- 201 :1:2009/09/13(日) 01:29:05 ID:j0K7Hjwg
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) さて、オオナムヂはヤガミヒメと結ばれたわけだが
| (__人__)
. | ノ これは兄である八十神の怒りを買うこととなった
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
【検討中】 __
/ ../)
三三)/)
__ 三三)/ __
/ ../) こうだったハズニダ♪ / ../)
三三)/) ∧_,,∧ ∧_,,∧ 三三)/) 八十神たちは一計を案じた
三三)/ < `∀´> <`∀´ ;> 三三)/ 許せないニダ!
∧_,,∧ と φ) (つ φ) ∧_,,∧ __ 伯岐国(鳥取県西部)手間山のふもとに
< #i!`Д>/⌒/⌒/ ̄/⌒/⌒/ ̄<田´#> / ../)
/ _∧_,,∧口 ∧_,,∧ ⌒ φと_ ヽ 三三)/) . オオナムヂを呼び出して罠に陥れようとした
(/< `>口 < #>φ/⌒//(__ム 三三)/)
∥ ̄(l ノ  ̄( ノ ̄ ̄ ̄|| 三三)/
__`ー‐' `ー‐' ウリらは、こうだったに違いないニダ!
/ ../) __
三三)/) / ../) 〃∩ ∧_∧ウェーハハハ♪
三三)/) 三三)/) ⊂⌒< `∀´>
三三)/ 三三)/ `ヽ_っ⌒/⌒c
キョッキョッ♪ キョッキョッ♪
∧_∧ ∧_∧
< "`∀´><`∀´"> この山には赤いイノシシがいるニダ
( >< )
し―-->.<-―-J ウリたちが一斉に追い下ろすから
ウェーハハハ♪ ウェーハハハ♪ オオナムヂは待ち受けてそれを捕えるニダ
∧_∧ ∧_∧
< "`∀´> < "`∀´>
( ) ( )
し―-J し―-J
- 202 :1:2009/09/13(日) 01:30:06 ID:j0K7Hjwg
- ___
( ヽ
ヾノ .ヽ
ヾノ ヽ
ヾノ
ヘ:::::...;...::: ゴゴゴゴ・・・ ヽ
∧/⌒ヽ:...... .:: + ヾノ .ヽ.
/:/___ヽ^へ.........:::::: ,。;゚ ヾノ
::::::/i/ ̄ヽ::.;;'')ヽ'''''~::::::: :
:::___:⌒ヽ⌒) ̄ヽ .⌒::::::::::::::/|::::::;/| オオナムヂが山麓で待ち構えていた所に
;; ;;;;;:::::/::: ヽ::.;;'')ヽ::::::::::::::;::::::::::/:. :::|: ,'⌒ヽ
;;;; ;;;; ;;:⌒ヾ:::: /,);;;;)::::::::::::::: ヽ..:. :::: | (⌒ ) クッ・・・。. 八十神たちは猪に似た大石を火で焼いて転がし落とした
;;;''',;::..; ;;::..:.: i/ ヾ;; ::::::ヽ:::::;;;;;ヾ:::::::::::::::........:/ )
;; i;__ ,,; ,;,;,,⌒ヾ,;;;''~`;;,, :::::) :::)^;:::::::::::::::::::::::::/ /| オオナムヂはそれを捕えようと岩に飛びつき、焼死してしまった
;;//~~;;,,,,,,;;;,,,''''''~'~~`;;''、''';::.;;'' ヽ:::::::::::::::::::::::i_ノ /し
// ;;''^ '';;;;,,,,;, ;;;; ,,;;;'''~'''^`'、 ::::::::::::::::::::::: (_/
,,,;'''~ ,.,,, /;, ' ,,,;,,''~'''^`'、,,,;;;;`''、''';;:::::::::::
;;,, ヾ__ / ,,'',, i/_,,,;;;;i;;/;;; ;;,, ::::::::::::::::::::::::
' '~,,;;''// ;;'';,,, //_'';,,;;;//;;; ;;; , ⌒ヾ::::::::::::::::::::;
,//';;,ヽ''''' '//';;;,,;;;//; ;;;;;;  ̄ヽ::.;;''):::::::::::::::::::::::::::
/: : /::/ \〉:.:\
/: : /::// / \\: : ',
,': :,' : : レ' / / : :,イ : :ヽ.: : ヽヽ ハ. サシクニワカヒメ
|: :; : : : :|:_:l__|: : /'| ハ: :ハ : :}: :ハ:.: :l. それを知ったオオナムヂの母親の刺国若比売は高天原にのぼり
|: :i : : : :レjハ「jノ jノ jノ jハメjハ: :j: : |
|: :i : : : :L斗テk yテy,イ /.: : | 別天津神のカミムスヒに救いを求めた
|: :i : : : :|.fトrィ| fトr:!`jノ: : |
|: :i : : : :ト以斗 , ヒ以 ハ: : ,' ノ キサガイヒメ ウムギヒメ
j: :.ヽ: : : :| _ _ 从 ;ィ ! それに応えて、カミムスヒは貝比売と蛤貝比売を派遣した
|: : ∧ : :\ ` ´ //: :/|: :|
八: : :.:\, V> 、 _ , イ: : /: :/ :}: :}. この二神の治療の甲斐あって、オオナムヂは無事蘇生した
/: : ∨ /: :.\ ∨_ 八,:/: :/ ノ ,ノ
. 〈: : : :.∨: :, イ/\j ><,/
. X: : 〈 : : フ /_ / /"'- 、
〈: :\ハ/ : :,〉,、,、,、,、,、,、,、7 , ': : : : : :゙ヽ、
∧: :/ : : , イ ゚ °°°゚ /: : : : : : :/: :\
- 203 :1:2009/09/13(日) 01:30:46 ID:j0K7Hjwg
-
,. --‐ ´ ̄  ̄  ̄`ヽ、
, ´ i \
// , ./ ! i 、 、 ヽ. ヽ. / ̄
/ / / /-+ト、 l-l‐┼-ヽ ヽ V/ ̄
レ'l / ,ィ´| l l|\ | .i li ハヽli !,. ─
i / i /,ィ==r ヽ!ナ〒テ 、i リ !、 ___ キサガイヒメは赤貝、ウムギヒメは蛤の化身とされており
| /レヘ/〃礼.j 」 ilr-''l l iヾリ | `ー
Vハ ij | _ _ ``ー''- ,リ |〉-<´ 赤貝の殻の粉を蛤汁で溶いて、火傷に塗布したものと考えられている
\_,.~'´ ` '⌒'~ | ! `
____/´i ト、 / ハ .\. これは後の石灰乳であり、火傷に対する治療法を示しているのだろう
,. ∠ - ── ─- \ ` / ,' ヽ `
, ´ 、 `ヽ ヽト , __ _ イ/ / i\
.' 、 \ __ ヽ \ | l' /`ヽ | キサカヒメは加賀(松江市)の神埼(洞窟)で祀られていたとされており
\ /ヽ 、`\ ヽ / , ''´⌒ヽ i
_ ヽ ヽ\ノ,=\ ハ 、 ! _/ , ' ヽi ウムギヒメもまた加賀の神埼付近の法吉郷に飛んできたといわれている
i >'´i | ヽ! 〈c'べ\リ ヽノ ̄ヽ.´/ / |
| / i >= 、 \' ハ ヽ __,/ / ! 二神とも出雲地方で古くから祀られてきた神だと思われるが
i ! レ〃Jヾヽ ┐'"~/iつ\ レハ/ |
{iハo入 〉〉 <__ノ /! / .|.. 大和朝廷の進出に伴い、カミムスヒと結び付けられたのだろう
, 入\ゝ\'/ /ヽ / // / ____ |
〈 ヽ \/'"'"ハ 〈__ノ/ ! i {ィ'´丁 ハ !
\i `ー' ! _/ | ! `ー | /___ゝ'
入 ___ _ノ ̄,| | l ! /
/⌒`ヽ、  ̄ i | | / !
