2011年7月3日

やる夫で学ぶ柳生一族 その51 前編

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32やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:01:59 ID:wSIKOtu2

 このスレは、「柳生新陰流」を担った剣豪の一族「柳生一族」を
史実をベースとしつつ、適当にエピソードを盛り込んでいく形で紹介するスレです。

【今回のメイン柳生 : またもやなし】

                     /´ ̄ ̄ ̄  ̄ ヽ
                    /           \
                       /:::::             \      …だからなんで柳生一族スレで、
 _______ +      /:::::::::                 ヽ   こんなに十兵衛の出番が少ないんだお…ヒック。
 |i:¨ ̄ ,、    ̄¨.: i       |:::::::::::                    |
 |i: /ヘ:\     :i|     _ |::.:. : :     ,,ノ:..:ヾ、       |    …ウィ~…やらない夫ー…どこ行ったんだお?
 .|i:〈`_、/´_`>.、  :i| ,.r:;'三ヽ:: :: . ー'"´   ,,、  ー‐‐,,     /`、  トイレかお…?
  |ii~~'、;'´`,'~,;~~~~:i|;イ:;:":::::::::::\;;。(ー一)   (ー一)。;:;:. /::::: ヽ
  |i`::;:':::::;::;:'::::::::::;.:i|`。⌒/7, -──~ 、(___人___,)"⌒;;::/::|:::::〆::\
  |i::::::;:':::::::::::::::::::::::i| ::::://,::::..    " ニニヽ、⌒ij~";_ ィ /:::::::|:::::〃::: : ヽ
─|`ー=====一 | ::::::|_|;;、:::.__y-ニニ'ー-ァ ゚‐─'───┴────── ‐
::::::`ー―――‐一´ ̄~   ̄       ̄





36やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:04:29 ID:wSIKOtu2

【寛永十五年(1638)時の柳生一族系譜】

  大膳長永
     :
  <柳生家>
     :
    ├─────┐
  柳生永珍   中坊源専
     :
    ├─────┐
    家厳      重厳
    |    (七郎左衛門)
    |     (松吟庵)
    ├───────────────────────────────────────────┐
    宗厳                                                              .妹
  (新左衛門)                         .【江戸柳生】                             |
   (石舟斎)                        .(大和柳生藩)                          <幸徳井家>
    ├───┬───┬────┬───────┐                                |
    厳勝   久斎   徳斎     宗章          宗矩                               友景
  (新次郎)             (五郎右衛門).     (又右衛門)                              .|
    |                            (但馬守)                                |
    |   【尾張柳生】                   |                                  |
    ├────┬────┬────┐        ├─────┬─────┬─────┐       .|
    純厳    利厳.     妹     厳倚      三厳       友矩      宗冬      .六丸    友種
   (久三郎)  (兵庫助).         (権右衛門)   .(十兵衛)    .(左門)     .(主膳)
           |                   (幼名:七郎) .(刑部少輔) (幼名:又十郎)
           |
           ├─────┬────┐
          .清厳      利方     .新六
        .(新左衛門)  .(茂左衛門)


37やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:04:46 ID:wSIKOtu2

【第1部(その1~11)のあらすじ】
 時は戦国、乱世の時代。
大和国柳生庄の領主、柳生新左衛門宗厳は、上泉伊勢守秀綱創始の新陰流の正統を継ぎ、
後に名を石舟斎とあらため、その剣名を天下に上げた。
しかし、長男新次郎厳勝の不具廃嫡、豊臣家による所領の没収、
新次郎の長男、久三郎純厳の死など、柳生家に辛く重い苦難が襲い掛かる。
だが、徳川家康の招きに応じ、「無刀取り」を以って家康に指南を請われた際、
末子・又右衛門宗矩を推挙したことで、再び柳生家にも光が差す。
その後、関が原の戦にて徳川家に味方したことにより、柳生家は旧領を回復、
更に家康が幕府を開いたことで、宗矩が将軍家剣術指南役となり、
柳生家、そして柳生家の新陰流…「柳生新陰流」は、一気に繁栄の路を進む。
そして、柳生家の家督を宗矩に、新陰流の正統を兵庫助に継がせた石舟斎は、
慶長六年(1611)、78年の生涯に幕を閉じたのであった…。

【第2部前編(その12~24)のあらすじ】
 石舟斎の死後、宗矩は正式に家督を継ぎ、新たなる柳生家の当主となった。
またその翌年、柳生庄にて宗矩に待望の嫡男・七郎…後の柳生十兵衛三厳が誕生する。
そして、大坂の陣による豊臣家の滅亡、一代の英傑・徳川家康の死を以って、
戦国の世は完全に終りを告げ、新たな時代「江戸時代」が始まる。
その新しき世において、柳生家は将軍家指南役となった宗矩の「江戸柳生」、
尾張徳川家指南役となった兵庫助の「尾張柳生」の二家に分かれ、
宗矩は「坂崎事件」を解決するなど、剣術指南の枠を超えた才を発揮し、柳生家を発展させ、
兵庫助は新たな時代の剣、「直立たる身」の工夫を編み出し、新陰流を発展させる。
その後、時は寛永・三代将軍家光の世に移り、尾張においては後の柳生連也斎厳包こと新六が誕生、
江戸においては十兵衛が小姓を致仕するなどがあったが、その末に、遂に宗矩が諸大夫成を遂げる。
「柳生但馬守宗矩」がここに誕生したのである。

【第2部後編(その25~50)のあらすじ】
 晴れて但馬守となった宗矩だが、知己の禅僧・沢庵が紫衣事件で罪に問われ、
また自身も主君家光より難題を出されるなど、次々と苦難が立ちふさがる。
だが、大御所・秀忠の逝去によって赦免された沢庵より
「剣禅一致」を説いた「不動智神妙録」を受けた宗矩は、
真の大将の剣、『活人剣・治国平天下の剣』を確立することに成功、
これを家光に教授し、信任を確かなものにする。
そして、宗矩の惣目付就任、柳生藩一万石の大名への立身や、柳生新陰流の全国への広がり、
また、十一年ぶりに江戸に戻った十兵衛も、宗矩より印可を授けられるなど、柳生一族は繁栄の絶頂を謳歌する。
しかし、寛永十四年、江戸を遠く離れた九州の地において、後に江戸時代最大の一揆と呼ばれる「島原の乱」が勃発、
一揆衆の勢いは幕府の予想を遥かに越え、遂には上使・板倉重昌の討死という結果となる中、
その戦で、尾張柳生家の嫡男・新左衛門清厳が討ち死にするという悲劇が起こる。

 そして寛永十五年、松平伊豆守信綱…「知恵伊豆」と呼ばれる男が、
新たな上使となって、増強された幕府軍を率いることとなったのである…。


38やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:05:43 ID:wSIKOtu2

 さて、松平信綱着陣後の幕府側の動きは、概ね前述の通りであった。
それに対する同時期の一揆衆側の動きについて述べる。

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 ; ‐         / / / / /"''‐-,/ / /"''‐- ,,,/"''‐- .(`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #)(`Д´ #)
 -  ; _,,,,...---ー-、"''‐-/''‐-,,,/   / ◆ /"''‐-,,,/ / / ,,,, /■\  /■\  /■\  /■\ ./■\ 
   -  ; ‐   _-ヽ  ,,,.---ー-、 / / /    / ◆ / ,,, (`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #)(`Д´ #)
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 -  ; ‐   _-  _- -ヽ; . -‐ __,,,,...--ー-、  "''‐-/  -,,/"''‐-     (`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #)
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    -  ; ‐   _-    ヾ ‐  _-   _,,,,...---ー-、 / ◆ ./"''‐- ,,,/ / /(`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #) (`Д´ #)

                      ,!ヽ
                 ,!ヽ、    ,!  ヽ
            _,..ィ´ ̄`)-‐‐‐''   ヽ
            /  ´`)'´   _     !、    
             /  i-‐'´   , `     `!      …また新しい軍が着陣したようじゃな。
   lヽ、  /  Y    ,! ヽ-‐‐/    U     l     これだけの数を見るのは、大坂以来じゃな。
.  l >‐'´`   l   ノ   ヽ_/          ノ  
  ,ノ    o   ヽ  l            _,イ  
 i'.o  r┐  u   ヽ、 ヽ、_      ,..-=ニ_       あれは細川の旗だぞゴラァ。
 l   ,!-l、      ノヽ、,           ヽ      .もしかして、細川越中(忠利)本人が来たのかゴラァ?
 ヽ        _,.ィ'.  ,!         、   `!、    
  `ー-、_    く´    l          ヽ    l 
     ,!    `!   l              ヽ、__ノ 
     l   `!  `!  !              l   
      l  l. l  , l  ヽ、 、_ ,ィ      ノ   
     l、_,!  し'  l   l   `l
  【元有馬家家臣の牢人その1、その2】

 正月の城攻めを返り討ちにし、大将である幕府上使・板倉重昌も討ち取って意気を上げていた一揆衆だが、
以後、続々と大名衆が参陣して攻め手側が増強されていくと、城中にも動揺が出始めた。


39やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:07:47 ID:wSIKOtu2
  r‐'彡 彡::::::::ミ 彡:::::::::三ミ    ミミ丶-っヽ
 ,二::彡 彡:::::::ミ 彡:::::::三ミ   ミミ:::::::∠、::',
 ゞ-:::彡.:/´ ̄   ̄``"丶  、ミミ:::::::::, - '::::::l
 そ__,::/ ι   u    ヾ、ミ:::::::::::::` ̄l::::::::l
   У _,.ィi!  ノ、_,,...、   ヽ::::::::::::::‐<::::::::l
  〈'"´,ニ、l  ノ彡'"二``丶 `ミ::::::::::::::::::::::::::::::l
   lzッ'o ソ / '".:.ィ'"o゙ヾミ、 `ミ::::::::::::::::::::::::::::/      ちょ、ちょっと!
   lゞ-彳 /  .:. {ミ==iiF   ゙l:::r 二ヽ:::::::::/     本当に、このまま籠城して大丈夫なんですか!?
  ,l '"/     ':、`゙゙`lリ    l:/'´ `i l::::::::/      .やっぱり御公儀の上使様を討ち取るなんてしたから…!
  lι/    i   ヽ    u  リ }h リ::::::/ 
  l '___〉'、   ':、     ノシ /::::::/ 
  l  / レ    ヽ  ι    /ーヘリ::/  
  '、il、―-- 、、 ヽ     , /   lハト、
   ', l└=ミニニ三>リ    '/     У:.\
   l,' 、、,,__,,.ノil   / .:     /:.:.:.:.:.:.\
   '、      /'_,/::: .:.    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
    ` ̄ ̄| ̄´~::::   .:.:    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l
  原城に籠もっているとある村の庄屋


       「\      「\
       |   \   |  \
       |    >─|   \
       |  /         \
       |             ',
      /           u.   |    …………。
      〉_     __    |
       |              `   /    「黙ってないで何とか言ってくださいよ!」
      \  [\         /  
       . `7        -く
       γ⌒)    (⌒\ \

 特に動揺が大きかったのは、半ば巻き込まれる形での参加になった非キリシタンの者たちであった。
以前述べた通り、一揆衆の中には、キリシタン衆に脅される形で加勢し、籠城に至った者達も、相応に存在していた。
それだけに、状況の悪化には敏感になっていた。


40やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:09:02 ID:wSIKOtu2

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ヽ、:::ヽ:::!                  ヽ::::::::::::::::::::|
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                        iニ`ヽ〃/  ̄`ヽ_
                           `ヽ、_゙ー‐‐'")


42やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:09:28 ID:wSIKOtu2

          ,. :'´:;:;:;:;:;:| ,i,ィiツ'":;丶、
        ,.ィ':;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;l!:|l:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;`丶、
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     ,ノ;:;:;:;:;_三    ,:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;``ー-:;:;i、
     /:;:;:;:;:;;:三__  .:;:;:;:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ
     丶_,ィ≦t;;;ァ‐:::::..、、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ノ
       !リl/キミニ三彡'" | l``':ー--‐yイリ´!        おう、どうしたんだ?
       ∨ゝ       |:.:.:.:    '´ノlノ       随分と騒がしいじゃねえか。
       ハl          |:.:.      /ヾ
      ,ィ三ト,、 _,   、'_,   __、, /:.:.:.ヽ
      //:.:.:.:.:{:ト.ft、、_____,ッシイ l:.:.:.:.:.l:l
     //:.:.:.:.:r:'l| ヾ、 、__,. / リ l:.:.:.:.:.ヾヽ、_
 _,. -:ァ'/:.:.:.:.:.:l:.:.|l  li\__三__/ / /l〉:.:.:.:.:.:.`丶二ヽ、
´:.:/{r:':.:.:.:.:.:.:l:.:.l′ ヽ  :.:.:.:.:   / /li:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽヽー-- 、
:-〈:.:.:.ヽ:.:.:.:/ ̄|      ,イi′/ ノイ:.:.:.:.:/`ヽ:.:.:.:.:.:.:.l:.l`ー--、
:.:.:.ヽ:.:.:.:ヽノ:.:.:.:.:.:l      '"   ,./:.:.:.:./:.:.:.:.'、:.:.:.:.:.:j:」:.:.:.:.:.:.:
:.:.:.:.:.丶、_:.`丶、:.:.'、       ,.ィ彡:.:.:.:/:.:.:./:.:.ヽ:.:/´:.:.:.:.:.:.:.:
―――i:.`ト-、:.:ヽ:.ト--=三=--―'ア:.:.:.:/:.:.:./◎:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:.:.|:.:.:ヽ:.:.ヽ:.:ヽ',.:::::::::/:.:.:.:/:.:.:./:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
            森宗意軒
          (もり そういけん)

   lヽ、  /  、
.  l >‐'´`   l
  ,ノ     o   ヽ
 i'.o  r┐      ヽ、     そ、宗意軒殿。
 l   ,!-l、   u.  |    その、隣村の庄屋が…。
 ヽ        _,.ィ'.
  `ー-、_    く´
     ,!    `!
     l   `!  `!
      l  l. l  , l
     l、_,!  し'  l


43やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:11:06 ID:wSIKOtu2

                   ,.ィ"´ ̄``:ー―-_っ
                 _f'三彡::::::::::::::::::::::::::ミ三二)
               (::::三彡::::::::::::::::::::::::::::ミ三:⌒)
               (__:::::::_,. -'"´ ̄``'ー-、::::::f´
                ,!::::'ィ         ミ::::::!
                l::::/ u      ι ヾ:::ト.  
                 fi:j_,. -z=、_, , , ,__ ヽ! l      宗意軒殿!
                 '、i 、z‐tァミ, Y リft.tァラ'` jノ__     本当に大丈夫なんでしょうね!?
               ,. ィゝ、`""'´ ! l:.``゙゙´  /l:ヽ:
           _,. - '´/:.,ハ.ι  ,  ' 、、   / l:.:`     このまま攻め込まれた日には、
       _,. -‐'^´:.:.:.:./:.:.:/  ヽ / ヽ__ノ ヽ, ,/  l:.:.:    .私ら皆殺しになりかねませんよ!
   r::f"~´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:l   ヽ.{べニニァ^}/    l:.:.:
 ,r:':.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:l    'ト、` ̄´ ,イ    l:.:.:.
,/:.:.:.:.ノ!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'、    ヽ` ̄´;/    ノ:.:.:.


