- 589 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:02:31.03 ID:jZFBUUY0
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレの外伝であり、
柳生一族と関連のある物事についてあれこれ紹介するスレです。
【今回のメイン柳生:なし】
この外伝が始まったのが9月で、
もう12月か…早いもんだな。
¦
/ ̄ ̄ ̄\ __j!__
/ _ノ ヽ、 \  ̄|! ̄
| (●) (●) | ¦ _j|_
| (__人__) |  ̄|! ̄
| `⌒´ | ____
| } * /_― ' ―_\ ずいぶん掛かったけど…
ヽ } /(-) (-) \ 今回でやっと終わりだお!
ヽ ノ /::::::⌒(__人__)⌒::u:: \
十 /ゝ ''''''/>\ | |r┬-| |
/ イ(,,,/ / ヘ \ `ー'´ /
/ l | Y | / l ヘ / ,イ(, ,,)/> \
( | | :、 | / | ) ( l ヘ |:Y | / l )
- 590 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 21:03:20.21 ID:zeOY10Ao
- 三ヶ月がかりで説明してたわけか。
まぁ、難しい話だもんなぁww - 593 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/13(日) 21:05:44.55 ID:1pu8hQs0
- 長かったようなあっという間のような
- 591 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:04:15.14 ID:jZFBUUY0
- . ___
まったく時間掛かったもんだお。 / ヽ、_ \
. /(● ) (● ) \
最初の時点でも「9月一杯使うかも」とは言ってたけど、 /:::⌒(__人__)⌒::::: \
蓋を開けたら年内ギリギリだお。 | l^l^lnー'´ |
…もう本編の話、忘れてる人いるんじゃないかお~?. \ヽ L /
ゝ ノ
/ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒) あんまり怖いこと言うなよ…。
. | u (__人__) でもまあ、予想以上に伸びたのは事実だしな。
| |r┬|} 全3話の予定が結局8話になったわけだし…。
| | | |}
. ヽ `ニ} さあ、それじゃ今回でラストだし、
ヽ ノ 早速本題に入るとするか!
/ く \
| \ \
| |ヽ、二⌒)、
. ____
/⌒ ⌒\
ラジャーだお! /( >) (<)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| /| | | | | |
\ (、`ー―'´, /
 ̄ ̄ ̄ - 592 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:05:35.35 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒ \
| (●)(●) | さて、今回は、「活人剣・治国平天下の剣」の礎となった三要素、
. | (__人__) | 「剣・禅・政」の最後の一つ、「政(まつりごと)」についての話だ。
| `⌒´ ノ
. | }
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
_____
/ ― \ 「政(まつりごと)」、かお。
/ノ ( ●) \
. | ( ●) ⌒) | 「剣」と「禅」はその名の通り、「剣禅一致」があるわけだけど、
. | (__ノ ̄ / 「政」は、どのあたりに影響してくるんだお?
. | / 前に『武家諸法度』が影響を与えたって話は出たけど…。
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ - 594 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:07:08.71 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● そうだな。
| (__人__) 前にも挙げたが、『武家諸法度』と『兵法家伝書』、
. | ノ 両者の共通部分は、その冒頭の部分にある。
| ∩ ノ ⊃ まず両者を再掲しよう。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
【武家諸法度(元和令)】
_■_ _________________________
|∵∴∵|:::ー-ーーー-ー─ーー--ーーーー--ー─ーー--ーーーー-ーー-ー,||
|∵∴∵|:::: i ||
|∵∴∵|:::: ; ||
|∵∴∵|:::: 一、文武弓馬の道、専ら相嗜むべき事。 :; ||
|∵∴∵|:::: | ||
|∵∴∵|:::: 文を左にし武を右にするは、古の法也。 .; ||
|===|:::: 兼備せざるべからず、 ! ||===-3
|∵∴∵|:::: 弓馬は是れ 武家の要枢也。 ; ||
|∵∴∵|:::: 兵を号んで凶器となす、 ; ||
|∵∴∵|:::: 已むを得ずして之を用ふ。 | ||
|∵∴∵|:::: 治に乱を忘れず、何ぞ修錬を励まざらんや。 .i ||
|∵∴∵|:::: ; ||
|∵∴∵|:::: .| ||
|∵∴∵|:::ーーー ーー- -ーー-ーー-ーー-ーー- -ーー-ーー-ーー-ーー─ ||
 ̄■ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【兵法家伝書・殺人刀(序文)】
...『古にいへる事あり、
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_|
| ._ .|_| ..... 「兵は不祥の器なり。天道之を悪む。
| |殺| . |_| .止むことを獲ずして之を用ゐる、是れ天道也」と。
| |人| . |_|
| |刀| .|_| ..... 此の如何にとならば、弓矢・太刀・長刀、是を兵(つわもの)と云ひ、
|.  ̄ .|_| ..... 是を不吉不祥の器也といへり。
| . .|_| . 其故は、天道は物をいかす道なるに、却而(かえって)ころす事をとるは、
| |_| ..... 実に不祥の器也。
|________.|_| ..... しかれば、天道にたがふ所を即ちにくむといへる也。
└───────┘ .しかあれど、止むことを得ずして兵を用ゐて人をころすを、又天道と云ふ』
(中略)
その兵を用ゐるに法(兵法)あり。
法をしらざれば、人をころすとして、人にころさるるならし』 - 595 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:09:25.49 ID:jZFBUUY0
そして、上記の肝となる部分を抜粋すると、
この辺りになる。
/ ̄ ̄\ . 【武家諸法度・抜粋】
/ ノ \ \/`i . 兵を号んで凶器となす、
| (●)(●)./ リ. 已むを得ずして之を用ふ。
. | (__人__)..| / 治に乱を忘れず、何ぞ修錬を励まざらんや。
| ` ⌒´ リ ヒ
. ヽ // ,`弋ヽ 【兵法家伝書・抜粋】
ヽ - ′.Y´ , `ヽ`.l 「兵は不祥の器なり。天道之を悪む。
/〈 `ー〈::....ノ V. 止むことを獲ずして之を用ゐる、是れ天道也」と。
| ヽ_ー 、 `ヾ_/ //. (中略)
| フ-、`ー┴‐-〃 . その兵を用ゐるに法(兵法)あり。
`ー‐一′ .. 法をしらざれば、人をころすとして、人にころさるるならし。
. ____
つまり、 .. / \
. /─ ─ \
『武力を用いるのは、やむを得ない時だけである。 / (●) (●) \
だが、そのやむを得ない時のために、 | (__人__) |
常に武力は備えておく必要がある』 .\ ⊂ ヽ∩ <
. | | '、_ \ / )
っていうことかお? | |__\ “ /
確かに言ってることは同じだお。 ... \ ___\_/- 596 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:11:48.13 ID:jZFBUUY0
そうだ。
/ ̄ ̄\ そしてその「やむを得ない」時のために振るう剣こそが、
/ - - \
| (●)(●) | 「活人剣」
| (__人__) |
| `⌒´ ノ というわけだ。
| } 『兵法家伝書』でも、上記の文の後で説明されているな。
ヽ }
ヽ ノ _ 【兵法家伝書・抜粋】
_/ l__ / / 一人の悪に依りて万人苦しむ事あり。
__ゝ_/ ヽノ ノ しかるに、一人の悪をころして万人をいかす。
\___ノ' ノ 是等誠に、人をころす刀は、人を生かすつるぎなるべきにや。
____
/⌒ ⌒\ なるほど…、
/( ●) (●)\ 「剣を用いる際の意義」として、
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 『武家諸法度』を当て込んだってわけだお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /- 597 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:14:08.75 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ そういうわけだ。
| ( ●)(●) そもそも、戦場の技術である兵法(剣術)に、
. | (__人__) 「不祥の器なり」なんて思想が入ることは、
| ` ⌒´ノ その存在の自己否定にもなりかねない。
.l^l^ln }
. ヽ L } だからこそ、それが成り立つとすれば、
ゝ ノ ノ そういう社会環境…即ち、
/ / \ 「戦が起こらない世の中」が前提になる。
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ
. ___
つまり、 /)/ノ ' ヽ、\
. / .イ '(●) .(●)\
「戦の終わった江戸時代だからこそ成り立った」 . /,'才.ミ). (__人__) \
