﾞ'''-､ ｀'､:::::::::::::::| .次の敵を倒すべきだからだよ。
＼::〉´ :''´7:::::::::::::::::::::::::::_;;;;;;;;;;;;;ﾆ三-ｪ==‐-､;; O/ ﾞ'''-､ ヽ;::::::/
.`l,..::´/./:::;;;;;;;;;;ｪ.-=''''´／ / o ヽ`ヾ '';:;:;:;.,｀''ｰ.､ ﾞ' ､,{／ そのために、この笹の葉があるんだ。
ﾉ:::::/_ｧ''´ o ヾｿ （. l / 〃'';:;:;:;:;:;:;:;.,｀''ｰ､ { 死体は多少物が詰まっていても、
/:::／ l lf ヽ ﾞｰ---‐'' ';:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ノ‐-'､ 文句を言わないからね。
.l;;/ |;:ﾄlヽ､_,,. -i ! ＝ .:;:;:;:;:;:;''"／.／T .ヽ
.l;| ﾄ,.i´＼ ミ'' / ./ / `':::ヽ l〃ｯ,,
（｀ヾ| ",, .l l. ﾍ,,> ｌ 〕つ:::ﾉ./ 彡ｯ
iヽ,| 丶l／ ,,.,ﾉiッ,Y.ノ ,;ミ
ヽ .| /iz,, /彡ノ' ' 彡 ,,ミﾞへ
ヽl. ,ｨ''"￣｀ 二ニニﾆ= i '´ ,,='' ＼
丶 !>.-''''' ￣ ,,,ｯ" _,,,='''
ヽ ,, ﾂﾐｯ'' _,,,-‐'''
,ｲヽ ,,へ､__/ " _,,,-‐'''
〈 l;;:::ヽ. // / /ﾐ _,,,-‐'''
〉､`ｰ=ヽ､_Y/ / /ソ _,,,-‐'''
/ ＼ヽヽヾ/ /,,ｼ´ ,,-‐'''
こうして、宝蔵院流の槍を会得した才蔵は、韮山の戦、関ヶ原の戦いと、
それぞれの戦において大いに働き、特に、関ヶ原の戦いにおいては、
いちいち首を取るのも面倒ということで、倒した相手の耳や口に持参の笹の葉を詰め、
首実検に際し、「笹の葉が詰めてある首は自分のものだ」と言い、それを数えたところ、
笹首１７首、東軍随一として、これを以って「笹の才蔵」の異名を得たという。
- 198 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:11:31.69 ID:Yah9WjXb0
- う～わ～・・・
- 199 ：1：2009/01/12(月) 23:12:25.47 ID:7kje2Jxj0
- この功績を以って五百石を加増され、才蔵は千二百五十石の身となった。
そして、主君福島正則が安芸国広島藩へ加増移封された際、加増の話が出たという。
,. ‐‐--一-‐ ､
. /l _ rー､ ＼
//`ｰ'´ __ .ﾍ ヽ
. 〈 r==､ r=，ﾗ｀ 〉 , -､. 〉. 才蔵、早速だがお前には二千石やろう。
ﾘ `’i ;ヽ￣ _l } _j〈 普請役として働いてくれ。
ゝ く__,っ､ ´ ｨノ ﾉ し;
ﾚ'二二ﾆ> _,`ｰf´
＼ ￣ __ ノ´,. -‐'ﾍ
`iｰ- '_. -‐'" ）ﾄ､) _>- ._
_.. -|ﾗlﾚ7７ `ｰ '_. -‐':::::::::::::
福島正則
_,,-‐''''.´￣￣￣￣'''ｰ=x
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ﾍ::::::,, -''ﾞ￣_ ,,. __ _x_ __ ｀'''::､::::::::i
,,ﾉﾞYﾞ ィ '´_,,,;;::==--竺:-=::ﾐ､-.`ｭﾉ
/:::=:}''ｯ〔c_ﾞ::::::::::: ..:::::::::::::::::::..`‐ﾐ{ お断りします。
{::::::Tヽ;:;;/｀'ｧ‐｡x;;;,＿＿＿,,,;;;;ィTi､__ 私は鋤鍬仕事で知行を貰おうと思っておりません。
Xｼ.{.iヽY （_ _ﾉ〉 K(´ﾟ ）｀l:/ }::::､ﾞヽ､ 石高など変わらず、無役で結構です。
キ::ヾ,｀| | ﾞー ,lｲ /;;:;:ヾ､::.＼
ﾅ-,w'ﾞYl rV'〉 .,!ソ'' "ﾐ::jﾉ:::::::::::`ｰ
:::::ﾐ, .}ミi､ ` ' /ﾐﾘ ﾐ ﾐ::::::::::::／i::::..
､:::ﾐ,, ヾiﾐヽ, -=ﾆニニ= ,,ムｼﾞ ,,ﾐ'ﾞ::;ｨﾞ::/／:::::::.