         _, -― - -、
       , ' ´::::::::/:f:::::::::::`丶、
      ,.'::::::::::::::/. :;:::::o:o:o::::::ヽ
     /::::::::::::::::l: : :::::::::::8:::::::::::l
     {::::::::::::::..__...::::_:::∞∞:::::::!
     ,´- - ''´:: : : ::::::``丶、、_:{
.    {    : : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ
     丶ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ      なぁに、心配いらねぇよ。
     リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7      それの証拠に、あれだけ軍勢が集まってるのに、
      八i、     |:;:;:;  / ,/、      まだ一度も攻めてきてねえだろうが。
      〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ
  __,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト      あちらさんだって、この辺りに住むお前らを皆殺しにしたら、
' ´::.:.:.:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:    戦の後で困るくらいわかってるだろ。
:.:.:.:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:     .まあ、落とし所を探るのに時間が掛かってるってとこだな。
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:


44やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:12:48 ID:wSIKOtu2

     ,. '"´ ̄ ̄`丶、
    / .:::::::::::::::::::::::::::: ヽ
    | ..:::::::::::__,. z_‐_‐-、|
    L..ィ!7「i/リ;;;;;;;;`ヽ:::\       まあ、お前らが不安に思うのもわからんでもないし、
   彡シ,ゞ;'l/    |;;/― '     そろそろ松倉長門の非をまとめた矢文でも出すとしようか。
   _'/´´ゝ、 `ー-、,´/
 _∠二ニ丶、\ "/  ,‐y‐,     上使に加えて、他の家の当主も集まってる場で
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``ヽ厂´ ___/ / /     非道を明らかにすれば、奴の改易は間違いないだろうさ。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶.|[_]./ /  
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ィ:`ヽフ:(/>、
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.L(.∠ィ'′
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:ト-<
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:./


      ,,ィニ三ミ`丶、::::::::::::::`丶、
    ,.r'"::::彡三ニ=ミヾ.彡三ニミヽ
    /:::,ィ彡"::::::::::::三ミY:彡:シ^ヽ:::l
   /彡彡::::::::zェェシ"⌒^"´   t:::::t,
    l:::::::::::::彡彡'"  u      ヾ:::'i
    f:::,ィ彡彡シミ         _,,,,_ヾj
   l:::::::ノノ::fソr'  _,, ==、   f__,..、` l
   i::::彡_:::l  '" ,-roア    ヾ'゚ニ′|    …頼みますよ、本当に。
   ヾ:::/r‐、ヾ:.  `ニ''"  ,、 |   ,ノ    こんなところで死ぬなんて、私ら、まっぴらなんですから。
     ゙i:{ l ,ti-゙'^ヽ    ,ノ (、_,)、,f'i   
    ,ゞr'",' ,  `´'ー、 /   __;j,..、l l     では、村の衆にはそのように伝えますので…。
   ,/::/ ,:' ,'  ,:'   ヽ ‐'"´__,,, :' l,ハ、、 ,'
 /:::::::f / / ,/  ,ノ>,ノ     _,ノヽ::::::`:::::::::
'"::::::::_,ム、  '"  ,/‐''^` 'ー--ァ''"   ヽ::::::::::::::
:::::r''":::::::::`丶、,,ノ ヽ、    /     ヽ:::::::::::


45やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:13:39 ID:wSIKOtu2

     ノノ/ノ_,ィシ',二つ-、
    {l´/  /´  /:f:::::::::::`丶、
    ,イ/     /. :;:::::o:o:o::::::ヽ
  /     ./: : :::::::::::8:::::::::::l
-‐'´ ̄ ̄\ィ'´::..__...::::_:::∞∞:::::::!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ'´:: : : ::::::``丶、、_:{
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ     …ケッ。
:.:.:.`ヽ:.:/リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7     肝のちいせえ野郎だ。
:.:.:.:.:.:.:Y 八i、     |:;:;:;  / ,/、
:.:.:.:.:.:./ 〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ     まあ、だから最初に脅した時、
:.:.:.:.ノ_,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト   .あっさりこちらに着いたんだろうが。
:.:.:/´:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:
:.:/:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:


       |\         /ヽ
       |  \       /   |
       i    \___/    |
       ヽ,.           |
       /   _ヽ,,  ノ_   |     …宗意殿。
       i              |    ただ、あやつらの話も道理と言えば道理。
        ヽ u.  ノ ̄|      /     どうするのです?
        >   ´  ̄ `    <


47やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:14:38 ID:wSIKOtu2
             ___
             /::::::::::::l:::``ヽ
              _,ノ―‐-::、|:::::::::::l
            '´-‐ァ;芝テi下ミ≧」       なぁに、矢文は出すさ。
             <、  リ j) ノミミハ      それで連中の気が済むなら安いもんだ。
               l-‐ ' ノ´卞トf`
              ゙ー‐f´ / ``{‐.、      お前らも、自分の村の連中によく言い聞かせておいてくれよ?
                ,.-|、 ,:'  /:.:「`了   よろしく頼むぜ。
            /:,イ ,:'-‐/ヽ:.:/:.:.:.{:::
        __,. -‐/ィト '   /:.:.:V:.:.:.:.ノ:::
       rf::.:.:.:.:.'´:ヾ;'.r‐ ':.:.:.:.:.:.:.:.:/|::::
       |:N、i!:.:.:.:.:.:|;/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::j::::


       ,、                , 、
         l:. \         /.: i
        |:.:.  \  __ /.:.:. |
        |:.:.:.  ..::`´    `'.:.:.:.   |
       /:.:.:..:.:.:.::...          ヽ
      ,':.:.::.:.:.:.::.:.::..       -― ',
        l:.:.::.:.::.::.:.:.:.:.:.:...   u.       l    …うむ。
       {:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:..:.:..       -}
      ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:::.:.::.:.:.::.:...      /
          ヽ、:..:.:.:.:..:.:.:..:::.:.:.::.:.:..  ,/
       /:.:.:.:.:.       .:.:<


48やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:16:31 ID:wSIKOtu2

      f^ヽ         /',
      |:.:.:. ヽ     /  !
      |:.:.:.:.:.:.ゝ-─-<    |
     /:.:.:.:.:.:.:.:..      u  ',
     ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:        ,     …のう、お主、どう思う。
     ,:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:    ‐-  ,    宗意殿…いや、この一揆を動かした衆の目的は、やはり…。
    !:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:      l
      ';.:.:.:.:u.:.:.:.:.:.:.:.: -―  /-──- 、
     ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:.::.:     /       ヽ
     /:.:゙"''':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:...  /       ノ
    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. |       /


          __   _
         /   l  /  l
        ./   l-' 、  l
         /         ヽ l
      /         ヽ    ……薄々わかってはいたぞゴラァ。
       l -        l    そもそも、松倉長門の非を公儀に訴えるだけなら、
   /⌒、|          l    最初からこんな籠城はする必要はないんだゴラァ。
   /   ヽ⌒l  ,,,   /


49やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:17:57 ID:wSIKOtu2

    l\          /|
    |  \       /  |
    |   \    /    |
    |   ──/      |
    |               |  
    |__   ___   |     …でも、もう公儀の上使を討ち取ってしまったんだゴラァ。
    | l_l    l__l u|   今更、後に引くなんて無理だぞゴラァ…!
    |  ____     |  
    \ |/___ ヽ  /
      >       <
    /          \


                   /`i    /`i
                    /   |   / /:.:.|
               /  ___」,/ / . :.:|
              /   ´         -、::l
                ,'            .:.:.';    …そうじゃな。
             l   -―    ―-  ::.::.:.l   まさしく今更じゃのう…。
             |               :.:.:.|
              ',    ―      .:.:/
              ヽ          /


50やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:19:07 ID:wSIKOtu2
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                             ...................................
                        ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                     ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  :::::::::::::::                        :::::::::::::::
                :::::::::::::::    我らの辿る道は…            :::::::::::::::
               :::::::::::::::                              :::::::::::::::
                :::::::::::::::      やはりひとつしかないようじゃ…   :::::::::::::::
                  :::::::::::::::                        :::::::::::::::
                     ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                        ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                             ...................................





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51名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 21:19:34 ID:irLKpliU
まあ、最後の生き残りの戦国浪人どもが戦したくてやってきたようなもんだよなあ。


52名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 21:20:34 ID:qd89FNrg
ホンット、巻き込まれた方はいい面の皮だわ・・・。


54名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 21:21:02 ID:zOTwo73I
戦争バカとキリシタンに巻き込まれた一般農民がかわいそう過ぎる・・・


53やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:20:57 ID:wSIKOtu2

            \               /       /
            \           /     /
                 \        /   /
    '' ‐- ..,,_        \         /           _,,...
         ~"'' ‐- ..,,_             _,,...-‐''"~
                       //\
                   //__ \ +
    ─────        ゙i i :::::::::/      ─────
               ,     ゙i i ./   ヒュンッ!!
         _,,...-‐''"~     `'"       ~"'' ‐- ..,,_
    ,..-‐''"~       /      |    \        ~"''
                /   /     |      \
              /   /      |        \
            /   /       |         \


 こうして、一揆衆側から、彼ら非キリシタンの主張を述べた矢文も放たれ、
幕府軍側へ伝えられた。


56やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:22:42 ID:wSIKOtu2
               、,   
              , .レ㍉-、
             Lヒニ''"`  
            ,-'''''''''    
           ,/   
        ..l゙l!l|r-   
        'ケ″    
       城中からの矢文


     /// /:::::::::} r.rー.、\ヽ
   /// // /::;/llハ:::|:ヾ:::::l ヾ|
  / // / /  /  /:/ ヾ :リ i i \
   ̄/// //:::::/、  /:/   | :l | i  }
   //// /:::::/__ ヽ //   _ l:::::| | | /
  l// //:::::/T;;;;ラヾ// /二__|:::::| l //     …で、その矢文には、
   | l//:::/ `=- /  /エ;;;,)_,|::::|ヽ /     何と書いてあるのだ?
    l/ /:::/       /   ̄ |:::::|l /
   ▽ |:::ハ      /    }:::// |
     ,):ハ|ヽ `- __,  /////l |
    ▽リリ| \ 二" /リ:/|▽ ▽
    /{ 〈|   ヽ- "/:| ヽ▽
      松平伊豆守信綱
(まつだいら いずのかみ のぶつな)


            -=ニミ丶, .. ,、
      r、,ィ') , -r''"二   ,..、 ミミヽ、
     ,/7',ソイ∠_ィ彡r=、 ,イヾNヽ ヾヽ
     l ゙l 'l /,r''ァ'"7イ/KlLr'i||lイilト、li,ミト、
     ,' l ^ソ/l{{, / l//ノl!'li, llリ lllノl llト、i
   ,ri,7 l /ヽ-ゝ=/='" l `メ-rリllトi llN}       結構長々と書いてあるけど、
   /八 ノ ,;r::'"l‐土ミ、 ! /-;ェミl||l lllヾ       結論のところによると、
  /ll:.:.'i, ケ´llィ:rH,{i,(9ヾ ノ  '"i9ライll7l!  
 _/:l:l:.:.:∨:::::ll リ、', `゙゙゙´  i! `゙゙" ノクハ!        『あわれ長門首を我々ニ見せ被下候ハヽ、城中人民共ニ
,/:.:.:l:l:.:.:.:.ヾ:::l:l  ヾ,、     :'    ,イli′         悉縄をかゝり、始終の事とも申上け死罪ニ行れ本望ニ可存候由申事』
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ニノ   l:ゝ、、-―-, ,ィi|八|           .(松倉長門の首さえ見せてくれれば、我ら全てお縄にかかってもよい)
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./     リルiヽ`三´イXN     
:.:.:.:.:.:.:.:.:r'     r-==L,__,rl==-i,            ってことだね。
:.:.:.:.:.:.:.∧   , ィ:.:.:.:.:_ll___ll_:.:.:.:.{-: 、、        恨み言も山ほど書いてあるし、随分恨まれたもんだね。
:.:.:.:.:.イ:./-‐:''":.:.:丶、└r――r┘:.:ノ:.:.:.:.`丶l:     あと、今回は信仰のことについてはあまり書いてないよ。
:.:.//:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.`:ll―- ―ll'´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:L
'":::/:.:.,!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ll:.:.:.:.:.:.:.:ll:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:~l
           信綱の小姓


57やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:24:23 ID:wSIKOtu2
  / ,r  l i!   ハ ヾ;;;;;;;;;;;l  ヾ;;;i!;;l
 / /  l l!  川 _,lriナ卅''ア ゙i;;ll;;l
  / /   l   l!'゙´ ト;;;;_ェ土リ、l;;ll;;l
  /   l   リ  ハイ:::::}゙ン ヾjリ
  イ    l l  /,! / l;;`Tヲ´  /,ヘ
 リ    l l! ,! l /  l;;;;;;;;l   ,リ′\      ふむ、今更ではあるが、
  j  ィi ノ/ ,イ //   |;;;;;;;l   f'    ,>    まだこういう矢文が出る程には、
  ll / ,! /,f ハ//   |;;;;;;;!   l  イ´     城中での非キリシタン衆も無視はされていないということか。
  リ〃!/イl /゙Y/i!   |;;;;;l!    _,,._,〉
  !/i/〃ll / 〃    !;;;ノ  ー ''´ ,,j       …ならば、まだ揺さぶる余地はあるな。
 レリ//ハLイ`i !    l;;/      |       .あらためて、非キリシタンについては、
  川'ノ ▽ fil!  `丶!;ト;;-;ァ::,,_,ノ       .降参するなら罪を許すと矢文を出せ。
  ▽‐- i、 _▽    l;! ,ィイj
  /     7ヽ、、 jLf/ ▽


       /:.:.:.:.,-、:.,.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`丶、
      /:./`Y:.:.:.l:l:.:ヽr‐-、:.:.:.:.:、:.:.:\
      /:.:./:.:.:.:_l::::::/l|:.:.:.l:.:.:.:.ヽ:.:.:、ヽ、:ヽ:ヽ
    ,ィ':::::/:::./ l::,ィニニ!::::l^l:.:.:.:l、ト:.:i、:.:、:.l:、:':,
  /'イ:::::::::/  //ノ⌒'i|:::l l::::::,!:l:::、i:.、!::、!:::::l
    /::::::::/`ーァ'"    ゙!メ、_|:::,、::::::::::::::::::::l::::::|
   ,':,イ:::::l '´テ`ヽ、  ,ィi―レ<!::::::::::::::::::i、::::r{
   l/ l::::::l ,=ァz、`   r' __,,,レi:::::::::::ri::;:;j;リ     りょーかい。
     /:/l::l.ヽゞ-'`  ィ'"で::),ソ,!:::::,イT!:;:;:/
    '´ ,ノ、:', ` ̄     ̄ ´ /:/r'^ ソ:;ト:!
      '´ l:f',  /       シ′`Ti:;:;N`
      .,リ ヽ 、`___,.  /   リヾL__
          \ ー-   /   _,. -‐:'´:ト、
          .` ー-z<_,. -‐ '´:.:.:.:::::::ノ:::\
             「二l-┐:.:_,. -‐''"´:.:.:::::::::丶、
             ゝ-‐fi´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::丶、


59やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:26:06 ID:wSIKOtu2
        ,/:::::::::::::::::::::/"~`゙ソ:::::::えシ、:::::::::::::::::::::::::::l  |  |      ',
       /:.:.:.:::::::::::::::/     l::::::/   ',::::::::::::::::::::::::::l  | | ハ    !
       ,'  .:.:.::::::,:<       ! ,'     ',::::::::::::::::::::::::l  | | i, l    l
      ,!    .:/ `ヽ、   l::..,'     ',:::::::.::::.:.::::::::l  /l ,l ', ! l l l
      l:.  .:.:オ=ぇ、,':,:ヽ  /::/     ',:::.: :.:.:.:.:.:::l ,' l ,l, /l l l, ,!
       l:.:. .:.:,小、 l;;;;;ヾ,i:.:.} /::/ ,,. -――-l::.     .:l , l /l,イ  l l',l
        l::: .:::l l 丶ミ='^:.:.ル'/ ,z==-   l::.:. :  .:/! l/イ /,l / l '!
       l::::::/l ',     :,ィ'"   ==テ三ミ、!:::..:.:.:.:.:.:/l| ,ル' ,イl l l, ,      …あと、「あの者達」をここに連れてくるよう、
      ',::::', l, ',    '7′    、、`'ー''",ン::::.:.:.:::::/ l/_, ィl! l l',l      細川家に伝えろ。
       !::::l l,  ',  /       ``' =彳:::::::::::/ /ハlL/ l!,/l '!
       l:::::l ',__∧ <              !::::::::::/ // 'i▽li∠
       l:::::lヽ_/リ',、`'              ,':::::::::/:ィ'′  l 」_l_!
       !:::,' リ   ',丶、          ,':::::::::/.:.    }ゝ'ニ,
       l::/     ', ` 丶 、、__,.  !:::::::/ .:.   ,r'"´    ヽ、
       l:,'       ヽ :::....   _,, .:-:''"l:::::/ ::  / , -      〉
      |'>       ゝ-- ‐ 'ヾ´:.:.:.:.:.:.:._l::::L,  / ,/ ,,ィ"   丶、
             /      ヾ:.:.:.:. | ク / / /,ィシ'"       /


         ,,..、,_,,...、
       , '"´   ,ヘ r ミ丶
     ,r '.: :  : :. ./リ<L:f゙ヽヽ
   /:. .: ::: :. :.. .! l jl!´!ヽノ::',
   !::::::::::::::::::::::::l=lz'=-ハト、::ト、
   l:::::::::::::::::::::Nl llィ6=、 〈N!         …あいつらねぇ。
   ノ',:::::::::::::::::::{,リ l ゙ー'  ヾ'、       あんまり役に立つとも思えないけど。
     ',:ト::::::::::ハj_ ノ    __r'′       
     l!ヽ:::::イ  丶、.`゙´ィ′         「なに。
      リル -―‐`干´‐┐_,,. - 、    こういうものは積み重ねというものだ。
      ノ:.:.:.:.:.:.:.:._, -― ''゙´:.:.:.:.:r:.:.:ヽ   .やれるだけのことはやらんとな」
      〉:.:.:.:.:.:'"´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.`ヽ_
      _jr'",:、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l.:.:.:.:.:.:.:,ユ、
     /:.:.:.</:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:./,イノ
     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.、l,:.:.:.:.// ヾ
    〈:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヾ:.:.:i:/  ヽ
     ヾ:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.リ   丶-、 /7>、、
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60やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:27:07 ID:wSIKOtu2
            \               /       /
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               ,     ゙i i ./   ヒュンッ!!
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    ,..-‐''"~       /      |    \        ~"''
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61やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:28:54 ID:wSIKOtu2
               、,   
              , .レ㍉-、
             Lヒニ''"`  
            ,-'''''''''    
           ,/   
        ..l゙l!l|r-   
        'ケ″    
      幕府側からの矢文


           「\      「\
           |   \   |  \
           |    >─|   \
           |  /         \
           |             ',
          /               |   …で、これが今回来た矢文か。
          〉_     __    |
           |              `   /
┼┐||       \  [\         /
|| ┼┼      `7        -く
     ノ ッ   γ⌒)    (⌒\ \


            ___
           ,イ::‐r::`ヽ
        _r::{:/:__⊥火|
     r.:.:'"´/:::ハ!ッ―-;-へ、_     おう。
    ハ::::::/__:'、 ヽ七イ _| :.:.:/    まあ、いっちょ読んでみろや。
     |::::',:::::::::'‐-ヾ' 7Υ} ...:.:{.
    }>‐'、:::::::::::::::∀.,ィt!.,へ:!
    }, -‐'―__,. - '´ 'ツ/(三ヽ
    Y ´ ̄__,.. -‐r-イ/`tミ_ソ
.    └/⌒`ヽ、::::ノ::::ヽ`ー'´ __ ,. --‐、
     /    ヾリト从ン'´ ̄      ',
____,{   .:.:./ハ人/_,,.. -―_ッi:..   .:!
    |  :...:.:.//`""""´ ̄ ̄´ |:.:.  .:.:{―-、―
    |! .:.:.://〉         〈 :.:. /.:ノ
    |l .: ///!          }! :.  :|
    ||  / / ,!            |'、   |


62やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:30:16 ID:wSIKOtu2

 この頃、幕府側から投げられた矢文は、以下の内容であった。

           /⌒ソ/⌒ヽ、
        . /  //    ..\      ._,
        /  //      .`ヽ,.._,ィ''´  `'ー- 、      /i
        /  //                  \,.   _..ノ .|
    .   /  //                     ⌒´   .|
      /  //    \ とっとと降参しろバーカ! /  |
      /  //ヽ         ,ィ二`'r<二丶、          |
    . /  //         //::::kミ〈:f=、:::ヽヽ          .|
    /  //  .       //:::/  lノ ヽ::::', ', ',    /   .|
    /  //  \    ノ//,l l:::{0}  /¨`ヽ`{0}! l,ミヽ   /    .|
   ./  //     \ / く l l::/  ヽ._.ノ   l::l/ゝ \    |
  /  //     / /⌒ ▽   `ー'′ ▽ ⌒\ \    .|
 ッ芝ヾシ⌒ヽ、                           |
 .ヾニジ    \      ._,.イ⌒ヽ               |
          `ヽ,.._,ィ''´      `'ー- 、        .  |
                         .\,.   _., 、  . .リ
                            ⌒´   \._,ノ

 『今度致籠城者の内、志無之者ヲ致焼討、妻子ヲ人質ニ取、
  無理ニ為貴利支丹、乍迷惑城中ニ居申候者多候由、所の者申候段承候、
  其刻立退申者、又ハ去年の落人共モ、左様の者男女共命を御助可被成候間、無疑落候て可罷出候、
  致合点候ハヽ、矢文射申候歟、兎角前広可致通詞候、
  大勢一度ニ出候者、先手の者鉄砲ニて打可申候間、落候ハヽ兎角何ぞ可致印候、
  嶋原・有馬・天草表為亡所の間、如前々田地ヲ被下、当年ハ作り取ニ可被仰付候、
  宗門を立致籠城候者ハ、男女共ヲ御成敗可被成候、已上。

   正月廿一日』

 端的に言えば、
「キリシタンは男女問わず許さないが、そうでない者は許すので降参しろ」という内容である。


64やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:32:10 ID:wSIKOtu2

       /丶           ,r'゙゙i
      ./: : : ヽ         ,r'゙ ゙i
      /: : : :  ヽ       ,r'゙: : :  ゙i
     ./: : : :    `─── ´: : :    ゙i
    /: : : :                 ',
   ./: : :                    ',     ”宗門を立致籠城候者ハ、男女共ヲ御成敗可被成候”
   {: : :          ○          (}    
   i: : :        ;;      ┬──┬ .l      …宗門については、
   i: : :              │   │ l     交渉の余地なし、ということかゴラァ…。
   ,..|     .          /     、 l
    ヽ                ̄ ̄ ̄ ̄./
     \: : :                 / _,..-'''"" ̄ヽ
 -'''""               , -' __,..        l


     ノノ/ノ_,ィシ',二つ-、
    {l´/  /´  /:f:::::::::::`丶、
    ,イ/     /. :;:::::o:o:o::::::ヽ
  /     ./: : :::::::::::8:::::::::::l
-‐'´ ̄ ̄\ィ'´::..__...::::_:::∞∞:::::::!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ'´:: : : ::::::``丶、、_:{
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ
:.:.:.`ヽ:.:/リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7       まあ、そういうこったな。
:.:.:.:.:.:.:Y 八i、     |:;:;:;  / ,/、      元々、禁教令自体、公儀の方針なんだ。
:.:.:.:.:.:./ 〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ     こういう答えになるのも、無理はねえさ。
:.:.:.:.ノ_,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト
:.:.:/´:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:
:.:/:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:


66やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:33:37 ID:wSIKOtu2

     ,. '"´ ̄ ̄`丶、
    / .:::::::::::::::::::::::::::: ヽ
    | ..:::::::::::__,. z_‐_‐-、|
    L..ィ!7「i/リ;;;;;;;;`ヽ:::\
   彡シ,ゞ;'l/    |;;/― '      少なくとも、公儀に信仰を認めさせるのは
   _'/´´ゝ、 `ー-、,´/        まず諦めた方がいいだろうよ。
 _∠二ニ丶、\ "/  ,‐y‐, 
´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``ヽ厂´ ___/ / /     じゃ、俺はこれの返事を出してくるから、また後でな。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶.|[_]./ /
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ィ:`ヽフ:(/>、
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.L(.∠ィ'′
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:ト-<
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:}:.:.:./


             /`i    /`i
           /   |   / /:.:.|
         /  ___」,/ / . :.:|
        /   ´         -、::l
          ,'            .:.:.';      …うむ。
       l   -―    ―-  ::.::.:.l
       |               :.:.:.|
        ',    ―      .:.:/
        ヽ          /


67やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:34:36 ID:wSIKOtu2

      ∧        ∧  
      /:::::ヽ      /::::ヽ 
    ./::::::::: ヽ___/:::::::::::ヽ
   ./::::::::::::::::::::::      ..::::::\
  /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::     ヽ    ………。
  |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::...........    ..:::l
  ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...  ..:::/
    >::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...  .<


   lヽ、  /  、
.  l >‐'´`   l
  ,ノ     o   ヽ
 i'.o  r┐      ヽ、   …どうする?
 l   ,!-l、   u.  |   女子供だけでも逃がすかゴラァ?
 ヽ        _,.ィ'.
  `ー-、_    く´      落人になって逃げる奴も結構出てるし、
     ,!    `!     それにまぎれさせるのも手だぞゴラァ
     l   `!  `!
      l  l. l  , l
     l、_,!  し'  l


68やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:35:52 ID:wSIKOtu2

                「\ ̄`''ー-- 、、、
         ___ |:;::∧           ヽ
      〈\  / |:.:.:.:∧          \
        \ /  |:.:.:;:;''               ',
         ,'                   '
           {:...:...::....:.....             |      …いや、ここから逃がしたところで、
         |.:.:.:.:. :. :;_:;:;:.:.:             :!    信仰を捨てないのであれば、同じであろうよ。
         ヽ:.:.:;::.:'´:;':;':;::;.:.:.:.:.         /
             }:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:;:;:.        リ、     そして、捨てたなら捨てたで、また元の惨めな日々に逆戻りじゃ。
           \:.:.:;:;:;:;:;:;:;:;::;:;:;:;:;      / `ヽ   .そんな形で生きながらえて、何の意味がある?
              `ヽ⌒>:;::;:;:;:;.:.:   /
                ̄ ̄ ̄///
                // /
                      〃〃


             /]__/]
        /        \
       / _ノ         ',
       〉 -    -  |     …確かにそうだな。
       \  __   /     じゃあ、皆のところに行くかゴラァ。
         γ⌒)    く
          |        |
          |        |


69やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:37:00 ID:wSIKOtu2

 それから数日後の一月二十四日、信綱の陣屋にて…。


                /  i   i  i  ヽ   i i .i
               /   j   i  i   ヽ  j   j
               .//  i   i   i   ヽ  i   ii
               //  j   .i   i   i   i   i
              i i   i   i   i   i   i  i.i
              j i   i   .i   .i   i   i  i i
              i i   i   ,i   i   i   i  i i
              i i   i   .i   i    i   i  i.i
              .i .i   .i   ..i   i    .i   i  i.i
              i j   i   i    i    i   .i  i.i
              i i   i   i    i    i   i  i.i
             j j   j    i    i    i   i  i.i
             i i   j    .i    i    i   i  .i.i
             ヽ、   i    i    i    i   i  .i.i
               `ヽ-i   i    .i    i   i   jj   スッ
                  ゙゙゙゙-i''''゙''''''''' ̄!----i''``--ーi,,,-''´
                    ゙''─────'''


70やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:38:22 ID:wSIKOtu2
     /// /:::::::::} r.rー.、\ヽ
   /// // /::;/llハ:::|:ヾ:::::l ヾ|
  / // / /  /  /:/ ヾ :リ i i \
   ̄/// //:::::/、  /:/   | :l | i  }
   //// /:::::/__ ヽ //   _ l:::::| | | /
  l// //:::::/T;;;;ラヾ// /二__|:::::| l //     ふむ…お前が四郎の母、というわけか。
   | l//:::/ `=- /  /エ;;;,)_,|::::|ヽ / 
    l/ /:::/       /   ̄ |:::::|l /
   ▽ |:::ハ      /    }:::// |
     ,):ハ|ヽ `- __,  /////l |
    ▽リリ| \ 二" /リ:/|▽ ▽
    /{ 〈|   ヽ- "/:| ヽ▽


             ,,,-ー''' ̄ ̄二二二ー--- 、
            /               `ヽ、
          /                   ヽ
         /            ヘ         ヽ
        /         /   / | ヽ  ヽ ヾヾ   ヽ
       ./  /   / / /    / .l ヽ   ヽ ヾヾ   ヽ
       /  /   ./ / /    / .l  ヾヽ  ヽ ヽ ヾ  ヽ
      /  /   / // /|   /  l  i ヽ  ヽヽ ヾ   ヽ
      /  /   / ././ / l   |   |  | .| ヽ ヽ | ヽ  l ゙i
      .i  //  /ー 、 / | l   | ._| | ll l  l l l  l l .l l
      |  //  /__/ l l`''-|l  l ´  l ll ll l  ll l  l l l l
      \ ||  /ゞ-。=`ニi_.ll  l  ,,-。=-< i  ii ii  _i .i i ./
        \ //ヽ_近::j j      斗叱ノ l l l l//7 | | | /    はい、マルタと申します。
         ゙''ヽ    ̄        ̄ ̄ .l l ,イ/j! / j j i /
          ヽ               i/ i/ /i ii i/
           ヽ     !            i´ i ii /
           .ヽ                /j ヾヾ i ./
            .ヽ、.  ー-,,,,,-‐      ./ iヾヾヾii/
              \         ,/   i .ヾニニj
               \     ,, -'´     i   ヾ ヽ
                ヾ`--''´        i--=、 ヾヾヽ
                 ヾ / i    _,,,,,-ー''''´   j ヾヾヽ
                /∠j-ー'''' ̄        i  ヾヾヽ
                .i i i              ヽ ヾヾヽ
                i ii    ,,,--,,,,,-''''' ̄ ̄ ̄ ヽ ヾヾ ヽ
                .j ii /'''''´           .ヽ ヾヾ ヽ
           四郎の母(本名不明・洗礼名:マルタ)

 この日、細川家によって捕らえられていた四郎の母、姉妹、甥などの近親者たちが、
信綱の前に引き立てられ、尋問を受けている。


72名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 21:40:43 ID:/39PmS4w
ジュリアおたあキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

…あれ?


71やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:39:27 ID:wSIKOtu2

          , -―ァ^ー -.、
          / / ,/;- rァ、::l 
         l /l///-、リ-l ll 
         イ/l/l/、iア'i fiリ/       お前達には後々働いてもらうとして、
         VWト、 _' ,イリ      とりあえず、四郎のことを聞かせてもらおうか。
         ,r┴-ミェ-'′″
        , ィ\ -、 }``iーz_      あれが一揆衆を率いているとは思わぬが、
   ,. -‐'"´-/:.:.:.:\ミヨ {i,Y /ヽ`ヽ   それにしては、妙に存在感があるのでな。
   l r.:''"´:.└- 、、:.ヾi、Nl/v/:il:.l    我輩、この謎は是非解いておきたいのだ。
   r':、ヾ、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.``:.ーゝ{:./:.:.l:ム 
  N:.:.:\ヾ:.、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ:.:.:.:l:.:.l 
  /:.:.:.:.:.:.:ゞ})〉:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:lj:.:ヽ
 /:.:.:、:.:''":./ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.l:.:.:.\


     ,ィ:/:.:.:/:/:/:.:./:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.}li:.:.:、:.:.:.:ヽ
   /:./ , :// ,',  :.:./:.:/:.:.:.:.:.:.,:.:.i:f-l:.:.i ',:.   ':,
   ,':./ / //:. ,'  / / ,  :./ ,!:l l: l l 、:、:',
   l:/./:.,':/:../:.. /:.. /:.:/ , :/:.〃:.l  l :!.l:.:.l:.:.',:〉
   |:.:.l:.:.:/:.:/:.:.:./:.:.:/:.:/:/,イ:.:/,!:./ _!:.:l:.|:.:.l:.:.l′
   ',:.:l:.:〈:.:/:.:.:./:.:./--三'7:.://:/;'´_,__!:.:|:.l:.:ノ'´
   ',:|:.:.lト'-、:./:.:/、=iぅ::卞‐'└' 'ィぅ:Tア7'レ′
    ',!:.:l:! '〈lツ`'  ` '―'       ゙―' ,'´      謎も何も、
    ',:.:l:'、 `'′        、   /      あの子は、でうす様の使いです。
     !:.|:.:l>i 、        ノ    /
     Ll_ノへl 丶、   、___, /        ならば、キリシタンがあの子の下知に従うのは
     ト-イ_}!    丶、   -:- /         当然のことでしょう。
     /:::「-<l_    ::::`::..‐-<=┐
   /:::::ノ:.:.:.:.:.:.: ̄ ̄ ̄ ̄{| ̄ ̄(_
  ノ:ィく:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.{{:.:.:.:.:.:.、:.`丶、
'"´ ̄:.:.:.:`丶、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.||:.:.:.:.:.:.:',:.:.:.:.:.丶、


73やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:41:02 ID:wSIKOtu2
                    _,,,....,,,、__
                 ,.ィ-rr‐tィ==ミヽ.
                ,イレ'二ニ、`''ニミヾュi
                ,':,r'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽヽ!
                //:, :,':/:/}:,ィ. . :ぃ:ヾヽ           あの子には、でうす様の御加護がございます。
               {:ノ:/://://:.i1:.:l:l:l:l:.:.V:〉         そうでなければ、どうしてこれほどの抵抗ができるでしょう。
               ヾト、l j=ェl、:l l:.,ム+H:.:ソ          
                `,ト.'モュ`゙ L!tニテl:/            しかしながら、でうす様への信仰さえお許し下されるなら、
           , -‐ "´;f 丶    l   ,/゙l`` 丶 、、       すぐにでも御公儀の下知に服することでしょう。
        ,r‐ '" ィ;;;;;;;;;;;;;;l  iヽ.,‐=- ,ィ" l;;;;;;;;;;;;;,,, `` 丶、   
        {ヾミ;;;i l;;;;;;;;;;;;;;;;l  丶` "´/  l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,,, ,ク  
        f,,ゞ;;;;;tj;;;;;;;;;;;;;;;;;l_, ィ^ミy彡ヽ、/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ノ,ハ 
        j ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;Ot;;;;;;;;;;~;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ノ,ィ'"〈 
         〈y;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;};;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r' イ
       r'^;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;O;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ヽ
      /;;;r=='";;;ハ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;(;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; 乃;;;;;;;;;;;;ノヘt
     ,/;;;;;`";;;;;;;;;〈  ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;O;|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:ノ く、;;;;;;;;;;;;<,, i,
     /;;;;;;;;;;;;;;;;;⌒7^` ''ー-、、_;;;;;;l;;;;;;;;;F-‐ '"^ヾ一`;;;;;;;;;;;;;;ミヽ
    {;fシ;;;;;;;;;;;;;;;;;;l     l'",r‐'',´ ̄`´'}      !;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヾt
    丶、 ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l     l__゙ア´__,ィj___j;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ
      ` ̄``ーヘ--‐ァ―゙'"^<フZノ;;;;;;;;;;;;;;;;;l  ` ̄ ̄``""´
              /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;{;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ


     ,r=、ミミテ^ヽー- 、、
    /;;;;;;,ヘ;゙y;;;;;;;ヽ ` \ヽ
    /;;;rチ=i;;r、;ィfrヽミ、 ヽヽ
   f;r ,;/´ l;l  ヾ、,;ヽ ゙i ぃ i
   l;;;;;\‐-、i! ,r‐ヽ;;;;;l` i i川
   l;;;;;lィroミ'l! ィfo;テ;;;l l lilリハ
   !l;;;;!`゙''"iヽ ^゙''"!;;;ハ! l川__      …でうす、か。
   /ハ;;;ト、 /    l;;/,イi トjlV  
   l7 l;;liiヽ.`_,,_  ,j;lノl!リハi7       それではまるで答えになっておらん。
    jLr'ァヽ` ", ィ7!! l'"'′      どうやらこの謎を解くには、まだ時間がかかりそうだな。
    V `' リ`リi´::' ▽ >-、_   
       /f^ヽァ''"´ / ,/~  
      ,.ゝ/ i  l,,.ィ'",:ァ/:::
     /7V ,!  l",, ='/::::::::
   //:::l/  ハ  l,,ィァ"_:▽-‐
, ィニ´::〈v::f ,; fリ ,l/`´:::::,r:'"


74やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:43:17 ID:wSIKOtu2

 そして二月一日、まず、マルタと共に捕らえられていた四郎の甥の小兵衛、
それに一揆衆の指導者の一人、大矢野の小左衛門が、使者として原城内に送り込まれた。

     ノノ/ノ_,ィシ',二つ-、
    {l´/  /´  /:f:::::::::::`丶、
    ,イ/     /. :;:::::o:o:o::::::ヽ
  /     ./: : :::::::::::8:::::::::::l
-‐'´ ̄ ̄\ィ'´::..__...::::_:::∞∞:::::::!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ'´:: : : ::::::``丶、、_:{
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ 
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ    『きりしたん宗之儀は当才子に不寄、御果し被成候に相定申候』
:.:.:.`ヽ:.:/リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7 
:.:.:.:.:.:.:Y 八i、     |:;:;:;  / ,/、      …キリシタンであれば、今年生まれた子供でも許さぬ、ってか。
:.:.:.:.:.:./ 〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ    随分と嫌われたもんだな、おい。
:.:.:.:.ノ_,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト
:.:.:/´:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:
:.:/:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:

                  、、,.ィ≦ミヾWシィ≧==,、、
                  ゞ三三ミミ}jli{イィ彡三ミt、
                 ,イ彡彡'"~`'"'"´~`'ミミミゞ'、_
                 fr彡シ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾミミi}
                イィノシ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.゙ミミミト、
                ,イff{;-―‐-、:.:.:.:.:.,.:-―-、:.}iリ}       ハハハ…まあ、これだけ面子を潰されれば、
                 j川:.:." ̄`':.:.:.:.:/:.'" ̄`:.:.jWl!     到底許せるものではあるまいよ。
                 从li:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:{:.:.:.:.:.:.:.:.:.ノ'八
                  》'、:.:.:.:.:.:.:.:.、__):.:.:.:.:.:.:./仆、      で、この件についてはどうする?
                 ´'リj>、:.:.、_,.=ニ=、_,、:.;イト'、_
                ,. -'// |:.\:.:.`ニニ´:.:./,' ヾヾ::`丶、、
           _, -― '´::://  、:.:.:\:_:_:_:/:.:/  ヾ,-、- ,、:` ‐-. ,.‐、
     _,,.. -‐ '"´:::::::::::::::::/::::::|   \:.:.:.:.:.:.:.:.:/    ヽ‐':.<:'丶::::: /:.:.|- 、__
   /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/::::::::|    丶:.:;;'/     (,_>:、':.\:`丶、:.:.|::::::::::::::ハ
   /::::ヾ::::::::::::::::::::::::::::/:::::_,.::-|   ,ィ三ミri三ミヽ、  (_>、:'\:.'`:ー:.:.:``ヽ:::::::/:::|
   }::::::::ヾ:::::::::::::::::::::::::>´:::::::::'、 ,.イシ´ ,.ィヒト、 ヾヽ._/:::ヾ:.\:.':丶:.:.:.:`:.:.:.:.l::::/:::::ヽ
  ノ:::::::::::ヾ::::::::::::::::::::く::::::::::::::::::ヾ/i/ /,イ! liト'、 }li|/:::::::::ヾ:.:'\:.:.:.:`:.:.:.:.:.:.:|:/:::::::::L
  /::::::::::::::::ヾ::::::::::::::::::::\::::::::::::::::lヾニシノリ! !l|トミニシ':::::::::::::::::\:.:.:.:.:.:.:'、:.:.:.:.!::::::::::::::|
                     山善右衛門
                    (やま ぜんえもん)

 この時、使者2人から幕府上使による手紙(一応、送り主は四郎の母や姉の名になっているが)が渡され、
一揆衆側にひとつの提案が出されていた。


75やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:44:50 ID:wSIKOtu2
         ,. : ´: : : : : : : : : : : : : .、
        /.: : : : : : : : : : : : : : : : : :\
.       /.: : : : : :./: : : : .:/: : : : : : : : \
      /: : : : : : /: : : : : _彡/: |: : : : : : : : ヽ
      : : : : : : / : : : :/.://} ,ハ: : : : : : : : : :       『まきそへに成、無理に吉利支丹になし申、
     i: : : : : :/: .: :〃: : // j/ \: : : : : : : :i        せんちよ城中へこもり申候者は不及申、
     |.: .: : :/: :: :/: : /  /   _V: : : : : : |        又其身より望今度発候に付而吉利支丹に罷成、
     | i.: : :i.: : :厶ァ‐- / -‐ニxム.: .: : : : :|        只今に至迄後悔に存、城中より罷出本のごとくに
     | | : : |: : ム以` /,   〔以」: : : : : : :|        .せんちよに可罷成儀に候はゞ、是又御免可被成由ニ候、
      j | : : { j i ´ /  |     ^7从:i: : : :|       .右の通り之者共城中より出し候はゞ、
      /|: :: :Vi |/ /    |    // |: j: : : :|       .四郎母、同姉ふく、妹まん、おのこ小平、
    / 从: :i i: :{/      _   ///ノ: :: : :} |       .四人共に城中へ可被遣候由、
.     〃|.: : :|: :ト、   、__/ |__,   .イ/: :/: : {:.:|       .伊豆守様・左門様御直に被仰聞候事』
.    / /ハ.: : :|川川ト、 ー| |‐ ィ.://: / : : |ヘ、
  //  /| : : |川川   ‐! !< 川/ /}.: .:从 \      「城内の非キリシタンや棄教者を解き放つなら、
/////} : : |川川   | |   |j/ //: :i: : : \        四郎様の血縁を城中へ届ける」…ねえ。
//////: :/ |/    | |  {`<{: : ト,: : :\\
//////: :///  〈\ /\,|    j: : {∧: : : :\      要は人質と交換って事よね。
/  /: :///   ハ. V /⌒\_  {: : {. \: : : :
  /: :///!    { | { /  ̄^Y  V∧   \ :
          大矢野松右衛門
         (おおやの まつえもん)

                     ____
                , '";:;:;|:;:;:;:;\
                 イ ;:;:;:;:;|:;:;火:;:;ヽ
                 !;:;:;:;  |:;:;:;:;:;:;:;:;|
              _ ,!-::'::´: ̄:`::'::-::、         そういうこったな。
                ヽ、___τニニ、        さて、どうするね…四郎様?
                  |l77川リルリ/ニ三ヽ
                    ヽ   |  | |.|.|^l ヽ  ___
                  ノヽ`ー-' .`.`.` .|   `/:.:.`---、
             __-‐':./:.:.|`‐-‐´ |:.:.:.:、 \./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`‐‐-、__
         __....-:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.|    .|:.:ヘ:.:|  /:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.
      ,......‐'".:.:.:.:.:.:.:.:.:/,_,イ:;ヽ     |:.:.:.:.`' 丶、_:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
      イ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l:::,,,,,,,:V:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄`‐-_:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
     |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:::::::::1:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶、:.:.:.
     |:.:.:.:;;;;;:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|,,,,,,,,|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_-‐'''''''''
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     .|:.:.:.:.:.',;;;;ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,;,;,;,;,;,;V:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;イ
     |:.:.:.:.:.:.:.:.:/;ヽ::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:l;;:l;:;:;:;:;:;:.:.:.;:;:;:.:.:.:.:.,'


76やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:46:55 ID:wSIKOtu2
                 _,.ィ'三三二ニ二三ミー 、、
               ,ィ'´ィィィィ彡三ニエニ二三ミミヽ
              ,ィf//ィ'ィ'ィ'ィ'/ィシ' ``ヾヽミミミヽミミヽ
              ノィ'//,'イ///,イ!lj/    l|lトミミミtゝ、ミ'、
            //イ{|{lh{lilililil|l| |i,'       li八ミヾ`ヽヽミ':、
                ハ{{{N、',',',、{((li| |l   ,.........||_!l|l|lトトゝミヽ丶、
                !|l{lトi、',ミミミ','ji|l|l!:||:.i /:.:.,:'ィリftiミkjljljlj|j|トミミミ≧ュ、、
                、ヾミミヽヽ',',}}l|:.||: | ,':.:.: ``lF彡ト'リl|l|l|l|lト、liトミ三ミミヽ      …私はお前達を「最後の日」に導く。
                ハ',',}}}iトN|}|ljj|:.|!  !:.:..  |l {l|l{lリハトl|l|、}〉|  `ヾヽヽ    そのためにここにいるのだ。
.             ハリトミ',W八リノツ'.:.リ ,..、   |l  |トトWl|l|l|lNjljl|    ヾソ}
.             {{{{{lリハリllツノ/.:.:/: '―'    '、.:リト、{{、',NNhト、    ノリ′    お前達の好きにするがいい。
           ,)}W/}}リノ,イ:,、'_____,.メィリj}j>、{((NトV、  ,イjリ
.             イノリ//ハ}l//イ/` ―----― ´ /リノハノハトミヾミミミゝ、/ノ/
             //イノハリノイノトi{、`:.:.‐;,-;,‐.:.:´ イツノ八トミミト`ヾヽ、ミ{{{/ー- 、
             {{{i{i{i{(({i{i{i|l|l|リハトi、,イi{,,,}iト、ィツ{fリイ ハliliトミヾヽ',iトミヾWト、  ヽ
          ,})})}lトiトl|l|l|l|| `ツノリ{{{M}}lリィfイヾ! LlLlレ‐=ミ)}lト}|l|liヾ'、ヽ、
       、__,.ノィメイト'、',',lililili|::..'´,ンiメ!ルイl/lイ八`/ {´ ̄/   W!,リリハ ヾミ、i}
       `ニ彡'´ 'リ ヾ',lNi|l:.:.:、 ´jツ ヾ'  / ,':: '、::/    ヾミ彡小、_, リ
   , - 、_,. -'´ / /|   ヾ',W  :.    / '  ,'::  ∨      X` ,ノ   '′
‐ '´     /  ,':|     ',iリ      .::ノ   /:::  /      ∧`ー-、
      /   /:::|      }ト、     /    ,':::: /        ∧、   丶、__
     /     /::::::|   ,ノノヾ、ヽ      /:: //:``丶、     ∧ヽ、
   /       /.:.:.:.:l  ,ィツ′ 丶、    ノ::./ /:::::::::::::::::::::`丶、 ∧ ヽ、
 /      , ':.  -‐|=彡'    /^ヽヽ   .:.:. /ノ::::        〈丶、ヘ  \
'´       , '::    |       ./:::::::丶',     //          ',  \〉
、_,,.. -― /:::       |      /::::   ヾ!   ,'/           l
´      /::::       |     /     .ヽ  ,'             l
     /:::::.       .|   /        '、,'              l―- 、、_
    ,'::::::::      |  /          .Y:::.             l      `
    ,'::::::::::         | /            〈:::::             l
    !:::::::::        .'              |:::             l
    ',:::::::                       |              ',
    ',:::::                  ,ノ               '、
                   益田四郎時貞
                (ますだ しろう ときさだ)


77やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:48:22 ID:wSIKOtu2

              |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::火::::::::::::::::::::::::::
           |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
         /:::::::::::::::::::::::::::::::::l:.:.:|::::|:::ヽ::::、、::::::::::::/^ ヽ::::::::
     /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,:,/ |::| ::::|:::|:::::::`、`、`、::::::| /ヽ.|::::::::       火火火ッ。
    /:::::::::::::::::::::::,-‐‐ |:|::::|:|::::::::|:|::::::::::::` `, `、 |.:l,, l |::::::::      承知仕った…ってか。
    `ー―-' ̄ ̄  /::||:::| :::::::i::::::::::::::::|::|::::::`、キ_,l |:::::::
            /::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::||:::::::::::`、 ./.l::::::       じゃあ、アンタの母御には悪いが、
           /                  |       |:::::      少しでも花火を大きくするために、我慢してもらうぜ。
              '、 _          ,,,,          , |:::
                 ̄,'    ____,/       /  .|:::
                   ヽ-、-‐ ___/        /   / |
                    l ̄        /;;;   / .|
                     ` l        /;;;;.    /  |
                    |    /|:.:.:.:    /   .|
                  _`-‐ ´,;:;;|:::     /    |
                      / ヽ:::::::::::::::|    /_,,,,,.-‐‐'

 結局、幕府による非キリシタンの開放、及び、棄教による降伏を一揆衆は受け入れず、
「城中に非キリシタン・棄教者などおらず、皆でうすに命を捧げている」という返答を、
一揆衆側からの統一見解として小兵衛達に持たせて返している。


78やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:49:36 ID:wSIKOtu2

/  /  | l、`゙ヾ:;:;:;:l      '´  〈
  / i l / ` ‐ヘ;:;:;:l         ',     …これがキリシタンか。
. /l  l ル′',   ';:;:;ト、_____ノ    我輩もこれまで様々な謎に当たったが…
/=レV'′  ',  ,!;:;l    _,. - '"´     .
、_/ `丶、  ', ┴'ァ  ,'    
::リ\ 、 `丶、;-ゝく /
::::::::::\',、丶、..ヾ′ `Tヽ
::\:::::::::丶、:....::l  、 ', ヽ
:::::::`ヽ::::::::::\:..l  li,    ',
::::::::::::::ヽ::::::::::::ヾ  lli,    ';
::::::::::::::::::゙',:::::::::::::\l|li,  i,  ;
:::::::::::::::::::::',:::::::::::::::::ヾi,  ', 、 ',
:::::::::::::::::::::::',::::::::::::::::::::ヽ ', li, ',
、:::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::〉、l、li, ',
::ヽ:::::::::::::::::::L::_:--―▽::::ヾ li l
::::::ヽ::::::::::::::::::::::``丶、::::::::::ヽ li !


79やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:50:13 ID:wSIKOtu2
彡' //:::::::::::::,、ミf:::::}ィ、:::::::::::ヽ \\
イ// /:::::::::::::/`~゙ |::::l^`ヽ:::::::::::':, 、 `ヽヽ、
//,イ:.:.:.::::::, '     ,':::,'   ',::::::::::::', ヽ ヾ``
,ノ/  :.:.:./     ,' /    ',:.:.:.:.:.:.:!、ヽ. ト、
イ!:.   /‐- 、  ,':/   _!   :| ヽ | '、
ノl|:::.:.....ムニ、``,'/ ,. '"´::__|:.:.:.:.:.:,' i ', |ヾ:、
/l|::::::::/〈{fj})` /'′,':::::ィ´({fi:.:::::::/! |i l ト! `
/ハ::::::厂 ̄´ /   !:::::. `""'|::::::/リ jl /l|丶
ノj,ヘ:::l     /   |::::::   !:::://l/!ムハ!
ノ▽|::|、      |::::     l::::ハノ」j卞、'
/ノツ!::|\       '´    ,':/jリノ▽}‐;、__
:.:〈 ,':.,!ヽ.\`'‐=====‐'´/:/ ̄ ̄\|:.:.:
:.:.:V:/  ヽ_>、 `""´ ,.ィリ:/   こ  ヽ:.:
:.:「l7>、_,. '´::::::|,`二´ト、 /::|.   れ   |:.:ノ
:.:jf>'´::::::::::::/__,」 ヽ__|    ほ   |'
:/::::::::::::::::::/           ど   |
、::::::::::::r '/ 初  さ  不.     :   //
丶:::::::::ヽ|  め  せ. 快  、___/(▽
  ヾ:::::::::|  て.  ら  な  |:.:.:.:.:.:.:{  ',:.:
、  ヾ: : |  だ  れ. 気  |:.:.:.:.:.:.:.:ヽ  !:.
:ヽ  }::: |      た. 分  |:.:.:.:.:.:.:.:.ノ /´
::ノ  /:::: |      の に.  |:.:.:_,. -f , ':.:.:
'   ハ:::::ヽ    は    /「´,. -、:} /:.:.:.:.
  ',:.:.!::::::::\_____/::::l/::::::/' {,. -、:
ヽ、ヽ:.|:::`'iー:::、,_::::}、 ,.ゝ-::ノ::::::/〈フノ:::::ノ/
 !ヽ. ヾ:::::::ゞ―-ミン'´:::::/::::::_j r'´::/, '
 |:.:.ヽ } ̄!:.:「ニ>:ヽ´ ̄´ ̄´::ヾ{:::/ , ' .:
 、:.:.:.l  ヾ:l .:'、::::ヾ:ヽ、:::::::::::_:メ< } .: /
  ',:.:.:l  tぅ-‐≧┴、_丶<    | |/ : /
  !:.:.ヽ>ヾ´ ̄``丶丶(_>`ヽ r' !!  ,'
、 '、ヾ/`ーミ}ミ>‐tミヽ. (:ノ.:. ヽ 八 、
丶、`lr=^`ン::(_9.ノ::ミ>、(_ノ,r‐〈  l ヽ
、 {__||.:.:.リ/:/:.:}:.:i:/:i:.'ー-、__ノ:/:/! ノ  |
ヽ、 /(⌒ソ:., -く:/{:.:.:/:.:ィ:.:|l:.':/:/リ‐'_ノ
  ア:.:.:.:.f:.:.lo-、 !:8:./:.:/:.|}:!:::{/ハ (
,イ:.:.:.:.:/ヾ:ゞ-'イ:.:.:/:.:.:ト:.:W:/  } )  _/
:.:.:.:.:.:.:.6、_:l:.:.:/:.:ハ{:.:.:.:l|i、ヾィノ_,.ィ,イ ,'´
:.:ノ:.:./:.:`∞o:{:.:リ:.:.:.:.:j:.lゞ:.:.r_彡´ ノ ゝ-、
イ:.r'"^'ヽ:.:l:.:r!:.んトYrュ`Y:.、:f,r '´ {rぅ ノ /
:.:.:! oュ ノ:ソ:.{6}:.:.:.:hゝ-イ:i:.:l:.:|  に(ニ ( {
:.:.:` ̄://ィシハ:.:.:.|l:.:.:.::ハ:.Vト:ヽ、 ̄)'ー'r'′
:.:{:.:.:.:.:.:/ノイ!:.:|:.:.:.l|:.:.:/:.:li:ヾ:.:ヾヽ二r、ノ

 これにより、一揆衆は「キリシタンと非キリシタンの混合集団」ではなく、
自らを「キリシタンの集団」であると宣言したのである。

 なお、その後、幕府側は四郎の妹を使者に出すなどして、ほぼ同様の文面を送り、
再度の交渉を仕掛けているが、これも同様の回答に終わっている。


80やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:51:25 ID:wSIKOtu2

 そして二月に入ると、参陣を命じられた九州中の大名達が揃い出し、
一揆衆は、十万を越える大軍勢に囲まれての籠城戦を余儀なくされることになる。

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  |  |  |  |  |  |  |  ||  |  |  |  |  |  |  |  |       |i |       |i |     |i |     |i |    |i |      |i |
  |  |  |  |  |  |  |  ||  |  |  |  |  |  |  |  |'"      州       州     州     州    州      州
  |  |  |  |  |  |  |  ||  |  |  |  |  |  |  |  |    /\∥   /\∥  /\∥  /\∥  /\∥  /\ ∥
  |  |  |  |  |  |  |  ||  |  |  |  |  |  |  |  |  /__∥ /__∥/__∥/__∥/__∥/__ ∥
二二二二二二二二二二 二二二二二二二二二二].(    )∥ (    )∥ (    )∥(     )∥.(    )∥(.     )∥
.              |  | .              |  | .(     ○ (,     ○(,     ○(,     ○ (,     ○(,     ○
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |  Y  人∥ Y  人∥Y  人.∥ Y  人∥Y  人 ∥ Y  人∥
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  |  (_) J∥..(_) J∥(_) J∥ (_) J∥(_) J∥ (_) J∥


82やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:53:16 ID:wSIKOtu2

彡ミミヾヽヘミヽ ヽ
彡' ヾミミミ、ヾヽ l'i!
    `丶ミミ、ヾl l,
    U u`丶、ミ jl
、   _,,,..,,,,、``Y
::`ヽ、〈;/ ̄ヾr、゙i,
  ::ヾヽ、(・)  l!,ノ
     :: ヾ=='ソ
,,、     \ ,l′      ノーーーッ!
;::;;      \      もう…もう銃弾(タマ)がないなんて、どういうことデースカ!?
⌒          ヽ
..,,__        ヽ     この「下針金平」とも呼ばれたボクが、
  `tフ`''ー-r― ''′   鉄砲を使えないなんて、我慢デキマセーン!!
r‐‐r‐r--ァ,/
―-―-;f /
ー┴''"´/
‐--‐''"/
:::::::'' /
__,,ノ
  駒木根友房
.(こまぎね ともふさ)


           ○○○○○○○○○○○
           ○○○○○○○○○○○
          ○○○○○○○○○○○○○
         ○○○○○○○○○○○○○○   < 代わりに石を投げるよ!
   ∧__∧  ○○○○○○○○○○○○○○○
   ( ´・ω・) ○○○○○○○○○○○ ○○○○○
   /ヽ○==○○○○○○○○○○○○○○○○○
  /  ||_ ○○○○○○○○○○○○○○○○
  し' ̄(_)) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(_)) ̄ ̄ ̄ ̄_))
           ∧_∧  石かぁ…      .∧_∧
  ∧_∧  (   ・)      ∧_∧  (   ・)   しょうがないよね…
  (   ・)  (    )     (   ・)  (    )
  (    )  | | |      (    )  | | |  ないよりマシかな…
  | | |  (_(__)      | | |  (_(__)
  (_(__)            (_(__)

 また、城中の弾薬も底を付き始めたため、城外に対する一揆衆の攻撃手段は、
銃から石礫に切り替わっていった。


83やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:54:59 ID:wSIKOtu2

  |  _|_   | \                 _/__
  |   |     |       /\          / __
  |  __|     |/ ̄ヽ  /    \   ─、   /        ・ ・ ・ ・ ・ ・ 
  レ(_丿\     _ノ        \   ノ  /  \__

                         n_n
                        ノ  ノ グー
                _      c<< )っ
               「 '* ヽn     `ー'
              ∠、_3_ノ  `っグー     .,へ,,-┐
               └一cノ´       r、(ω*´n   最近、飯の量が減ってきたなあ…。
           グー              ._>   ' ノ
        _ ,へ、n,n        n_n  └ー、_/ グー
       「*ω*`)⌒_)     ∧,,∧ _ノ グー
        `ーc_c__ノ    c(*ω*` )っ    魚を取りに行こうにも、
                  `ー一'´    公儀の船が見張ってるしなあ…。
        , -、っ⌒つ グー
     <'* 3 っ_つ  あー腹減った~…
     ∠、*_ノ

 また城内に保存してある食料も目減りしているため、
皆に配られる食料も日に日に減っていった。


84やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:56:32 ID:wSIKOtu2
       ,、                , 、
         l:. \         /.: i
        |:.:.  \  __ /.:.:. |
        |:.:.:.  ..::`´    `'.:.:.:.   |
       /:.:.:..:.:.:.::...          ヽ
      ,':.:.::.:.:.:.::.:.::..       -― ',     …四方見事に囲まれておるのう。
        l:.:.::.:.::.::.:.:.:.:.:.:...           l    日に日に戦況は不利になってきておるし、助けも見込めぬ。
       {:.:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:..:.:..      .-─}
      ヽ、:.:.:.:.:.:.:.:::.:.::.:.:.::.:...      /    「四面楚歌」とはまさにこのことじゃな。
          ヽ、:..:.:.:.:..:.:.:..:::.:.:.::.:.:..  ,/
       /:.:.:.:.:.       .:.:<

         ,
         / l
       /  |
     /    |       _ ,
    ./     L,_,. -‐‐''´ ./
   /        `ヽ、   /
.   |              't /
   l   O,  、   ,   i/     
   |      ト-イ ,O l     ここまでくると却って痛快だなケケケッ
    ゝ      |. /    /
    ヽ   _  ´__/
     //,、  ̄`、ヽ,
   /  i  \ヲ´ i ヽ


85名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 21:57:12 ID:qd89FNrg
この戦闘狂どもはwww


86名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 21:57:31 ID:enysRlfM
水野さんはまだ到着前か?
あの人史実でもAAキャラでも基本的に殺してから考える人だし


87やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:57:40 ID:wSIKOtu2

                   ,.ィ"´ ̄``:ー―-_っ
                 _f'三彡::::::::::::::::::::::::::ミ三二)
               (::::三彡::::::::::::::::::::::::::::ミ三:⌒)
               (__:::::::_,. -'"´ ̄``'ー-、::::::f´
                ,!::::'ィ         ミ::::::!
                l::::/ u      ι ヾ:::ト.
                 fi:j_,. -z=、_, , , ,__ ヽ! l     つ、痛快ってどういうことです…!
                 '、i 、z‐tァミ, Y リft.tァラ'` jノ__    一体、上は何を考えているんですかッ!?
               ,. ィゝ、`""'´ ! l:.``゙゙´  /l:ヽ:
           _,. - '´/:.,ハ.ι  ,  ' 、、   / l:.:`    このままじゃあ、えらいことになりますよ!!
       _,. -‐'^´:.:.:.:./:.:.:/  ヽ / ヽ__ノ ヽ, ,/  l:.:.:
   r::f"~´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:l   ヽ.{べニニァ^}/    l:.:.:
 ,r:':.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:l    'ト、` ̄´ ,イ    l:.:.:.
,/:.:.:.:.ノ!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:'、    ヽ` ̄´;/    ノ:.:.:.