! \ / .| l / (´ ̄ヽ
| ヽ / _ _ _」 ヽ.___/ (´ ̄`ヽ
- 204 :1:2009/09/13(日) 01:31:33 ID:j0K7Hjwg
-
//⌒ヘ⌒ヾ\
( 《( ) 》
( ( ノ ノ∠
/(( ミ ヽ\
《 ( ( ミ 丿 ) )) 》
||| オオナムヂが生き返ったことを知った八十神は
| | ┃ \ /┃┃ │ \ / |||
│┃∥ / -┼─┐ / ||| . さらなる暴挙に出た
∥| ∥ / │ | ─── //⌒|
| ∥ └── ─┐ │ | // ソ ◎ 大木を切って楔を打ち込み、その中にオオナムヂを入らせ
∧ | | || ∧ ┘
/ ヽ |∥ ┃/ ヽ.. 楔を引き抜いて打ち殺してしまった
/ ヽ──┘ ヽ
/\/ \ / ∨⌒ヽ / │ ∥
/ ヽ┼┼ ┌─┐ \ │ / ─┼─ ∥
| |┼┼ │ | // / │ ── ∥
| | / | / 丿 /__│─┼─
ヽ ├──ゝ / / │ │ || /◎
\ / /
\ 火 病 /
| /
| ─ ̄ ̄ヽ |
( ) 丿
ゝ___ノ /
│ /
│ /
\/
/: : : : ///: : Y: : : :\. ',: : : : :',
/: : : :.:/: :/: : /: : |.i: :',: : :.ヘ ',: : : : :l
/: : : :.:/: :/: : /: : :!| i: : ',: :ヘ ヘi: : : : :l それを知ったサシクニワカヒメは泣きながらその大木を見つけ出すと
,': : : : :.l゙ ,イ ,イハ ,イ |: : ,|: :|iヘ |: : : : :|
. l: :l.: : :.l斗匕ナj. |/ j,ハ ∧T廾メ゙: : : :.| すぐに木を裂いて取り出し、今度は自らの力で蘇生させた
l: :l: : : :ト、i ∨ !i i ∨ )ハノ/|: : : : |
l: :l: : : :|. ゙ __ __ 〃 |: :l: : |. サシクニワカヒメはオオナムヂに
|: :|: : : :|ゞ===r、 r===ィj: :l: : |
|: :',.: : ∧ , l: :l: : | 「あなたはここにいたら、八十神によって滅ぼされてしまいますよ」
. ∧: :',.r、',∧ マ_フ ,イ .l: :,ハ
. l': :',: :i i:∨> , '' / /: : /: :ハ オオヤビコノカミ
|',: : ', | |: :∨ rf> , _ ,. イヽ /: : /: :/: :〉 と言って木の国(紀伊国)の大屋毘古神の元に逃がした
l ',: : :.| |.: : ∨.j \ | ハ: ://. /: :/
ゞ r'´Y^i: :',∨ /^} .}j / //<,/
._Y⌒if | ',: :',, ∨', `'i ./〃/ハ "'- 、
/'{二Y !_ハ. Y\ \ ', ,'〃/\} /Y\
. / | kノ-'゙ i. /ゝ、  ̄Y' ∨ , <´ i 〉
〉. ∧ f ノ Y ト、 oY , <´ i. i ./
- 205 :1:2009/09/13(日) 01:32:36 ID:j0K7Hjwg
-
/|,i/|_
|Y / |//_
|| / |/ /
/^ーL∠ -〈 さらに八十神はオオヤビコの所まで追いかけて
_f r、_ヽ ,r_,.、|_
|r |`Lt、xrュコ´レi| オオナムヂを引き渡すように迫ってきた
ヾ ト 厶 レ__
/| !__'⌒`'_j |ハ 、 \-、. オオヤビコはオオナムヂに木の股を潜り抜けさせて
_,.i┤\_ i _/ ト | | ト、__ _
/⌒ ̄/ ̄/ |_ヽ\ ̄//_ - / /j / ノ }´ `ヽ、 スサノオのいる根の堅州国に逃れさせた
/ _/ / |  ̄ `Y´ ̄ / / / / ,.イ _ i
/| / i i | __|__ }三ミ、_/ |´ `ヽ |、
,.イ |∠-―| | | /ィヘ/ |‐-、 ノ ヽ オオヤビコは神生みで登場した家宅六神のひとりだが
/ ノ / | |____, -仝-/イ| \ | \/ 人
j , r' _| | / ̄ !ィ/Y | _ _ヽ | ヽヽ |ハ イソタケルノカミ
/ iく `ー---r‐'´ | | ヘ /イ | ヒ-<__) ト、 | ! |. スサノオの子であり、林業の神の五十猛神と同一視されている
\ \ ,.へ、!, -‐エ二-rヒ'/ ̄| ̄ ̄ーレ-フ___| `7 ̄ ノ ∧
ヽ ー- / `>r‐_-、 | | iハニニニニニニフ,. -、_ ,.-‐'ヘ ´ _斗‐′. 紀伊国(和歌山県)は林業の産地であり
``ーく / _`ヾ, | | iハ二二二二r,'ィ_ ヘ ヘ _ノ
`トく 、ヽ_)イ / | | |ハ二二二二Y´,ィ _V_>' ̄. その土地で古くから祀られていた神が取り入れられたのだろう
|_ \__)イ ノ| | | |ハ二ニ--r―`L/_/
``ー‐r‐'´ |__| |ノ-r‐||| | / `「
|_ 、 ヽ |Τ ̄| | | | |/ / | ただ、根の国の入り口である黄泉津比良坂は
/ `ヽ`ヽ| | | | || | /_ -二i
∠-‐‐-、ヽ | | | || |//_/∨. 旧出雲国(島根県八束郡東出雲町)にあるとされており、
Y \ヾ| | | | |// ヽ
/ / `|| | レ'´ ヽ |. 根の国をめぐっては紀伊国説と出雲国説がある
| / | | ||ト、 |
ヽ-( / || L人\ _,- ノ
| `ー'´ /\__i┘ \`''( ト、
人_/ i′ ヽ \_ | \
r' / / ̄| | ヽ ̄ ヽ
- 206 :1:2009/09/13(日) 01:33:13 ID:j0K7Hjwg
- / ̄ ̄ ̄\_
/:::/:::::::::::\( ;:;:;)
/( ;:;:;:;:;ノ:::::::<-> \ クニオは二回も殺されてしまったのかお
(;:;:;:;;;:; (__人__) .:::::)
./ || ` ⌒||| ,/
/ / |\/ / /l |  ̄
/ /__| \/ / | |
ヽ、//////) / | |
/  ̄ ̄ / | |
____,/ )--- ヽ ヽ つ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) この辺りの説話はフィンランドの叙事詩「カレワラ」に酷似しているという指摘もある
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || この後のスサノオの課題も含めて、成人への通過儀礼とも考えられているんだ
. | },.! ノ'
. ヽ r / .|
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
/ ̄ ̄\
/ ヽ_ .\ こうして兄である八十神たちに命を狙われ、翻弄されるオオクニヌシだったが
( ●)( ●) |
(__人__) |. 根の国で大きな運命の転機を迎えることになる
l` ⌒´ |
{ | ちなみに日本書紀では根の国に旅立った部分から始まっており
{ /
ヽ ノ この前の因幡の白兎や八十神による迫害の項はない
▼/ ̄  ̄ ̄)____
〃(⊥) ´/ / ̄ ̄/ / 〃 ⌒i
___i /⌒\./ /∧ ∧し' __|;;;;;;;;;;i
- 207 :1:2009/09/13(日) 01:33:46 ID:j0K7Hjwg
- ____
; /ノ|||| ヽ\;
; /( ○) (○)\ ; 八十神たちの追跡を逃れて根の国にやって来たオオナムヂは
, /::::::\(__人__)/::::: \;
; | | |r┬-| | |,, 支配者であるスサノオの家を訪問した
′\ `ー'ォ /´
./ ⌒ ̄ ̄`r:´> ) : スセリビメ
(_ニニ>-‐'´/' (/ ; そのとき応対に出たのが、スサノオの娘である須勢理毘売だった
; | | ;
' \ ヽ/ / :
, / /\\ .
; し’ ' `| | ;
⌒
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:i:.:|Wwハ.:.:.:.ヽ.:.:ヽ
/.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:/.:.:/i:.:| !.:.:!:.:.:.:.:.:.:',
. /.:.:/.:.:/.:.:.:.:.:/.:.:.:.:/.// !.:,' i:.:.!:.:.:.:.:.:.:.:!
i.:.:/:.:/.:.:/.:.:/:.:,.斗 // i/ --、 i.:/:.:.:.:.:.:.:!:i 二人は目が合った途端、互いに強く惹かれ合った
|./!.:.:!:.:.:!.:.:/イ // / `メ、 |..:!.:.:.:.:!:|
| |.:.:i:.:.:i.:.:| |斗≠ / ≠=、 |:.:!.:.:.:.:!:| スセリビメが父であるスサノオに
| |.:.:i、.:i:.:|./ト:::::::i} ト::::心、!:/.:.:.:.:!:|
ヽ |.:.:iヽ:ヽト v':::::}| r':::::リ |/:.:.:.:/!.:| 「とても立派な神が来られました」
|イヽ..\ト. V少 vニソ 厶 イ:.:.!.:|
/ |:.:.:.:.:.:.:ハ ::::: 、 ::::: /ノ:.:.:.:.:.:!.:| と引き合わせると、スサノオは瞬時に自分の子孫であることを見抜いた
/ |.:.:.:.:.::!:.!ヘ、 r ァ /:.|.:.:.:.:.:.:.!.:|
/ |:.:.:.:.:.:!.:|.:.:.>、 ィ´:.:.:|.:.:.:.:.:.:.!.:|
/ |r―‐-、!:.:.:.:.:.:i` 、. '´|.:.!.:.:.:.:.!.:.:.:.:.:.:.!.:|
/ | |!_, ィリ !\.:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:!.:|
. / /| |i / ! ヽ!:.:.:.:.:.:.:.:!.:i
. / /_|/ ̄ヽ|| | | |:.:.:.:.:.:.:.:!ハ
/ ./::::| |ヘ !ー-、 , -‐/ /:.:.:.:.:.:.:/::::::\
/ ∧:::::::| |:∧ \ ./ /:.:.:.:.:.:.:/::::::::::::∧
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ よくぞここまで来たな、わが子孫よ
/ ::\:::/:: \
/ .<●>::::::<●> \ 褒美にオプーナの権利書をやろう
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/,,― -ー 、 , -‐ 、
( , -‐ '" )
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
- 208 :1:2009/09/13(日) 01:34:23 ID:j0K7Hjwg
- ____
/ ノ \\
/ (●) (●)\ け、結構ですお
/ ∪ (__人__) \
| ` ⌒´ |
\ /⌒)⌒)⌒) //⌒)⌒)⌒)
ノ | / / / (⌒) / / / /
/´ | :::::::::::(⌒) ゝ :::::::::::/
| l | ノ / ) /
ヽ ヽ_ヽ /' / /
ヽ __ / / /
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ その奥ゆかしさ、ますます気に入ったぞ
/ \ / \
/ ⌒ ⌒ \ 聞けば兄たちに命を狙われて苦労しているという
| (__人__) |
\ ` ⌒´ / ☆ よし、私が君を一人前の神に鍛えてやろう
/ヽ、--ー、__,-‐´ \─/
/ > ヽ▼●▼<\ ||ー、.
/ ヽ、 \ i |。| |/ ヽ (ニ、`ヽ.