}::::::ﾐi, l:;:;ゞiﾐｘ､_ _,,,ｲﾐシﾞ 彡ﾞ:／/::/./::::::::::::
才蔵は、あくまで戦場での働きでのみ仕えるとして、これを断ったという。
- 200 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:13:29.13 ID:Yah9WjXb0
- 生涯現役ですかい
- 201 ：1：2009/01/12(月) 23:13:54.12 ID:7kje2Jxj0
- さて、今まで長々と書いていったが、可児才蔵という人物は、
そのように戦場働きで名を挙げて生きてきた、ある種、典型的な戦国武士であった。
以下、そんな才蔵と、武芸者の逸話である。
ある日、才蔵の名声を聞き、立ち合いを申し込む武芸者がいたという。
（福島家の若い家臣と論争になって、という話もある）
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y' .:::::/ .:,;;;'''; .:l, ／::: :: : : ＼::' ﾞ'';;, | ： l
/ / /;'';'' ::,ﾚケ＝‐-､- = ﾆ::::_＼ ﾞ';,, l ふ .|
ｿ ' / ,;;'' ,,,.-‐'' i´ ｡ l ';,, ,;i'"＼ ﾞ';; ,!, む .l
/,,r''´i;;l.l'';;,;;;'ヽ....＿_ノ ,,' l| ﾟ ＼ ´ヽ /
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＼::::::|ﾆ||'';;',, '';,''' ,, ,,;''' ,, '' ''i'' '''j::::::::ヽ|
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/ i 'ｯ,,l.l ;'';,';,'' '' ;, ｾ´､/ｼ' ''/:::::／,"',,,
立 望 い |'' ;; "';,､;;; '' ';, , "'',, '' 〃／ ヽ "'''';;,,
ち み .い | ,;;';;;''''';;,,'' -=ﾆニニニﾆﾆ..‐. y/ ' "'',, l..:::::.....;,''
合 通 だ | '' ''' ,,, ''';;'';;;,;,,､ ､ ／/i ' , _ "; ＼::::,;;''
. っ り ろ | ,,;;;'';;''" ,, ";;;;'';;;;;`i ,, '',, ／／::::l ' `'i ｀'''‐-ゝ,,_
て . う .|,;;;'''' "'';;,, ;;'';;l､ﾆ≡イ'':..:::.::ﾉ ` ';; i -....___ /
や .| ,, ,, ,, "'',, ;;";┴ﾋ'7:::..::／ '' i | //
＼る ／
この武芸者の申し込みを聞いた才蔵は、
「立ち合い」を受ける事を承諾し、日取りと場所を決めた。
- 203 ：1：2009/01/12(月) 23:15:01.21 ID:7kje2Jxj0
- そして当日、約束の場所で待つ武芸者の前に、才蔵は現れた。
（以下、イメージ映像でお送りします）
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i:::::::::::::::::::::::|::;;|::::: iiiiiiiiiiiiiiiiiii、 :::::,'iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii :::::|;;::|::::::::::::::::::::::::::|
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- 204 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:15:28.83 ID:Yah9WjXb0
- ちょｗｗｗｗｗｗ
- 205 ：1：2009/01/12(月) 23:15:55.03 ID:7kje2Jxj0
- __,,-‐__,,-∠!⌒jヽ､ __,,-‐__,,-∠!⌒jヽ､ __,,-‐__,,-∠!⌒jヽ､ へ-／ i_
r'二_i ''-ξ.O二!!ξ７/ r'二_i ''-ξ.O二!!ξ７/ r'二_i ''-ξ.O二!!ξ７/ / '='.ﾍ
|.| /'' ７^7''.!iEヨν'-/{ |.| /'' ７^7''.!iEヨν'-/{ |.| /'' ７^7''.!iEヨν'-/{ ､'^)) ='＞ ≡
|i| i!＝i (ai ,=='!.|__,,,|{､ヽ|i| i!＝i (ai ,=='!.|__,,,|{､|i| i!＝i (ai ,=='!.|__,,,|{､ヽ､_ ___,,=''^＼＼_ ≡≡＝＝-
|./__.フ＼_!i^!,-!八.__ﾍ _|./__.フ＼_!i^!,-!八.__ﾍ |./__.フ＼_!i^!,-!八.__ﾍ _ミj ＼ ,,,=^⌒e､ ≡≡＝＝-
ﾚ((r))''Y.(((ﾆ{＝={ﾆ00.))ﾚ((r))''Y.(((ﾆ{＝={ﾆ00.)ﾚ((r))''Y.(((ﾆ{＝={ﾆ00.))ｯ^ '-､_ <ゝe､ ,rっっっ､ ≡≡＝＝-
i.＼'<〃>く Y ^⌒^ _/ ヽi.＼'<〃>く Y ^⌒^ _/ ヽi.＼'<〃>く Y ^⌒^ _/ ヽ_ ＼ ＼ '＼r⌒)__ｦ⌒ ≡≡＝＝-
|＼> ヽ〃^>〆､__ !. |＼> ヽ〃^>〆､__ !. |＼> ヽ〃^>〆､__ !. ヽ＼ ＼ ﾊ ν⌒ ≡≡＝＝-
| i| i^'‐､,7r^⌒j主| i | i| i^'‐､,7r^⌒j主| i | i| i^'‐､,7r^⌒j主| i 'ヽ,_／ ヽヽ,__ ≡≡＝＝-
r'⌒o_Λ r'⌒o_Λ r'⌒o_Λ
/￣/ 宀辷 ヽ＞ /￣/ 宀辷 ヽ＞ /￣/ 宀辷 ヽ＞
/ /へ々缶〔卅〔〔=(二( / /へ々缶〔卅〔〔=(二( / /へ々缶〔卅〔〔=(二(
/＿/ ＼_乃 ゝ /＿/ ＼_乃 ゝ /＿/ ＼_乃 ゝ
/ / |〉」 / / / |〉」 / / / |〉」 /
/ヘ_,,..ー´ﾍ ヽ /ヘ_,,..ー´ﾍ ヽ /ヘ_,,..ー´ﾍ ヽ
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/ ~~（ （ ゝ‐| / ~~（ （ ゝ‐| / ~~（ （ ゝ‐|
