- 21 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:34:52.25 ID:Q5MhjmA0
- このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。
【今回のメイン柳生 : 柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)
.柳生十兵衛三厳(やぎゅう じゅうべえ みつよし)】
/ ̄ ̄\
/ ノ \ \
| .(●)(●) | 柳生家の当主にして幕府惣目付、
. | (__人__) | そして徳川将軍家剣術指南役、柳生但馬守宗矩だろ。
| `⌒´ | ) ;;;;). 常識的に考えて…。
. | | .) ;;;;)
. ヽ } /;;/
ヽ ノ .l;;,´
. / ∩ ノ)━・'
( \ /|_ノ ヽ
. \ "" /_ノ |
\ /___/
(ヽ三/) ))
____ ( i)))
/⌒ ⌒\\
/( ●) (●)\ ) 柳生家の嫡男、柳生十兵衛三厳だお!
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈 `ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
- 24 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:40:27.12 ID:Q5MhjmA0
- 【寛永十年(1633)時の柳生一族系譜】
大膳長永
:
<柳生家>
:
├─────┐
柳生永珍 中坊源専
:
├─────┐
家厳 重厳
| (七郎左衛門)
| (松吟庵)
├─────────────────────────────────────┐
宗厳 妹
(新左衛門) .|
(石舟斎) 【江戸柳生】 <幸徳井家>
├───┬───┬────┬───────┐ |
厳勝 久斎 徳斎 宗章 宗矩 友景
(新次郎) (五郎右衛門). (又右衛門) .|
| (但馬守) |
| 【尾張柳生】 | |
├────┬────┬────┐ ├─────┬────┐ |
純厳 利厳. 妹 厳倚 三厳 友矩 宗冬 .友種
(久三郎) (兵庫助). (権右衛門) .(十兵衛). (左門) .(主膳)
| (幼名:七郎) (幼名:又十郎)
|
├─────┬────┐
.清厳 利方 .新六
.(新左衛門) .(茂左衛門) - 25 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 21:40:27.15 ID:Zl6pFjAo
- 果たして今日はやる夫の出番はあるのか。
佐々木さんAAは活躍するのか。
はじまた。 - 26 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:41:51.80 ID:Q5MhjmA0
- 【第1部(その1~11)のあらすじ】
時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復する。
更に、家康が幕府を開き、後継たる秀忠を二代将軍とすることで、宗矩は将軍家剣術指南役となった。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。
【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その世において、柳生家は二つに分かれる。
将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」である。
宗矩は「坂崎事件」を見事解決するなど、一剣術指南役の枠を超えた才を発揮し、
また、三代将軍家光の指南役ともなることで、柳生の権威を確立させた。
同じ頃、兵庫助は「直立たる身」の工夫を編み出し、尾張藩主・徳川義利へ新陰流正統四世を相伝する。
そして時は寛永に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。
【第2部後編(その25~30)のあらすじ】
晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の沢庵和尚が紫衣事件の件で罪に問われたため、
その赦免のために奔走したものの、その努力も空しく、沢庵は配流となってしまう。
しかし、それから三年の時が過ぎた寛永九年(1632)、大御所・秀忠の逝去と、
宗矩による家光へのとりなしもあり、沢庵は赦免される。
そして江戸にやってきた沢庵より、「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
遂に真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、更なる信任を得たことで、「惣目付」への就任を申し渡される。
そして、宗矩は惣目付としての役目を果たす日々を続けるのであった…。 - 27 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:43:22.58 ID:Q5MhjmA0
- 寛永十年(1633)、宗矩は惣目付としての役目を果たす日々が続いていた…。
/ : :.:.:.:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.}:.ヽ' ノ}、::{.|
〃、 :.:.:/:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.、\.:.:.:.:.:.:.ノ|゚´リ、/:ハ:l.|
/ ` -{‐ !ー{ー ‐!--ヽ'ヽ ̄二_,!´;}l.:!:::::}ハ!
ハ;`‐/ -|-:|ー:|ー-'{‐|:‐:ハ::|"!:.:.:.:}}イ:::}.}:::ソ:∧
!:!{ :.:!.:.:.:|.:.:!:.:.:.{.:.:.:.:.l∧N レヽト、:.:.リ.|::::|´';:!l::::ハ
!| !.::i!:::.i:ト、|ヽ:∧::::::ハニ|三,ニニ、.Y.:.:|::::|f. }l.l:::::ハ 但馬殿、この件の措置はこれでどうであろうか?
!! ',::ll:::::l:!ェニニミヽ::::∧ /´ヒzリノノ!.:.|::::|リ/:!l::::::::}.
{ ∨:::i::l{《弋zj` \::ヘ  ̄ ´ |!.:|::::|ノ::::!l::::::::ハ
`. 弋::l:::i` ̄ \!. |!.:!::::!:::::f }:::::::::ハ
. レ!::∧ ` ||.:|::::|ヘ::l,,,!:::::::::::},
{.!:::!∧ 丶' ,!|.:|::;:| '、;、:::::::::::::l
l.!:::l::{ \ ‐= ‐ ´ハル'´ .//‐、::::::::::!
{!:::l::| l´ >  ̄ / / // '::::::::::!
`ゞ、j {. ≧ __ . < ./ // \::::!
\ 、 \!lヽ、 ./ // ヘ:|
ヽ! !l`'、ヘ / ./'´ \
} !l ´¨//-、__,...__ \
酒井讃岐守忠勝
(さかい さぬきのかみ ただかつ)
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● 左様ですな。
| (__人__) これならば上様もご納得されるかと。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ では次の件を…。
/ ./ _ノ
(. \ / ./_ノ │
\ “ /___| |
. \/ ___ /
ある時は、年寄達の寄合に臨席しての監察…。 - 29 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:47:52.71 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ .ノ ヽ、\
| (●)(●) | …というのが、この件についてのご沙汰でござる。
/ ̄ ̄ ̄ 丶人__). | 伊達様、如何でございましょうかの?
/ \ ._|_____
, --'、 / `〉 (この方は相変わらずであるのう…)
/ ⌒ ) / /
,′ ノ / /
l T´ .._ ./ r'´ ̄ヽ
ヽ ノ ./丶、 / (  ̄ l
`'ー'´ | .`'ー'――┬― --、/ _.ノ
,.-─ …‐-、 _
く ,.ィ彡__ \ ̄¨ ー- ..___ _,,. -、
V ノ \ \  ̄ ̄ _}
. \ ____\ \ ,. </
ヽ´oヽ `>‐--丶、 _ _,.イ\ /
\>/ ト、jノ<二二..__ ̄ `ヽ | ンン~…わかっておるわッ!
|::::::::::/`ヽ彡 -‐  ̄二ニ =ヘ、 上様よりのご沙汰に、この政宗、不満などある訳なかろうッ!
;:::::::;:',ィフ=、ー-r‐' 彡'⌒ヽ__,. ヽ
/:::/// , =ァ'' \ニ/ /¨ヽi `ヽ '. (ドジこいたーッ!
//::l U ,fュ/ i `' i'^ソ/`ヽ i うまいことやって儲けるはずが、こいつはいかーん!
.. レ/ `ヽ/ ソ / i_/\ l こいつ相手じゃ下手に言い返すわけにもいかんし、
. ,' _i.,,_ u. l 丶、 i 黒脛巾組の動きは一旦止めるしかない!
i __} ! `ミ、W チクショー!)
└‐´r' __ | ヽ
,.-┴r'_‐ノ l
_⊥、 \' /
. { \' _} ,. <
. /\ \_,.ィ
\ \ /ヽi. 人
. f\ ノ丶、ノ
ヽ `>‐く
`ー─'
伊達陸奥守政宗
(だて むつのかみ まさむね)
またある時は、諸大名への御触事の通達…。 - 30 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 21:50:18.53 ID:Zl6pFjAo
- どこのスレでもこのDだけはもうwwww
- 31 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:51:20.95 ID:Q5MhjmA0
- / / i: : : : :! !.! iL...iレ、: i:ハ! j__i i i.! ;
. / , ' !. : i iノ´ノ ̄リ´: : :! ノ /⌒i从リ
/ / ノ ノノ u ..ニ ノ {'o !