.l ヽ l |。| | r-、y `ニ ノ \
l | |ー─ |  ̄ l `~ヽ_ノ____
/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ-'ヽ--' / オプーナ /|
.| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| ______
/ ̄オプーナ/|  ̄|__」/_オプーナ /| ̄|__,」___ /|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/オプーナ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄|/ オプーナ /| / .|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/l ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/| /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
\\ ,-、 | || !| |
\\ 、,、-' 弋 | || || | ! ./
_,、-' ( ! || || | | / / ̄ ~/ __ __
(_ ヽ、 | l ! || | | / / /___./ // / スサノオはそう言うと
.\ ¨''、 ヽ、,_ || !| | // ̄ ̄ / // /
ヽ、 _,、―--、,__) ! | || .| //__ __ / // / オオナムヂを蛇の部屋に寝かせた
\\.ヽ / ヽ\\ || || | / / / / /._M//_M/
\ | .f } ! | || | / / / / /
し| _ ノ \\ | | ! ! / / / /
.ゝ_____,、-'´ .\ ! ! ./ / / /
\\ ¨¨・・,\\ | | / /μM/ / / _ _ _
\ \ ;, . し'/ ./μM/ / // // /
。 て_ ./M//M// /
て / /
~ /M/
- 209 :1:2009/09/13(日) 01:36:59 ID:j0K7Hjwg
-
/:./:.:.:.::.:./:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:/:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',
/:.:/:.:.:.:.:./:/:.:./:.:.:..:.::..:./:/::∧∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..i
/:./:.:.:.:.:/:.:./:.:./:.:.:.:.:.:.://:〈/:ヘvト:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. スセリビメはこっそり「蛇の比礼(ひれ)」をオオナムヂに授けていた
. ///:.:.:.:.//:.:./:.:./:./:..:.:.:// /:.:/ |:.:|:.:.:.:.:|:.:.|::.:.:.:.:.|
// |:.:.:./:./:.:./:,斗r:‐ト ´/ /:./ |:.:|:.:.:.:.:|:.:.|::.:.:.:.:.| これは女性が身につけるスカーフの様なものだ
|| |:.:./:./:.:./::/ |-< / ´:.へ、 |:::|.:.:...:.|:.:.|:.:|:.:.:..|
| |:.:|:|:|:/^i::| ィテーミ / \ .|.:/.:..:.::.|::.:l::.|:::.:.:| そして蛇が食いつこうとしたら比礼を三度振るように言った
|:.レ-}‐ァ|:.| !{::::::} / ー- 、 ∨/:.:.:.:.:/:.|:.|::.:|:.:.:.|
/-、 イ‐ト|_ |{::::ソ ''テ=ミ、/ 〉./.:.:/:.:.|:.|:.:..|.:.:.| その通りにすると蛇は自然と鎮まったので
/ ヽ.| |i ` ー" { i::::Y:V:∧.:/.:::/:/::.:::.l::.:|
/ ̄ ヽ }ヘ ヘ }ト- r‐- 、 { {:::ソノ^|_ソ/:.:/:/.:|:.:.:...:l:.:| オオナムヂは無事に一晩を過ごし、部屋を出ることができた
| 入_ヘ.ソ `}ー‐' ヽ { `ヾ、ー'"r/_}へ:.:/::.:|:.:.:.:.:.:l:.|
ヘ ` | |:へ、 ` ー‐、 }r‐'^ー-、 ̄ト、:.:|:.:.:.:.:.:..l:|
.∧ __ノ }:| へ、 ` ー_r< ‐._ ̄V |ヘ_ハ::.:.:.:.:.:.ト、
.ト{`ーr 7 | レ|/ ノ `二´ ̄-ァ^ー- 、 \ ヽ/ ノ^ }ト、:.:..:.:| ヽ、
|` } l l / ハ \ノ / / { / ヽ ノ_/ ヽ::.:| ヽ
| 〈/ / | \ __ /{ / / }.:.:| \
| / / ∧ 、___ /^>、 __ /____ |:.:.:| ヽ
.:.://.:.::.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.://.:.:ヘ:.i.:.:|.:.:i.:.:.:.:.:、.:.:.:.::.:.:.:.:.:|
/ /:.:.:.:.:/.:.:.:.:/.:.:.:.:.:/.:.:.:./.:.:.:ィ.:/.:.,へヘ:V|.:.:|.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.:.:i.:.:.:|
/.:i.:.:.:/.:.:.:.:/.:.:.::.:/.:.:.:.:/.:.://:ィ.:.:/ `'|.:.:|.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.::.:.:i.:.:.:|
. |.:.i.:.:..:i.:.:.:.:i.:.:.::.:/.:.:.:/.:,ィ' / /.:.:/ .|.:.:|:.:|.:.:.:.:.::i.:.:.::.:.:i.:..:|
..|.:i.:.:..:.i.:.:.::.:レー‐-、/ ,///.::/ .|.:.:|.::|.:.:.:.::.::i.:.:.:.:::i.:.:.:| 次の日の夜、今度はムカデと蜂がいる部屋に寝かせられた
.|.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:/:.:/:.:r'´ //./ノ ==-.、 |.:.:|.:..:|.:.:.:::.:.:i.:.:.:.:.:i.:.:.:|
.|.:ii.:..:.:i.:.:.:.:i.:.:i.i/ニ=,lt;"´ // \ |.:.|i.:.:.:|.:.:.:.:.:.:i.:.:.:.::i:.i.:.:|. しかし、またもスセリビメが「ムカデと蜂の比礼」を授けていたので
.|.:ii.:..:.:レi.:.:.ト,r'|::ケf~ト`,ソ'´ _ ソ〈 |.:.::|.:.:.::..:.::i:.:.:.:::i.:i.::.|
.ヽi.i.:..:i.:i.:..:|"'i.i_:::::~:j´ '´"ニニ=,、_/'^''ト、:|.:.:.:.:|.:.:i.:.:.:.:i.:.:i.:.:|. オオナムヂは難なく夜を明かすことができた
`i.:i.:.:i..:i.:.:| .: r`i:::.ソ ":/::::;リヘ、 .|.:.:|.:.::.:,'|.:.:i.:.:.:.:i.:.:i.:.:|
`ト、i.:`トヽ ;:{:::::/: : i_:::::::f、ィ'ト,/.:/.:.::/.:|.:..i.:.:.:.:i.:.::i..:|
|.:i.::` 、| ` 、 ̄ .: i .j::::::::::::}'ソ:/.::.:/.:/.:.:i.:.:..:.i.:.:.:.i.:|
/.:.i.:.:.:.:`、 ィ:::: マ,,,`::::::':ソ//.:.:.:/.:/.::.::i:.:.::.:i.:..i.:.i.:|
/|.:.:i.:.::.:i.i.:.`:、 ` `'~'´/'/:/.::./.:.:.:.:i.:.:::.:i.:.::i.:.:i:|
/'.|.::.i.:.:.:.:ii.:.:|.:.\. `'' ´///.:/.:.:.:.:.:i:.:.:.:.i.:.:.:.i.:..:リ
../ |..:.:i.:.:.:.:ii.:.|.:.:.:.::`:、 ,,r ´|.:./:/.:.:.:.:.:i.:.::.:.:i.:.:.:.::i.:.:.:|i
/ |.:.:.:.:i.:.:..:i.::|.:.:::.:.:.:.:.` 、_,,,、 - ´ ト/:/.:.:.:.:.:i.:.:.::..:i.:.:.:.:.:i.:.:.:リi
- 210 :1:2009/09/13(日) 01:37:37 ID:j0K7Hjwg
-
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: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,,;;″ _,,;;: :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ;、 ..,,_,,―''''"^: : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `'―-、,,,_____,,, ____,,,―ー'"^: : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . スサノオは三度目の試練として
. 鳴鏑(なりかぶら)を広い野原の中に射込み
その矢を拾ってくるようオオナムヂに命じた
オオナムヂがその野原に入ると
スサノオは火を放って野原を焼き囲んでしまった
~^ "`~~^ "`~~^ "`~' "`~~^ "`~~^ "`~~^''"` ~~^''"`~~^ ''"~^"`~ `~~^''"^ "`~~^ "`~~^ "`~~^ "`~
,l,
;"',, ;"',, ;"',,
;"' ,, ;"',,
;"',,
;"',, ;"'
;"',,
;"',, ;"',,
- 211 :1:2009/09/13(日) 01:38:40 ID:j0K7Hjwg
-
、,.、: : 、,_、:
.i` 、 ´: : ``゙"'、
`.-` : : : :ヽ オオナムヂが困っているとネズミが来て
": : : : ●: : y
,!: : .、:/ノ\ 「穴の内側は広い、穴の入り口はすぼまって狭い」と言った
│: : : ,,,,_、,ン/′
!: : : .,、 `i、 その意味を理解して近くを踏んでみると地面に穴が開いていた
,l゙: : : 、 l゙ `'、
,": : : : : '、 .l゙:i、. オオナムヂはそこに隠れることで、火をやり過ごすことが出来た
,": ヽ,,,_、 `i、 l゙、゙l,
,!: : `"'''、'丶 : 丶" その後、ネズミはスサノオが射った矢を咥えて持って来てくれた
,′: ''"‥、 ` : ゙l
丶: : : : : : `、 ゚:
l゙: : : : : : : : : : : `: ;
'、: : : : : : : : : : : .,! ,!