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- 206 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:17:02.79 ID:dZ58ayO70
- なんか沢山いるんだけどｗ
- 207 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:17:19.76 ID:vkM0KI+20
- これは反則すぎるｗｗｗ
- 208 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:17:48.91 ID:Yah9WjXb0
- 未来のテクノロジーじゃねえかｗｗｗ
- 209 ：1：2009/01/12(月) 23:21:10.87 ID:7kje2Jxj0
- ‐‐──── ／￣￣￣￣￣￣￣￣￣`ヽ
‐‐‐─── ／ ' ヽ
‐‐────／ ' ヽ
‐‐‐─ くー────────--く ヽ
`ー────j───ヽ ヽ 〉 ,ｨ
‐‐‐─── }ｰ'':::::､_:::::ヽ ヽ //^,ﾍ'"⌒`､／/
/::::::::::::,へ、::ヽ ヽ / （.(/ ）/
/し､r／ ヽ､_ヽ__ヽ_,,/ ./ゝ,ﾞｿﾉヽ、 ﾚ'ﾄ、
‐‐‐─── （ ゝ／ ／/::::::::::::'::::::/ 入ゝヽ､(ﾝっr'ﾄ}
‐‐‐‐─── /` ,イ" /::::::::::/＼ノ ゞｰ-）亠ｿﾉﾉへr-ー ､_
‐‐─── ／ ,r'/~⌒ﾞ:::::ー〈 ＼_ `ーにｺ'~/| | r'⌒,､ヾﾞフ
／ r' ,)|ミ|:::､＿／＼ `ｰ､_,ノ`>"H | | ﾞ _,/ﾉ r'
／ ､ｧ'⌒:::ゞ､ゝ::::::::::::::::::/ `>--r/l | | ﾉ
／ , ,ヘへ／`>::::::ゞ､ゝ::::::::::ノ::::` ､,ヘ、_/ / ﾄ､__`ー─--r'
ノ ∠二ニ=､ン"ﾞ／>:::::::::::::ゞﾝ､".:::::_ノ /`ｰ､/ {:::::::::￣ｆ`ー‐'
／ ` У::::::::::::::::ヽ<／::::,r‐'":::::::ヘ ﾝ"ｰ､＿/ 7 __ ｔ:::: /
／ ／─....::::::::::::::::<:::::／:::::／::::::::::::rｰ､`ｰ､_ ￣ﾌﾉ⌒ ﾌ'⌒Y
‐‐─ ／───......:::::::::::＼::::::/:::::::::::::::/.:::（てﾛ`r'⌒ﾞ!⌒! ノ｡ﾞゝ ン
‐‐‐───............:.:.:.:.:.:.:.:,r-'" >::::::::::::::::ｲ:::::::::Y_`ｰl|ﾞ､ ﾞ!,.r-' |
‐‐‐────......:.::_ノ ゝ、::::::;イ::::::::::/ `コ､lﾆ､_,r～ー---‐'
‐‐──........:.:./ ,r`‐'ｨ_,.-'''"￣ r､ヽ、
‐‐‐──.......,r-'" /￣..............:.:.:.:.:.:.:.:.: ｲ ヽ ヽ
‐‐‐─ r-ｰ'" ‐‐‐‐‐─.......:.:.:.:.:.:.::ノ ） ）
‐‐─ ''" ‐‐‐───────.......:.:.:ゝｰ'' ノ
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‐‐‐───────.....:.:.:.:ノ
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‐‐‐‐‐────── -一'"
- 210 ：1：2009/01/12(月) 23:22:05.17 ID:7kje2Jxj0
- 才蔵は、いつもの合戦の時と同じく、笹の指物を背中に指し、鎧具足に身を固め、
更に配下の者20名(10名とも)に槍鉄砲を構えさせた上で、約束の場所へ現れ、
唖然とする武芸者に対し、こう言い放った。
.:::::::::::::::::::::::::::|丐|::ﾄ､::`０／￣＼
.::::::::::_,､::～''."',"'':`'幺};;::::| さ |
:-':'^,｀' , _,;､_､;､,､,､彳,' ´'| あ .｜
,_;_',;､,,､ｰ''ﾆ=-､_, ､__＞､;.! ！ |
::::|ﾆ|| ( '' 〕` ' /(._'_,) || |
::::|ﾆ||'::'' ￣:: ´ |`ー .. . !|＼＿／
／￣￣＼.:.:.;:;' __`! '' :;: !|ィ
| 立 存.├一-- 二´ ィ '〃 |ヾ,
| ち 分 |ヽ'⌒ニニT/ 〃 V '＾z
| 合 に |‐-｀ニ二´...∠⌒ ｲ ´z <
| お. | ｰ＞､￣乙-‐／ノ、` ;
| う ｜;^'z, ＼ー''_r'`’、 、`
| ！ |
＼＿__／
- 211 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:22:12.74 ID:Yah9WjXb0
- ボッコボコですねｗｗｗ
- 212 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:23:20.27 ID:vkM0KI+20
- 白々しいｗｗｗ
- 213 ：1：2009/01/12(月) 23:23:48.42 ID:7kje2Jxj0
- 我に返った武芸者は、才蔵に対し、
「これは一対一の立ち合いであり、そのように衆を率い、鎧具足に身を纏い、
槍鉄砲などを構えて押し寄せるのは到底尋常な立ち合いではない」と抗議した。
_,,く!7＞-- ､
,, -ｰ'’ r‐ ､ `ｰ-､, ＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿ ／ ,ィ´ l ヽ、 ヽ. ／ ＼
／ ＼ / ／ ノ ト L ー､ l / 合 具 誰 │
| わ ま | } !-‐ l rｪｪ┐ 厂 」 j{ | 戦 足 が |
| か と | ﾑ { ￤ 勺lレ l } 仏 | .な ま .|
| る .も .│ {ﾐ 厂￣￣￣￣￣￣￣`「 」ﾘ | ん で 槍 |
| だ な | ｰr┴┬r==くで弋.rー､ー┼ァjﾄ､ | て 持 .鉄 │
| ろ 常 .| 〉rミj { fi} j ヽ { {ij } ｲ/ｿj! １ │ 言 ち .砲 !