. i / ´ ノノ 〃´ O ) ij 'ヘニ´{ ; た、但馬殿。
从! /. : : : :ゝ-- " . : : : :,;;ゞ-、 ; この度、我が家よりお願いしたき儀が…
} } { : : : : : . . , ' . : : : : . ,. : :ノ i
イj ノ i人,ノ: :u: : : : .:.:.:. 、u! ; カチ (キ、キンチョーするなァ~)
い イノ !i从 , ' u ノニ) i カチ
乂ヽ. 人::::.:.:. :. 〃'⌒) ,′ カチ
`ヽ ,ノ:::::::::::::.:.:.:. 、ノ′.イ ,′;
ノノノ,人ゝ`ヽ、:::::.:.:. . u { ;
乂ヾハ)ト-.人::::::::.:.:.:. . . ij ノ ;
細川光尚
(ほそかわ みつなお)
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ⌒)(⌒)l
. | (__人__) | ははは、光尚殿。
| ` ⌒´ | そう固くなられずとも大丈夫ですぞ。
. | } .さ、お申し出の件、お話しくだされ。
. ヽ }
ヽ ノ
/ く
/ ヽ
あるいは諸大名からの申し出の受付など、多岐に渡る勤めを果たしていた。 - 32 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:53:46.04 ID:Q5MhjmA0
- 先に述べた通り、惣目付の役目は『老中・諸大名の監察』である。
「ものおじ候」の言葉が示す通り、その存在は非常に恐れられ、同時に厭われていたと思われる。
下手をすれば加藤家のように改易の危険すらあったのである。
大名達も慎重にならざるを得なかった。
\ ィ`´ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ | ,え゙ r―-、
\ 〃 ._八__、、 | | ,.‐-、vヘハノVvヘハハ∠二 ヽヽ /
ー` ` ` ` ` \ ル三''′`三ヽ. l | //フlul|lu||lu| l∠二 ヽ / /
∠/レ'レ'レ'レ'L. \ [ ≧|ニ|≦_]~|^)ト、. | 〈 /'''フ-‐~' ~'⌒⊂"^ヽ/ ̄ ̄ ̄ /
/|│|u| _|_|_ 7 |\ | ,-L__」 -、u |ト:| |'''ー |"~ヾノつ へ、U / ヽu|ヾi_____/
|\ / | r.、 | \ ,.. -┬|l王l王l王l`/ .| | | | _||( o o ,ノ ||f|-―l l/
|ニ・〉 ニ・フ .|l6| | \ ,∧ |├‐┬─‐''′/ || |i'"l~:::l::| し'| u | `Ju l!'|::::::::/
. |∠ っ u ll,ノ | \ | |.|-―l、___/-―┤ .|| |:::::|:::| v ___L,__,.」_u |::|/____
ヽlニ二二) ./ >‐、l \ | || ヽ. / | | || |::::|:::::ヽ((三≡≡三) / _ `i
ヽ = ./ / ,.ベ\ \ | | Y。 | | || |::::|:::::::::::\u、━、 /_ -イi~| | |~ヽ |
ヽ_. く / / ヽ \ _|\_/\_/\_/\_/\_/|___:::::::::::::/ TT l |υl_, -'_フ ヽ |
/ / ヽ ヽ \ /:::::::/\υ , -''_~- ''~ u / |
________________/ 改 易 の ・ ・ ・ ・ ・ \/~ヽゝ|| ||, -ー~ フ ::| |⌒i |
< /l/ u |ハ、 ヽ 〉 / |)_ o/u ≡丶o_ ノ ::::| .|⌒| |\
レ =、\ _メヽ!ヽ!、 | く 予 感 っ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ > |( /,' U ( ) υ::| lD | | |`ー
|ヽ 。>_ /。 ノ | ,へ | \ \__|/,' υ υ し' ::::|.|_,ノ | |
| u/ ~U~ ┌ ||ビ|| | /< ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ! ! /_/ __, -ヽ O ┌::::||. | |
|/__,ヽ__u |!_ン |\. / ノ \\ ̄| i┬┬┬┬┬┬、 ::::∧ | |
|『┴┴┴┴')) |\ l/  ̄|,/ヽ/\/\/\/\/\厂 \|l二二二二二二/::::/:::;ヽ | |
ヾ========'/ / | |∥┃┃│∥ |│ l | \┴┴┴┴┴'::::/:::: Y |
>--― "u / ,シ^'~'^~''^~^''^''ゞ、 |:l |∥┃┃│∥ |│ | | _≧ー \≡ υ ::/::: /| |
/‐/ |\_/ /Y'l'Y'l'Y'l''l'Y'~Y''! | ||||∥┃┃ │ | > \___/:::: / | |
..〈 / /| / c / lυl l lυl | |u l | |||| │ _ 、)ノノ | ^イイイイイイイ\-‐''"~ /|____,|
l ll /,、,、,, c |二ヽ'___∠二___| | l│| │ |i┴-、 | | | /、\ u />Z. \ / |
.ト、/ ,、,、,、,、;. っ c 「⊂・「^^|二・)|~~~''6|:l:|│| └‐l l_,/、| | |r==、l </== 'i iヘ \ |
,/ | |ァ,,ァ| っ. └廾┘ └―┘ -|i||:|│ _,r―;rミ巛彡/ | |`ー・ ・― ' |.|ヘ| | \
| 6 lニコ| っ. |U '~`υ υ | || |│ └ヽ/ヽ、|M|ノ | |∴(__)∵∴ u||.ン |\ \
Vニニ  ̄ヘ. c | l三三三三l | | |i|│ミ`--へ,,/ ̄ |l| |u(二ニニ二) /ヽ. | |"'''‐\
l  ̄ ̄ ̄ ̄_厂| | l ||│|  ̄ ̄ │┃ ┃|| l| '"|\ ━ / ヽ| | \
 ̄ ̄| ̄ ̄/ | |l |l |│|∥┃ │∥┃│┃|l| l| | `r― '" /| | \
惣目付を恐れる大名達(イメージ図) - 33 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:56:02.04 ID:Q5MhjmA0
- だが、反面、彼らが『将軍家に近い存在』であることもまた事実である。
そのため…
ミ::::::、:::ト、lVヾ.i/ _
.ミ:\、|ヽ! | ,、 / \ | 電 大 こ
〃}ハ「ヾ::::::ゞ ∨ `ー '´ | 流 名 の
:::〈{::::|L__ミ / ,.u.-─ │ 走 に 時
:::::::〉::: ̄:> /`ヽ、 r'´ / る
:::〃::::::::三__ l== 、 _. ==== ° まてよ…ここは発想の逆転…っ!
:::{[:::::::::::> l ー゚-ノ " ー゚-‐ ' |. |_.| | | 惣目付のお歴々と懇意になれば…っ!
v/∠::::∠_ l./ v __ |.|_// │
≦::::::∠._ / __-, ij j「 |し' | これは相当有利に……っ!
1ィトヽ::::::::/ ‘ー /:l. |
く:::::::::::∠ -ァ'´ l (二ニ二つ /: l. l
/::::::::::::::::::フ.ィ l __ u /:: :l ,'\
L_::::-:=-:三, ,.ィ _」  ̄ /:: :l /: : :
√´::::::::::::://レL -‐'7¨ /l u /::: :l/: : :/
_ゝVレ/∠ -‐:7: :/: :/: :/: :`ァ┬─‐::'::: /: : :/:
>:-‐:7: :/: :/: :/: :/: :/: : :/ : :|:::::::::::: /: : :/:
某大名
「惣目付と懇意になろう」と考える者が出たのも、また自然な流れであった。 - 35 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 21:59:07.72 ID:BUkFwnAo
- そんな痩せた考え…狙い撃ちだろ…
- 34 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 21:58:31.57 ID:Q5MhjmA0
- かくして、惣目付を恐れつつも、
彼らに近づこうとする動きもまた、存在していたのである。
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| .||===○===○===○===○===○
| |││││││││││││││││|| .||
| |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 毛 ||
| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 利 ||
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\/\/\/\/\/\| |││││││││││││││││|| ||\/\/\/\/\/\/
/\/\/\/\/\/| |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
そして、所変わってここは萩藩毛利家の上屋敷…。 - 37 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:01:06.31 ID:Q5MhjmA0
- 寛永十年(1633)二月二十三日のこと。
//|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:lハ
//l|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
//:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:l:ハ
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|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|/|:|:|/|:|:|:|:l/Ⅵ:|:|:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|:|∧:| |:l/ |:|:|:/ Ⅵ:|:|:|:|:|:|:l
|l:l:|:|:|:|:|:|:/|:|:l/_\|/ .|:|/ Ⅵ|:|:|:|:|:|
ノリ:l:|:|:|:|:|:|/ |:|/ ,-、ヽl\_, |/ ノ|:|:|:|:|:| 福間、お前を江戸屋敷留守居役に任ずる。
> イ⌒|:|:|:| l/ じ! ノ〉 乂 ー ,ニ二、 |:|:|:|:|:| これからよろしく頼むぞ!
 ̄ノ八ヽ∨|:| │ ` ´´′ l iJ 〉,l:|:|:|:リ|
 ̄\\ V:| .il| ` ー ´ //|:|/
\\」 , 」 / l/l/
/ ヽ ', / l/
/ Vl ー─-‐ .イ l'
l l 、 ./〃 l'
l│ \ / // /
| |、 ヽ丶-イ / // /
| | ヽヽ /`二 ´ </ /
毛利長門守秀就
(もうり ながとのかみ ひでなり)
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ ははっ、頑張ります!
.r=丶 ⌒ _. ⌒ lゝ、
|/' / '― l r.〉
゙‐| 丶-‐--‐ ,ムノ
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;;r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;|
福間彦右衛門尉就辰
(ふくま ひこえもんのじょう なりたつ) - 38 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:04:25.65 ID:Q5MhjmA0
- ,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| ン′ |/ (我が福間家は家格としては中の中だけど、
.r=丶 > ._ く lゝ、 この大事の役目…見事果たしてみせるぞ!)
|/' / '― l r.〉
゙‐| 丶-‐--‐ ,ムノ
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;;/ヽ
;
さて、ここで出てきた男は、
毛利家の家臣で、名を福間彦右衛門尉就辰(以下彦右衛門)といい、
この日、萩藩毛利家の江戸留守居役(今で言えば駐在大使に相当)を任じられた男である。
そして彼は、着任以来、その職を離れるまで、『公儀所日乗』と呼ばれる
日々の職務記録を書き記し続けた。
少しの間、この彦右衛門の記録を通じて、
この頃の各大名家が、宗矩も含む幕府重臣に対し、どのように働きかけたか、
その一面を追うこととする。 - 39 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:08:16.53 ID:Q5MhjmA0
- まず、就任したその日から、彦右衛門は動き始めた。
,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l 初めてお目に掛かります。
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l 私、毛利家の留守居役となった福間と申します。
l 〈 、 ィ^ |:::::::::|
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i 加々爪様が御屋敷普請すると聞き、
/ ( | ⌒ ⌒ |ヾ/|`ヽ. 挨拶も兼ねて、使いに参り申した。
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、 こちら、我が毛利家よりの進物でござる。
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、
,ィ´`ヾ ∧ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l
∧ l ヘ l` .l|ヾ=─- ィ二`ヽ ∧ lヽ 、 l
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ',
!'、 ,、___ ', i、 i ', いや、こちらこそよろしく。
','、'´tj‐ -.i /)', /- ) 進物はありがたく受け取らせてもらうよ。
',ノ ヾ、 i /iv',/ / .長門守様にはよしなに。
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
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│ カガツメ .| !: : : : :ヽ: :/::::::l:::::::::'; : : : : : : : :, '´: : : : : : : : :/
加々爪民部少輔忠澄
(かがつめ みんぶしょうゆう なおすみ)
(以下、『公儀所日乗』より)
『(寛永十年)二月廿三日(2月23日)
加々爪民部殿(江戸町奉行)、御屋敷御普請に付て、
間似合(ふすま紙)百間ならびにたたみの面百畳御音信(進物)としてこれをまいらせ候。
持たせ候て、御使に参り候。
右の御進物御留め置きなされ、即ち御礼状参り候事』 - 40 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:10:49.09 ID:Q5MhjmA0
- 主君秀就へのお供や、江戸城への登城の前準備、
または年寄への挨拶の取次ぎなどの役目をこなしつつ、
彦右衛門は、自らの挨拶回りも行なっていた。
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ 皆様、はじめまして。
.r=丶 ⌒ _. ⌒ lゝ、 私、このたび留守居役になりました福間と申します。
|/' / '― l r.〉
゙‐| 丶-‐--‐ ,ムノ まずは挨拶代わりにこちらの糸房を…。
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
,,iillllllllllll!lli,,,
'llll!゙゙ヽ/',、゙゙
` [ │
,,,,,,iiiiiiiiiiiiiiiilllllllllliiiiiiiiiiiiiiii,,,
,,illllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllii,,
,iilllllllllllllllllllll!!゙゙゙゙゙゙゙゙゙!lllllllllllllllllllllllll,,,,,,、
,lllll!l゙゙`゙゙゙゙”’ ./: `'.゙゙!llllllllllllllllllllllllll,
llllll″.ヽ ,″ ヽ lllllllllllllllllllllllllli,,
、,..,.,___、 lllll ‘ ._,,,,,,,,、 .゙゙llllllllllllllllllllllll!
||,|.|.l゙|.|゙|゙|7l'i、 ,゙!l,,,,,,,,i、,,,,i,,l゙llliiiiiiiiiii, ゙ニ'ヾ!!!lll!!!llllllllll HAHAHAHAHA!
l|l゙.|.|.|.|.|.|,川 〔` ゙゙lllll.r‐rll,_ ,llllllllllll .| `゙゙'liil`,,, ゙゙!lll° これは良いものを頂きましたネー!
,!|l゙l゙.|.|l゙,!川 | .゙liiiii,illlll.} ゙l゙!!llllllll!!!l゙丿 ,、 ゙`l゙ | ,ll!
./`!ヘりりミ(l゙," .l゙!!!!!l゙゛,,,,.`: :.: ::、`` .,i´ .",l゙.,il!゙ こちらこそ、今後ともヨロシク!