. . | ≧シ' ´ ⌒` |
というわけかお? . . \ ヽ /
., ──‐、
/ \ というか、いわゆる「元和偃武」によって、
. .| _ノ ヽ 戦国の世が終わったからこそ、.兵法にも
| ( ●) (●) 世に合わせた新しい意義が必要とされた、という方が妥当だな。
| (__人__) , -―ーっ
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄ 戦が起こらない(あるいは起こさせない)世において、
. ン } ゙| ̄'| 「戦のための存在である」武士、そして兵法が存在意義を保つためには、
/⌒ヽ、 ノ .|, | 時代に合わせた新たな思想が必要だった。
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' |
| | / / r_____/ そのための思想として
| | / / |i 『武家諸法度』、そして「活人剣・治国平天下の剣」は
| | ( 〆⌒'──r─≒、. 生み出された、というわけだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ - 598 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:16:03.78 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \ 実際、『武家諸法度』で”古の法也”として引用された
| (●)(●) | 『老子(老子道徳経)』なんかだと、
. | (__人__) |
| ` ⌒´ ノ > 兵は不祥の器にして、君子の器に非ず。
. | }
. ヽ } と書いているからな。
ヽ ノ こいつも前に載せたことがあるけど、
/ く もう一度紹介しておこうか。
| \
| |ヽ、二⌒)
【老子(老子道徳経・上篇(道経))】
γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
(;;,);;)ll .l;;;;;;[>-∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
γ二ヽヽγ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
(;;,);;)ll .(;;,);;)ll .l;;;;;;[>-∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
『第三十一章 「夫兵者不祥之器」(または「夫佳兵者、不祥之器」)
夫(そ)れ兵は不祥の器、物或いは之を悪(にく)む。
故に有道者は処(お)らず。
君子居れば則ち左を貴び、兵を用うれば則ち右を貴ぶ。
兵は不祥の器にして、君子の器に非ず。
已むを得ずしてこれを用うれば、
恬淡なるを上と為す。勝ちて而(しか)も美ならず。
而るにこれを美とする者は、是れ人を殺すを楽しむなり。
夫れ人を殺すを楽しむ者は、則ち以って志を天下に得べからず』 - 599 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:19:48.65 ID:jZFBUUY0
____ >夫(そ)れ兵は不祥の器、物或いは之を悪(にく)む。
/ \ ( ;;;;( >故に有道者は処(お)らず。
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ 「武器(ひいては武力)は不吉なもので、誰もがこれを嫌う。
| (__人__) l;;,´| 故に、道を修めた者は、武器を用いるような立場に身を置かない」
./ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| | …ってところかお。
.\ " /__| | 確かに武家政権の江戸幕府の法度に
\ /___ / これをそのまま使うのは難しいお。
まあ、中国の場合、君主はともかく、
役人は武官と文官に分かれていたわけだが、 .
江戸幕府の場合は、上も下も / ̄ ̄\ ( ;;;;(
ほぼ全員武士(武官)なわけだからなあ。 / ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/
勢い、「文武両道」なんて言って、 | (__人__)l;;,´|
武士は武が本業だが、文も修めるべき、という | ./´ニト━・' .l
折衷案みたいな話になる。 | .l _ニソ }
/ヽ、_ノ /
戦国武者の中には、武士が文学など、と __/ / ノ__
反感を持つ者もいたようだが、 / / / `ヽ.
実際問題、統治をしようというのなら、 ./´ ./ ,. ヽ.
武だけじゃ無理があるわけだからな。 . ト、_,/. |、 ヽ
しょうがない。 . | |/ /- 601 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/13(日) 21:23:44.52 ID:1pu8hQs0
- 戦国時代は武士は文学どころか文字読めないのもたくさんいた時代だったからなあ
- 612 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 21:41:12.13 ID:7Y8r7EAo
- >>601
んなこたない。武士ってのは牢人を除けば規模の大小はあれ、領地経営者であり、
つまり農場経営と同時に商取引も出来なければ食っていけない。
取引を行うには、当然ただ文字が読めるだけではダメで、形式にのっとった「書類」を作成する能力がなければダメ。
(そのあたりを専門に扱う職業もいたが) - 600 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:23:06.84 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\ そして、この考え方は
/ ノ \ \ 「活人剣・治国平天下の剣」において、兵法にも適用される。
| .(●)(●) |
. | (__人__) | >人と我立ちあふて、刀二つにてつかふ兵法は、
| `⌒´ | ) ;;;;) >負くるも一人、勝つも一人のみ也。
. | | .) ;;;;) >是はいとちいさき兵法也。勝負ともに、其得失僅か也。
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´ と宗矩が説いたのは、
. / ∩ ノ)━・' 家光に対する戒めであると同時に、
( \ /|_ノ ヽ. 太平の世においては、兵法も、
. \ "" /_ノ | ただ立ち合いの勝ち負けだけを
\ /___/ 気にしているようでは駄目だ、という話なわけだ。
... ____
まあ…その辺りは / \
今まで何度も聞かされた話だから / \
わかってはいるわけだけど、 .. / _ノ ヽ、_ \
納得できなかった武芸者も多そうだお。 | ( ●) (● ) |
勝ち負けに生活が掛かっているのも \ (__人__) /
いただろうし…。 γ⌒ `⌒´ ⌒\
そりゃそうだろ。
/ ̄ ̄\ ) ;;;;) というか、当時の武芸者でこれを聞かされて
/ _ノヽ_\ ) ;;;;) 納得できる奴なんか、ほとんどいなかっただろうさ。
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ 大体、大元の『武家諸法度』にしたところで、
| `∩_ノ)━・' それを諸大名に遵守(ひいては幕府へ恭順)させるために
. | |_ノ 「改易」という大鉈を振るう必要があったわけだからな。
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ 宗矩の立場上、他の連中が納得しないからって
\ /_| | まさか道場破りをするわけにもいかない以上、
| \ / _/ 「時間を掛けて定着させる」しかなかっただろうさ。- 602 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:26:26.00 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ さて、話が変わるが、『武家諸法度』で
| ( ●)(●) ”古の法也”として引用されたのは『老子』だが、
. | (__人__) 実は『兵法家伝書』で引用されたのは、
| ` ⌒´ノ それとは別の『三略』と呼ばれる漢籍の兵法書なんだ。
.l^l^ln }
.ヽ L } 宗矩が引用した下りを、ここで紹介しておこう。
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
【三略(下略)】
γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
(;;,);;)ll .l;;;;;;[>-∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
γ二ヽヽγ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
(;;,);;)ll .(;;,);;)ll .l;;;;;;[>-∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
『聖王の兵を用うるは、これを楽しむにあらざるなり。
まさにもって暴を誅し乱を討たんとするなり。
それ義をもって不義を誅するは、江河を決して爵火(※)に漑(そそ)ぎ、
不測に臨んで堕ちんと欲するを擠(お)すがごとし。その克つや必せり。
優游恬淡として進まざるゆえんの者は、人物を傷(そこな)うを重んずればなり。
それ兵は不祥の器なり。天道はこれを悪む。
やむを得ずしてこれを用う。これ天道なり』
※ 「爵火」の「爵」は原文では「火」へんに「爵」 - 603 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:28:27.72 ID:jZFBUUY0
- ∩_
〈〈〈 ヽ
____ 〈⊃ }
/⌒ ⌒\ | | 確かに『兵法家伝書』で引用された文があるお…。
/( ●) (●)\ ! ! ということは、宗矩は漢籍の古典も学んでいたってわけかお?