| 、 識 .| ,/ 〉ｰ| ニ彡 」、 ミニ トイ } ﾄ､ .| っ 出 .に |
| 常 で .| ／/7{. ﾊ ＿ヽ'__ -､ /jミﾐ/ ト} │ た し |
| 識. | ／ 〈/ j!彡 ＼〈r仁ﾆ二ﾌﾑ /´ / ∧ ＼ │ よ て |
| で .| ／ { ヾ､ﾉj ヽ｀ー―-ｨ彡′ ／ / ヽ ヽ, | ！？ .の ／
| ！ | / l ト､ ヽ、 ヾーrｰ┘ ノ ／ ／ l ＼＿ ＿＿＿_／
＼＿＿＿＿_ / / ＼ | r‐ｭ 〉-､ ｀¨ﾆ ＿＿,, -′／ヽ / -一 ! )ﾉ
ヽ( | ＼」 j / r､} ,へ ー/ﾙ〉ー┬´ヽ, | / , -‐￢ l
| ／ﾉ └‐' ノ /ﾊ」l {￣ ｰ┐ ヽ ／ rー┐| |
l 〈 │ { / f二 -┐⌒┘二ｺ ハ r―┐ | |
l ∨ ノ￢jく二 {＿ へ jト､ | ∧
ﾉ/￣￣∧ ／ | ＼ ＼ -一ヽ、 〃 l / |
/ / { ゝ、 ／ ヽ l /＼ ＼ }ｰ‐ '´ /| / l
／ ∧ ∧ ｀ }′ / ＼＼ { ／ │ / !
立ち合いを挑んだ武芸者
- 214 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:24:19.92 ID:Yah9WjXb0
- まあそうだよなぁｗｗｗ
- 215 ：1：2009/01/12(月) 23:25:16.01 ID:7kje2Jxj0
- これに対し、才蔵はこう言い放った。
/ , .::::::/ .::/;;' ,r'‐' ´/:::｀::::ヽ..､ / '' /￣｀ヽ
y' .:::::/ .:,;;;'''; .:l, ／::: :: : : ＼::' ﾞ'';;, | き l
/ / /;'';'' ::,ﾚケ＝‐-､- = ﾆ::::_＼ ﾞ';,, l .|
ｿ ' / ,;;'' ,,,.-‐'' i´ ｡ l ';,, ,;i'"＼ ﾞ';; ,!, み .l
/,,r''´i;;l.l'';;,;;;'ヽ....＿_ノ ,,' l| ﾟ ＼ ´ヽ /
ｊ/::::::::|:::||''';;;;;;;;;;ヽ ,, ,, ;;;,, '' :::::!;;`ｰ-,,';;;;＼ | ー'
＼::::::|ﾆ||'';;',, '';,''' ,, ,,;''' ,, '' ''i'' '''j::::::::ヽ|
,,-‐―‐-､ｨ :::|ﾆ|| '''';;,'';;,,,,,;;;;;''; ; _ ﾉ ,,; i::::::::: ｿ
/ ┐i 'ｯ,,l.l ;'';,';,'' '' ;, ｾ´､/ｼ' ''/:::::／,"',,,
後 と ま |'' ;; "';,､;;; '' ';, , "'',, '' 〃／ ヽ "'''';;,,
で い と | ,;;';;;''''';;,,'' -=ﾆニニニﾆﾆ..‐. y/ ' "'',, l..:::::.....;,''
楽 う も | '' ''' ,,, ''';;'';;;,;,,､ ､ ／/i ' , _ "; ＼::::,;;''
. し で | ,,;;;'';;''" ,, ";;;;'';;;;;`i ,, '',, ／／::::l ' `'i ｀'''‐-ゝ,,_
め .贅 い .|,;;;'''' "'';;,, ;;'';;l､ﾆ≡イ'':..:::.::ﾉ ` ';; i -....___ /
沢 る | ,, ,, ,, "'',, ;;";┴ﾋ'7:::..::／ '' i | //
＼ は└ ／
曰く、
「拙者にとって立ち合いとは合戦の事である。
貴殿が何を以って立ち合いと称するかは知らぬが、
拙者は拙者の作法で立ち合いに応ずるのみである」
- 216 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:25:35.46 ID:HXz+9VQx0
- ですよね～
- 217 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:25:58.97 ID:Yah9WjXb0
- う～ん・・・ｗｗｗｗｗ
- 218 ：1：2009/01/12(月) 23:27:09.21 ID:7kje2Jxj0
- | ＿_ ` ､ ＼ / 厶. | │ ﾄ､
ヽ. ∧ ￣ ー ､ ヾ ヽ / ／〃r‐＼ l | 〃 | ＼
:::∨::| ﾊ > ＼ ヽ //|:::::::i!::t虎|::::＼ ｌ i ∨ | 「＼
:::::::::::∨/ ノ ＼ ＼ ∨/::{.￣`ー―――＼ ＼ | | ヽ まあ、いい。
:／久:::（ ＼( ＼ /∧:ﾉトi__ ......,,,. ＼ ﾄ､ ∧ i / | ＼ では、教育してやろう。
ヾ:::ヽ ゝ- ＿ /∧:::| {| T｀ぅ､―一_=-rｧｰi＼ / } ﾊﾚ ｌ ﾄ､ 本当の「立ち合い」というものを。
／ ／ゝ::::| ゞ ヾ `ｰゝ_:::::ゝ| ｰイ） てゝ ー ´ Ｅl＼〈〃/ /ｲ ／ | 丶
{ ゝ￢}::::l 彡 ヾ､ _￣ヽ∧ 「＿ 上|＿}| /／ ／ / |
彡ゞw ﾐ ヾﾒ 彡 ゞ" `ミ::{ﾉﾐﾊ ヽ＞ __厶ｬ-､ ヽ| ／ / ﾍ |
/:::ﾐ 彡ヾヾヽ ヾ仆＼ ＿＿＿√＼ ＼iﾚ ∨ / ノ ／ ∧ l
三ミﾐ /:::彡㌧、 彡从 ヽ ㌧ミ-＼￣.フ´ ＼ ＼ ` ヽー―イ ／ ´￣ ＼|
ｰ､ 二 ゞ彡 ミﾐ､＿_ _ ヾx､ `=ゞ〈_ ゝ､ ` ` 、 } ／ l