         /`i    /`i
       ./   |   / /:.:.|
     /  ___」,/ / . :.:|
    /   ´         -、::l
   .,'            .:.:.';
   l   -―    ―-  ::.::.:.l    …えらいこととは、どういうことじゃ?
   |               :.:.:.|
    ',    ―      .:.:/
    ヽ          /


88やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 21:59:18 ID:wSIKOtu2

  r‐'彡 彡::::::::ミ 彡:::::::::三ミ    ミミ丶-っヽ;
 ,二::彡 彡:::::::ミ 彡:::::::三ミ   ミミ:::::::∠、::',
 ゞ-:::彡.:/´ ̄   ̄``"丶  、ミミ:::::::::, - '::::::l;;
 そ__,::/ ι   u    ヾ、ミ:::::::::::::` ̄l::::::::l
   У _,.ィi!  ノ、_,,...、   ヽ::::::::::::::‐<::::::::l;
  〈'"´,ニ、l  ノ彡'"二``丶 `ミ::::::::::::::::::::::::::::::l      決まってるでしょ!
   lzッ'o ソ / '".:.ィ'"o゙ヾミ、 `ミ::::::::::::::::::::::::::::/;;   すぐにでも公儀の上使と交渉して、
   lゞ-彳 /  .:. {ミ==iiF   ゙l:::r 二ヽ:::::::::/     .落としどころを探らないと、私ら、皆殺しになりますよ!
  ,l '"/     ':、`゙゙`lリ    l:/'´ `i l::::::::/;
  lι/    i   ヽ    u  リ }h リ::::::/        少し前にも、公儀から四郎様の血縁の方が
  l '___〉'、   ':、     ノシ /::::::/;;      使者に来たって話じゃないですか!
  l  / レ    ヽ  ι    /ーヘリ::/        .あれはどうなったんです!
  '、il、―-- 、、 ヽ     , /   lハト、;
   ', l└=ミニニ三>リ    '/     У:.\
   l,' 、、,,__,,.ノil   / .:     /:.:.:.:.:.:.\;;
   '、      /'_,/::: .:.    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
    ` ̄ ̄| ̄´~::::   .:.:    /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l


              「\   「\
              |  >―|   \
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              /             | 
:::::::::::::::: : :: :: : . . . . .. . 〉_      __ |     皆殺し…なんだ、そ ん な こ と か。
:::::::::::::::::: ::: ::: ::: :: :: :: ::(´             ゙゙゙|:.: . .
:::::::::::::::::::::: ::: ::: ::: ::: ::: : \/〉l7フ     /:.: : . . . . .
::::::::::::::::::::::::::: ::: ::: ::: ::: ::::/ ⌒)     ⌒\: :: :: : : : : . . . .
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :〈 _ノ        \::: ::: : : : : : : : . . . . . . .


89やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:01:02 ID:wSIKOtu2
   |\        /|
   |  .>‐…‐< . |
   |/        \|
   /         丶     それこそ、望むところではないか。
   |  ⌒    ⌒  |
  .丶 ""    "" ./     キリシタンとして立ち上がった我らが、
    \  ー=‐''  /     信仰のために、異教徒と戦って死ぬ…。
     ゝ    く       まさに”まるちり(殉教)”ではないかね?
    /       \


    l`            .´l
    l  \ _ - ― - _/ . l
    l  /´        `\. l
    l /            ',.l
    l/      ≡     ≡ ',l     これほど圧倒的な軍勢相手であれば、
    {               }   まず討死は間違いなしだゴラァ。
    i   ///       ///
     ',        Д   /     キリシタンとしても、武士としても、
     \          /     どちらでも本望が遂げられる…最高だゴラァ!
      `7      <
      ./       \ ...


91やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:03:32 ID:wSIKOtu2

        ,. -┐    ,..-┐
.         / /::|   / /::|
     /  ./:::::| /  ./:::::|
    /      ̄ ̄ ̄    ヽ
   /     ,.-、       ,.-、  ゙、
   |     /○/      ヽ○、 . |      お前もキリスト教に改宗した身。
   |   `'''"  ト、__,.イ `'''" |     まるちりできることを喜びと思うべきじゃ。
   ヽ      |'VVVVV|    /
    \.      ヽvvvvvノ  /        先ほどの話は、気の迷いとしておいてやるでな。
.     >       ̄ ̄  <        …まさか嫌とは言うまいの?
   /             \
.  /    ,           、  \


       :://///u   ι ij \::::::}
       :ノノ:::/   ,ィニ'、_,ィi ツ-、ヾ′
       :::::::ノ   ,/, - 、ミ、 ,〈,r=ミ.,ヽ:
       -ィZ ,ィ;' ミッ'゙0ヽ` ヽY 0,ゞ'l :
       ::::/ '” <__,.ィiッ、 ヽ'ミ=' '、       あ、ああ…あばばばばばばば……ヒィッ!
       ::::l     -‐'"彡'   ヽヾ、 ヽ.
       ::::l、ι     ノ′ fi,r  ,ィ)  l :    (ダ、ダメだこいつら…早く何とかしないと…!!)
     ノ⌒Vィ   u   u  ,リi、 '":' ヽil :
  l:::::::::l| /ヘ'″ι      ,/ ,. ===彳! :
  |:::::::::l', {、('i,        /イ、-ー'^~´l l :
  し:::::::lヽ ` `'        /lリ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l l :
   |::i:::l 丶-‐ '、      //lー-‐-、、:.:l l :
   `'J、!     丶、    '/{r。`゚':、  ``),l:
     l       ヽ  { fit゚ 。 :.r'z=ニノ ヘ:
/``丶、ノ_   ','、  :.:.\ l l{゚ 。゚そ -‐イ:


90名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:02:42 ID:qd89FNrg
ほんっと、はた迷惑な・・・キリシタンが禁教になるのもよーわかるわw


93名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:06:13 ID:qd89FNrg
そもそも日本のキリシタン(と言うか宣教師)って、神社仏閣焼き討ち上等な連中だったしねぇw


92名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:05:21 ID:zOTwo73I
凶信者の集団ほど厄介なもんはないな。
普通(?)の既知外も厄介だけど、徒党を組むのが難しいからまだマシ。


94やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:06:14 ID:wSIKOtu2

<ヒィィィッ!

 ドタバタ
          ,、       _
        /|      //
      / _⊥ _ _ / /
     / ´O r‐┐O`ヽ/
      !   | | 」」_ l   あ、逃げるなゴラァ!
     ヽ  _|__|_ TT ノ
     (´_` ー─ァ- イ
      `l    し'´ l

       |\         /ヽ
       |  \       /   |
       i    \___/    |     放っておけ。
       ヽ,.           |    所詮、あやつらは真に信仰に目覚めたわけではない。
       /   _ヽ,,  ノ_   |    浮き草のような奴ばらじゃ。
       i              |
        ヽ    ノ ̄|      /    . とはいえ、手を打つ必要はあるかの…。
        >   ´  ̄ `    <

                                                ザッ >


97名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:07:33 ID:fKD57GpU
溺れる者藁をも掴むとはいうが、掴んだのは人食いザメの背びれだったというオチみたいだな・・・


95やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:07:11 ID:wSIKOtu2

     ノノ/ノ_,ィシ',二つ-、
    {l´/  /´  /:f:::::::::::`丶、
    ,イ/     /. :;:::::o:o:o::::::ヽ
  /     ./: : :::::::::::8:::::::::::l
-‐'´ ̄ ̄\ィ'´::..__...::::_:::∞∞:::::::!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ'´:: : : ::::::``丶、、_:{
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ     火火火ッ。
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ    壮観壮観…たかが百姓の一揆によくこれだけ集まったもんだな。
:.:.:.`ヽ:.:/リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7
:.:.:.:.:.:.:Y 八i、     |:;:;:;  / ,/、      これだけの軍勢が一箇所に集まったのは、
:.:.:.:.:.:./ 〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ     大坂以来じゃねぇのか?
:.:.:.:.ノ_,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト
:.:.:/´:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:
:.:/:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:


        |\        /| メ
        |  \     /  |  メ
      |    `-─'   |
       /           ヽ
     |    ⌒    ⌒ |    大坂以来…ハハハ…!
      |        ト---イ  |
       ヽ       ヽ__ノ ノ
     __,,..>、       ,<..,,

       ∧         ∧ メ
      / ヽ        / ヽ メ
     /△ ム       / △ヽ
   /      ̄ ̄ ̄ ̄      \
  │  /  ヽ    /   \   │    これはいい…ハハハ…
  |      ヽ__/        |
  |       ヽ /          |
    \       ∨           /


98やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:08:50 ID:wSIKOtu2
/::::::::::::::::::::.. ..::::::::::::::::::::::::,::::::::::..ヽ
:::::::::::::::::::/":::::::::::::::::::::::::|::::8::8:8:゙!
::::::::::::::::,:':::::::::::::::::::::::::::::::::|:::oo8oo:|
:::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::__L:__:::::::::::|
 ::::::::':::::::::::::__,. -‐::''"´:::::::... ``ー:丶、
丶、―::'':"´:::::::::::::::::::::::::::::::      ヽ
:::::/7ハー;、_::::::::::::::_,. -‐rf三>t;;ァ、__,. - '′   な、なんでぇ一体?
}:::l 'rf:/:.:.:`lT"i´:.:彡' l |:「`ミ=ヲlハ!      いきなり笑い出しやがって。
ハ::、 ヾリ   リι     |   リ' |
ノリ::ト- 、         |   /         …そんなにおかしいこと言ったか、俺?
r―}  丶、 rt、    `ー' _、 /
:.:ヾ′    \``゙ ー=ニニ=チ'′
:.:.:.:\    ',ヽ、 ` ̄´/ト、__
:.:.:.:.:.:.:丶、     `ー―:イ:.:\:.:``ー- 、_
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:丶、    ::::/l:.:.:.:.:.ヽ:.:.:.`丶:.:ヽ-- 、、
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ーュ、 ::lリ:.:.:.:.:.::.:ヽ:.:.:.:.:.:\:.:.:.:.:.:


              「\   「\
              |  >―|   \
              |/          \
              /             |    いやいや、我らもついさっき、
:::::::::::::::: : :: :: : . . . . .. . 〉_      __ |   同じことを口にしたところでな。
:::::::::::::::::: ::: ::: ::: :: :: :: ::(´             ゙゙゙|:.: . .
:::::::::::::::::::::: ::: ::: ::: ::: ::: : \/〉l7フ     /:.: : . . . . .
::::::::::::::::::::::::::: ::: ::: ::: ::: ::::/ ⌒)     ⌒\: :: :: : : : : . . . .
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: :〈 _ノ        \::: ::: : : : : : : : . . . . . . .

             /]__/]
        /        \
       /           ',
       〉 ⌒   ⌒   |   人間、考えることにそう差はないなと思ったんだゴラァ
       \  __   /
         γ⌒)    く
          |        |
          |        |


99やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:10:20 ID:wSIKOtu2

         _, -― - -、
       , ' ´::::::::/:f:::::::::::`丶、
      ,.'::::::::::::::/. :;:::::o:o:o::::::ヽ
     /::::::::::::::::l: : :::::::::::8:::::::::::l
     {::::::::::::::..__...::::_:::∞∞:::::::!
     ,´- - ''´:: : : ::::::``丶、、_:{
.    {    : : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ      ああ、そういうことかよ。
     丶ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ     まあ、落ちぶれ牢人の俺達相手に、
     リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7      .御公儀がここまでお膳立てしてくれるってのはありがてぇ話じゃねぇか。
      八i、     |:;:;:;  / ,/、
      〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ      もうここまできたら、心残りなく最後まで戦えるだろ?
  __,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト
' ´::.:.:.:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:
:.:.:.:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:


               /`i    /`i
               /   |   / /:.:.|
           /  ___」,/ / . :.:|
          /   ´         -、::l
            ,'            .:.:.';     まあのう。
         l   -―    ―-  ::.::.:.l    …今更ながらわかったが、
         |               :.:.:.|   .お主らの目的は最初からこれだったんじゃな。
          ',    ―      .:.:/
          ヽ          /


100やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:12:09 ID:wSIKOtu2

                      __
 ~ 、_                  /:::::ヽ
      ` ヽ            WWi′    まあ、そういうこった。
          `  、       r一'二ユ、
              ;      ノ:.::/:.:.:.:.:.:〉    ようこそおいでませ
           ノ   _,.. イ:i:.:ノ:.:.:.,. :イ
          、r_‐ '", -―ァ'´:.:.:.:.:ハ:.:.ゝ,    キリシタンのぱらいそへ!…ってな。
           `ヌ'ノノ  ノ:.:.:.:.:.:.:〈 ヾシヽ、__
            `ヘ´   7ニ7Z7fミ}  ``T f′
                [二] | l.j    `'′ …騙されたと思うか?
                   |  | ノ  |
                 、__j |  /
                |  ! ,'
                |  { {
                    V  ', !
                    V  !|
                    V.|,!
                    V ',ト、
                    V '、}
                     } 「:〉
                    〈. V
                   | _'、
               . : : :_,ノ'´::::|: : .
                : : :└―'一′: : .

   lヽ、  /  、
.  l >‐'´`   l
  ,ノ     o   ヽ     それこそ今更だゴラァ。
 i'.o  r┐      ヽ、  公儀の上使(板倉重昌)を討ち取っておいて、
 l   ,!-l、      |   後戻りなんかしようがないぞゴラァ!
 ヽ        _,.ィ'.
  `ー-、_    く´     こうなったら最後まで行くだけだゴラァ!
     ,!    `!
     l   `!  `!
      l  l. l  , l
     l、_,!  し'  l


101やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:14:07 ID:wSIKOtu2
     ノノ/ノ_,ィシ',二つ-、
    {l´/  /´  /:f:::::::::::`丶、
    ,イ/     /. :;:::::o:o:o::::::ヽ
  /     ./: : :::::::::::8:::::::::::l
-‐'´ ̄ ̄\ィ'´::..__...::::_:::∞∞:::::::!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ'´:: : : ::::::``丶、、_:{
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: : : : : ..::::::::::::::::::::::::ヽ      結構結構!
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/ィf、tェュ―- 、、::::::::::::::ノ     なら、あとはいつ仕掛けるかってとこだな。
:.:.:.`ヽ:.:/リ'!リ` ̄'"  |::::;:;:``リツ7      .まだ連中、これからも増えそうな気配だしなぁ…。
:.:.:.:.:.:.:Y 八i、     |:;:;:;  / ,/、
:.:.:.:.:.:./ 〈:.:.lト、t、_^__,ィt,イト:.:ヽ      どうせなら、全員集合してからが面白ぇんだが。
:.:.:.:.ノ_,.ノ:}:.:ハ `ヾ`ニニ´/ l:.l:.:.:ト
:.:.:/´:.:.::ノ:.:{  、 ` ―r:イ/  l:.:.!:.:.:.:
:.:/:.-‐'://:.:l   ヽ  ,}/ ,イ l:.:.:ヽ:.:
:.:.:.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.ト、,,_'、 ,'_,. -‐l:.:.:.:.:〉:
:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ:.:ト、_____,.ィ!:.:.:.:/:.:


       |\         /ヽ
       |  \       /   |
       i    \___/    |     …ああ、そうそう。
       ヽ,.           |    そういえば、城に入っておる連中のうち、
       /   _ヽ,,  ノ_   |    心得のなっておらん連中が、まるちりを嫌がっておるようじゃ。
       i              |    おそらく、信仰に目覚めておらん連中も同じであろう。
        ヽ    ノ ̄|      /
        >   ´  ̄ `    <      どうする?

    l\          /|
    |  \       /  |
    |   \    /    |
    |   ──/      |
    |               |
    |__   ___   |      確か、四郎様の親類と交換するって話を蹴ったらしいじゃねえかゴラァ
    | l_l    l__l  .|    今更解放するってわけにもいかねえぞゴラァ
    |  ____     |
    \ |/___ ヽ  /
      >       <
    /          \


102やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:16:30 ID:wSIKOtu2

         __.. .-─…─
      ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`::..、
     ィ:::::::::'::::::/:::::::::::::::::::...、 ::::::::::::::\
    /:::::::/:::: /::::::::::::::::::::::::::::::::.. ::::::::::::::::\
    ,':::':::/::://:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ:::\:::::::::::::::
    /}::l:::l/::|/(` ト::::::::..:::::::::::::::::::::. ::::ヽ::::::::::
   イ:::::::!::::|ヽ) } }:::::::::\:::::.、:::::::|::::::ハ:::::::
    }::::::: Ⅵ / {.∧:::::::.、::ヽ:::::ト:::l::::::|,, !::::::     …ハッ。
   ノ:|::::::::l!`{ ト( }::ト:::厶仆:::! !ハ!リ }:::::/    まだつまんねぇ希望を持ってる連中もいるからな。
    .ハ:::::::l! \ゝ  リ ',イt:ァ/| l:l l  ヾ从
   / l::::ハr‐t:ァミ、   =彡:! リ    ! ヽ     なら、組を調整して、
      };イ::∧ ̄彡:!          /   }    信心深い奴らに連中を見張らせるようにすればいいだろ。
       j/ リ\ .::}           /   /    .もし、脱走しそうな奴がいたら、捕まえるなり斬るなりすればいいさ。
       r─一丶ヽ     __..ィ  / /: : :
  ____/ハ: : : : : \ ー= 一' .//: : : : :
一": : : : ///∧: : : : : :.{\ "" ィ {: ト、: : : : :
: : : : : : /////∧: : : : ヾ :.` ̄:::.. |: |/\: : :
: : : : : //:::. : //∧: : : : :\ト:.    |: |///ヽ: :
: : : : //::. : :/0/: : }: : : : : : \ ::. .::|: |:::. : : : :

              _
           /∧\
          // ∧ ヽ、     ,,ィ┐
         //  '"´    ̄ ゙̄''</  |
         / '"   _       `ヽl!
        /     '~´         ー-、',
      |                l     まあ、そんなものじゃろうな。
       |        ノ´ ̄`ヽ    |    では、そのように手配するぞ。
       |       |     |   |
      \          ̄ ̄ ̄     /     「おう、頼むわ」
      , '" . \、_______,,/
    /                  \


104名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:17:56 ID:enysRlfM
明日の夕飯何にする?みたいな感覚で淡々と何もかもを死に巻き込んでいくのがイカれてるって今更ながら思う


105名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:18:03 ID:/DrBMHiQ
サラン……サラン……魔界に転びて以下略


103やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:17:41 ID:wSIKOtu2

    ||
    ||│ /
    || ̄\     
    ||∀ ゜)─  ………(ジーッ
    ||_/
    ||│ \
南有馬村の庄屋・次右衛門


      ,,ィニ三ミ`丶、::::::::::::::`丶、
    ,.r'"::::彡三ニ=ミヾ.彡三ニミヽ
    /:::,ィ彡"::::::::::::三ミY:彡:シ^ヽ:::l
   /彡彡::::::::zェェシ"⌒^"´   t:::::t, 
    l:::::::::::::彡彡'"  u.      ヾ:::'i    
    f:::,ィ彡彡シミ         _,,,,_ヾj    (…参ったな…。
   l:::::::ノノ::fソr'  _,, ==、   f__,..、` l     こう見張られてちゃ、ロクに身動きも取れねぇよ。
   i::::彡_:::l  '" ,-roア    ヾ'゚ニ′|     なんとかして脱出しないと、このままじゃ巻き添えだ…。
   ヾ:::/r‐、ヾ:.  `ニ''"  ,、 |   ,ノ     ”まるちり”なんて冗談じゃない!)
     ゙i:{ l ,ti-゙'^ヽ    ,ノ (、_,)、,f'i    
    ,ゞr'",' ,  `´'ー、 /   __;j,..、l l     
   ,/::/ ,:' ,'  ,:'   ヽ ‐'"´__,,, :' l,ハ、、
 /:::::::f / / ,/  ,ノ>,ノ     _,ノヽ::::::`i   ,. ィ'"i7丶、,
'"::::::::_,ム、  '"  ,/‐''^` 'ー--ァ''"   ヽ::└‐--'ミニ'-‐'- 、_,/ヘ、
:::::r''":::::::::`丶、,,ノ ヽ、    /     ヽ:::::::::::::::::::ゝ‐- 、ハ  ヽ

 この頃には、ほぼ毎日、原城からの脱走者が出ていた。

 そのため、一揆衆の中でも、キリシタンの者が監視者となって、
それ以外の者たちを監視する体制にするよう、一揆指導者衆から指示が出ており、
ひそひそ話すら迂闊にできない状況であったことが、落人の証言として残っている。
(『落人壱人参候、其者申候は城中本きりしたんは堅一身仕候、
 むりなりのものともに目を付中々そゝやき事も申させず候よし』)


106やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:19:05 ID:wSIKOtu2

 そして…

                   |::::::::::::::::::::::::::ノ:::〈 :::::::::::::::::::::::::::::|
                    |:::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::l
                      |::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::ヘ:::::::::::::::::ノ:〉
                       |:::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::!
                        |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i :::::::::::::::::::::::::::!
                   |:::::::|!::::::::::::::::::::::::::::;i :::::::::::::::::::::::::::!
                     |:::::::|!:::::::::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::|
                     |:::::::|!::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::|
                      |:::::ノ::::::::::::::::::::::::/_:ノ! :::::_:_:::_:::_:::_:_|
                       |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ノ :::::::::::::::::::::〉::〈
                  |:::::::::::::::::::::::::〉::::::::::::;l ::ヽ:::::::::::::ノ:::::::〉
                  〉:::::::::::::::::::::/:::::::::::::;〈 :::/:::::::::::::::::::::〈
                  /,,..-ー-- ;; ..,,_:::::::ノ:::;〉ー〈'=-   ‐-=ヾ    ザッ
                 〈,;':::::::       ,/`-イ!: :r' ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
                 /:::::::::::::::::::::::::...... / : : :/ `ヽ;:_;:;:;:;:_::::..,,,,,_ノ
                     r── ────、: : :/
                |::::::::::::........     i :./
                `ー─────ー' "


107やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:20:38 ID:wSIKOtu2

  /  イ
/   //
.   / {
: . / ノ`: .
: : .     \
: : .       ヽ
: : .
: :     /⌒   i       おお、四郎様…!
: :          ヽ
: :           }
: :     ヽ.___, ,'
: :      V ア/
: :         ー' /
: : : .     /
;_;_;_;     /
二二` <


        |\        /|
        |  \     /  |
      |    `-─'   |
       /           ヽ    四郎様!
     |    〔:::〕    〔:|
      |        ト---イ  |
       ヽ       ヽ__ノ ノ
     __,,..>、       ,<..,,


108やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:22:10 ID:wSIKOtu2

         .|
      \ ,,,..|..,,./
       ,;'´o 。`:;,      しろうさましろうさましろうさま!
    ―─;;  ∀  ;; ――
       'ヽ、.. ..;:''
      / `|´ \
            | 

           ∧_∧
    ∧_∧ . (,, ´∀)   しろうさま!
 ∩,∩ ∧_∧ ∧,∧ )
 ∧,∧ ∧,∧ ∧,,∧ ) .|   
,  ) (∧_∧ ミ,,゚Д彡_)  
   ノ(,, ´∀)(ミ   ミ)   四郎様!
  i (    ) ミ   ミ   
~/ソ| | |. ∪ ∪  
ミ,,゚Д彡∧_∧     
∧_∧(,, ´∀)  おおありがたい…!
  ∩,∩ |ヽ,,ノi    ∧_∧ 
.∧(,, ∧,,∧  )∧∧( ∧∧ ∧,∧
.)|  ミ,,゚Д彡 (∧_∧(   ∧,,,,,∧ )∧∧   四郎様だー! 
.ノ (ミ   ミ) (,, ´∀) i (,,, ・∀ ) (,,゚∀)i
.~ ミ   ミ (    ).| とi    iつ(|  ,ノ 
.   ∪ ∪  | | |   | | | .,|  |  
.゙" ゙"゙     (_(_)   (_)_)  し`J 
           ゙ "゙  " ゙"゙


109やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:23:25 ID:wSIKOtu2
                 _,.ィ'三三二ニ二三ミー 、、
               ,ィ'´ィィィィ彡三ニエニ二三ミミヽ
              ,ィf//ィ'ィ'ィ'ィ'/ィシ' ``ヾヽミミミヽミミヽ
              ノィ'//,'イ///,イ!lj/    l|lトミミミtゝ、ミ'、
            //イ{|{lh{lilililil|l| |i,'       li八ミヾ`ヽヽミ':、
                ハ{{{N、',',',、{((li| |l   ,.........||_!l|l|lトトゝミヽ丶、
                !|l{lトi、',ミミミ','ji|l|l!:||:.i /:.:.,:'ィリftiミkjljljlj|j|トミミミ≧ュ、、
                、ヾミミヽヽ',',}}l|:.||: | ,':.:.: ``lF彡ト'リl|l|l|l|lト、liトミ三ミミヽ    …………。
                ハ',',}}}iトN|}|ljj|:.|!  !:.:..  |l {l|l{lリハトl|l|、}〉|  `ヾヽヽ
.             ハリトミ',W八リノツ'.:.リ ,..、   |l  |トトWl|l|l|lNjljl|    ヾソ}
.             {{{{{lリハリllツノ/.:.:/: '―'    '、.:リト、{{、',NNhト、    ノリ′
           ,)}W/}}リノ,イ:,、'_____,.メィリj}j>、{((NトV、  ,イjリ
.             イノリ//ハ}l//イ/` ―----― ´ /リノハノハトミヾミミミゝ、/ノ/
             //イノハリノイノトi{、`:.:.‐;,-;,‐.:.:´ イツノ八トミミト`ヾヽ、ミ{{{/ー- 、
             {{{i{i{i{(({i{i{i|l|l|リハトi、,イi{,,,}iト、ィツ{fリイ ハliliトミヾヽ',iトミヾWト、  ヽ
          ,})})}lトiトl|l|l|l|| `ツノリ{{{M}}lリィfイヾ! LlLlレ‐=ミ)}lト}|l|liヾ'、ヽ、
       、__,.ノィメイト'、',',lililili|::..'´,ンiメ!ルイl/lイ八`/ {´ ̄/   W!,リリハ ヾミ、i}
       `ニ彡'´ 'リ ヾ',lNi|l:.:.:、 ´jツ ヾ'  / ,':: '、::/    ヾミ彡小、_, リ
   , - 、_,. -'´ / /|   ヾ',W  :.    / '  ,'::  ∨      X` ,ノ   '′
‐ '´     /  ,':|     ',iリ      .::ノ   /:::  /      ∧`ー-、
      /   /:::|      }ト、     /    ,':::: /        ∧、   丶、__
     /     /::::::|   ,ノノヾ、ヽ      /:: //:``丶、     ∧ヽ、
   /       /.:.:.:.:l  ,ィツ′ 丶、    ノ::./ /:::::::::::::::::::::`丶、 ∧ ヽ、
 /      , ':.  -‐|=彡'    /^ヽヽ   .:.:. /ノ::::        〈丶、ヘ  \
'´       , '::    |       ./:::::::丶',     //          ',  \〉
、_,,.. -― /:::       |      /::::   ヾ!   ,'/           l
´      /::::       |     /     .ヽ  ,'             l
     /:::::.       .|   /        '、,'              l―- 、、_
    ,'::::::::      |  /          .Y:::.             l      `
    ,'::::::::::         | /            〈:::::             l
    !:::::::::        .'              |:::             l
    ',:::::::                       |              ',
    ',:::::                  ,ノ               '、


110やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:24:46 ID:wSIKOtu2

                 ____
            , '";:;:;|:;:;:;:;\
             イ ;:;:;:;:;|:;:;火:;:;ヽ
             !;:;:;:;  |:;:;:;:;:;:;:;:;|       四郎様…ここにいる者達は、
          _ ,!-::'::´: ̄:`::'::-::、      皆、信仰に篤い者ばかり。
            ヽ、___τニニ、  
              |l77川リルリ/ニ三ヽ     一言、何か言ってやってくれませんかね?
                ヽ   |  | |.|.|^l ヽ  ___
              ノヽ`ー-' .`.`.` .|   `/:.:.`---、
         __-‐':./:.:.|`‐-‐´ |:.:.:.:、 \./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`‐‐-、__
     __....-:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.|    .|:.:ヘ:.:|  /:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:.
  ,......‐'".:.:.:.:.:.:.:.:.:/,_,イ:;ヽ     |:.:.:.:.`' 丶、_:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:


             _ ,, .... ,,、__
            , '/イ,ィ/彡'三ミ≧'、、
           イィノハfr'ィ/r''^`ミiliiミ'.ヾ'、
           /!/fwリ八l|l   ll;ヾミ'、ミ_ヽ、
         r!f;/wl|l|/,イ    li_{{トミヾミゝ、_,
         {i |l|W小fリリ}; i /:::ィ'|tiトトミソ}ミ≧、} ヽ`
        )!l|l|fリノハfifリ: i   `|F彡ハミリ!ミ≧、ト、ミヽ     …ふむ。
        川h{i洲{liliiリ |::   li /ハ}|巛}l{ ヾミ'、
        ノィシイミミヾ/ -   ;; /トミ}}lトミ{ト' `',リ
        ,!ノイィノハfr' ー―― ″jリツ}}リト、',ミヽ 
         彳{{/リトミ',,i|、 =_::: ィi{l{lト't'、{{トミヾミゝ、
          リ}}iliリソノリfr洲Wrッチ/ll;ヾミ''三三ミミ、_ヽ、
        _ノ',:./ハ,!ノ :::ハfr'ノィ//  /::: `ミミヾミ'、_'、
  ,、_,;;;;;/  i ヽiil ::::::i   /  /  ヽヾミゝ、__,
 /   / |  ヾ    /  / /    ヽ


111やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:26:05 ID:wSIKOtu2

圭圭圭圭圭圭圭主主主王王王三三三三三三三ニ,. -―- 、_
圭圭圭圭主主主王王王三三三彡彡彡彡彡彡彡彡三ミヾ三≧、、
圭圭圭圭主主主王王王三三彡彡彡彡彡彡彡:ィイ彡=ニ三ミヾ三三ミー、、
圭圭圭圭主主主王王王三彡彡彡彡彡彡彡彡彡//ィ彡三ミミヾ彡三三ミ
圭圭圭圭主主主王王王彡彡彡彡彡彡彡彡彡://ィ彡彡イ三ミヾ彡三三
圭圭圭圭主主主王王彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡ィイ三テzミ'、'三三、
圭圭圭圭主主主王彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡ィ彡ア/ ̄ `ヾミヾミ
圭圭圭圭主主主彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡彡´ ,:'´     ゙!ト'、
圭圭圭圭主主彡彡彡彡彡彡彡彡/ ̄   \三三////         |l|li
圭圭圭圭主彡彡彡彡彡/⌒ <´        /\ミ工メ、、      リ!l|l
圭圭圭圭彡彡彡彡彡/     ヽ   、  {  , -tッリ`ヾ':.:.:.:.:.ィ==/..jl|l    信仰篤き者達よ。
圭圭圭圭彡彡r─ 'ヽ       __\ .ィ\ `  ノ ヾ三シ''" | /ィtfiメy'リノ!   天上の神は見ておられる。
圭圭圭彡彡/    \ __ヽ  {   ヾ/////三彡'       !l:.:`'テラf//イ
圭圭彡彡/       ヽ \ `ー ' ノ//////彡         |:.:.:/:.ノ八{{|    信仰のために戦いなさい。
圭圭彡彡./  \ \     レ' `- イ////イ          ',:.:,リ'ノノノハl|l    そうすれば、死後、ぱらいそに昇れるだろう。
主彡イ´/    ヽ ヽ     ',    ヽ/////, '、__     --彳'////八lノ
王/ ,イ!        ', 人 {  ).}     ヾ リ{、 丶``===ァ,イノノイ////f{
./ /!::! ≧、    ∨ \-' ノ       >-、'、丶、`二二´イシイノノムfイ |l|
{  l |:::!    ヽ {  j i   , ̄   __      > 、テrッチ/イ/ノ//|i{ |l!
l  ヾヽ::、   丶二.ノ イ.t──<⌒:ト、        }jイjノノ////ハ{ ,ノヘ ,jリ
ヽ  ヽ\ト _ イ:/ノ:/ l.        丶 __/,イfr彡∧ムヾ、  /´
     \ヽ`::ー':: ̄イ /                 リ  j/ ̄   ̄`ヽ  {!


112やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:27:44 ID:wSIKOtu2
   ∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧∧
 <  おお! しろうさま! しろうさま! しろうさま! しろうさま! しろうさま! しろうさま! しろうさま! .>
  ∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨∨
   /っノ      /っノ      /っノ     /っノ      /っノ      /っノ      /っノ
   / /       / /       / /      / /       / /      . / /       / /  
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  \\(、   )\\(、   )\\(、   )\\(、   )\\(、   ) \\(、   )\\(、   )
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  \\(、   )\\(、   )\\(、   )\\(、   )\\(、   ) \\(、   )\\(、   )
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     /     /ヽ  /     /ヽ  /     /ヽ /     /ヽ  /     /ヽ  /     /ヽ  /     /ヽ


113やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:29:16 ID:wSIKOtu2

        ,--三>―- 、
  /彡彡彡彡ィ::彡彡ィ::::`` ー- 、
 .//,イ´/,イ´シ'´ィ,イ´シ'´ィ彡彡'´ィミミ丶
.////´シ'´ィ,イ´シ'´ィ彡彡彡'/ィシ、ヽヽ
////,イ/,イ//ィノ,イ//ィノノ/´ミ{fヽミ',ヽ
彡彡彡∨イノィf////ィ彡ィ/   |li|トiNlil|
彡彡イ/,イノノリ//,メ、!,'/     }ihl|lトh!li
インノ/イf//ィ彡'//==x'<_::::........  // !{l}jj}l|
彳ソィ彡'ノノ彡イiリ /卞'シ"i:.! ,::::::// li|liリ'ili|
ノイ彡彡彡イ!lil|/  /    !/、=ミf、ン´/lf{ jli| 
彡彡イjiシ'´,ノリリ  /    ':!.:`丁/ノイハヾj|リ    ニコッ
ィリ/ィメイli,ィ彡" /       |   !イノノハlヾYi
//'´7Zィ'彡'´^メ、_  'ー--' /{イ//ル'ノ,イ! 
/ ,イ彡7ィ', / 、 ` ‐ 、_, ///lV/リイr'iリ |
 /;ツ'´イルイィ, ,、ン;-、_, ,イィノノハliW/小'ノ ,! 
、jl/  ,ィシイ彡シノノル、,.ィ'frシノノ//ハliliリ|}{{ (
/ヽ、fr' '7シ'ソ/ハツノノ八{lili/'ノノ/ 川{ l八! ',
   メ、 /  '"ン'ヾツノ ノノリ',/// /ノハ!(  ヽ ,!
 / 了   | f{! /ソノノイ/,イノリリ} ヽ. ソ


             ___
             /::::::::::::l:::``ヽ
              _,ノ―‐-::、|:::::::::::l
            '´-‐ァ;芝テi下ミ≧」    (…大したもんだな、こいつは。
             <、  リ j) ノミミハ     なんだかんだで、こいつが大将だからこそ、
               l-‐ ' ノ´卞トf`      この一揆はまだ持ち堪えていられる…。
              ゙ー‐f´ / ``{‐.、
                ,.-|、 ,:'  /:.:「`了   自分で広めておいてなんだが、
            /:,イ ,:'-‐/ヽ:.:/:.:.:.{:::  「天の使い」ってのは、あながち間違いでもねぇのかもしれねえな…)
        __,. -‐/ィト '   /:.:.:V:.:.:.:.ノ:::
       rf::.:.:.:.:.'´:ヾ;'.r‐ ':.:.:.:.:.:.:.:.:/|::::
       |:N、i!:.:.:.:.:.:|;/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./::j::::


114やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:33:35 ID:wSIKOtu2
                i|l   Ⅵ}!:ili. il州i|!li:ili:i:i:ili| i l|洲:'{:::{{、::::ヽ.  \
                }:j   ':小:ilil:i:洲!i|!li:ili:i:i:iリiリ:l|洲i !i:iハ丶、丶、. ヽ.,__
`:.、    . .. :.:.:.:.:.;=-l:{―--}:iい洲:i洲|!|洲li:i:l/:イ :l|洲i; Ⅵ:':、 ` ー―≠=ミー=≦三 ̄ ` 丶.__
.:.::::ヽ . :. :.:.:.:.イ´ zr:!|==ミノ:リ_ }州i洲|!|洲li:i/洲ili洲ili{{ ヾ: :丶._      `ー―-ミ._≦ニ=≠一- ._,.ノ
. :.::::::':,  .r' ':. :r'´ {::||(・) リ:i{㍉州:|:i:i:}:|!li:ili/洲洲{{洲|乂_`'≦: ニ=ー-<´ ̄ ` ー-ミ辷≠≦二三...................................
. :.:.:::::::,  '    ミ≧=}}==ニiリ‐彳洲i:i:リli:ilⅣ洲il|}}叭il:{ハ  ̄ ̄ ̄ ¨ ー‐-ミ丶、      ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. : .: :::::; :    `  ̄ ヘ.  〃 リ洲i:i:/洲 {洲i|l|リヘ:i':.乂_`ー― - . , _       丶:丶  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. : : ::::::i i          ヘ. {:{ /:洲:i:/li:洲 !i洲ⅣiハⅦ洲`::...、 ー-ミjl`ヽ     ヾ:::::::::::::::                        :::::::::::::::
. .: .: ::::| !        Ⅵ! .'洲l:il/li:il洲 Ⅶi:i洲洲Ⅵ:i洲:ilハ   Yiい   :::::::::::::::      だが…こいつは一体、         :::::::::::::::
 .:..:.::::i |         }iⅣililil:i/li:洲洲! Ⅵi:i洲洲Ⅵ:i洲}{ミゞ..,_乂_廴 :::::::::::::::       何を考えてやがるんだ…?      :::::::::::::::
    : i          Ⅶ!:i:i:jイli洲洲小. Ⅵi:i洲洲Ⅵi:il小. ヽ ー――― :::::::::::::::                            :::::::::::::::
   .:l  '           Ⅶ:i:/:'∨!洲i|ililiヾ. Ⅵi:i洲洲Ⅵl:i:i:iヽ、 丶         :::::::::::::::                        :::::::::::::::
    ;   '.         |:i:i:{ :i:∧!洲洲洲:i }i:i:i洲洲}}:i:洲ヾ:_‘ー―-..、     ':ハ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                    {:i叭 :'li小!li洲洲li|: .i|li|洲洲il|洲洲lili卞ー- ミヽ      }::}    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  Ⅷiハ;州ilハli洲洲l|: .|i:i:i洲洲i|:i:洲洲小.丶  }iリ     .':リ          ...................................
   ` ー‐ ´        乂i:i:ヽ!洲洲洲洲 i !i:i 洲洲i|:i:洲i|洲ili'.  ヽ i'′r≠彡イ             i
、__             r:州ト、小.洲洲洲洲i{{i:i:i洲洲:ハ:洲洲洲 ::,   !{   i::'´             ノ
ー-ニ==ニ==‐一 ´,,.ィ州liリ i:Ⅵ}j洲洲洲li| ハi:i:i洲洲i:l:i洲i洲洲li  ノヘ  l′            r ´
              ,.イ洲if´:' l :}li; Ⅶ洲洲洲:i{i:i:i洲洲i:l:i{{ハ!i|lil洲|     |               i
;≡≠=‐‐≠一  r:i州ili利 . 八:|il|. |!洲洲洲i:小il洲洲i:il:小.{{|lil洲i     八
li|l||||l|lilf´  ,,,...イ:ji|洲:八.:'    州 :{{:i洲洲洲 : i洲洲洲洲}}Ⅷ洲 }      ヾ
洲州 iリi|:il|i'ifi|州リjl洲{:.:.:′   ':i:リ:八;洲洲洲 l !|: .洲洲洲i|{Ⅶiliリ         )
洲州i|{ !il|州!洲洲:i|从:.:.;   /:i:i:i/  ヾli洲洲 i |洲洲洲洲从Ⅵ:イ


 完全に包囲された状況下であったが、四郎は一揆衆達の象徴として変わらず存在し続けていた。
むしろ、その運命が決まりつつある状況だったからこそ、尚更、彼に「天の使い」としての役目が
求められていたのかもしれない。

 この頃の一揆衆は、四郎を中心とすることでその形を保っていたと言える。
それ故に、一揆衆の「まるちり」は、この頃には既定路線として認識されていたといってよかった。


115やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:34:57 ID:wSIKOtu2

 しかし…

                                                    \
                                          四郎様!四郎様!
                                             おお四郎様!
                                                    /

                 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
               ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   (…参ったね、どうも。
                r''´...:::::::::::!. /_/   ,'    7 ,.-‐ '´   /イ'´        これじゃますます機会がなくなっちまう)
                 {:...::::::::::;;-1 l, \ /    / /     /ィ´`ヽ、
      ,.--‐r―‐ァ―‐┴'''´ ̄   l/丶  ` ー――''7´   /,/ l::.: :  \/
.   ,イ  /  /           /,ヘ ` = 、_  /   ,∠-;ニ'  l::::/:.:
   / /  ./  /             l l rヘ ` ‐ `゙/__,.-;ニィ1  ,イlイ:;;:. ::. :..
.  / {  l  /            l / / ヽ、  __∠‐1 l|l  //  i{ ヽ{\::::::
  { |  l  l   __,,,,... -――l/ ,'   l ̄   ゙,| |_lイ .//     ` `ヽ
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116名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:35:25 ID:qd89FNrg
あ、ファントムペインの隊長さんちーっす。


117やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:36:56 ID:wSIKOtu2

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                 /ニ1l ヽー、\ /   ̄ ̄l {     _,y´ /lヽ    (なんとか隙を見つけて、
                 r'´::::l ヽ `ーヽ T.   ,.-;ニ'_`ー---'´,ィ / ハ``    脱出しなくちゃなあ…。
                __):::::::!  } l ̄ }   '、 `ー---‐~_,.-‐'´// /  ヽ    ”まるちり”なんて冗談じゃないぜ)
                r''´...:::::::::::!. /_/   ,'    7 ,.-‐ '´   /イ'´
                 {:...::::::::::;;-1 l, \ /    / /     /ィ´`ヽ、
      ,.--‐r―‐ァ―‐┴'''´ ̄   l/丶  ` ー――''7´   /,/ l::.: :  \/
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  !   l                       /        ~       `丶、
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.  j /                     /                       ll
                   .山田右衛門作
                   (やまだ えもさく)

 その実、四郎に近い立場の者にも、生き残りを目指す者がいたのである…。


118名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:38:22 ID:enysRlfM
南條センセの短編で四郎に迫ってふられた恨みで●●したことにされてた人じゃないすか


122名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:40:45 ID:qd89FNrg
>>118
さすが残酷時代劇の大家だぜ・・・そんな残酷な展開とても思いつかないw


119やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:39:05 ID:wSIKOtu2
                 , ′           ///////////// \\
              /            ////////////////∧ ヽ
                /            /////////>====ミハ
            /            ////,> ''´_人__ノ ヽ j`ヾ ',
                       |/.イーr-r'{   { {   ∨|  ハ :.
              !             L.ノ/ { |/\  ヽ    l / |
          |     ヽ      |__/}_∧ |   ヽ  \イ| |  | .|     この私の出番が
           l  \   \     V // ̄¨'''‐-=ヘ| /ァミj ハ  ハ !   最後だけってどういうことですの!
                 \   \    V.ィテ斤了   j イJリ ト | / V|
             /      j\   \  ∧弋し       ゝ  } j/ /| |    この埋め合わせに、
.           /      / l \    \  :, `¨      :、 ::::ハ /.//    .次は私と一夏さんの二人だけの解説を
         /      / j/_∧ヽ    \ ヽ::::::::        / .ィ' //     要求しますわ!
.        /      / /〈  ヽ\   \ヽ     )'^  イ / |//
       /      / /::::::::ヽ  \\   ', ヾ      // ハ /
.       /     //:>、::::::::::\  丶\  V||>‐- ':::::/ /:::::l |
       /     /::/::::::\::::::::::\   `ヽ V  |:::::∨ /!:::: | |
     /    /:::/::::::::::::::::::\::::::::::\   }:、 i  |:::::::| / |::::::| |
          /::::::/:::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::\ ハ :|  |:::::::l'′|::::::| |
  /    /:::::::/ :::::::::::::::::::::::::::::::::: \ :::: /   :,|\|:::::| 八::::ハ|               __ __¨ ./
/    /::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ/   j  j :::: レ′ ヾ |                ._)  _) \


120名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:40:15 ID:qd89FNrg
ええええええええw>解説出番無し


123名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:42:08 ID:eU5Jyl0o
乙でした。
城中の本人達は幸せそうなんだけど、どつぼの極致ですよねこれ。



126名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:44:06 ID:fKD57GpU
乙でした。
しかしこのペースだと今年中に終わるのかなぁ・・・?


127名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:45:48 ID:.idEWKaM
>>126
ん?島原が?


129名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 22:53:34 ID:fKD57GpU
>>126
いえいえ本作自体のことでして。もう今年も折り返し地点なのでちょっと気になった次第です。
でもここまで続いていると、終わりが近づいていると考えると寂しい気もして・・・


130やる夫で学ぶ柳生一族(その51):2011/06/05(日) 22:57:08 ID:wSIKOtu2
 てなとこで今回は終了でアリマス。
本日もお付き合い&御支援ありがとうございます>ALL

 今回、一揆衆メインで考えていたので、ここまでで「その51」にしようかとも思ったのですが、
せっかくなので、この後の山田右衛門作の話と、
一揆衆の牢人達との対比となる、幕府側の牢人たちなんかの話まで込みで、「その51」にしようかなと。
次こそ、あの男(つーかこの話、「あの男」として期待される人が結構いるわけですが)を出したいところ。
まー解説の人も出番レスだったことですしね。
それではではー。

>>126
 一応、予定上では10月には終わる筈…。
でも、今年の春に計画立ててた時は、6月には終わる予定だったりするので、
まるでアキレスと亀の如き有様で砂。
もう3周年オーバーは覚悟したので、せめて今年中には終わらせてみせたいところ。

 あと、今の島原編が終わったらやりたいことがあるので、
それも考慮に入れねばなりませんし喃。
ふむむ。


131名無しのやる夫だお:2011/06/05(日) 23:10:36 ID:/DrBMHiQ
おーつー。
まああれだけ絶望的な篭城で、
寝返りださないほうがおかしいんであって。

つまり四郎は朝鮮妖術の使い手で、皆を妖術で篭絡して以下略





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