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\| l
| |r┬-| | /
\ ` ー'´ //
/ __ /
(___) /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ そうだ。
| ( ●)(●) 細かく話すと長くなるから概略だけを言うが、
| (__人__) まだ幕府最初期の頃(慶長八年頃)、
| `⌒´ノ 家康の命によって、『三略』『孫子』を含む『武経七書』や
| } 『貞観政要』『孔子家語』『周易』などの漢籍の古典、
ヽ } ( 『東鑑』などの日本の古典などが大量に出版された。
_ヽ ノ`ヽ、_ )
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( その数は10万本を超えたというから大したもんだ。
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) この出版事業は家康の偉業の一つだな。
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 宗矩が漢籍の古典を学んだ際に用いたのは、
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| この時のものだったのかもしれん。
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i ! - 604 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:30:18.37 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ 後の『武家諸法度』でもそうだが、
| (__人__)l;;,´| この辺りの行動から見ても、家康には
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } 「太平の世において、
/ヽ、_ノ / 武士は文武両道であるべき」
__/ / ノ__
/ / / `ヽ. という考えがあったのだろう。
/´ ./ ,. ヽ. そういう意味では、若干比喩的な話になるが、
ト、_,/. |、 ヽ 宗矩の”政”における師は家康だった、
| |/ / と言えなくもないかもな。
____
/ \
/ ─ ─ \ 石舟斎はスルーかお…。
/ -=・=- -=・=- \ 一応あの爺さんも地方豪族とはいえ領主なのに…。
| (__人__) U |
\ ` ⌒´ / - 605 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:32:31.67 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\ いや、そうでもないぜ?
/ _ノ ヽ、.\ 前に紹介した石舟斎の『兵法百首』に、
.| (●)(●) |
! (__人__) | 『世を保ち 国のまもりとなる人の 心に兵法 遣わぬはなし』
., っ `⌒´ |
/ ミ) / と詠ったのがあっただろ?
./ ノゝ / 兵法が治国に繋がる、という思想の出発点として、
i レ'´ ヽ. 宗矩に何かしらの影響を与えた可能性があったかもしれん。
| |/| | |
.. ____
/ \
でも、その歌だけじゃ. . / \
なんで為政者に兵法が要るのか、 . / /) ノ ' ヽ、 \
皆目わからんお? | / .イ '(●) (-) |
. /,'才.ミ). (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ー)(ー) まあ、確かにな。
. | (__人__) 実際、この歌は「兵法は治国に繋がる」という
| ` ⌒´ノ 「結論」だけは述べているが、
.l^l^ln } 「どうしてそうなるのか」という「何故」の部分はまったく書いていない。
. ヽ L }
ゝ ノ ノ まあ、例えてみれば、そうだな…
/ / \
/ / \
. / / |ヽ、二⌒)、
ヽ__ノ- 606 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:34:49.73 ID:jZFBUUY0
- =イメージ図=
,─、
, ─ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~─、
/ \
/ l ちょっとそこを行く大名どん。
l | この柳生石舟斎が
|┌─-______──~| | 耳寄りな情報を教えてやるんじゃぜ?
|/ J | |
| -─_ _─-、 | | 「兵法の心は、治国にも繋がる」
| /\__/| | |___∠ヽ \|
__ ─| 「`--' _l __ /_`--' / |─__ こりゃあワシの悟った極意のひとつなんじゃよー。
(_ | | | \ヽ ̄_/ ┐┌ \ ̄/ / | | | _) よく心に留めておくといいにゃー。
 ̄ ─| l  ̄  ̄ l |─ ̄ ___
| | ┐ ,─ ─、 | |_ / ヽ___ 入
//|∩ |┐_ ヽ r _ l | |::: ─_| l
/::/::/ /| /~ ─── \| | |\:::::::::| /─、
/::/::| 〈 | |┌──── ̄ 7| l\\::::::\___// \
l:::l::::| ヽ | ~| _____/ | /|:::|::::::\:/ / /─、
\:::| ) / / 丿 /:l::::|:::::::::/ \ / / l
| \|__//~─- ̄ ̄──' /::/::::l:::::/ l / / /~l
| | |─______─ ':::::/::/:∠_ |/ / / /
| |─-|:::::::::\::::::::::::/:::::::://:::| 7\ l _/ |__/ /
| | |─__ `──':::::::::::/::::::─\__l_ / \/
|/| | \:::: ̄ ̄ :::::::::/ ̄ ̄::::::::::::::|\ /|
|/| | \::::::::::::::/\:::::::::::::::──| `───-/::::::|
柳生石舟斎(仮)
ィ";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙t,
彡;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
イ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r''ソ~ヾ:;;;;;;゙i,
t;;;;;;;リ~`゙ヾ、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ i,;;;;;;!
゙i,;;;;t ヾ-‐''"~´_,,.ィ"゙ ヾ;;f^! / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ト.;;;;;》 =ニー-彡ニ''"~´,,...,,. レ')l. < おまえは何を言っているんだ
t゙ヾ;l __,, .. ,,_ ,.テ:ro=r''"゙ !.f'l. \____________
ヽ.ヽ ー=rtσフ= ; ('"^'=''′ リノ
,,.. -‐ゝ.>、 `゙゙゙゙´ ,' ヽ . : :! /
~´ : : : : : `ヽ:. ,rf :. . :.: j 、 . : : ト、.、
: : : : : : : : : : ヽ、 /. .゙ー:、_,.r'゙: :ヽ. : :/ ヽ\、
:f: r: : : : : : : : !丶 r-、=一=''チ^ ,/ !:: : :`丶、_
: /: : : : : : : : :! ヽ、 ゙ ''' ''¨´ / ,i: : : l!: : : : :`ヽ、
〃: :j: : : : : : : ゙i `ヽ、..,,__,, :ィ":: ,ノ:: : : : : : : : : : : :\
ノ: : : : : : : : : : :丶 : : ::::::::: : : /: : : : : : : : : : : : : : : :\
某大名 - 607 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:37:06.26 ID:jZFBUUY0
- ____
/ \
/ ─ ─ \ …説得力が無いにも程があるお。
/ -=・=- -=・=- \ つーか、流石にこの配役はないんじゃないかお?