彡 三= 豸 彡 -=从 {::〈 ぶ､ ヽ ヾ､_ ゞ=､ ＼ ヽ ､ヽ i L∠ ＿＿＿ │
彡==-彡 彡彳〈从ﾐﾐ ゞﾊ 豸^＼ 〉:::::＞ ＼ . : .:.:.:|ミﾄ､ー＜＿_ ヽ l
￣ﾌ:::::√ 彡==-ｧ,, ,,,,､ `, ｰ巡"´ ヽ＼ . : . :.:.:.} : {＼ 二ゝ- |
ゞ::::::ー 彡戈`ー‐ミヽ￣''''' "ヽ ﾐ､ ヽ `､ . : .:.:.:.:/ :. 人 ＼ 下､ |
彡彡 二￣''''''心ミゞ ゞﾒﾞﾞ` ミ ヽ ヽ .:.:.:ノ /:::::::＼＼ ﾄ､ ヽ |
ノ 豕彡彡彡彡ヾ::::ﾊﾉﾉ =三ヾ ＿ ﾏ = /:::::ノ|:::::＼ﾄ､ | ヽ |
／／ノ 彡彡 ￣￣彡―--二 ―- ､ `^（ ` __- ＿ ﾍ＿_,ノ::ノ /r､::::::::| ＼ | |
／／ノ/ |"ノ 彡二二ニﾆ二__ 冫 ＼ `´ーヽ ￣,丿 ＼::.... リ ヽ::::| ＼ ＼
／ 〃/ ｷ ￣￣ ／| ＿ X 冫 ｀､ ｝ j 〃ヾ. ＼:::::... |:::::l ＼ > |
／〃／"""〃豸 〃 T￣ ／ヽ／ ー ﾆ ﾚ ／ﾇ ＼::::......ヽ::ヽ 厶 │
／／／/／ ﾑ 〃 | ／ ／L / / " ｿ.::厶 ＼::... ノｰ､ / ＼ |
ノ／ ｛｛ ／ 丿〃／ﾚ| ／ ::/「アN=yvｰ^ｰｬ /ヽ ヽ ＼:::::::::::::ﾄ（ ＼
厶/ ヽいゞ ﾑi, `ー- | ::/_∨:.......:::::::Y／:i:ﾊ ￣ヽ::＼
ゞｰ ＼ 彡 "`ﾞﾞー | ::/ ﾚヽﾊNヽﾍ/:::::∧ ＼::＼
彡ﾐ │ ::/ミ=n二ﾆ=ゞイ::::/ ＼:::＼/
彡_ | .::/ ゞ/ ＼
この後、この「立ち合い」がどうなったかは定かではない。
- 219 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:28:02.48 ID:Yah9WjXb0
- コレは酷いｗｗｗ
- 221 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:29:34.71 ID:HXz+9VQx0
- 才蔵だから しかたがない
- 220 ：1：2009/01/12(月) 23:29:33.25 ID:7kje2Jxj0
- __ ､_
ｘｻ＝=- 、 _,ｚ≠ﾞ⌒ヾﾊ｀ヽ
非￣｀ヾ、 Y7´ -‐ ｊ } ﾄ､ まあ、才蔵の逸話では有名な話なんだけど、
ｊｦ二厶小=ん＾)ｚ、 ≠ ﾅ これが本当かどうかは分からないのよねー。
≠´ ｀ヾく-‐ ＜ でも、この逸話で重要なところは、
/ , , 、､ 、 ヽハヽ 、{
. l{〃/〃 ｊl } } } ! !l ! ｌ `个=- 、 「立ち合い（というか戦い）の認識が、
. 八{ {｛{ 八 ﾊ ﾉﾉﾉ 川 斗=＝ -=｝ ”戦働きの武士”と”武芸者”で異なる」
. ／ 人ゝ乂ゝ ヽ.{ノ≧､ノﾉﾑ=､-‐ ミﾒ
{´／ノ ｆ心 !ｊｲ} ....... 乂ﾊ 辷彡ｆ=ﾆ三ミｲ という点なのー。
＼ん ﾊ{ミ込、 cっ ﾟ人=彡}≦こメ
ヽ._メる}=ｚ≧=ｧ １W (≠くY三ﾐ} つまり、何でもありの戦場を
ヽﾘア´ｘ＝くｧｧク=＝こﾉﾊ辷ｦ 生き抜いてきた武士にとって、武芸者の言う
｀{ ヾ＝≠く__ ノﾉ ､_ﾉり′ 「一対一の尋常な立ち合い」というのは、
〉´ /´~7⌒ヽ （ 〉
{ ／{! ｊし、 i}-( '⌒{ 「実際の戦場では意味のない
/ﾍ ヾく∥ ７ﾞ ﾉ｀ヽ }. ”芸者”の戯れ事」
｛ ハ、 Yﾊ_〃 // ハ
/＾'ーﾃﾃｧﾞ ~ﾞ≠=-‐ ′ ', と捉えられていたのでは、ということなのー。
/ //〃 /ハ }
- 222 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:30:01.64 ID:Yah9WjXb0
- なるほどなー
- 223 ：1：2009/01/12(月) 23:30:31.72 ID:7kje2Jxj0
- _＿_
{l:.:.... :￣:ｌ}^^'ヽ、 ,ｨ= ､_ 特に、これをやったのが、
. {l:.: :.:ｌ}:.:､:.:.:.:.ヽ_〃 ／.:｀^冖=.､、 可児才蔵だと言うのが重要なのー。
〃 ..:〃-:-`‐:.:.:{|:.Y__:_:_:_:_:_:.:.:.:〃
,.ィl :.ｌ} , ｨｱ´丁ﾌヽしヽ丁ｽ:.:.:.:.ｌ} 宝蔵院流の槍を修めた人間ですら、
ア ￣｀`┴／ ヽヽｊ｝ 「立ち合い」に際し、こういう態度を取った、
:,:フ:.:‐.､ :.〃/ / ヽ> というのは、戦場働きの武士から見て、
.:/ヽ'' /: / / ヽ
..:.:.ｌ:l.:.: l:.: : / /: i ', 「武芸者、及び、武芸というものは、
､:.:.:.:.:.:|:l:.:.:..!ｌ.: :.: !l ｌ.|.: : l | その程度の扱いのものであった」
:.:＼:.:.:ｌ:l:.:.:.:l !.:__:._:_l_l_l_レ .:| / :/.:.!|
:.:.:.:.:Y_ヽヽ､ヽヽﾄ､Ｎ ｌ:ｌ l:.:.:/:/､〃:.:/:.:/ﾘ というところだったのではないか、と思うのよ。
ニ._-}二二ア ｃ＝=ュ` ∨_/∠7／イ、 要するに、やってたら便利だけど、
‐-:.:.:_Y二ｱ､ " " " '////ヽｰァ:.:.＼ . 戦働きに大きく影響するものではない、と。
三-_ て＼_丶、 ‐-_ヽ!｣｣ﾉ_ l､￣:.＞′ （「戦闘は火力！」「数は力だ！」とでも言うか）