'i、: : : : : : : : .,! : : .丿
、,.`: : : : : .," : .、,i´
_,--丶--、‐''_ン'``‐、,.,,,.,,,,,,、,,i、.、-..,、`、
.,、/"`^``"'''''"゙` : .ニシ`` `""゜
``
: : :.i.:i : : : : ::/; : :/;: :/:: : : : . :./,r': : : : : : : :: ィ': /: : :.:/:,: :{ :ヽ,
: ::i::i: : : : ::/; :O/;: :/:: : : : ./,r'´: : : : : ::_: :ィ': :./: : :/./:,: : : \} ゚ 。
: :i::i: : : : /: .o /; :/;: : : フ'ー--。,,_ ,r '._/:/ : ///';:i:: ; :Oi:| ゚。
: :i::i: : :: /i: : : i::i:/::: :,;イ;ムー-ニニ,,,__`,ン'ィー'´_,/:/:/i: :.i :. : : :i:| °。 o
: ::i::i: ::: i i: : : i: リ::./;ケ'~rケ:::テマjrニ'-‐''' ´/r'´:,/´ |:.::i: :: : : i: | ゚ o スセリビメはオオナムヂが死んだと思い
: ::i::i: ::: i i: : : i: i::/ /' .{ソ::::::ソ/" ./,,/´メ/ ,/: i: : : : :::i|:| O 。
: ::i:::i: : :i i: : : i::i/ 。;;;:;ェi;{;;;;;;;;/ ,/;',r<´| ./:.//: :: : : ::i|:| 泣きながら葬式の準備をしていた
: : i: i: : :i :i: : : i;i. ;;' ~~`;; .,/'''´rテマァ./: /:/: : : : : / |i o
: : :i: :i:: :i: ::i: :。ヾ ; :::::::::::... r;'::/.'ソ: :/:/: : : : : / 。|i スサノオもさすがにこれで死んだと思い、野に出てみた
: : ::i: :ト:;ト: : \_:`ヽ、_ :::、 ;{;;ソ /: ::イ:/ : : :/;/ / ゚
ー-;i;;;;;;`' ;, : : : |`''‐‐`'. ,,._ ´ ~;`//: :/:.: :// ' 。 。
.|;;;;; : ::`' : : :|. ´´ ::::::;i/:.:。: :/:,/O'´ 。
|;;;;;; : : : : : ::ト、_ _, .イ´i';;;;;;//'~´ 。
|;;;;;; : : : : : : |. `i- 、,,, -r.:'´i;o: 。i: |;;;;ンi'´ o 。 o
ヽ, |;;;;;; : : : : : : :|O | `':i: : i: :; : i:; |゚'´:i ゚ 。
`'、 |;;;;;; : : : : : : ヽ, ヽ, .|: : i: :; : i:: |: : :i 。 。 o
\|;;;;;; : : : : : : : ヽ `, .|: :: i: : ; :i: :| : ゚i
- 212 :1:2009/09/13(日) 01:39:36 ID:j0K7Hjwg
- /:::::::: __ -:::::::::::::::::し':::::::::
〃:::::::::∠-‐::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
バサッ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: するとそこには、矢を持ったオオナムヂがいた
/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
l /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∨:::::::::::::::::_,,-─"<ー-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
〉-‐"" ̄ `ヽ  ̄''ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ } \ 丶::::::::::::::::::::::::::::::::::
〈 /ヽ }`ヽ ヽ 丶::::::::ト、::::::::::::::
 ̄ 〉 i (ゞ j ヽ:::::-、ヽ:::::::、
/ ,-‐"ヽ ヽ  ̄ `ヽ::::i  ̄
〈 〈 \ \ ヽi
フ__j /__j
___(⌒ヽ
/⌒ ⌒⊂_ ヽ さすがクニオだお
(⌒ヽ∩/( ⌒) (⌒) |(⌒ヽ
ヽ ノ| :::⌒(__人__)⌒ ::| ⊂ `、. かっこいいお!
\ \ )┬-| / /> ) ))
(( (⌒ )、 ヽ_ `ー‐' ,/ / /
\ \ / /
ヽ_ ノ │
/ ̄ ̄\
/ _ノ .ヽ、\
| (●)(●) | そうだな、これでオオナムヂは3つの試練をクリアしたことになる
.| (__人__) .|
| ` ⌒´ ノ しかしこれらの試練はいずれも命を失ってもおかしくないものだった
..r─一'´ ̄`<ヽ }
`ー‐ァ , ) , -'~⌒ヽ、. ここに来て、ついにオオナムヂも身の危険を感じるようになった
ノ {. ,ヘ ,l. ゝ、_ .'ヽ).
/, 、 _ /. | . ', . .. .ヽ、
.(/ / // / / ...| ...|\..\\ \_)
./ // / / . . \_\_)、_)
.ー' {_/ノ ."´
- 213 :1:2009/09/13(日) 01:41:03 ID:j0K7Hjwg
- ____
/ ノ ヽ\
/ (○)}liil{(○) このままだとアイツに殺されてしまうお
/ (__人__) ヽ
| |!!il|l| |. 隙を見てとっとと逃げるんだお
\ lェェェl /
/ ヽ
しヽ ト、ノ
| __ |
!___ノ´ ヽ__丿
/ ̄\
| |
/≡) \_/ /ミ ヽ スサノオは今度は頭のシラミを取るように命じた
. /_ノ ___|___ ヽ_ \
/ / ./::\::::::/::\ \ \. しかし、その頭にいたのはムカデだった
( く ./< >>:::::<<>u\ > )
\ `/u (__人__) \'./
ヽ| `⌒´ u |/
\ /
|: : | _,, --―― - - 、
|: : | ,. -''" : . :: . : . : . : . : . : .`゙ヽ、
|: : |/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:... \
|: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ ヽ 今度もまたスセリビメが助けてくれた
|: : |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:./:.:.,イ:.:.ヘ:.:.:.::.:ヽ:.:\
|: : |:.:.:.:.:.:.:.:.::/:.:./:.:.:/:.:.:.ノ'/:/''''ヽ::.:.:.:.:ヽ:.:ヽ スセリビメは椋(むく)の実と赤土をオオナムヂに授けていた
|: : |:.:.:.:/:.:.:./:.:/:.:,ィ:.:.:.:/ /:/ |:ト、:.:.:.:.:ヽ:.:ヽ
|: : |:.:..:i:.:..::/:/レTナ:/ //-- 、|:| i:.:.:.::.::.:iヾ:゙i オオナムヂが椋の実を噛み砕き、赤土を口に含んで吐き出していると
|: : |:.:::i:.:.:,イ/ レ'|/ // _ !ト、i:.:.::.i:.::|!:!
|: : |:.:.i:.:..i レシン夭゙` /' r=ニメ }:.:.:.:i:.:.| i!' スサノオはムカデを噛み砕いているのだと思い、感心して眠ってしまった
|: : |:.:.i:.:.:k;//c;;;;:i : / :./,;;ハヾ; i:.:.:.i !:.:! !
|: : |:.:.:!.:.:i ゙、っ;;::ノ; :っ;;;:},.' ノ:.:.ノ !:ノ /
|: : |:.:.:.!:.! ゞ''⌒ ゞ< イ:.ノ! ノ
|: : |:!:.:.:゙、.ヽ ' /:.:.:.ト、
|: : |!:.:.:.:.! \ =' /:.:.:.:.|i ゙、
|: : |:.:ヽ:.:.:.! \ , イ!:.:.:.:.:.:.: !i ヽ
|: : |:.:.:.゙、:.:.:.:i ` ー-, イ:::::.:!.:.:.::.::.:.: |:i ゙、
|: : ト、:.:.:.::.ヽ:.i |:::::!:::::::.!:.:.:.:.:.:.::.|::i ヽ.
|: : |弋:.:.:.:: \i、 !ヾ、!__::::.!:.:.:.:.:.:i |:.:i ヽ
|: : | ヽ:.:.:.:.: ヽヽ、___ ヽ \ヽ!:.:.:.:.::.i |:.:ヽ. ヽ
- 214 :1:2009/09/13(日) 01:41:49 ID:j0K7Hjwg
- |::
|:: ___
|:: / \. オオナムヂはこの隙に逃げようと思い
|:: /\ / u. \
|:: / (○) (○) \ スサノオの髪の毛を部屋の多くの垂木(柱)に結びつけると
|::: | (__人__) u. |
|::: ┫ u.` ⌒´ / ╋ 大きな石で入り口をふさいでしまった
|/⌒╋ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄╋ ̄⌒ヽ
|_ノ ╋ ̄ ̄| | ̄ ̄╋ ̄ヽ_)
/^`、
( ,,.---]_
l 〈ヾ。
/-^]r ^ ヽ
l /^ヽ 7
lr゜ "
イクタチ イクユミヤ アマノノリゴト
` そして、スサノオの宝である生太刀と生弓矢、天の詔琴
\ ,,_人、ノヽ ガン!!
)ヽ ( 更には娘であるスセリビメを背負って一目散に逃げ出した
- < >─ ____
) て . /ノ ヽ、_\
/^⌒`Y´^\ \/ ( ○)}liil{(○) 途中で琴が木に触れて鳴り響いてしまったため
_/ / ヽ / (__人__) \
〈__/ . | | ヽ |!!il|!|!l| / | その音に驚いて起きたスサノオが後を追おうとしたが、
/ .\ i⌒ェェ| /
./ / ⌒ヽ, _.ヽ .\/. 垂木に結びつけた髪を解いている間に逃げ切ることが出来た
.__ r / |/ー、\ \
."ヽ | i, ノ .\^ i
.| ヽ./ ヽ、_../ / . ヽ、__ノ
.i / // ./
.ヽ、_./ ./ /
./ /
.ノ.^/
|_/
- 215 :1:2009/09/13(日) 01:42:49 ID:j0K7Hjwg
-
-=三 =-=三 / ̄\
| |
\_/ヽ
\ スサノオは黄泉津比良坂まで追いかけたが
-= =-=三=/  ̄  ̄ \
-=三= / ::\::::ノ\ そこで諦め、遠くに逃げるオオナムヂに向かって言った
/ < ●>:::< ●>ヽ
| (__人__) |
-=三 =-=三 =-=三\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
-=. =- =..- | ワ ゴ ン R |
.二三 | |
|______________|
◎ ◎
/ ̄\
| |
\_/
__|__ よくもやりおったな、だがそれでこそ我が子孫だ
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ,、ヽ、_\) ;;;;) お前が持っている太刀と弓矢で従わない八十神たちを追い払え
/ ;;;(○)::::::(○/;;/
| :;:, (__人__) l;;,´|. そしてお前が大国主となって、スセリビメを妻として、立派な宮殿を建てて住め
\. ∩ |++++━・/
,,.....イ ヽ .|| `ー‐´ /-、. 絶対幸せにしろよ、この野郎!!
