2010年10月21日

やる夫で学ぶ柳生一族 その39

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912 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:33:03.74 ID:72X9o9Q0
 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生 : 柳生但馬守宗矩(やぎゅう たじまのかみ むねのり)】
            : 柳生主膳宗冬(やぎゅう しゅぜん むねふゆ)

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |        大和柳生藩初代藩主にして柳生家の当主、
. |  (__人__)  |        そして徳川将軍家剣術指南役、柳生但馬守宗矩だろ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;).  常識的に考えて…。
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

    / ̄ ̄\
  /  ⌒  ⌒\
  /   (⌒) (⌒)ヽ     柳生家の三男、柳生主膳宗冬です。
 .|    (__人__) |     幼名は又十郎といいます。
 .|      `⌒´  |
 ヽ         /
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ





914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:34:03.91 ID:Xf4BcPQ0
お待ちしてました。


915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:34:09.31 ID:gfYoGkI0
またじゅキター

917 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:35:10.71 ID:72X9o9Q0
【寛永十三年(1636)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├─────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                     妹
  (新左衛門)                         .【江戸柳生】                     .|
   (石舟斎)                        .(大和柳生藩)                 <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                        |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                       友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                     .|
    |                            (但馬守)                       |
    |   【尾張柳生】                   |                         |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬─────┐       |
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳       友矩      宗冬    .友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛)    .(左門)     .(主膳)
           |                   (幼名:七郎) .(刑部少輔) (幼名:又十郎)
           |
           ├─────┬────┐
          .清厳      利方     .新六
        .(新左衛門)  .(茂左衛門)


918 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:36:34.10 ID:72X9o9Q0
【第1部(その1~11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復、
更に家康が幕府を開いたことで、宗矩が将軍家剣術指南役となり、
柳生家、そして柳生家の新陰流…「柳生新陰流」は、一気に繁栄の路を進む。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その新しき世において、柳生家は将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、
尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」の二家に分かれ、
宗矩は「坂崎事件」を解決するなど、剣術指南の枠を超えた才を発揮し、柳生家を発展させ、
兵庫助は新たな時代の剣、「直立たる身」の工夫を編み出し、新陰流を発展させる。
その後、時は寛永・三代将軍家光の世に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25~38)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の禅僧・沢庵が紫衣事件で罪に問われ、
また自身も主君家光より難題を出されるなど、次々と苦難が立ちふさがる。
だが、寛永九年(1632)、大御所・秀忠の逝去によって赦免された沢庵より
「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、信任を確かなものにする。
その後、六千石への加増、「惣目付」への就任など、更なる立身を遂げた宗矩は、
それに伴う役目を実直に果たし続けることで、遂に寛永十三年(1636)八月、
四千石を加増され、その所領は計一万石に達した。

 ここに大和柳生藩が立藩、初代藩主・柳生但馬守宗矩が誕生したのである…。


919 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:38:02.58 ID:72X9o9Q0
 寛永十三年(1636)八月十四日、
家光によって四千石を加増された宗矩は、遂に諸侯の列に並ぶこととなった。

              ---┐
            ,,イ 二 ´ 、           ,,、1コ1
        __,,........'´( 「! 」ヽ〕\____ 、   _,-''フ ..''、riヽ 、
     _..‐'''´      ’‐    _..-: 彡―''"´  ゙" │「ゝ’―‐‐-....__
   ..r''´           _-‐'ニ-''′                  ゙''ゝ、
  /            /ン''´       _____          `\
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         ーゝ、_      / r ヘヘ_  ヘ ゙'、 ヘ '、ヘ 1 _ノ/′  _r'丿  "'′
           `゙‐ゞ- ,....--'彡''′  `'辷、_ `'<ゝ '┤ ゙ ン' /  _..r彡′
            _-'彡‐'''''三       `''⊂ェj火く ゝ、コ∑..ィ; ⊃''´
          ..r'ン′   '' ヽ          ´’  フ广 丁ゝ、
           `       ''′           ''‐′  ゙ー┘
                 
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                    |      |

 即ち、新たなる譜代藩・大和柳生藩の誕生であり、その初代藩主となったのである。


920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:38:17.95 ID:pqj.TSs0
よっ、一万石!


922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:41:02.62 ID:zxzIpWYo
後の尻ひとつさえなければなあ……


921 :1[saga]:2010/10/10(日) 22:40:12.69 ID:72X9o9Q0
                  イ`ヽ、:::::::::::::`:ヽ-、_lllllllllllllllllllll`、
             __,―'´lllll|lllllllll`ヽ、:::::::::::::;;;;;;`ヽ、_lllllllllllll|
            `l ‐-、_lllllllllll|、lllllllllllll`、;;;;;;;ll;;;;;;;;;;;;;;ll`|lllllllllll`l
               `|l|ll|lll`ヽ、llllヽll'‐'´⌒`、llllllllllllll;;lllllll|ニ、lllll|
                  |l|ll|lllllllli'´ ̄´     `、llllllllllllllllllll|,-、`|llll|       但馬守殿が大名に…。
              |l|ll|llllllll|    ,  _,.‐ |ll,、l,lllllllllll|‐ 、/lll/      大したものだな。
                  |lト、lllllllll`ー、_ ヽ`-',=iフ.|l|`l|`|l|、l/ー' /llll`l
                || ヽllト、lll`F|    ̄´. || ||ll|llノ i‐' ‐、lll|
               ll  `ヽ、`ヽ| l      l/ | |l||/ `l   |`i、
               |     `ー `し_ ー  /   |l/ /   / 人`、
                      \_, -‐―   /_, -、'`< ノ llllヽ、
┌‐────┐             ,.‐∧―-    / `l  `ヽ`ヽ、ノllllll\-、
│ イノウエ .|           /llllll/llll`、___,/ |  |  `ヽ  ヽllllllllll`ヽ
├───‐─┴────────────────────────
                    井上筑後守政重
               (いのうえ ちくごのかみ まさしげ)


               i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
.               N .!' / , , -;=‐‐‐<
               !_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー,.-
              ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く      まったくだ。
            _ /.i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ    同役として、俺達もあやかりたいもんだな。
        ,.-r‐r',ノ'っ'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`
        ,1,.!..iン' //.  'ーi'_,,,..  ノ  '_ゝN`
  .     / 7´  ノ       ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_
       ,iー'  ,ィ'       '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"''''ー.、
      io'iー‐ 'i       ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, '       .',
      l l   .l     ,.//〃 .,' ,.'/././././././       i
      /`7 ''''  ヽ  ノ////  !/.,'./././././ ,'         !
      !     .i r'´ /i,'.,'/  ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./        ,'
      ',     iノ-.、i.i.i.i.i  ./,'.,' ,' ,' ,' ,' ,!'        , '
      i     i';  l !l.l ! ,'.,'.,' ,' ,' ,' ,'.,ヘ,_        ,.'
      |     ,'  .!',',','i ,' ,'.,' ,' ,' ,' i r'ー'‐`=、、   ./
      ';      _,,.!i」,!r'ー'‐ー'‐' ''"`i;    `ヾ'、ノ
       ヽ,__ , ‐'´./ /              ,./
         !r',.  i,__.i            //
┌‐────┐/ r.ァ'´!i i\   __    , ィ_,'_ ,,,,.....
│ .アキヤマ |`.".´... !'-'-'‐=‐´― ''''""" ̄
├───‐─┴────────────────────―─‐
                秋山修理亮正重
            (あきやま しゅりのすけ まさしげ)


923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:41:23.36 ID:gfYoGkI0
相役からも嫉妬がww


926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:43:33.59 ID:ESn0wTQo
まー、そう簡単に加増される額じゃないしなぁ。


924 :1[saga]:2010/10/10(日) 22:41:34.67 ID:72X9o9Q0
                      , -──‐‐-、
                     / ,-─==-‐‐、\
                    / ,,---、  ,,,---、ヽ
                    i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i
                    | u '`ー゚ 」  L`゚‐'^u |
                   __| ,,、--└Li┘---、 |___    ご両人。
                  { ti/   /\   \iァ }   何をそのように暢気な…!
                   Y    ./´ ̄`\   Y´   .そんな場合ではございませんぞ!
                  ノ  ∠__/\_ヾ、  ヽ
                 / /  /  i  ヽ ヽ   \
                i  /   ,'    i   ヽ ヽ   !
                | i   i     i    i  }    }
            ,.、-‐‐┤ :   !     !    }  ! ノ ノ‐--、,_
         ,、-''"    ヽ ヽ  ヽ丶   !   ノ ノ  /    `‐-、,_
      ,、-'"         \ \ ヽヽ  !  /    //         `'‐、,_
     /            \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ //  /            \
    / \             ヽ  `r-、,  _/ /   /            / i
┌‐────┐           ヽ  \ノ二ヽ /   /            /    |
│  ミ ズ ノ  !            ヽ   i   i   /            /,、-   |
├───‐─┴────────────────────────────
                   水野河内守守信
              (みずの かわちのかみ もりのぶ)


                   ,,,,,-_ニ"二_"''‐-:、
                 ,--、-!.i''‐:、ヽ`、ヽ 、  .ヽ
                ヽヽ:、;;ヽ_,,,-ヽヽヽヽi__  |
                 ',',  i'"   ヽ',  .|-ヽ.|      …?
                 i.i、 ヽ、、-tテ|.|| .,'b',!.|     水野殿、今の話に何か問題でも?
                 'l ヽ, l,|  ̄.|,' | ,' 'i"`.i    
                    `:、ー_,,,__  l' ./__ノ,ヽ、
                     /i`:、_,/',、':,\',':,ヽ、
               _,,.. --―'''" ,' ヽ,、 |  ';: ヽ\', ヽ`‐:、_
               ,r‐'‐-:、     ,'  ','、'i     ri `,、.\  `'i-、_
            /    ヽ    '‐:、__ ', '| .i´iヽ,_l゙ `‐'、',,_,..ゝ  ',  ヽ
              /      ヽ    / ', "i ' ,,', 、`i_i、 \  .',  ',
          /       i   く   ', !''i-', 'i-' .>、).  `i  .',  i


925 :1[saga]:2010/10/10(日) 22:42:50.18 ID:72X9o9Q0
                      , -──‐‐-、
                     / ,-─==-‐‐、\
                    / ,,---、  ,,,---、ヽ
                    i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i      何を言っておられるのです!
                    | u '`ー゚ 」  L`゚‐'^u |     但馬殿が大名に成られたからには、
                   __| ,,、--└Li┘---、 |___   直参の役目である惣目付も御役御免!
                  { ti/   /\   \iァ }  
                   Y    ./´ ̄`\   Y´    .つまり、今までの仕事を、
                  ノ  ∠__/\_ヾ、  ヽ   我等三人でこなさねばならぬのですぞ!
                 / /  /  i  ヽ ヽ   \ 
                i  /   ,'    i   ヽ ヽ   !
                | i   i     i    i  }    }
            ,.、-‐‐┤ :   !     !    }  ! ノ ノ‐--、,_
         ,、-''"    ヽ ヽ  ヽ丶   !   ノ ノ  /    `‐-、,_
      ,、-'"         \ \ ヽヽ  !  /    //         `'‐、,_
     /            \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ //  /            \
    / \             ヽ  `r-、,  _/ /   /            / i


                       __,, --- 、_   て
                 __ノ''、'、tヽ‐<` ゝ_、 そ
                /'=ミ|!|`>,、lヾ、l __ ヽ,
                l.|  Y'' ´ ヽl、ヽ|γ) ノ   うっ…!
                |ィリ .ゝ, iィニフ|`lノ|.{Sノ|   そ、そういえば…っ!
                 Y.、 l、l__,  ノ l/! イ'y|
                   ヽ,!.`ヽ-ニニ)' /l_ゝ、.、__
                  `  "...,,∠.‐'´_-| .l `''''  フニ‐ヽ
                   __// /〈ンニ彡|  'l   /    ヽ_
                _s‐'ソ/ノ、.ノ-、|´ /__, -'  /     .`ヽ
               /' 〉yUy`、ノ_ |`.//` ‐、,  ;;       ゝ、
             ,- './ ノヽ, lフ!、_lT/ ./  /  -i!        `
            ノ  / __〉'´`7-、| l'  ./  /    l
          /  .l r'..`'<-y'〉-'   /  /'     ゝ、 / ,...
         ./___,,,('''`'.、_ン-..) '´    ノ /       /''フ'´
┌‐────┐   /`ヽ、__)'`y`lo    l /       .//
│ イノウエ .|.  /テ-、_`フ=-'、ノ     |/      _/´
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927 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:44:18.87 ID:72X9o9Q0
     /       i   i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
.     ー- 、     i   .N .!' / , , -;=‐‐‐<
         !_,.........⊥  !_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー           いや…案外そう慌てることではないかもしれないぜ?
       /!     | ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く  
      ,ノ-┤    | i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ           確かに人数は減るが、惣目付が創立された
      { ‐コ.   ____| 'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ`          大御所様の御逝去直後と比べれば、
      | ´_,`T‐┬‐"   'ーi'_,,,..  ノ  '_ゝN`           世の中も随分と落ち着いてきた。
  .    ヽ く. /         ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_        今年に入って、仙台黄門(伊達政宗)も亡くなったしな。
       ,i` . ,ィ'        '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"'ー.、 
      io'iー‐ 'i       ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, '       .',    なら、上様が、俺達の中で一番高齢(66歳)の但馬殿に
      l l   .l     ,.//〃 .,' ,.'/././././././       i    楽をさせてやろうと思われても不思議じゃない。
      /`7 ''''  ヽ  ノ////  !/.,'./././././ ,'         ! 
      !     .i r'´ /i,'.,'/  ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./        ,'
      ',     iノ-.、i.i.i.i.i  ./,'.,' ,' ,' ,' ,' ,!'        , '
      i     i';  l !l.l ! ,'.,'.,' ,' ,' ,' ,'.,ヘ,_        ,.'
      |     ,'  .!',',','i ,' ,'.,' ,' ,' ,' i r'ー'‐`=、、   ./
      ';      _,,.!i」,!r'ー'‐ー'‐' ''"`i;    `ヾ'、ノ
       ヽ,__ , ‐'´./ /              ,./   ←51歳
         !r',.  i,__.i            //     (井上政重は52歳)
┌‐────┐/ r.ァ'´!i i\   __    , ィ_,'_ ,,,,.....
│ アキヤマ .|`.".´... !'-'-'‐=‐´― ''''""" ̄
├───‐─┴────────────────────―─‐

                      , -──‐‐-、
                     / ,-─==-‐‐、\
                    / ,,---、  ,,,---、ヽ
                    i ''"フ-ァ'ハ ,r‐< i     
                    | u '`ー゚ 」  L`゚‐'^u |      そ、そう言われてみれば…。
                   __| ,,、--└Li┘---、 |___ 
                  { ti/   /\   \iァ }  
                   Y    ./´ ̄`\   Y´   
                  ノ  ∠__/\_ヾ、  ヽ   
                 / /  /  i  ヽ ヽ   \ 
                i  /   ,'    i   ヽ ヽ   !  ←60歳
                | i   i     i    i  }    }
            ,.、-‐‐┤ :   !     !    }  ! ノ ノ‐--、,_
         ,、-''"    ヽ ヽ  ヽ丶   !   ノ ノ  /    `‐-、,_
      ,、-'"         \ \ ヽヽ  !  /    //         `'‐、,_
     /            \ヽ、,,__ ヽ、,, i/ //  /            \
    / \             ヽ  `r-、,  _/ /   /            / i


929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:45:53.62 ID:Xf4BcPQ0
なんとなくムネノリは楽にならなそうな予感が…

928 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:45:47.17 ID:72X9o9Q0
       _,,..-‐''"  ヽ o ',_,,.ノ  ノ    ヽ,
     ,r'''"       ヽ-‐''"ゝ`''<       /ィ 、.,,_
     l          'r‐'''" `'''"`>、_,.,ノ.ヽヾヾヾーッ
      l     _,,,ッ‐,―''"         i゙ヽ  -、,ィl,ll || ll lヽゝ     
      l,,,_   _ノ ̄ヽ、        i ヾ  ゝ、'-,,ィィ 、ヽ     惣目付の役目にしても、
      ヽr==''    ヽ`'''''ッ、   r',  ゝ==,''ミ三ノ、', ヽゝ   この四年である程度慣れてきたし、
       l,            ,.-‐=ゝく..,,,,__..:::::::::>ー= '  i N    三人いればなんとかなるさ。
       ゙ー、       ,ィ'"';ィX_,,.)   _二ニ< ,' ィ ,. ノ lヽ'    
         \   /,',/' ,/ _,.lィ‐''"-:=:三::>-=-(V       まあ、流石にこれ以上減るのは
           ヽ/','/  /, ',. ',. ',. ',. ',. ',./      ヽ     .勘弁だがな!
              /,.','/  ./', ', ',. ',. '///       ヽ
          //,'/ /'.,.'.,.',. ',. '// / ,
             l,','.,'./,'.,.'.,.'.,.'.,.'.,.' ./ ,ィl  l
          l',','l/,'/,.'.,.' /.,.'.,.' .,.' / ,ィl   l
            l,','/,'.,'.,'.,' ././,.' ,.' ./ /,人  ゝ、 ,
          l,','l.0,'.,' ,' ,'.,'/ ,.' .,.' .//,ィiiiiiiiiヅヽi   ,
         l,','l.,'.,',' ,' ,.' ,' ,.' .,.' // ,ィiiiiii/   `ー-<,/
┌‐────┐.l0,'.,'.,' ,' .,'/ .,.' ,.' .,.' ,ィiiii/       )
│ アキヤマ .ll'l.,'.,' ,' ,' /' ,.' ./ /,イii/        /
├───‐─┴────────────────────―─‐

                 r--=ニ二"`' 、
               r-=!,.i‐:、ヽヽ`'i  .\
                | |`‐r'-‐ヽヽヽ.ir=:、 |     そうだな…。
               ',|', |、、.riェ|i:i .|ィ;!l .!     ここは素直に祝うとしようか。
            ! /')、| ` ,!' | /゙rく |  
            _/ /_ `、-‐' !',. '゙ `!_ 
         r‐‐'i‐,、' ノ .ヽ__,._-,..-‐'ニ:i`、_
           / .フノ///   /rl i_,.-'" / '; `ー-: ,,,,___
       ,./  `i゙ ゙ノ  ./" |  i-‐'_,:,'_ _,ゝ   ,.:-‐`=、
.      ,:'゙!'ー-´<"-i'"iくr''、i"`i_.',// `'-、   ,:'     i
     ,.:'  ヽ  / .,'、 /_ i_,,,_ .r:、! ./   ,.:'  .,'       |
    ,:'    `-'!'i i r'iヽヽ' |`| .| /  ,:'           .|
.   /       ,.! ,' .| `i'゙i,l''i_,) `゙.,'   ./    、       |
  r'"      / i  | .|ヽl,.:'/ .l  /     ヽ      |
 i゙     ./   |  | .| |:'O   .| ./      |      |
 !      ' _,.-‐'i  .l .| |    | ,'         |      |
 ヽ、  _,.-:'"   |  ',.| | O  | .i        |      |
    ̄"        .|   '| |    |,'        |      |
┌‐────┐  |  | | O  |         .|     .|
│ イノウエ .|.   |  | |     |         .|      .|
├───‐─┴───────────────────―‐