‘i、 ./ ヽ、 `゙゙‐''′ ヽ | ./'∠.l゙
.゙>、、,.,/ |′"、__,ニニニ,i、 " ` `゜.|'"
,,,,,,,,/゙/ヽ,゙/: l, l゙ |° .|" ,,,,,| _,、、、
l゙ .く,,エ..,.`,ヽ │ .|、 `―ー''" ッ、..| .~'i、 ゙l,,、
`,"工,l゙ ."] ,゙l | `''、.'`"ヽ" .,,--l゙ `'. `゙゙"'、`'、
| .゙l__) .i",゙l,| | ,,Y、 : ,,-,i´ ゙l .(,,、 ,l゙ .l゙
`゙゙|゙゙|^`゛{ _,,!、,.| /.._ `゙"ア二'"`''i、 ヽ │ ゙l .|
│.|ーー''',,、レ'ン゙l .、/゙゙゙゙.,i´_,.",ノ´ .l、 ,l゙ │ | ,ヘ、
.ヽ,゙|'!,,"`ミ/ .| │ .r'二'""`ノ`._,゙l--=二二゙"゙゙゙`゙\、 ,!ヽ,/″::ヽ、
石川太郎兵衛
『二月廿七日
酒井雅楽殿御内(家臣)石川太郎兵衛・籠谷主水・境野外記・関主税・印藤助之進へ
自分の案内(自己紹介)に参り候。阿因州(萩藩家老阿曽沼因幡守就春)御引き合わせ候て、
右の衆中知人に罷りなり候。進物糸房(白糸の房)壱掛づつ持参仕り候』 - 41 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:13:04.67 ID:Q5MhjmA0
- ,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l 御目通り願い恐悦です。
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l 私、毛利家の留守居役となった福間でございます。
l 〈 、 ィ^ |:::::::::|
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i 御挨拶のしるしに、銀壱枚を持参致しました。
/ ( | ⌒ ⌒ |ヾ/|`ヽ. どうかお納め頂きたく…。
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、
,ィ´`ヾ ∧ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l
∧ l ヘ l` .l|ヾ=─- ィ二`ヽ ∧ lヽ 、 l
lii;;,. "!li;;、.
''!!l|li;;, ''!|||li;、
, -'"~  ̄ ̄"""''ー、.
/ `ヽ、
/ \ ……パフォ。
|il|||lli:. ,il||||||||lllii;,. , \
===・ ======・;ll i `、
.' |!|||l!;,. ''!lll||||||||l!!' ノ .,;;iilll|||||||lii;;、 「お受け下さり、有難き幸せに存じます!」
(~. `y''_ , ' ,;;i|||||||||||||||||l|||li;.
_),_,,,ヾ ̄ ,, -‐…ー-‐'".,;;il|||||||||||||||||||||||||||li;
l!__;-‐''jjiii;;;"T!;,. .,,,;;;;iill||||||||||||||||||||||||||||||||||i;
,;ill|||||||li;''!||||ll|llil||||||||||||||||||||||||||||||||||||ll!'''""''!i;
;i|l|l||||||||li; !'" "''!l||||||||||||||||||||||||||||!'" `.
|l|||||||||||||l .;iil|||||||||||||||||||||||||||||!' !
'!l|||||||l||l!' .,il|||||||||||||||||||||||||||||||!: j
i||ii災災''" .;il||||||||||||||||||||||||||||||l!'' !
;i||||||||||||i ,' ,;i|||||||||||||||||||||||||||l!''" ,'
'!|||||||||||||i; '.,;;ii|||||||||||||||||||||ll!''" /
';!||||||||||l!'i|||||||||||j||jj||||||||||||||||li;,、 /
゛"'''''il||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||i;, ノ
"''!l|||||||||||||||||||||||||||||||||||||i;,,_,,- '
""""''''''''''''''''''''''''''"""
酒井雅楽頭忠世
(さかい うたのかみ ただよ)
『同廿八日
酒井雅楽殿へ、初めて自分の御目見えに罷り出て候。
御太刀馬代銀壱枚(四十三匁)持参仕り候』 - 42 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:14:32.44 ID:Q5MhjmA0
- ,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ 初めてお目に掛かります。
!/ く\ /フ ヽ.ソ 私、毛利家の留守居役となった福間と申します。
l| ヾ| ン′ |/
.r=丶 > ._ く lゝ、 御挨拶の進物に、銀一枚を持参致しました。
|/' / '― l r.〉 お受け頂けましたら幸いです。
゙‐| 丶-‐--‐ ,ムノ
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;;/ヽ
,、.../|. /´|____,,,,.
__|ヽ,' |/ ‐〃ー‐、
..ヽ ー´、
i ,,,.‐、__ ,_ ‐´ フッ…アンタも大変だな。
.〉ー‐・´,‐,ヽ‐,ヽ'ヽ .`ヽ. いいだろう、有難く受け取っておくぜ。
|='三´´,'~・.j..|。,.|\_,、〉
.|=='_,..‐'ェノ..´'ヽ_ィ.| i~`ー‐‐、______
..ヾ‐、_,''____‐, j‐イ...ノ`~ー‐‐´ ..`'',,.
,´ヽヾ=.' /_/ ..j..;..;..; .j ..ヽ
.|‐‐´~'ー‐‐、´ヽ ji..|..|..|...| .ヽ
|`(_, ,`‐'、|.',',..|..|...| |,
| `ー´`ー´~ ..ヽ.',.',',..',,,) |',
| i.',..\゚ `‐..','、' |.ヽ
..,j .\'.,..〉・´ `、( ,‐´ ',
,、 ,‐´ ヽ.',(、 、r /',..', ヽ
|.| i .) \ /'.,.',..', .',
(`ー‐'..ヽ、 .|ー‐‐――( .\ ../',..',..',..',..', ',
.()ニ |..`ー―‐ィー―――‐) ヽ / .',..',...',.',..', |ー‐
┌‐────┐________/―――‐`'・‐‐´ ̄~. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~
│. アキヤマ |_____.,,,,,,―――――――――――――――‐
秋山修理亮正重
(あきやま しゅりのすけ まさしげ)
『同廿九日
秋山修理殿(正重。宗矩の同僚の惣目付)・仙石大和殿(久隆。目付)・宮城仁右衛門殿(和甫。目付)へ
自分の案内として参上仕り候。御太刀馬代銀一枚持参仕り候』 - 43 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 22:16:37.50 ID:yIMc0CIo
- ほんとお付き合いって大変だねえ…
- 44 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:17:05.17 ID:Q5MhjmA0
- ちょっとまて!
さっきからのこれって、全部賄賂じゃないのか!?
いわゆる”袖の下”ってやつだろ!
,. -──- 、r-- 、 / /
__r‐、_/ ,. `'ー┴- 、 / / ,.r‐、
l:::::::ノ / l l ヽ 、 `ヽ、 / / / ノ
{_;:イ::} l / \ / | ヽ \ ヽ /'"´) ヽ‐ ''´ /
|::| ハ/ _,イ{尤ト| /レ! 〉 ノ / 、/ _, -'´
/|:::l二| ` |:ゝリ 托ト、} /| / / ノ!:. ヽ {
/| |_:_|´ | `ー' じ レ゙||/ { ヾ!:. ` ー─---
ヽf゙ ̄` _ マ. | | i ,r 、 .. __
{ ヘ { /´ } ノ | /!/丶 \
`'' ヘ { ノ ,.イ ゙、 / ヽ __. -‐ヘ \
_,.ィソ> 、 ,.二´r< | __\/ \/ヽ `ヽ __ )
ラ´ /;;;;;/ |/  ̄ ̄ ̄ ̄ // _ \ ム
> /⌒/ | ̄ イ´ / ノ <o\__ >゙
/ / / / ノ __ _二\/
// l /{ フ /'´
,..-ー '' ´  ̄ ~ ゙¨''ー 、
,r ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙ヽ,
, ':.:::/::/:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.!、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`i
,':.::./:.,':/::.:.ィ:.:/:.:::.,! ヽ:.:.:.:.:.:.:...:.:.゙i
,'/:::,':.,':/:::.:/:.:/:.:ノ:,'__゙i:.i:!:.::.!:.:.:.:.:i.
,':.i::.:il:.:l:!.:..:イ_/!:.:,':/´ _, `!:i:.:.:.::i:.:.:.:.:ト、 声が大きいよ、君。
i:,i:.l:.ハ:,':i:.i´!i/,';/''´´ ,rtTハi!:.:l:l:.:.:.:.:゙,:', 何をそんな大きな声を出しているんだい?
i!l:.l:.i:.i,':.l:.:/ィiテォ, 辷ノi:.l:i:;:.:.:.:.:.l:l:.i
' .iハ:、:.l:.:ヽ! 弋,ソ , ノ,i:.:,':.:.:.i:,'i:.l、! というか君は誰だい?
' ヾ,:`:.:.: ゙、 _.. ' , 'i:.l:.:ノ:i:.,'.i,' 初めて見るけど、随分可愛らしい子じゃないか。
l:.i;、:.、_`. 、 __ , ' i从ノ,'// '
ヾ ,ヾ、_,,_,,,.l _,}ー-'¨゙`ヽ,
, ':::::::::;;;;/ー- ' ´ }:/::::::::::::::::i
!:::;;:::::/'゙_ ,','::::::::::::::::::;;}
};;r':/;; ;; ;; ;;  ̄;; ー-'_:::::::::;;:::::;;:;i
,';;l:.:.´  ̄  ̄ ¨ ''ー-,_{:::::::;;::;;;::k
l;;l;;;;;;;;;,,,:::::::::::::...,,,,,:::::::::::::::;;;:::;;::i
l:::l;;;;;;;;;;;;::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::;;;::;;:::i - 46 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:19:49.37 ID:Q5MhjmA0
- - ""v "ヽ-、
, - " ヽ、
., -' \
, -' ヽ
,-' '| | ヽ
,- , , , , .ヽ | | |
小さい言うなー! ,/ i.ト.、| | |i | | | | |
ガキでも先生だぞー!えらいんだぞー! .... .ヽ /.| .|.fゝ、|、 ,|レ-‐77∥| | |
それに私にはレベッカって名前があるんだ! "、 i .! レ‐ゝ、|.、 .| レ--.,,|∥| .| . |
丶 | | <'!::::::し" \イ:::::::::しメ,.| | .|
だから、宮本先生って言えー! ...... |\,|::\iヽ,,,ノ ヽ、__::ノ.ヽ| | .|
| .|"(⊂⊃ ,,,⊂⊃メ .| ...|
| | !!!ヽ、 ,, --、 /.| .| |
| | | |::|::|"ヽ.,_ヽ:::::::::::丿-":::|::| | .|
| |.|.|:::|:::|::|:::|::"" - ""|::|::|::::|::| | |
| |.|| ,レ-" ̄" " ̄ ヽ:| .| .|
/ ',
/ / / ハ
. / .:/ / / 〃ヽ i |
/ .:/〃 __// // //,′ ヽ ! i |
..///7,′ ´「 7`ヽ/ .i .://ム-‐‐‐',ハ|、 | なるほど、じゃあベッキーと呼ぼう。
!| i |/ |/j/! !:i .:.//'′ !ハ「 | | 僕は佐々木。これで解説は3度目だ。
!| i ! ィ斧ミメノノ | // ,ィf云ミメ、」 | ! よろしくベッキー。
八 i i i i i j !ノ::::} ノ / {ノ:::;::} Y| ト、 i
. ハ. |ハj ヘ |仆乂::ノ / 弋::::ソ ノ ! ! ハ ! ところで、君はさっき、
r‐ 、 'j ,ハ| :i ハ j_ノ ', どうして大きな声を出していたんだい?