: | 'f「| |^ト、__ ノ .| ヽ i
| |:. :: ! }__)\,| i |
>.ヽ ,イハ | ||
____
\ :\
\ :\
\ :\
\ :\
\ :\
\ :\
__\ :\ その言葉に応えるかのように、帰国を果たしたしたオオナムヂ…
/ \ :\
/ ヽ、_ _.ノ \ :\,、 いやオオクニヌシは、根の国で鍛えた力と武器を用いて八十神を追い払い
/ (●) (●)γ⌒ゞ7
| (__人__)_/ ヘ__ソ `) 中津国の国造りを始めることとなる
\_ ` ⌒/ / ゞ、久>、
/ `ー---ー"′ _/ \ \
ヽ / /ヽ\ )
i ``ー--ー"´ / ヽ、__ノ
i /
l {
ノ i
/ \
/ /´`\ \
! く" \ ヘ
\ \ ヽ ヘ
(´________ノ ヽ ヘ
` ̄  ̄ ∨______`)
 ̄ ̄ ̄´
- 216 :1:2009/09/13(日) 01:43:59 ID:j0K7Hjwg
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) さて、このときオオクニヌシが持ち帰ったスサノオの秘宝だが
. | (__人__). rm、
| ` ⌒´ノr川 || 生太刀と生弓矢は強い呪力を持つ祭器、天の詔琴は神を呼ぶ琴だといわれている
. | },.! ノ'
. ヽ r / .| これらは呪具であり、皇室の鎮魂祭でも用いられている
ヽ ノノ ノ
/ / ./
| /
| i´
┏━━━ / |━━━━━┓
┗┳┳━ |_| ━━━┳┳┛
┃┃ / ヽ .ガラン ┃┃
┏┻┻ |======| ━━┻┻┓
┗┳┳ ヽ__ ¶_ ノ ━━┳┳┛ 古代宮廷で鎮魂際を主催した物部氏は
┃┃ (/) ..┃┃
┃┃ゴロン (/) .┃┃.. 蛇の比礼とムカデ・ハチの比礼を宝として持っていたという
凸┃┃ (/) ..┃┃凸
Ш┃┃ (/) ..┃┃Ш これを振ることで死者も蘇るとされていたらしい
/ ̄ ̄\ (/)
/ _ノ \ (/) 巫女が瀕死の人を救う呪法に用いたものと思われるが
| ( ●)(●) (/)
| (__人__) (/). これを操るスセリビメは呪術師としての巫女の象徴だったのだろう
| ` ⌒´ノ (/)
| } (/)
ヽ } (/)
ヽ ノ (/)
/ く (/)ヽ
| / ` {ミヽ)||
\ \_____ノヘ丿_丿__________
|\ ___ノ__ミ}///////////|
|  ̄ ̄ 彳/)////////// |
( .(/)| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |
.ノ,,,,,,.ヽ |
|.:.:.i.:.::.:i /i.:.i i.:.:.:.:.:.:/ .//: |:|.|.:.:.:.:.:i.:.:.:.:|
.|.:.:.:i.:..:.:i.:.:._i_i:ir'~^.i~:.::/ .//: '''''''ーェ/. |.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.|
|ヽ,:.i:.i:.:.ir'´i:::||::::ー::ォト /'´: :r:=‐-;/ `.|..:.:.:.://.:.i.:::|. また、椋の実や赤土も同様に呪物である
|.:.:.:ヽト,i.:.:|.:.:|r=(.f"::"j'ト /:: ´ r'f"ヲ:ォ;;j|.:.://.:.:..i.:.::|
/.:i.:.:i.:.ヽ,ト:.:.ヾ:i::::`''"~´::: .: ''"`''-''::xリ,ィ:.:/.::i.:.::i.::.:.:ト, スセリビメは女神と同時にスサノオを封じる巫女ともいえ
.:.:i.:.:i.:.:.::トi`'ト、:.ミ、_ .:i .r''´;::'.|/:.:.i..:.:i.:.:.:.:i.:|
:.|.:.:i.:.:.:.:i.:.::\ト'ト=,,__ ::" :,'.:.:.:.:/.::.:i.:.i:.:.:.ト,|. オオクニヌシに呪物の手ほどきをして呪力を授けた
.|.:.:i.:.::.:.:i.:.:.::i.:.:´.ト、:::: ''' ‐.'' /.:.:.::/..:.:.:.i.:.:i.:.:.:.:iヾ、
.:.::.i.:.::..:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.`::::,_ , r'´::i/.:.:./.:.::.:.:.i.:.:.:i.:.:.:.:i ヾ、. その結果、オオクニヌシ自身もまじないの神となるまでに成長した
.:.:.:.i.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:/ー|`‐ 、__ r ´.|^`.V.:.:.:/.:.:.:.::..:i.:.:.:.:i.:.:.:.:i ヾ,
.:.:.:.:i.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i.:.:,,r'´ .r'´.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:´'ソ/.:./.:.:.:.:.:.:.::i.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i ヾ、
.:.:.:.i:i.:.:.::.:.:i.::.:<´ .i.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: _ /.:.:/.:.:.:.:.:.:.::.i.:.:.:.:.:..::i.:.:.:.:i ヾ、
.:.:.:.i.:ri:.:.:.:.:.:i.:.:i i´~' /´.:.:/.:.::/.:..:.:.:.:.:.:.:i`'-,.:.:.:.:.:i.:.:.:.:i ヾ、
.i/i:.:.::i:.:.:.:.:.:i.:.i ヽ、 /i.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:i ト、:.::..:.i.:.:.:.:i ヾ、
'i. i:.:.:.::i.:.:.::.:.:i..i ヽ, /.i.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i .| .\.:.:i.:.:.:.:.i ヾ゙、
..i i.:.:.:.:.:i.:.:.:.:.::.:i ヽ / i.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i .| /.|.:.:i.:.:.:.:i ヾゞ,
- 217 :1:2009/09/13(日) 01:44:22 ID:j0K7Hjwg
- ____
/⌒ ⌒\ _____
/( ●) (●)\ _ _(_) / ⌒ ⌒ \
|:::::⌒(__人__)⌒::| l_j_j_j^⊃(●) (●) ヽ. やったッ!! さすがクニオ!
| 「匸匸匚| '"| ヽ / ::⌒(__人__)⌒::: | (_) _
, ヘー‐- 、 l | /^''⌒| | . | | |rt- j ⊂_ l_j_j_j やる夫たちにできないことを平然とやってのけるッ!
-‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ !‐}__,..ノ || | ヽ `ー ' /__ ノ ̄
''"//ヽー、 ノヽ∧ `ー一'´ / | / `ー――― ' ノ そこにシビれる! あこがれるゥ!
//^\ ヾ-、 :| ハ  ̄ / ノ | | /ー'
,ノ ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<. / |. ヽ /
/ <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ \ `丶、 | / _\ \_ノ
\___,/| ! ::::::l、 \ \| U (⌒ _ノ
______
/ ― \
/ノ ( ●) \ でも、なんか忘れている気がするお……
. | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ /
. | /
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
/ ̄ ̄\
/ \ \ ああ、まあそのなんだ…
.(●)(● ) u. |
(__人__) u | オオクニヌシには先にヤガミヒメという妻がいたんだけどな
.(`⌒ ´ |
{ |.. ※因幡の白兎の項参照
{ u. /
\ /
ノ \
/´ ヽ - 218 :1:2009/09/13(日) 01:45:19 ID:j0K7Hjwg
-
,. -―――- ..
,. ´: : : : : : : : : : : : `ヽ. おかしいですよね…どうしてですか?
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : :\ クニオ君が気があるのはわかりますけど、クニオ君の妻は私なんですよ。
/: : : : :/: : : : : : : : :: : :i::、: : : : :ハ ヤガミヒメさんがクニオ君の子供を産めるわけ無いじゃないですか。
,' : : : : /: : : : : : : / : : : !::ハ : : i::: :i それなのに私からクニオ君を奪おうとするなんて…
i : /: : /: : : : : : : / : :/:/!i::::|: i :l::: :| 何もウソつくことはありませんよね。
l :/i: :/:l : : /: // : /:/ヾレ"! l: :l:::: | クニオ君の立場が無いじゃないですか。
|/ :! : : |: :/_:/__/: :/':/__| l: i:l::: :l ヤガミヒメさん、あなたの言っていること
|: : | i : |:/! / / :/// :::::::リ:/ !::: l あなたの主張が正しいかどうか確かめさせてもらいます。
|: 、:ヾ: :N レ=:、/.〃 ,.ィ=‐-、レ : |::: |
|: :ヽ: リ代::::::ノ゙ / 弋:::::;ノl:: /| ! | , -―‐-
|: :::ハ: : :ト---、,.- 、 {i__,/::::/|::!l:::| / ;;;′
/: :く |: : :| ‐ ´ / ̄ ̄ ./:::/::|`l! :! / .:. ;;」
. //´ '|: : :|、 / /:::/:: | | __ゝ、 /.:. ;;・;」
/i |: : :| }ヽ. !__ _i:::,イ::: :!/ i /.: ;」
. // /: : : !' } `Y´ |::i |: : :| ;; l. / .:;∵」
ハ / : : : | l || / l::| l: : :| . i. /.: ;・;」
/: :::ヽ. / : : : / / l| ;;|:l .|: : :!/ l /.:.: ;」
,': : :::::,}. ': : : : / / __!r.、 l:| !: : |ハ ;:: |/ ;;」
!: : :/: : : : : / / r { .{ {) |:! l: : |.ノ ;/¨;`:ヾ/
|: :/: : / : / /、 r'{;;:l;:;!; ;Vヽ | : | ;:::::___/__;;;;/、
|:/ /: l : / , / ト、! ゙;;;: ;:; ;;:}_| -―i' ;;; ---ミ
|l ∧ :| / / l // `  ̄ ;;;;;;;| ;;;; --、ソ
=三≪: : : :. :/ / ,イ: i | || ≪三三三三三三三
=三三|!: :. :// ,' ,' / | i | || i }}三三三三三三=
=三三》: : /,' i: i / | /| :! _ -ーi─'Ti :| !勹}三三三三三三
.三三《 : :i i : | i: _厶‐ナ i/ ,rァ≠=≪| | 《三三三三三三=. やっぱり、嘘だったんですね。
=三三{{: :| | i | イ´/___/ ,′ | .〉 | |  ̄》三三三三三
=三三{{: :| | l jf'' ̄〈` !__/ | | :}《三三三三三= 中に誰も居ませんよ。
=三三㍉!| | \,八 } ;, jノ| i/ ㍉三三三三三
=三三三》 i ヽ. \ゝイ´ 、 '"'" j/| ㌧三三三三
=三三三㍉ \ \ __ ,,;;'' /| 《三三三=
三三三三㌧\. |\-=≦ ´ '" イ | i | }}三三三
三三三三三}}: :\| | \、 ;, __..∠r┴-| i | ii三三三
=三三三三三㍉: :| | |┴ミ>'´ ̄ _| | ト、 う)三三
=三三三三三三}_j : |i :| / _ -=  ̄ | | | 《三三三
:=三三三三三三《 ,リ ! | / | | | 》三三三
:三三三三三三三≫ | | / -=.ニ二|ノ | ㍉三三=
- 219 :1:2009/09/13(日) 01:45:57 ID:j0K7Hjwg
- ____
/ ∪ \
γ⌒) ノ三三三ゞ(⌒ヽ ひ、ひぃぃぃぃぃぃ
/ _ノ (>)三(<) \ `、
( <:::∪:::::(__人__):::::∪| )
\ ヽ ::∪::::` ⌒´∪:://
. l |\ |ー=ミ、,. | | メ, !"´_ .、 ̄7゙1 |、_! /
| l | ,メ | rー:、 ゙'i ヽ ! ヘ |/c:::;:::ヽ |/7/ ./
| ヽ l, ヾヽ|.r':l: :'! \ ヽ,||::. ::l|: ::| / イ / 「あたしね…もうここにはいられない…」
ハ |ヽ, |\ ヽ;.': ;! u. ヽ;:..'' .;ノ l /
ハ | ヽ !. ヽ ヽ,_~,. =' ‐=、'ー-ミ~_,../ / /
ヽ | .| ヽ! ヽ , u. / / ヤガミヒメは出雲に迎えられたが
、! | ! ハ、 { 、 / ィ'
ヾ ヽ |、 l >、 ー、-------ァ' ' / / ! / 本妻のスセリビメが恐くて自分の子を木の股に挟み
ヽ !ヽ, |! | ヽ、 ヽ ,. -'" /"´ l /| /
\| ハ || ! , `丶、 ,. -'" | / / / 因幡に帰ってしまった
| l ハ | l `丶-‐ < | / //
| ! ハ | | ヽ、__ ,. -‐'"´| / l/ . キマタノカミ
|. ヽ,| リ ! / .| / . それで、その子供は木俣神と呼ばれている
,イ !,' | /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ オオクニヌシはかなりの女好きだったんだな
| ( ー)(ー)
. | (__人__) ここで古事記ではオオクニヌシの系譜が示されるが、
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln }. そこには六人の妻の名が記されている
. ヽ L }
ゝ ノ ノ.. 更に日本書紀の表記によれば181人の御子がいるという
/ / \
/ / \ まあ、オオクニヌシ自体が出雲の氏神の集合体だから当然かも知れないな
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
- 220 :1:2009/09/13(日) 01:46:39 ID:j0K7Hjwg
-
/ ̄ ̄\ ポイント
/ _ノ \.