' ヽヽ/T二´:..｀Y|ヽｭ lヾく
:.:... :. l.;.:.. ./ /Llノﾌ´ヽ,く |ヽ ヾｭ!. ヾｭ そして、当時は戦場働きの武士の方が
へ/:.:` ＜/_/|ノｭ } ,l :.:ヽ､:ヾｭｌ} 圧倒的に多かったことを考えると、
､/:. .: ／｀ヽヽヽﾉ l l :.:.:.:.:.:ヽ／ これが当時の武士から見た武芸者、
,:ヽ､:.:.......;.-/ .ヽヽﾄ:.:.l .:.:.:/ 及び武芸に対する評価ではないのか、
:.:.:.:.:ヽ:.:// ..:.:.:.:.:.|::|:ｌ}､:.:.:.:.:.:.:/ 推測することもできると思うのー。
:.:.:.〈:.: ..:.:.:.:.:|::|:|}、｀` ｰ′
- 224 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:31:24.41 ID:Yah9WjXb0
- むしろ相手の想像力が欠如してたと責めるべきなのね～
- 225 ：1：2009/01/12(月) 23:31:28.61 ID:7kje2Jxj0
- , -― ､_ , -―-､＿ __
} ＿＿{ﾑ-- ､ ｝ -ヽ
/´_, ｲ__〕‐- 、 }＿_/ ｀ /ｰ､ つまり、当時の武芸、及び武芸者は、
ﾉｲ , ヽ:::ﾄ､＼ / ´ 入 前述の疋田豊五郎の立ち合いの逸話も
/ l| | l__ ヽ Vﾊ ヽﾉ , ´ く、 踏まえて考えても、一般の武士から、
{| ｌ| l ´l | j／/ / ノ 〔
'.l ｬl! l lﾑZトj / ／ { /､ ｿ 「実際の戦場では然程役に立たぬ芸事」
/ﾊ丶ｿ ゝ丿 /イ ／ ∟ﾍ） 「そのような芸事に現を抜かす芸者ばら」
{ノj , -―-､ xx { / ／ , -_―ノ
〈f/,二.ヽ ', ィｲ_, イ{ / ＿_ と思われていたんじゃないか、と思うのよ。
{ ｌ r j ! |, -､ {!_ﾉ ｀Y´ (尤も、先にも述べた通り、武士と武芸者の境界線は
ヽ.二ノ.ノ!l | Y ＼ 極めて曖昧なので、一概には言えないのですが）
ｒ７l￣ イ|| | ｛ /
j }| ｲ_ | lT´ l V , ' 〈、 …まあ、この件については、
! /ｒ┴ﾍ l | {} | 、 , /| 単に才蔵が大人気なかっただけ、
fﾚ'｛ V {} ヽ ｲ } ﾊ という可能性もあるんだけどね。
| └ｔ._ /´｀' ーイ ! | ﾍ
＼_／l/ / ﾍ
- 227 ：1：2009/01/12(月) 23:32:33.24 ID:7kje2Jxj0
- /｀ヽ､
/_ ＼
､-‐'´/ ｀`丶､ ヽ_r┐ で、こうなると、
ﾉ^ｰ＜〉 Ｌ＿＿＿_｀ヽ))ｰ'-､ ここで一つの疑問が発生するの。
ヽ＼ ∠_＿／ ／／ ,｀`ﾊヽ ＼ それは、
ハ ヽハ// // ／/／///ハ ヽ ＼
く ＼､ } |{ l|l,{∠メL//' 〃/ハ. ! }／ では何故、その程度の扱いだった武芸が、
人ヽ 〉' 亡>j〈;;'ｿ〉/ /'ノ//// } } ハ 武士の修めるべき道、即ち、
＼)八),ト､〉 ´ ´ノ_ﾉ乂〃ハノ' r-ゝ 「武道」とまで呼ばれるようになったのか？
､ノ（{ﾉ c ' 〈;;ソﾙノ ﾉ､ L,/
r ''',ニ=､'′ヽ､__ _,.ｒく{ _∠__ } } ということなのねー。
.r┴/ ヽ>'⌒ヽノ/ ￣ヽＮ}入ﾆ＜（乙、 更に云えば、
ﾄ､_{ ｀'{ ,. -┴v { ヽて｀ヽ} ￣
〈ヽ ＞'" l | ノ ／ .〉 武芸の中でも、
V〈 l ! く 特に戦場では役立たずのはずの剣術が、
} ヽ | |／／ // 実際に多用された弓馬槍の術すら越えて
ﾉ ヽ ト､ { {=､、 「武士の表芸」とまで呼ばれるようになったのか？
} ヽ |!{ ヽ |ﾄ､}}
_ハ ＼ >、 / ヽ、 こういう疑問が、改めて出てくるのよー。
／/ ヽ＞'" ヽ、 ／l| ヽ＼
- 229 ：1：2009/01/12(月) 23:33:28.66 ID:7kje2Jxj0
- /.:.:.:.:::::::::::::::::::::＼_／::::::::::::::::::::.:.:.ヽ
〉.:.:.:.:, イ￣＼.:.::::::::.:.:／￣＼.:.:.:.:.〈
. / | 丁イ /,ィ´￣`ー一'´￣｀ヽ"＼厂
/ /| ／/ / /"´ ! ! ! ! ＼＼ /uiu､ つまり、どこかで、誰かが、この価値観、
. / // ./| / / / | ! | ! ! ! ヽ! | | 即ち「剣術は武士が修めるべき道である」と説き、
/ // |/// / | l| j! ! !: | ｀ﾄ､ ヽ / 意図的に、その定着を図らない限り、
./ // ,ｲ// l i」, -‐ﾄ､ /Nｰ- /､ |:.l| | ＼ | | これは自然に起こるようなものではないのでは？
| //_／￣ | |/ゝ'､ ,ｲ/ ＼| ｀"´ |／｀`l/:/ / /￣｀ ＼ | | というのが、>>1の推測なのー。
, ﾍ〈_ﾄ､. |/l/ﾊ ゝ‐'｀,r=＝' . '＝=ｭ l/イ_/_ ＿ __ ,.ィ^Y⌒)
. 〈 , ィ7:7ゝ､, -‐_丿::L , , , , r──┐ , , , , /::::::.::7::.:_／::::ヽ Yソ では、誰が、いつ、どうやって、
6〉7/:/ ＼_〔三二ﾆヽ |.:.:.:.:.:.:.:| !二三〕'´ ｀ヾ::| !} この変換を行ったのか…、
{j |::| ＼〔二ﾆ〕 ヽ.:.:.:.:ノ ,ｲﾆ二〕 |::| |} その辺について語るのが、