| (__人__) U |
\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ まあ、実際はもう少しマシかもしれないが、
| ( ー)(ー) 石舟斎の豪族としての経歴を考えれば、
. | (__人__) どっちにしたって説得力がないのは同じだろ。
| ` ⌒´ノ
. | nl^l^l まあ、理屈の部分は
. ヽ | ノ 口伝だったのかもしれないが、
ヽ ヽ く なんにせよ、あの歌だけじゃ思想としては不十分だ。
/ ヽ \ - 608 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 21:37:54.31 ID:zeOY10Ao
- 家潰した奴が言ってもなぁ、ってのはあるなww
- 610 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 21:40:08.21 ID:QnPEe56o
- そりゃ、泥舟斎だもんなあ 宗矩が家を保とうと必死なのも、
江戸と尾張の仲がよくないのも、み~んなこの爺さんが蒔いた種だし - 611 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/13(日) 21:40:24.11 ID:1pu8hQs0
- 家拡張して大名になれればまた別なんだが…
- 609 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:39:37.31 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \/`i だからこそ、宗矩は
| (●)(●)./ リ その「何故」の部分を埋める必要があった。
. | (__人__)..| /
| `⌒´ リ ヒ そのため、「太平の世での剣の意義」を
. ヽ // ,`弋ヽ 『武家諸法度』に求めたのと同じく、
ヽ - ′.Y´ , `ヽ`.l 「何故、剣術が治国に繋がるのか」について、
/〈 `ー〈::....ノ V その理由を「政」の面から支える理論が
| ヽ_ー 、 `ヾ_/ // 「活人剣・治国平天下の剣」に求められたんだ。
| フ-、`ー┴‐-〃
`ー‐一′
. ____
/ \
/─ ─ \
つまり、『武家諸法度』以外に「政」の面で / (●) (●) \
「活人剣・治国平天下の剣」に | (__人__) |
影響を与えた思想があったってことかお…? \ ⊂ ヽ∩ <
. | | '、_ \ / )
それはなんだったんだお? | |__\ “ /
\ ___\_/- 613 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:41:13.64 ID:jZFBUUY0
- ,, -‐ 、
/' ヽ
/ ̄ ̄\ ./ i
/ ._ノ ヽ、\ / ...........i
| (●)(●) | / ..:::::::::::::::|
| (__人__) | / ..::::::::::::::::::l それはな…『儒教』だ。
.| `⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::!
| }/ .::::::::::::::::::::/
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . ./ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′ ..:::::::::::::/|
:,' / !.:::::::/:i..:..l
r 、 / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ゙、:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `、 `、 .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ \:::l. `、 ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----、
`ヽ `、 .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;'' - 614 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:43:58.38 ID:jZFBUUY0
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・ 儒教?
. | ( ●) ⌒) |
. | (__ノ ̄ / …名前は聞いたことあるけど、
. | / それってどういう思想なんだお?
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ
/ ̄ ̄\ まあ、より細かく言えば、儒教の中でも
/ - - \ 「朱子学」が採られたようなんだがな。
| (●)(●) |
| (__人__) | ここで儒教について語ると、
| ` ⌒´ ノ それこそまた外伝が何分割かされる羽目になるので、
| } 簡単かつ『兵法家伝書』に関連する面だけでまとめると、
ヽ }
ヽ ノ _ 「修己治人」 = 「自己を高め、国(人)を治める」
_/ l__ / /
__ゝ_/ ヽノ ノ という思想が儒教だと思っておいてくれ。
\___ノ' ノ 宗矩はこれを「活人剣・治国平天下の剣」に取り込んだんだ。- 615 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:46:34.18 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\
/ ノ ヽ /\'ー、 ,, ..,、 ここで、その儒教の中心的な経典とも言える
| ( ●)( / .\` 、 . // / 『四書』のひとつ、『大学』から一文を引用しよう。
. | (__人/ \ヽ、,.// ../
| ` / ``77 / これを読めば、宗矩が儒教の何をどう取り込んだのかが
. ヽ / / / / 少しは見えてくるはずだ。
ヽ.. / fヽ、/ / , -,./
/./ r-、 ヽ ∨,ノ /
|. \ 〈\.\,〉 `, f
| . \ (ヽ ヽ `.. |
| .\ \ ノ
【大学 第一章二節】
γ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
(;;,);;)ll .l;;;;;;[>-∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
γ二ヽヽγ二ヽヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ;;;;;;;;;;;;;;ヽ.__
(;;,);;)ll .(;;,);;)ll .l;;;;;;[>-∩_]仆;;;;;;;;;;;l l))
ゞ二ソノ;ゞ二ソノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ;;;;;;;;;;;ノノ
『古之欲明明徳於天下者、先治其国。
欲治其国者、先斉其家。
欲斉其家者、先脩其身。
欲脩其身者、先正其心。
欲正其心者、先誠其意。
欲誠其意者、先致其知。
致知在格物』
『古の明徳を天下に明らかにせんと欲する者は、まずその国を治む。
.その国を治めんと欲する者は、まずその家を斉(ととの)う。
.その家を斉 (ととの)えんと欲する者は、まずその身を修む。
.その身を修めんと欲する者は、まずその心を正しくす。
.その心を正しくせんと欲する者は、まずその意を誠(まこと)にす。
.その意を誠にせんと欲する者は、まずその知を致す。
.知を致すは物に格(いた)るに在り』- 616 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:49:09.52 ID:jZFBUUY0
- ____
/ \ なんだか入れ子構造が延々続いてる感じだお。
/ _ノ ヽ、_.\ マトリョーシカみたいだお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | つまり、こういう順番を経て、
/ ∩ノ ⊃ / 「修身」から「治国」に繋げていった儒教の思想を、
( \ / _ノ | | 剣術に組み込んだ、というわけかお?
.\ “ /__| |
\ /___ /
(⊃ ̄ ̄\
(⊃ _ノ \ そういうわけだ。
(⊃ ( ●)(●) そして、上記の一文は、
| (__人__) 儒教において「八条目」と呼ばれるものを説明した箇所だ。
| ` ⌒´ノ
| } \ 【八条目】
/ヽ } \ 「平天下」「治国」「斉家」「修身」
/ ヽ、____ノ ). 「正心」「誠意」「致知」「格物」
/ . | _/
| / ̄ ̄(_) やる夫、見覚えのある単語がないか?
\ \ /| JJJ (
\ / /⊂_) - 617 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:51:17.62 ID:jZFBUUY0
- |
\ __ /
_ (m) _
|ミ|
/ `´ \
____
/⌒ ⌒\ チーン! 「平天下」「治国」…それに、「致知」「格物」、
/( ●) (●)\ 『兵法家伝書』でも取り上げられていた単語だお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| | …というか、思い出したけど、
/ `ー'´ ∩ノ ⊃ 確か『大学』自体、『兵法家伝書』で
( \ /_ノ 引用されていたお!
.\ “ ____ノ /
\_ ____ /
【兵法家伝書・殺人刀】
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~|_| 『大学に、致知格物と云ふ事あり。致はつくすと云ふ義也。
| ._ .|_| ..... 知をつくすは、凡そ世間に人のしると云ふ程の事、
| |殺| . |_| ありとあらゆる事の理をみなしりつくして、
| |人| . |_| しらずと云ふ事なきを、知を致すと云ふなり。
| |刀| .|_| ..... 又格物とは、事をつくすとよめり。
|.  ̄ .|_| ..... その事々の道理をしりつくせば、その事々皆しらずと云ふ事なく、
| . .|_| . せずと云ふ事なき也。しる事がつくれば、事もつくる也。
| |_| ..... 理をしらざれば、何事もなさざる物也。
|________.|_|
└───────┘ 万の事はしらざる故に不審あり。
うたがはしき故に、その事が胸をのかざる也。
道理があきらかにすめば、胸に何もなくなる也。
是を知をつくし、物をつくすと云ふ也。
胸に何もなくなりたれば、よろづの事が仕よく成る者也。
此故に、よろづの道を学ぶは、胸にある物をはらひつくさむ為也』 - 618 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:54:11.34 ID:jZFBUUY0
- ., ──‐、
/ \ そうだ。
. .| _ノ ヽ そして、この箇所で、「八条目」の最初であり、
| ( ●) (●) 「修身」の基本とも言える「致知格物」を
| (__人__) , -―ーっ 剣術の修業に重ね合わせることで、
| ` ⌒´ノ ( ゝ彡 ̄
. ン } ゙| ̄'| 「修身=剣術の修業」
/⌒ヽ、 ノ .|, |
__/ ノ \_ィ ´ー‐ィ' | を成立させ、またこれにによって、
| | / / r_____/ 剣術を「治国平天下」に繋げた、というわけだ。
| | / / |i
| | ( 〆⌒'──r─≒、.