| ( >)(<) ・オオナムヂは二度に渡る死とスサノオの試練を乗り越え、スセリビメとともに八十神を従えた
. | ::::::⌒(__人__)
| ` ⌒´ノ ・ヤガミヒメはスセリビメを恐れ、木俣神を置いて因幡に帰ってしまった
. | }. 。
. ヽ } /
ヽ ノ ./
/ lヽ介/lヽ、 ,rE)
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/____E[]ヨ___________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
- 221 :1:2009/09/13(日) 01:47:18 ID:j0K7Hjwg
-
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ \
| ( ●) (●)| さて次の項に入る前に、ここで改めてオオクニヌシの別名について説明しておこう
| (__人__) |
| ` ⌒´ | オオナムヂノカミ クニツクリノオオアナムチノミコト
| | 古事記 大穴牟遅神 日本書紀 国作大己貴命 ……………たいそう貴い神
ヽ /
_,,ゝ (,_ オオモノヌシノカミ
/´ `ー-一´`ヽ. 日本書紀 大物主神 .……………すぐれた物の主の神
/ 、 , |
/ ノ | l アシハラシコオノカミ アシハラシコオ
( y'l l_ |. 古事記 葦原色許男神 日本書紀 葦原醜男 .……………日本の強い男性の神
ヽ ヽ. |' }
\ソ`ー─‐一ヾ/. ヤチホコノカミ . ヤチホコノカミ
| ij ノ 古事記 八千戈神 日本書紀 八千戈神 .……………有力な武器の神
| |. |
| | l. ウツシクニタマノカミ ウツシクニタマノカミ
i' ,} ,ノ 古事記 宇都志国玉神 . 日本書紀 顕国玉神 .……………この世を守る国魂の神
l | /
|,_、|,/ オオクニタマノカミ
(゙ )). 日本書紀 大国玉神 .……………すぐれた国魂の神
/ ̄ ̄\
/ _ノ' ,,\ 古事記ではここで物語の調子を変えて、ヤチホコの名で記されている
| ( -‐)(‐)
. | ::~(__人__) ヌマカワヒメ
| 'ヽ ヾリ. ヤチホコは高志国(越国)の沼河比売を訪ねた
| ゙ー'ノ
ヽ ソ} そして歌を詠み交わして求婚したんだ
ヽ ノ ●ォ、_
/⌒Y◆・◆、 ”¶ト.
/ y |。=, \. ||
ノ ,/___,ン)_|,、 ソ'~,‐っっ||
(_"___リ_ソ `ー─iソ´~ ||
- 222 :1:2009/09/13(日) 01:47:46 ID:j0K7Hjwg
-
, '´ \
/  ̄ \
_/ ヽ
、__,ノア / / ',
.  ̄ ̄/ / / 〃ヽム l ヌマカワヒメはそれに応じる歌を返し、
/ / |:. |: / ""´` | |
| l / !:. l | l ./ j 翌日の夜、二神は結婚した
| l l:.. ヽ;:ィ:代. ! ‐/-、/: ,′
l !l:. :.l:.:. ´ヽ:.{ \{ / /}:.:. / / タケミナカタノカミ
ヽ ハ:.. :.ヽ:.:: { `__ ∠_ /:./:. 〃 そのとき生まれたのが国津神の武神、建御名方神だ
` \.:.:.:.\:.:.!'´ ̄` '" ゙̄メ/:.: ,イ
/\:.:.:.:ヘ:ゝ::::::: _'_ ::::::/:._/:{
,'. `ーゝー゙ {´ ソ ア´:.:.:.:八 沼川とは越後国(新潟県)頸城郡沼川郷を指し
i .:.(`Yj:> 、_` _´_ ,.イ:.:.:.:.:.:. iヽ
| :.:.:} }, -、ィヘノ {ィへ. レハ:.:.:. | この地方では縄文時代にヒスイの玉づくりが行われていた
ヽ :.,4 ´ {7′ >' ヽ‐-!:.:. /
Xi| l ∧三三/ ,// |/ヽ 新潟県糸魚川市には奴奈川神社があり、この神が祀られている
/ ∧ ノ マ / //_, イ / }
{ V /\_,厶/ '_/ ̄/ !/ l
l _/ / ̄ ̄〈 〉 ̄ ̄´ } i|
'''''''--;;;;;;;;;;;:::::::::::::::: :::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;-''
:::::::::::''''''''''''''''''''-,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,-'''''''''''''''''
魏志倭人伝には卑弥呼の死後、
一族の壱与が13歳で王位に就き、魏に朝貢した品々が記されている
◇
/\ その中の青大句珠というのがヒスイの勾玉と思われ
/ /
\/. 三世紀頃に沼川地方と邪馬台国で交易があったことをうかがわせる
/\
/ \. 越国は強い力を持っていたことが想像されるが、この歌物語は
/ /
/ /. その越国が出雲勢力に従属していく姿を表してるかも知れない
\ /
\/
- 223 :1:2009/09/13(日) 01:49:14 ID:j0K7Hjwg
- . / : : : : : : : : : : :/: : : :| : : l : : :/.:: │:| |: :|:: |: : :| : : : : : : : : l
/: : :/ : : : : : : : /: : : : :| : : i : :/.:: ! :| |: :|:: |: : :| : : : : : : : : l
. /: : ,イ : : : : : : : / : : :/: :| :._⊥/-─‐ ! :l .|: :| ──- .. |:|: :l!: : :l : : : : : |
/: :/ │: : : : l : : !: : : :|:,.イ´.: l/.:::::::::: /:/ |: :|:::::::::::::... `メ |: :|!: : :l : : : : : |. さて、当然のことながらこれを気に食わないのは
,' : ,′ | : : : : l : : |: : :.イ:/|: : :/-─< /:/ |: :| >─‐--、`下y'| : : l: : : : : :|
│: | | : : : : | : : |: : : :|:.:_,.ィ≠≦三ミ /'" |: :l 彡三≧ェx |/ ヽ: : :l : : : : :|! 本妻のスセリビメだ
│: | | : : : : | : :│: : :l,イィ'::l|li|l|li|!:| | / |::l|il||i|li:ヾ;、 | : : :| : : : : i:!
│: l l: :/: : :| : : l : : 〃 {:::::l|l|l|l|l|::| j,′ |::l|l|l|l|l|::::}ヽゝ : : :l : : : :,ハ. この後は嫉妬するスセリビメと夫とのやり取りが歌われる
|: :,′ ∨: : : :l : : l : : : l: .∨:!!|l|ll!!::| |:::!l!|l|l!!::/ /} : : /: : : :/ : :l.