. {j |::| ｀Z7二ﾆヽ､＿,r ﾆﾆ二7Z弐7. !::! !} 次回、第二部のテーマなんだって！
,{j |::| |厂￣＼只／￣￣了 |::| !}
fj」::| || ,ｲXﾄ､ || |::| 」} というところで、外伝はおしまいなのー。
￣｀ｰ- ､ ＼_／/ ⌒ヽ＼_ ／ , -‐'´￣ 次からは、一族の支柱たる石舟斎亡き後、
￣ ＼. |.:| |:.| ／ ￣ 宗矩が、兵庫助が、そして柳生一族が、
〉 |::| |::| 〈 どのように動いていったかの話を
/ |」 |」 ', やっと再会できるのよー！
/ , --一(´￣￣｀)ー-- 、 ',
. /＿∠＿ ￣￣ _ ヽ..ハ よろしくなのー！
-─メｼﾝﾐﾐﾗゝ;:;:;:;;;ヽ ＿＿人 ＿＿ ノ;:;:;:;）ﾐﾐﾐﾒﾒﾊ､─-
(ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ;ﾞ)三ヽヾ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:／ﾐｿｿｼｿｿﾐﾐ､
- 230 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:33:55.25 ID:Yah9WjXb0
- それは楽しみですなー
- 231 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:34:02.06 ID:ccNgK9ry0
- 秀吉なんかは武芸嫌いなんだよな。そんなものは一兵がするようなこと云々。
- 235 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:36:16.02 ID:a9zG607r0
- >>231
体格が貧弱だからね、秀吉は。
多少修行したところでどうにもならない。
それに対して家康はおそらく、歴代の戦国武将の仲でもトップクラスの個人的戦闘力を持っていたと思われる。
- 232 ：1：2009/01/12(月) 23:34:31.04 ID:7kje2Jxj0
- .＿
＼ヽ, ,、
`''|/ﾉ
.|
＿ |
＼｀ヽ、|
＼, V
`L,,_
|ヽ､) ,､
/ ヽYﾉ
/ r''ヽ、.|
| `ｰ-ヽ|ヮ
| `|
|. |
ヽ、 |
ヽ , -┴ ､
,. -‐`-く. -― く＿
ゝ／/ ! ヽ ● ヽ ｀ヽ
／/ ● ｒ‐‐っ :::: ', ﾉ
/ { ::::: ij´￣ } ',
l_ ７ ､ ﾉ-‐'
| ゝ--ゝ ／
７{{＞＜}}ヽ
</ /|!|!､ ヽ〉
ゝf´ ｀7´ ┼ヽ -|r‐､. ﾚ |
ヽ_{￣}_ﾉ ｄ⌒) ./| _ﾉ __ﾉ
【やる夫で学ぶ柳生一族 外伝「新陰流の剣士たち」】 完
- 233 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:35:00.22 ID:Yah9WjXb0
- 乙でした
雛がラリっとるｗｗｗｗｗ
- 234 ：1：2009/01/12(月) 23:35:47.50 ID:7kje2Jxj0
- 【今回の新規登場キャラ】
奥山明神 ：ヘーベルハウス（ヘーベルハウス）
奥平貞昌 ：Ｊ・Ｐ・ポルナレフ（ジョジョの奇妙な冒険）
有馬大膳貞時 ：チャカ・カーン（ジョジョの奇妙な冒険）
小笠原長治 ：ヴィネガー・ドッピオ（ジョジョの奇妙な冒険）
小笠原源信斎 ：ディアボロ/キング・クリムゾン（ジョジョの奇妙な冒険）
張良の子孫 ：エンヤ婆（ジョジョの奇妙な冒険）
神谷丈左衛門 ：ブローノ・ブチャラティ（ジョジョの奇妙な冒険）
針ヶ谷夕雲 ：ジョルノ・ジョバァーナ（ジョジョの奇妙な冒険）
大栗春軒 ：リンク（ゼルダの伝説）
成田大膳大夫盛忠 .：カービィ（星のカービィ）
穴沢盛秀（浄見） .：南城二（宇宙の騎士テッカマン）
広沢池の魚 .：タンノくん（南国少年パプワくん）
春日明神の神人 .：竜王（ドラゴンクエスト）
菊岡宗政 .：ワイルドガンマンの相手（ワイルドガンマン）
宝蔵院禅栄房胤舜 ：蒼月潮（うしおととら）
奥蔵院 .：とら（うしおととら）
可児才蔵吉長 .：新城直衛（皇国の守護者）
才蔵に挑んだ武芸者.：漆原少尉（皇国の守護者）
福島正則 .：ランバ・ラル（機動戦士ガンダム）
解説役 .：雛苺（ローゼンメイデン）
- 239 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:39:44.13 ID:revXAkE/0
- お疲れ様でした～
ついに>>1さん解釈が前面に出てきて、オラワクワクしてきたぞｗ
- 90 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 21:53:13.23 ID:upSy4CZ60
- 今回初見なんだけど物凄く物凄くマイナーな長岡桃嶺ってやってたりするのかな。
江戸後期においても新陰流が決して時代遅れの剣術じゃなかったって面もできたらやってほしかったり…。
- 246 ：1：2009/01/12(月) 23:53:06.54 ID:7kje2Jxj0
- どもども、ご支援、ありがとうございました>ALL
これにて今回の外伝は終了でアリマス。
なんか柳生と比べて資料少ないし、結構わからんとこ多いし、
なにより書いてるうちにあれもこれもとやってて、
きりがないって意味で難儀でありました。
本編書くより手間取ったです喃。
てなわけで、次からは本編「その12」でアリマス。