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/_ノ ヽ\
/ ( ●) (●)、 なるほど…。
/::::::::⌒(__人__)⌒\ 最初の1つをイコールさせることで、
| |r┬-| | 連鎖的に儒教…つまり「政」の思想を
\ `ー'´ / 取り込んだ、というわけかお。
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ / ヽ / 相変わらず上手いことやるもんだお。
\_,,ノ |、_ノ - 619 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:56:17.14 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\ まったくだな。
/ _ノ \ ただ、ここで注意するべきなのは、
| ( ●)(●) 「剣術の修行」が「致知格物」と通じるのは、
. | (__人__) あくまで、
| ` ⌒´ノ
. | } 「剣術の修業は心も修めるもの」
. ヽ }
ヽ ノ mm という前提がある時だけ、ということだ。
/  ̄ ̄ ̄ つノ
| | ̄ ̄ ̄
_____ ━┓
/ ― \ ┏┛
/ノ ( ●) \ ・
. | ( ●) ⌒) | どういうことだお?
. | (__ノ ̄ /
. | /
\_ ⊂ヽ∩\
/´ (,_ \.\
. | / \_ノ- 620 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 21:58:33.27 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \ >万の事はしらざる故に不審あり。
| ( ●)(●) >うたがはしき故に、その事が胸をのかざる也。
| (__人__) >道理があきらかにすめば、胸に何もなくなる也。
| `⌒´ノ >是を知をつくし、物をつくすと云ふ也。
| }
ヽ } ( この文にもある通り、
_ヽ ノ`ヽ、_ ) 剣の修行と「致知格物」がイコールできるのは、
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ ( 「剣禅一致」で示された心法の側面があるからこそなんだ。
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁 単に技の修業…剣の腕を上げるだけでは、
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| 「致知格物」…「物事の善悪を見極め、判断を明瞭にする」事に
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ | ならない、というわけだな。
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
____
そういうことかお。 . / \
江戸柳生が「心法」を重視するのは、 . /─ ─ \
単に技法的な話だけじゃなくて、 ./ (●) (●) \
思想的論理性の下地になるからだったわけだお。 | (__人__) |
....\ ⊂ ヽ∩ <
単なる技術だけじゃ、 .... | | '、_ \ / )
「治国平天下の剣」にはならないってわけだお。 .. | |__\ “ /
\ ___\_/
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(●)(●) | そうだ。
. | (__人__) | だからこそ、宗矩は心法を強調したんだ。
| `⌒´ | ) ;;;;) 単なる技の腕前を上げることは、修身でもなんでもない、
. | | .) ;;;;) ただの「匹夫下卒の剣」…「いとちいさき兵法」に過ぎず、
. ヽ } /;;/ 心を修めるからこそ、「治国平天下の剣」…即ち、
ヽ ノ .l;;,´ 将軍家が修めるべき「大なる兵法」足り得る、ということだな。
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/- 621 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:01:08.28 ID:jZFBUUY0
- /7
//
//
__ //
. /ノ ヽ\ .// そして、この思想が普遍化することにより、
. / (●)(●〉/ 剣術は「修身」の側面を得て、
l (__人_,//l .江戸時代における「武士が修めるべき表芸」として
. | `⌒// ノ 他の武芸より頭一つ抜きでた存在になる。
l // ./
. ヽ r-‐''7/)/ 戦場では弓術や槍術と同じく、
/ と'_{'´ヽ 戦場での実用術に過ぎなかった剣術が、
/ _.、__〉 ト, 江戸時代以降、「武士の表芸」になったのは、
{ 、__} |.i 剣が普段から携帯されていた事に加え、
ヽ _,.フ .|.| 思想的にも時代に対応していたことが大きかった、というわけだ。
____
/_ノ ヽ_\ まあ、確かに「剣の達人」とだけ言われると、
/( ●)( ●)\ なんとなく「人格者」「求道者」っぽいイメージがつくことがあるけど
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ その大元のひとつはこれだったのかお…。
| ( ( |
\ `ー' / - 622 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:03:09.92 ID:jZFBUUY0
あと、余談ではあるが、
/ ̄ ̄\ 四書の一つ『孟子』には、「王覇」という概念がある。
/ _ノ \
| ( ●)(● 君主を、徳を以って統治する「王者」と、
| (__人__) 力を以って統治する「覇者」に二分して、
. | ノ 前者が望ましいことを説く話だな。
| ∩ ノ ⊃
/ ./ _ノ 宗矩本人は言及していないものの、
(. \ / ./_ノ │ 剣に儒教を導入したことで、こいつも
\ “ /___| | どこかで引き合いに出されたじゃないかな。
. \/ ___ / まあ、あくまで推測だが。
____
/ \ …んー、つまり、
/ ─ ─\ 「本当に強い奴は自分から争わない」みたいな
/ (●) (●) \ イメージのことかお?
| (__人__) | 序文の「止むことを獲ずして之を用ゐる」と
./ ∩ノ ⊃ / 重なるような感じだお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | こうして見ると、結構儒教の影響ってあるもんだお…。
\ /___ /- 623 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2009/12/13(日) 22:03:26.41 ID:1pu8hQs0
- そのイメージのためになぜか考案者の宗矩が黒いキャラに。
- 624 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 22:05:17.99 ID:zeOY10Ao
- それは隆先生が最大の原因じゃないかww>黒宗矩
- 625 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:05:29.54 ID:jZFBUUY0
さて、「政」についてはこんなところだな。
まとめるぞ。
| .『”政”の影響』
/ ̄ ̄\
/ _ノ \. 【武家諸法度】
| ( ●)(●) 太平の世での武力(剣術)の意義として、
. | ::::::⌒(__人__) .「已むを得ず」用いるためであることを据える。
| ` ⌒´ノ . ⇒「活人剣」への発展。
. | }. 。
. ヽ } / .【儒教】
ヽ ノ ./ 「致知格物」と剣の修行を重ね合せることで、
/ lヽ介/lヽ、 ,rE) 剣術に「修身」の概念を組み込む。
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇' ⇒八条目により「治国平天下の剣」へ。
| | ゚| |\/
_ | | ゚| |______E[]ヨ___________
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
____
/⌒ ⌒\ 『兵法家伝書』といえば、「剣禅一致」が目立つけど、
/( ●) (●)\ 意義の部分に関しては、『武家諸法度』や儒教の影響が
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ かなりあったってわけだお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /- 626 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:08:19.22 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ そういうわけだな。
| ( ●)(●) この辺りは、やはり宗矩が、
| (__人__) 幕府の中枢に近い立場にいたことが
| `⌒´ノ .影響しているんだろうな。
| }
ヽ } ( さて、それじゃあ
_ヽ ノ`ヽ、_ ) そろそろ総論…全体のまとめに入るか。
. _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
_, ハ \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,) 『「活人剣・治国平天下の剣」とはなんだったのか?』
. , -‐ ´ ,ゝ \/ _ 又/ ,ヽ\丁
/ ヾ. \ , イ{`< _ ,ィ 〉〉〉| についてだ。
. / `゙ヾ\ ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. ! ´⌒` ヽ / `ーヲ`〈 i !