ヽ ヽ ./ 从 ' i ! / | | ハ 何かおかしなところでもあったのかな?
ハ V / / ヘ. 、 _, 从. / | !:ト、 ',
| | ./ /! i \ .イ i !/ヘ i j i | ヽ
|/ __\/´`! | i i ヽ. .イ ノ ノノノ | i ! !ハハ! )
ノ/ `i \/ヽハハハヘi`ヽー 七升厶イ/j八八八ハj
/´ -─┐|、___) )ハ / {
/´ ,. }ノ:: } ,.-‐''て _」 \ _」\
{ イーノ:: V ̄´ .ゝー‐''"´ ノ  ̄ノ ゝ.、
\ `ヽ:::. } / 〈 ー 、 _____ 〈 ノハ
\ ヽ ハ - 49 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 22:23:15.23 ID:Zl6pFjAo
- もう重鎮ですよ佐々木さん
- 47 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:21:48.74 ID:Q5MhjmA0
- . / l .li ヽ l ヽ、
,' /! ! ! ヽ. l ヽ
/l / .! ,' ! i .!
/ ! / ! /, 'l ,、 i !、
ベッキー言うなっての! / .! /,. ォ ' フ l ~ ,ヽノl / !
. - +‐ャーナ ´:::::i´ `ヽ、 ! 彡;.':::`ゝ、 、l_
ええとな、さっきから見てると、 .. l/ /::::,:::::::l ! ヽ l ,. 'ツフ::;::::::! lヽl /
こいつ(彦右衛門)、挨拶回りのついでに ... ,. イ、 l::/ !:::::::`T ::オ ,! ,. '´ .!/!:::::::)-,! .〉,. '´
幕府の重臣相手に金とか物とか配りまくりじゃないか。 l l ゝ:::::::ノ ./ レ ' l l;:::::/ / / !` ,.イ
..、 ! ,ゝーー 、 ̄ / ヽ `.,´= 、 /, '´ ./
これって賄賂じゃないのか? ..... -`= 、! ヽ、_ ≠ニ _ ニ( )´l /
‐ヽー.-、 〃〃〃 `´ 〃〃 ̄ ! ´
ヽ、 ノ
ヽ、 ' /
、 i.: ゝ、 ,. '.´
. ヽ、 l.: .: ヽ`ゝ 、_ ' ´ ̄` ,.,. ィ ´ヽ、
ヽ、 l.: .: .: :`ヽ_/.:`.:  ̄.:T ´ / ヽ
ヽ. l.: .: .: /.:.:.:.ヽ.: .: .: .:! / ヽ
...:.:.:.:.:.: ̄:.:.:.:.:...
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:`:.:.、:.:.:\
.:':.:.:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.\:.:.ヽ
/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:、:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ:.ハ
.':.:.: ':.:.:.:.:.:.:.':.:.:,:':. ト、:.:、:.: i:.:.:i:.:.:i ああ、そういうことか。
!:.:.:.l_:.:.:.イ:.:./ィ:./ ヽ:.i:.:.l:.:. l:.:.:l そうだね、今の常識に照らし合わせて考えると、
.:l:i:´l:.:/`メ:, ' /:´ ̄ メ、:l:.i: l:.:.:l そう見えるかもしれないね。
.': ll 小ィfラト、 ィfハオト、:l:ハリ:.:.:.!
./:/:.!:ヽハ 乂:ノ Y::ノ´リ' ノ:i:.:.:.! でもね、この当時の価値観…特に武士の価値観だと、
/:.':,ィ:i:.:.:.ハ , /ー´:.:.l:ハ:.l 挨拶や頼みごとをする時や、
. {:ハ:l .lハ:.、:、 ヽ ー一 イ:.:ノ:.: 人 l:.! 冠婚葬祭をはじめとする様々な家のイベントの際に、
ヽ ` `ー`ー>. _ <ムイハ从 ノ' .こういう風に進物を出すのは、むしろ当たり前のことだったんだ。
‐、/| ノ' }
. /: : : //´l /: : :ゝ. __
. /: : : : ://_ ` /: : : _ --、ヽ
/ /: : : 〃- 、ヽ:´: : :, ´ ヾ!
. / /: : : 〃 /: : : : :/.i }:i
/ /: : : :/ /: : : : : : :'j ' .':.ヽ - 50 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:27:46.64 ID:Q5MhjmA0
- _ -──- .
' ´ ` 、
/ ヽ \
, ′ | ヽ
/ , |\ ヘ
./ / | | \. i ∧
. ,′′ | | | \.__ |、 | ∧
′i. | | ,ム.‐ ¨ ̄ヽ | i ! i
i | ! |/ N レ l それに、留守居役は駐在大使…
| | !,. ィ弋¨ l/′ ,x==k, Yヽ | 即ち、外交官のようなものだと書いたけど、
| ∨ |, ヘ 、ヘ \ / fヘn__,ハ|’ | } | それだけに、人脈を得る事は重要な職務であり、
! ∨ 'ヘ.、ヘ.>=k` ゞ- ' | ∨ ∧ 挨拶回りと、そのための進物については、
'. ヽ \ ヾi代、_,小. | | ∧ これは全部藩の経費になっているんだ。
∨ \___、__>ゝー'´ 、 j | l ト、ヘ
∨ ヽ. \ __. ' / / / ∧| ` つまり、彦右衛門がやっていることは、
. i ー\ /! ,ムイ./ 藩の職務でもあるってことだね。
. | | \ ` 、ー- .. _/ |/ ´
.l ト、\__、ト---`ー─| ヽ
. | ∧トゝ  ̄ / ` ._ _
j/ / `7 ンー- 、
,ィ / j , ′ ヘ
,. く.{ {/ ∧
. __
-  ̄ `ヽ-‐‐ 、
., '´ .:::::ヽ
それにしたって、 / / ::::::\
堂々と渡し過ぎじゃないのか? / / / :::\
そもそも、日記に書いていいのか? / ./ / , /,、 .::::、ハ l:::::::::::l ::ヽ:. :::::\
これ。 / / .:::: .:/.::〃/イ{ .:::::::::::7仆!、 _::::l ::::!.、:. ::::::::ヽ
/ .::/ .::::::|-!七夭rー、\ ::::::::::/ヽ厶ァ-、入‐:i:|::::..::::::::::::ヽ
./ .::/ .:.:::::::!::j〃:::::{ iヽ\ ::::!イ/::::{ ヾk :::!|::::::::::::::::::::::}
ヽ ::ヽ :::::::::::__/' { !::::ゝ__ } \ ! { !:::::ゝ__ } ヽ_;j::::::::::::::::::::/
\ {\ :: ̄::{ヽ V :::::::: / ` V ::::::::: / /7 ̄:::::::ィァ/
ヽト{::>、:::ヽ ゞ-―'´ ヾ―- ' /:::::,.<lハイ
/八ヒ〃 ̄ /ヽ/ヽ /ヽ/ヽー'´}才ノ::!ハ
//.:::|`{ ,.ィ┴く_;;|:::!ハ
ノ-'´ ̄ ̄`ヽ ⌒ヽ / , \:ヽ
r'´ 、 \ } / / ヽヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ - 51 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:29:56.74 ID:Q5MhjmA0
- _,,.. -ー― -ー―- 、- 、
,.: ::´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`゙':::`ヽ、
, ':::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、
/:::::::::::::::::::::,::::::::::::i:::lヽ:::::::、::::::::::::::::::::::::゙i、
/:::::::::::::::::::l:::!:::::::::::l::::l ゙、:::::i:::::::::::::::::::::::::::゙,
,':::::::::::::::::::::l:::i:::::::::::il:::i ゙、::::i:::::::l:::::::::::::::::::i
!:::::::::::::::!:::::li:,'i::::::::::,':l::, ̄``゙、::i::::::!::::::::::::::::::゙、
イ:::::!:::::::::l_;;;l lj l:::::::,' l:' ゙、:i,::::i:::::::::::::::::::::ヽ 人脈を得る事は、藩の職務だって言ったろ?
,'/l:.:.i:.::.::.::l:.:.l i,' l:::::,' l! ,,ィttーァ、-:.:l_,,.._:::.:.:.:.i:.:i:.゙、 こうやって、誰に何を渡したかがわからなきゃ、
/ .l:.:.l:.:l:ヽli.:;ィftt-、' ' 弋'o;;ノ l:.l:.l -、゙,..:..:.l:.:.ト:.゙、 やり取りにだって支障が出るじゃないか。
' l:.、!:.l:.:.:l.iヾ;or';ナ ~´ .i::.:il _iノ.,':i:::l::li:::l `ヾ、
l、,'、:li::::l, `¨´ ' ,'::::l, - '::イ::.l゙:l.l:.l 各大名家は、こうやって幕府の直参衆に顔を繋ぎ、
l:.、:!゙、:l _, ./.:.:l::l::,i::/ l:,' j! ',i 交際を深める事で、仲の良い「こころやすき旗本」を作り、
l:.:l、:、:.:l` 、,'^、. /l::::::l:.i/l,' i' 普段から情報を集めたり、危急の際には
. l::l ゙、ヽ:.,-'-t, lー,- - '゙l´ ,':::::!l:_,,..-ー-、 取り成しを頼んだりしたのさ。
l:!. , ',_ーt ト'゙./,,-tー-' jl::::,'、l:.:.:.:.:.:.:.:i
.i' .l ._/l ,l.ノ. ,'::::::/、,,、_,,,_ l::,'::::`.:.:.:.:.:.:.i まあ、そもそも、進物を渡すこと自体、
iト、゙-'´_,,-'゙ィ:./,XXXXXl'l::,'-:.:.:.:.:.:.:.i 当然の事として認識されていたんだから、
`、ヽ‐-‐´:.:|:':`゙ー--ー''゙:::i:.:.:.:.:.:.:.:.:.i .堂々と書いてあるのも別におかしくないんだよ。
i:.:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.i 実際、加々爪忠澄は普通に御礼状を返してるだろう?
. _
(:::::::)_
r──ァ'´`__´ `丶、、..,__
|l /ィ' ´ `丶、 \  ̄ ̄ニ _ーァ
{|/ , / l 、 \ \ //
/ / / l | ヽ \ : \/: ./
/ ! ,r‐|、 |!'|´ ̄ ヽ ヽー: . : . ヽ/
そんなもんなのかー。 .... { { |;L'、 |,|rtぅォ、| l ト; : 、 \: .ヽ
じゃあ、この当時、賄賂ってのはなかったのか? /\, ヽ/{:;{_|\ | |:::t;L;}ヽ| }ハ: ヽ: .\:ノ
/゙ `ト、|;` ヒヤ! ` l:::::ゞヅ| , イ:::::',: .ヽ: :/\
/ |: | { ゞ'' ´¨´ ´ | |::::::::',: . :Y、
|:l ト、 r 、 ,.イ゙| レ⌒ヾ,..: .| ヽ
|! |:::;>_.、.,`´_,. イーヽ| ! |_:ノ
| |ヘ ゝr''´ . : . : . | __ | /
| | /「` ヾ // } ノ´ヽ,
| |゙l `丶{__ / ∧ _ 人 } - 52 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 22:32:26.63 ID:Zl6pFjAo
- 山吹色のお菓子は賄賂なんだなきっと。
- 53 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:32:40.95 ID:Q5MhjmA0
- _____
...:.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`.:.:... いや、それが些かややこしくてね。
.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:.、 表立って渡す進物とは別に、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ それなりの含みを持った上で密かに渡すものとして
.':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:ヽ 「賄賂」が認識されてはいたんだ。
/,:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:丶:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、.:.:.