 なお、宗矩は、大名になった際、直参旗本の役目であった惣目付も赦されることとなった。
そのため、これ以後の惣目付は、水野、井上、秋山の三名体制になる。


930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:46:33.34 ID:zxzIpWYo
年齢考えたら、誰かポックリいってもおかしくないよね……


931 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:47:03.27 ID:72X9o9Q0
 …はずだったのだが、この年の末、水野守信が亡くなる。

                     ,
                 , ィ /lイ-'ツ,.ィ_,..,
                 /','" '" ,r''  ''",∠,,..,
                ,' , / ィ"ィ/,.r'' _/   そりゃねえだろおい!
                 L-‐::彡`、:i-f,ヽ-=≧
  。: 。゚.・゚・: ・ 。    〈ミニΞ=~っ 'ii l9 k-、≧ _,,,,,,,,,,,........,,,
  ::∴∵・。∵∴。・。  。〈=:::=Ξ=Ξく人メ ,l liiiiiiiiiiiiiiiiiシ   '"`ヽ、
 °・:∵‥:。*。: :∴‥.ゝ=ニテ''"  ,ス,/ li i .i .i .i ,'         ゙'ー-、,,
  。:∴‥¨∵∴:*※≒÷…ヾ9ィ .;/ノ'  li .i .i .i .i.l            ̄`ヽ
  ::。・∴・゚.:*:・。∵,r'"'  、l.i.iーiイ゙(~~)、_ li .i .i .i .i '、 ,          ,rッ'''ヽ、
  :。*:.・:*。・゚_,.ィ'''i'゚    ヽヽi.i i V`i''、 ゙l i .i .i .i .'、\ ヽ、       ,ィ'/   ゙''ー、
     ゚:゚・゚ ゚・,r''"-、,,ii、      ヾ、'、'i i'、l ヽ, li .', ', '、.'、.'、.ヾ、_`'ーヽ    /,r'         ヽ
          l,  _ __ヾ、     -、,, ヾ',', ', '、 `l ', ', '、.'、 '、'、'、','、'、くヽ,--イ  ,       l
         l; ;f‐''⊂二二⊃-''"  ̄\',.',.',、 'l、.'、'、ヽヽ.ヽヽヽヽ'、'、';iiil  'ー(       ,'
         l iゝ、.l    : : :i:l       \',','、 l、'、'、ヽヽ.ヽヽ', ', ', ', ',',iiil   /      ,'
        ヽ,',( 、l    : : :i:l       ヽ',ヽl,'、'、ヽヽヽヽヾ .i .i .i i ',iii、 /       /
┌‐────┐ t_l    : : :i:l           ヾ、'l、oヽヽヽヽヽ'、i i .i ヽ',iii/      /
│ アキヤマ .|  ''ー----‐''
├───‐─┴───────────────────―‐

 そのため、この四年後、寛永十七年(1640)になるまで
井上、秋山の二人で惣目付を勤めていくことになるのである。


932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:48:37.37 ID:Xf4BcPQ0
カワイソスwwwwwwww


933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:49:03.88 ID:zxzIpWYo
ああんやっぱりww


934 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:49:24.53 ID:72X9o9Q0
 ちなみにその後、新たに惣目付に加わるのは
天下普請にて宗矩と共に普請奉行となっていた加々爪忠澄である。

                   _,, - ‐'''‐ 、
                 r-- 、--     ヽ
                 }   `ヽ  ヽ、    ',
                 !'、 ,、___ ',  i、  i ',    へぇ…このぼくが惣目付か。
                 ','、'´tj‐ -.i  /)', /- )   面白いじゃない。
                 ',ノ ヾ、  i /iv',/ /
                  `'、-‐' レ .ノ ! __!-,
                   ' _ , -'´ //i:::::::!、
                 _, ‐'::::::::!  ! //::::/: :',- 、
                 ´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
               _, - ': <:::::l   ! /:::/: : : 7: : : : :, -─、
              /: : :r': : i::::::', /::! !:::/: : : : /: : : : :/: : : : :i
             i: i : :.i: : :.i:0::::/:::::!.!::/: : : : /: i: : : /: : : : : :i
             i: !: : i: : : i:::://、0:!!::/: : : :/--、: : ,': : : : : : :i
             .ノ: '; : i: : : i://'ク`>!:/: : : :/---'、: i: : : : : : : :'、
             '; : : ',: i: : :.i:\/:::!/: : : /: : : : : '、!: : : : : : : : :i
             ,': : : '; :i: : :i:::::l:::::::::;': : :./: : : : : : : !: : : : : : : : :.',
            ,': : : : '; :i: : i:::::l::::::::;': : :/: : : : : : : : >: : : : : : : : :i
            ,': : : : : :'; i: : i::::l::::::::i: : /: : : : : : : : :/ '; : : : : : : : ',
           ,': :` 、: :/: :i: :.i::::l:::::::i: :./: : : : : : : : :(_ 、: : : : : : : :',
           '; : : : : i : : :i: :i::::l:::::::i: ;': : : : : : : : : : </: : : : : : : : :/
┌‐────┐   i: : : : i: : >:.i: !::::l:::::::';:': : : : : : : : : : : /: : : : : : : : /
│ カガツメ .|   !: : : : :ヽ: :/::::::l:::::::::'; : : : : : : : :, '´: : : : : : : : :/
├───‐─┴──────────────────────
               .加々爪民部少輔忠澄
          (かがつめ みんぶしょうゆう ただすみ)


935 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:51:32.52 ID:72X9o9Q0
 さて、話は宗矩に移る。

                    (二二二ニ/二二ニ/二|二二ヽ二ヽ二ニニ)
                    //_/__//_/__//_/| |ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
                   //_/__//_/__//_/__| |_ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽ
   二二二ニ/二二ニ/二二二//_/__//_/__//_/_| |__ヽ_ヽヽ__ヽヽ_ヽヽヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ二二ヽ
   //_/__//_/__//_/__///_/_//_/__//_/_ | |___ヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//○====○====○======.○=====○===○===○===○ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
  //_/__//_/__//_/__//_|   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|__|_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ_ヽヽ
 ○====○====○====○===.|   |││││││││││││││││||  .||===○===○===○===○===○
                  |   |││││││││││││││││||  .||
                  |   |┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴|| 柳 ||
                  |   |┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬|| 生 ||
  ___________|   |││││││││││││││││||   ||____________
  \/\/\/\/\/\|   |││││││││││││││││||   ||\/\/\/\/\/\/
  /\/\/\/\/\/|   |││││││││││││││││| ̄ ̄|/\/\/\/\/\/\
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``````````````````````````````` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 晴れて大名家になった柳生家であるが、単純に喜ぶだけで済むわけは無く、
それなりの面倒も発生したと思われる。


936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:52:50.68 ID:pqj.TSs0
また出費が増えそうな予感……!


937 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:53:24.59 ID:72X9o9Q0
        / ̄ ̄\    
      / u.    \  
      |   \i||i/  .|   …何故じゃ。
      |  (◎)(◎) |   何故、惣目付の役を赦され、
      |  (__人__).u |   普請奉行の勤めも終わったというのに、
    .  ヽ  `⌒´  ノ   このように書かねばならぬ書状が増えるのじゃ…!?
      ´ ヽ     ノヽ  
   /´           `\
  /  /          l  l   .___
__l  l_¶______/_/__/     ヽ
  \, ´-'ヽ  ̄| ̄ ̄ ̄ ̄|   l二二二二l
    ヾ_ノ   | '''' '   |   l二二二二l
   | '''. --  - | '''..--  |   l二二二二l:::..
   |   ..''  |  ''-.  ,| カキカキ…


     / ̄ ̄\
   /:::::::  / ヽ
   /:::::::::  (●)(●)     仕方ありませんよ。
  .|::::::u:::   (__人__)     惣目付になって四年、縁の出来た家が
  .|:::::::::::::   |r┬| |     .どれほどあるとお思いですか。
  ヽ::::u:::::::   `ー'./    
  /::ヽ:::::::::::    ノ       お返しの礼状だけで一苦労ですよ、ホント…。
  /::::       く     
  |:::::        \  ¶ )) 
  |::::        ヽ、二⌒) カキカキ…

 まず、立身に伴う祝賀/御礼の山である。
惣目付の役職中に縁が出来た家の数は、かなりのものになったのは間違いない。
そのため、祝賀を受けるにせよ、そのお返しをするにせよ、
但馬守任官時、惣目付就任時と比べても、相当増えたものと思われる。


938 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:55:25.21 ID:72X9o9Q0
     / ̄ ̄\  
   /    _ノ ヽ     立身に絡む御礼の進物だけで、結構な出費ですよ。
   /    (-)(-)   いくら祝いの贈り物があっても、差し引きしたらいくらか足も出ますし…。
  .|  u.   (__人__)   
  .|       |r┬| |    それに備えだって
  ヽ      `ー'./     一万石格に合わせて増やす必要がありますよ。
  / ヽ       ノ     噂を聞いた牢人も入れ替わり立ち替わり来てますし、
  /        く     .誰を採るかとか考えてます?


             / ̄ ̄\
            ノし. u:_ノ` ,,\.
            /⌒`  ( ◯)(O):      うるせえ!
           .:|   j(   (__人__)    全部わかっとるわい!
          :|   ^  、` ⌒´ノ:     .黙って手伝え!
          |  u;     ゙⌒}:     
          ヽ     ゚  " }:  
            ヽ :j    ノ: i |i |
         /⌒      ヽ  | || |  |
     :: / ̄ ̄ヽ ::       \ ||     |i
    :: (「    `rノ ::      \   ||i  \
     :: ヽ   ノ ::          \       \
ガタッ!  |   | r         「\   \       \
       |   | |       ノ  \   \__   \
          ヽ_ノ       /||| l   \_,       `ヽ   \
     || i  /         | ||| |    (_つ ̄と_ノ)    \
     || ||  |         | ||| |                    \

 そして、それらのやりとりに付随する出費もそうであるが、
当時、家格(石高・官位など)によって定められた家の備えというものがあり、
まずわかりやすい話としては、石高に応じた家臣の人数を満たす必要があるのである。
当時大量にいた牢人が、この機会に大勢仕官を願ってきたと考えられる。


941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:57:33.12 ID:gfYoGkI0
いい歳して息子相手にキレんなww


939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:56:54.82 ID:W/DGgOMo
宗冬がでしゅでしゅ言ってたころに比べて愚痴りながらもちゃんと宗矩を支えてるなあww
長男がニートなのにww


940 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:57:28.59 ID:zxzIpWYo
たぶん兵庫とか武蔵にこーゆーことやらせたら、
30分でぶちぎれるな。


942 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 22:58:28.35 ID:72X9o9Q0
 その他、様々な雑事も大量に出たのは間違い無く、
それらを捌くことが、大名家となった宗矩最初の仕事であった。

               / ̄ ̄\
             / ノ  \ \
             |  (-)(-) |    …すまん、言い過ぎた。
.             | u.(__人__) .|   煙草が切れて、イライラしとるのかもしれん。
        r、      |   .`⌒´  |
      ,.く\\r、   ヽ      ノ    最近、お藤が臭いを嫌がっての…。
      \\\ヽ}   ヽ     /
       rヽ `   ヽ  /   ァ'´ヽ
        └'`{  .   \.|   /   i
            ヽ、._   ヽ、_,r'   .|
            `ヽ、   /'  |
               `'ー'´

    / ̄ ̄\
  /  _ノ ヽ_\
  /   (⌒) (⌒)ヽ
 .|    (__人__) |     いえ、しょうがありませんよ。
 .|      `⌒´  |    ちょうどキリもいいですし、一服されては如何です?
 ヽ         /    
 /   ヽ     ノヽ     「では、そうさせてもらうかの」
./ /   ∩ノ ⊃|  |    
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /


946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:01:41.89 ID:gfYoGkI0
タバコ吸わない女子と口付けすると嫌がられるよなww


947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:02:03.05 ID:Tmsms82o
まあ妊婦さんに副流煙はよくない。


944 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:00:06.94 ID:72X9o9Q0
      / ̄ ̄\ ( ;;;;(
    / ._ノ  ヽ、\) ;;;;)
    |  (-)(-)/;;/
    |  (__人__)l;;,´|
    | ./´ニト━・' .l  モクモクモク…
    | .l _ニソ    }
     /ヽ、_ノ    /
    __/  /    ノ__
  / /  /       `ヽ.
  /´  ./       ,.  ヽ.
  ト、_,/.       |、  ヽ
   |         |/  /


943 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 22:59:25.85 ID:zxzIpWYo
10月1日から値上げです


945 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:00:41.36 ID:72X9o9Q0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( =)(=)       
.   | ///  (__人__)         フゥ~…生き返るだろ、
    |      `⌒´ノ  ,r'゛ヾ   愛煙家的に考えて…。
   .l^l^ln      } `‐=   )
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


    / ̄ ̄\
  /  ⌒  ⌒\
  /   (⌒) (⌒)ヽ    ははは…ほんと、気持ち良さそうですね。
 .|    (__人__) |    あ、お茶も来ましたよ。
 .|      `⌒´  |
 ヽ         /
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ


948 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:02:31.11 ID:72X9o9Q0
     / ̄ ̄\
.   ./   _ノ  ヽ
    |    ( ●) (●)
    |      (__人__)  ∫   うむ、喉も渇いたし、頂くかの。
    |     `⌒´ノ ∬
.   ヽ         } | ̄|     …そういえば主膳よ。
     ヽ     ノ |_|)   この度の立身について、尾張から
____/      イー┘ |   .何か来てはおらぬか?
| |  /  /     ___/
| |  /  /      |
| | (    ̄ ̄ ̄⌒ヽ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    / ̄ ̄\
  /  _ノ ヽ_\
  /   (●) (●)ヽ
 .|    (__人__) |    …いえ、今に至るまで、
 .|      `⌒´  |   私も見てはおりませぬ。
 ヽ         /
 /   ヽ     ノヽ  
./ /   ∩ノ ⊃|  |
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /

 なお、この宗矩の立身時、尾張柳生家は祝いの使者を送らなかったといわれる。
(祝いの使者を送らないという連絡はしたという)


951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:06:41.30 ID:Tmsms82o
>(祝いの使者を送らないという連絡はしたという)
それは単に祝わないより悪意がこもってないか?


952 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:07:17.76 ID:gfYoGkI0
>(祝いの使者を送らないという連絡はしたという)
尾張徳川家的には幕閣と繋がりある家臣は重要度が高いだろうに。
・・・なーんて思考はまるで無いんだろうなww
蹴落としたいならソレはソレで表面上はニコニコするだろうしなぁ。
まぁオトコの意地だな。あえてよく言えばww


949 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:04:13.48 ID:72X9o9Q0

        / ̄ ̄\
      /   _ノ  \
      |    ( -)(-)
     . |     (__人__)    …やはりそうか。
       |      `⌒´ノ   惣目付になった時もそうじゃったが、
     .l^l^ln        }   .兵助の奴は、もうこちらとは縁を断つつもりなのかもしれぬの…。
     .ヽ   L       }
       ゝ  ノ    ノ
     /   /     \
    /   /        \
  . /    /        -一'''''''ー-、.
  人__ノ       (⌒_(⌒)⌒)⌒))


    / ̄ ̄\
  /   _ノ ヽ_\  
  /   (●) (●)ヽ     私は兵庫助殿とは面識はないのですが…
 .|    (__人__) |     厄介なものですね。
 .|      `⌒´  |
 ヽ         /  
 / ヽ       ノヽ  
/           ヾ   


953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:07:20.08 ID:pqj.TSs0
伝奇では又十郎その内対面する羽目になるという……


954 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:07:44.01 ID:A98RTxgo
オプー兵庫さん……


950 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:06:27.45 ID:72X9o9Q0
    / ̄ ̄\
  /  - -\
  /   (●) (●)ヽ
 .|    (__人__) |     …そういえば父上、
 .|      `⌒´  |    気にはなっていたのですが、
 ヽ         /    今回の御立身、上様はなんと仰せになっておられたのですか?
 /   ヽ     ノヽ
./ /   ∩ノ ⊃|  |
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
 . \ /___ /


   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |    なんじゃ、藪から棒に。
  |    `⌒´  |   
.  |        |   
.  ヽ       }  
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


955 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:08:40.07 ID:72X9o9Q0

     / ̄ ̄\
   /       \
   /   ─  ─ ヽ
  .|    (●) (●) |     いえ…今まで、父上の御立身は、
  |    (__人__) .|    大体理由は想像できたのですが、
  ヽ     ` ⌒´  /    .今回は今ひとつわからず…。
  /   ヽ     ノヽ
 ./ /   ∩ノ ⊃|  |
 (  \ / _ノ |  |
 .\ “  /__|  |
  . \ /___ /


        / ̄ ̄\
      /       \
      |::::::        |  …左門を使うて
     . |:::::::::::     | 上様の歓心を買った故、とでも思うたか?
       |::::::::::::::    |          ....,:::´, .
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´


956 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:10:16.63 ID:72X9o9Q0
     / ̄ ̄\  て
   /::::::: /  ヽ そ
   /::::::::: (○)(○)
  .|::::::u:::  (__人__)|     ま、まさか!
  .|:::::::::::::  |r┬| |    そのようなこと、夢にも思うておりませぬ!
  ヽ::::u:::::::  `ー' /
  /::ヽ:::::::::::    ノ
 //⌒)⌒)⌒)   \/⌒)⌒)⌒)
ノ  | / / /   (⌒) / / / /
´ . | :::::::::::(⌒)  ゝ  :::::::::::/
. l  |     ノ  /  )  /
 ヽ_ヽ    /'   /    /


   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´    …まあ、そういう噂もあるということじゃ。
  |     `∩_ノ)━・'  
.  |     |_ノ        山城守(酒井重澄)の寵愛が絶頂の時、
 /ヽ    |  |_       .出雲守殿(重澄の兄・飛騨高山藩主の金森重頼)が
 |  \_/ ノ ヽ      .恩恵らしきものを受けたかどうかを思い起こせば、
 \     /_|  |       .答えは自明であろうに…。
 | \ /  _/

 追記すれば、酒井重澄が家光の勘気を被り、改易された後も、
特に金森本家に影響らしきものはない。


957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:10:22.67 ID:gfYoGkI0
非情剣!非情剣!