|: ′ ∧ : : : |∨ l: : : :|: :',∨:::::::::::j_ {::::::::::::::/ // : :/| : : :/ :| : l
i,′ / ヽ : : | ∨ : : : |!.:ハ>=≦三三 三≧==<. //: : /: | : :/ : :| : |
/ | \| : ∨ : : ハ : :{三三三三 三:. 三三三三ムイ: : :| :/ : : :| : |
| : |: : : :|\: {\乂三三三 i!三三三三三三三/ :| : : :|/ : : : :| : |
| : |: : : :| : :ヽ\  ̄ _Ξ三三三三三,/| : |: : : : | : : : :| : |
| : | : : : |: : : :|` |lヽ、 ´ ̄` 三三三三:,イ: :| : |: : : : | : : : :| : |
| : | : : : |: : : :| : |l |: |li:..、 三三三三才il| :l : :| : |: : : : | : : : :| : |
/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
/: : : : : : : : : ::l l:::: :\:ヽ: : : : : :\: : : : : :ヽ
/ : : : : : : : : : l : :::l ト-、;、v、:、: : ::: : :: ヽ: : :: : :::丶
/: : : : : : : : : : : |: : ::i | l: l::: : :ヽ: :: :ヽ::::::: ::::::ヽ
/: : : : : : /: ;: : :::イ: ::::| | | ::l、:::::::l:::::ヽ l:::::::::::i::::::i そして、ヤチホコが出雲からまた出かけようとした時に
l :/: : : : : |: :l: : :/ | :::/| | |::|ヽ::::::|:::i:::i::|:::::|:::::|:::::l
| |: : |: : :::|: :|: ::/ |: / | |──- l_|_ |::::::|::::|::|::|::::|::::::|:::::| スセリビメに歌を詠むと、スセリビメは杯を捧げて歌を返した
| | : :|: : :::| :.|/ /:/ | | __ || ┼::l:::::|::||:|:::|:::::::l::::::l
| |: :::| l ::::|: l':/ // |/ イ rェェ==xj、ソ|::::|::|:|::::|:::::::::l:::::|. ヤチホコはスセリビメの愛に引き止められ
| | ::::|: l ::::l V _ュエ__ " l家トイヌ-|:://::::::::|::::::l::::i::::|
、| 、::::、:l :::::l、Vl家ヘ O:::::::リ ///:::::::::::|:::::::l::::i:::|. この後は浮気をやめて仲むつまじく暮らしたという
| ヽ:|ヽ:::::::lヽ、O::::l vニ夕 イ:: ::::::::::::|::::::::l:::::i::|
ヽ \:、\::ヽ vニj  ̄´ |::: :::::::::::::|:::::::::l::::::i::l.. ヤチホコの名が登場するのはこの部分だけで
\ |\\ " /// |:: /:::::::::::|:::::::::::l:::::::、l
| : : 、 // ヽ |: / ::::::::::|::::::::::::::i:::::::ヽ.. この項は古事記の中でも異彩を放って文学的だ
|: :i: : ゝ、 - -' イl:/ :::::::::::|ヽ:::::::::::::i:::::::::ゝ
| ::l : :::::::::::i:::、 / |/: :::::::::::lーゝ:::::::::::::i::::::::ヽ
|: l: : :::::::::::|::::::|::>i___ .イ: : :::::::::::| ヽ:::::::::::::i::::::::::\
- 224 :1:2009/09/13(日) 01:50:30 ID:j0K7Hjwg
- ___
/ \
/ ー ‐\
| ( ●) ( ●). これでいよいよ国作りが始まるわけだが
ηノノ (__人__) ηノノ
ノ, ∃ `⌒´ノ ノ, ∃ オオクニヌシは武力や呪力には優れているものの内政力がなかった
. / /i } ./ /´
( 〈 | }/ /. 悩むオオクニヌシが出雲の美保の岬を歩いていたところ
. ヽ ヽ,_ ノ /
\ | | | | / 海の彼方からガガイモのさやを割った舟(天の羅摩船)に乗った小さな神が現れた
ヽノ ヽ_____ノ Ⅴ
} ☆ .|
|
\ | / オオクニヌシはその小さな神に名を尋ねたが答えなかった
\ | /
―― ―― 従えている者も皆知らなかったが、そこにタニグクというカエルが現れ
\四
\ 仮> / クエビコ
\ 八 / 久延毘古という案山子なら知っているだろうと言った
. - ―‐ - 、
,. イ 丶、
/ , -――ァ ⌒` \
, ‐'‐ /, -―、ノ⌒\ ヽ.
/ // ヽ \ そこでクエビコに尋ねると
/ / // l }. ', ',. ',
,′ / レ' j |! |、⊥斗 } l | スクナビコナノカミ
| j / ./j 斗1′ | .rキ、.l | | |、. その神はカミムスヒの御子、少名毘古那神だと言った
| | { 7´.l! | | / んイ〉| | | ∧\
| l.| | l /,.ィ圷ミ.j / 弋ソ .j /N/ ', ヽ ちなみにこれは古事記の記述で
| | ! l | .イんへj. l./ wxl / ', } j
/ / /j l ヽ.N 弋:zソ ' レ } .| |. 日本書紀では同じ造化の三神のタカミムスヒの子となっている
/ / / | ヽ \.wx , ┐ .イ | .|\| /冫
/ イ / j、 、\ ヽ. _`_ .イ |\ jヽ! / / オオクニヌシがカミムスヒに確認すると
〈 / | {、 | \\ \ ', lー- .、| .ノ ', / / 〉/´ニヽ
∨ N \j ヽハ ̄\ }¨`>rく\ }/ / /〈_/, -‐}. 確かに指の間から落ちた子だと保証し、
} ヽ / / .∧j \ { `くノ ノ
〈 /  ̄∨ ̄ ̄ `く j㍉. \ r┴―- 、 / ともに協力して国作りに励むように命じた
1 ヽ ヽ \ / _ `<
| ∨⌒ヽ\ / ㍉. >
/ ∨ヽ \.>― 、 \/
/ ヽ_`/ ̄ ̄ ̄/ .}
/ \ \ __/ |
/ | ____ /.\ \ /
/ ̄ ̄ ヽ l |__/ ____ /\_冫 /
〈  ̄ ̄ \ \lニ|___ / _ /\ /
- 225 :1:2009/09/13(日) 01:51:38 ID:j0K7Hjwg
- ,==(◎)=、 `\、 、
∠_______\ \ヽ\
/ "\, 、/゙\ \\\ スクナビコナは身体はわずか数センチほどの大きさだったが
/ ( ●) (●) \ \\(@)
| :::⌒(__人__)⌒::: l /\\\ 人や家畜の病気の治療法、作物を災害から守る方法など
\、 ` ー ´ / //´ \\\
(⌒ヽ、 ー‐ ィヽ. // \\ヽ 穀霊や医薬の神として優れた知恵を持っていた
l \ \ i // \ヾ、
| \ \ /, イ ヽ !
| \ , '⌒く/ / ゙! あるときオオクニヌシが病を得て苦しんでいると
l ゝ、ニ≠ソ
| `´  ̄ | スクナビコナは大分の速見の湯を樋を使って運び、温泉治療をした
| ,ィ' |
| | ヽ ,l この湯が日本最古といわれる愛媛県の道後温泉だ
| ,|ノ /
|
\ | / またスクナビコナは酒の神でもある
\ | /
―― ―― 酒は疲労回復や消毒、血流促進などの薬効を望める薬でもあるからだ
\四
\ 仮> / 製薬会社やビール会社などでもスクナビコナが祀られている
\ 八 /
.:.:.:.:.:.:.... ::::.:::.:::.::(´
::::::::::::::::::::.... :::::::ヽ、__-‐ 、
:::::::::::::::::::::::::::.... :::::::::::.:::.:::.ノ
:::::::::::::::::::::::::::::::::.... ::.::.::.:( ,.-
::::::::::::::::::::::::::::::::::::.... :.:` ̄: : : しかしあるとき、スクナビコナが淡路島の粟の茎に乗って遊んでいたところ
:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::::::....
_ __:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::.... 茎がしなって常世の国に飛ばされてしまった
:::.. :::.. `ヽ、`\:.:.:.:.:.:.:.:::::::::::....
::::.. :::::::.. `ー、 ヽ,_:.:.:.:.:.:.:.:::::::::... 常世の国とは根の国の以前は、海の彼方にあるといわれていた
::::::.. :::::::::.. ,> └―‐‐ 、:.::::::::::...
::::::::.. :::::::::::.. '‐、 「´ ̄"''ー、 \:.:::::::::..:.. スクナビコナはもともと海の向こうからやって来たため、
:::::::::::.. ::::::::::::.. `′ `゛` :.::.:.:..:.:.:.:...
::::::::::::::.. :::::::::::::.. :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.::.:.:::...... 役目を果たして帰ったといえるかも知れない
, ⌒ヽ:::::::::::::::.. . .. ...::.::: ____ .:::...
丶''′ / :::::::::::::::::.. __┌‐ー'´,--‐'"´ :.:.:.::..... スクナビコナはその身体の大きさから一寸法師の原型とされている
( :::::::::::::::::::.... r'´_,.-‐-、''ー、 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.....
`‐' ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.. ,ィ'´''"´ レ'"´ :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.... また、海の向こうから知恵を授けたという部分は渡来人を連想させるが
丿:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.. : : : : : : : : : : : :
ヽ___ノ´ ̄ ̄`ー、 : : : : : : : : : : : : 海の彼方には浄土があるという信仰は縄文時代から既にあった
):::.. : . : : : : : :
/:::::.:.::..
(_::::..:.:.:.::..
- 226 :1:2009/09/13(日) 01:52:55 ID:j0K7Hjwg
-
/ ̄ ̄ ̄ \
/ . \ スクナビコナがいなくなると、オオクニヌシは
/ _ ノ ヽ、_ \
.| (ー) (ー) . | 「これからクニオは一人でどうやって国作りに励めばいいのかお…」
\ (__人__) . /
/ `⌒´ ヽ と嘆きつぶやいた
ヽ、二⌒) (⌒ニノ
(:::::::::::: ヽ
, ⌒ヽ (:::::::::::::::::::::: )
(:::::::::::: ' (::::::::::::::::::::::::::: ヽ⌒ヽ 、 するとそのとき、またも海の向こうから光を発して近づく神があった
ゝ:::::::::::: `ヽ(::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ) (⌒ 、
(:::::::::::::::::: ::::::::::::::: 、⌒ :::::::::::::::: ヽ (::::::: ヽ その神はこう言った
(::::::::::::(⌒::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::: ) (:::::::::::::::::
::(::: ::::::::::::::::::::::::::: `)::::::::::::::::::::::::::::: ノ:::::::::::::::::: Y⌒ ヽ:::::::::::::::::::::::: サキミタマ クシミタマ
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::):::::::::::::::::::::::::::: ┌┐ ::::::::::::::::::::::::::::: 「私は汝の幸魂、 奇魂である。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: /~'7;; |/~''7 ::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ( ( ̄| ( :::::::::::::::::::::::: 私の御魂を丁重に祀ったならば国作りは成功するだろう」
、___`t-'ーイゝ-i
ヽ] ̄二二二7
~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'""~~~~^'"^~~^'""~^'"^~~~~~~~ 幸魂とは幸福をもたらす魂であり、奇魂とは万事を知る魂で、
~~~ ~~ ~~~~ ~~~ ~~ ~~~ ~~~
~ ~~ ~~ ~~ ~~ ~~~~~ ~~ ~~~ これはオオクニヌシの和魂(平和的な側面の魂)とされている
~ ~~~~~ ~~ ~~~~ ~~ ~ ~~ ~~ ~~~~
: : : : ,,∧
.,./ ::::\ さらにどう祀ればいいかと問うと
,/ヽ、.、/'″::::::::::::::::\
.,/::::::::::::::: :::::::\ 「大和国を青々と取り囲んでいる山々の
/ .、 ::::::::ヽ :::::::::::^''゙\
_r'′ ,,/ :::::::::\ ::::::::::\ いちばん東の山に聖域を設けて祀りなさい」と答えた
._/ .´ .゙''-、 .‐、_::::::::::\
./ ::::::::::::::::ヽ :::::::::.'ー.゙''\ オオモノヌシノカミ
_,/′ :::::::::::::::: ::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::: この神こそが御諸山(三輪山)に鎮座している大物主神だ
.,,,/ヽ ,/'
″ .,/:::::::::::::::: ′
.,,/
- 227 :1:2009/09/13(日) 01:53:21 ID:j0K7Hjwg
- / ̄ ̄\
/ ⌒ \
( ●)( ●) |. こうしてスクナビコナとオオモノヌシと助力を得て
.(__人__) |
l` ⌒´ .| オオクニヌシは国作りという偉業を果たしたんだ
{ .|
{ _ |
(ヽ、ヽ / )|
| ``ー―‐'| ..ヽ|
ゝ ノ ヽ ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
___
/⌒ ⌒\ |⌒|
/( ⌒) .(⌒) \ _/ | さすがはクニオだお
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ (_ \
| ┬ |----| | (_ | やっぱモデルがいいからだお
\| `ー'´ / (_ |
_|\∧∧∧MMMM∧∧∧/|_
_ ヽ| |ヽ ム ヒ
/ / | = / / ヽ. | ̄| ̄ 月 ヒ
_/_ / |/ __ノ `/ / | ノ \ ノ L_い
/ ̄ ̄\
/ \ ああ、そうだな……
|:::::: |
. |::::::::::: |
|:::::::::::::: | ....,:::´, .