確か最初の方で、
「活人剣・治国平天下の剣」について、
___
『「活人剣」「大なる兵法」「剣禅一致」という /)/ノ ' ヽ、\
”思想”を主軸とした兵法理論と技術の体系』 / .イ '(●) .(●)\
. /,'才.ミ). (__人__) \
っていう風に前置きしていたけど、 | ≧シ' ´⌒` |
それとはまた違う話なのかお? . \ ヽ /
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;)
| (●)(●)/;;/ そいつは、「内容」の概略だ。
| (__人__)l;;,´| 今から話すのは、
| ./´ニト━・' .l
| .l _ニソ } 『「活人剣・治国平天下の剣」という思想は、
/ヽ、_ノ / 剣の歴史上、どういう意味を持っていたか』
__/ / ノ__
/ / / `ヽ. ということだ。
/´ ./ ,. ヽ. さあ、始めるぜ。
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ / - 627 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:10:34.95 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\
/ ._ノ \\ _,, 結論から言おう。
| ( ●) (●) | l;l 「活人剣・治国平天下の剣」は、
. | (__人__) | _,_,|,|_,
| `⌒´ |, ト-=y 丶 『剣の歴史におけるパラダイムシフト』
. | } ヽ `i, ̄‐^l
. ヽ } ヾ~ ` i, だった。
ヽ ノ _ ヽ、 ;i, それも、かなり特異な類のな。
,,_,i y,ソト,,__ ヽ、 ;i,
,/r-'"j / / ii, `ヽ、-x,,゜r ;i
,,/'/__.L、 /ヾ、"i `ヽ `;i i,
,/ /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i `、'i iヽ、
_,) ヽ " ネメ、_ii"~ _Yri l, ヽ、
_,,,>t 、ヾ、 ゞ;;/ / ,¬ V⌒l
,y`;,,__ ,i /ii' / r-/| l l
_/^,,, ヘ l /iil / l"v' y } l
v=4⌒ヽ、 j --,,,if /iii| ,, 〈-ヘ_,、 <、 / i|
ヽ, ,, i、 _,,tv /iiiii ム、 / / ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
__,,,l ii Yi___,lk / }iiiiil ヘ __,,,,,,___/ `x'"^ ,,,,, \
^ ̄⌒ヽ ヘ、 ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、 ,/ ,,,-‐‐ `',, ヘ,、
,,,_ \ ヽ `>- liiiiiiil ¬">-- ヽ ヽ i i/ _,, / } i
"- ,, } / /iiiiiiil / l l l lK ^~' / |
\ーヾ /iiiiiiiil / i i | |i`'ヽーミ_/ /- 628 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:12:46.77 ID:jZFBUUY0
- ____
/ u \
/ \ /\ パラダイムシフト…って、
/ し (○) (○) \ またえらく大きく出たもんだお。
| ∪ (__人__) J .| 単に「変革点」ってだけじゃダメなのかお?
\ u `⌒´ /
/ ̄ ̄\
/ ヽ、_ \
. ( (● ) | 単に従来と違うものが出て、定着したことを「変革」というなら、
. (人__) | 別にこれに限らず、大小色々な変革があったからな。
r-ヽ | この場合、
(三) | |
> ノ / 『剣の存在意義自体を変えた変革』
/ / ヽ /
/ / へ> < ということで、
|___ヽ \/ ) 敢えてこういう言い方をさせてもらった。
|\ /|
| \_/ | - 629 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:15:11.19 ID:jZFBUUY0
そして、日本の剣の歴史において、
/ ̄ ̄\ パラダイムシフトと呼べるものは、少なくとも3度あった。
/ _ノ \
| ( ●)(●) 【1 :剣術の「発生」】
| (__人__) → それまで個々人が自分の要領で使っていた剣の操法が
| ` ⌒´ノ まとめられ、他者へ伝達可能な「技術」となった。
| } ▼
ヽ ヘミ| 【2 : 剣術の「思想化」】
/,` 、` -`,--` , → それまで「技術」のみであった剣術に「思想」が加わり、
__,---/;;;;;` `-,-/ニニ | 道徳的価値観を伴った「道」として確立した。
/;;;;;::::、:::::::::|、_ ,>、 /::l,_l・ ,<、__ ▼
ノ;;;;;;;;;;;;:::|::::::::::<:::::::ヽ``l::::| |`l,::::ヽ 【3 : 剣術の「趣味化(スポーツ化)」】
|;;;;;;;;;;;;;;:::::|:::::::::::::ヽ:::::::\|:::|`-‐'/::ヽ::::| → それまで目的や理由があって行われていた剣術が
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;:::::::::::::::::::-、:::`;:ヽ;-';;;;;:::ヽ::l 「趣味化(スポーツ化)」し、それ自体を楽しむことが目的化した。
;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;:::::::::::::::::::::`、;`l;;;;;8;;;;;::::`ヽ
;;;;;;;;;;;;/、;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::;`l;;;|;;;;;;;;;;;::::: `l|、 変革、という点で見れば、これら以外にも
;;;;;/' `,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::|;;;::l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::l 決して無視できない様々な変革があったわけだが、
;;;く ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ 「存在意義」にまで関わった変革となると、まずこの3点になるだろう。
____
/ \
/ ─ ─\ 1つ目はいわゆる「鹿島の太刀」とか、
/ (●) (●) \ 「関東七流」「京八流」「三大源流」とかの「流派」が生まれたことで、
| (__人__) | 3つ目は「剣道」が成立したこととして、この場合、
./ ∩ノ ⊃ / 2つ目が「活人剣・治国平天下の剣」というわけかお?
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /- 630 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:17:13.80 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (●)(●) | 大体そんなもんだ。
. | (__人__) |
| `⌒´ ノ そして、これら3つのパラダイムシフトの中でも、
. | } 2つ目…「剣術の思想化」は、
. ヽ } 更に特異なものであると言えるんだ。
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
____
/ \
どういうことだお? ... /_ノ ヽ、_ \
重要性って意味で言えば、 ./ (●) (●) \
大元の「剣術の発生」の方が .| (__人__) |
剣の原点として重要だと思うお? \ ⊂ ヽ∩ <
| | '、_ \ / )
| |__\ “ /
\ ___\_/
/ ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) | 違う。
. | (__人__) │ 俺がここで言いたいのは、
| `⌒ ´ | 「重要性」ではなく「特異性」についてだ。
. | |
. ヽ / この2つ目の「剣術の思想化」には、
ヽ / 他の2つとは異なる点があるんだよ。
> < それはな…。
| |
| | - 631 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:19:37.25 ID:jZFBUUY0
- ,, -‐ 、
/' ヽ
/ ̄ ̄\ ./ i
/ .\ ./ \ / ...........i
| (●)(●) | / ..:::::::::::::::|
| (__人__) | / ..::::::::::::::::::l この「剣術の思想化」は、
.| `⌒´ .} ./ ..::::::::::::::::::::! 誰が確立したかが明確である、ということだ!
| }/ .::::::::::::::::::::/
ヽ ./ .:::::::::::::::::::/
.ヽ . ./ .:::::::::::::::::::/
,. ‐'"´ `'‐,r''"~ .:::::::::::::::::/
..:./,. -‐‐- 、 l′ ..:::::::::::::/|
:,' / !.:::::::/:i..:..l
r 、 / !::::::::::: i..:..i
l .......`:i i !:::::::::: ゙、:.i
! ::::::::::/ i i:::::::::: ヽ:i
.! ::::::::/ i .....i::::::::::: ヽ
.ヽ ::::::| `、 `、 .....::::::::::::l:::::::::::: `,
/ \:::l. `、 ヽ::::::::::::::::::::l::::::::::: /'''ー─----、
`ヽ `、 .::::\:::::::::::::::|::::::::: /,, ,. ‐;''
____ て
/ u \ そ
/ \ /\ あっ…!