959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:13:13.41 ID:pqj.TSs0
出世する人には、そういう勘繰りが付きまとうのかしらね。


958 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:12:10.72 ID:72X9o9Q0

     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)          尤も、今回はわしの手柄というには、
.   |     (__人__)         微妙であるのは確かなのじゃがの…。
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ
   .l^l^ln      } `‐=   )    今回のこれはな、和尚のおかげのようなものじゃよ。
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ

    ____    ━┓
  /   ― \   ┏┛
. | ノ  (●). \  ・
. | (●)   ⌒) \     和尚…というと、沢庵和尚ですか?
. |   (__ノ ̄   |    何故にまた?
  \         /
    \      _ノ      「うむ、それはな…」
    /´      `\
     |        |
     |        |


960 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:14:15.33 ID:72X9o9Q0
     ./:::::::,ィ7' ./::::::::::,ィ 7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ハ
    /:::::/ / /::::::, イ./ イ!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
    /::::/ / /::/ ./ イ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
   ./::l:/ / /:/ ./ , イ:::::/:::::::::::l:::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::,
  .,':::l/ / ,':/ / /:::::::: /::!:::::::::ll:::::!:::!::::!::::、:::!:::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::,
  l::::リ .' ./!′/  /::::::::::!::!!:::ll:::::!!:::!::::!:::l:::::::',::!::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::,
  .!リハ   ' i! ./  l::::::::::::l::!!:::!::!:::ト-!:!‐!'!:!ヽ:::lヽ ',:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::,    で…ここでやっと妾の話か?
  ル'l! l,   !    ',:::::::::::';!l:::!l::! >ィィ,テ==二 _ヽ:::::::::::::::::::::::::l_::::::::::::::::::::::::::::::::::,   いつまで前座の話をしておるかと思うたわ。
    l lハ  l    ∨:::::::lヽ リ ´`` 、ゞ:::::::::: ツ!l::::!:::::::::::::::::::::!〉!::::::::::::::::::::::::::::::::::,
     .〉      .∨::ノ             ̄```l:!::!::::::::::::::::::l::! !::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
     .∧        !ヽ             l:!::!::::::::::::::::/ 〉';::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
     /:::∧        !                l::ノ:::::::::::::::::lイ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
   ./::::::::ノ      ./  、__           l::!::::::::::::::::l!:!ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
  ,イ::::::::/      /   ヽ  ̄         , イ!::::::::::::::::::!l::! ミ_;;:::::;;_::::::::::::::::::::::::::::::,
. ,イ:::::::::/       ./:::::ヽ         , イ: : ./::::::::::::::::::/イ´     ':, ``ヽ、::::::::::::::::::,
イ:::::::::/        /:::::::::::::\__ , ..<: : : :  /:::::::::::::;イ         ':,    \:::::::::::::,
:::::::,.イ      ./:::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::ヽ   /::::::::::/           ヽ    ヽ:::::::::,

                              /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/\:::::::::ハ
                               /::::::::::::::::/` ヽ.,;:::::::::::::::/    ',:::::::::ハ
                              ./:::::::::::::::/    \_;:/      ';::::::::::::ハ
                             /::::::::::::::::/          __    |:::::::::::::ハ
 いえ、それがですね~       ...     ./::::::::::::::::/ ,. '"´         `ヽ、.」:::::::::::::::ハ
今回、私達は解説だそうですよ?      {:::::::::::::::::;r'"               Y::;:::::::::::|
お題は、                     |::::;'::::::::::::|    ___      xr=≡x.,, |::';::::::::::|
                           |::::i:::::::::::::レ,メ"" ̄`ヾ   .r"     ゙゙ミ|::::i:::::::::|
  「今回の宗矩立身の理由」         │::ト;::::::::::「〃               .|:::ノ|:::::/
                           |::::ハ:::::::::ト、 〃〃   __  〃〃 ,イ/ /:::/
 だそうです。                  レ'  ヽ:::::|::::ゝ、._       ノ .__, ェ</::://:|
                      .          |\|:::::::::::::: ̄フ7──<::::::::::::::::::::::::::::::::|


962 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:16:06.34 ID:72X9o9Q0
             _,,--‐'""""` ‐- 、,
           /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ` 、
         /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;\
       ./; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;`、
      ./; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;; ; ; ; ; ; ; ;ヽ
      /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ
     │; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; \
     .l; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; \
     l; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;\
    │; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ト、; ; ; ;jj; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;\
    │; ; ; ; ; ; ; ; ; ;;;ト、; ; ト、 ;l\\X; ;;lヘ廴; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
    │; ; ; ; ; ; ;λ、j1L\弋\lイ\;;\k,_jィz; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;      …なんじゃそれは。
     .l; ; ; ; ; ; ; 仆、\\ \ヽ、ヾ_xィヒチ"メアヘ、、; ; ; ; ; ; ; ;       四百年ぶりに目が覚めたと思うたら、
     l; ; ; ; ; ; ;弌弋ナヲミェ_ ヾ、  " ‐=ゞ'"  .〉ト、; ; ; ; ; ; ; ;      何故、そのような話をせねばならぬのじゃ。
     .`、; ; ; ; ; ;;;ヾゞ==〃^ ヽ `       /.ノ; ; ; ; ; ; ; ;
     /}/}; ; ; ;;;\     i        /; ; ; ; ; ; ; ;         そもそも、あの爺(家康)の天下など、
   ,// // /ゝァ; ; ; ヾ     .`       /i; ; ; ; ; ; ; ;         妾の知ったことではないわ。
  ./ ./ .// ./ーヘ; ; ; ; ; \     ̄  ̄´  //l; ; ; ; ; ; ; ;         .ましてや、その孫の家来の話など…
 〈 〈l l .l  l  ); ; ; ; ; ; ; `ゝ 、    /; ;ノ.│; ; ; ; ; ; ; ;        
  \l l .l  \ /; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;`ヽ- ´; ; ;/  │; ; ; ; ; ; ; ;
   ヾ ヽ ヽ   `ヽ、,; ; ; ; ; ; ;lヽ、; ; ; ; ;/    l; ; ; ; ; ; ; ;
    \       \; ; ; ; ;│ ` ̄´     ヽヘゞ; ; ; ; ; ; ; ;
   _,-‐'"\      ヽ; ; ; ;ヘ           〉; ; ; ; ; ; ; ;
..ィ''"; ; ; ; ; ; ; j\     ); ; ; ;;ヽ          │; ; ; ; ; ; ; ;
.│; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;=   ノ; ; ; ; ; ;ヽ    ____」; ; ; ; ; ; ; ;
.ノ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ̄ ̄; ; ; ; ; ; ; ; ;`` ̄ ̄; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;


                              ......      ∠¨::`ゝ⌒.......、
                                      /::::::::rヘ:::::::::::::::::::ヽ
                                    /::::::::::::::l|ミl=ニヽ:::::::::∧
 でも、やっときた出番なんです。                /:::::::::::/´リ    ヽ:::::::::ヘ
                             ......    l:::::::::::/        V::::::::l
 …私、今度の仕事は出番が少ないから、          l:::::::::リ--ー   ー--.l:::::::::|
せめてこちらではちゃんとお仕事したいんです。      ∨:::::| 仡:ソ   仡ソ |:::::::::|
                                   ∧::::::l    '      l::::::::イ
                                   .|::ハ:::::ヽ    --   .イ::::ノ::|
                                  |::::::ヽ::::}丶、 __ /://::::::|
                                 .|:::::::::::ヽi:::::|   l:::/:::::::::::::::|


964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:17:41.18 ID:gfYoGkI0
あずささん・・・(涙


965 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:17:55.55 ID:72X9o9Q0
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  i::::::::::i!::::::::::::::i弐≧====リ、 ii i::::i_.ij  ,z ===ニ≦ラ゙ i:::::::::::i /::::    なら、せいぜい喋るがいい。
  i:::i!::::i.i:::::::::::::::i゙\弋;;;;;;;;;ノヽ i::i   ヽ弋;;;;;;;;ノノ ./i::::::::::i/:::::::    .妾の気が向けば、口を挟んでやろう。
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   リ i:i .弋::::::::::::i::、         !        〃:i::::::::::::i::::::      つまらぬ話であれば、
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 はい!                   .....  ,-‐11 ヽ ∨〈:::::/\/\::::`ヽ  11`ヽ
任せてください!              ...... /  i ( ̄今 _ノ/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ:::::ヘ.  i i  .ヘ
                        ...... |.   i i ̄( ノ::::l '⌒`   '⌒`ヤ:::::', i i   |
 それじゃあ、早速ですけど、          |.   i i  丁::::l.""  ワ  "".ヤ::::} i i   }
宗矩さんが大名になった理由について    .',.  i i   ヘ::::{         .}:::ノ i i   |
お話を始めちゃいますね!          ..  ゝ. i i   ヽ├────‐ ‐}::/.  i i _,,-'
                              ` ー─┬-ヽi---/U\┬レi‐'" ̄
                          .        ヽ:::::::|_// | ヽ`|:::ノ
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                                    ソ |  .| .| | ',
                                   ノ /  |  | ', ヽ__
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                                    `┬┬-- -┬┬'"
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                                   `~      レ'


967 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:20:28.33 ID:72X9o9Q0
                                         、            ,rソ゛:::::::i少''、 .- ::::::::::`ミ、
                                        ,!.!               l″:::::::,〃'''''''''¬ |、:::::: .゙/i
                                         l│             /:::::::::: / l′     .l::::::::∥
 まず、今回の宗矩さんの立身…                 _..ィー'" レ'>         !::::::: / .__、         l:::::::::]
つまり、四千石の加増を受けて                   !.l_|_ゝ ."./            |:::::::: !´      ''_¬│::::: !
大名になったことについてなんですが、           .   ´),   .l゙          !::::::::.!'" ̄゛    〔.ソ|'i l:::: .〉
過去の立身と違って、今回は剣はあまり関係ないようです。     l  .ヽ         l、:::: |         /::::: .,l゙
(この頃、特に宗矩から家光に提出したものはない)         l  .ヽ        ,!. ll、リ、  、     l:::::::/ |
                                   .      l.   ヽ       !:::: ゙'り.\  ´゛ ,∠l゙ ,r":::: !
 また、宗矩さん自身も言ったように、                  l,   l         !::::::::::: _..-lニ;;iiir'"  .゙-l、:::::::゙l
息子の左門さんが、家光さんに               ...         l   ヽ  __  .l,._,,,r'" ,r'リ″   _. l:::::::::::.l
気に入られたから、というのも違うみたいなんですね。 .....          l    ̄ ̄l゙i ̄´ /   .レ"    /  `~''- ,,.::::l
                                   .        ヽ,."    .U___./        /       `'Tx..、
 それに、当の左門さんにしても、              ..           ̄ ̄ ̄´./       ../         ./ / .`
二千石を貰ってから以降は特に変化ありませんし、   ...               i′     ./.l    `''ー.._  l│  
もし左門さんのおかげで立身できたのなら、       .....               |     ./  \    ./,!`゙''ト,,、
左門さんの方も大名になっていたでしょうしね。      ..                     l.   ./      ゙''''ー'''″l゙:::::/  `
                                                   ヽ  i.l              !:::/    

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        l::::::::::::::l:::::l:::: ト、:::::',ヽ:::!、::!ヽ::::!:::::l:::::::::::::::::::::::::::::∧     じゃが、何やら普請で一仕事しておったではないか。
        !::::::::::::::lミ:::!;;_!_ ヽ::', ヽ! リ,-,,)ハ;;_l:::::::::::::::::::::::::::::::∧     そちらはどう説明する?
        l:::::::::::::::!ヽゞ::::.,ヾ ヽ ィイゞ:::::ツリ:::::::::::::::::::::::::::::::::::!
        .';:::::::::::::ト、  ̄           ̄  ∧!:::::::::::::::::::::::::::::!
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968 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:23:08.41 ID:72X9o9Q0
                                                 ___/.,. i
                                              ,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
 そちらについては、                     ..           /::::::::::::::i::/::i ..::::、::`:、
普請奉行の役目を果たした功績として、                    /:::::::::::::/ i/`‐v';;;;; i::::::::::ヽ.
七月二十七日、金二十枚が与えられているんです。            /:::::::::::::/        `i:::::::::::::i
これは、普請奉行4名全員に与えられたもので、               /:::::::::::./___       │::::::::::::i
特に宗矩さんだけに与えられたわけではありません。 ....       i:::::::::::::i';rァ=.t.`    _,.___ │::::::::::::i
                                   .       │:::::::::::i li:ヒjノ     r;=‐,.`.i ::::::::::::i
 そして、宗矩さんと相役だった他の3名についても、          ./i:::::i::::i        .liヒフ'}.ノ :::::::::::::i
特にこの事も立身したわけではないので、        ...       ./::::i::::i:::i     t       /::::::::::::::/
普請奉行としての勤めを果たしたことは、                /:::::::i::`:ヽ.   `‐--     ./::::::::::./
立身の理由とは考えづらいですね。                  /::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.        ,,./;/:;;/i
                                   .    ./::::::::::::::::│i`ー`r‐==f、//::::::::::i
 あと、何か普請奉行を勤めた際、                 /:::::::;;;;;_.丿 i _.,,;;---,/./ ':::::::::::::::::::i
宗矩さんが特に大活躍したから、という可能性も    ....   ,;'-‐‐'│ .i  i,;´ ,;--‐´‐yヽ___:::::::::::i
探ってみましたが、特に目立った記述もないので、       /     i  i  i,´ ,,;‐;'ニ二ヽ i  i`ヽ、i
それもなさそうなんです。                    . │    i  i   ii  .'',-‐‐-y'  i  i   ヽ
                                   │   .i ./  ./i   /   ノi  i  i   │

         ,..::'"::::::::::::::::::::::::::::::::::`::::...
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::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|            !ヾ;;;ノメ:::::::::|::::| !
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|          〉 //::::/:l :::!      あるいは、年寄りを楽させるために、
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971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:25:27.42 ID:ESn0wTQo
むしろ雑務でもっと大変になってますがなww>年寄りを


970 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:25:12.92 ID:72X9o9Q0
                                      ...:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::/;::-‐=コ'--- 、::::ヽ::'、
                                       ,ヽ'゛'`'`'.v,:::::::::::::::::::::/;:'´        ` 、:ヽ::ヽ
                                       ,.:.::.:.:.::::... '、:::::::::::::/           l:::l:::::::l
                                       :.:.:.:.:.:.:.:.:.: '>::::::::::/            ,-、 l:::::l::: l
 そちらについては、可能性はあると言えばあるのですが、   .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. '>::::::::l゙  .,/     ,rァ-; i:::::l:::::|
将軍家に長く仕えたり、単に歳というだけなら、           . ::.:.:.:.:.:.: ,;` :::::::!_;;彡ヒ‐-、     !むji i|::::::l::::!
宗矩さん以外にも大勢いたわけですし、微妙なところですね。  、,    v`:::::::::::l. ,イ!pヒj,       `  .il::l::l::!
                                      ...::::i`'`'``´:::::::::::::::l  ゝ‐'      ヽ    il:l:::l/
 それに、後の話になりますけど、                  .::::::i:::::\.:::::::::::::::::|         ´   /|!:/
この後も宗矩さんは、家光さんの側近の一人として         .:::::::ヽ::::::ヽ::\:::\ゝ        ‐‐´ ./l:/
働き続けますから、退職金的な意味合いでもなさそうなんです。 .:::::::::::::\:::\:::\:::i          / ′
                                       :::::::::::::::::::\:ヽ::::::ヽ|      r‐‐‐ ´
                                       ::::::::::::::/:::::::::` ゙ッ、;;;\  ____l,、
                                       :::::::::::/:::::::::::::::゙'y, ゛'''<ニー ,,イ,>
                                       ::::::::/:::::::::::::,/  `゙゙'''ーt一'''.イ\!
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          :::::::::::::::::::::::`メ::/::::::::::::/:::/::::l      そうか。
           i::::::::::::::::::i://::/ヾ/:::::/:::/!:::/     で、最後に残ったのが、坊主の一件というわけか。
            l:::::::::::::::::::|圷テfト /:::イセナ::|/
   ゞミミヽ   |:::::::::::::::::::l 弋;;リ//弋リi:::|        伝奇なら、「実は幕府転覆の陰謀を陰で防いだから」、
   ミ、  ヾ、 |::::::::::::::::::::l      _   イ::|       あたりにでもなるのじゃろうが、現実にそう派手なことはない、
,. -ニヾ ミ、   ヽ |:::::::::::::::::::::l`:::....._...<::l::::|       ということかの。
ミ、 ミ、ミ、    |::::::::::::::::i:::::l:\  ゝ-::、:|::::l カタカタ
 ミ、 ミ、     l::::::::::::∠l:::::ト、:\ l::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/