. |:::::::::::::: } ....:::,, ..
. ヽ:::::::::::::: } ,):::::::ノ .
ヽ:::::::::: ノ (:::::ソ: .
/:::::::::::: く ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
|:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´
- 228 :1:2009/09/13(日) 01:53:40 ID:j0K7Hjwg
- ━┓
┏┛ ⌒
・ .___ ⌒ ___ ━┓ どうしたんだお?
/ ―\ / ― \ ┏┛
/ノ (● X (●) \ヽ ・. 国作りが成功して嬉しくないのかお?
| (●) /_ (⌒ (●) /.
| (__/  ̄ヽ__) /
\ /´ ___/
\| \
/|´ |
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そりゃ、まあな
| ( ー)(ー)
. | (__人__) しかしそれはひとつの時代の終焉でもあった
| ` ⌒´ノ
.l^l^ln } あの神たちは中津国を平定されるのをずっと待ち構えていたんだ
. ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
__
.-´ ``ヽ
/ / # `ヽ
/ \ ヽ あの神たち…?
/ ( ●) ;;# ─ ヽ
|:: (__ ( ●) |
ヽ (__ノ :::: |
ヽ .;;#::: |
人 /
/ _ノ
|
- 229 :1:2009/09/13(日) 01:53:54 ID:j0K7Hjwg
-
, ----‐ 二二ニ 丶 、
/ / _, ----ミァ、 \
/ / /‐'´ ヾコ
/ rー- / l j 、ヽ ヽ ヽヽ\ r‐、
,' ヾ /7 ,' l .ハ`トム、\ X. |く l | )
,' /L| | lレ ,ィ≠ミヽ ` ' .ムヽ } |ヽ! / |_____ さてと、ようやく地ならしは済んだようね
.! , //| l | | ` ト:::リ ヒ:}l !丿 }ヽ\ , ' ´ _ノ
|│ // | l | | `''" , ´| | |/ | | V ,, --、___ / --イ いまこそ私たちがこの国を統治する時よ!
|│ V | | | | r― ‐, } .| | V! _, -‐''´ / /// ‐‐イ
| .l Ll ! | ヽ _ / , ´| |│|ヽ ! , -─‐'"´ l | | { ,ノ
| ! i ! ! ト 、 /| | ! ハl ヾ _ / │ ! | ヽ ,----‐'´
| ハ ! | .! i .|ゝ  ̄/¨ , ┴ 、リ_ニ--, -' / ヽヾ丶ノ
レ' | l ! ハ ノリ >≠==- 、 / / ´ フ ̄
| /レ レ / / ´ _, -‐ '⌒
レ' | 〃/| _, -'"´
│ || | | ---=≠------─'''´
/ .|| ! ヽ , -‐'ヾ ̄
| 〃 | ヽ /l \ \
オオクニヌシによる中津国平定を契機に
天津神と国津神の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた――
, /〃ハヾ / ∧∨〃、ヾ} l| :}ミ;l\
/〃// / 〃l lヽ∨,〈ヾ、メ〈 }} ;l リ ハ l`!ヽ.
//' /,' ,' 〃 l l川/,ヘ丶\;;ヽ/:'/〃∧ l ト、:l !
〃,'/ ; ,l ,'' ,l| レ'/A、.`、\;;ヽ∨〃/,仆|│l }. |、
i' ,'' l| ,l ' l. !| l∠ニ_‐\ヽ;\,//,イ| l | l ト/ λ! 、
. l ; :|| ,'i:/ l| |:|: |``'^‐`ヾ∨`゙//|斗,l ! | ,タ /l.| l 三__|__
l ' l |」,' l' lハ |'Ν  ̄´ /` ,|l_=ミ|! ly' ,〈 :|| | 口 | 僕たちが、新世界の神となる!
|l .l H|i: l | ゙、| l _.::: ,!: l厂`刈/ /!} :l| ‐┬‐
|! :l |)!| ! | ヽ '´ ’/'_,. ノイ.〃/|! │田│
l|l |l 「゙|l |`{ .. _ |}/,ハ l  ̄ ̄
|!l |l、| !l :|. ‘ー-‐==ニ=:、__j:) l'|/|l リ 、 マ
ヽ ̄ニ‐、__.」乢!L!lヱL」__ ー、 `'''´ 从「 / 了 用
\ `ヽ\ /l | / ̄´ // '"`ー‐
. ,、 l ゙、 / ' |、 { /l/ ,
'} l ゙, / |:::\ } ,.イ/ レ |
l l l ,.イ l:::::::::\__ `'-‐::"// |′ ノ
l ! K ヽ,、 \「`''''''''"´:::::::;;:" //
. l l ト、\( _.... ヽ .:.::::::::;;″ /' _
\ | l| 八、ヽi´ | .:.:::::::::::::i' .:/'"´ ̄ ̄ ̄ ,.へ\
- 230 :1:2009/09/13(日) 01:54:15 ID:j0K7Hjwg
-
/ ̄ ̄\ ポイント
/ _ノ \.
| ( >)(<) ・オオクニヌシはヌマカワヒメと結婚し、タケミナカタをもうけた
. | ::::::⌒(__人__)
| ` ⌒´ノ ・オオクニヌシはスクナビコナ、オオモノヌシの助けを得て、中津国を平定した(国作り)
. | }. 。
. ヽ } /
ヽ ノ ./
/ lヽ介/lヽ、 ,rE)
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇'
| | ゚| |\/____E[]ヨ___________
_ | | ゚| |__
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
- 231 :1:2009/09/13(日) 01:54:36 ID:j0K7Hjwg
- 今回はここまでです。
次回辺りで最後かも知れません。
- 241 :名無しのやる夫だお:2009/09/15(火) 23:05:09 ID:kMEEsMtI
- 乙。
分かりやすくて面白い!
- 233 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 02:03:42 ID:QPN9M/Dk
- 乙
元々天津神の大国主と天津神との理不尽な戦争という話ではなく、
実は最初から全部天津神の為の国作りだったから土地よこせって言うストーリーなんですね
- 234 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 02:04:32 ID:eVBZ3Zmo
- 乙です
>>222(ヌマカワヒメとの結婚:沼川=越後国(新潟県)頸城郡沼川郷)
出雲の勢力は越後国(新潟県)にも及んでたんですか
自分無知なんでそこまで勢力が広いと思ってませんでした
東北地方は蝦夷の独立勢力だと思ってました
- 235 :1:2009/09/13(日) 02:13:31 ID:j0K7Hjwg
- >>233
そのためにスサノオを天津神の系譜にしたわけですね。
>>234
あくまで一説なので実際はそうだったかは分かりません。
いくつかの資料を重ねながらやってるので、異説があるものはなるべく併記しています。
そもそも古事記の成立からして、時代が逆流している部分もあると思います。
例)大和が蝦夷を征服→神話に組込み→たまたま出雲神話に入る など
- 236 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 02:32:08 ID:wNJgTMbE
- 日本神話は一つの話で神様が生まれすぎなのが普及を妨げてる気がしてならないw
- 237 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 02:55:05 ID:yGLVeSWk
- 端役程度の神が死ぬほど多い上に、ストーリー上は端役だけどすごい裏設定があるとか、
場合によってはメイン神より身近で名前が通ってるとか、愛に溢れすぎていて困る。
- 238 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 03:01:23 ID:eVBZ3Zmo
- エクスカリバーとかラグナログとか厨二心をくすぐるフレーズがあれば
若年層にうけるはず。たぶん
- 239 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 03:20:34 ID:QPN9M/Dk
- 草薙とかフツノミタマとかアメノハバキリとか天叢雲とかヒノカグツチとか厨二まっしぐらですよ
- 240 :名無しのやる夫だお:2009/09/13(日) 03:28:58 ID:Zs2ajd5U
- >>236
それをして「八百万の神」というわけだ
>>237
そりゃ後に世界最古の801ラノベこと『源氏物語』が出てくるお国柄だからな
"国内"でドンパチはやったが諸外国とドンパチをやらなかったからこそこういう文化が醸成されたともいえる
>>238
単純な善悪の構図じゃないからこそ面白い
あえて中二病や邪気眼に寄せて行く必要はないんじゃないかな
>>239
天沼矛とかもな
- 242 :名無しのやる夫だお:2009/09/16(水) 00:22:20 ID:C70fzfn.
- >>1乙
たまたま開いたスレでいいものを見せてもらった。
けど>>225のスクナビコナだけはどうにかならんかwww
- 243 :名無しのやる夫だお:2009/09/16(水) 16:34:53 ID:KvOaAwlY
- 俺はあのスクナビコナ好きだぞwww
- 244 :名無しのやる夫だお:2009/09/18(金) 23:55:21 ID:UmqANIq2
- 俺もナビスコは好きだよ
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