/:i:.:.:i:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.、:.:.:.ハ:.:i ただ、「進物」の「賄賂」の境界線はかなり曖昧で、
/:':l:.:.:.l:.:i:.:!:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.ト、:.:.:.:.:.:.!:.:.i:.:.:.:.i:.:.:.:.i:.:l 進物として渡していても、
ハi:.:l:.:.:ハ-:.、!:.:.:.:.:.:.l:.:.:./ ヽ:.:.:.:.l:.:.:l:.:.:.:.i!:.:.:.:l:.:! 通常より上積みされたものは
,. .-、l:.:.!:.:,ィfz、ヾ:.:.:.i:.:!:≠ー、_ ',:.: l:.:.:l:.:.:.:.l:l:.:.:.:l:.l .賄賂的性質を持つこともあるし、
./: : : : l:.ヾ:l .r':心ヽ:.:ハ'.:/.ィfェ、 !:./:.:.:':.i:.:.:l:.l、:.:.lリ 何より、大本を辿れば、
/: : :ヽ : : 、 、! 弋ソ` ヾ }:´ r'し小 !:':.:./:.:ハ:.:.l:.l 、:.lー 、_
/: : : ‐:-ヽ : 、ハ , ' 弋zン '/:.:.,:':.:/ }l:.:.!:l .l:.!: : : : :\ 「物を贈って交際を深める」
/: : : : : : : : : :`ヽ ゝ 、_ イ /_'‐从:.:.:l/:': : : :,: : : :ヽ
/: : : :__: : : -': :―: : :`ー‐ `´ー:- ― -: ´: : : ヽ_ヽ:!:__ _:ノ:- ‐:-:、`、 という点ではどちらも同じだからね。
/: : ´ : ´: : : : :, : : :´: : : : : : : : : : : : : : _: : : : ´`: : 、: : : : : : : : :  ̄` : : : ヽ
. /:,: :': : : : :,: : :´: : : : : : : : : : : : :_ : -,: :´: : : : : : : : : : :` : : 、 : : : : : : : : : : : `、
.ヽ : : : : : ´: : : : : : : : : : :_: : = '´: : : ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : ` : 、: : : : : : : : : :ヽ
\: : : : ___: : _=ニ: :´ : ノ ヽ __: : :=ー― --: : : : :___: : : : :`: :、: : : : : :_ノ
 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄ ´
′. .: : / .:,' . :/.:i .: : :!八 : :. : : : . '.
/ .: .: : :': :¬ー-/{:八._,ノ : :|ヘ {\ : :|:、 .: : : :. .
: : : : { .: :| .:/xr=ミ、.: .:|`^>=x十:‐-: : : } .
なんだか面倒臭い話だな~。 、八: : :.、 : |:〃 汀{ヽ. \.:| 汀{ヽ\l. : : : / |
...... \:|\: :\キi{ {'{:::;リ} {゙{:::;リ} }ト: .:イ.:|
…まあ、とりあえず、 . l\ > 弋こン 弋こン // }|.: :|
こうやって挨拶回りの際に進物を贈る事自体は |卜. l `¨¨´ `¨¨ :}_,. .'|: |
当時の常識上、特に批判される事ではない、 | | :八 ノイ: :!: |
というのはわかったよ。 .. |||.:l.:> . r‐---‐ 、 . く.:||: l: : |
...... |||/ /|`: . ー--‐ァ'. :j ヽ ヽl: : |.: .
さ、話に戻ろうぜ。 ... |!′ ' ! `7^:く.: : | :. \|: . |
...... j/ ! l 、 o/::::::::}.o /! ', ヽ: |
「そうだね」 ./ | :| Vハ__;ハ/| l ,ハ:|
.ハ \.,| ,':::::l l、 / / }| - 56 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 22:35:45.47 ID:BUkFwnAo
- 煙草でもおくるべか?
- 55 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:33:44.00 ID:Q5MhjmA0
- さて、話は戻り、再び福間彦右衛門の話である。
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ いやあ、挨拶も順調に行ってるなあ。
.r=丶 ⌒ _. ⌒ lゝ、 さて、今日は惣目付・柳生但馬守様のところに廻って
|/' / '― l r.〉 終わりだな。
゙‐| 丶-‐--‐ ,ムノ
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;;r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;| - 57 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:36:23.54 ID:Q5MhjmA0
- =柳生家屋敷前=
,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l 失礼します!
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l .私、このたび毛利家の江戸留守居役を勤める事になりました
l 〈 、 ィ^ |:::::::::| 福間彦右衛門と申します。
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i
/ ( | ⌒ ⌒ |ヾ/|`ヽ. 但馬守様にご挨拶のお目通りを願いたく…。
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、
,ィ´`ヾ ∧ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l
∧ l ヘ l` .l|ヾ=─- ィ二`ヽ ∧ lヽ 、 l
____
/ \
/ / \ ヽ これはこれはご丁寧に。
| /\ | 今暫し、お待ち下さい。
ヽ / ̄\ /
,,.....イ.\ /
: | '; \_____ ノ.| ヽ 、
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
柳生家家臣
山中忠兵衛
(やまなか ちゅうべえ) - 59 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:38:40.65 ID:Q5MhjmA0
-  ゙̄''ー-、.._ _,,-―'" ̄
|| ゙̄''ー-、______________,,-―'" ̄
二.二二二二i===||________,| | | |
|| ||;; | | | ̄ ̄__i__ ̄ ̄| |―┬―┬―┬―| | |\
|| ||;; | | | | |: | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | | \
|| ||;; | | | | |: | |. i i | | | |
|| ||;; |_| | |_|: | | (_;;). | | | |
|| ||/ /| | | | ̄ ̄ ̄| ̄''''――| | | |
|| ||/ /三.三.三.三三|_|―――|゚____,|_| \ |
|| || / \ \|
|| ||' \
//|| / \
//|| /
//
/
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(● 待たせたの。
| (__人__) わしが但馬じゃ。
. | ノ
| ∩ ノ ⊃ そなたが長門守様のところの
/ ./ _ノ 江戸屋敷留守居役か。
(. \ / ./_ノ │ 福間殿と申したかの。
\ “ /___| |
. \/ ___ /
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ ははっ!福間彦右衛門と申します。
l| ヾ| /ン′ |/ 我が殿、長門守も但馬守様には
.r=丶 ・ _ ・ lゝ、 是非昵懇にさせて頂きたく思うております。
|/' / '― l r.〉
゙‐| -‐‐- ,ムノ 何卒、よろしくお願い致します!
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;| - 60 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:40:34.01 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ ノ \ \
| (⌒)(⌒) |
. | (__人__) | はっはっは、左様か。
|. `⌒´ ノ まあ、そう硬くならずともよろしい。
. | }
. ヽ } もそっと気楽にの。
ヽ ノ
/ く
| \
| |ヽ、二⌒)
,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l ありがとうございます。
l 〈 、 ィ^ |:::::::::| では、こちらは挨拶のついでということで、
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i . 銀壱枚を持参致しましたので、御請引頂きたく…。
/ ( | ⌒ ⌒ |ヾ/|`ヽ.
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、 (秋山様といい、惣目付と申しても
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、 そう硬くなるほどではないのかもしれないな)
,ィ´`ヾ ∧ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l
∧ l ヘ l` .l|ヾ=─- ィ二`ヽ ∧ lヽ 、 l
.\ ∧ノl l 〉〉 ./\ `ヽ 丶 l l 丶l , l
∧ 〉.l / ! // ヾ /_へ >、| \l l / l
! / >' | // ./⌒) \ >、 ヽ ./ /!
. ノ_/ー'-イ / /,ィ´(__/ \ ヽ ) / //
/ ,'// ' l l.', ノ /// イ
// | ./ ∧ ノ」レ'._/_// | _
/l j l ィ .〉 _ -‐ '_ノ  ̄l`ー‐'´ _/,イ:::::::
,ィfて二/ 人 / ,'_ l l/_ "´ /::::::::l| l /::::::::::::::
_ヽ、 ヾ l l´ .l 〉 .l /:::::::::::l| ー l. /:::::::::::/:::::::
/::::::::::::\ ノ/ / ( ノ ノ::::::::::::::l| | ィ´/:::::::::::/:::::::::: - 62 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:43:07.87 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、_ \
. | ( ●)(● ) |
. | (__人__) │ …………。
| `⌒´ |
. | |
. ヽ /
ヽ /
> <
| |
| |
,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l あの、但馬守様…?
l 〈 、 ィ^ |:::::::::| 如何なされましたか?
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i
/ ( | ・ ・ u |ヾ/|`ヽ. (…もしかして額が足りなかったか…?
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、 いや、でも年寄たる雅楽頭様とも同じ銀壱枚…
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、 惣目付の格とすれば妥当な額のはずだが…?)
,ィ´`ヾ ∧ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l - 61 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 22:41:00.03 ID:svC6xvQo
- OH・・・
- 63 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:45:34.69 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ _ノ ヽ、.\
| (●)(●) .|
! (__人__) | …すまんが、その進物は受け取れぬ。
, っ `⌒´ | 返進させて頂く。
/ ミ) /
./ ノゝ /
i レ'´ ヽ
| |/| | |
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ て
/ / `ヽ ゙ヽ そ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ な、なんですと!?
.r=丶 (・) _ (・) u lゝ、 私に何か失礼でも…!?
|/' / '― l r.〉 あるいは、毛利家に何か問題が…!?
゙‐| i====、 ,ムノ
._r''''\. 'ー=' ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;| - 64 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:50:26.22 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) いや、そなたや長門守様に問題があるわけではない。
. | (__人__) ただ近頃、上様は付届や進物に対し、
| ` ⌒´ノ .何かと思われるところがあるようでの。
. | }
. ヽ } わしも惣目付という役に就いておる以上、
ヽ ノ mm 慎まねばならぬと思うておるのじゃ。
/  ̄ ̄ ̄ つノ すまんの。
| | ̄ ̄ ̄
,__r'へ_
r,,-‐'__ __ `-、
〆 -‐" `′ `'ー.._`'ハ
/ / `ヽ ゙ヽ
!/ く\ /フ ヽ.ソ
l| ヾ| /ン′ |/ さ、左様でございますか…。
.r=丶 ・ _ ・ lゝ、 では、この度は失礼致します。
|/' / '― u .l r.〉
゙‐| -‐‐- ,ムノ 「うむ。長門守様にもよしなにの」
._r''''\ ,/ `--、
广 ゙ゝ、 ,.‐l′ `ヽ,
-′ _,,..,,/ ヽ、____,-'"_>-、 /‐-、
....r-‐''^;;;;;ヾこ=ニニニニニ=,ソ;;;;;;;;;;;;;´''''ヽ___亅;;;;;;;ゝ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ゞ, //;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;´;;;;;;;;;;;./ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ, _ソ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;.|
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|| j|;;;;;;;.r ..ニ '' ヽ、;;;;;;;;;;;;;ゝ、;;;;;;;| - 65 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:53:41.47 ID:Q5MhjmA0
- =帰り際=
,、,'l/`ヽ._
/::::::;、:::::::::::``´〉、
ヾゞヽ':::,、,::'`八::::::::::::::::::::::ヽ
|:::::::;:':::::::::::;:::::`´::`ヽ::::::::::l
. ヽ!:::,ゞ´フノl/`´ ̄`ー-、、 :::::l
l 〈 、 ィ^ |:::::::::| …まさか進物を断られるとは。
, -‐‐!ハ \ { ゝ´ '´Y´`i こりゃあ噂通り、厄介なお方かもしれんな…。
/ ( | i ェァ イソ u |ヾ/|`ヽ.