972 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:27:45.46 ID:72X9o9Q0
                                  .                    ,-、
                                                    ___./.,. i
                                                 ,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
                                               /::::::::::::::i::/::i ..::::、.:`:、
                                              /.::::::::::::/ i/`‐v';;;;; i.::::::::ヽ.
                                             /.::::::::::::/        `i .:::::::::i
 そういうことです。                     ......          /.::::::::::./___,       │.::::::::i
あくまで>>1の推測ということですけど、                    i.::::::::::::i '       _    i .:::::::::i
この時期、宗矩さんに関わる出来事で、           .        │.:::::::::i-‐‐‐、      `ヽ、i .:::::::::i
これほどの大幅な加増を得られる              .        /i.::::i::::i.::::::::.     -‐-.、ノ ::::::::::i
可能性がありそうなのは、                          ./::::i.:::i:::i     t   ::::::::. /.:::::::::/
普請奉行を除くと、この沢庵和尚の一件だけなんです。        ./:::::::i::`:ヽ.   r‐--、    /::::::./
(無論、記録に残ってるうちでは、ですが)        .....      /::::::::::ヽi:;;;_ヽ,. `ー‐´ ,,./;/;;/i
                                  .     ./::::::::::::::::│i`ー`r‐==f、//.::::: i
 では、今回の沢庵和尚の参府の件に関して、     ...     /:::::::;;;;;_丿 i _.,;ー---,/./´ .::::::: i
また解説をする前に、そろそろ本編に戻りましょうか。      ,;'-‐‐'│ .i  i,;´ ,;--‐´‐yヽ___.:::::: i
                                      /     i  i  i,´ ,,;‐;'ニ二; i  i`ヽ:: i
                                      │    i  i  / i  .'',-‐‐-y' i  i  ヽ
                                      │   .i ./ / ./   /   /i  i i.  │
                                      │  i /  .i/   i    i ヽ   i i │
                                     .│  i i /   .ノ i   ´ヽ .i  i i │
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977 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/10(日) 23:32:16.80 ID:x51GN7s0
まあ、そりゃそうか。
尻一つが理由なら父親じゃなくて次男の方が
何かしら役職もらうだろうしねー


973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:28:26.97 ID:ESn0wTQo
なーるほど。
だが世間様ではそう見ないってのも事実なんだろうなぁ・・・。


975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:31:12.62 ID:zxzIpWYo
やっぱり伝奇的に歴史の闇でナニカあったんだよ!


974 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:29:52.89 ID:72X9o9Q0
 さて、ここで時間は遡る。
寛永十二年の年末、沢庵和尚が江戸に上府してからの話である。

                                 Y   =ニ二'_ フ 
                ,. '"´三二二三`ヽ      _ノ       ノノ′
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ     〈   .   ,,ィ/  
              /   /    夢     ', ヽ    ノ     ‐''´    
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   く  ....   ⊂二フ' 
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ ノノ   .     ,'/ソ 
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ )  ...    .. ソ   
            /    /     ,,   ,,      ',    〈{   .   .. 、 
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   〃.  ...    }l 
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V //  ......    l | 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V /   .....    ソ 
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ     .   ..、っ、//
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\     ...   `'’ /ソ 
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i 弋     .    ..ゝ/  
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | _ノ        ァ_..、 
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | |  ヽ  .....  _rン''7丿 
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  ム      ''''´ ,rン
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |   __,)     ,,ィソ′
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |  `ヽ.    ‐'ニ
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! !   ノ     「〕  「]
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  く.      |_|  |_|
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | !   ゝ     ;_、  _
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/   .ノ     ー′´ー′
                 澤庵宗彭
              (たくあん そうほう)

 幕府の命により、江戸に参府し、柳生家下屋敷に入った沢庵和尚であったが、
年が明けても、家光への謁見は行なわれないまま、時間は過ぎていった。


976 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:31:34.32 ID:72X9o9Q0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /   _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |     (●)(●)  /;;/
. |     (__人__)  l;;,´    すまんな、和尚。
  |     `∩_ノ)━・'    だが、今回は紫衣問題についての諮問じゃからの。
.  |     |_ノ       玉室殿、江月殿も待たねばならぬのじゃ。
 /ヽ    |  |_ 
 |  \_/ ノ ヽ
 |\     /_|  |
 | \ /  _/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     なら、あいつらと一緒に参府すれば
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    良かったってことか!
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|    わざわざ急かしたのはどういうことだ!
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:32:17.46 ID:ESn0wTQo
これは沢庵様正しいww>急かすな


979 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:33:39.85 ID:72X9o9Q0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)        
.   |     (__人__)         …だってお前、ああでも言わんと、
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ   とてもじゃないが、来るつもりなかったじゃろ?
   .l^l^ln      } `‐=   )
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;) 
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;) 
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     当たり前だ。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    そもそも将軍家に呼ばれるなど迷惑だと
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    今までも言っておろうが。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


980 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:36:00.60 ID:72X9o9Q0
           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)     そういうことじゃ。
         |      `⌒´ノ     まあ、不自由はさせんようにするからの。
          |         }      うちでゆるりと過ごしてくれい。
          ヽ        } 
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',      フン。
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |     そう思うなら、とっとと拝謁が済むように
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |      段取るがいい。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|    
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ      …これ以上つまらん噂が立つのも
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\     不愉快だしな。
  /  / / ! \| |      ./!  ! |     
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、    「不愉快な噂? …なんじゃそれは?」
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


983 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:38:35.19 ID:72X9o9Q0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |    どうも俺について、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|   「大名好き」で「権貴に親しんだ」変節漢という噂があるらしい。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ   心外な話だ。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   ./ ̄ ̄\
 ./   _ノ  \
 |    ( ○)(○)    
. |     (__人__)       和尚が?
  |     |r┬-|  ) ;;;;)  大名好き?権貴に親しんだ?
.  |     `ー'´}  .) ;;;;)
.  ヽ       }  /;;/   …なんじゃその噂は。
   ヽ     ノ  .l;;,´ 
. /    ∩ ノ)━・'  
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',     まあ、外から見れば、
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |     お前や堀丹後殿、それに小出殿のところに出入りし、
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     今回、将軍家の召しに応じたことは、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|     そう受け取られても仕方ないかもしれん。
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\     …俺が何のために参府したかも
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |      ロクに伝わっておらんようだな。
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:40:05.66 ID:ESn0wTQo
実物見てると笑うより先に呆れるよな、これはww


986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:40:18.77 ID:pqj.TSs0
「そういうことにしたい」ってことなのかな、コレだけ無責任な噂は。


989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします2010/10/10(日) 23:44:06.97 ID:x51GN7s0
噂話ってのは下世話で俗物的な話の方が
みんな面白がるからな・・・


985 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:40:12.30 ID:72X9o9Q0
   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/   わかった。
. | u.  (__人__)  l;;,´   できるだけ急ぐようにする。
  |     `∩_ノ)━・' 
.  |     |_ノ       .じゃが、今は些か立て込んでおっての…。
 /ヽ    |  |_      今少し待ってくれい。
 |  \_/ ノ ヽ
 \     /_|  |
 | \ /  _/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      お前は働き過ぎなのだ。
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     とっとと隠居してしまえばよかろうに…。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ     石舟斎殿が剃髪したのも、
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\    .今のお前とほぼ同い年(65歳)であろうが。
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! | 
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


987 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:42:03.51 ID:72X9o9Q0
  / ̄ ̄三\
 ┛┗;;;; _ノ 三 \
 ┓┏;;; ( ○)(○)     和尚…それは
. |;;;;;    (__人__)    柳生家に潰れろというようなものじゃぞ。
  |;;;    ` ⌒´ノ     この時期に、あの馬鹿者に家を任せるなどできる筈もなかろうが…!
.  |;;;;        } 
.  ヽ;;;       }      
   ヽ;;;l    ノ       ) ;;;;)
   /    く        /;;/
   |     \      l;;,´
    |    |ヽ、二⌒)━・


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 -ゝ  イ - ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |        わかったわかった…。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|       とりあえず、早いとこ頼むぞ。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ   ,r'゛ヾ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\`‐=   )  「そういえば和尚」
  /  / / ! \| |      ./!  ! |    ゝ-´ 
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:42:18.54 ID:I14H7LQo
あーもうそんな歳になってたんだねぇ


991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:44:21.11 ID:gfYoGkI0
>>987
「息子が馬鹿なのには教育者である親の責任が無いとは言えない」
って説教された事があるのにww


990 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:44:09.61 ID:72X9o9Q0
          , --────-- 、
        /           \
       /::::::            \
     /:::::ノ( :::       l:::::::::::::::::\
    ./::::::::⌒::::      ノ::::::::::::::::::::::.\
   /::::::::::::::::::::::    _, -'´:::::::;;;;;;;;;;;;;;:::::: \
  |:::::::::::::::::::::::: / / ̄\\:;;;;;;:// ̄\\
  .|::::::::::::::::::::::::| |. ○ .|  ,|:;;;;::| |. ○ .||
   |::::::::::::::::::::::::: \ \_/ /::;;;;::\\_//
   .|::::::::::::::::::::::::::    ,/   ::|::     \
    |:::::::::::::::::::::::::::   |    |     |     あの馬鹿が最近入ったという二次元党とかいう代物について、
    |::::::::::::::::::::::::::::::  |    |     |     和尚が紹介をしたという話も聞いたんじゃが…
    .|::::::::::::::::::::::::::::::::  \__/\__/|     
    |::::::::::::::::::::::::::::::::::   | トエエイ  |  /      その辺り、少し詳しく聞かせてもらえんかのぅ?
    .|:::::::::::::::::::::::::::::::::::  '.{    :l    }/ /      
     |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::  .{   :l    }/ )  
      丶:::::::::::::::::::::::::::::::::::  .{       }  l  
      \:::::::::::::::::::::::::::::::::: 、`ー一一 ' )   
       .\:::::::::::::::::::::::::::::::::       / ,.
        ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::    / 

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /  .u  夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 - ゝ  イ -ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |   
/ /イ   /  |::::::| / _┗' u イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 こうして、寛永十三年の前半まで、
和尚は何をするでも無く、柳生家下屋敷に逗留し続けたのである。


992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:45:07.71 ID:ESn0wTQo
>>990
そういやそうでしたwwwwwwww


993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:46:33.90 ID:pqj.TSs0
二次元党は……許してあげて
下手に嫁も取れない状況なら、それくらい良いじゃないかよう……!


994 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:47:12.77 ID:72X9o9Q0
              __ _
         ,..::'"::::::::::::::::::::::::::::::::::`::::...
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
     ,.':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::_::/::::::::::::::::::::::::::::::::::.
.   /:::::::::::::::::, ヘ::::::::::::::::::::::::://`X∥:::::::::::::::::::::::::ハ
  /:::::::::::::::://` /::::::::::::::::::::必 ≧zx、,∥:::∥:::::::::::::::::::::::i
 ':::::::::::::::::::l ! i::::::::::::::l/`ヾ:::;;;;バ/::://:/::i:::::::::::::::::::i
/::::::::::::::::::::::!丶|::::::::::::::|     ` ///:/_:/⊥:::::::::::::::i    ほう…この坊主、
::::::::::::::::::::::::::ヽ !:::::::::::i !         /_z≠ノ::::::::i::::i::|   随分と浮世離れした奴と思うたら、
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|            !ヾ;;;ノメ:::::::::|::::| !   それなりに金の匂いに釣られておったということか?
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|          〉 //::::/:l :::! 
:::::::::::::::::::::::::::::::i::::::::::::!    ヽー-、    /::::/  :/
::::::::::::::::::::::::::::::,l::::::::::::ト        `´    /:::::::!
:::::::::::::::::::::::::::::' !:::::::::::| \      .:<:::::::!::::::i
:::::::::::::::::::::::::/  l::::::::::::!  \_ ..:<´:::::::::::::::;!::::::i
:::::;:':::::::::::::::;'\ !:::::::::::!    !:::::::::::::::::::::::::::/ !::::::i
:::'::::::::::::::::/:::::::`!:::::::::::!     !::::::::ー::-:::∠_!::::::i_
:::::::::::::::::/:::::::::::::!:::::::::::!     i`ヽ:::::::::::::::::::::::::!::::::i::`ヽ


 そのことについては、和尚自身の手紙に                __ZVマ
記録が残っていますね。               .           ⌒>::ト<⌒ヽ
ちょうどのこの頃(寛永十三年二月)の手紙に、              /::ハWム::::ヽ::::|
                              .           /::::7´   弋:::::',::|
 『自分の事を”大名好き”と                      |/:::|┃ ┃ |:::::|::|
  噂する人がいるらしい』              .          |:::|、r ┐''ノ:::/:::|
                              .          |:∧7r=rイ:イ:::|::|
 と書いてあったりします。             ...            /人 \. レN、|__
あと、和尚の事績を記した「万松祖録」によると、..             //  \ \ / ノ
和尚が属する大徳寺内に於いてすら、       .           / | ーrイノ\ ヾ、二フ
                              .           { |  | ヽ  \ ^)・)
 『和尚権貴に親して栄幸あるを謗るものも有りし』         〈.::才>'⌒::^ヽ 〈く__)、
                                       }/:::::::::::::::::::::\ヽ、く
 と批判されていたとありますし。          ..           人::;;;;;;;;;;;;:へ:::::::::::Y^´
(これは若干後の事も含めてではあるが)             (  く:::::::::::`⌒:::::::::イ
                                          ̄ ` ̄^ ̄ ̄ ̄´


995 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:49:10.68 ID:72X9o9Q0
           /⌒ソ/⌒ヽ、
        . /  //    ..\      ._,
        /  //      .`ヽ,.._,ィ''´  `'ー- 、      /i
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    /  //  .た         匂   ・            |
    /  //   く                         .|
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  /  //    あ                         |
 ッ芝ヾシ⌒ヽ、 .ん                         |
 .ヾニジ    \      ._,.イ⌒ヽ               |
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                         .\,.   _., 、  . .リ
                            ⌒´   \._,ノ
 寛永十三年二月二十五日付 小河九右衛門宛の沢庵の手紙

 「先年堀丹後殿に居り申し候事、大名をすき候よし人の申し候事、
  我々は大名小名の差別は、心にいたさず候。儀(義)に当たる所に随ひ申し候。
  其の上親しく居り候とても、儀に当らず候へば、やどにも頼み申さず候。
  (中略) 小出大和所は、我々由緒ある檀那にて候へ共、
  其の由緒ゆへ、却ってやどにも頼み申さず候。
  さて又今柳生殿に居り申し候事は、御諚にて候。
  (中略)出頭不出頭と分け申す儀はこれ無く候」

 意訳 : 前に堀丹後殿の所にいた時も、「沢庵は大名好きだ」と噂する人間がいたという。
     俺は別に大名小名であることなど気にかけていない。
     そこに義があるかどうかが肝心なのだ。
     .如何に親しくとも、それがなければ頼んだりしない。
     .小出殿は由緒があり過ぎるから却って頼んでいないし、
     .今、柳生殿のところに泊まっているのは、そういう仰せだから従っているだけだ。
     .出世している、していないで態度を変えるようなことなどない。

996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:50:35.95 ID:pqj.TSs0
たく☆あんww
外見メタルモンスターなのにwwww


997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:51:10.60 ID:Xf4BcPQ0
たく☆あんwwwwwwww


998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]:2010/10/10(日) 23:52:13.15 ID:ESn0wTQo
あーいまーいさむしんぐ♪


999 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39)[saga]:2010/10/10(日) 23:52:37.90 ID:72X9o9Q0
     ./:::::::,ィ7' ./::::::::::,ィ 7::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ハ
    /:::::/ / /::::::, イ./ イ!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!
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   ./::l:/ / /:/ ./ , イ:::::/:::::::::::l:::::l::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::,
  .,':::l/ / ,':/ / /:::::::: /::!:::::::::ll:::::!:::!::::!::::、:::!:::::::::::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::,
  l::::リ .' ./!′/  /::::::::::!::!!:::ll:::::!!:::!::::!:::l:::::::',::!::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::::::,      ふん。
  .!リハ   ' i! ./  l::::::::::::l::!!:::!::!:::ト-!:!‐!'!:!ヽ:::lヽ ',:::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::,     .自分で書いた手紙でなど、
  ル'l! l,   !    ',:::::::::::';!l:::!l::! >ィィ,テ==二 _ヽ:::::::::::::::::::::::::l_::::::::::::::::::::::::::::::::::,    なんとでも言えよう。
    l lハ  l    ∨:::::::lヽ リ ´`` 、ゞ:::::::::: ツ!l::::!:::::::::::::::::::::!〉!::::::::::::::::::::::::::::::::::,   
     .〉      .∨::ノ             ̄```l:!::!::::::::::::::::::l::! !::::::::::::::::::::::::::::::::::::,    実際のところはどうだったのじゃ?
     .∧        !ヽ             l:!::!::::::::::::::::/ 〉';::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
     /:::∧        !                l::ノ:::::::::::::::::lイ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
   ./::::::::ノ      ./  、__           l::!::::::::::::::::l!:!ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,
  ,イ::::::::/      /   ヽ  ̄         , イ!::::::::::::::::::!l::! ミ_;;:::::;;_::::::::::::::::::::::::::::::,
. ,イ:::::::::/       ./:::::ヽ         , イ: : ./::::::::::::::::::/イ´     ':, ``ヽ、::::::::::::::::::,
イ:::::::::/        /:::::::::::::\__ , ..<: : : :  /:::::::::::::;イ         ':,    \:::::::::::::,
:::::::,.イ      ./:::::::::::::::::::::::::ハ:::::::::::::ヽ   /::::::::::/           ヽ    ヽ:::::::::,