皆さんお待ちかねの最メジャー柳生登場であり、
そして当方が望んだ宗矩くんのターンでもアリマス。
ここからを書くために、今までやってきたようなもんですし喃。
あと、キャラがやたら増えたので、
あとで今まで出たキャラの一覧表を避難所あたりに挙げておこうかと。
これもいずれ整理し直す方がいいかもで砂。
>>57（上泉秀綱すら小笠原源信斎長治に勝てない？）
まあ、直接やりあってないからなんともで砂。
>>90
長岡先生の話は、もっと後になるかもと。
当方は剣術をやってるわけではないので、ちゃんとした話は出来ないかもですが、
試合勢法の制定とか、その辺も含めて、「厳包以降の柳生」の話はしたいなあと。
>>239
当方の解釈は所詮素人の一解釈なんで、
「そういう見方もあるかもね」程度に読んで頂ければ頂上ー。
むしろ、ずっと詳しい人が出てきてフルボッコにされるかもと思うとｶﾞｸﾌﾞﾙでありつつ、
更に色々知ることができるかも、という意味では楽しみでもあったり。
- 248 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:59:16.70 ID:ccNgK9ry0
- >>246
長岡先生知ってるなんて新陰関係者としか思えないｗｗ
試合制法だの制剛流の流れなんかも書いてくれたら物凄く俺しいんだぜｗ
- 240 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:39:49.50 ID:HXz+9VQx0
- 乙でした
言われてみれば 柳生以前の武芸者はエグイのが多いですよね
- 241 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:39:55.62 ID:wT5B/u+f0
- あと、幕末の京都は室内の立ち会いが多かったから、
暗殺技術として使えたってことも理由なのかな？
- 243 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:43:03.73 ID:ccNgK9ry0
- >>240
実際戦国期の剣術ってえぐい技が多いんだよな。
新陰でも一体多はもちろん脇差投げたり腕の肉をえぐる技とか現代剣道じゃ考えられんことばっかだったり。
- 244 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:46:54.42 ID:ccNgK9ry0
- >>241
幕末はおおざっぱに言えば剣術ブーム的な風潮があったと思う。
幕末に生まれた剣術と戦国期の剣術は結構似て非なるもの。
- 245 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:51:12.60 ID:a9zG607r0
- >>244
幕末と言うか、千葉道場だよな。
千葉道場は、それまでの剣術に多大に存在した呪術性と精神性を極力排除し、
合理主義と理性の技術体系に仕立て上げた。
- 247 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/12(月) 23:57:22.60 ID:ccNgK9ry0
- >>245
合理主義って言うかはえらく単純にしたってほうが正しいかも。
最近の古武術ブームにも見られるけど、新陰流なんてのはめちゃくちゃ合理的。
新陰流が大学教養課程微積分だとすると、北辰は高校微積分。
新陰でいう「水に浮かぶ月のように…」と表してるような分かり難いのはやめようぜ。
って言ってそーいうのを無くしちゃったのが北辰だと思う。
- 249 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/13(火) 00:04:17.35 ID:Wk6aBlSpP
- >>245
> 幕末と言うか、千葉道場だよな。
> 千葉道場は、それまでの剣術に多大に存在した呪術性と精神性を極力排除し、
> 合理主義と理性の技術体系に仕立て上げた。
ただし合理的に成り過ぎたが故に、抜刀の型を習わずとも免許が貰えたらしく
いざ目の前に敵が現れると、手前で親指を切ってしまい戦うどころでは無くなる奴が続出で
他流派の使い手から笑われる始末
- 250 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/13(火) 00:12:01.51 ID:a2KVjcgn0
- >>249
抜刀をやらなくてもいいのは神道無念流もじゃなかったっけ？
あそこは抜刀型が一応あるにはあるけどやってない人が殆どだったはず。
- 251 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/13(火) 00:22:49.32 ID:Wk6aBlSpP
- >>250
抜刀をやってなくとも神道無念流はそれなりの年数修行するからねえ
数ある流派の中でも北辰一刀流は最短で免許取れるから人気に火がついただけで
「型さえ覚えたら、猿でも免許が取れる」とは坂本竜馬の言葉
- 252 ：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/01/13(火) 00:27:08.46 ID:a2KVjcgn0
- >>251
確かに北辰はお手軽剣術スクールなイメージあるよね。
「剣術」をよくも悪くも形式化し過ぎちゃったような感じ。
続きはこちら
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