/ _ ヘ| '`゙ " ノ/ |l//` 、 また別に手を考えないといけないか。
;´ ̄ ∧ ___ / .レ >、
,ィ´`ヾ ∧ /l /-‐─‐、 ∧
/ \ \ / \ .乂,ィ´`ヾ. ',
. 丶、 !{⌒ヽ}ヽ\ 二 ≦ / / \ V^; l
∧ l ヘ l` .l|ヾ=─- ィ二`ヽ ∧ lヽ 、 l
.\ ∧ノl l 〉〉 ./\ `ヽ 丶 l l 丶l , l
『同日(廿九日)
柳生但馬守殿へ御案内に参上仕り候。御太刀馬代銀一枚持参いたし候。
右の進物御請引なく、御返進候事』 - 66 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 22:54:26.09 ID:Zl6pFjAo
- 宗矩の場合、少しでもわき甘かったら身の破滅だものなあ。
- 67 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします :2010/01/17(日) 22:55:46.42 ID:PdrXmy.0
- 賄賂と進物の境界線が曖昧だからその当時の人も困っただろう
- 68 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:56:16.83 ID:Q5MhjmA0
- =その夜・柳生家にて=
____ ━┓
/ ― \ ┏┛
. | ノ (●). \ ・ 父上、今日は長門守様のところより来た留守居役が
. | (●) ⌒) \ 持ってきた銀壱枚をお返しなされたとか…。
. | (__ノ ̄ |
\ / その程度、どうということもないのでは?
\ _ノ 却って毛利家に対して失礼だったのでは…。
/´ `\
| |
| |
柳生主膳宗冬
(やぎゅう しゅぜん むねふゆ)
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ ………。
| `∩_ノ)━・'
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/ - 69 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 22:58:42.46 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \ 確かに、警戒し過ぎかも知れぬ。
| ( ー)(ー) 事実、秋山殿は何事もなく受けておられたそうじゃしの…。
. | (__人__)
| ` ⌒´ノ ,r'゛ヾ じゃが、このようなお役目に就いた以上、
.l^l^ln } `‐= ) たとえ僅かとはいえ、上様の御意向に反しかねぬことは
. ヽ L } ゝ-´ );; 慎まねばならぬ。
ゝ ノ ノ .) ;;;;)
/ / \ ./;;/
/ / \ .l;;,´
. / / |ヽ、二⌒)━・'
ヽ__ノ
/ ̄ ̄\ ) ;;;;)
/ _ノヽ_\ ) ;;;;)
| (─)(─) /;;/
. | (__人__) l;;,´ 少なくとも、もうしばらく状況が落ち着くまでは、
| `∩_ノ)━・' いかにやり過ぎと思われようともな…。
. | |_ノ
/ヽ | |_
| \_/ ノ ヽ
\ /_| |
| \ / _/ - 70 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:00:19.23 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ .\, 、/\ _,,
| (●) (●) .| l;l
. | (__人__) .| _,_,|,|_, 現に、前に和尚からも
| `⌒´ |, ト-=y 丶 賄賂の噂について忠告があったであろう。
. | } ヽ `i, ̄‐^l
. ヽ } ヾ~ ` i, 今の時期、わずかな手落ちが
ヽ ノ _ ヽ、 ;i, 柳生家にとって致命の一撃になりかねぬのじゃ…!
,,_,i y,ソト,,__ ヽ、 ;i,
,/r-'"j / / ii, `ヽ、-x,,゜r ;i よいか、左様に心がけよ。
,,/'/__.L、 /ヾ、"i `ヽ `;i i,
,/ /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i `、'i iヽ、
_,) ヽ " ネメ、_ii"~ _Yri l, ヽ、
_,,,>t 、ヾ、 ゞ;;/ / ,¬ V⌒l
,y`;,,__ ,i /ii' / r-/| l l
_/^,,, ヘ l /iil / l"v' y } l
v=4⌒ヽ、 j --,,,if /iii| ,, 〈-ヘ_,、 <、 / i|
ヽ, ,, i、 _,,tv /iiiii ム、 / / ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
__,,,l ii Yi___,lk / }iiiiil ヘ __,,,,,,___/ `x'"^ ,,,,, \
^ ̄⌒ヽ ヘ、 ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、 ,/ ,,,-‐‐ `',, ヘ,、
,,,_ \ ヽ `>- liiiiiiil ¬">-- ヽ ヽ i i/ _,, / } i
"- ,, } / /iiiiiiil / l l l lK ^~' / |
\ーヾ /iiiiiiiil / i i | |i`'ヽーミ_/ /
/ ̄ ̄\
/ \ ./\
/ (●) (●)ヽ
.| u. (__人__) | …ははっ!
.| `⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
/ ヾ
このように、惣目付に近付こうとする大名家と、
それに対する宗矩の対応は、この時期については、このようなものであったと思われる。 - 71 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:02:18.05 ID:Q5MhjmA0
- .... . -─ - .、
.. ´ _、ヽ \
. . ´ / /|'「 ト、_j | ! ヽ
. / /l,女|. X´_,r}> ,ハ .
…なあ、これ、どういうことなんだ? / /l. /V゙v´}¨´ヽ-' |/ !:. !
なんで宗矩は進物を断ったんだ? . / /:.:.:.|. /v' `´ ,/ ,::. |
.... / .:.:.:.:.l. /:.:;ゝ. 、 , / /::. |
別に進物は問題ないんだろ? . ' .:.:.:.:.:.:|/:.:/:.:.:./`7:.ーr/ /‐-、 /
/ /:.:.:.:.:./!:{:.:/:.:.:./:.://,ソ / .′
. / / :.: / /:.:./l:.:.:.,!:.〃/ /..:/ l !
/ .:;. /:.:.:/ /:.:〃:!:.:./! ハ/ ,イ .:./ l! !
/ .:.;イ: 〃:.:/ j:.:/ !:.l!:./ |;!/, ' /...::/ __l〈
. .:/|.〃:.:/ l:.!. ヘル'.//'./ {/「 lヽ!
! .:/ Ⅳl:. / ヘ! / ∠.__  ̄! l¨´
|./ .|:/ `~ー/::::::::::: >、 . :!
|ヽ|l:.:.:.:/|:l:.:.:.:.:.:..|:.,rー'''゙¨ヽ、:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.|:.:|
|/ l\/ l/|:.:.:.:l:.|!´ l:.:.:.:.:|:.:.:.:l!:.:.:|:.:|
|_/|/ ヽ、|:.:.:.!/ /:.:.:.:.:.|:.:.:.:.l:.:.:.|:.:| そうだね。
|`ヽミ l:.:.:./ _,,,.. -ー/li.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:| ただ、前にも話が出たけど、
|ィト,/` l,/´ l:/|`:.:.:./:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:| この時期、将軍家光は幕府重臣に対し、
|ソ,/ ___ ' i:.:.:.:/:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:| 進物や付届の受け取りを控えるように言っていたんだ。
|` ./,、 ̄`_ヽ|:./l:.:.:.:.:./:.:.:.:|:.:|
| ,ト!(:.:rテ'/ ´ /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:l:.:| もう少し後になると、それがかなり浸透してきて、
| ' ヾニ_ / /'ノl:.:.:/:l:.:.:.:.:.:.|:.:| 贈る側(大名家)も、今まで受け取ってもらえたものが
/iヽ ヽ 、_ ,/_' -‐':.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:l 返されるようになったことを困惑する記録が
ヽ` \  ̄ ィ‐':.:.|:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.|:/ 出てくるようになるんだ。
l`ヾ、 l--──‐─‐.' ´:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.l/
_'、 \. |イ:./l/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.ノ:.:.:/l/:.:.:.:.:./' 宗矩のこの対応は、
l l \ `'i Y |:.:/ノ_ -‐!/l:./l:.:.:/ /:.:.:.:./l 家光の意向を早めに察知してのものだと思われるね。
〉、 ヽ | \ ` ´ レ i/ il_/ - 72 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:04:34.22 ID:Q5MhjmA0
- _____
, <´ ` 、
/ \
/ \ 周知の通り、惣目付は非常に怖れられていた。
, ' メ、 `丶 ム それは反面、厭われ、憎まれることにも繋がる。
/ / i ハ\ト、 ヽ \〉 ',
/ , / l i l \ 〉 ム ', そして、それらの感情から惣目付を守り、
l ,イ i l リ-―->、 f^ヽi_j , また、その権限を保障するのは、
| l | | | | iリ 刈rヘ \`ヽ!
| l | | /ト、i l _fr‐マ_ ト、 ` ト、 『将軍家からの信任』
| l | ト、从ハハハノ ,才代r'ツ,仆 |仆、
| |八_, |rヘ,ィf^ぃ ´¨´.::::::. l !州iト、 極論すれば、これだけだったんだ。
ノ i | rへrヘ込r' , j _之_ だからこそ、宗矩は家光の意向に従い、
,イ i i l Yiヘ ` _ ,イ >、/ \ .ある種、過剰とも言えるこういう対応を取ったんだろうね。
/ | i i l i i iヘ. `ー' //,才´ r―`ー
| l i | ,ハハハ >――‐く⌒ヽ∧_ / ̄`ヽ,' i なにせ、家光の機嫌を損ねて、万が一にも信任を失えば、
乂l |l |VV^^^^^^^^レYVVレ' / 〉 〈 i i 新参で、頼りになる縁もない柳生家は、何の支えもないまま
乂N 〈i 〈 〈 〈 i /i 年寄や諸大名と相対する事になるわけだからね。
| ', ∧. ∧ J / : :
| Vゝ/V | /
\ / | |
.... / `ヽ/ ヽ ヽ
/ / 、 \ ト、 l
また胃の痛くなるような話だな~。 ...... / / / ヽ ヽ |: .、 l
.... / / / / ヽ ', |: :ハ |
…もしかして宗矩って、 . { / l /_,トゝ ''"ハ ̄` ∨: . :|: l
加増はともかく、この役目に就いて . '、 l l | |´,、-‐| / \ |: : : :l:
良いことってなかったんじゃないか? ヽ | | ヽ | _ヽ j/__z」_ /: l|: . !