                   ......           ∠¨::`ゝ⌒.......、
                                /::::::::rヘ:::::::::::::::::::ヽ
                              /::::::::::::::l|ミl=ニヽ:::::::::∧
 そうですね。             .          /:::::::::::/´リ    ヽ:::::::::ヘ
そういう噂があったことは    .....        l:::::::::::/        V::::::::l
間違いないと思いますけど、   ..        l:::::::::リ`≧ー   -≦´l:::::::::|
その噂が事実かどうかは、   .....        ∨:::::| 仡:ソ   仡ソ |:::::::::|
和尚の事跡を見る限り、               ∧::::::l    '      l::::::::イ
和尚の本心とは異なっていたと ...         |::ハ:::::ヽ  (  )  .イ::::ノ::|
見るのが妥当ですね。                 |::::::ヽ::::}丶、 __ /://::::::|
                   ......       |:::::::::::ヽi:::::|   l:::/:::::::::::::::|
 ただ、ややこしいのは、               |:::::::::::::::/(_______ ンー-- 、::::|
単に状況だけを見れば、     ..        .|::::ィ=<   `''j i''''''      lミ `ヽ
この噂もそれほど的外れではないと      |/(=l    /_j        リ   l
いうことなんです。          .        ll  ソ    ノ _ノ      .ィ   /
                             |l.,'      ̄         j  /


4 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/10(日) 23:54:58.41 ID:72X9o9Q0
        ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧
       ,':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧          まあ、事実、
   _    |::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l::::::l、:::::::l:::l、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧         将軍家の召しに応じて参府し、
.  ',: :` ー|:::::::::::::::::::::::::||:!:::::l::::l::!∨:!ヽ:::::!::l_!l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;:∧     _   .家光お気に入りの宗矩の屋敷に
   ∨ : : |::::::::::::::::::::::::l_ll`ト!:!:::!::! ∨!ィ!'l:l:!l:!l!';::!::::::::::::::::ト 、:::::::::::::::;ィ-、:ヽ--‐'' !    泊まっておるわけじゃからの。
   ∨: : |:::::::::::::::::::ィ'爪ミ、l:!:リ':,! ∨_,,ィテ三ミ!::::::::::::::::!^! !::::::l´: : : : :ヽ:::ヽ: :/
    .∨: |:::::::::::::::::::l弋::::::ツl:!. l!  ,ィ 弋::::::::ツ!::::::::::::::l  /:::::;:':, : : : : : :ヽ::::/       内心はどうあれ、外から見れば、
     ∨:!::::::::::::::::::ト!  ¨  l!      l `ー¨´ /::::::::::::::!..イ:::::::lヽ:, : : : : : : 〉'`:ヽ    「沢庵も幕府の権勢に阿った」と取られても
      `l::::::::::::::::::lヽ     ,        /l:/!::::::::::l:::::::::::/!'∧:, : : : ;.イ: : : : : :ヽ   不思議ではあるまい。
      ,ィ!:::::::::::::::::l : \         / / l::::::::::::l:::::::::/: i::!:ヽ:;イ: : : : : : : : : : :\
     ,イ:;/l::::::::::::::::::! : : : lヽ `、_-_,ァ     ,イ:::::::::::::l:::::::::! : :l::!/: : : : : : : : : : : : : : :\
   ,イ::;イ  !::::::::::::::::l: : : : :!  ` .    , .イ _/::::::::::::::l:::::::::|: :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
  ./::/, イ::!::::::::::::::::!: : : ::∧ `ヽ T   イ ./::::::::::::::::l::::::::::l/: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\

                        ....                  ,-、
                                        ___/.,. i
                                     ,,;;''"::::::/:/‐ 'r‐- 、
                                    /::::::::::::::i::/::i ..::::、::`:、
 確かにそうなんです。                     ./:::::::::::::/ i/`‐v';;;;; i::::::::::ヽ.
                          .        /:::::::::::::/        `i:::::::::::::i
 ただ、和尚がこの招致に応じたのは、....         /:::::::::::./___       │::::::::::::i
大徳寺の寺法の復元…即ち、   .           i:::::::::::::i';rァ=.t.`    _,.___ │::::::::::::i
「紫衣問題の解決」が根本にあるわけで、       │:::::::::::i li:ヒjノ     r;=‐,.`.i ::::::::::::i
軸としては、その点は外せないんですね。       ./i:::::i::::i        .liヒフ'}.ノ :::::::::::::i
                          ....     ./::::i::::i:::i     t       /::::::::::::::/
 つまり、和尚の本心がどうであったかは  .    ./:::::::i::`:ヽ.   `‐--     ./::::::::::./
その「紫衣問題の解決」のために          /::::::::::ヽi:;;;_ヽ,.        ,,./;/:;;/i
行動しているか?という点で見るのが、      ./::::::::::::::::│i`ー`r‐==f、//::::::::::i
良さそうと思われます。            ....  /:::::::;;;;;_.丿 i _.,,;;---,/./ ':::::::::::::::::::i
                          .... ,;'-‐‐'│ .i  i,;´ ,;--‐´‐yヽ___:::::::::::i
 それでは、それを追うためにも、   ......  /     i  i  i,´ ,,;‐;'ニ二ヽ i  i`ヽ、i
本編に戻りましょうか。          ..... │    i  i   ii  .'',-‐‐-y'  i  i   ヽ
                          │   .i ./  ./i   /   ノi  i  i   │

5 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/10(日) 23:56:33.40 ID:72X9o9Q0
 さて、ここで
沢庵和尚が家光に召されたことの背景についての話になる。

            _  -───-   _
            ,  '´           `ヽ
          /                 \
        /                    ヽ
      / __, ィ_,-ァ__,, ,,、  , 、,,__ -ァ-=彡ヘ  ヽ
       ' 「      ´ {ハi′          }  l
      |  |                    |  |
       |  !                        |  |
      | │                   〈   !
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    あの和尚はなかなか面白い奴だったな…。
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |   大徳寺の件でひとつ話もする必要があるし、
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !   .せっかくだし、あの和尚にも来てもらうとするか。
    ヽ {  |           !           |ノ  /
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'
        `!                    /
        ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |
            |\      ー ─‐       , ′ !
           |  \             /   |
      _ -‐┤ ゙、 \           /  ! l  |`ーr─-  _
 _ -‐ '"   / |  ゙、   ヽ ____  '´   '│  !  |     ゙''‐- 、,_
            三代将軍:徳川家光

 今回、沢庵が招致された理由は、
「家光が紫衣事件の一件について、その当事者から話を聞きたい」ためとされているが、
ここがひとつのポイントとなる。

8 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/10(日) 23:58:48.41 ID:72X9o9Q0
 何故なら、幕府にとって、
既に「紫衣事件」は「終わった問題」のはずだからである。

                     ,r ‐、
                    l;;i´:  i ←幕府
                    |;|::: ,イ
                   ノ::==;i'  
                 /::`::::::ー、  
      ,、-           |!:::::::::::..  ! 
/|  /  !  /|       |;|;;:::::::::l_:... l 
  |/    Lノ |      |:;l;;:::::::::::ヘ:::..l          ,、-;;'''ツ、
          | ォ、    |:;;l::::::::::::::i:::. |       ,;;-;.f、:::::::::::::::::、_  ←大徳寺
    /|     |`v‘    |:;;l::::::::::::::|::: |      |;;;;;;;n;}rn:::::::::::::::::
/ー-< レ'゙|!∩ |      |:;:l<ニ」:::::|:::: ',      `iキ‐イ::::!;::::::_:::::_:;;;;
::::::::::::ミ'-、  |  | /      L!:::::::::::::::L;; .ヽ      l_:Lノ::::r  <_;;;;r'
:::::::::  :: ,=-、ノ/         T;;ーt-、_`ー、ノ!     WZ!::ノ
::l:::  ..:::/ ミ |_フ  ( )    |;;;;;;∧;; `! )ノ
::::  r-、    /    | !    /;;;;;ノ !;;  |
::   し  l /    //   ,- '';;;-;;ィ/:: /
     /     //  /;;‐Mcj;;ミ:: /  ,:、
ー‐ ''´‐、     ノ/   /;;|ー-, _!;;ト 〇 ´Y´
■    /ー-- ''/   〈j;!: ''' j ,,,`!  | i
    / // / ,'⌒-、/i::: ヮ ノ 丿j
         幕府の権威に屈した大徳寺(イメージ図)

 幕府が定めた大徳寺法度(出世入院には三十年の修行と千七百の公案を解く事)は
そのまま定められ、それに違反した者は紫衣を剥奪され、抗弁した沢庵達は罰せられた。
これにより、宗教上でも幕府の優越は確立され、本来、改めて話を聞く必要などなかったのである。

9 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:00:57.56 ID:g8oBerw0
 それが、当時抗弁した…即ち、幕府に反抗した沢庵達の話を、
わざわざ将軍家である家光が直に聞きたい、と言ったのである。

                           /..:::::::::::::::::::::::::::..ヽ、
                           (,、:::::::::::_::::_,、::::::::::::::..゙:、
                           .l `'^'´ ..: :.: :. }::::::::::::::::::i
                           ._  、__,、 〈:::::::_::::::::::|    …ここらで
                           !)  ヘラヾ´ ゙! /ベ!::::::|    色々見直す必要が出てきたからな…。
                           .ソ   ```  :.:.: ソ,iノノ::::::|   
                           ヽ,-     .:..:.:シ_,イ、:::::l
                               i==-  .:..:.:イ   ヾヘv
                              , ゝ...:.  _,.ィ  i ,.'  }  ` 、─────────┐ 、
                             , ´  ゙'ーイシ″ ,  /.:. .  `  .///////////////}||ll\
                         ,.. '´   \ ヽ/,ハ::.:..:. /            ` ー- 、///////:}||ll|ll|}
                       /     ノト_,ノ┘″}:.:.:./ __  -─…        ヽ///// }||ll|ll|}
                         /  _,. イ      ヽ / -‐              '/////}||ll|ll|}
                       /    /  ,                  、         '////:}||ll|ll|}
                     /     ,/ .:レ        /           ヽ       ‘.///}||ll|ll|}
                         /     / /       ,′              ,::..         V//}||ll|ll|{
                      /      ′:′        ′           /;ハ:.:.        ∨/||ll|ll|{
                    /     .::' ..:.:{       .:i         ..:.:.:/:.:..:ヘ:.       ∨||ll|ll|{
                     , ′     .:.;:.:.:..:.':..         ‘       ...:..:.:.:./..:..:.:.:∧:.       'l||ll|ll|{
                  ′     .:.:j:..:..:/ !   ::...        ¨"´  ..:..:./..:.:.//∧       l|l|ll|{
                    .: .:..:.:;'.:.:; ′}   /    \       .:..:..: '.:.:://///ヽ       'l||ll|{
                   ‘.  .:..:..:://   }  /  .:'    ヽ      ..:.::'´..:.://///// ヘ __    'l|l|{
                 } ..:.:.:.:∠   -─}          }      ..:.:.:.::///////,.. ´  `ヽ  'l|l{
     ,.. . _      r─…   `ー‐匕.    -─,      }:.            .:.::_;厶 -‐ ''"´          'l{
  /    ` '   L._::{f¨ ̄三三三三三三,′    !:.:.        .:.:/                 j
 /                  ` <こ三三三三ン    .::/       !     , ′   .:}. -──…… ' 二二|
./                       `   、/  {     ′       j  / /   / / ̄ ̄三三三三三三|

 つまり、幕府は紫衣事件の件…即ち、幕府の宗教政策について、
今一度動く必要が(それも大徳寺に融和的な方向で)出た、ということになる。

10 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:02:28.48 ID:g8oBerw0
 その理由として、まず、ひとつ挙げられるのは、
「朝廷との関係修復」である。

 |\ヽ、            __
 | ヽ、 \       ─ /__.)─ 、
 \ヽ   \   / __    ┛┗       _
   ┘ / ̄ ヽ/ /───ヽ\ ┓┏ \  / ̄  \
   \//   //__.108__ノヽ\    │ / / / ヽ、 |
     |l    | |l M I  Z  U  l |     | |_ | |   |  |   
     \ _|、ニ______ノノ     | ̄ \ ノノ /   
      /             フ| /ニ--、    \/     えーかげんにせーよ。
      >‐--ニニニニニ‐ ̄l | | /   /、 |     \   ほんとによー。
     / | | |   || | |    | |. | | | / | | |      \
    /   \ヽ、_ノノ_ヽ、   // | | |  |ヽ//        ヽ、
    /  /   |二/二\─''" /  \─''/  /       |
   /  /   /  ̄ \ | |   /   / / /         |
   |   |    |‐‐、ヽ   |‐_/─/ / /            |
  |   |    |\ヽ | | /──    / /  |          |
  |__|     l\ニノ   \\   / /   |          |
   / |     |_/ニ─l‐‐l---ニ / /   |      _─/、
             後水尾上皇
          (ごみずのおじょうこう)

 大徳寺・妙心寺などの勅願寺に於いて、紫衣は天皇が授けるものであったが、
幕府は、(幕府が定めた)大徳寺法度に違反した僧の紫衣を剥奪した。
そのため、朝廷(天皇)の権威を蔑ろにされたと感じた後水尾天皇は退位し、
幕府と朝廷の関係は悪化していた。

11 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:04:11.64 ID:g8oBerw0
 これは、主に大御所である秀忠の定めた方向性であり、
まだ曖昧なところもあった朝廷に対する幕府の権威確立のための施策であった。

             ___
           ,ノ' ´    ` ''ヾ、
         /            ヽ
        }f^'^^了t^'^'`'ー1  l
        |L_ ! ___ { ,..、|      俺が天下人になったからには、
         }f'tr'i  ''^'tォー` }j/i',|    今までと違うことを見せてやろうじゃないの。
          l.| ´ |    ̄  vijソ.!
         丶 └、     Fイ l′    まず、朝廷のために一肌脱いでやるからな。
     /    ',  ‐--‐  ,イ ケ|
   , ,/.       ヽ `''"´,/ !  ^|ー、
  / /      _,,」、'....ィ'       '|. \、_
. /./  ,. ‐'''"´    ! /   ,  _」__ヾ',
.,'.,'  /´   └ 、_ ノi   ノ  (、_  ``ヾ!
,'/ /     ヽ、 ` ''ー 、ィ-─'' r`'^    `
l|  !            リ    `ぅ ー=、_
| |          サ     〉
  ト             ′    ./''ー- 、,.._
  |  ヽl            (B     /    ヽ、
  |     !,、      !     /     ∠_
  ,イ     ヾ'     ィ 、   . /   ,,ィ'´
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、

 だが、既に秀忠が亡くなって、四年以上経ち、
朝廷(及び寺社勢力)に対する幕府の優越性がほぼ確立した今、
今の将軍家である家光は、代替わりによる政策変更の一環として、
悪化した朝廷との関係修復に動き出したのである。
(その辺りの具体的な動きは「その34」参照)

 その意味で、朝廷との関係悪化の象徴ともいえる紫衣事件について
将軍自ら再考の動きを見せることは、関係修復の一環と言えるわけである。

12 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:05:42.14 ID:g8oBerw0

 また、もうひとつ、家光が寺社勢力との関係修復を目指す理由があった。

           ┏━┓
           ┃  ┃
        ┏━┛  ┗━┓
        ┃       .┃
        ┗━┓  ┏━┛
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           ┃  ┃              ___ _
           ┃  ┃           -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
           ┗━┛       ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                .....   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
                .....   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::
                .....    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::     あの、キリシタンどもと事を構えるには…
                ......    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::   やはり、寺社勢力の協力が必要だな。
                .....     〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::
                ......    /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ:::::::
                .....    /..             "´ 2ノ/ l:::::
                ......   ヽ.ニ,`           __/ :l::::
                ......     'ーr_‐;        .ィ    l:::
                .....      〈..        /:{      ヽ
                          `}     /:: ! i
                          丶、,、. イ::::::    !