/ し (○) (○) \
| ∪ (__人__) J |
\ u `⌒´ / - 632 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:21:54.93 ID:jZFBUUY0
そう、この3つのパラダイムシフトのうち、
/ ̄ ̄\ 1つ目(剣術の発生)と、3つ目(剣術の趣味化)は、
/ ノ \ \ 「誰が」「いつ」について、確定し切れないところがあるんだ。
| .(●)(●) |
. | (__人__) | 1つ目については、記録で言えば「鹿島の太刀」を編み出した
| `⌒´ | ) ;;;;) 国摩真人(くになずのまひと)になるのかもしれんが、
. | | .) ;;;;) それ以前にも「祓太刀」という形で剣術があったそうだから、
. ヽ } /;;/ 年代もあわせて、これとは限定しづらい。
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・' 3つ目については、お前は剣道のことを挙げたが、
( \ /|_ノ ヽ 単に「剣術自体を好きで楽しむ」というだけなら、
. \ "" /_ノ | 石舟斎だって兵法百首でそう遺していただろ?
\ /___/ この場合も、誰がいつ確立したかは確定させらいんだ。
____
/ \
/ \ /\ でも、2つ目の「剣術の思想化」は…
/ (●) (●) \ 「誰が」「いつ」「どういう形で」確立したか…わかるお。
| u (__人__) |
./ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /- 633 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:28:01.49 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) そう、寛永九年(1632)、
| (__人__) 「活人剣・治国平天下の剣」という形で、
| ` ⌒´ノ 剣の思想化は確立された。
| }
ヽ } 「柳生但馬守宗矩」によってな。
ヽ、.,__ __ノ
_, 、 -― ''"::l:::::::\ー-..,ノ,、.゙,i 、
/;;;;;;::゙:':、::::::::::::|_:::;、>、_ l|||||゙!:゙、-、_
丿;;;;;;;;;;;:::::i::::::::::::::/:::::::\゙'' ゙||i l\>::::゙'ー、
. i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|::::::::::::::\::::::::::\ .||||i|::::ヽ::::::|:::!
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!:::::::::::::::::::\:::::::::ヽ|||||:::::/::::::::i:::|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;;;:::::::::::::::::::::::\:::::゙、|||:::/::::::::::|:::
____
/ \ 言ってみれば、
/ _ノ ヽ、_.\ 剣の歴史が、
/ u. (-) (-) \
| (__人__) |. 「宗矩以前」
/ ∩ノ ⊃ / 「宗矩以後」
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | という形で基点を得た…というところかお?
\ /___ / 特異にも程があるお。- 634 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:30:36.10 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\ ( ;;;;(
/ ._ノ ヽ、\) ;;;;) まあな。
| (●)(●)/;;/ 実際、当時の社会情勢に加えて、
| (__人__)l;;,´| 宗矩が持っていた地位・能力・人脈・機会…
| ./´ニト━・' .l これら全てが揃っていなければ、
| .l _ニソ } 今ある形で「剣の思想化」はなされていなかっただろう。
/ヽ、_ノ /
__/ / ノ__ そして、それら全てを得て、「剣の思想化」を実現できる人間は、
/ / / `ヽ. 当時、宗矩ただ一人だけだったんだ。
/´ ./ ,. ヽ.
ト、_,/. |、 ヽ
| |/ /
___
/)/ノ ' ヽ、\
/ .イ '(●) .(●)\ うーん…。
. /,'才.ミ). (__人__) \ 宗矩以外の誰かが剣術の思想化に
. | ≧シ' ´ ⌒` | 成功できることはなかったのかお?
. \ ヽ /- 635 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:33:02.67 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\ それはわからん。
/ ノ \ \ ただ、「活人剣・治国平天下の剣」という思想は、
| .(●)(●) |
. | (__人__) | 「将軍家(家光)のための剣」
| `⌒´ | ) ;;;;)
. | | .) ;;;;) という前提があってのものだから、
. ヽ } /;;/ 他の人間がやると、まるで違う思想になる可能性が高い。
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・' 確言はできないが、
( \ /|_ノ ヽ 「活人剣」「大将の剣」「剣禅一致」「修身」といった概念のない
. \ "" /_ノ | もっと実戦術の延長的なものになっていたかもな。
\ /___/
____
/ \
. / \ 「五輪書」みたいなものとでも思えばいいのかお?
. / /) ノ ' ヽ、 \ あれも大抵「剣禅一如」が引き合いに出されるから、
| / .イ '=・= =・= u| 微妙にイメージしづらいところだお…。
/,'才.ミ) (__人__) /
. | ≧シ' ` ⌒´ \
/\ ヽ ヽ- 636 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:35:00.78 ID:jZFBUUY0
まあ、それはさておき、
「活人剣・治国平天下の剣」の歴史的意義については、
/ ̄ ̄\ こんなところだ。
/ - - \
| (●)(●) | 実際、この思想化がされたことで、
| (__人__) | 剣術が「武士の表芸」と呼ばれ、
| `⌒´ │ 「武士が修めなければならないもの」として、
| .| 社会的に定着したわけだからな。
ヽ / 単に常時携帯しているだけじゃ、
ヽ ノ 「格」は上がらないだろうし。
_/ l__
__ゝ_/ ヽ そういう意味では、社会的価値観にすら
\___ノ' ヽ⌒) 影響を与えた、と言えるかもしれんな。
____
/_ノ ヽ\ …こうして今までを振り返ると、
/ ( ●) (●)、 宗矩はつくづくよくやったもんだと感心するお。
/::::::::⌒(__人__)⌒\
| |r┬-| | 「柳生の特異点」どころか、
\ `ー'´ / 「剣の特異点」と言ってもいいくらいだお。
⊂⌒ヽ 〉 <´/⌒つ
\ ヽ / ヽ /
\_,,ノ |、_ノ- 637 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:37:21.27 ID:jZFBUUY0
よし、それじゃあ最後にまとめるぜ。
|
/ ̄ ̄\
/ _ノ \. 【「活人剣・治国平天下の剣」とは?】
| ( ●)(●)
. | ::::::⌒(__人__) 柳生但馬守宗矩によって説かれた
| ` ⌒´ノ 「活人剣」「大なる兵法」「剣禅一致」などの
. | }. 。 様々な概念を含んだ「太平の世のための剣術思想」。
. ヽ } / (及び、その土台となる新陰流の剣術技法体系)
ヽ ノ ./
/ lヽ介/lヽ、 ,rE) これにより、剣術はパラダイムシフトを起こし、
. | | ~ヾ/~ |. ソ◇' 単なる実戦術から「道」に変化した。
| | ゚| |\/
_ | | ゚| |______E[]ヨ___________
|\  ̄ヽ⌒ヽ⌒ヽ \
|\\ ⌒ ⌒ 甘 \
| \| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
____
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ 今までの話が、まとめるとこれだけになるのかお…。
| (__人__) l;;,´| まあ、このまとめだけじゃ内容がわからないわけだけど、
./ ∩ ノ)━・'/ 少し微妙な気分だお…。
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /- 638 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:39:19.73 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\
/ ─ ─
| ( -)(-) …というところで、
| u (__人__) これで、やっと一通りの話が終わった、というところだな。
| `⌒´ノ
| } 本当、予想以上に長く掛かっちゃったよなあ。
ヽ }
/ ヽ '´
/ ┌─┐
i 丶 ヽ{ .茶 }ヽ
r ヽ、__)一(_丿
ヽ、___ ヽ ヽ
と_____ノ_ノ
____
/::::::::: u\ まったく、最初にも言ったけど、長く掛かり過ぎだお!
/ノ└ \,三_ノ\ ,∩__
/:::::⌒( ●)三(●)\ fつuu それに、最初は出番があったから喜んでたけど、
|::::::::::::::::⌒(__人__)⌒ | | | ここまで徹頭徹尾、やる夫とやらない夫だけの
\::::::::: ` ⌒´ ,/_ | | .二人旅になるとか地味にも程があるお!