.... l }\ \ ト、 |\ | ''´"ヒ::....c;ン´ /ノ: :.l|: . ;
仕事は忙しくなるし、 . l! /ヽ、\ \ハ ヽ、 | ` ̄ //ィ : . : .l: . :. |:
特に儲かるわけでもないし、 .... ノ / ノ|: . |`ヽ、 ` /´|´: : l: : : : : . |:
他人からは恨みは買うし…。 . / /: :l|: :.| 丶、 _ ,-、 __,... イ |: : : |: : :l: . : ..l
/: . |: : l| ,r/| ̄ /\ヽ. |: : :.l: : l|.: . : .| / - 74 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:06:35.08 ID:BUkFwnAo
- 阿部さん、ひょんなところでキレそうな感じにも見えるから怖いワナ
- 73 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:04:52.19 ID:Zl6pFjAo
- 「情勢と家光の意向を読む」ことにかけては、
宗矩がいちばん優れていたんかね。 - 75 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:07:16.14 ID:Q5MhjmA0
- ...:.:.:.:.:.: ̄:.:.:.:.:...
/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:`:.:.、:.:.:\
.:':.:.:.:':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.\:.:.ヽ
/:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:、:ヽ:.:.:.:.:.:.ヽ:.ハ
.':.:.: ':.:.:.:.:.:.:.':.:.:,:':. ト、:.:、:.: i:.:.:i:.:.:i
!:.:.:.l_:.:.:.イ:.:./ィ:./ ヽ:.i:.:.l:.:. l:.:.:l まあ、宗矩本人にとっての是非は、
.:l:i:´l:.:/`メ:, ' /:´ ̄ メ、:l:.i: l:.:.:l その辺りの記録がない以上、なんとも言えないね。
.': ll 小ィfラト、 ィfハオト、:l:ハリ:.:.:.!
/:/:.!:ヽハ 乂:ノ Y::ノ´リ' ノ:i:.:.:.! ただ、惣目付が強い権威を持った
/:.':,ィ:i:.:.:.ハ , /ー´:.:.l:ハ:.l 「名誉ある役目」であった事は事実だし、
{:ハ:l .lハ:.、:、 ヽ ー一 イ:.:ノ:.: 人 l:.! 当時の武士の価値観から考えると、
ヽ ` `ー`ー>. _ <ムイハ从 ノ' そういう「名誉を得る」ことは重要な事だから、
‐、/| ノ' } 悩みつつも、努めて励んでいたとは思うよ。
/: : : //´l /: : :ゝ. __
/: : : : ://_ ` /: : : _ --、ヽ
/ /: : : 〃- 、ヽ:´: : :, ´ ヾ!
/ /: : : 〃 /: : : : :/.i }:i
_/ /: : : :/ /: : : : : : :'j ' .':.ヽ
>―、ヽ : : /, ': : : : : : // .':.:.:.:.\
>ニヽ !: :,'/ : : : , ´ /´ ` ー 、 / ――‐`ー
, ' ヽ__、 !'__/ /` ー 、_ \/
/  ̄`ヾ/ー 、 _ ` 、.,'
i _ / 〉‐、/
.... / / /彡三二 _ ̄ミヽ、
/: . : ./: . / /´ _ー─ ` ヾヘヽ
/: . :./: . :/ / ((´ ゙̄) ヽ, ゙、: ', '、
ご苦労なことだな~。 . /-‐ケ/‐ ̄- 、_ ,..、 ` l l l
.... : . /: . : ./ /´ {.{ }.〉、__ヽ、_゙) |: .l |
…これなら石舟斎みたいに /: . : ./ / ゝ`、ー_-_'/⌒/´ `丶jl: .l :|
所領に篭もって剣だけやってる方が .: . : // / {、 lト|: .ソ
よっぽど気楽だよなー。 :/: .:/ ,' ``ー'ハ:.|: .|
: . : / ,゙ !!: .|
: . / ト、 <´_| 人: .|
:./ l|:: ;ヘ ,. イ/ |:..|
: . / |::く ` 、. __ .. -‐ ´/: :.| |リ
: /: . . |:::::::`丶、_/、: ./: : //: : : :/.: : :| ノノ - 76 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:09:49.18 ID:Q5MhjmA0
- さて、こうして勤めを果たし続ける日々が続く中、
寛永十年五月十六日…。
/ ̄ ̄\
/ ⌒ ⌒
| ( ●)(●)
| (__人__) 上洛…でございますか?
| ` ⌒´ノ
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
〃 i,
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
! :l ,リ|} |. }
. {. | ′ | }
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ< ああ、そうだ。
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| 俺は来年、上洛するぜ。
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.|
. ヽ.ヽ {:. lリ
. }.iーi ^ r' ,'
!| ヽ. ー===- /
. /} \ ー‐ ,イ
__/ ∥ . ヽ、_!__/:::|\
徳川家光
(とくがわ いえみつ) - 77 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:12:03.86 ID:Q5MhjmA0
- __
,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
|;;;| ノリ ミ;;;|
_ゞ;! r─-- 、 ,rェ--- 、ミ;リ 前の上洛(寛永三年の上洛)の時は、
!ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ 父上…大御所様と連れ立っての上洛だったが、
!(,ヘ!  ̄'" |:::.`  ̄ ,ドリ 今回は俺が、真の天下人となっての上洛だ。
ヾ、! !; ,レソ
`| ^'='^ ム'′ 『御世代わりの上洛』ってわけだ。
,rト、 ー- ─-: /|
_../ i| \ === ,イ.:ト、
/ i| ゙、\ ; /リ.:;!:::\、_
゙! ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
゙、 :::/::::::|::::::
`ヽ、 ゙、 ./ .| ,-、、
/ ̄ ̄\
/ \ /\
| ( ●)(●)
| (__人__) なるほど…。
| ` ⌒´ノ 上様が真にこの国の主である事を内外に示し、
| } 新たなる将軍家の御世となったことを天下に周知させる…。
ヽ }
/ ⌒ヽ '´( そのための御上洛、ということですな。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;. - 79 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:15:41.05 ID:9mxSss.o
- ああ、友矩がウホッになってしまう……
隆慶一郎は久能山に本当謝るべきだと思う。 - 78 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:14:55.86 ID:Q5MhjmA0
- , '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{| そういうわけだ。
N| "゚'` {"゚`lリ 理解が早いと助かるじゃないの。
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、 というわけで、但馬。
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、 まず、上洛前に京までの道中の宿所の検分役を頼むぜ。
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ. 相役は伊豆(松平信綱)と筑後(井上政重)だ。
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
/ ̄ ̄\
/ \i||i/ て
| ( ○)(○) そ
| u. (__人__) そ、それがしが、伊豆守様や筑後守殿と相役で、
| u. ` ⌒´ノ 御上洛の準備のお役目を…?
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;. - 80 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:17:40.40 ID:Q5MhjmA0
- | ! | | |
| │ 〈 ! 人
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ  ̄ .Y  ̄
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! |
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l | おいおい、今のお前だって
| | /ヽ! | |ヽ i ! 幕府惣目付、六千石の但馬守じゃないの。
ヽ { | ! |ノ / 格的に妥当なところだと思うがな。
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ' お前なら大丈夫だ。
| `! / よろしく頼むぜ、但馬。
人 ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
 ̄ .Y  ̄ |\ ー ─‐ , ′ !
| | \ / |
/⌒`"⌒ヽ、
/,, / ̄ ̄ ̄\
/,//:: \ …ははっ!
;/⌒'":::.. |⌒ヽ
/ /、:::::... |ヽ_ \
__( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒ )
━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━ - 81 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:20:11.69 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ \ /ヽ
| ( ⌒)(⌒)
| (__人__) 上様にそこまで御信頼頂いて、
| ` ⌒´ノ この但馬、この上ない名誉でございます。
| } .きっとやり遂げてみせますぞ!
ヽ }
/ ⌒ヽ '´( …ちなみに、出立は何時からがよろしいですかの?
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
,, - ―- 、
,. '" _,,. -…; ヽ
(i'"((´ __ 〈 }
|__ r=_ニニ`ヽfハ } ああ、二十日には出立して欲しいじゃないの。
ヾ|! ┴' }|トi } (本日:十六日)
|! ,,_ {' }
「´r__ァ ./ 彡ハ、
ヽ ‐' / "'ヽ
ヽ__,.. ' / ヽ
/⌒`  ̄ ` ヽ\_
/ i ヽ \
,' } i ヽ - 82 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:23:26.54 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ \ /ヽ
| ( ○)(○)
| (__人__)
| ` ⌒´ノ
| }
ヽ }
/ ⌒ヽ '´(
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
__
,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
/;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
|;;;| ノリ ミ;;;|
_ゞ;! r─-- 、 ,rェ--- 、ミ;リ なんせ、今度は今までにないほどの規模で上洛して、
!ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ 俺の威光を天下に知らしめる必要があるんでな。
!(,ヘ!  ̄'" |:::.`  ̄ ,ドリ
ヾ、! !; ,レソ その辺りの準備も色々あるし、
`| ^'='^ ム'′ 急いで手勢を整えて、イってくれよ?
,rト、 ー- ─-: /|
_../ i| \ === ,イ.:ト、
/ i| ゙、\ ; /リ.:;!:::\、_
゙! ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
゙、 :::/::::::|::::::
`ヽ、 ゙、 ./ .| ,-、、 - 86 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:26:04.04 ID:ykRHmpUo
- ちょwwwwww
- 83 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:24:25.94 ID:6qnWSWgo
- 4日かよww
- 84 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:24:34.55 ID:SPWYerAo
- はえええっ!!
- 85 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:24:53.00 ID:DGsR9r6o
- 無茶振りキタww
失敗したらクビww - 87 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:26:31.31 ID:Zl6pFjAo
- しねとww
- 94 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:33:35.26 ID:NQyU3w6o
- 粛正の口実としか思えない期日だ
- 90 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:30:52.41 ID:ykRHmpUo
- 実は嫌われてねえかwwwwww
- 89 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:29:47.17 ID:ykRHmpUo
- 実は嫌われてるんじゃないのかwwwwww
- 96 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:37:07.49 ID:Zl6pFjAo
- いやがらせなのか、
家光「そうだ、ドラえ……宗矩に頼めばなんとかしてくれる!」
なのか。 - 88 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:28:41.13 ID:Q5MhjmA0
- =その日の夜、柳生家=
(二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
//_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
//_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
//_/__//_/__//_/__//_| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
○====○====○====○===.| |││││││││││││││││|| .||===○===○===○===○===○
| |││││││││││││││││|| .||
| |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
| |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
___________| |││││││││││││││││|| ||____________
\/\/\/\/\/\| |││││││││││││││││|| ||\/\/\/\/\/\/
/\/\/\/\/\/| |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ - 91 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:30:57.99 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) これ!
. | (__人__). rm、 出立の準備は明々後日までには全て揃えねばならぬ!
| u `⌒´ノr川 || .旅の道具もそうじゃが、臨時雇いの小者や中間も急いで確保せよ!
. | },.! ノ'
. ヽ r / .| 何ヶ月掛かるかわからぬ検分なのじゃから、
ヽ ノノ ノ かなりの準備になるが、頼むぞ!
/ / ./
| / バタバタ
| i´
,ィ''''''''" ̄ ゙゙'' 、
,r''~ w"www''''""ナヽ
,r"ミr''"''''' ー'""" アシ''゙、
イ ''}´ ゙' 、ィ、__u. t゙'iiミ} 殿…!