 ── キリスト教である。

13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:06:25.97 ID:tphkeEgo
この時点でもまだ生き残ってるのか。

14 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:07:26.43 ID:g8oBerw0
 寛永十三年当時、幕府はキリスト教の禁教化を更に進めていた、
前年八月には、それまで九州だけであったキリシタン改の実施を全国で行なっている。

       人    人从         トト|      ノヽ人
       ソ' 丶  ノ ,.r-──-- 、   トト|      )   ゝ      /ヽ__∧
       从   ハ /二二ニ_ヽ、.:.:\  トト|     ノ    ヽ     /     ヽ
      从.  ハ ノ Y_, 、____`ヽ\.:.:ヽ トト|    从  ソ ゝゝ   〈       |
      /     (  |、rェ_| 'rェァ` `i. |:.:.:ヽ.ト|   彳 イ    (,   /  反  キ ヽ
    ノ       .ソ/ ,く 、ヽ   |l |.:.:.:.`ト|  彡   ((   /  く.    対  リ  \
    ,人   ハ  ノ | i_====i、 / /~〉|.,'"""';,  イ        ヽ从  ゝ  |   シ   /
   ノ          | l::::::::::::.| l /f-'//`'`トト| 〈  ((    ))   .ゝ )  |  .タ  /
  ソ   ソ  __/,l |ニニ,'/  l/ ;','/、 トト|  )           ,/  ヽ  |  .ン  〉
  )    /.:.:.:.:,'  |  ̄  /,", ,'  \ー──/   人   ハ   .ノ  ノ  |  改   /
   ン   /.:.:.:.:.:.:.:,;  `──'   ,"    /.:.:.:.:.:.:/  / |     (   )  ッ      /
  /   /.:.:.:.:.:.:/'; ,'  ',  ," ,"     /.:.:l.:.:.:.:/ ,'   |   .: (   \      (
  )  |.:.:.:.:.:.:/ ', ,'   '" ,"'    /:.:.:|ソ "     イヽ    )   ⌒\/⌒
  ソ   |.:.:.:.:.:.:l  ', , , ,'  ,"    ,/.:.:.:.:|ミ" #'`、 ',  |  ))   ゝ
   )  |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`-'i"'"''"i \_/'",.:.:.:.:.:.:|  i  \ ', イ、    ミ
   ヽ,   ヽl "'#.::.:.:.:.:|    |  ,从/).:.:.:.:.:.:.:.:ヽ/   |  i'彡ヾ  ソ ミ
    )  `!.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|    | ノ /.:.:.:.:ヽ ヽ ヽ  / /彡彡}、  丿
     ン   {ヽ____|   |/ハ/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,-'  彡彡彡} ヽ、  ソ
    \,、 {`ニ二二二三//三三三三 人ハ ハ三彡彡彡/.:.:.:l  ソ
     .ノ  {三ニ二二ノ/二二二二二/ (三三 从彡.:.:.:.:.:.:.:.|ン
      ソ  {二二从ノ/ 三三三三三/ t'三/'`'` /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/
          キリシタン改に抗議するキリシタンの図

 そして、そのための政策の一環として、
幕府は民衆に対し、宗門改…即ち、自らが属する仏教宗派を書き留めさせ、
それを各地の寺に管理させた。

 いわゆる「寺請制度」の始まりであり、
その円滑な実施のためにも、幕府は寺社勢力を取り込む必要があった。

15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:07:59.99 ID:tphkeEgo
何、キリシタン改って。ザク改みたいなもんか?ww

16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:08:39.54 ID:AE0au1E0
改宗の間違いじゃ・・・?

17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:09:34.68 ID:YPXDZm.0
改と書いて「あらため」と読むww

22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:14:28.45 ID:YPXDZm.0
ちなみに宗門改めとは「ここの家はキリシタン」と言うのを全国的にチェックする政策。
事前にチェックして置くと、いざ一揆を起こされた時に対応が速く的確になる。
情報戦は大事だねと言う話だな。

18 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:09:41.50 ID:g8oBerw0
 故に、幕府は朝廷・寺社勢力の両方との関係修復に動く必要があったのである。

    ,, -―――
   〃:::〃::::::;;、:::::::::::ヽ
    Yア( ̄  {_:::彡::::|
    {{;ィ..::ャ=ミ ヽ::r:、|         てゆーかさ、
    代・} 弋・フ / ^}リ         たかが一坊主を呼び出すのに、
     ';::.:L .:::  {  r〈         普通、年寄衆連署の書状なんか出さないよ。
     ';t‐ェェタ  イ >、_
      i:::二  / // \      …それが、政に絡まない限りねえ。
       `ー</ /o\  \
        rヘo// ̄ ̄:.::\∧
        ∨//.::.::.::.::.::.::.::.::.ヽハ
        /7ロ::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.} _}
         { |圦:.::.::.:.::.::.::.::.::.::.::「 |
        V |.:}ヽ.::.::.::.::.::.::.::.::. く|
         {ノ:ノ ハ.::.::.::.::.::.::.::.::.::.}
         Ⅳ   ∧.::.::.::.::.::.::.::.::.:}
         }リ / 〈.::.::.::.::.::.::.::.::.::}
        くく   〔.::.::.::.::.::.::.::.::.:{
         土井大炊頭利勝
     (どい おおいのかみ としかつ)

 そして、沢庵の召致は、
和尚が幕府と朝廷・寺社勢力との関係悪化の象徴とも言える事件である
「紫衣事件」の主導者であるが故に、単に家光の個人的興味としてだけではなく、
幕府として、政治的にも召し出す必要があったと言える。

 「かつて幕府に抗弁した沢庵も、将軍家の召しに応じた」

 という形式を作り、ここから(あくまで幕府優位を前提にしてだが)関係修復を進めるために。

21 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:14:06.66 ID:g8oBerw0
 さて、そのような背景を踏まえた上で、話は戻る。
上洛後、半年以上経った寛永十三年七月二日…。

                       }k
                       ノ;'l{
                     _ノ;人'、
                }、、__,. -'',r'/p、ヾ、
               ,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
              ,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
             ,irこ;;;},|i ||  ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
             ,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
           、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
           ,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
           i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
         ,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
        /,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_     ,.ィ
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     ,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
.    ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::|  ,
    i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{  }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
    ,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
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 _r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
 〕{ュョiririririrm;;;;;~_,n、 ̄__二;;;,,  ̄~゛゛゛'''''',,;;;;;;;;;ー―‐---`ゝ、` -、~ヾ,,;;ヽ、;、;,._;;_;;_,,'‐、
../,r'ーl~~~^~_,.,r'%%r===%%''ュ.,_"‐^"‐''=fhifhicifcifriririririyr'g'y'ng'y''ngmgigpmgwwiV} `''‐、._
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ヾゞ,、;:,,y''''7''""""'';;'':::::::::::::|;;`ヽ;、 _,、::;;;;;”””””””””””'''''''''..::;;;:::::;!!!!!iil::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::|
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23 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:15:30.28 ID:g8oBerw0


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            j        ゝ /  ..::::::::i
            ゝ_,-――‐-,_,i  i  ..::::::::::::l
            'i::::::::::::::::::::::::::i  iヽ-―‐-,!
             }!::::::::::::::::::::!{ .{..:i!::::::::::く       i~"i__
            ,i'"~ ̄ ̄ ̄~"'i, iヽ_:::::::::::::}   {~ ̄     i
              i..::::::::::::::::::::::::::...i `ヽ`ヽ;;;;;;ヽ     ̄"i .1 ̄i  i   {}{}//
            〔"~~ ̄ ̄ ̄~~"〕   `-‐―"      .i__i  i___i     //
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24 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:16:10.16 ID:g8oBerw0

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25 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:16:56.91 ID:g8oBerw0
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26 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:17:51.35 ID:g8oBerw0
   .-'´   . l     l、 .、   i ..,,、   |          l
       /     .!',  .!、  `―"   !         、   !    おい、お前ら…。
       !      }.l  l-二― ......,,.. |       |   .|   準備はいいな?
       .|      .l  l  .l;:;:;:;:;:`゙゙''''/ ,!       !    |
       .l     │.,、.ヽ .ゝ ....,,,__./   !       |
       !     !.〈,,,  ゙'-..____,,..-'"l゙      /         おう、任せろ!>
          !    /.、  `''-,,.      ,..l゙      ./
        ',   .,'  `'、   `''" ̄ ̄ .,!      /          クックック…>
        !  .i',    ゙'y.     .._.. !     /
        |  ./ ヽ    ゙',゙'---ッ'"  !     /
        | /  ..l.   ..l, /    .l    ./
        l ,i',    l    .li′   .!    ./
        // \  .!    !    l   ./
       〃   ヽ. !   !    :!  . /
       l′    ヽ|   .l    | ./
       .゛          !     ! /
                      l′

27 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:18:59.97 ID:g8oBerw0
                  _,, iー' .、 '、. ..'-, .'、      . _..
              _.. イ'".ヽ .ヽ. \ .ヽ. \.ヽ. ..,,, -''"゛ 
          ,,, ィ'''"`'、  ヽ  ヽ .ヽ  ヽ ヽ,,..ノ‐'゙´  .
      ._..y‐''゙ヽ. .ヽ  .ヽ  ヽ _> |-.. ┴´         __,ノ 
  ._.. -',"  ヽ  ヽ  ヽ  .ヽ./ ~    _,,二ー 、      .   ) . さあ、将軍家よ!
."`',.  ヽ   ヽ  .ヽ  .l./ ゛    ./´   `'-.\     .-=ニ   .聞くがいい!
  .ヽ  .ヽ   ヽ._,, ;;ゞ゛     ./   : 夢   ヽ ',    .  ,)  これが俺の!俺達の!!
 、 .ヽ  . ..lr‐'"´/      / .l,    ~''"   .! .!   .  ⌒ヽ  
 .ヽ._.. ゙‐'゙゛   ,./        /',''''''!ly、     ._.イ│ ......    ノ-、
: '''´     ./ ,-      ,/'''''゙‐'t;;',',   ,i,'!!~゙゙} .|         ⌒ヽ, -、/^ヽ「`
      ././       /         ゙‐''゙⌒.! ', ......
     ,,i,'イ゛          /.l  .、   _      |  .l   .
    / .,/ノ           ,' l゙ l.l .,,―`-ニ. ., .,.. l   ヽ   
     .,/イ        ,'  l  l ',l゙,.. - ,,..,!.il! l ./    \  
.\,  .,''゙,!        l  l ,i'/ッ._,,,,,, .゙!/│ !     .゙y 
  .`'-,,"."        l'、 .!.l l .,!.l   ゙l .l',゙ll゙ i____,,,..-'"゛.ヽ..,,,_
    .`'ー、,、     / ゙' l .゙" .',.|    !/.|"!/          `''
        `゙'ー、、  .!   .\ .! !..,_, . 〃 /
              `'-',,_    ___;;,,.. --┴''''''¨'ー、、
               ̄ ̄           `'-、,
                               `''ー ..,,,,,,,,.. ‐'

28 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:20:38.75 ID:g8oBerw0
                                    ト、._人,.ヘ.__人_,.イ_,.ィ
                                 j`‐'             ‘ーィ
                               、- '              L_
                               _ )     諮問への     く
                               )                (_
                               ´)   ”KAITOU”だッ!!=-
                                )                (_
                             ___  )               (
                            7_y| ⌒)-、 ,. 、         〈
          /⌒丶              <_/ /!     ′ ヽ/⌒'^´ヽ'⌒ヽ「
   /^!   イ :fェ´r}l               ///'                  _
   !: : :L_イr、 ト=tテ |              ///                  /¨ ̄¨7
   |: :/⌒ヽ: |リ ゝく :!             .///                  ム r--tl
   |: ムハr、/___丈c!V`ヽ.        ,.rtュ'/./                    |リく+!+
   V   /: ゝ='∨k}`ヽ´\___ _,.≠く: / //                  __,.弋、jにレ'_,.._,.r─--=..__ _rュ
    }____ム: :r、: :ト':ハ:::::::::::`ヽ.ヽハノ: :,.-'////                 /´¨ヽ\ムf>、   弋ソ____/´ ̄7
   f、__)`ゝ: :\` {'|::::::|`ヽ::::∨r'j´  ////                 ヽ.  ∨ ニヽテ7'´:::::::::\  丶f^ュ'
   |\ } }: : : : ヽ_| !:::::j  }::::! fゝ-'7///                   ト、 r=ゝ、─ /:::::r¨ ̄ヽ::::∨   | l
   }、: 、! |: : : : : : 〉|::::::| ノ::::∧!:..::////ハ___                {\}   \j:::::/    L:::lr'  :り
    |___j ゝ: : : : /K|::::::レ':::::ノ  j:.://// /  フ}    _            |  >  /|:::::ト、__,.≠<__   l,;
   /: : ∨レjー、/: :/:::_,.≠  /:.//// / /: : :ー'f~f=-マヘ-rft_____   {___>,r、:::\r'____ノ::::/
    ktf、ソ'j   ∧7ハ  ∨´:. ://// ¨´f、: :< ̄`∨l=t=l |t_{-、_: : : )   |: : : : : : `ー|\:::::::::::::::ノ
      i   / ヽ.   (、:. :. :.:. :. 8f、 ∨: :`´ヽノ !j}={ソ !____ノ: : / ハ  ゝ: : : : : : : : :i  >-<
      |   /   \  ゝ--............_| ヽ. ∨: : : ソリ`¨´|リ': : : : :ノ /ハ ∧: : : : : : : : ハ
      ソ   /    ソ  /`<ノ ̄ ̄、  〉、ィュ: : / !=、|´  レ: ムf^ノ\ソ∧: : : :∧: : : : :}
     |   }    / ヽ/       ∨ノ }: : \7==、.  / ̄!: : :|   { |: : : : / ∨: : ::|
     |ヽノ    ∧  /        ,ハ  ノ、: : :/::::::∧^∧::::::!: :∧   ∨: : :/   }: : : ノ
     |: :/    ∧: :/        ノ  / ヽ:/:::::::::::::∨::::::::ハ/、 ∨  ∨::/   |: : : |
     |: :l     |: : /        /  /   /::::::::r、::::::::::r、::ハ::、  ∨ ∨    ヽ: : |
     {___/    {___{        /____/⌒、_/:::::::/: ,ヽ:::::/: ヽ:::ハ:、  ∨-'、     }___ノ、
    {r、リ    ! r、\     /ゝノ|   ´ー‐´  ー   ヽー、7  |弋ノ\    |ソ´`ヽ-、
    !___ノ    >'`ヽニス  ム´、__r´j__/                  ∨_j\__ヌ   ==、ニニニニ
      江月宗玩                                 玉室宗珀
   (こうげつ そうげん)                           (ぎょくしつ そうはく)

29 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:22:14.70 ID:g8oBerw0
               _.. -ー'''''''―-..,,,
             /゛         `゙''ー ..,,,,,,__、            /\     /|
           ,i'゙,,....,,,、                ,,,,.....,,..二   \ \、_ハノ  ヽ、|/ |
        i./    `''、                  `'';;     \)'
       ,!l 夢>   i'i|.゙l ,               `     /.
       l:|.`.゛ ./´゙7i}゙'、                 ヽ,)  ”SATORI”がなければ、
          !l,,_  l / '´   ...}                /.
        .',_/       / !                /..l ヽ    三十年も千七百則も
           l ._i、 ,、ヽ !;:;:;ヽ              /   .l,_)
            l. i-'" ゙',/ l;:;:;:;:;\  _,,,,.............../ !    .,)     無意味同然!!
            リ',、  .l゙''、|;:;:;:;:;,ノ゙ /   .,.‐',   l    .,/-、ソ
             '!|.l.  / .゛', ;;l" /   ., /  l,  .',  /   /ヘ
             _,.l,', ;;,'-'./ ゙./  _,,,/  !  ..l  ,ゞ゛  /  //7/ヘ /l ト、 |
      ,./ '"   ゙''" / , ''"'''"| / .l   l   .l./           /   V | ,l ヽ|
     i'"    ./ ./ /   ., '~',  .l   ! / ;',
   _..-'"゙゙フ'./ / ,/   ./',  .',  .l /;:;:;:;:;:|
 /゛  イ゛,/./ ,/   ,,-',  .l  .', _ '";:;:;:;:;:;:;:;:;|      .、  ,
   , ',゛i!〃゛ /   ., ''.l  ',  .l ,,ミ'゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:',゙''-、、   ゙',ゝ、,.l,
 ,..┴-iフ" ./   ._‐{  . !  ', ._ノ'l丶;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;|   `''' !./ -',、`′
   / /   .// l  ', .,ゞ゛  !;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: !     . ゙'- `'
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   /   ., ''l'7 !  ヽ,,,,','"|      ',;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:}
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: '.l.,,i'゙.l |i./ .ヽ      .',,'',、     .l;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
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 .l .!/      `'-,, \,ノ゙;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:!
 .,','----.... ......,,,,,_、  `'く、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.!
. ゛―----........,,,,_、 .`゙''''ー-ミ;;ッ、,;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:.!
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30 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:23:23.83 ID:g8oBerw0
                  _,, iー' .、 '、. ..'-, .'、      . _..
              _.. イ'".ヽ .ヽ. \ .ヽ. \.ヽ. ..,,, -''"゛ 
          ,,, ィ'''"`'、  ヽ  ヽ .ヽ  ヽ ヽ,,..ノ‐'゙´  .
      ._..y‐''゙ヽ. .ヽ  .ヽ  ヽ _> |-.. ┴´         __,ノ 
  ._.. -',"  ヽ  ヽ  ヽ  .ヽ./ ~    _,,二ー 、      .   ) . 長老になるのに、
."`',.  ヽ   ヽ  .ヽ  .l./ ゛    ./´   `'-.\     .-=ニ   .
  .ヽ  .ヽ   ヽ._,, ;;ゞ゛     ./   : 夢   ヽ ',    .  ,)   年齢など関係ないわー!!
 、 .ヽ  . ..lr‐'"´/      / .l,    ~''"   .! .!   .  ⌒ヽ  
 .ヽ._.. ゙‐'゙゛   ,./        /',''''''!ly、     ._.イ│ ......    ノ-、
: '''´     ./ ,-      ,/'''''゙‐'t;;',',   ,i,'!!~゙゙} .|         ⌒ヽ, -、/^ヽ「`
      ././       /         ゙‐''゙⌒.! ', ......
     ,,i,'イ゛          /.l  .、   _      |  .l   .
    / .,/ノ           ,' l゙ l.l .,,―`-ニ. ., .,.. l   ヽ   
     .,/イ        ,'  l  l ',l゙,.. - ,,..,!.il! l ./    \  
.\,  .,''゙,!        l  l ,i'/ッ._,,,,,, .゙!/│ !     .゙y 
  .`'-,,"."        l'、 .!.l l .,!.l   ゙l .l',゙ll゙ i____,,,..-'"゛.ヽ..,,,_
    .`'ー、,、     / ゙' l .゙" .',.|    !/.|"!/          `''
        `゙'ー、、  .!   .\ .! !..,_, . 〃 /
              `'-',,_    ___;;,,.. --┴''''''¨'ー、、
               ̄ ̄           `'-、,
                               `''ー ..,,,,,,,,.. ‐'

31 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:24:31.28 ID:g8oBerw0
                               
                ,. '"´三二二三`ヽ     
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ    
              /   /    夢     ', ヽ   
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ 
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ
            /    /     ,,   ,,      ',    \ \、_ハノ
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   ヽ\).',..、
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V .  / 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V ヽ,)  
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ) )  . 
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\ `ヽ   .全ては”SATORI”次第だッッ!!
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i _)  . 
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | .l,)    以上ッ!!
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | | /-、
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  .,ソ/ヘ '"
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |  /  //7/ヘ /l ト、 |\
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |        /   V | l ヽ|
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! ! 
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | ! 
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/  

 寛永十三年七月二日、家光に招かれた沢庵・江月・玉室の三名の大徳寺長老は、

 「これからは三十年骨を折り、五十になれば長老にして、
  あとは権現様の法度の通りにすればよいのではないか」

 という家光の問いに対し、

 「悟りのない者は何年経とうが長老にはできません。
  年齢に関係無く、全ては悟道次第です」

 と答えたという。
(なお、この上記回答は玉室のものという)

33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:27:02.68 ID:eHRqap6o
出来ない奴はなにしようがダメ、と言い切る高僧というのもすごいよな

32 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:26:08.09 ID:g8oBerw0
         / ̄ ̄\
       /     -  -
       |    ( ○)(○)
       |     (__人__)    (これは…)
         |      `⌒´ノ    
         |         }     
         ヽ        }
    /  ⌒ヽ    '´(
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.