ヽ i 丿
/(⌒) / ̄ ̄´ 早いとこ本編に戻るんだお!
/ / /- 639 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:41:03.61 ID:jZFBUUY0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) でもお前、本編が始まったら、また出番なくなるんじゃねえの?
. | (__人__) 次は、宗矩が惣目付になった直後からの話だから、
| ` ⌒´ノ また宗矩の話がメインになるだろうし…。
.l^l^ln }
.ヽ L }
ゝ ノ ノ
/ / \
/ / \
. / / -一'''''''ー-、.
人__ノ (⌒_(⌒)⌒)⌒))
ノ L____
⌒ \ / \ そ、そんなことないお!
/ (○) (○)\ きっと、>>1が柳生庄を舞台に、十兵衛とおにゃのこたちの
/ (__人__) \ キャッキャウフフで心温まるハートウォーミングな
| |::::::| | 王様タイムな話を書いてくれると、やる夫は信じてるお!
\ l;;;;;;l /l!| !
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl - 640 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:42:38.24 ID:jZFBUUY0
/ ̄ ̄\ お前…この>>1が、
/ _ノ \ そんな気の利いた話を書くとでも思ってるのか?
| ( ●)(●) どうせ男の娘盛り沢山とか地獄開始とかそういうオチに決まってんだろjk
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ
. | } ミ ピコッ
. ヽ } ミ /\ ,☆____
ヽ ノ \ \ / \
/ く \. /\/ ─ ─ \ まー実際そうなんでしょうけどね。
| `ー一⌒) / (-) (-) \ 夢くらい見させてくれたっていいじゃないと
| i´ ̄ ̄ ̄ \ | (__人__) | 思うんですよ。
\_ ` ⌒´ /
/ \- 641 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:44:06.28 ID:jZFBUUY0
まあ、なんにしても、
長く続いたこの外伝もやっと終わりだ。
やる夫、お疲れ様。
/ ̄ ̄\ なんの、お互い様だお。
/ ⌒ \ これでラストだし、最後はどこに行くお?
| ( ●)(●)
. | (__人__) / ̄ ̄ ̄\
| ` ⌒´ノ /⌒ ⌒ \
| } /(●) (●) \
. ヽ | | (__人__)/// |
_/⌒ヽ ィ \ /
i'⌒゙l | l \ / ̄  ̄ ̄)___
| |. | | ト \ / // /'./ / 〃 ⌒l.
| | ( " ̄⌒ヽ、 |_" ̄ ̄⌒ヽ、 _____/⌒\./ / し'_|;;;;;;;;;;;;|
|.  ̄ ̄ ̄ ̄|ソ,),) ̄`ヽ ̄⌒ヽ|,),)ソ .l'⌒゙l ( ゙̄^ ヾ /⌒ l\ / |⌒゙|;;;;;;;;;;;;;|
| l .| y |_ィ | .| | |──=`──‐/ /────| |;;;;;;;;;;;;;|
| | .|.| | | | | | | ノ_ / | |;;;;;;;;;;;;;|
| | |___| |__| | | | iヘ__ソ | |;;;;;;;;;;;;;|
|_______.|___(__゙)__{___゙)_|__|__|_______ ̄_______.|__|;;;;;;;;;;;;;|- 642 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:46:19.86 ID:jZFBUUY0
じゃあ、ステーキでも食いに行こうぜ!
せっかくだし、美味いやつをどーんと腹いっぱいな!
/ ̄\ 賛成だお!
,---、 / \ ,----、 今日は山ほど食べてやるんだお!
| l | | | | ,---、 __ ,----、
゙| l' | | ヽ / | l / \ | |
| | | } l | ゙| / \ヽ /
| | ヽ } / / | | l |
、 \_ ノ / / | \ / /
\ '---´ / 、 \ ´ /
\ ィ \ ィ
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| l\ \ / / | |
| | \ | / / | |
| | / / \ ヽ, / /
| | < ヽ \__/〈 ヽ
L______ヽ \_/ `゙‐-‐'"
【やる夫で学ぶ柳生一族 外伝その3・後編5
「活人剣・治国平天下の剣、その礎3( 政 『武家諸法度・儒教』)。そして総論」】完- 643 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 22:49:28.92 ID:AUQs9/Yo
- ついに外伝修了おつでしたーww
- 645 :やる夫で学ぶ柳生一族(外伝その3・後編5) [saga]:2009/12/13(日) 22:49:35.39 ID:jZFBUUY0
どもども、お疲れさまでした。
本日もお付き合いありがとうございました>皆様
今回で、長々と続いたこの外伝もようやく終了でアリマス。
当初は、「外伝1話で事足りるかね」と考えていたのですが、
構成をまとめてるうちに、「…3部構成くらいいるかなあ」と思うようになり、
いざ、書き始めると、「予想よりも全然分量多いよ!」という有様。
そしてその結果がこれだよ!というところでアリマス。
申し訳ない。
しかしまあ、書いてて思ったのですが、
宗矩ってのはつくづく代替の効かない人物であるなあと。
「活人剣・治国平天下の剣」の存在が剣術の歴史に与えた影響もそうですが、
それを生み出す存在として、宗矩以外の人間じゃ無理なので砂。
仮に、宗矩と同じ立場と機会を得た別の剣士がいたとしても、
宗矩個人が持っている能力なり人脈なりに相当するものを持っている剣士は当時他にいないので、
今ある形の「剣の思想化」ってのは実現できなかったであろうと。
直木三十五先生辺りの説だと、宗矩が作らなくとも、
そのうち誰かが今と同じ形で剣を思想化したであろう、みたいなことを述べておられましたが、
一通り調べた限りだと、「そりゃ無茶だろう」と思った次第。
別の物なら何かしらの形で出たかもしれませんけど、結局はIFで砂。
さて、次回からは本編再開でアリマス。
かなり間が空いてしまったので、前の話を忘れられてしまっているかもしれず、
どーしたものやら。
とりあえず解説役は少佐(攻殻の草薙素子)ということで。
ともあれ、この長い外伝にお付き合いくださった方々、ありがとうございます。
今後ともよろしゅうですー。
ではでは。- 654 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/16(水) 17:19:15.85 ID:wHAEgPI0
- 今更だけど乙
そりゃ他の流派にペテン師と思われたりもするわ
理解できない人も多かったんだろな - 656 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/16(水) 23:20:35.94 ID:Cn79arg0
- お、パー速復活。
戦がない世の中で、武術はどうあるべきか、というのは随分現代的な悩みだよな。
当時の武芸者の最高権威がこれを言うのは随分思い切った決断だったと思うよ。
その気なら適当にごまかすことだってできただろうに。 - 648 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 23:06:03.13 ID:nEqFBHEo
- お疲れさまでした。兵法家伝書の詳細は大変だったと思いますが、読み応えがありました。
- 653 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/14(月) 03:01:50.90 ID:M6UGI0co
- 別で やる夫で学ぶ兵法家伝書 がいるぐらいのクオリティの高さやね
- 646 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 22:58:56.16 ID:8l8kr3go
- 乙乙!
本編も楽しみにしてるぜ~ - 649 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/13(日) 23:06:38.09 ID:zeOY10Ao
- おつ!
すまん、これまでの話マジで全く覚えてないww - 655 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/16(水) 19:00:21.54 ID:CUpbvf6o
- 乙
少佐に決まったの思い出したww - 657 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2009/12/17(木) 15:29:01.02 ID:2/2pm4I0
- TV局スレの作者の方が武道ネタの短編を書いておられますね。
やる夫で考える心と武道 http://mukankei961.blog105.fc2.com/blog-entry-2867.html(やる夫短編集 地獄編さんまとめ)
柳生スレも結構引用されていますよ。
続きはこちら
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