イ, ノリ r"""リ{~ヽ ̄''''}{ミ ゙'l このような直前になっての出立など、
( lイ  ̄:::-(,,、lヽ ̄ノ:| jヽ) この助九郎の目をもってしても、
( ィt:|ツu. r''ヽ;ノ'、, 'ィ::'|/l,}リ 見抜けませんでしたぞ!
ノ.{゙=:| /:/ ,、― -、;j '': |シ )
{ 〉i::|. ゙'" ミ,、-、;}, l 从 )
,,,{ ;l| :`'' 、 'ー'' ,、-' ::::〉"ヽ ガヤガヤ
,,r⌒ヽ| :::::::`'ー ''"'ー'´::: /
木村助九郎友重
(きむら すけくろう ともしげ) - 93 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:33:10.71 ID:Q5MhjmA0
- / ̄ ̄\
/ u ノ \
| .u ( ●) | わしだって今日、上様に言われるまで
. | (__人_) 聞いておらんかったわい!
| ` ⌒ノ
| } ええい、そんなこと言っても始まらん!
ヽ u } 与三!わしの道中道具は揃うておるか!?
ヽ ノ
ノ \
/´ ヽ ドタドタ
))-'´// / ,, , / ,, ノ |
_. //´ , , / /,, 、、ミミヽ' - .| 探 た |
,..`l| ' // / ,/ // '' ',,,ヽ ヽヽミ .l、 索 : |
、、 ' l、! ,_-、ヽ、 | リヾミ | 中 . : |
, ' 、\ ll/ \ヽノ . ノ ,、、ト、ミ | で }
_{《 、_、_》-` |/ _,-''',))iil \| す /
} `_,l',,r '' _, -,'´- '´ 彡;;' └l : |
. |、=、l ll ::::::: ( ) ヽ、',-,':, -、;--、,、、/ ,`--┐,,,- '´,
ト_ ',,ヾ、 ヽ l、 、_.::::. //ヽ゜ノ_,, '-`` |,' | _/ `ヽヽ,
|,' l!,...、, ,',',-_^ヽ ``-`'''''-'-、 `l. { ,l! / 丿 | |
'- 'lミミ, /ヽ,,-゙.| `ヽ l ヽリ` _'__//,, ヽ
`、\ 》、`/,/ ,' ''__ 、 ヽ:、 、 /´ヾ リ
`、l、''' :、.{ \ - ' ヽ |``´ヾ `l
`、ヽ ヽ , ```´、 ヽ、 | レ, ヽヽ
`、 ヽ、 ,-ー_-,..- ヽ | `-;ii/ l l!
ヽ、 ヽ ;',-''',, --''´::::::ヽ、 | `'l! ヽ
ヽ 、 ::`:::´´,,,,,,,:::: :::::`´ ,::':::::...... l!
`、 ヽ ::::::'´:: ::::: ::: :: ,:':::::::::::::::: !!!
`、 r, ::: ;... ::.. :::. :: , :'::::::::::::::::::::::
\ ::: :::::;;; ::::, ':::::::::: :::::::::::
ヽ 、 ,,_______/::::::::: ::::::::::::::
ヽ ヽ-'::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::
村田与三久次
(むらた よぞう ひさつぐ) - 95 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:36:30.25 ID:Q5MhjmA0
- _________
/ 'r r.r.r.i なんでないんだよ!ああもう!
/ | | | | | 主膳、お前も手伝え!
/ u .ノ.ノ.ノノノ 手形申請用に随行する者の書付を作るのじゃ。
ガタガタ ハ_ノ ヽ、__ / /ノ
/ (◎)(◎ ) .( l ヽー―ー-、
/ .(__人___) ム イ r ヽ
./ / ヽ`⌒´ | .l / 、 l ザワザワ
/ / 八_ 、__ /l | ,' l l
. / ,' ヽ| | ノ ハ l
/ .l ∧ | レ' ノ l
/ l ノ ヽ | | ノ }
∧ / ,〆 ヘ l , ' l
ヽ、_,ノ'´ ヘ .l / ノ
', | / ,' ざわ・・・ざわ・・・
ト、 ノ ノ
/ ̄ ̄\
/::::::: \ /
/::::::::: (○)(○)
.|::::::u::: (__人__) は、はい!
.|::::::::::::: |r┬| | (こんなドタバタした父上、久しぶりに見るなあ…)
ヽ::::u::::::: `ー'./
/::ヽ::::::::::: ノ
/:::: く
|::::: \
|:::: ヽ、二⌒) - 97 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:39:35.99 ID:Q5MhjmA0
-  ̄ 、
´ \
/ U ヽ
/ U. 、_ ヽ
' :::::::::`ゝ"ヽ
l ::::::::::::::::,、__ つーか明日も朝から寄合だよォォォ…!
. l u ::::::::::::::::| ', ',`, これ、間に合うのかよオイィィッ!
. l 冫.:::::| ', ', ',
l u l ::::l ', ', ',
l {`ヽ u ::::} ヽヽヽ
l ',´ ヽ J / }
! ', ヽ、_/ ./
,' ヽ ./
 ̄ `ー - `, ,'
` 、 ゝ ,'
:.:.:.:.:.:... 、 /ヽ 〈
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .:.:ヽ _ ´ | .i
ー- :.:.:.:.:.:.:.:.. ..:.:.:.:.:.:ヽ | |
` 、:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ | |
、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\ | |
こうして、幕府の威信をかけた史上最大規模の上洛を成功させるため、
宗矩は七年ぶりの畿内へと旅立つ事になったのであった…。 - 99 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:43:05.31 ID:Q5MhjmA0
- |ヽ|l:.:.:.:/|:l:.:.:.:.:.:..|:.,rー'''゙¨ヽ、:.:.:.:.|:.:.:.:|:.:.:.|:.:|
|/ l\/ l/|:.:.:.:l:.|!´ l:.:.:.:.:|:.:.:.:l!:.:.:|:.:|
|_/|/ ヽ、|:.:.:.!/ /:.:.:.:.:.|:.:.:.:.l:.:.:.|:.:|
|`ヽミ l:.:.:./ _,,,.. -ー/li.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:|
|ィト,/` l,/´ l:/|`:.:.:./:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:| というところで、今回はここまでだ。
|ソ,/ ___ ' i:.:.:.:/:.:.:.:.:.:|:.:.:.|:.:| 続きはまた来週ということでね。
|` ./,、 ̄`_ヽ|:./l:.:.:.:.:./:.:.:.:|:.:|
| ,ト!(:.:rテ'/ ´ /:.:.:.:./:.:.:.:.:.:l:.:| 出立まであと4日…果たして間に合うのかな?
| ' ヾニ_ / /'ノl:.:.:/:l:.:.:.:.:.:.|:.:| くっくっ。
/iヽ ヽ 、_ ,/_' -‐':.:.:|:.:.:.:.:.:|:.:l
ヽ` \  ̄ ィ‐':.:.|:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.|:/
l`ヾ、 l--──‐─‐.' ´:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:i:.:.:.:.:.:.l/
_'、 \. |イ:./l/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:.:.:.:.ノ:.:.:/l/:.:.:.:.:./'
l l \ `'i Y |:.:/ノ_ -‐!/l:./l:.:.:/ /:.:.:.:./l __ __¨ ./
〉、 ヽ | \ ` ´ レ i/ il_/ _) _) \ - 98 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:40:12.82 ID:Zl6pFjAo
- ……やっぱり東海道筋に潜む、
裏柳生が実在したんではなかろうかww - 101 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:44:42.26 ID:BUkFwnAo
- おつおつ
あれ、やる夫は?ww - 102 :やる夫で学ぶ柳生一族(その31) [saga]:2010/01/17(日) 23:46:50.56 ID:Q5MhjmA0
- どもども、お疲れ様でアリマス。
本日もお付き合いありがとうございました>皆様
えー、今日こそやる夫こと十兵衛を出すところまで進めようと思ったのですが、
なんか分量が結構微妙な感じだったのと、時間がなかったのとがあって、
今回はキリのいいところで中断して、登場は来週になりそうでアリマス。
申し訳ない。
しかし、今回ネタにした萩藩の江戸御留守居役の記録もそうですが、
この辺の時期になってくると、あちこちの大名家の記録の中に
宗矩が出てきたりするので、調べてると思わぬところで線が繋がって面白いで砂。
「官僚/政治家として活躍した宗矩」について語られる際、
大抵は惣目付の絡みで、スパイの親玉的な語られ方をするわけですが、
調べてると、そういうある種講談的な面よりも、
普通に中央政府(幕府)の官僚/政治家として、家同士の揉め事の仲裁をしたり、
家光への取次ぎや取り成しをしたりと、人と人との間で働く宗矩の姿が浮かんできて、
こりゃ苦労しただろうなあ、と思ったり。
ちなみに、検分役任命の日取りの件ですが、
実際には宗矩ではなく、相役の松平伊豆守に伝えられた日付なので、
序列を考えると、宗矩(と井上政重)ってそれより後で教えられたんじゃないのと。
当時だとお供もいるからそれも合わせての準備とか、
月単位で掛かる検分中の対応とか考えると、4日前ってどんな直前告知なのかと。
「お前んところの課全員、今週末から3ヶ月上海出張な」とか言われるようなもんでしょうし。
まー、そんなところでアリマス。
では、次回もよろしゅうですー。 - 103 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/17(日) 23:50:06.43 ID:ykRHmpUo
- 乙!
次回も楽しみだぜwwww - 108 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/18(月) 00:50:06.02 ID:/fdcwW2o
- 乙!
来週楽しみw - 107 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/18(月) 00:03:31.32 ID:9PK.lBYo
- 乙でした。
きつい仕事だなww - 109 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/18(月) 03:50:24.91 ID:hub9M1wo
- 乙です。
>>102
まあ、武士なんで常在戦場の心構えでいろってことなのかもしれませんなあ。
いざ出陣という話になったら4日前とか悠長なこと言ってられないのも確かですんで。
まして島原の乱の前、戦国の世風バリバリの時期では無茶ぶりもやむを得ないかと。 - 110 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/18(月) 10:18:29.96 ID:UySbUo20
- 信頼しているからこその無茶振りに見えるなぁ
- 113 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/20(水) 00:45:25.99 ID:yMrNOUM0
- 宗矩かわいそうに。某所の足利義兼といい、信頼とこき使いは紙一重なんでしょうか?
- 114 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/20(水) 06:06:49.52 ID:juUcQI.o
- 信頼できて有能なら、そら使い倒されるわーww
- 111 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/18(月) 11:17:17.49 ID:yzhz5bk0
- 乙です。
それにしても、前にも増して剣が出てこなくなってますね・・・。
幕府や藩の上層部の世界では、それだけ剣の出番がないということなのでしょうけど、
そうなると、この世界に踏み込めたのが宗矩だけというのも納得です。 - 112 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage]:2010/01/19(火) 19:51:37.71 ID:wt8wDMY0
- 現代でもスポーツ選手や格闘家が国会議員になったりするけど、あんまりぱっとしないしな。
ちゃんと政治家としても歴史に名が残ってるムネノリすげえ。 - 115 :1 [saga]:2010/01/22(金) 22:08:37.02 ID:okOAcZQ0
- どもども、お疲れ様でアリマス。
さて、次回なのですけど、今んトコいつも通り日曜(1/24)の夜21:00スタートにしようかと。
話は前の続きで、タイトルも「その31」のままでアリマス。
よろしゅうですー。
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