                   __,..__
           _,.r-‐¬≡三゙:::::::::..`''..、_
          /./.r:::::::::::::::.\:::::::::::::::::...丶久f:}
         /.::;/..:::i.:::::;、:::::l;:::::..ヘ::::::::::::::::::::::i} l:::1
.        /..:::::;il.::::;l..:::::;;;l::::|;;i::::::..}::::ノ;::::::;ィ'^|} |:::|
       |ハ::::;;i|.:::;;|..:::::i;;ト;:lレl∧:ソY;;;;::l:::::::::/;li l::::l
.        ! {:;;l{:∧ハ.::::lv_.二ニ=‐|;;;;i::l:::/;;;;l}l.|;:::!
         `!i{‐-_、ヘ:::}´ィr;z=ャュ |;;;;l:|´ };;;;;;l};l.li;::1     (こうなるとは予想はしていたが…)
          l;;;i《屯ハ ヾゝ `¨´ " |;;;;l:| , |;;;;;ノ;;|.|l::::!
.        l;;;l;l"  ,   `     |;;;;|:|_,ノ:ソ|;;;;l.|;i:::!
        |;;;;l;{  /          !;;;il:l |'" |;;;;l.|;;l::1
        |;;;il人 `ヽ       ノ;;;ill:l l  |;;;;l.l;;l:::|
        '" ̄¨ゝ マ三>   ,/"¨´ ト、. 1;;;l.l;;;l:::|
.            ヽ "  ,.ィ    / ヘ;;;;l.l;;;l::::!
              ` -<    /    ,/ミミゝ;:!,.
           _,=≡/ 人  /´   /ムホfヲ苑盆z、
         _,xl盆fホ/  /`  /∧   /      ̄`ヽホミz、_
        ,xタ壬シ'¨く_  ヽ.//タ ゝv´   /    f ´     }
             酒井讃岐守忠勝
        (さかい さぬきのかみ ただかつ)

       _.. -= ' ´  ̄ ` - .,_
     ,r'",,;;  ,;;;; ,,;;;  ,;;;;;;;;;;,,ヽ、
    / ;;;,  ,,   ,,,,,;;;;;;;;;;;;;; _ ;;;;;, ヽ
   ./;; r- ...,__  ,.. -y ヽ  ̄`i ;;;;;;,,ヽ,
  ,i ;;; l  / ノ ~l;'~       l ;;;;;;;;;; i
  i ;;;; i __, ...、 ! ,.- ., ___  .v ;;;;;;;; l
  !, ;; i'-,- '''ヾヽ  ~`r' ー=-~` i r- 、i  
   ヽ、i 'rーu-,i l   t'~"uー,.   l,lr' ll   (やっぱり強烈だねえ…。
    i, i ヽ、_,/,i   ヽ, -'"   リ j i    さて、上様はどうお思いになるやら…)
     i     l :::.      ..::::  ,/
      l    i_ ヽ     ..:::::: r'"-.,_
     i   ..,__ _ _、 ::::::::: i ヾ\~"ヽ
     ,._,-'"-' ~`二  '"  :::::: ,y ,i ヽ,
     ~_.ヽ    ''    ..::: ,-'" i   /i
  _,.-=' /, ヽ、      ,.-' ,'  ,r  ,y l
- '"   / i l丶,-ヽ- ='"  ,'  /  ,'  i

34 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:27:08.23 ID:g8oBerw0
::::::::::::::::::,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ
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⌒ヽ.:::::} ∠二二三三=''   ∠二二=
´'ハ i:: |   '´て"アヾ´    i"てj"ヾ,′
.r‐ノ レ'      ̄ ̄        | ´ ̄ l      …面白いじゃないの。
.{ i、               l    |     前に会った時も、なかなかのものだと思ったが、
 、 `                   |   |     まさか幕府の法度に対し、
ヽ、 `i           ,-、 ノ   l     将軍家の目の前で全否定とはな…。
:::| ` ー,                 ´     ,'
/    、      `- -‐─‐- ′. /
     ヘ       _____     /
      ヘ      `~"´   /
    ',    >  .    ;    /
     ',       ≫...    _ '
     ',      .:.:.:.: T<
      ',         .::.:.|   " ‐- ,
                      ̄" ‐-

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |       …代が替わろうが、将軍家は将軍家ですからな。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|      .先代様の時に否定したことを、
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ      .現将軍家になったからといって、変える理由はありますまい。
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

35 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:28:42.92 ID:g8oBerw0
        _,,.、、、、、.,,_
      /.:::::::::::::::::::..`ヽ、
     / .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、
     | :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ
      | ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j
     |::::::::::::::::::::::( |.!  ;{      なるほどな…。
     .|::::::::::::::::::rリ`l,〉   j}゙     しかし、長老になるのに年齢は関係ない、か…。
      }:::::::::::::::ノ゙  l  /.
     ,xァ''ー'゙'`    '、 /
    / ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_
   ''^ーァ 、_____  ̄ /
    `>'、,     '''"´ ̄ ̄_二ヽ、
    /           /    ヽ
   ,'        ,   /      ゙、
            l /  __      !
            l, l  く,_  、   |

       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |      …………。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

36 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:29:54.61 ID:g8oBerw0
    〃                 i,
   r'   ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈
    !  :l      ,リ|}    |. }
.   {.   |          ′    | }
    レ-、{∠ニ'==ァ   、==ニゞ<
    !∩|.}. '"旬゙`   ./''旬 ` f^|     …和尚。
   l(( ゙′` ̄'"   f::` ̄  |l.|    .確かにお前達の言う通りだ。
.    ヽ.ヽ        {:.    lリ     崇伝が申しておったことは、やはり不届きであると思う。
.    }.iーi       ^ r'    ,'
     !| ヽ.   ー===-   /
.   /}   \    ー‐   ,イ
 __/ ∥  .  ヽ、_!__/:::|\


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\   て
    / / / /    夢  | ヽ  そ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      (…ほう!)
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

37 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:30:46.94 ID:g8oBerw0
             __
          ,.-''";;;;;;;;;;``'ヽ、
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
      /;;;;、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、
      ,!;;;!゙`''~^~ァrr-'゙`'´''ラヘ;;;!
      |;;;|      ノリ     ミ;;;|
     _ゞ;! r─-- 、  ,rェ--- 、ミ;リ
      !ヘl;|. ぐ世!゙`` ,ィ '"世ン 「ヽ      法度の件について、
     !(,ヘ!   ̄'"  |:::.`  ̄  ,ドリ     諮問への回答、苦労であった。
     ヾ、!      !;     ,レソ      有意義な話を聞くことができたぞ。
       `|      ^'='^     ム'′
       ,rト、  ー- ─-:  /|        では、下がってよい。
    _../ i| \   ===   ,イ.:ト、
    /  i| ゙、\  ;   /リ.:;!:::\、_
       ゙!  ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\
        ゙、      :::/::::::|::::::
    `ヽ、  ゙、     ./  .|  ,-、、


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |   
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|       はっ…。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\     (この将軍家…確かに大御所とは違うようだな…)
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 こうして、家光から沢庵達への諮問は終わった。

38 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:32:06.39 ID:g8oBerw0
 そして…

       |  !                        |  |       |
      | │                   〈   !      人
      | |/ノ二__‐──ァ   ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ   ̄ .Y  ̄
     /⌒!|  =彳o。ト ̄ヽ     '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ !    |
     ! ハ!|  ー─ '  i  !    `'   '' "   ||ヽ l |
    | | /ヽ!        |            |ヽ i !     但馬!
    ヽ {  |           !           |ノ  /     やはりあの和尚は面白いな!
     ヽ  |        _   ,、            ! , ′    .朝廷や寺社との関係は抜きにしても、
      \ !         '-゙ ‐ ゙        レ'       .是非俺の側に置いておきたい!
    |    `!                    /
    人     ヽ     ゙  ̄   ̄ `     / |         頼むぞ!
  ̄ .Y  ̄    |\      ー ─‐       , ′ !
    |       |  \             /   |


            /⌒`"⌒ヽ、
           /,, / ̄ ̄ ̄\
          /,//::       \       …ははっ!
         ;/⌒'":::..        |⌒ヽ    (やはりこうなったか…)
       /  /、:::::...       |ヽ_ \
     __( ⌒ー-ィ⌒ヽ、 /⌒`ー'⌒  )
    ━━━`ー──ゝィソノ-ヾy_ノー─━━

 家光はこの諮問に於いて、沢庵を大いに気に入り、
玉室・江月を帰らせた後も、沢庵一人は江戸から帰さず、留め続けたという。

39 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:32:58.11 ID:g8oBerw0
 その後、和尚の逗留先である
麻布の柳生家下屋敷 ─

                               (:;:〃::;;;)
        g _,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,:;::;;(:;〃:;;::〃:;;″
      ,ノ,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;丿:;〃:;;::〃:;;″''',
  ,,,,,,,,,,,,ノ゙,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;,ノ;:;(:;:;;::〃:;;″,);::〃
 ,',',',',ノlllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll:;(:;〃:;;::〃:;;″ :;;::〃
  ̄ ̄ ̄l:   ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ヾ:〃:;;:〃:;;;:〃:;;)
       |  丿,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,丿il″.゙:;ソ'l:;;::〃,:;;;:〃:;;)
       |     .l|l     l:〃:;):;     l  ⌒     |    |ヽヽ
 ,,,,,,,,,,,,,,,,|゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚l|l''''''''''''''''''l :〃 ;),,    l゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚|゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚| ;丿:;〃
   l:l'''l |:::::::::::::::::l|l | ̄| _ l:;:〃:;;). .   |::::::::::::::::::::::|::::::::l| ̄l|: ,:.;,丿;;;:〃:;;)
   l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l |_|:| : |:l: /~~゙ヽ'    |::::::::::::::::::::::|::::::::l|柳l| ”ー、,,,,,_
   l:l,,,l |:::::::::::::::::l|l   :  ::.l: ヽ;;:;丿,,,,-' |::::::::::::::::::::::|::::::::l|生l|.,l:    `゚‐
   """"|:::::::::::::::::l|l ._,,,,,,,,,,,,、lr''''''゙゙゙~    |::::::::::::::::::::::|:::;;;,.l|  l|゙`  ,'''゙゚゙"ヽ
  .llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll,!'''゙゚゙"ヽl|  l| *i,,,'l_ :;:;::゙:;
  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .'l_ :;:;::゙:;|l" ̄:;:ヽ  `─"'
                             `─"' ヽ_,,丿   .,.,:;;.,;

40 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:34:04.95 ID:g8oBerw0
                  _,, iー' .、 '、. ..'-, .'、      . _..
              _.. イ'".ヽ .ヽ. \ .ヽ. \.ヽ. ..,,, -''"゛
          ,,, ィ'''"`'、  ヽ  ヽ .ヽ  ヽ ヽ,,..ノ‐'゙´
      ._..y‐''゙ヽ. .ヽ  .ヽ  ヽ _> |-.. ┴´
  ._.. -',"  ヽ  ヽ  ヽ  .ヽ./ ~    _,,二ー 、
."`',.  ヽ   ヽ  .ヽ  .l./ ゛    ./´   `'-.\
  .ヽ  .ヽ   ヽ._,, ;;ゞ゛     ./   : 夢   ヽ ',
 、 .ヽ  . ..lr‐'"´/      / .l,    ~''"   .! .!
 .ヽ._.. ゙‐'゙゛   ,./        /',''''''!ly、     ._.イ│     但馬ァァァァッ!
: '''´     ./ ,-      ,/'''''゙‐'t;;',',   ,i,'!!~゙゙} .|     この一件が終われば、
      ././       /         ゙‐''゙⌒.! ',    もう用などなかろうが!
     ,,i,'イ゛          /.l  .、   _      |  .l
    / .,/ノ           ,' l゙ l.l .,,―`-ニ. ., .,.. l   ヽ   何故俺だけ引き留められる!?
     .,/イ        ,'  l  l ',l゙,.. - ,,..,!.il! l ./    \
.\,  .,''゙,!        l  l ,i'/ッ._,,,,,, .゙!/│ !     .゙y
  .`'-,,"."        l'、 .!.l l .,!.l   ゙l .l',゙ll゙ i____,,,..-'"゛.ヽ..,,,_
    .`'ー、,、     / ゙' l .゙" .',.|    !/.|"!/          `''
        `゙'ー、、  .!   .\ .! !..,_, . 〃 /
              `'-',,_    ___;;,,.. --┴''''''¨'ー、、
               ̄ ̄           `'-、,
                               `''ー ..,,,,,,,,.. ‐'

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(-)(-)  |
. |  (__人__)  |        ……すまんの。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)
.  |        |    .) ;;;;)
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:37:08.79 ID:YPXDZm.0
人間的魅力に溢れた人の近くに居たいと言うのは
至極ありふれた理由だと思うがなぁww

41 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:35:17.60 ID:g8oBerw0
   / ̄ ̄\
  /   _ノ ヽ_
 |     (●)(●)       じゃがな、和尚。
. |     (__人__)      実際に上様の諮問に答えてどうであった?
  |      `⌒´ノ ) ;;;;)
.  |         }  .) ;;;;)   大御所様の時と比べて、
.  ヽ        }  /;;/   状況が変わってきたと思わぬか?
   ヽ     ノ  .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     確かにその通りだが、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|    それがどうした!
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

42 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:36:29.94 ID:g8oBerw0
    / ̄ ̄\
  /:::::::⌒ ⌒\
  |:::::::::(●)(●)|       .取引じゃよ、和尚。
 . |:::::::::::(__人__)|     前にも言うたが、大徳寺の寺法を旧に復するには、
   |::::::::::::` ⌒´ |     やはり上様直々のお言葉が必要じゃ。
 .  |::::::::::::::    }     
 .  ヽ::::::::::::::    }       一度の諮問への回答では成らずとも、
    ヽ::::::::::  ノ       .上様の側に控えて、事あるごとに申せば、
    /ヽ三\´        .あるいは…。
    |:::::::::::::::: \      


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     …………!
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

44 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:37:36.09 ID:g8oBerw0
        / ̄ ̄\
      /       \     和尚…これに肯いてくれれば、
      |::::::        |   わしもお主に合力するし、天海様にも働きかけよう。
     . |:::::::::::     |   .それに、江戸にいれば、他の大名衆の力を借りるのも
       |::::::::::::::    |.   さほど難しくはなかろうしの…。
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |    俺に、崇伝の真似事をしろとでも言うのか…?
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

45 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:38:37.31 ID:g8oBerw0
          / ̄ ̄\
        / -  - \
        |  (-)(-) |     
        |  (__人__)  |         それこそ、まさかじゃよ。
         |   ` ⌒´  ノ       .和尚がそのようなことをするとは想像もつかぬし、
   r"ヽ   |         }        上様も望んでおられるわけではない。
  (   =‐' ヽ        }
   ゝ-'    ヽ     ノ     _    ただ、上様の問いに答えてくれればいいのじゃ。
        _/     l__   / /   和尚の心の赴くままにな。
   __ゝ_/         ヽノ   ノ
   \___ノ'          ノ


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |     …………。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

46 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:40:05.22 ID:g8oBerw0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |    …但馬、一つ条件がある。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


           / ̄ ̄\
         /   _ノ  \
         |    ( ●)(●)
         |     (__人__)    …なんじゃ。
         |      `⌒´ノ
          |         }
          ヽ        }      (
           _ヽ     ノ`ヽ、_     )
.           _/|\ ` 、,__ 、小 L  ̄ ヽ (
        _, ハ  \ ` ァ、 /ヘ,レ―‐‐、__i__,)
.   , -‐ ´   ,ゝ   \/ _ 又/    ,ヽ\丁
  /   ヾ.    \    , イ{`<   _ ,ィ 〉〉〉|
. /  `゙ヾ\    ヽ/ ヽ\`く´ / `ー(/ |
. !   ´⌒` ヽ  /     `ーヲ`〈    i   !

47 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:41:05.17 ID:g8oBerw0
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |      俺が今借りておる長屋の一室な、
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |     あれを、
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     
 /   /  |::::::| │ `---´:;/ | |ヽ        「検束庵」
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\    
  /  / / ! \| |      ./!  ! |       と呼んでいいか?
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉


   / ̄ ̄\
  /   _ノ ヽ_
 |     (●)(●)
. |     (__人__)     ……。
  |      `⌒´ノ ) ;;;;)
.  |         }  .) ;;;;)
.  ヽ        }  /;;/
   ヽ     ノ  .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/

48 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:42:31.85 ID:g8oBerw0
        _____
       /    .r┐ヽ「|
     /  r-、  | .| ./ l l゙l
   . / .__,ノヽ ゙、_,ノ '-' .|,,/ |
   |   (-)ヽ     ノ ´/     …好きに呼んでくれて構わん。
    |       〉      〈_,,.-、  
    .|    (__人{         .r''´   (…”検束”か。
    .|     ´ ⌒|    _,.-i'´       己の自由を縛る庵、とはな…)
   . .{       l-‐'''''''ーl }     
    {   .   |´ ̄ ̄``l } 
     {      .|     |.}


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |      よし。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|     では、お前の取引、受けようではないか。
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:43:22.89 ID:/JnESzoo
縛りプレイ上等か

50 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:44:01.66 ID:g8oBerw0
                               
                ,. '"´三二二三`ヽ     
              /,ィ彡'"´ ̄  ̄ ``ヾミヽ    
              /   /    夢     ', ヽ   
            /   /::(         ノ:::)  ヽ   
              /   /く´‘`ヽ ',从,' ∠‘``',   ヽ 
          /    ハ´ ̄`フ.:;;;;;:: ヽ ̄`フ',   ヽ
            /    /     ,,   ,,      ',    \ \、_ハノ
         /   /::、  /   .;;;;;;'  ヽ   /::ト、   ヽ\).',..、
         ./   //:::::::; l /⌒ー一⌒ヽl ;:::::ト、V .  / 
        /   // 1:::::;  V.:ViiiiiiiiiiiiiViiV  ;:::::ト、V ヽ,)  
      /   // ./.l:::::;. /l /´  ̄ ̄`ヽ  ;_ ___ノ) )  .大徳寺の寺法を復するまで、
       /   // /  l::::; l | .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|   ;::: ̄\ `ヽ   .
     /   // /   1::; | |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|  ;::! i i _)  .この検束庵で踏ん張ってくれるわー!!
.     /   // /   / l:::;.   |WWWWWW!  /1 | | .l,)   
    /   // /   / .|ヾ、  L二二二ニノ / | | | /-、
.   /   // /   /   |(__ノ\ /xxxxxヽ/   /! ! !  .,ソ/ヘ '"
.      // /   /  ノ  ',  l}}}}}}}}}}}}}  /| | | |  /  //7/ヘ /l ト、 |\
     // /   /  ハ:::::::::.\ V´ ̄`Vく/  l | | |        /   V | l ヽ|
.   // /   /   l  >.-、/   ヽ  ヽ  | | ! ! 
   // /   /    |/ /       \)  l/ | |  
  .// /   /    V   〉   '"´  ``ヽ).     | ! 
      /    /  〈    '"´   ``ヽ)    l/  

 こうして沢庵和尚は、家光の諮問が終わった後も、
江戸の柳生家下屋敷に逗留を続けることになったのである。

51 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:45:29.02 ID:g8oBerw0
 そして、そんな沢庵に対し、家光は急速に帰依の気持ちを強めていった。
例えば、僅か2ヶ月後の九月十七日、江戸城二の丸にて能が催されたが、
その際、和尚は庭の大入籠の前にある座敷に、ただ一人招かれている。

                                            ___ _
       _,.-'"´ 三ミ、ー-、               .         -‐''"´ ̄ `  `''ヽ=、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\             .     ,.‐''"´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
    / / / /    夢  | ヽ           ...   r(:::::::::::::::::,、_ィ::::::::::::::::::::::::::::::::::
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',          ....   ゞ, rr~ヅ   ミ:::::::::::::::::::::::::::::::::
 , '   / / //ヽ、 ゚ゝ  イ ゚ノ| |           .    フハ       ミ::::::::::::::::::::::::::::::
//イ    / /::::、  '´  ` ̄'|| |          ......    l __,,. -─¬,〈::::::::::::::::::::::::::::::
/ /イ   /  |::::::| / _┗'  ,イ 、|          .....     〉゙゙`'''Tjフ ̄   ヽ::::::,ィ ,、ヽ:::::::
 /   /  |::::::| ┃r=━┫;:/ | |ヽ          ....    /   ,.‐'"      }:::/ /ヽ ハ:::::::
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /!ー-、K ;:/ | |\               /..             "´ 2ノ/ l:::::
  /  / / ! \| | |::::::::::|! /!  ! |            ..   ヽ.ニ,`           __/ :l::::
 , /  / / |┐ \ `━彡' |   !ヾー-、       .......     'ーr_‐;ァ       ィ    l:::
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、    .        〈..        /:{      ヽ
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ   .          `}     /:: ! i
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉            丶、,、. イ::::::    !

 その際、家光と沢庵の距離は、僅か二尺(60㎝)程度に過ぎず、
その状態で二人きりのまま、家光は仏道について不審に思っていることを沢庵に尋ね、
数時間も過ごしたという。

52 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:46:45.89 ID:g8oBerw0
            , '´  ̄ ̄ ` 、
          i r-ー-┬-‐、i
           | |,,_   _,{|        和尚…俺は天下のことで手一杯で、
          N| "゚'` {"゚`lリ       修行もろくにする事ができないんだ。
             ト.i   ,__''_  !
          /i/ l\ ー .イ|、        どうか、これからも俺の相談に乗ってく れ な い か?
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |
_|      |.|-<    \ i / ,イ____!/ \
  .|     {.|  ` - 、 ,.---ァ^! |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{   ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
  }/ -= ヽ__ - 'ヽ   -‐ ,r'゙   l                  |
__f゙// ̄ ̄     _ -'     |_____ ,. -  ̄ \____|
  | |  -  ̄   /   |     _ | ̄ ̄ ̄ ̄ /       \  ̄|
___`\ __ /    _l - ̄  l___ /   , /     ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄    |    _ 二 =〒  ̄  } ̄ /     l |      ! ̄ ̄|
_______l       -ヾ ̄  l/         l|       |___|


       _,.-'"´ 三ミ、ー-、
      / / ィ /⌒`⌒ヽ\
    / / / /    夢  | ヽ
   /    / イ´^ー、   ,.. 、)、 ',
 , '   / / //ヽ、_ゝ  イ_ノ| |   
//イ    / /::::、  '´  `  '|| |    …俺に出来ることであれば、なんなりと。
/ /イ   /  |::::::| / _┗'   イ 、|
 /   /  |::::::| │ r---ヽ:;/ | |ヽ
/ / ,イ ,'  | ハ:::::| /     ;|/ | |\
  /  / / ! \| |      ./!  ! |
 , /  / / |┐ \ `─彡' |   !ヾー-、
 / /イ | ハ! |==、  ̄乙/{,川ハ!     `ヽ、
 , ' / イ 川ハ、o | `='"oネ、リヾ、      ヽ
  / 人 リヾ `ー、_,彡'"|,リ'   ヽ   _,. ' 〉

 沢庵自身の手紙によると、この時、家光は、

 「そちも定めてよしみにおもふまじきにてもなき程に、心やすく物をも問ふ事じゃ。
  天下の万事にかられ候て、座禅にかかりて、工夫三昧もならぬ身にて候間、
  胸のふしんども、一つづつはらし、連々心づき候様にとおもふ程に、さう心得て」

 と「いかにもこまやかに御意にて」沢庵に頼んでいる。
このように、家光の沢庵に対する帰依は、急速且つ極めて深い物になっていた。

54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:50:33.31 ID:dQt4S8wo
これこそまさに宗矩が望んだ剣禅一致だね

53 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:48:47.54 ID:g8oBerw0
 そして話は再び宗矩と宗冬に戻る。

   / ̄ ̄\
  / ノ  \ \
 |  .(●)(●)  |
. |  (__人__)  |         …と、まあ、そういうことじゃ。
  |    `⌒´  |    ) ;;;;)  気のせいか、未来の話をしてしまったような気もするが…
.  |        |    .) ;;;;)  まあ、このスレ作者からすれば過去のことじゃな。
.  ヽ       }   /;;/
   ヽ     ノ   .l;;,´
. /    ∩ ノ)━・'
 (  \ /|_ノ ヽ
. \  ""  /_ノ  |
   \ /___/


    / ̄ ̄\
  /  ⌒  ⌒\
  /   (⌒) (⌒)ヽ     「大丈夫だ、問題ない」
 .|    (__人__) |    
 .|      `⌒´  |      ですね。
 ヽ         /     わかります。
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ

55 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:50:35.51 ID:g8oBerw0
      / ̄ ̄\
    /       \
    /          ヽ
   .|    ─  ─  |     ともあれ、そうしますと、
   |    (●) (●) |    今回の立身は、
   ヽ    (__人__) /
   /   ヽ  ` ⌒´ノヽ     「沢庵和尚を江戸に呼び、
  ./ /   ∩ノ ⊃|  |      上様の側に付けることに成功した」
  (  \ / _ノ |  |
  .\ “  /__|  |     ことへの褒美、ということですか?
   . \ /___ /


   / ̄ ̄\    ) ;;;;)
  /  _ノヽ_\   ) ;;;;)
 |    (─)(─)  /;;/
. |    (__人__)  l;;,´    まあ…なんともわからんが、
  |     `∩_ノ)━・'    他に心当たりになるようなことはないしのう…。
.  |     |_ノ
 /ヽ    |  |_        和尚の政治的立場もそうじゃが、
 |  \_/ ノ ヽ      そもそも、和尚がここまで上様のお気に入りにならねば、
 \     /_|  |       ここまでの立身はなかったかもしれぬのじゃし、複雑なところじゃ。
 | \ /  _/ 

56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:50:42.15 ID:/JnESzoo
紹介料で大名に!
とか言っちゃうとさすが尻一つの親父、という感じにイヤンな風味が。

57 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:51:48.44 ID:g8oBerw0
     / ̄ ̄\
   /   _ノ  \
   |    ( ー)(ー)           とはいえ、確かに上様の望みに応じ、
.   |     (__人__)          和尚を江戸に呼び、留め続けたのはわしじゃ。
    |     ` ⌒´ノ  ,r'゛ヾ   
   .l^l^ln      } `‐=   )     …和尚にはすまぬことをしておるが
.   ヽ   L     }   ゝ-´  );;;;;;)  これも天下の為じゃ。
    ゝ  ノ   ノ        .) ;;;;)  せめて、わしが最後まで付き合うとするかの。
   /  /    \       ./;;/
  /  /       \     .l;;,´
. /  /      |ヽ、二⌒)━・'
 ヽ__ノ


    / ̄ ̄\
  /  ─  ─\
  /   (-) (-)ヽ   
 .| u.  (__人__) |   (…父上はつくづく大変だな…)
 .|      `⌒´  |   
 ヽ         /
 / ヽ       ノヽ
/           ヾ

58 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:53:59.59 ID:g8oBerw0

                 / ̄ ̄\
               / .\,  、/\     _,,
               | (●) (●) .|     l;l      さて、一息もつけたし、
              . |  (__人__)  .|  _,_,|,|_,    再び書状に手をつけるぞ。
                |    `⌒´   |, ト-=y  丶  
              .  |         }  ヽ `i, ̄‐^l   さあ、再開じゃ!
              .  ヽ        }   ヾ~ `  i,
                 ヽ     ノ _   ヽ、   ;i,  「ははっ!」
                ,,_,i     y,ソト,,__  ヽ、   ;i,
               ,/r-'"j  / / ii, `ヽ、-x,,゜r  ;i
            ,,/'/__.L、    /ヾ、"i   `ヽ `;i  i,
          ,/  /_iーヘ,ヽ、 , /i" ヽ、 i     `、'i   iヽ、
         _,) ヽ "   ネメ、_ii"~        _Yri   l, ヽ、
        _,,,>t 、ヾ、    ゞ;;/         /  ,¬    V⌒l
       ,y`;,,__   ,i     /ii'         / r-/|    l l
    _/^,,,  ヘ  l    /iil        /  l"v' y     }  l
 v=4⌒ヽ、 j  --,,,if   /iii|       ,,  〈-ヘ_,、 <、    /  i|
   ヽ, ,, i、   _,,tv   /iiiii      ム、 / /  ヽ、ヽ、_x--ー‐- 、
 __,,,l ii Yi___,lk /   }iiiiil    ヘ __,,,,,,___/    `x'"^   ,,,,,   \
     ^ ̄⌒ヽ  ヘ、  ,ノiiiii|、__,,,y,,_,,,/ ヽ、  ,/   ,,,-‐‐ `',,   ヘ,、
   ,,,_  \  ヽ  `>- liiiiiiil ¬">--  ヽ ヽ  i   i/   _,, /   } i
     "- ,,   }  / /iiiiiiil  /      l  l l   lK   ^~'  / |
        \ーヾ  /iiiiiiiil  /        i   i |   |i`'ヽーミ_/  /

 こうして、沢庵和尚は家光の側に仕えることとなり、
また、宗矩も、新たに大名として家光の側に仕えることになったのであった…。

59 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:55:51.33 ID:g8oBerw0
  \ヽ, ,、          
   `''|/ノ             \ヽ, ,、
    .|           .....   `''|/ノ
_   |             .    .|    
\`ヽ、|           ....._   |    
 \, V"          ......\`ヽ、|    
   `L,,_           .. \, V"    
    |ヽ、) ,、        ..   `L,,_   
   /  ヽYノ       ......    |ヽ、) ,、 
  / r''ヽ、.|             /  ヽYノ 
  | `ー-ヽ|ヮ      .    / r''ヽ、.| 
  |    `|      ....    | `ー-ヽ|ヮ
  |.     |           |    `| 
  ヽ、   |           |.     | 
   / ̄ ̄\       .    ヽ、  / 
 /  _ノ ヽ_ \   ......    / ̄ ̄\
 |  (≡)(≡) .l    .  ./ ⌒  ⌒\
. |   (__人__) |    .  /  (≡) (≡) ヽ.
  |   `⌒´   |      .|   (__人__)   |
.  |        }    .... .|     `⌒´     |.
.  ヽ       }    ...  ヽ         ./
   ヽ     ノ         ヽ       ノ

┼ヽ  -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ  __ノ

【やる夫で学ぶ柳生一族(その39)「沢庵和尚と家光」】 完

60 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 00:56:38.13 ID:g8oBerw0

【その39新規登場キャラ一覧】
 解説役(その39)1          ..: 羽衣狐(ぬらりひょんの孫)
 解説役(その39)2          ..: 三浦あずさ(THE IDOLM@STER)

61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 00:56:51.80 ID:tphkeEgo
乙!

還暦も過ぎてるのに重労働の宗矩も乙ww

72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 01:46:59.39 ID:UABPmQYo

ほんとに苦労人だなww

66 :やる夫で学ぶ柳生一族(その39) [saga]:2010/10/11(月) 01:00:45.23 ID:g8oBerw0
 どもども、お疲れ様でした。
本日も遅くまでお付き合いくださり、ありがとうございました>ALL

 さて、今回は沢庵和尚が江戸で家光に拝謁し、
本格的に家光・宗矩・沢庵のトリオができる直前のところですが、
話的には、「宗矩の大名立身について」の方がメインっぽくなってしまいました。

 実際、旗本から大名になるというのは、
家格(というか面子というか)が重要視された武家社会に於いて、
かなり大きなポイントなのですが、その割に、宗矩が大名になったことについて、
特にこれと言った理由らしきものが見えなかったのですね。

 まあ、宗矩が家光に仕えて、既に15年経つので、
若い頃から長年仕えてくれた側近への褒美、というのが一番妥当なところかなあ、とも
思ったのですが、仮にも大名家になるのに、他の理由は本当にないのかね?と。

 で、あれこれ調べた感じだと、
ちょうどこの頃、沢庵和尚を江戸に呼んで、そのまま家光に仕えさせたわけで、
天下普請の普請奉行は普通に褒美出てますし、あと、宗矩単独で絡みそうなネタだと、
それくらいしかなさそうであるなあと。

 じゃあ、和尚を江戸に呼んで、家光に拝謁させて、そのまま江戸に残させたのは
大名になれるほど大きな仕事だったのかね、というので調べてみたところ、
当時の情勢を考えたら、「あれ?和尚って政治的にも結構重要人物っぽくね?」という風情に。
まだ調べる余地は山ほどありそうですけど、今んとこの推測としてはこんな塩梅ということで。
(惣目付時代の仕事とか、もっと調べたら何か出てくるかもしれませんけど…)

 ともあれ、今回はここで終了でアリマス。
できればお藤のお腹の子についてのところまで進めたかったのですけど、
まあ、それは次回ということで。

それではではー。

73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 06:35:48.64 ID:WpeB/dko
乙でした~
そしてムネリンよ、いい加減、嫡男・THE・ニートをどうにかせい。

74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/11(月) 08:59:34.49 ID:8h2xXowo
乙でした
宗矩の大名登用の理由に関して、実に良い解釈だと思います。

77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/10/13(水) 23:40:44.88 ID:dOr3hXQ0
坊主と言えば衆道。沢庵和尚のテクニックにメロメロになった家光。
嫉妬に狂った左門をお家の安定の為に切り捨てる柳生宗矩。
こんな小説があっても良いかもww

78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/14(木) 00:00:12.14 ID:JhYF1cUo
たぶんコミケ二日目とかで探せばあるんじゃね?

79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/10/14(木) 07:14:42.57 ID:CgLOto2o
柳生一族の○棒

93 :1 [saga]:2010/10/23(土) 01:24:32.54 ID:RUEBB2M0
 どもども、お疲れ様でアリマス。
先週は結局製作速報が復活せずじまいであり、どうなることかと思いましたが、
無事に復活して重畳。
というわけで、今週はいつも通り更新できるかと。
毎度のように、日曜(10/24)夜21時からの投下を目標にしたく。
タイトルは

 「やる夫で学ぶ柳生一族(その40)」

 で。
よーやっと時代劇では十兵衛・宗矩に次ぐくらい、
メジャーな「彼」が登場する予定でアリマス。
あと、柳生公儀隠密説(あるいは裏柳生実在説)について書くとこまで進めたらなあと。
よろしゅうですー。



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